JP3065915B2 - 流体圧制御弁 - Google Patents

流体圧制御弁

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JP3065915B2
JP3065915B2 JP7180031A JP18003195A JP3065915B2 JP 3065915 B2 JP3065915 B2 JP 3065915B2 JP 7180031 A JP7180031 A JP 7180031A JP 18003195 A JP18003195 A JP 18003195A JP 3065915 B2 JP3065915 B2 JP 3065915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弁体を共振駆動して流
体の流量・圧力を制御する流体圧制御弁に係わり、特
に、材料の幅を減縮加工する幅圧縮加工機における加振
源として好適な流体圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、材料の幅を圧縮加工する幅圧縮加
工機に関する公知技術として、例えば以下のものがあ
る。 特開昭61−262401号公報 この公知技術は、材料の幅側部にこれに接する金敷を配
置するとともに、この金敷を振動させながら圧縮方向に
力を加える加振圧縮力負荷装置を設け、この加振圧縮力
負荷装置で金敷に振動を加えて強制振動させながら幅圧
縮を行うことにより、板幅を均一に保ちつつ幅圧縮を行
うものである。
【0003】ここで、公知技術においては、加振圧縮
力負荷装置の具体的構成については特に開示されていな
い。しかし、この加振圧縮力負荷装置を具体的に構成し
ようとする場合、大出力・高応答の観点から、例えば、
弁体を振動させ流体の流量・圧力を制御する流体圧制御
弁を加振源として用い、これにより流体に所定周波数の
脈動を発生させ流体圧シリンダ等の負荷を振動させるこ
とが考えられる。そして、このような流体圧制御弁に関
する公知技術として、例えば以下のものがある。 特開昭63−268952号公報 この公知技術による流体圧制御弁は、燃料噴射弁に高圧
燃料を供給する燃料噴射装置に適用されるものであり、
応答の極めて速い圧電素子で弁体を微小変位させ、さら
にこれを弁体振動系の共振を利用して動的に拡大するこ
とにより、制御部からの噴射信号の間だけ開動作して高
圧燃料を燃料噴射弁へ供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術の流体圧制御弁を、公知技術の加振圧縮力負
荷装置の加振源として適用しようとした場合には、以下
の課題が生じる。一般に、幅圧縮加工における材料の塑
性変形を促進させるために振動を加える場合には、推力
・変位量は比較的小さくてよいものの、高い周波数で加
振する必要がある。そしてさらに、この塑性変形促進効
果が最も高くなるように材料を共振させようとする場合
には、特に、極めて高い周波数での加振が必要となる。
すなわち例えば、普通鋼を熱間で幅圧縮加工する場合に
は、数千トンの圧縮加工力、数百mmの変位量で行われ
るが、材料を共振させるためには数kHzでの加振が必
要となる。
【0005】ここにおいて、公知技術の流体圧制御弁
は、弁体振動系の共振周波数を変えることができず、負
荷をある一定の周波数でしか加振できない。したがっ
て、高い周波数で流体を駆動することができないので、
加振圧縮力負荷装置で材料の塑性変形を促進するに充分
な振動を与えるのが困難である。また材料を共振させる
のに十分な振動を与えるのは極めて困難となる。
【0006】本発明の目的は、周波数を可変とすること
により、材料の塑性変形を促進するに充分な高い周波数
で流体を脈動させることができる流体圧制御弁を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、弁体及び少なくとも該弁体を振動
可能に弾性的に保持する弾性部材を備えた弁体振動系
と、前記弁体振動系を該弁体振動系の共振周波数近傍の
周波数で加振する加振手段とを有し、前記弁体の変位量
に応じ流体の流量・圧力を制御する流体圧制御弁におい
て、前記弁体振動系の質量を可変とすることにより、該
弁体振動系の共振周波数を可変としたことを特徴とする
流体圧制御弁が提供される。
【0008】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、弁体及び少なくとも該弁体を振動可能に弾性的
に保持する弾性部材を備えた弁体振動系と、前記弁体振
動系を該弁体振動系の共振周波数近傍の周波数で加振す
る加振手段とを有し、前記弁体の変位量に応じ流体の流
量・圧力を制御する流体圧制御弁において、前記弾性部
材として少なくとも1つの非線形ばねを用い前記弁体振
動系のばね定数を可変とすることにより、該弁体振動系
の共振周波数を可変としたことを特徴とする流体圧制御
弁が提供される。
【0009】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、弁体及び少なくとも該弁体を振動可能に弾性的
に保持する弾性部材を備えた弁体振動系と、前記弁体振
動系を該弁体振動系の共振周波数近傍の周波数で加振す
る加振手段とを有し、前記弁体の変位量に応じ流体の流
量・圧力を制御する流体圧制御弁において、前記弁体振
動系の共振周波数を可変とし、前記加振手段は、前記弁
体振動系の振動方向両側に1つずつ設けられており、か
つ、これら2つの加振手段は、一の側の加振手段が前記
弁体振動系を押圧するときには他の側の加振手段が前記
弁体振動系を引張し、一の側の加振手段が前記弁体振動
系を引張するときには他の側の加振手段が前記弁体振動
系を押圧するように、互いに同期して制御されている
とを特徴とする流体圧制御弁が提供される。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】ましくは、前記流体圧制御弁において、
前記弁体振動系の質量及びばね定数のうち少なくとも一
を可変とすることにより、該弁体振動系の共振周波数
を可変としたことを特徴とする流体圧制御弁が提供され
る。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】さらに好ましくは、前記流体圧制御弁にお
いて、前記弁体振動系のばね定数を可変とすることによ
り、該弁体振動系の共振周波数を可変としたことを特徴
とする流体圧制御弁が提供される。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【作用】以上のように構成した本発明の流体圧制御弁に
