JP3066819B2 - 薄膜製造方法 - Google Patents

薄膜製造方法

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JP3066819B2 JP6177092A JP17709294A JP3066819B2 JP 3066819 B2 JP3066819 B2 JP 3066819B2 JP 6177092 A JP6177092 A JP 6177092A JP 17709294 A JP17709294 A JP 17709294A JP 3066819 B2 JP3066819 B2 JP 3066819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、枚葉形式の減圧CVD
法(LPCVD)による薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】気相中の熱分解や化学反応を利用してウ
エハ上に膜を堆積するCVD法は、シリコン膜等の製造
に広く用いられる技術である。CVD法は、ウエハ上の
特定の化学種に対して選択的に膜を蒸着できる方法であ
る等、他の薄膜堆積法にない利点を有する。このCVD
法に関して近年様々な装置及びプロセスが提案されてい
るが、その中でも、多様化するアプリケーションの要請
に対応できる枚葉式LPCVD法が注目されている。
【0003】枚葉式LPCVD法は個別処理を行う方法
であるため、このプロセス条件調整の高精度化が容易で
ある。また、ステップカバレージの高い製品を製造する
ことができ、処理するウエハの大口径化に対しても比較
的高いスループットを維持できる等、一度に数十〜10
0枚程度のウエハを処理するバッチ式LPCVD法には
ない利点を有する。更に、ドーパント濃度の制御性に優
れ、インシチュウドーピングであるため作業安全性が確
保されるなど、ドーピングを行う際の利点も併せ持つた
め、枚葉式LPCVD法は市場における様々な要請に合
致する。
【0004】以下、従来より行われる枚葉式LPCVD
法を利用したシリコン薄膜製造の典型的なプロセスを説
明する。図10は、従来の枚葉式LPCVD処理の工程
図である。
【0005】まず、処理に先立ちプロセスチャンバ内を
減圧しプロセスチャンバ内雰囲気を所定の温度に安定す
るまで加熱し蒸着の準備を行う(図10(a)参照)。
次に、プロセスチャンバ内の減圧を維持したまま、ウエ
ハ92をプロセスチャンバ内に搬入し、サセプタ93上
に固定する(図10(b)参照)。そして、SiH4
のシランとH2 等のキャリアガスとを含む混合ガスをプ
ロセスチャンバ内に導入する。加熱環境下への混合ガス
の導入によりウエハ上への蒸着が開始し、ウエハ表面に
薄膜91が蒸着される。薄膜91はサセプタ93表面に
も蒸着される。混合ガスは、形成したい薄膜種に応じて
PH3 、AsH3 、B2 6 等のドーパントを更に含ん
でいてもよい。この状態で、所望の膜厚に達するまで蒸
着を継続する(図10(c)参照)。その後、プロセス
チャンバ内の減圧を維持したまま、所望の厚さの薄膜が
形成されたウエハ92を外部へ移送し冷却する。このと
きサセプタ93表面に蒸着された膜91は、残されたま
まの状態である(図10(d)参照)。そして、次のウ
エハ921をサセプタ93上へ固定する(図10(e)
参照)。以後、サセプタへのウエハの固定(図10
(e))、薄膜の形成(図10(c))、ウエハの外部
への移送(図10(d))の順に続く工程を1サイクル
として、順次ウエハへの薄膜形成を実施する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、枚葉式L
PCVD法を実際の生産ラインに導入して経済性の高い
生産を実現するためには、連続蒸着処理が欠かせない。
連続蒸着処理では、各製品の品質を一定の水準に保ちつ
つ時間当たりのウエハ処理能力を向上する事が要求され
る。しかし、従来の枚葉式LPCVD法を利用して現実
に行われている半導体製造等の商業生産では、連続蒸着
処理における比較的初期のウエハ枚数において、各ウエ
ハ間で蒸着膜の厚さに変動がしばしば生じ、良品率が下
がるという問題があった。
【0007】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、枚葉式LPCVD法によるシリコン膜の連続蒸着工
