JP3065969B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

ヒンジ装置

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JP3065969B2
JP3065969B2 JP9237474A JP23747497A JP3065969B2 JP 3065969 B2 JP3065969 B2 JP 3065969B2 JP 9237474 A JP9237474 A JP 9237474A JP 23747497 A JP23747497 A JP 23747497A JP 3065969 B2 JP3065969 B2 JP 3065969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、眼鏡フレ
ームの開閉部等に用いるのに好適なヒンジ装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、眼鏡は、レンズ部材が嵌
め込まれたフレームと耳に掛けるつるとが互いに折り畳
み可能となるように、ヒンジ装置によって連結されてい
る。従来、この種のヒンジ装置としては、例えば、フレ
ーム側に形成される連結部とつるの一端側に形成される
連結部とを軸を介して互いに連結するものが多く用いら
れている。この場合、つるは、レンズ部材に対してほぼ
平行となるまで折り畳まれる折り畳み位置と、着用時に
レンズ部材に対して略直角となるまで開かれる着用位置
との間でフレームに対して、軸回りに回動可能とされて
いる。
【0003】着用位置では、つるの軸近傍の端部をフレ
ームに当接させることにより、つるがレンズ部材に対し
てそれ以上開かないように、そのつるを係止するように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のヒンジ装置には、以下のような問題が存
在する。つるの回動動作が、着用位置においてフレーム
との当接により拘束されるために、例えば、眼鏡を着用
している状態で、つるを着用位置以上に開かせるような
外力が作用した場合には、フレームとつるとの当接部近
傍に過大な応力が作用して、フレームあるいはつるのい
ずれか、または、その両方が変形する等の損傷を受ける
という不都合があった。
【0005】このような不都合を回避するために、フレ
ームに対するつるの回動可能角度を大きくして、つるが
フレームに対して着用位置よりもさらに開かれ得るよう
に設計したものも提案されている。即ち、着用位置より
もさらにつるが開く方向に外力が作用した場合には、つ
るをさらに回動させることによって、その外力がフレー
ム側にそのまま伝達されることを回避して、眼鏡の連結
部が破損することを防止しようとするものである。
【0006】この場合において、つるをフレームに対し
て回動自在に連結しただけでは、着用した状態におい
て、眼鏡が遊動してしまい安定した装着性が得られない
ため、つるをフレームに対して着用位置に係止する機構
をヒンジ装置に設ける必要がある。また、つるが着用位
置よりも開いた場合には、つるを着用位置に戻すための
機構を併せ持たせることも必要になる。
【0007】このような機構としては、コイルスプリン
グとボールとを利用したクリック機構が考えられる。即
ち、フレームまたはつるのいずれか一方側に略円筒面状
の転動面を設け、他方側に転動面を転動するボールと該
ボールを転動面に向けて付勢するコイルスプリングとを
設けると共に、前記転動面に、つるが着用位置に配され
たときにボールを嵌合させる凹部を設けたものである。
【0008】このクリック機構によれば、眼鏡の使用者
が眼鏡を着用する際に、レンズ部材に対してつるを開く
とコイルスプリングに付勢されたボールが転動面を転動
し着用位置において転動面の凹部に嵌合する。これによ
り、つるがフレームに対して、一旦係止され、着用位置
に止まることになる。
【0009】また、つるが着用位置からさらに開くと、
ボールはコイルスプリングの付勢力に抗して、凹部から
外れて転動面に乗り上げようとする。このため、コイル
スプリングからボールに付与される付勢力は増大し、ボ
ールは凹部内に戻る方向、即ち、つるを着用位置に戻す
方向に付勢されることになる。
【0010】しかし、小型軽量であることが要求される
眼鏡のヒンジ装置に、このようなボールとコイルスプリ
ングとからなるクリック機構を使用する場合には、ボー
ルの変位量をあまり大きくできないという難点がある。
このため、着用位置においてつるを確実に係止し、ある
いは、着用位置方向に向けた十分な付勢力を発生させる
には、コイルスプリングのばね定数を大きくする必要が
ある。
【0011】ところが、コイルスプリングのばね定数を
大きくすると、コイルスプリングの取扱いが困難になり
組み付け作業性および保守作業性が悪くなり、あるい
は、特殊な組み付け治具が必要になる等の不都合が発生
する。また、コイルスプリングのばね定数を大きくする
と、ボール・転動面およびボール・コイルスプリング間
における摩擦力が大きくなり、特に、ボールと転動面と
の接触が点接触となるために、接触位置における圧力は
過大なものとなり、摩耗、動作不良等の原因にもなる。
さらに、ボールおよびコイルスプリングを用いたクリッ
ク機構は、構造が複雑になり易く、部品点数も多いとい
う不都合もある。
【0012】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、小型軽量で、保守作業性に優れ、しかも、
着用位置よりも開いた位置から着用位置方向に向けて十
分な戻り力をつるに作用させ得る、例えば眼鏡等に用い
て好適なヒンジ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記
載のヒンジ装置は、一の部材と二の部材が互いに回動軸
線を中心として開閉自在とされるヒンジ装置であって、
前記一の部材は、前記回動軸線上に位置する支持孔を有
すると共に該支持孔の形成された壁部の外面に前記回動