おいては、弁体と弾性部材とを備えた弁体振動系を加振
手段で加振するとき、弁体振動系の共振周波数近傍の周
波数で加振する。これにより、もともとの加振手段にお
ける振幅に所定の共振倍率を乗じた大きな振幅で弁体を
振動させる。そして、この弁体の振動方向の変位量に応
じ、流体を脈動させつつ供給することができる。ここに
おいて、弁体振動系の共振周波数は、弁体振動系の質量
の平方根に反比例し、かつ弁体振動系のばね定数の平方
根に比例する。本発明の流体圧制御弁においては、これ
ら弁体振動系の質量又はばね定数を可変とし、この弁体
振動系の共振周波数を可変とする。このとき例えば弾性
部材として少なくとも1つの非線形ばねを用いることも
でき、この場合、非線形ばねが少なくとも弁体を保持す
るときに予め与えられる自由状態からの予圧縮量を調整
して非線形ばねのばね定数を調整し、弁体振動系のばね
定数を可変とすればよい。このようにして弁体振動系の
共振周波数を可変とすることにより、共振周波数が固定
であった従来と異なり、例えば弁体振動系の質量を小さ
くあるいはばね定数を大きくすることにより、十分に高
い周波数で流体を脈動させることができる。よって、幅
圧縮加工機の加振圧縮加工装置の加振源として用い、材
料の塑性変形を促進することができる。また、極めて高
い周波数を与えれば材料を共振させることもできるの
で、さらに塑性変形促進効果を高めることができる。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】また、加振手段は、弁体振動系の振動方向
両側に1つずつ設けられており、かつ、これら2つの加
振手段は、一の側の加振手段が弁体振動系を押圧すると
きには他の側の加振手段が弁体振動系を引張し、一の側
の加振手段が弁体振動系を引張するときには他の側の加
振手段が弁体振動系を押圧するように、互いに同期して
制御されていることにより、両側の加振手段で弁体振動
系をプッシュプル駆動することとなるので、例えば、入
力電圧に応じて正方向に伸びる圧電素子を用いて加振す
る場合であっても、片側に1つ設ける場合と異なり、常
に弁体の中立位置を一定に保持できる。また、加振手段
を片側に1つ設ける場合に比し、同一電圧で弁体変位を
2倍にできるので、大流量化を図ることができる。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面を参照し
つつ説明する。本発明の第1の実施例を図1〜図8によ
り説明する。本実施例は、流体圧制御弁及びこれを用い
た幅圧縮加工機の実施例である。本実施例による幅圧縮
加工機600の概略構造を表す概念図を図2に示す。図
2において、幅圧縮加工機600は、流体圧制御弁50
U及び50L(図示せず)で制御される流量・圧力に応
じて動作する流体圧シリンダ628U,Lと;この流体
圧シリンダ628U,Lに固定され、材料630の側面
に加工力を成す圧縮力を負荷するプレス工具の金敷62
9U,Lと;金敷629U,Lの変位量を検出し対応す
る信号を出力する変位センサ624U及び624L(図
示せず)と、流体圧制御弁50U,Lにおける加振動作
をそれぞれ制御する下位コントローラ640U及び64
0L(図示せず)と、これら下位コントローラ640
U,Lの制御動作を互いに関連づけて制御する上位コン
トローラ641とを有し、金敷629U,Lを介し板状
の材料630を強制振動させつつ圧縮して幅を減ずる加
工を行う。
【0038】流体圧制御弁50の全体構造を表す縦断面
図を図1に示す。図1において、流体圧制御弁50は、
内部軸線上に全通する空洞部を備えた弁本体1と;弁本
体1の空洞部の長手方向ほぼ中央部に同心状に内装さ
れ、中心軸線上に全通する空洞部を備えたスリーブ2
と;スリーブ2と弁本体1の一端(図1中左端)との間
に形成された空洞部に、軸線と同心状をなして内装され
た断面がほぼT字形をなすフレーム5aと;フレーム5
aの弁本体1の一端(図1中左端)に向かって延びるT
字形の足の部分を弁本体1に軸線と同心状に支持するリ
ニア軸受6aと;弁本体1の空洞部にフレーム5aのT
字形の足の端部に接して配置された圧電素子7と;圧電
素子7に与える電流を外部とやり取りするためのコネク
タ18と;圧電素子7の端部に接して配置された中立点
調整ねじ8と;スリーブ2と弁本体1の他端(図1中右
端)との間に形成された空洞部に軸線と同心状をなして
内装され、断面がほぼT字形をなし、その軸方向位置を
調整する中立点調整ねじ機構を兼ね備えたフレーム5b
と;スリーブ2の中心軸線の空洞部に軸線方向に移動可
能に内装された弁体3と;フレーム5a,5bのT字形
の横棒部分の上に、横棒部分に支持されてそれぞれ配置
された板ばね4a,4bと;弁体3と板ばね4a,4b
間に配置されて弁体3を板ばね4a,4bの間に支持す
る延長ステム9a,9bと;板ばね4a,4bと延長ス
テム9a,9bの間に介装された鋼球10a,10b
と;フレーム5bの足の部分に形成された中空部に嵌挿
され、板ばね4bの軸方向の変位を検出し対応する変位
量信号を出力する変位センサ11と;弁体振動系(後
述)の質量を変えるために弁体3の延長ステム9bに一
体に着脱可能に取り付けられている錘19等によって構
成されている。
【0039】弁体3は、スリーブ2の空洞部の内径とほ
ぼ同じ径のランド3a,3bと、ランド3a,3bを連
結するために設けられランド3a,3bよりも小さい径
を備えたステム3cより構成されている。またスリーブ
2には、空洞部のうちステム3cが配置される位置に開
口する供給ポートPsと、ランド3a,3bが配置され
る位置に開口する2つの制御ポートPc,Pcとが設けら
れている。2つの制御ポートPc,Pcがスリーブ2の空
洞部に開口する部分はそれぞれ空洞部内壁面に沿って円
周上に形成された環状溝2c,2dをなしており、二つ
の環状溝2c,2dの供給ポートPs,Psに近い側の壁
面の間隔は、ランド3a,3bを連結するステム3cの
長さとほぼ同じになっている。そしてこれによって、ラ
ンド3a,3bのステム3c側端面と環状溝2c,2d
のステム3c側端面との間に、環状の隙間である制御オ
リフィス2a,2bが形成されている。なお図1に示し
た状態は、制御オリフィス2a,2bが閉じられている
中立状態である。
【0040】圧電素子7は、フレーム5a、板ばね4
a、鋼球10a、延長ステム9aを介し弁体3を軸線方
向に駆動する。錘19は、質量を変えて何種類か用意さ
れ、その枚数や種類を変えることで細かく弁体振動系の