程において、同一の操作条件下で蒸着される薄膜の厚さ
に関し各サイクル間の変動を低減せしめる薄膜製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜形製造
方法では、蒸着膜厚さの変動が比較的初期のウエハ枚数
で大きいことに着目し、比較的初期のウエハ枚数と後の
サイクルでのプロセスチャンバ内の状態の差を、予備工
程を導入することにより低減することを特徴とする。
【0009】即ち、本発明によるCVD法を用いた枚葉
式の薄膜製造方法は、プロセスチャンバ内でウエハを支
持するためのサセプタの表面全面の上に、光学的特性を
安定化させるに十分な厚さで光学的特性安定化薄膜を予
め形成する予備工程を有することを特徴とする。また、
この工程では、更にプロセスチャンバ内の加熱される部
材の露出した表面上にも光学的特性安定化薄膜を形成す
ることを特徴としてもよい。また、この工程で形成され
る光学的特性安定化薄膜が、 I = I 0 exp(−ax) (Iは光学的特性安定化薄膜に入射する光の強度、I 0
は強度Iの光が光学的特性安定化薄膜を透過した後の強
度、aは光学的特性安定化薄膜を構成する物質に固有の
光吸収率、xは光学的特性安定化薄膜の厚さ)の関係に
基づいて、光学的特性を安定させる厚さxで形成される
ことを特徴としてもよい。 また、光学的特性安定化薄膜
の厚さは好適には0.20μm以上であり、更に好適に
は1.0μm以上である。プロセスチャンバ内の温度は
450〜900℃が好適であり、圧力は1.0〜760
トールが好適である。
【0010】また、本発明による薄膜製造方法は、混合
ガスがシラン及びシラン塩化物より選択された1つ以上
の化学種を含むことを特徴としてもよい。さらにこの混
合ガスは、水素化リン(PH3 )と、ジボラン(B2
6 )と、水素化ヒ素(AsH3 )と、リン(P)、ホウ
素(B)若しくはヒ素(As)を含む炭素数が1乃至6
の飽和炭化水素とから成る群より選択される1つの化学
種をドーパントガスとして更に含むことを特徴としても
よい。
【0011】また、本発明による薄膜製造方法は、予備
工程ではサセプタの露出した表面上に薄膜を形成する操
作が複数の回数連続して行われることを特徴としてもよ
く、薄膜形成工程終了後に、予備工程又は薄膜形成工程
を開始することを特徴としてもよい。
【0012】
【作用】本発明者らは、本発明をなすに当たり、プロセ
スチャンバ内温度に着目した。即ち、プロセスチャンバ
内温度は比較的初期のウエハ枚数間で大きく変動するの
ではないかと予想した。そして以下のように、この温度
の変動が蒸着に係る化学反応速度に影響し、その結果薄
膜の厚さが変動すると推定した。
【0013】ランプ加熱によるコールドウォールLPC
VD装置では、ランプから放射される熱はプロセスチャ
ンバ内のサセプタ等に吸収され蓄積し、この蓄積した熱
が放射されてプロセスチャンバ内の雰囲気に移動し、プ
ロセスチャンバ内は加熱される。プロセスチャンバ内は
所定の温度に保たれているため、CVD処理中に薄膜
は、ウエハ表面だけではなくサセプタや予熱リング等の
表面にも少しずつ堆積する。この薄膜は光に対して屈折
率又は反射率等固有の光学特性を有し、上述の加熱ラン
プによる放射加熱過程に影響を与える。連続処理の比較
的初期のウエハ枚数ではサセプタ上に蓄積された膜厚が
薄いため、上述の放射加熱過程はサセプタの光学特性に
大きく影響される傾向が推定される。しかし膜厚が厚く
なれば、サセプタに到達する光の強度は膜厚に対して指
数的に減少するため、放射加熱過程はサセプタの光学特
性に影響されなくなる。従って、プロセスチャンバ内の
サセプタ等の露出した表面に係る薄膜をある一定値以上
の厚さに予め形成する予備工程を行うことにより、その
後のウエハへの薄膜形成工程における反応温度が安定
し、各ウエハ上に形成される薄膜の厚さが安定すること
が予想され、本発明者らの実験により実際に確認され
た。このような、サセプタ等の上に予め形成される薄膜
を、ここでは、光学特性安定化薄膜と称する。
【0014】また、予備工程即ちサセプタの露出した表
面上に薄膜を形成する操作を複数の回数連続して行うこ
とによっても、反応温度が安定する。
【0015】従って、以上のような反応温度が安定した
薄膜形成工程により、均一性の向上した薄膜が形成され
る。
【0016】
