JP3066738B2 - 水処理方法及び装置 - Google Patents

水処理方法及び装置

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JP3066738B2
JP3066738B2 JP9074546A JP7454697A JP3066738B2 JP 3066738 B2 JP3066738 B2 JP 3066738B2 JP 9074546 A JP9074546 A JP 9074546A JP 7454697 A JP7454697 A JP 7454697A JP 3066738 B2 JP3066738 B2 JP 3066738B2
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浩雅 楠田
弘三 永易
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Kawasaki Jukogyo KK
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理プラン
ト、産業廃水処理プラント、上水プラント等において、
臭気成分を含む廃水を密閉槽内で減圧浮上処理するとと
もに、減圧状態でオゾンを添加して、無臭の高度処理水
を得る方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、特開平5−317870号公
報に記載されているように、加圧槽の中で原水にオゾン
を添加して、オゾンによる脱臭、殺菌、脱色等を行い、
この処理水に凝集剤を添加してから、減圧状態で浮上槽
に送り込み固液分離を行う水質浄化装置が知られてい
る。また、特開昭55−27059号公報に記載されて
いるように、悪臭廃水を減圧浮上処理して固液分離を行
うとともに、減圧のために吸引された臭気ガスを脱臭
し、減圧浮上処理された水に脱臭されたガスの一部を飽
和溶解させた処理水を加えてから、加圧浮上処理を行っ
て再度固液分離を行い、より高度なSS(懸濁浮遊物)
除去率を得る方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平5−317870号公報に記載の装置では、加圧
槽の中で原水にオゾンを添加するが、オゾンによる脱臭
の場合、臭気成分を分解除去するのに物質によって必要
な反応時間が異なり、臭気成分が完全に分解除去される
ことはないので、浮上槽での臭気ガスの発生は避けられ
ない。また、減圧浮上による処理だけでは、加圧浮上処
理に比べて、生成可能な気泡量が限られるので、固液分
離のための浮上効果で劣ることになる。上記の特開昭5
5−27059号公報に記載の方法では、悪臭廃水の処
理として減圧浮上処理を行うが、より高度なSS除去率
を得るために、減圧浮上処理水に空気溶解加圧水を加え
て、再度浮上分離処理を行っており、装置が大型化・複
雑化するという問題がある。
【0004】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、密閉型の減圧浮上処理により、臭
気ガスの発生やリークの危険性が少なく、装置をコンパ
クトにすることができ、また、オゾンの添加により、脱
臭、凝集促進、殺菌及び脱色が効果的に行える水処理方
法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の水処理方法は、つぎの(a)〜(e)の
工程、すなわち、 (a) 悪臭廃水を原水として凝集剤とともに密閉槽に
導入し密閉槽内を減圧にしてフロックを浮上分離させる
工程、 (b) 減圧時の密閉槽内の底部又は/及び密閉槽導入
直前の原水に減圧状態でオゾンを添加する工程、 (c) 密閉槽内を減圧にするために吸引した臭気成分
を含む排出ガスを脱臭する工程、 (d) 減圧状態の密閉槽内における底層水を精密ろ過
膜(MF膜)へ膜の透過側に設置されたポンプで吸引し
てろ過する工程、 (e) 密閉槽内の原水上部に浮上したフロックを排泥
する工程、 とからなることを特徴としている(図1、図2参照)。
上記の本発明の方法において、密閉槽内を減圧にするた