質量が調節できるようになっている。弁本体1は、錘1
9の脱着を容易にするため弁本体1aと弁本体1bに分
離され、ベース21上に固定されている。弁本体1a及
びベース21には、スリーブ2の供給ポートPs及び制
御ポートPc,Pcを連通させるための流路が形成されて
いる。また弁本体1bには、軸線と同心上に延長ステム
9bを支持するリニア軸受6bが設けられ、錘19によ
る延長ステム9bの曲がりとそれに伴う弁体3とスリー
ブ2間の摩擦の増加を防止している。
【0041】図2に戻り、幅圧縮加工機600はまた、
一定圧力源631U及び631L(図示せず)と、流体
圧シリンダ628U,L内の流体をそれぞれ排出するた
めのタンク625U及び625L(図示せず)と、一定
圧力源631からの管路に介装されたアキュムレータ6
33U及び633L(図示せず)とを有している。流体
圧制御弁50Uは、圧力源631Uと流体圧シリンダ6
28Uとタンク625Uとの間に配管を介して接続さ
れ、アキュムレータ633はこの流体圧制御弁50Uと
圧力源631を結ぶ管路から分岐して設けられている。
なお流体圧制御弁50Uは、本来2方弁であるものが3
方弁として使用されており、一方の制御ポートPcが一
定圧力源631に、他方の制御ポートPcがタンク62
5Uに接続され、また供給ポートPsには流体圧シリン
ダ628が接続されている。
【0042】下位コントローラ640Uの構成を表すブ
ロック図を図3に示す。図3において、下位コントロー
ラ640Uは、流体圧シリンダ628Uに流入する流量
を指定する上位コントローラ641からの指令信号、流
体圧制御弁50Uの変位センサ11Uからの変位量信
号、及び金敷629Uの変位を検出する変位センサ62
4Uからの変位量信号を受けて、流体圧制御弁50の開
閉量を決める制御信号を発生する演算回路635と;流
体圧制御弁50の弁体振動系の共振周波数の正弦波信号
を発生する発振器636と;演算回路635からの制御
信号と発振器636からの正弦波信号の乗算を行って流
体圧制御弁50の駆動信号を生成する掛算器637と;
この駆動信号を電圧増幅するアンプ638と;増幅され
た駆動信号を基に加振源である流体圧制御弁の圧電素子
7を駆動する駆動回路639とにより構成されている。
そしてこれによって流体圧シリンダ628Uに与える流
量または圧力を制御し、流体圧シリンダ628Uの位置
制御を行う。なお、流体圧シリンダ628Uの力制御を
行うときは、変位センサ624Uに換えて力センサや圧
力センサの出力を演算回路635に帰還する。
【0043】また、以上は、煩雑を避けるために、流体
圧制御弁50U,Lのうちの一方である流体圧制御弁5
0U及びこの流体圧制御弁50Uに関連する諸部材(符
号にUを付したもの)の構造及び配置を主として示した
が、他方の流体圧制御弁50L及びこの流体圧制御弁5
0Lに関連する同様の諸部材(符号にLを付したもの)
についても、特に図示しないが、同様の構造及び配置と
なっている。よって、以下適宜、各部材について2つず
つをまとめて説明する場合には、符号のU,Lを省略し
て表す。
【0044】上記構成における動作及び作用効果を以下
に説明する。上記幅圧縮加工機600に備えられた流体
圧制御弁50(図1参照)において、弁体3は、錘1
9、延長ステム9a,b、鋼球10a,b、板ばね4
a,bとともに、これらの質量(板ばね4a,bは等価
質量)及び板ばね4a,4bのばね定数で定まる共振振
動を備えた弁体振動系を構成している。よって、圧電素
子7に、この弁体振動系の共振周波数fnに等しい周波
数かつ振幅Voの電圧を印加して、周波数fnかつ振幅X
oで駆動するようにすれば、弁体3は、周波数fnかつ振
幅αXo(αは共振倍率)で振動する。これはすなわ
ち、圧電素子7の変位が小さい欠点をカバーする変位拡
大機構を構成することになる。このとき、弁体振動系の
質量をm、板ばね4a,bのばね定数をk、減衰係数を
Cとすると、共振周波数fn及び共振倍率αはそれぞ
れ、 fn=(1/2π)√(k/m) α=√(m・k/C) で与えられる。そして、弁体3がαXoの振幅で振動す
ると、供給ポートPsから間欠的に流体圧シリンダ62
8Uに高圧流体が流出し、かつ一方の制御ポートPc
ら間欠的にタンク625Uに流体が流出することにな
る。このときの出力流量qは、弁体振幅αXoに比例す
るので、圧電素子7に印加する電圧の振幅Voを変える
ことによって出力流量qを制御できることになる。
【0045】上記動作における、上位コントローラ64
1から下位コントローラ640への指令信号、下位コン
トローラ640から圧電素子7への入力信号(振幅
c、共振周波数fnの正弦波)と、この入力信号による
圧電素子7の変位Xoと、圧電素子7により駆動される
弁体3の変位αXoと、弁体3の変位αXoによって生じ
る出力流量q、及び出力流量qを時間平均した実効流量
をそれぞれ同一時間軸上に対比させて図4に示す。
【0046】以上のような原理により、弁体3が振動す
ると、一定圧力源631及びアキュムレータ633から
の流体を流体圧シリンダ628に供給するとともに流体
圧シリンダ628内の流体をタンク625に排出するの
で、弁体3の振動周波数と等しい振動周波数で流体圧シ
リンダ28が振動する。したがって、流体圧シリンダ6
28に固定された金敷629で材料630を強制振動さ
せつつ圧縮することができる。なお、このとき、流体圧
制御弁50に接続された流体圧シリンダ628の固有周
波数が出力流量の脈動の周波数より十分に高ければ、流
体圧シリンダ628は脈動の周波数で振動するが、逆に
低ければ、流体圧シリンダ628は脈動に追従せず平均
値である実効流量の変動にのみ追従する点に留意する必
要がある。
【0047】ここで、このように材料630の両端に加
振しつつ圧縮すると、板端のひずみに対し板中央部のひ
ずみが大きくなってこのひずみの大きい板中央部が先に
塑性域に入ることとなるので、これによって、加振せず
材料630を圧縮した場合のように変形が板中央部より
板端に集中し板の中央部に対して両端部が厚くなるドッ
グボーンが発生するのを防止する。そして、この板中央
部のひずみは、金敷629を介し加えられる加振周波数
が板の共振周波数fbと一致したときに最大となり、ま
たこれに近いほど大きくなる性質をもっている。
【0048】ここで従来の幅圧縮加工機においては、加
振源である流体圧制御弁からの流体の脈動周波数が一定
値に固定されていたので、金敷を介し、塑性変形を促進
するに充分な高い加振周波数を材料に与えるのが困難で
あった。このような従来の幅圧縮加工機に備えられた流
体圧制御弁150の構造を比較例として図5に示す。図