【実施例】添付した図を参照して本発明の実施例を説明
する。尚、図面の説明において同一要素には同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。
【0017】(実施例1)図1は、本実施例に係る薄膜
製造法の工程図であり、プロセスチャンバ内のサセプタ
13及び予熱リング16に関する工程毎の縦断面図であ
る。尚、工程毎の変化をわかり易く表現するため、図1
では厚さの尺度を実際より誇張して描いている。図1に
示す工程は、図2に縦断面図が、図3に上面図が示され
る枚葉式コールドウォールLPCVDプロセスチャンバ
(以下プロセスチャンバと称する)において実施され
る。尚、図2及び図3に示されるプロセスチャンバは、
従来のプロセスチャンバと実質的に同様の構成の、ラン
プにより加熱を行う枚葉式コールドウォールLPCVD
装置である。また、図2、図3で示されるプロセスチャ
ンバは、以後全ての実施例において共通に使用される。
【0018】図2及び図3に示すように、プロセスチャ
ンバ10は、上壁101、底壁102及び側壁103に
より画成される。上壁101の上方及び下壁102の下
方には加熱ランプ11が水平円周上に沿って20台ずつ
計40台設置され(この内4台を図示)、プロセスチャ
ンバ10内を加熱する。加熱ランプ11からの放射によ
る熱を効率良く利用するため、上壁101、底壁102
及び側壁103は高い光透過性を有する材料から成る必
要があり、通常高純度石英が用いられる。
【0019】プロセスチャンバ10は、円盤形のウエハ
12を支持する円盤形のサセプタ13を備える。このサ
セプタ13は表面にシリコンカーバイドを被覆したグラ
ファイト製であり、加熱ランプ11により加熱されてプ
ロセスチャンバ10内に十分な熱量を放射する作用も併
せ持つ。サセプタ13はペデスタル14により支持され
る。ペデスタル14はその数本のアーム141によりサ
セプタ13を数点で支持している。ペデスタル14の下
部には、ペデスタル14に支持されたサセプタ13を回
転させるため、ペデスタル14を回転するモータ15が
接続されている。円盤形のサセプタ13の周囲には、環
状の予熱リング16が配置される。予熱リング16はサ
セプタ13と同様に表面にシリコンカーバイドを被覆し
たグラファイトで構成される。この予熱リング16はサ
セプタ13と同様に、加熱ランプ11により加熱されて
高温となる。側壁103には、ガス流入口17及びガス
流出口18が、夫々対面して配置される。加熱ランプ1
1の出力を制御する目的でサセプタ13等より放射され
る電磁波を検出する放射温度計19が、サセプタ13下
面中心付近に設置される。
【0020】上記のプロセスチャンバ10を使用し、以
下に示すようにシリコン薄膜の製造を実施した。本実施
例では、蒸着に用いる混合ガスの組成、混合ガスの流
量、蒸着温度並びにプロセスチャンバ内の圧力の各操作
条件は、予備工程及びウエハへの薄膜形成工程とも同一
で行った。反応ガスとしてモノシラン(SiH4 )と、
キャリアガスとして水素(H2 )とから成る混合ガスを
用い、混合ガスにはドーパントを含ませなかった。 図
1及び図2を参照して、工程を説明する。先ず、プロセ
スチャンバ10内を80トールに減圧し、ランプ11に
よりプロセスチャンバ10内雰囲気をウエハへの薄膜形
成を行う所定の温度(680℃)に加熱して、蒸着の準
備を行う。この時、サセプタ13及び予熱リング16等
も加熱ランプ11により十分に加熱された状態となる
(図1(a)参照)。次に、予備工程を行う。圧力及び
温度を上記に維持したまま、SiH4 を0.5(SL
M)、H 2 を5.0(SLM)の流量で、ガス流入口1
7よりプロセスチャンバ10内に導入する。この時ウエ
ハ12はプロセスチャンバ10内に搬入されていない。
SiH4 及びH2 から成る混合ガスは、主に矢印20の
方向にプロセスチャンバ10内を流れ、ガス排気口18
より排出される。混合ガスは、図2においてアーム14
1同士の間に示される空間内にも流通し、サセプタ13
下面全域にも接触する。温度及び圧力を維持したまま混
合ガスを所定の時間流し続け、ウエハへ蒸着される薄膜
とほぼ同じ組成のシリコン薄膜30が、サセプタ13の
露出した表面上に蒸着された。尚、所望の予備蒸着膜厚
さを得るための予備蒸着時間は、実験により予め求めて
おくことが望ましい。この時、ペデスタル14はモータ