軸線回りに位置する保持面を有する構成とされ、前記二
の部材は、前記一の部材の支持孔に前記回動軸線を中心
として回動自在に嵌挿される回動軸と、この回動軸に前
記回動軸線と直交する方向に突出するように固定された
突出部材と、一端部に前記突出部材が遊嵌される孔部を
有すると共に前記保持面に摺動自在な摺動面を有し、前
記回動軸線に対し前記突出部材をガイドとして離間・接
近自在な回動部材とを具備してなり、前記回動軸または
突出部材と、前記回動部材との間にこれらを互いに接近
させる方向に付勢する付勢部材が張設されていることを
特徴とするものである。
【0014】従って、本発明のヒンジ装置においては、
支持孔に嵌挿された回動軸を介して、一の部材と二の部
材とが回動自在に連結されると共に、回動部材は回動軸
に対して折り畳み位置では接近し、着用位置では離間す
ることが可能となる。また、このとき回動部材は、一の
部材に形成された保持面に付勢された状態で摺動可能で
ある。
【0015】請求項2記載のヒンジ装置は、請求項1記
載のヒンジ装置において、前記保持面は、前記回動部材
を前記回動軸に対して離間・接近させるカム部を構成し
ていることを特徴とするものである。
【0016】従って、本発明のヒンジ装置においては、
回動部材を着用位置よりも開かせるような外力が作用し
た場合は、着用位置よりも開いた位置へ回動可能である
と共に、その状態から着用位置方向へ戻ることが可能と
なる。
【0017】請求項3記載のヒンジ装置は、請求項1ま
たは2記載のヒンジ装置において、前記回動軸および突
出部材には、前記回動軸線に直交する方向の貫通孔が形
成され、前記回動部材には該貫通孔の延長軸線上に位置
させて挿通孔が形成され、前記付勢部材を前記貫通孔お
よび挿通孔内に挿通して配置すると共にその一端部を前
記回動軸または突出部材に、他端部を前記回動部材に引
き止めてなることを特徴とするものである。
【0018】従って、本発明のヒンジ装置においては、
付勢部材を回動軸、突出部材および回動部材の内部に収
納すると共に、これら回動軸、突出部材、回動部材は、
付勢部材により引き止められる。
【0019】請求項4記載のヒンジ装置は、請求項1か
ら3のいずれかに記載のヒンジ装置において、前記回動
部材の他端部に、前記付勢部材の他端の前記延長軸線上
における引き止め位置を調整する位置調整機構が設けら
れていることを特徴とするものである。
【0020】従って、本発明のヒンジ装置においては、
位置調整機構を操作することにより、回動部材の回動軸
に対する引き止め位置が調整可能となる。
【0021】請求項5記載のヒンジ装置は、一の部材と
二の部材が互いに回動軸線を中心として開閉自在とされ
るヒンジ装置であって、前記一の部材は、前記回動軸線
上に位置させて軸壁部を有する構成とされ、前記二の部
材は、嵌入溝を有すると共に該嵌入溝内に前記一の部材
の軸壁部を受け入れて該軸壁部回りに前記回動軸線を中
心として回動自在な回動壁部と、該回動壁部に前記回動
軸線と直交する方向に突出するように固定された突出部
材と、一端部に前記突出部材が遊嵌される孔部を有し、
該突出部材をガイドとして前記回動壁部に対し離間・接
近自在な回動部材とを具備してなり、前記一の部材側と
前記回動部材との間にこれらを互いに接近させる方向に
付勢する付勢部材が張設され、前記一の部材には、前記
軸壁部の近傍に係合溝が形成され、前記回動壁部には、
前記一の部材に対し前記回動部材を開く方向に回動した
際に、前記係合溝に係合して該回動部材の回動先端が前
記回動軸線から離間する方向に移動するための支点とな
る係合突起が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0022】従って、本発明のヒンジ装置においては、
不使用時には回動部材を一の部材側に折り畳み、使用す
る際は回動部材を把持して、これを回動させる。する
と、回動部材が定位置に到ったときに回動壁部の係合突
起が一の部材の係合溝に係合する。さらに、回動部材を
回動させると、回動部材および回動壁部は係合突起を支
点として回動する。この場合、回動部材の回動先端は、
回動軸線から離れる方向に移動する。
【0023】請求項6記載のヒンジ装置は、一の部材と
二の部材が互いに回動軸の軸線を中心として開閉自在と
されるヒンジ装置であって、前記一の部材は、前記回動
軸が回動自在に嵌挿される支持孔を有するとともに該支
持孔の形成された壁部が突出する摺動面を有する構成と
され、前記二の部材は、一端部に前記回動軸が回動自
在、かつ前記軸線と直交する方向に移動自在に嵌挿され
る保持孔を有すると共に該保持孔の形成された突出壁部
の外面に前記軸線回りに位置して前記摺動面に摺動自在
な保持面を有し、前記軸線に対し前記回動軸をガイドと
して離間・接近自在な回動部材を具備してなり、前記回
動軸と前記回動部材との間にこれらを互いに接近させる
方向に付勢する付勢部材が張設されていることを特徴と
するものである。
【0024】従って、本発明のヒンジ装置においては、
一の部材と二の部材とがその支持孔および保持孔にそれ
ぞれ嵌挿される回動軸の軸線回りに回動する。このと
き、一の部材の摺動面と二の部材の回動部材の保持面と
が、付勢部材により互いに接近させる方向に付勢された
状態で、また、回動部材は軸線と直交する方向に移動可
能に摺動する。
【0025】請求項7記載のヒンジ装置は、請求項6記
載のヒンジ装置において、前記保持面は、前記回動部材
を前記回動軸に対して離間・接近させるカム部を構成し
ていることを特徴とするものである。
【0026】従って、本発明のヒンジ装置においては、
回動部材を回動させたときに回動軸に対して離間または
接近させることができる。
【0027】請求項8記載のヒンジ装置は、請求項6ま
たは7記載のヒンジ装置において、前記回動部材には、
前記方向の挿通孔が形成され、前記付勢部材を前記挿通
孔内に挿通して配置すると共に、その一端部を前記回動
軸に、他端部を前記回動部材に引き止めてなることを特
徴とするものである。
【0028】従って、本発明のヒンジ装置においては、