めに吸引する臭気成分を含む排出ガスの一部を脱臭し、
臭気成分を含む排出ガスの残部をオゾンとともに密閉槽
に供給することが望ましい。
【0006】本発明の水処理装置は、悪臭廃水を凝集剤
とともに導入するための原水導入管を接続した内部の減
圧が可能な密閉槽と、密閉槽の上部に接続された密閉槽
内を減圧にするための減圧手段と、密閉槽内の下部に接
続された原水に減圧状態でオゾンを添加するためのオゾ
ン添加手段と、減圧手段に接続された臭気成分を含む排
出ガスを脱臭するための脱臭装置と、密閉槽の下部に接
続された減圧状態の密閉槽内から底層水を精密ろ過膜
(MF膜)へ膜の透過側に設置されたポンプで吸引して
ろ過するためのろ過装置と、密閉槽に接続された原水上
部に浮上したフロックを排泥するための排泥手段とから
なることを特徴としている(図1、図2参照)。上記の
本発明の装置において、減圧手段の真空ポンプと脱臭装
置との間の吸引ガス管と、オゾン添加手段のオゾン供給
管とを吸引ガス循環ラインを介して接続することが望ま
しい。以上の本発明における処理サイクルは、連続式で
も回分式でもよい。なお、精密ろ過膜(MF膜)として
は、ガラス繊維、各種セラミックス陶磁器質、ステンレ
ス鋼や特殊合金をはじめとする各種金属繊維や網、セル
ロース、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン
等の各種天然及び合成高分子を素材とする、平膜型や円
筒型、プリーツ型、ラミネート型、スパイラル型、チュ
ーブ型、中空糸型の孔径100μm〜0.01μmの膜な
どが挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の第1形態に
よる水処理装置を示している。本実施の形態は、連続式
の水処理装置を用いる場合である。図1に示すように、
密閉槽10には、原水導入管12から悪臭廃水が原水と
して凝集剤とともに導入される。なお、凝集剤を密閉槽
10に直接添加する構成とすることも可能である。そし
て、密閉槽10上部に接続された吸引ガス管14を介し
て真空ポンプ16により密閉槽10内のガスが吸引さ
れ、密閉槽10内が減圧状態になり、原水中の汚泥等が
フロックとなって原水の上部に浮上し分離される。分離
された汚泥等は、排泥管18から排泥ポンプ20により
抜き出される。22は排泥をコントロールする弁であ
る。また、凝集剤としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸
アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄等の無機系凝集剤と高分子有機系凝集剤の各々
単独又は組み合わせたものが挙げられる。
【0008】減圧時の密閉槽10内の底部には、オゾナ
イザー(図示略)で生成されたオゾンガスが、オゾン供
給管24を通ってオゾン分散器26から微細な気泡とし
て供給されており、オゾンの酸化力により臭気成分が分
解除去されるのは勿論のこと、密閉槽10内の気泡量を
増大させるとともに上昇流を生じさせ、かつ、凝集反応
を促進させて凝集剤の使用量を削減させることができ
る。また、オゾンによる殺菌や脱色も可能である。な
お、オゾンの添加場所は密閉槽10底部だけでなく、原
水導入管12からオゾンを添加する構成とすることも可
能である。28はオゾン添加量を調節する制御弁、30
は弁である。
【0009】前述の真空ポンプ16により吸引された臭
気成分を含む排出ガス(臭気ガス)は、吸引ガス管32
を通って脱臭装置34に導入され、脱臭装置34で完全
に脱臭されてから系外に排出される。この場合、真空ポ
ンプ16からの臭気ガスの一部が、吸引ガス管32から
吸引ガス循環ライン36を介してオゾン供給管24に導
入され、オゾンとともに密閉槽10底部に添加される。
原水導入管12からオゾンを添加する構成の場合も同様
に臭気ガスの一部を導入することができる。なお、脱臭
装置34としては、一例として、吸着剤として粉末活性
コークス、粉末活性炭、粉末褐炭等を用いる充填層式脱
臭塔、バグフィルタ式脱臭装置等を用いることができ
る。
【0010】そして、密閉槽10の下部から抜き出され
た分離水は、MF膜(精密ろ過膜)によるろ過装置38