15により水平方向に回転されるため、サセプタ13も
水平方向に回転するため表面の温度が均一になり、ガス
中の成分が均一な濃度でサセプタ13に接触するように
なる。このシリコン膜30は、予熱リング16等プロセ
スチャンバ内の他の部材の露出した表面上にも蒸着され
た。この蒸着は石英製側壁103上にも生じた(図1
(b)参照)。予備工程はここで終了した。次いで、ウ
エハへの薄膜形成工程の1サイクルを開始する。プロセ
スチャンバ10内を更に5トールまで減圧し、トランス
ファチャンバ(図示せず)よりウエハ12を移送し、サ
セプタ13上に設置する(図1(c)参照)。そして、
再びプロセスチャンバ10内の圧力を80トールとし、
上記予備工程と同一の混合ガスを上記予備工程と同一の
流量でガス流入口17よりプロセスチャンバ10内に導
入する。ウエハは係る蒸着温度まで加熱されているた
め、ウエハへの蒸着が開始しウエハ上にシリコン膜31
が蒸着される。この蒸着は、所定の時間(60秒間)継
続される。この際予備工程の時と同様に、ペデスタル1
4はモータ15により水平方向に回転されるため、サセ
プタ13上のウエハ12も水平方向に回転し、ウエハ1
2の表面の温度が均一になりガス中の成分が均一な濃度
でウエハ12の表面に接触するようになる。尚、サセプ
タ13及び予熱リング16も係る蒸着温度まで加熱ラン
プ11により加熱されている。その結果、ウエハに堆積
する薄膜がサセプタ13及び加熱リング19の露出した
表面にも蒸着する(図1(d)参照)。蒸着が終了した
後、プロセスチャンバ10内を5トールに減圧して、成
膜されたウエハ12をトランスファチャンバへ移送し
(図1(e)参照)そこでウエハを冷却する。ここでウ
エハへの薄膜形成工程の1サイクルが終了した。そし
て、次の薄膜形成工程のため、サセプタ13上へ次のウ
エハ121を設置した(図1(f)参照)。以後、ウエ
ハのサセプタへの固定(図1(f))、薄膜の形成(図
1(d))、外部へのウエハの移送(図1(e))の順
に行われる工程を1サイクルとし、合計で50サイクル
連続して薄膜形成工程を実施した。以上に述べた工程に
おける操作条件を纏めて表1に示す。尚、シリコン薄膜
の形成においては、プロセスチャンバ内の温度は450
〜900℃、圧力は1〜760トールが好適である。
【0021】
【表1】
【0022】以上の操作によりウエハ上に堆積されたシ
リコン膜の厚さは、光学的膜厚測定器 Spectramap SM30
0 (PROMETRIX 社) により測定された。1枚のウエハに
つき49点の膜厚を測定し、この49点の平均値をもっ
て係るウエハ上に蒸着した膜厚とした。また、一般にサ
セプタ上にも同じ薄膜形成速度で薄膜が堆積すると推定
され、係る薄膜形成条件におけるウエハへの薄膜形成速
度を予め調べ、これに予備蒸着時間を乗じた値をもっ
て、予備蒸着膜の厚さとした。以下の全ての実施例にお
いて、薄膜の測定にはこの方法を用いた。
【0023】本発明においては、ウエハへの成膜安定性
は下記の如く評価した。一連の連続処理の中で1、5、
10、15、20、25、30、35、40、45、5
0枚目の11枚を抽出し上述の方法で膜厚を測定し、1
1枚の膜厚の平均値を算出した。そして、それらの最大
値と最小値との幅の1/2をもって成膜安定性と定義
し、11枚の平均値を基準とした時の値をもって単位を
%として表現した。ちなみに、安定したディバイスの生
産を行う見地から、この成膜安定性は3%以下であるこ
とが望ましい。
【0024】本実施例では、予備工程における混合ガス
流通時間、即ち予備蒸着時間を3通りに変えて予備蒸着
膜の厚さを3通りとしてウエハへの薄膜形成工程を行
い、これらを実施例1−1、1−2及び1−3として実
施した。本実施例において得られた予備蒸着膜厚さとウ
エハへの成膜安定性との関係を表2に示した。また、従
来技術との比較のため、予備蒸着を行わない場合の成膜
安定性も実施例1−0として表2に示した。表2に示さ
れる予備蒸着膜厚さとウエハへの成膜安定性の結果は、
図4に示される。図4は、縦軸を成膜安定性、横軸を予
備蒸着厚さとして本実施例の結果を表したグラフであ
る。
【0025】
【表2】
【0026】図4によれば、予備処理で0.3μmの蒸
着をサセプタに行った1−1は、予備処理を行わない実
施例1−0に比べて成膜安定性の値が著しく向上し、そ
の傾向は予備堆積処理を0.9μmまで行った1−2ま