付勢部材を回動部材の内部に収納すると共に、回動軸と
回動部材とを互いに接近させる方向に付勢した状態で引
き止めることができる。
【0029】請求項9記載のヒンジ装置は、請求項6か
ら8のいずれかに記載のヒンジ装置において、前記回動
部材の他端部に、前記付勢部材の他端部の前記方向にお
ける引き止め位置を調整する位置調整機構が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0030】従って、本発明のヒンジ装置においては、
位置調整機構を操作することにより、付勢部材の他端部
の位置を調整することができる。
【0031】請求項10記載のヒンジ装置は、請求項1
から9のいずれかに記載のヒンジ装置において、前記付
勢部材の両端には、該付勢部材を前記一の部材側および
二の部材側にそれぞれ引き止める引止部材が固着され、
該引止部材は、前記付勢部材が挿通される引止孔を有
し、圧潰された前記付勢部材が該引止孔に挿通された後
に圧潰されて該付勢部材を固着する構成とされているこ
とを特徴とするものである。
【0032】従って、本発明のヒンジ装置においては、
圧潰された付勢部材の凹凸に、圧潰された引止部材が噛
合した状態で固着させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のヒンジ装置の第1
の実施の形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
ここでは、例えば、本発明のヒンジ装置を眼鏡の開閉部
に適用する場合の例を用いて説明する。
【0034】図1に示すように、符号1は眼鏡であり、
この眼鏡1は、フレーム2(一の部材)と弦部材3(二
の部材)とこれらフレーム2と弦部材3とを互いに開閉
自在に連結するヒンジ装置4とから構成されるものであ
る。フレーム2には連結壁部5(壁部)が形成され、連
結部5には上下方向中間部に空間6を隔てて上壁部7と
下壁部8が形成されている。上壁部7と下壁部8には、
それぞれ上下方向に支持孔9が形成されている。また、
上壁部7と下壁部8の外周面には、支持孔9の軸線回り
に位置する保持面10が形成されており、この保持面1
0はカム部11を構成している。
【0035】図6および図7に示すように、カム部11
には、円弧部44と湾曲面45が形成されており、円弧
部44は回動軸12の軸線からの距離が一定の円弧とさ
れる断面形状を有するものである。湾曲面45は、回動
軸12の軸線からの距離が始端Sから漸次増加しながら
終端Eへ到る断面形状を有するものである。
【0036】弦部材3は、支持孔9に回動自在に嵌挿さ
れる回動軸12と、回動軸12に固定される突出部材1
3と、この突出部材13を遊嵌した状態で支持するつる
14(回動部材)とから構成されるものである。図2に
示すように、回動軸12には、その軸線に直交する方向
の貫通孔15が形成されており、貫通孔15は、その一
端側が外周面から軸中心へ向かうにつれて漸次縮径する
ものである。また、回動軸12の他端側には雌ネジ部1
6が形成されている。
【0037】突出部材13は、大径部17と小径部18
とから構成され、小径部18には雄ネジ部19が形成さ
れ、回動軸12の雌ネジ部16に螺着することにより、
突出部材13を回動軸12に固定するものである。大径
部17は柱状に形成されたものである。突出部材13の
軸線上には、貫通孔20が形成されており回動軸12の
貫通孔15と連通するようになっている。
【0038】つる14の内部には、突出部材13の貫通
孔20の延長軸線上に位置して挿通孔23が形成されて
いる。つる14の一端部には、突出部材13の大径部1
7が相対的に遊嵌される孔部21が形成され、その端面
はフレーム2の保持面10に摺動自在とされる摺動面2
2とされている。また、つる14の他端部には、図3に
示すように、凹部24と、凹部24より大径に形成され
た凹部25と、凹部24と凹部25との間に段部29が
形成されている。さらに、この他端部には、凹部24に
向けて小径部26と、大径部27と、小径部26と大径
部27との間に位置する段部28とが形成されている。
【0039】上記貫通孔15,20および挿通孔23に
は、超弾性合金材料からなる弾性ワイヤ36(付勢部
材)が挿通して配置されている。この弾性ワイヤ36
は、一端が回動軸12にクサビ37により引き止めら
れ、他端がつる14に引き止められており、これら回動
軸12とつる14とを互いに接近させる方向に付勢する
ように張設される構成となっている。この場合、つる1
4に引き止められる位置は、位置調整機構39によって
可変自在となっている。
【0040】即ち、位置調整機構39は、挟持体30と
この挟持体30に螺着する調整ネジ41とから構成さ
れ、つる14の凹部24内には、図4に示す位置調整部
材31と挟持部材32とからなる挟持体30が挿通孔2
3の軸線方向に摺動自在に配置されている。位置調整部
材31と挟持部材32とは、互いに弾性ワイヤ36を挟
持するものであって、これらは、カシメ等により強固に
固定されている。そして、弾性ワイヤ36は、図5に示
すように、挟持部材32の一面に形成された蛇行した溝
38に嵌まり込む状態で挟持されている。
【0041】位置調整部材31の一端面には、前記延長
軸線上に位置して孔40が形成されており、孔40の内
面は雌ネジ部35となっている。つる14の小径部26
には、調整ネジ41が挿入されており、この調整ネジ4
1は頭部42と雄ねじ部43とからなるものである。雄
ねじ部43は、小径部26に挿入され位置調整部材31
の雌ネジ部35に螺着している。頭部42は、つる14
の大径部27に挿入され、段部28に係合している。そ
して、凹部25内には、蓋体34が挿入され段部29に
係合して固定される構成となっている。
【0042】以下に本発明のヒンジ装置を用いた眼鏡の
動作を説明する。図6は、つる14が折り畳み位置にあ
る状態を示すものである。このとき、つる14の摺動面
22は、カム部11の円弧部44に当接している。円弧