1に示した本実施例の流体圧制御弁50と同等の部材に
は同一の符号を付す。図5において、流体圧制御弁15
0が図1の流体圧制御弁50と異なる主要な点は、弁体
3の延長ステム9bに錘19が取り付けられていないこ
とである。そして、これに対応し、弁本体1は分割され
ず一体であり、リニア軸受6a,bも1つのリニア軸受
6となり、ベース21は省略されている。すなわち、弁
体振動系のばね定数も質量も一定値に固定されており、
この結果共振振動数fnが固定となっているので、塑性
変形を促進するに充分な高い加振周波数(例えば板幅1
200mmの熱間材の共振周波数fbは約1.6kH
z)を材料に与えるのが困難であった。
【0049】これに対し、本発明の幅圧縮加工機600
においては、流体圧制御弁50に備えられる錘19の枚
数や種類を変えて細かく弁体振動系の質量を調節するこ
とにより、弁体振動系の共振周波数fnを可変とするこ
とができる。この原理を図6(a)(b)により説明す
る。図6(a)(b)は、弁体振動系の周波数応答を表
す概念図であり、横軸が弁体振動系の共振周波数fn
縦軸がゲイン(=変位拡大率=弁体3の振幅/圧電素子
7の振幅)をとって示したものである。いま、弁体振動
系を図中Iで示す曲線のように共振周波数fnにおいて
ゲインgnを得る2次の振動系とする。
【0050】このような弁体振動系の共振周波数fn
変化させる一つの方法として、まず、電気的に共振周波
数を変える方法がある。これを図6(a)により説明す
る。すなわち、この方法は、弁体3の変位を入力信号に
フィードバックしてそのフィードバックゲインを変化さ
せるという方法であるが、この場合図6(a)に示すよ
うに、共振周波数をfn1,fn2と変化させるに従ってゲ
インがgn1,gn2と下がってしまう。この方法では機械
系がもともと持っているゲインを電気的に抑えこんでい
るだけなので、機械系のゲインを超えて弁体振幅を拡大
することはできない。つまり、共振周波数fnを変化さ
せることができても、流体圧シリンダ628を駆動する
に十分な流量は得られないということになる。一方、弁
体振動系の共振周波数fnを変化させるもう一つの方法
は、図6(b)に示されるように機械的にゲインを変え
る方法であり、周波数が変わってもゲインが一定となる
特性となる。このように機械的に共振周波数を変えるた
めには、弁体振動系の質量mかばね定数kのどちらか一
方、あるいは両方を変化させてやればよい。本実施例の
流体圧制御弁50は、錘19を着脱することで弁体振動
系の質量mを変えるので、この方法に該当する。
【0051】以上のように、本実施例による流体圧制御
弁50では、弁体振動系の共振周波数fnを可変とする
ことができる。この結果、圧電素子7を駆動して、弁体
振動系を介し、流体圧シリンダ628を任意の位置(ま
たは任意の発生力)で保持しつつ、任意の周波数で流体
圧シリンダ628の大きな変位加振(または力加振)を
行うことができる。よって、上記比較例では不可能であ
った十分に高い周波数で流体を脈動させることが可能と
なる。すなわち例えば、錘19を付加した弁体振動系の
質量mを例えば100gとし、板ばね4a,bのばね定
数kを7.9kN、減衰係数Cを62.8Ns/mとす
ると、共振周波数fn=約1.4kHz、共振倍率α=
14.1倍になる。そして錘19を減らして弁体振動系
の質量mを1/2の50gとすると、弁体振動系の共振
周波数fn=2kHzに増加させることができる。なお
このとき共振倍率α=10倍であり、共振倍率は一定と
はならないが、引き続き大きな共振倍率を確保できるの
で、入力振幅の大きさを絞るなどして弁体の振幅を一定
に制御すればよい。
【0052】またこのような高周波数加振作用の一例を
さらに具体的に図7に示す。図7は、弁体3のスプール
径10mm、シリンダ径40mm、圧電素子7の振幅8
μm、弁体振動系の共振周波数fn=2kHzとしてと
きの、圧電素子7へ与える入力信号、弁体3の変位量信
号、及び流体圧シリンダ628のピストンの変位量信号
を、横軸に時間をとって示したものである。図7に示さ
れるように、圧電素子7による加振が始まると弁体3は
共振を開始して振幅を増大する。このとき圧電素子7の
振幅は10数倍に拡大され、弁体3の変位振幅は122
μmp−pとなった。また、これと同時に、流体圧シリ
ンダ628のピストンも周波数2kHzで振動を始め、
最大で40μmp−pの変位振幅を得ることができた。
ここで、従来の高速流体圧制御弁、例えばサーボ弁で
は、速いものでも周波数応答は300Hz程度で、特別
に高速に作られたものでも1kHz程度が限界であった
のに比べれば、非常に高い周波数で流体を脈動させるこ
とができることがわかる。
【0053】このように、本実施例の幅圧縮加工機60
0においては、板の共振周波数fbに近い高い周波数で
流体を脈動させることができることから、結果として板
中央部のひずみを十分に大きくすることができる。よっ
て、板端及び板中央部ともに均等につぶし始めることが
できるので、材料630の塑性変形を促進することがで
きる。また板の共振周波数fbに等しい極めて高い周波
数を与えれば、材料630を共振させることもでき、さ
らに塑性変形促進効果を高めることができる。よって圧
縮能力が大きくなるので、生産能力の向上と生産コスト
の低減を実現できる。また同じ圧縮量を得るのに必要な
圧縮力・エネルギーが小さくて済むので、生産設備・ス
ペース・小型化を図ることができてコストを低減でき、
かつ設備投資を低減できる。さらに、後工程の圧延機で
の圧延において板端の厚い部分が外側に流れて変形し圧
延後の板幅が広くなる幅戻り現象を低減でき、圧延後の
加工精度を向上させることができる。また、より均一な
塑性変形を得ることができるので、製品品質と歩留まり
を向上することができる。
【0054】また、材料630の板幅が狭くなるに連れ
て板の共振周波数fbが高くなるが、流体圧制御弁50
は弁体振動系の共振周波数fnを任意に変えることで流
体圧シリンダ628の加振振動数を変えることができる
ので、材料630の変形量に相当する金敷629の変位
量を変位センサ624で検出して下位コントローラ64
0(あるいは上位コントローラ641)に帰還し、下位
コントローラ640(あるいは上位コントローラ64
1)がこの変位量から板の共振周波数fbを算出し、
(上位コントローラ641の場合は下位コントローラ6
40を介して)流体圧制御弁50を制御すれば、板幅変
化による共振周波数fbの変化に追従して加振周波数を
変化させることができる。従って、幅圧縮加工中、材料
630に与える振動を常に適正な状態に保つことがで