で継続される。そして、更に厚く3.0μmまで予備蒸
着処理膜を形成した1−3では、1−2に比べ成膜安定
性の改善の程度は緩やかであった。従って、少なくとも
予備蒸着膜が形成されれば成膜安定性が改善され、予備
蒸着膜の厚さが増せば、更に成膜安定性が向上する傾向
があることが、明らかになった。
【0027】(実施例2)本実施例は、混合ガスの組成
及び流量を、SiH4 0.5SLM、H2 2.0SL
M、及びPH3 0.5SLMとして導入し、温度を65
0℃として実施例1と同様の工程で蒸着を実施した。即
ち、実施例1との相違点は、PH3 ドーパントを含むこ
とのみである。本実施例においても、実施例1で図1を
参照し説明した工程と全く同様に、予備工程及びウエハ
への薄膜形成工程を実施した。本実施例においても予備
蒸着時間を3種類設定して3種類の予備蒸着膜厚さを設
定し、それぞれを実施例2−1、2−2及び2−3とし
た。本実施例の操作条件は表3に、予備蒸着厚さと成膜
安定性は表4に示した。また、予備蒸着を行わない比較
例の結果も実施例2−0として表2に示した。これらの
結果を、予備蒸着厚さを横軸に、成膜安定性を縦軸に表
したグラフである図5にも示した。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】図5によれば、予備処理で0.2μmの蒸
着をサセプタに行った2−1は、予備処理を行わない実
施例2−0に比べて成膜安定性の値が著しく向上し、そ
の傾向は予備堆積処理を0.6μmまで行った2−2及
び2.0μmまで行った2−3まで継続される。
【0031】(実施例3)本実施例では、実施例2で用
いた混合ガスのドーパントを流量0.1SLMのAsH
3 で置き換え、上述の実施例1及び2と同様の工程で蒸
着を実施した。即ち、本実施例が実施例2と相違する点
は、ドーパントの種類のみである。本実施例の工程につ
いては、図1を参照して説明した実施例1の工程と同じ
工程で実施した。予備蒸着時間は2通りとして実施例3
−1及び実施例3−2が実施された。これらの操作条件
を表5に、予備蒸着膜厚さに対する成膜安定性を表6に
示した。また、実施例1、2と同様に、予備蒸着を行わ
ない比較例を実施例3−0として表6に示し、これを含
めて予備蒸着膜膜厚さに対する成膜安定性の関係を図6
のグラフに示した。図6は、横軸を予備蒸着膜厚さ、縦
軸を成膜安定性としたグラフである。図6によれば、予
備処理で0.5μmの蒸着をサセプタに行った3−1
は、予備処理を行わない実施例3−0に比べて成膜安定
性の値が向上し、予備蒸着厚さを1.0μm形成した3
−2では成膜安定性が更に向上した。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】(実施例4)本実施例では、実施例2で用
いた混合ガスのドーパントを流量0.5SLMのB2
6 で置き換え、図1を参照して説明された実施例1〜3
の工程と同じ工程で薄膜形成を行った。即ち、上述の実
施例1〜3との相違点は、ドーパントの種類だけであ
る。その他は全て実施例1〜3と同様に実施した。本実
施例の操作条件は、表7に示される。本実施例でも、2
通りの予備蒸着時間により予備蒸着膜の厚さを2通りと
して実施し、実施例4−1、4−2として結果を表8に
示した。操作条件並びに予備蒸着膜厚さと成膜安定性を
表4に示した。また、表8には予備蒸着を行わない実施
例4−0の結果も併せて示し、これらの結果を図7のグ
ラフに表した。図7は、横軸を予備蒸着膜厚さ、縦軸を
成膜安定性としたグラフである。図7によれば、0.3
μmの厚さに予備蒸着を行った4−1及び、0.9μm
の厚さに予備蒸着を行った4−2では、予備蒸着を行わ
ない実施例4−0に比べ改善された成膜安定性を得るこ
とができた。
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】実施例1〜4において図4〜7で示した予
備蒸着厚さと成膜安定性との関係を一つのグラフに纏
め、これを図8として示す。図8を参照すれば、LPC
VD法によりシリコン薄膜を形成する場合、ドーパント
を含むと含まぬとに拘らずプロセスチャンバ内のサセプ
タ等にシリコン薄膜を予め形成しておけば、その後のウ
エハへの薄膜形成工程における連続成膜安定性が向上す
ることが示された。図8によれば、少なくとも厚さ0.