でSS(懸濁浮遊物)等が完全に除去されて無臭の高度
処理水となる。この場合、減圧状態の密閉槽10内の圧
力が上がらないように、MF膜の透過側に設置されたポ
ンプ40で処理水が吸引されるように構成する。42は
水分離管である。本実施の形態では、減圧手段として真
空ポンプ16、吸引ガス管14、32、オゾン添加手段
としてオゾン供給管24、オゾン分散器26、オゾナイ
ザー、排泥手段として排泥管18、排泥ポンプ20をそ
れぞれ採用しているが、減圧手段、オゾン添加手段、排
泥手段として他の構成を採用することも勿論可能であ
る。
【0011】図2は本発明の実施の第2形態による水処
理装置を示している。本実施の形態は、回分式の水処理
装置を用いる場合である。回分式の場合は、原水導入、
オゾン添加と真空吸引、MF膜によるろ過、常圧復帰、
排泥の5工程からなる。図2に示すように、密閉槽50
には、原水導入管52から悪臭廃水が原水として凝集剤
とともに導入される。つぎに、密閉槽50上部に接続さ
れた吸引ガス管54を介して真空ポンプ56により密閉
槽50内のガスが吸引され、密閉槽50内が減圧状態に
なり、また、密閉槽50内の底部には、オゾナイザー
(図示略)で生成されたオゾンガスが、オゾン供給管5
8を通ってオゾン分散器60から供給される。真空ポン
プ56により吸引された臭気ガスは、吸引ガス管62を
通って脱臭装置64に導入され、脱臭装置64で完全に
脱臭されてから系外に排出される。
【0012】そして、密閉槽50の下部から抜き出され
た分離水は、MF膜によるろ過装置66でSS等が完全
に除去されて無臭の高度処理水となる。この場合、減圧
状態の密閉槽50内の圧力が上がらないように、MF膜
の透過側に設置されたポンプ68で処理水が吸引され
る。70は水分離管である。処理水が吸引された後、密
閉槽50内は常圧に戻され、減圧浮上分離された汚泥等
が密閉槽50の底部から排泥ポンプ72により抜き出さ
れて脱水機74に導入される。76は排泥管である。脱
水機74で脱水された汚泥等は脱水ケーキ等として排出
され、脱水機74からの排水は原水槽(図示略)に送ら
れて再度処理が行われ、脱水機74からの臭気ガスは脱
臭装置64に導入されて脱臭される。なお、排泥ポンプ
は脱水機に内蔵されている場合もある。他の構成及び作
用等は、本発明の実施の第1形態の場合と同様である。
【0013】つぎに、図3及び図4に示す実験結果か
ら、オゾンの添加による凝集剤の削減効果について検討
する。図3は、種々の割合でオゾンを添加した廃水に凝
集剤を加えて凝集沈殿処理を行ったときの処理水の着色
度(色度)を吸光度値(波長390nm)で測定した結果
である。図3から、凝集剤の量が同じであれば、オゾン
添加率の高い方が着色度が少ないので、オゾンの添加に
より気泡量の増大等による凝集促進が図られていること
がわかる。このことは、特に、凝集剤の添加率が少ない
ときに顕著である。図4は、図3の結果から目標とする
吸光度値(波長390nm)を得るために必要な凝集剤の
量がオゾンの添加によってどれくらい削減されるかを表
したグラフである。図4から、オゾンの添加により凝集
反応が促進されて凝集剤の使用量を削減できることがわ
かる。この凝集剤の削減効果は、目標とする着色度が小
さい場合に特に顕著であるので、高度処理が必要とされ
る場合等にオゾンの添加は非常に有効である。
【0014】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 悪臭廃水を密閉槽で減圧浮上処理するととも
に、密閉槽内にオゾンを添加し、減圧のために吸引した
臭気ガスは脱臭を行い、さらに、減圧浮上処理水は精密
ろ過膜(MF膜)でろ過するので、臭気ガスの発生及び
リークの危険性が少なく、同時にSS(懸濁浮遊物)等
のない無臭の高度処理水が得られ、しかも、装置がコン
パクトになる。 (2) 減圧浮上処理では、反応器を減圧状態の密閉系
とするため、臭気ガスの発生やリークが抑えられる。 (3) 減圧浮上処理では、加圧浮上処理に比べ、SS
除去のために空気溶解加圧水を添加する必要もなく、装
置がコンパクトにできる。 (4) 密閉槽底部又は/及び原水導入部からオゾンを