き、また最も塑性変形促進効果の高い材料共振状態に保
つことも可能となる。このため、圧縮量の増大、加工力
の低減、加工精度の向上等の効果をより大きく得ること
ができる。
【0055】本発明の第2の実施例を図8により説明す
る。本実施例は、構造の異なる流体圧制御弁の実施例で
ある。本実施例による流体圧制御弁250の全体構造を
表す縦断面図を図8に示す。第1の実施例と同等の部材
には同一の符号を付す。図8において、流体圧制御弁2
50が第1の実施例の流体圧制御弁50と異なる主要な
点は、錘19の着脱で弁体振動系の質量mを変える代わ
りに、延長ステム9bと一体に結合された電磁石21
7、電磁石217の周囲に満たされた磁性材料216、
及び、電磁石217に与える電流を外部とやり取りする
ためのコネクタ218を設け、電磁石217に付着する
磁性材料216の量を調節することにより弁体振動系の
質量mを変える構成としたことである。すなわち、電磁
石217に与える電流を調節することにより電磁石21
7の磁力を制御して磁性材料216の付着量を変化させ
る。このときの磁性材料としては磁性流体や砂鉄等が好
ましい。また、これに対応して、弁本体1は分割構造で
なく一体となっており、ベース21は省略され、リニア
軸受6a,bは図5の比較例と同様の1つのリニア軸受
6となっている。その他の構造は第1の実施例とほぼ同
様である。
【0056】本実施例の流体圧制御弁250によって
も、第1の実施例の流体圧制御弁50と同様の効果を得
る。またこれに加え、弁体3を静止させることなく弁体
振動系の質量mを変えることができるので、例えば工場
の生産ラインなどで使用する場合、稼働を停止させる必
要がない等の効果がある。また、共振周波数fnを連続
的に変えることもできる効果もある。
【0057】本発明の第3の実施例を図9により説明す
る。本実施例も、構造の異なる流体圧制御弁の実施例で
ある。本実施例による流体圧制御弁350の全体構造を
表す縦断面図を図9に示す。第1及び第2の実施例と同
等の部材には同一の符号を付す。図9において、流体圧
制御弁350が第2の実施例の流体圧制御弁250と異
なる主要な点は、電磁石217に付着する磁性材料21
6の量を調節する代わりに、スリーブ2内に加圧流体を
導きその流体の量を調節することで弁体振動系の質量m
を変化させることである。すなわち、延長ステム9bの
途中に一体に結合されたランド303aと、ランド30
3aとほぼ同じ外径を持ちかつ延長ステム9bとほぼ同
じ径の穴を内部に貫通したランド303bと、このラン
ド303a及びランド303bを半径方向にガイドして
軸線方向の摺動を可能にするためにスリーブ2内に形成
された空洞部302と、ランド303bの図中右端に接
しランド303bを付勢して定位させるばね314とを
設け、ランド303a・ランド303b・空洞部302
に囲まれた円筒状の閉空間に流体315を圧力PLで満
たしている。このとき弁体振動系の質量mは、弁体3の
質量、流体315の質量、及び板ばね4a,4bの等価
質量の和になる。このうち、流体315の質量はランド
303aの位置により増減するが、このランド303b
は、ばね314のばね力と流体315の圧力PLによる
力とがつり合う位置で停止する。よって、流体315の
圧力PLを制御することにより、流体315の質量を変
化させて弁体振動系の質量mを変化させ、これによって
共振周波数fnを可変とすることができる。このとき使
用する流体はできるだけ比重の大きな流体、例えば水銀
などが好ましい。その他の構造は、第2の実施例とほぼ
同様である。本実施例によっても、第2の実施例と同様
の効果を得る。
【0058】本発明の第4の実施例を図10〜図13に
より説明する。本実施例は、ばね定数kを変えることで
弁体振動系の共振周波数fnを可変にする流体圧制御弁
の実施例である。本実施例による流体圧制御弁450の
全体構造を表す縦断面図を図10に示す。第1〜第3の
実施例と同等の部材には同一の符号を付す。図10にお
いて、流体圧制御弁450が第1の実施例の流体圧制御
弁50と異なる主要な点は、板ばね4a,4bの代わり
に、変形量に応じばね定数が変化する非線形ばね426
a,426bを設け、そしてこれら非線形ばね426
a,426bの圧縮量を調整するための圧縮量調整機構
を設けたことである。この圧縮量調整機構は、中立点調
整ねじ8を回転させるサーボモータ412aと、サーボ
モータ412aの回転量を検出する回転計413aと、
中立点調整ねじ機構を兼ね備えたフレーム5bを回転さ
せるサーボモータ412bと、サーボモータ412bの
回転量を検出する回転計413b等により構成されてい
る。
【0059】非線形ばね426a,bとしては、図11
(a)に示すような単体で非線形特性を有するさらばね
や、図11(b)に示すような複数の板ばねを押圧量の
増加に伴って順次ばね作用を開始するように重ね合わせ
た重ね板ばね等を用いるのが、スペースを取らずに流体
圧制御弁を構成できる点で好ましい。
【0060】上記以外の他の構造は第1の実施例の流体
圧制御弁50とほぼ同様である。
【0061】上記構成における、弁体振動系の共振周波
数fnの変更方法を図12を用いて説明する。図12
は、非線形ばね426a,bのばね特性を示している。
すなわち、ばね変位xの増加とともにばね力Fが加速的
に増え、ばね定数kが増加するようになっている。よっ
て、弁体3が、図12中の動作点X1において振幅A1
振動する場合と、動作点X2において振幅A2で振動する
場合を比較すると、仮に振幅A1と振幅A2が同じであれ
ば、振幅内での平均のばね定数が大きい動作点X2の方
が明らかに周波数が高くなる。したがって、動作点の位
置すなわち予圧縮量を増減することで周波数を可変にで
きることがわかる。
【0062】ここで、図10において、非線形ばね42
6a,426bは、予圧縮された状態で弁体3を保持し
ており、弁体3は予圧縮量を超えない範囲で振動を行う
ようになっている。したがって、サーボモータ412
a,412bで非線形板ばね426a,426bの予圧
縮量を調節することで、弁体振動系の共振周波数fn
可変とすることができる。
【0063】すなわち例えば、弁体振動系の質量m=5
0g、非線形ばね426a,bのばね定数k=2kN、
減衰係数C=31.4Ns/mとすると、弁体振動系の
共振周波数fn=1kHz、共振倍率α=10倍にな
る。そして、サーボモータ412a,bを作動させて、
非線形ばね426a,bのばね定数kを例えば2倍の4
kNにすると、共振周波数fn≒1.4kHzに増加さ
せることができる。なおこのとき、共振倍率α≒14.