2μmの予備蒸着膜がサセプタ等に形成されれば、その
後の連続成膜安定性が向上することが示された。また図
8によれば、前述の如く3%以下の成膜安定性の値をも
ち、安定したディバイス生産を実現するためには、予備
蒸着膜が厚さ1.0μm以上に形成されればよいことが
示された。尚、実施例1〜4では、この予備工程はプロ
セスチャンバ内の洗浄を行わない限り原則的に一度行え
ばよく、その後の薄膜形成工程は更なる予備蒸着なしに
連続して行えばよい。
【0038】ちなみに、安定した薄膜形成に必要な予備
蒸着膜厚さの規準に関して、次のように考えることも可
能である。物質及びその状態に固有の光吸収率がaであ
る厚さxの薄膜に強度Iの光を照射したとき、薄膜を透
過する光の強度I0 は、以下のように与えられる。
【0039】I = I0 exp(−ax) 即ち、サセプタ表面の光学特性は、この上に形成された
薄膜の厚さに依存する。I/I0 がある一定値以下にな
るような厚さxの予備蒸着膜がサセプタ上等に形成され
れば、その後この予備蒸着膜の上に新たな薄膜が蓄積さ
れてもチャンバ内温度は安定に保たれると予想される。
【0040】図9は、上記の実施例1〜4の変形例にお
ける薄膜製造法の工程図である。本変形例の予備工程に
おいてサセプタの露出した表面上に薄膜を形成する操作
を複数の回数連続して行うこととしたものである。即
ち、図9と実施例1〜4の工程を表す図1とを比較して
判るように、この変形例が実施例1〜4と異なる点は、
予備工程における膜の形成ステップ(図1(b)及び図
9(b)参照)の部分である。図9によれば、予備工程
の予備蒸着膜形成が、任意の時間(例えば120秒間
等)の薄膜形成を複数の回数n回(n≧2)連続して繰
り返し予備蒸着膜301を形成する(図9(b1)…
(bn)参照)。
【0041】本変形例の予備工程において実施される、
予備薄膜形成操作を複数の回数繰り返して行う方法によ
っても、実施例1〜4と同様の成膜安定効果を得ること
ができる。尚、予備工程は薄膜形成工程の連続サイクル
の任意の間に行ってもよく、また最初に1度行えばよい
場合もあり、これは形成する薄膜の組成等によって予備
実験を行い選択すればよい。
【0042】本発明は、上記の例に限定されるものでは
なく更に変形することも可能である。例えば、ドーパン
トとして用いることのできる化学種は、上記各実施例で
用いた化学種の他に、tert.-ブチルホスフィン、イソブ
チルホスフィン、トリエチルホスフィン、tert.-ブチル
アルシン、トリメチルアルシン、トリエチルアルシン、
トリメチルボロン、トリエチルボロン等のP、B、As
を含む炭素数1〜6の飽和炭化水素等を挙げることがで
きる。また、キャリアガスにはアルゴン、ヘリウム等の
不活性ガスや、窒素等を用いることも可能である。ま
た、モノシランの代替としてジシラン(SiH4 )等の
シランや、ジクロロシラン(SiH2 Cl2 )、トリク
ロロシラン(SiHCl3 )等のシラン塩化物を用いて
もよい。あるいは、予備工程及び薄膜形成工程における
ガスの流量条件については、キャリアガスが0〜60
(SLM)、シラン/シラン塩化物が0.05〜2.0
0(SLM)、ドーパントが0〜1.00(SLM)
の、夫々の範囲で設定してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の薄
膜製造方法ではウエハへの薄膜形成工程に先立ち予備工
程を行い、プロセスチャンバ内の加熱される部材の露出
した表面に一定以上の厚さの光学的特性安定化薄膜を予
め形成する。その結果、連続的に行われるウエハへの薄
膜形成工程の比較的初期のウエハ枚数間で温度が変動す
る傾向が改善される。従って、連続薄膜形成で薄膜の厚
さが各サイクル間で変動しない、歩留まりの高い薄膜製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜製造方法の工程図である。
【図2】LPCVDコールドウォール枚葉式プロセスチ
ャンバの縦断面図である。
【図3】LPCVDコールドウォール枚葉式プロセスチ
ャンバの上面図である。
【図4】実施例1における予備蒸着厚さと成膜安定性と
の関係を表すグラフである。
【図5】実施例2における予備蒸着厚さと成膜安定性と
の関係を表すグラフである。
【図6】実施例3における予備蒸着厚さと成膜安定性と
の関係を表すグラフである。
【図7】実施例4における予備蒸着厚さと成膜安定性と
の関係を表すグラフである。
【図8】実施例1〜4における予備蒸着厚さと成膜安定
性との関係を表すグラフである。
【図9】変形例の薄膜製造方法の工程図である。
【図10】従来技術による薄膜製造方法の工程図であ
る。
【符号の説明】
10…プロセスチャンバ、11…加熱ランプ、12…ウ
エハ、13…サセプタ、14…ペデスタル、15…モー