添加するとき、密閉槽内の気泡量を増大させるとともに
上昇流を生じさせ、かつ、凝集反応の促進による凝集剤
添加率の削減や殺菌、脱色も可能である。 (5) 減圧時に吸引する臭気ガスを脱臭装置に導入す
る完全脱臭システムが実現できる。 (6) 処理水をMF膜へ吸引してろ過するので、SS
等のない無臭の高度処理水が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による水処理装置を示
す系統的概略構成図である。
【図2】本発明の実施の第2形態による水処理装置にお
ける工程を示す系統的概略構成図である。
【図3】オゾンを添加した廃水に凝集剤を加えて凝集沈
殿処理を行ったときの処理水の吸光度(波長390nm)
を測定したグラフである。
【図4】処理水が目標とする吸光度(着色度)になるの
に必要な凝集剤添加率をオゾン添加率を変化させて測定
したグラフである。
【符号の説明】
10、50 密閉槽 12、52 原水導入管 14、32、54、62 吸引ガス管 16、56 真空ポンプ 18、76 排泥管 20、72 排泥ポンプ 22、30 弁 24、58 オゾン供給管 26、60 オゾン分散器 28 制御弁 34、64 脱臭装置 36 吸引ガス循環ライン 38、66 ろ過装置 40、68 ポンプ 42、70 水分離管 74 脱水機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/44 C02F 1/78 ZAB 1/52 ZAB 9/00 502G 1/78 ZAB 502P 9/00 502 502R 503A 503C 503 503G 504B B01D 53/34 116B 504 (56)参考文献 特開 昭55−27059(JP,A) 特開 昭56−141891(JP,A) 特開 平8−309393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/24 C02F 1/78 C02F 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの(a)〜(e)の工程、すなわ
    ち、 (a) 悪臭廃水を原水として凝集剤とともに密閉槽に
    導入し密閉槽内を減圧にしてフロックを浮上分離させる
    工程、 (b) 減圧時の密閉槽内の底部又は/及び密閉槽導入
    直前の原水に減圧状態でオゾンを添加する工程、 (c) 密閉槽内を減圧にするために吸引した臭気成分
    を含む排出ガスを脱臭する工程、 (d) 減圧状態の密閉槽内における底層水を精密ろ過
    膜へ膜の透過側に設置されたポンプで吸引してろ過する
    工程、 (e) 密閉槽内の原水上部に浮上したフロックを排泥
    する工程、 とからなることを特徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】 密閉槽内を減圧にするために吸引する臭
    気成分を含む排出ガスの一部を脱臭し、臭気成分を含む
    排出ガスの残部をオゾンとともに密閉槽に供給する請求
    項1記載の水処理方法。
  3. 【請求項3】 悪臭廃水を凝集剤とともに導入するため
    の原水導入管を接続した内部の減圧が可能な密閉槽と、 密閉槽の上部に接続された密閉槽内を減圧にするための
    減圧手段と、 密閉槽内の下部に接続された原水に減圧状態でオゾンを
    添加するためのオゾン添加手段と、 減圧手段に接続された臭気成分を含む排出ガスを脱臭す
    るための脱臭装置と、 密閉槽の下部に接続された減圧状態の密閉槽内から底層
    水を精密ろ過膜へ膜の透過側に設置されたポンプで吸引
    してろ過するためのろ過装置と、 密閉槽に接続された原水上部に浮上したフロックを排泥
    するための排泥手段と、 からなることを特徴とする水処理装置。
  4. 【請求項4】 減圧手段の真空ポンプと脱臭装置との間
    の吸引ガス管と、オゾン添加手段のオゾン供給管とを吸
    引ガス循環ラインを介して接続した請求項3記載の水処
    理装置。
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