1倍となり、共振倍率は一定とはならないものの、十分
に大きな共振倍率を確保できるので、入力振幅の大きさ
を絞るなどして弁体の振幅を一定に制御すればよい。
【0064】また、このとき、振動対象である弁体3は
スリーブ2との相対変位により制御オリフィス2a,2
bの開口面積を制御するものなので、基準となる中立位
置からずれないようにする必要がある。そこで、本実施
例の流体圧制御弁450では、サーボモータ412a,
bを左右両方に1つずつ設けるともに、回転計413
a,413bによって双方で同期をとりつつ予圧縮を行
い、これによって弁体3の中立を保持している。
【0065】なお、図12において、動作点が同じ場合
でも、振幅を変えると共振周波数fnは若干変化する
が、基本的には動作点を変化させるほうが容易に共振周
波数fnを変化させることができる。
【0066】以上のようにして、本実施例の流体圧制御
弁450では弁体振動系の共振周波数fnの調節が可能
となったが、非線形ばね426a,bを用いることから
弁体振動系は非線形振動系となり、図13のような周波
数応答を示す。すなわち、図13において、周波数を上
昇させていくときには応答がA→B→C→Dとなり、下
降させていくときにはD→C1→B1→Aとなり、それぞ
れB→C、C1→B1の間で急激に振幅が変化する。これ
は、振動系に不安定が存在するため生じる、いわゆる飛
び移り現象といわれるものである。また、B1→B、C
→C1部分も不安定となりやすく、外乱があると他の解
に飛び移る傾向がある。したがって、使用時はこの点を
十分に考慮に入れ、例えば、変形量の増加とともにばね
定数が上がる場合には、共振周波数よりもやや低いB1
点以下の周波数で使用するなどの注意が必要である。そ
の分ゲインは犠牲にはなるものの、電気的に共振周波数
を変える方法に比べれば、十分に大きなゲインを確保す
ることができる。
【0067】以上のように構成した本実施例によれば、
非線形ばね426a,bの予圧縮量を変化させてばね定
数kを変化させ、弁体振動系の共振周波数fnを可変と
することができる。よって、第1の実施例と同様の効果
を得ることができる。
【0068】なお、上記第4の実施例においては、非線
形ばね426a,bとして、変形量の増加とともにばね
定数が上がるものを使用したが、これに限られず、逆に
変形例の増加とともにばね定数が下がるものを使用して
もよい。この場合も、上記同様の方法で共振周波数を変
えることができ、同様の効果を得ることはいうまでもな
い。
【0069】本発明の第5の実施例を図14〜図16に
より説明する。本実施例による流体圧制御弁550の全
体構造を表す縦断面図を図14に示す。第1〜第4の実
施例と同等の部材には同一の符号を付す。図14におい
て、流体圧制御弁550が第1の実施例の流体圧制御弁
50と異なる主要な点は、1つだった圧電素子7が両側
に1つずつ配置される圧電素子507a,507bとな
り、両側から弁体3を加振することである。そしてこの
とき、両側の圧電素子507a,507bにそれぞれ一
定のオフセット電圧を与え、お互いを同期させてプッシ
ュプル駆動するようになっている。また、これに応じ
て、コネクタ18が2つのコネクタ518a,518b
となり、中立点調整ねじ8も2つの中立点調整ねじ50
8a,508bとなり、板ばね4bの軸方向の変位を検
出する変位センサ11の位置が変更されている。その他
の点は、第1の実施例とほぼ同様である。
【0070】上記構成の本実施例の流体圧制御弁におけ
る作用を図15(a)(b)及び図16(a)(b)に
より説明する。図15(a)は本発明の第1〜第4の実
施例における流体圧制御弁50,250,350,45
0の弁体振動系のモデル図であり、図15(b)はそれ
らの弁体振動の時間応答波形を示したものである。一般
に、圧電素子7は、正の入力電圧に応じて軸方向に伸び
るものであり、負の電圧を与えて縮めるという操作はで
きない。したがって、入力0の静止時に弁体3が制御オ
リフィスが閉じられる中立位置であったとして、この中
立位置から、図15(a)のように弁体3の片側にある
圧電素子7で弁体3を振動させようとすると、ある値の
正のオフセット電圧を与えその位置で伸縮動作させると
いう使い方になる。したがって、図15(b)に示すよ
うに、入力振幅が大きくなるに従って必然的にオフセッ
ト電圧が増え、弁体3の振動中心が大きくずれた振動波
形となる。
【0071】この対策として、オフセット電圧は一定
(たとえば最大入力電圧の1/2)にしておき、オフセ
ット電圧をかけた位置で弁体3が中立位置になるように
する方法が考えられるが、この方法だと常に電圧を印加
しておく必要があり、消費電力の点からあまり得策でな
い。また、第4の実施例による流体圧制御弁450で
は、サーボモータ412a,b等からなる予圧縮量調整
機構を左右両方に設けてあることから、このずれ分を補
正することも可能であるが、ばねの予圧縮量調整と同時
に行うので、制御方法が複雑になる。
【0072】これに対し、本実施例の流体圧制御弁55
0の弁体振動系のモデル図を図16(a)に、その弁体
振動の時間応答波形を図16(b)に示す。本実施例の
流体圧制御弁500においては、図16(a)に示すよ
うに、弁体3の両側に配置された圧電素子507a,5
07bにそれぞれ一定のオフセット電圧を与え、お互い
を同期させてプッシュプル駆動して弁体3を加振する。
これにより、図16(b)に示すように、入力振幅の大
小にかかわらず弁体3が常に中立位置を中心に振動する
ことができる。また弁体3の変位を2倍にできるので、
大流量化を図ることもできる。
【0073】なお、上記第5の実施例のような圧電素子
を2つ設ける構成は、弁体振動系の共振周波数fnを変
えない従来の流体圧制御弁(例えばサーボ系向けのも
の)においても適用でき、この場合、流量の増加と中立
位置が変動しないという2つの効果を得ることができ
る。
【0074】本発明の第6の実施例を図17及び図18
により説明する。本実施例は、第1の実施例と異なる構