部44は、回動軸12の軸線からの距離が一定の円弧で
形成されているため、つる14が軸線方向に付勢されて
も周方向へ移動する力は働かない。従って、つる14
は、折り畳み位置に固定される。
【0043】図7は、つる14が着用位置にある状態を
示すものである。このとき、つる14の摺動面22は、
カム部11の湾曲面45に当接している。湾曲面45
は、回動軸12の軸線からの距離が始端Sから漸次増加
しながら終端Eへ到る断面形状を有するものなので、つ
る14は小径の方、即ち、折り畳み位置方向へ移動しよ
うとする力が加えられる。
【0044】一方、つる14を着用位置からさらに開く
方向への外力が作用すると、つる14は係止することな
く終端E方向へ移動する。このとき、つる14は、小径
の方、即ち、折り畳み位置方向へ移動しようとする力が
加えられると共に、突出部材13をガイドに回動軸12
に対して離間する方向へ移動する。
【0045】また、眼鏡1の着用時、つる14による着
用者の頭部への挟持力が強すぎる、または弱すぎる等の
不具合を感じたときは、位置調整機構39の調整ネジ4
1を回動させることにより、弾性ワイヤ36の付勢力を
自在に変更できるため、挟持力の調整が可能である。
【0046】本実施の形態のヒンジ装置によれば、弾性
ワイヤ36や位置調整機構39をつる14の内部に収納
する構成となっているため、眼鏡1が小型軽量になって
いる。また、つる14に着用位置よりも開く力が作用し
ても破損することなく、かつ、着用位置方向へ戻ること
ができると共に、その戻る力または着用時の装着感も調
整ネジ41を回動させることにより容易に調整可能であ
る。
【0047】一方、つる14は、着用位置よりも開いた
際に、回動軸12に対して離間する方向へ移動するの
で、例えば、眼鏡1を外すためにつる14を開くと後方
へ移動する。即ち、着用者の耳に係止していたつる14
が、耳から外れる方向へ移動するため、容易に眼鏡1を
はずすことができる。
【0048】図8および図9は、本発明のヒンジ装置の
第2の実施の形態を示す図である。これらの図におい
て、図1ないし図7に示す第1の実施の形態の構成要素
と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省
略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態と
が異なる点は、本発明のヒンジ装置を携帯電話機の筐体
の連結構造に適用したことである。
【0049】図8において、符号51は、携帯電話機で
ある。この携帯電話機51は、電話機本体52(一の部
材)の一側縁55に送話部53(二の部材)を二つのヒ
ンジ装置4,4により連結したものである。電話機本体
52には、連結壁部5が形成され、連結壁部5にはその
両側部に空間6,6を隔てて側壁部56,56と中壁部
57が形成されている。
【0050】また、側壁部56,56と中壁部57の外
周面には、図9に示すように、支持孔9の軸線回りに位
置する保持面10が形成され、この保持面10はカム部
11を構成している。カム部11には、回動軸12の軸
線からの距離が始端Sから漸次増加しながら終端Eへ到
る断面形状を有する湾曲面45と、この湾曲面45の内
方を欠落させて被保持面58とが形成されている。
【0051】送話部53は、支持孔9に回動自在に嵌挿
される回動軸12と、回動軸12に固定される突出部材
13と、この突出部材13を遊嵌した状態で支持する送
話部材54(回動部材)とから構成されるものである。
他の点は、上記第1の実施の形態と同一である。
【0052】以下に本発明のヒンジ装置を用いた携帯電
話機の開閉動作を説明する。図9は、携帯電話機1の送
話部材54が使用位置にあることを示すものである。こ
の図において、送話部材54の摺動面22は、連結壁部
5の被保持面58に当接し支持されている。そして、使
用しない時は、送話部材54を使用位置から折り畳み位
置へと折り畳む。このとき、送話部材54は、湾曲面4
5に乗り上げるが、湾曲面45は回動軸12の軸線から
の距離が始端Sから漸次増加しながら終端Eへ到る断面
形状を有するものなので、送話部材54は小径の方、即
ち、折り畳み位置方向へ移動しようとする力が加えられ
る。
【0053】一方、送話部材54を使用位置からさらに
開く方向への外力が作用すると、送話部材54は湾曲面
45に乗り上げ、係止することなく終端E方向へ移動す
る。このとき、上記同様送話部材54には、折り畳み位
置方向へ移動しようとする力が加えられる。これら折り
畳み位置方向へ移動しようとする力の強さは、上記第1
の実施の形態同様位置調整機構39の調整ネジ41を回
動させることにより、調整が可能になっている。
【0054】本実施の形態のヒンジ装置によれば、上記
第1の実施の形態と同様に小型軽量の携帯電話機が得ら
れる。また、送話部材54が使用位置よりも開く力が作
用しても破損することなく、かつ、折り畳み位置方向へ
戻ることができると共に、その戻る力も調整ネジ41を
回動させることにより容易に調整可能である。
【0055】図10ないし図12は、本発明のヒンジ装
置の第3の実施の形態を示す図である。これらの図に示
す実施の形態は、前述した第1の実施の形態と同様に本
発明のヒンジ装置を眼鏡のフレームの開閉部に適用した
場合の例である。
【0056】図10において、符号61は眼鏡であり、
この眼鏡61は、眼鏡レンズ等が設けられる側のフレー
ム62(一の部材)と弦部材63(二の部材)とこれら
フレーム62と弦部材63とを互いに開閉自在に連結す
るヒンジ装置64とから構成されている。フレーム62
には、その端部に上下に離間させて軸壁部62a,62
bが形成されている。これら軸壁部62a,62bに
は、それぞれ上下方向に支持孔(図示せず)が形成され
ており、この支持孔内にはボルト部材66が回動軸とし
て挿通されている。
【0057】ボルト部材66には、軸壁部62a,62
b間の空間部67に位置させて係止部材68が装着され
ている。ボルト部材66は、その頭部66aを軸壁部6
2aの一端側に位置させ、他端側にナット69が螺着さ