タ、16…予熱リング、17…ガス流入口、18…ガス
流出口、19…放射温度計、20…矢印、30…予備蒸
着膜、、91…蒸着膜、92…ウエハ、93…サセプ
タ、101…上壁、102…下壁、103…側壁、12
1…ウエハ、141…足、301…予備蒸着膜、311
…蒸着膜、921…ウエハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 勝次 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (72)発明者 東海 暢男 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (72)発明者 有馬 靖二 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (72)発明者 栗原 邦夫 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (72)発明者 ヘイ, ピーター 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地 内 アプライド マテリアルズ ジャパ ン 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−92519(JP,A) 特開 昭64−79097(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱による化学反応を用いるCVDによる
    枚葉式の薄膜製造方法であって、 反応領域を内部に有する減圧されたプロセスチャンバ内
    に配置され、前記反応領域の外部に配置された熱源から
    の放射により加熱されたサセプタの露出した表面の上
    に、前記熱源からの加熱のための放射に対する光学的特
    性を安定化させるに十分な厚さで光学的特性安定化薄膜
    を予め形成する予備工程と、 前記チャンバ内の前記サセプタ上にウエハを載置し、加
    熱された前記サセプタ若しくはウエハからの放射を検出
    することにより前記放射熱源から前記サセプタへの加熱
    を制御しつつ、減圧下でウエハ上に薄膜を蒸着する操作
    を、複数のウエハに連続して行う薄膜形成工程とを備え
    ることを特徴とする薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記予備工程では、更にプロセスチャン
    バ内の加熱される部材の露出した表面上にも前記光学的
    特性安定化薄膜を形成することを特徴とする請求項1に
    記載の薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光学的特性安定化薄膜の厚さは0.
    20μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    薄膜製造方法。
  4. 【請求項4】 前記予備工程では、シランと、シラン塩
    化物とから成る群より選択された1つ以上の化学種を含
    むガスを用いてCVDを行うことを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガスは、水素化リンと、ジボラン
    と、水素化ヒ素と、飽和炭化水素であってリン(P)、
    ホウ素(B)又はヒ素(As)のいずれか1つを有する
    炭素数1乃至6の前記飽和炭化水素とから成る群より選
    択される1つの化学種をドーパントガスとして更に含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の薄膜製造方法。
  6. 【請求項6】 前記予備工程は450〜900℃の温度
    及び1.0〜760トールの圧力で行われることを特徴
    とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
  7. 【請求項7】 前記予備工程が複数の回数連続して行わ
    れることを特徴とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
  8. 【請求項8】 前記予備工程がウエハ上へ薄膜を形成し
    た後にも行われることを特徴とする請求項1に記載の薄
    膜製造方法。
  9. 【請求項9】 前記薄膜形成工程では、少なくとも50
    枚のウエハに連続して薄膜を蒸着する操作を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
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