成の幅圧縮加工機の実施例である。第1〜第5の実施例
と同等の部材には同一の符号を付す。本実施例による幅
圧縮加工機700の概略構造を表す概念図を図17に示
す。図17において、本実施例の幅圧縮加工機700
が、第1の実施例の幅圧縮加工機600と異なる主要な
点は、流体圧制御弁50U,Lに加えてサーボ弁727
U,Lを設け、このサーボ弁727U,Lを介し供給さ
れた流体圧シリンダ28内の流体を、流体圧制御弁50
U,Lで排出することで脈動を発生させ、流体圧シリン
ダ628U,Lを加振する構成としていることである。
【0075】すなわち、図17において、サーボ弁72
7U,Lは、圧力源631U,L及びタンク625U,
Lと流体圧シリンダ628U,Lとの間に配管を介して
接続され、アキュムレータ633U,Lは、このサーボ
弁727U,Lと圧力源631を結ぶ管路に介装されて
いる。また流体圧制御弁50U,Lは、サーボ弁727
U,Lと流体圧シリンダ628U,Lとを結ぶ管路の途
中から分岐する管路と、流体圧シリンダ628U,L内
の流体が排出されるタンク725U,Lとの間に介装さ
れている。さらにこのとき流体圧制御弁50U,Lは2
方弁として使用されており、供給ポートPsを流体圧シ
リンダ628U,Lに、2つの制御ポートPc,Pcの両
方をタンク725U,Lに接続されている。従って、弁
体が1往復する間に流体圧シリンダ628U,L内の流
体がタンク725U,Lに2度排出されるので、流体圧
シリンダ628U,Lの振動周波数は、弁体3の振動周
波数の2倍になる。なお、2つある制御ポートPcの片
側を閉鎖すれば、第1〜第5の実施例同様、弁体3と流
体圧シリンダ628U,Lの振動周波数は等しくなる。
【0076】またサーボ弁727U,L及び流体圧制御
弁50U,Lはそれぞれ、下位コントローラ740U,
Lからの制御指令信号(サーボ弁727U,Lは単調信
号、流体圧制御弁50U,Lは振動信号)によって駆動
され、これら下位コントローラ740U,Lは上位コン
トローラ741によって制御される。すなわち、下位コ
ントローラ740Uは、流体圧シリンダ628U,Lの
ピストンの変位を検出する変位センサ624U,Lから
の変位量信号と、流体圧制御弁50U,Lの板ばねの軸
方向変位を検出する変位センサ11からの変位量信号と
を受け、これらに応じて、サーボ弁727U,Lと流体
圧制御弁50U,Lの圧電素子7とに入力信号を与え
る。これにより流体圧シリンダ628U,Lに与える流
量または圧力を制御して、流体圧シリンダ628U,L
の位置制御を行う。なお、以上は流体圧シリンダ628
U,Lの位置制御を行う場合であるが、これに換えて力
制御を行う場合は、変位センサ624に換えて力センサ
や圧力センサの出力を下位コントローラ740U,Lに
帰還する。以上のような本実施例の構成及び制御の結
果、流体圧制御弁50U,Lは、サーボ弁727U,L
と流体圧シリンダ628U,Lとを結ぶ管路内の流体を
間欠的に排出させ、これに対応してサーボ弁727U,
Lが排出された分の流体を常に供給し続ける。したがっ
て、流体圧シリンダ628U,Lはある基準位置(また
はある基準発生力)に保たれながら振動し、材料630
は、流体圧シリンダ628U,Lとそれに接続された金
敷629U,Lにより振動を加えられながら圧縮加工さ
れる。
【0077】なお、このときサーボ弁727U,Lの応
答があまりに速いと、流体圧シリンダ628U,Lの振
動を打ち消す(あるいは抑制する)ようにサーボ動作を
行う可能性があるので、変位センサ624U,Lに応答
性の低いものを用いるか、下位コントローラ740U,
L内で振動分を除去した後にサーボ弁727U,Lへの
帰還信号を与えるなどの対策が必要である。また、上記
実施例のサーボ弁727U,Lの代わりに、比例ソレノ
イド弁などのあまり高応答でない制御弁でもよい。
【0078】本実施例によれば、流体圧シリンダ628
U,Lの振動中心位置を常に一定に保ちつつ振動させる
ことができる。このことを図18に示す。図18は、前
述した図7と同様、弁体3のスプール径10mm、シリ
ンダ径40mm、圧電素子7の振幅8μm、弁体振動系
の共振周波数fn=2kHzとしてときの、圧電素子7
へ与える入力信号、弁体3の変位量信号、及び流体圧シ
リンダ628U,Lのピストンの変位量信号を、横軸に
時間をとって示したものである。図18に示されるよう
に、圧電素子7による加振が始まると弁体3は共振を開
始して振幅を増大する。このとき圧電素子7の振幅は1
0数倍に拡大され、弁体3の変位振幅は122μmp−
pとなった。また、これと同時に、流体圧シリンダ62
8U,Lのピストンも周波数2kHzで振動を始め、最
大で約40μmp−p程度の変位振幅を得ることができ
た。またこのとき、図7に示されたように第5の実施例
ではピストン変位の振動中心が初期位置から129μm
ずれていたが、本実施例では、振動中心位置を一定に保
ちつつ、同様の周波数及び変位振幅を得ることができる
ことがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明の流体圧制御弁によれば、弁体振
動系の共振周波数を可変とするので、十分に高い周波数
で流体を脈動させることができる。よって、幅圧縮加工
機の加振圧縮加工装置の加振源として用い、材料の塑性
変形を促進することができる。また、極めて高い周波数
を与えれば材料を共振させることもできるので、さらに
塑性変形促進効果を高めることができる。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による流体圧制御弁の全
体構造を表す縦断面図である。
【図2】図1に示された流体圧制御弁を備えた幅圧縮加
工機の概略構造を表す概念図である。
【図3】図2に示された下位コントローラの構成を表す
ブロック図である。
【図4】図2に示された各種信号、変位、流量の波形を
示した図である。
【図5】従来の幅圧縮加工機に備えられた流体圧制御弁
の構造を表す概念図である。
【図6】弁体振動系の周波数応答を表す概念図である。