れることにより軸壁部62a,62bに固定されてい
る。前記係止部材68は、環状の部材であって、その周
面に係止溝68aを有するものである。また、軸壁部6
2a,62bの近傍には、上下方向に延びる係合溝79
が形成されている。
【0058】弦部材63は、回動壁部70と突出部材7
1とつる72(回動部材)とから構成されている。回動
壁部70の一端部には、係合溝79に係合する係合突起
80が設けられている。
【0059】つる72の一端部には、突出部材71が遊
嵌される孔部85が形成されている。回動壁部70と突
出部材71およびつる72には、それぞれ貫通孔73,
74,75が形成されている。前記係止部材68の係止
溝68aには、弾性ワイヤ76(付勢部材)の一端が巻
回され、かつ、固定部材77により折り返した部分が縛
着することで係止部材68に引き止められている。
【0060】弾性ワイヤ76は、回動壁部70,突出部
材71,つる72に形成された貫通孔73,74,75
を挿通し、張設された状態でつる72の回動先端78側
に引き止められている。回動先端78側の引き止め構造
は、前述した図1ないし図4に示すものと同様の構造で
ある。
【0061】この構成においては、不使用時にはつる7
2をフレーム62側に折り畳み、使用する際はつる72
を把持して、図11に示すように、これを矢印A方向に
回動させる。すると、回動壁部70の溝81(嵌入溝)
の内面82が、軸壁部62a,62bの外周面83,8
4を周接しつつ矢印A方向に回動し、定位置に到ったと
きに回動壁部70の係合突起80がフレーム62の係合
溝79に係合する。さらに、つる72を矢印A方向に回
動させると、図12に示すように、つる72および回動
壁部70は係合突起80を支点として回動する。この場
合、つる72の回動先端78は、回動軸線から離れる方
向に移動する。
【0062】本実施の形態のヒンジ装置によれば、眼鏡
61を装着しようとする場合には、つる72の回動先端
部が回動軸線から移動すること、即ち後方へ移動するこ
とによって容易につるを耳に係合させることができる。
また、つる72を広げる操作を解けば、弾性ワイヤ76
の引張力によりつる72は、他方のつると互いに近接す
る方向へ移動すると共に、回動軸線側へ移動すること、
即ち後方からの保持力ががけられる。これにより、つる
72は、良好に耳に装着することができる。
【0063】図13ないし図17は、本発明のヒンジ装
置の第4の実施の形態を示す図である。これらの図に示
す実施の形態は、前述した第1の実施の形態と同様に本
発明のヒンジ装置を眼鏡のフレームの開閉部に適用した
場合の例である。
【0064】図13において、符号86は眼鏡であり、
この眼鏡86は、眼鏡レンズ等が設けられる側のフレー
ム87(一の部材)と弦部材88(二の部材)とこれら
フレーム87と弦部材88とを互いに開閉自在に連結す
るヒンジ装置89とから構成されている。
【0065】フレーム87には、その端部に上下に離間
させて端壁部87a、87bおよびこれら端壁部87
a,87b間に臨ませて摺動面90が形成されており、
これら端壁部87a,87bは摺動面90から突出する
ものである。また、端壁部87a、87bには、それぞ
れ上下方向に支持孔91が形成されており、支持孔91
には回動軸92の大径部93が回動自在に嵌挿される構
成となっている。
【0066】そして、図14に示すように、回動軸92
の小径部94は、係止部材95の孔部96に回動自在に
嵌合している。係止部材95は、端壁部87a,87b
間の空間に位置する環状の部材であって、その周面に係
止溝95aを有している。
【0067】弦部材88は、つる97(回動部材)と該
つる97の他端部に装着されるモダン98とを備えた構
成とされている。つる97の一端部には、該つる97か
ら突出する突出壁部97a、97bが上下に離間させて
形成されており、これら突出壁部97a、97b間の空
間には上記係止部材95が配設され、また、突出壁部9
7a,97bはフレーム87の端壁部87a,87b間
に配設されている。
【0068】突出壁部97a、97bには、回動軸92
の大径部93が回動自在に嵌挿される保持孔101が上
下方向に形成されている。また、図15に示すように、
この保持孔101は、上記回動軸92の軸線と直交する
方向に沿った長円形状を有している。
【0069】そして、突出壁部97a、97bの外周面
には、上記軸線回りに位置する保持面102が形成され
ており、この保持面102は摺動面90に対して摺動自
在とされると共にカム部103を構成している。カム部
103は、つる97を回動軸92に対して離間・接近さ
せるものであって、傾斜部104と円弧部105と並行
部106とから構成されている。
【0070】傾斜部104は、眼鏡86が着用状態にあ
るときに、摺動面90に当接してこの着用状態を保持す
るように該摺動面と略平行に、かつ眼鏡86の外側へ向
かうに従って、保持孔101からの距離が漸次大きくな
るように形成されており、円弧部105は、この傾斜部
104の外側の終端部に形成されている。並行部106
は、上記方向と並行するように形成されており、眼鏡8
6が折り畳み状態にあるときに、摺動面90に当接して
この状態を保持するものである。
【0071】一方、つる97の内部には、回動軸92の
軸線と直交する方向に位置して挿通孔99が形成されて
いる。また、挿通孔99の一端側には、突出壁部97
a、97b間に臨ませて挿通孔99より大径の孔部10
0が形成されており、他端側には雌ネジ101が形成さ
れている。
【0072】挿通孔99には、超弾性合金材料からなる
弾性ワイヤ107が挿通して配置されている。この弾性
ワイヤ107は、一端が係止部材95の係止溝95aに
巻回された後、カシメ部材108(引止部材)により係
止部材95を介して回動軸92に、即ちフレーム87側
に引き止められ、他端部がカシメ部材109によりつる
97に、即ち弦部材88側に引き止められている。
【0073】図16に示すように、カシメ部材108,
109は、円筒形状を有しており、その内部には弾性ワ
イヤ107より大径の引止孔111が形成されている。
弾性ワイヤ107は、その端部が圧潰された状態でカシ
メ部材108,109の引止孔111に挿通された後、
カシメ部材108,109の外周面が圧潰されることで
カシメ部材108,109に固着される構成となってお
り、これら回動軸92とつる97とを互いに接近させる
方向に付勢するように張設されている。
【0074】この場合、つる97に引き止められる位置
は、位置調整機構110によって可変自在となってい
る。位置調整機構110は、つる97に形成された雌ネ
ジ101と調整ネジ112とから構成されている。
【0075】図14に示すように、調整ネジ112は、
雌ネジ101に螺着する雄ネジ113と、雄ネジ113
より大径に、かつ、つる97の外径より小径に形成され
た大径部114とから構成されており、その内部には、
つる97の挿通孔99の延長軸線上に位置して連通孔1
15および該連通孔115より大径の係止孔116が形
成されている。そして、連通孔115には弾性ワイヤ1
07が挿通され、係止孔116にはカシメ部材109が
挿入され段部117に係合して固定される構成となって
いる。
【0076】以下に本発明のヒンジ装置の作用を説明す
る。まず、弾性ワイヤ107をカシメ部材108,10
9に固着させる手順について説明する。図16に示すよ
うに、予め、弾性ワイヤ107の端部をカシメ工具(図
示せず)等を用いて、その表面に凹凸が形成されるよう
に圧潰しておく。
【0077】次に、圧潰させた弾性ワイヤ107をカシ
メ部材108,109の引止孔111に挿通する。そし
て、この状態で、図17に示すように、カシメ部材10
8,109の外周面を弾性ワイヤ107と共に圧潰す
る。これにより、弾性ワイヤ107の凹凸に圧潰された
カシメ部材108,109が噛合するため、これら弾性
ワイヤ107およびカシメ部材108,109は強固に
固着する。
【0078】続いて、本発明のヒンジ装置を用いた眼鏡
の動作を説明する。図15は、つる97が着用位置にあ
る状態を示すものである。このとき、つる97は、弾性
ワイヤ107に付勢された状態でその傾斜部104がフ
レーム87の摺動面90に当接するため、着用位置に保
持される。
【0079】そして、つる97を折り畳み状態にするに
は、つる97を保持孔101の軸線回りに、図中反時計
回りに回動させて、フレーム87の摺動面90に対して
並行部106を当接させる。このとき、つる97は、摺
動面90への当接が傾斜部104から並行部106へ切
り替わるが、これらの交叉部Kは、保持孔101からの
距離が大きいため、フレーム87に対するつる97の位
置が離間する方向へ移動して弾性ワイヤ107の付勢力
が増大してしまう。そのため、つる97は、摺動面90
への当接が傾斜部104または並行部106に促進され
る。
【0080】一方、つる97を着用位置からさらに開く
方向への外力が作用すると、つる97は係止することな
く、図中時計回りに回動する。これにより、摺動面90
への当接が傾斜部104から円弧部105へ切り替わ
る。傾斜部104は、眼鏡86の外側へ向かうに従っ
て、保持孔101からの距離が漸次大きくなるように形
成されているため、弾性ワイヤ107の付勢力も漸次増
大する。そのため、この方向への外力が作用しても、つ
る97は破損することなく、かつ、着用位置へ戻る。
【0081】また、眼鏡86の着用時、つる97による
着用者の頭部への挟持力が強すぎる、または弱すぎる等
の不具合を感じたときは、位置調整機構110の調整ネ
ジ112を回動させることにより、弾性ワイヤ107の
付勢力を自在に変更できるため、挟持力の調整が可能で
ある。
【0082】本実施の形態のヒンジ装置によれば、上記
第1の実施の形態と同様の効果が得られることに加え
て、弾性ワイヤ107が、端部を圧潰された後にカシメ
部材108,109と共に圧潰されて強固に固着されて
いるので、線径の細いワイヤを使った際にもカシメ部材
108,109から離脱することなく、信頼性の高い付
勢状態を維持できる。
【0083】なお、上記実施の形態において、本発明の
ヒンジ装置を眼鏡および携帯電話機に適用した例を示し
たが、これに限られることなく、例えば、化粧用コンパ
クト、携帯用情報端末等にも適用可能である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るヒ
ンジ装置によれば、一の部材は支持孔を有すると共に該
支持孔の形成された壁部の外面に前記回動軸線回りに位
置する保持面を有しており、二の部材は、回動軸線を中
心として回動自在に嵌挿される回動軸と、この回動軸に
直交する方向に突出するように固定された突出部材と、
一端部に突出部材が遊嵌される孔部を有すると共に前記
保持面に摺動自在な摺動面を有し、前記突出部材をガイ
ドとして離間・接近自在な回動部材と備える構成となっ
ている。そして、回動軸または突出部材と、回動部材と
の間にこれらを互いに接近させる方向に付勢する付勢部
材が張設されている。
【0085】これにより、種々の機器に適用可能な小型
軽量のヒンジ装置が得られるという優れた効果を奏す
る。
【0086】請求項2に係るヒンジ装置によれば、一の
部材の保持面は、回動部材を回動軸に対して離間・接近
させるカム部を構成している。これにより、回動部材を
着用位置等よりも開かせるような外力が作用した場合で
も破損することはなく、また、その状態から着用位置方
向へ戻ることが可能という優れた効果を奏する。
【0087】請求項3に係るヒンジ装置によれば、付勢
部材の一端部が回動軸または突出部材に、他端部が回動
部材に引き止められると共に、該付勢部材を回動軸、突
出部材および回動部材の内部に収納する構成になってい
る。これにより、ヒンジ装置は、小型軽量になるという
優れた効果を奏する。
【0088】請求項4に係るヒンジ装置によれば、回動
部材の他端部に、付勢部材の他端の延長軸線上における
引き止め位置を調整する位置調整機構が設けられる構成
となっている。これにより、位置調整機構を調整すると