【図7】図2に示された幅圧縮加工機における圧電素子
への入力、弁体の変位、流体圧シリンダのピストン変位
を表す図である。
【図8】本発明の第2の実施例による流体圧制御弁の全
体構造を表す縦断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例による流体圧制御弁の全
体構造を表す縦断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例による流体圧制御弁の
全体構造を表す縦断面図である。
【図11】図10に示された非線形ばねの構成の一例を
表す断面図である。
【図12】図10に示された非線形ばねのばね特性を表
す図である。
【図13】図10に示された非線形ばねの周波数応答を
表す図である。
【図14】本発明の第5の実施例による流体圧制御弁の
全体構造を表す縦断面図である。
【図15】本発明の第1〜第4の実施例における流体圧
制御弁の弁体振動系のモデル図である。
【図16】図14に示した流体圧制御弁の弁体振動系の
モデル図である。
【図17】本発明の第6の実施例による幅圧縮加工機の
概略構造を表す概念図である。
【図18】図17に示された幅圧縮加工機における圧電
素子への入力、弁体の変位、流体圧シリンダのピストン
変位を表す図である。
【符号の説明】
1 弁本体 1a,b 弁本体 2 スリーブ 2a,b 制御オリフィス 3 弁体 3a,b ランド 3c ステム 4a,b 板ばね(弾性部材) 5a,b フレーム 6a,b リニア軸受 7 圧電素子(加振手段) 8 中立点調整ねじ 9a,b 延長ステム 10a,b 鋼球 11 変位センサ(弁体変位検出手
段) 18 コネクタ 19 錘(おもり部材) 21 ベース 50U,L 流体圧制御弁(第1の流体圧制
御弁) 216 磁性材料 217 電磁石 218 コネクタ 250 流体圧制御弁(第1の流体圧制
御弁) 302 空洞部 303a ランド(固定ランド) 303b ランド(可動ランド) 314 ばね 315 流体 350 流体圧制御弁(第1の流体圧制
御弁) 412a,b サーボモータ(調整手段) 413a,b 回転計(調整手段) 426a,b 非線形ばね(弾性部材) 450 流体圧制御弁(第1の流体圧制
御弁) 507a,b 圧電素子(加振手段) 508a,b 中立点調整ねじ 518a,b コネクタ 550 流体圧制御弁(第1の流体圧制
御弁) 600 幅圧縮加工機 624U,L 変位センサ(負荷変位検出手
段) 625U,L タンク 628U,L 流体圧シリンダ(アクチュエー
タ) 629U,L 金敷(プレス工具) 630 材料 631U,L 一定圧力源 633U,L アキュムレータ 635 演算回路 636 発振器 637 掛算器 638 アンプ 639 駆動回路 640U,L 下位コントローラ(制御手段) 641 上位コントローラ(制御手段) 700 幅圧縮加工機 725U,L タンク 727U,L サーボ弁(第2の流体圧制御
弁) 740U,L 下位コントローラ(制御手段) 741 上位コントローラ(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−268952(JP,A) 特開 平6−159324(JP,A) 特開 昭60−196479(JP,A) 特開 昭60−57070(JP,A) 実開 昭61−14269(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁体及び少なくとも該弁体を振動可能に弾
    性的に保持する弾性部材を備えた弁体振動系と、前記弁
    体振動系を該弁体振動系の共振周波数近傍の周波数で加
    振する加振手段とを有し、前記弁体の変位量に応じ流体
    の流量・圧力を制御する流体圧制御弁において、前記弁体振動系の質量を可変とすることにより、該 弁体
    振動系の共振周波数を可変としたことを特徴とする流体
    圧制御弁。
  2. 【請求項2】弁体及び少なくとも該弁体を振動可能に弾
    性的に保持する弾性部材を備えた弁体振動系と、前記弁
    体振動系を該弁体振動系の共振周波数近傍の周波数で加
    振する加振手段とを有し、前記弁体の変位量に応じ流体
    の流量・圧力を制御する流体圧制御弁において、前記弾性部材として少なくとも1つの非線形ばねを用い
    前記弁体振動系のばね定数 を可変とすることにより、該
    弁体振動系の共振周波数を可変としたことを特徴とする
    流体圧制御弁。
  3. 【請求項3】弁体及び少なくとも該弁体を振動可能に弾
    性的に保持する弾性部材を備えた弁体振動系と、前記弁
    体振動系を該弁体振動系の共振周波数近傍の周波数で加
    振する加振手段とを有し、前記弁体の変位量に応じ流体
    の流量・圧力を制御する流体圧制御弁において、 前記弁体振動系の共振周波数を可変とし、 前記加振手段は、前記弁体振動系の振動方向両側に1つ
    ずつ設けられており、かつ、これら2つの加振手段は、
    一の側の加振手段が前記弁体振動系を押圧するときには
    他の側の加振手段が前記弁体振動系を引張し、一の側の
    加振手段が前記弁体振動系を引張するときには他の側の
    加振手段が前記弁体振動系を押圧するように、互いに同
    期して制御されている ことを特徴とする流体圧制御弁。
  4. 【請求項4】請求項3記載の流体圧制御弁において、
    記弁体振動系の質量及びばね定数のうち少なくとも一方
    を可変とすることにより、該弁体振動系の共振周波数を
    可変としたことを特徴とする流体圧制御弁。
  5. 【請求項5】請求項記載の流体圧制御弁において、前
    記弁体振動系のばね定数を可変とすることにより、該弁
    体振動系の共振周波数を可変としたことを特徴とする流
    体圧制御弁。
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