いう簡単な作業で付勢部材の付勢力が調整可能となり、
保守作業性が向上するという優れた効果を奏する。
【0089】請求項5に係るヒンジ装置によれば、一の
部材側と回動部材との間にこれらを互いに接近させる方
向に付勢する付勢部材が張設され、一の部材には、軸壁
部の近傍に係合溝が形成されている。回動壁部には、一
の部材に対し回動部材を開く方向に回動した際に、係合
溝に係合して回動部材の回動先端が回動軸線から離間す
る方向に移動するための支点となる係合突起が設けられ
る構成となっている。
【0090】これにより、装着しようとする場合には、
回動部材の回動先端部が回動軸線から移動すること、即
ち後方へ移動することによって容易につる回動部材を係
合させることができる。また、回動部材を広げる操作を
解けば、付勢部材の引張力により回動部材は、他方の回
動部材と互いに近接する方向へ移動すると共に、回動軸
線側へ移動すること、即ち後方からの保持力がかけられ
るという優れた効果を奏する。
【0091】請求項6に係るヒンジ装置によれば、一の
部材と二の部材とが回動軸の軸線を中心として開閉自在
とされ、回動軸と、二の部材の回動部材との間にこれら
を互いに接近させる方向に付勢する付勢部材が張設され
る構成となっている。これにより、種々の機器に適用可
能な小型軽量のヒンジ装置が得られるという優れた効果
を奏する。
【0092】請求項7に係るヒンジ装置によれば、回動
部材の保持面が、回動部材を回動軸に対して離間・接近
させるカム部となっている。これにより、回動部材を着
用位置よりも開かせるような外力が作用した場合でも破
損することなく、また、その状態から着用位置方向へ戻
ることができるという優れた効果を奏する。
【0093】請求項8に係るヒンジ装置によれば、回動
部材に挿通孔が形成され、付勢部材を挿通孔に挿通する
と共に、その一端部を回動軸に、他端部を回動部材に引
き止める構成となっている。これにより、ヒンジ装置
は、小型軽量になるという優れた効果を奏する。
【0094】請求項9に係るヒンジ装置によれば、回動
部材の他端部に付勢部材の引き止め位置を調整する位置
調整機構が設けられる構成となっている。これにより、
簡単な作業で付勢部材の付勢力が調整可能となり、保守
作業性が向上するという優れた効果を奏するものであ
る。
【0095】請求項10に係るヒンジ装置によれば、引
止部材は、付勢部材が圧潰されてその引止孔に挿通され
た後に、圧潰されて付勢部材と固着される構成となって
いる。これにより、線径の細いワイヤであっても、強固
に固着することが可能な、即ち信頼性の高いヒンジ装置
が得られるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図であっ
て、眼鏡のフレームから弦部材を連結解除した状態を示
す斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示す図であっ
て、眼鏡のフレームと弦部材がヒンジ装置により連結さ
れた状態を示す断面図である。
【図3】 図1におけるA−A線視断面図である。
【図4】 本発明のヒンジ装置の位置調整機構を構成す
る挟持体の外観斜視図である。
【図5】 本発明のヒンジ装置の位置調整機構を構成す
る挟持部材の平面図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態におけるカム部外
形形状を示すと共に、つるがカム部の折り畳み位置にあ
る状態を示す平面図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態におけるカム部外
形形状を示すと共に、つるがカム部の着用位置にある状
態を示す平面図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態を示す図であっ
て、携帯電話機の電話機本体と送話部がヒンジ装置によ
り連結されている平面図である。
【図9】 本発明の第2の実施の形態を示す図であっ
て、携帯電話機の電話機本体と送話部がヒンジ装置によ
り連結されている要部の断面図である。
【図10】 本発明の第3の実施の形態を示す図であっ
て、眼鏡のフレームから弦部材を連結解除した状態を示
す斜視図である。
【図11】 本発明の第3の実施の形態におけるつるの
動作を示す図であって、つるの係合突起が係合溝に係合
した状態を示す平面図である。
【図12】 本発明の第3の実施の形態におけるつるの
動作を示す図であって、つるの係合突起が係合溝に係合
した状態からさらにつるを開いた状態を示す平面図であ
る。
【図13】 本発明の第4の実施の形態を示す図であっ
て、眼鏡のフレームから弦部材を連結解除した状態を示
す斜視図である。
【図14】 本発明の第4の実施の形態を示す図であっ
て、眼鏡のフレームと弦部材がヒンジ装置により連結さ
れた状態を示す断面図である。
【図15】 本発明の第4の実施の形態を示す図であっ
て、フレームとつるとが着用位置にある平面図である。
【図16】 本発明の第4の実施の形態を示す図であっ
て、端部を圧潰された弾性ワイヤがカシメ部材の引止孔
に挿通されている断面図である。
【図17】 弾性ワイヤがカシメ部材と共に圧潰された
断面図である。
【符号の説明】
2,62,87 フレーム(一の部材) 3,63,88 弦部材(二の部材) 4,64,89 ヒンジ装置 5 連結壁部(壁部) 9,91 支持孔 10,102 保持面 11,103 カム部 12,92 回動軸 13,71 突出部材 14,72,97 つる(回動部材) 15,20,73,74,75 貫通孔 21,85 孔部 22,90 摺動面 23,99 挿通孔 36,76,107 弾性ワイヤ(付勢部材) 39,110 位置調整機構 52 電話機本体(一の部材) 53 送話部(二の部材) 54 送話部材(回動部材) 62a,62b 軸壁部 70 回動壁部 78 回動先端 79 係合溝 80 係合突起 81 溝(嵌入溝) 87a,87b 端壁部 97a,97b 突出壁部 101 保持孔 108,109 カシメ部材(引止部材) 111 引止孔

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一の部材と二の部材が互いに回動軸線を
    中心として開閉自在とされるヒンジ装置であって、 前記一の部材は、前記回動軸線上に位置する支持孔を有
    すると共に該支持孔の形成された壁部の外面に前記回動
    軸線回りに位置する保持面を有する構成とされ、 前記二の部材は、前記一の部材の支持孔に前記回動軸線
    を中心として回動自在に嵌挿される回動軸と、 この回動軸に前記回動軸線と直交する方向に突出するよ
    うに固定された突出部材と、 一端部に前記突出部材が遊嵌される孔部を有すると共に
    前記保持面に摺動自在な摺動面を有し、前記回動軸線に
    対し前記突出部材をガイドとして離間・接近自在な回動
    部材とを具備してなり、 前記回動軸または突出部材と、前記回動部材との間にこ
    れらを互いに接近させる方向に付勢する付勢部材が張設
    されていることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヒンジ装置において、 前記保持面は、前記回動部材を前記回動軸に対して離間
    ・接近させるカム部を構成していることを特徴とするヒ
    ンジ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のヒンジ装置にお
    いて、 前記回動軸および突出部材には、前記回動軸線に直交す
    る方向の貫通孔が形成され、 前記回動部材には該貫通孔の延長軸線上に位置させて挿
    通孔が形成され、 前記付勢部材を前記貫通孔および挿通孔内に挿通して配
    置すると共にその一端部を前記回動軸または突出部材
    に、他端部を前記回動部材に引き止めてなることを特徴
    とするヒンジ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のヒン
    ジ装置において、 前記回動部材の他端部に、前記付勢部材の他端の前記延
    長軸線上における引き止め位置を調整する位置調整機構
    が設けられていることを特徴とするヒンジ装置。
  5. 【請求項5】 一の部材と二の部材が互いに回動軸線を
    中心として開閉自在とされるヒンジ装置であって、 前記一の部材は、前記回動軸線上に位置させて軸壁部を
    有する構成とされ、 前記二の部材は、嵌入溝を有すると共に該嵌入溝内に前
    記一の部材の軸壁部を受け入れて該軸壁部回りに前記回
    動軸線を中心として回動自在な回動壁部と、 該回動壁部に前記回動軸線と直交する方向に突出するよ
    うに固定された突出部材と、 一端部に前記突出部材が遊嵌される孔部を有し、該突出
    部材をガイドとして前記回動壁部に対し離間・接近自在
    な回動部材とを具備してなり、 前記一の部材側と前記回動部材との間にこれらを互いに
    接近させる方向に付勢する付勢部材が張設され、 前記一の部材には、前記軸壁部の近傍に係合溝が形成さ
    れ、 前記回動壁部には、前記一の部材に対し前記回動部材を
    開く方向に回動した際に、前記係合溝に係合して該回動
    部材の回動先端が前記回動軸線から離間する方向に移動
    するための支点となる係合突起が設けられていることを
    特徴とするヒンジ装置。
  6. 【請求項6】 一の部材と二の部材が互いに回動軸の軸
    線を中心として開閉自在とされるヒンジ装置であって、 前記一の部材は、前記回動軸が回動自在に嵌挿される支
    持孔を有すると共に該支持孔の形成された端壁部が突出
    する摺動面を有する構成とされ、 前記二の部材は、一端部に前記回動軸が回動自在、かつ
    前記軸線と直交する方向に移動自在に嵌挿される保持孔
    を有すると共に該保持孔の形成された突出壁部の外面に
    前記軸線回りに位置して前記摺動面に摺動自在な保持面
    を有し、前記軸線に対し前記回動軸をガイドとして離間
    ・接近自在な回動部材を具備してなり、 前記回動軸と前記回動部材との間にこれらを互いに接近
    させる方向に付勢する付勢部材が張設されていることを
    特徴とするヒンジ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のヒンジ装置において、 前記保持面は、前記回動部材を前記回動軸に対して離間
    ・接近させるカム部を構成していることを特徴とするヒ
    ンジ装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のヒンジ装置にお
    いて、 前記回動部材には、前記方向の挿通孔が形成され、 前記付勢部材を前記挿通孔内に挿通して配置すると共
    に、その一端部を前記回動軸に、他端部を前記回動部材
    に引き止めてなることを特徴とするヒンジ装置。
  9. 【請求項9】 請求項6から8のいずれかに記載のヒン
    ジ装置において、 前記回動部材の他端部に、前記付勢部材の他端部の前記
    方向における引き止め位置を調整する位置調整機構が設
    けられていることを特徴とするヒンジ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載のヒ
    ンジ装置において、 前記付勢部材の両端には、該付勢部材を前記一の部材側
    および二の部材側にそれぞれ引き止める引止部材が固着
    され、 該引止部材は、前記付勢部材が挿通される引止孔を有
    し、圧潰された前記付勢部材が該引止孔に挿通された後
    に圧潰されて該付勢部材を固着する構成とされているこ
    とを特徴とするヒンジ装置。
JP9237474A 1996-10-03 1997-09-02 ヒンジ装置 Expired - Fee Related JP3065969B2 (ja)

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