JP3065516U - エレキギタ―の弦高低調節ブリッジの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリッジの高さ調節が容易、快速に行え、ブ
リッジが左右に擺動するのを防いでより堅固に固定され
ることにより、演奏時の雑音を防ぐことのできるエレキ
ギターの弦調節ブリッジの構造を提供する。 【解決手段】 本体の長円孔にブリッジの定位壁を嵌入
することで、ブリッジを堅固に固定して左右に擺動しな
いようにし、さらに調節ドライバーのラチェットをブリ
ッジの調節孔に挿入し、調節歯車と噛合することによ
り、ブリッジに枢設の弦受け栓は左右に傾斜することな
く容易且つ快速に弦高低が調節される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はエレキギターに関し、特にエレキギターのサドル上において、容易且 つ快速に弦の高低が調節できるブリッジを提供し、エレキギターの演奏時に雑音 が生じないようにする。

【０００２】

【従来の技術】

図１に示すような一般のエレキギターは、演奏に振動音の調節及び弦の張力を 微調節するために、図２のようなトレモロアーム１とサドル２を具する。サドル ２は、振動音を調節し変化を付ける役割を果たし、さらに弦３及びブリッジ４固 定の作用を有する。そして、該ブリッジ４前端に設けられた二つの調節コラムボ ルト５によりブリッジ４の高低を調節し、最適な音程を決定する。 しかし、各二つの調節コラムボルト５を調節する際、両調節コラムボルト５を 完全に同等の高さにすることは困難であり、図２に示すようにブリッジ４はやや 傾斜してしまうため、弦３に偏差が出てしまい、音がピックアップ、アンプ及び スピーカーに出力される時、ノイズが生じ、エレキギターの音質を落とすことに なる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記問題を解決するため、本考案の目的は、ブリッジの高さ調節が容易、快速 に行え、ブリッジが左右に擺動するのを防ぎ、より堅固に固定することにより、 弦の音調の不正確及び雑音の発生を解消するエレキギターの弦高低調節ブリッジ の構造を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は、本体の内側と穿孔間に設けた長円孔は 横向きで貫通しており、その端面から長円孔に沿って定位壁が延伸し、該定位壁 は本体の長円孔内に嵌入し、ブリッジ前端に長円状を呈する固定孔、及び前側端 部にノッチを具する収納空間、さらに反対側端部に軸向きねじ穴を設け、螺設エ レメントで該ブリッジを本体の穿孔に枢設し、ブリッジの長円孔と固定孔間に設 置の調節孔は、その上端に弦溝を有し、下方は延伸して収納空間に至り、ブリッ ジの固定孔に近似する形状を形成し、円弧状の外縁の対称する二カ所にねじ山を 設け、調節歯車の外縁は歯形を呈する環状歯を具え、弦受け栓の収納空間に嵌設 し、その内縁に設けたねじ穴により弦受け栓に螺設し、調節ドライバーは握持の ための柄を備え、下端にラチェットを延設し、該ラチェットと調節歯車の環状歯 は噛合するため、ブリッジに枢設の弦受け栓は調節ドライバーにより左右に傾く ことなく、容易且つ快速に高低の調節ができ、これらの構造により、演奏時の雑 音を効果的に防ぐことを特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図３から図６が示すように、本考案のエレキギターの弦高低調節ブリッジの構 造は次のようである。本体１０前端縁に、複数の等距離間隔に直列状に設けた円 孔１１は、本体１０をエレキギター上に螺設させる。各円孔１１に対応する、本 体１０の垂直端面の位置に、それぞれ等距離間隔、直列状に開設の穿孔１２は、 コラムボルトを穿通させ、該円孔１１内側と穿孔１２の間には同間隔で長円孔１ ３を設け、弦７０を穿通させる。さらに、本体１０は、その一側辺に突出し、貫 穿孔１４を有する凸部１５、垂直端面付近に設け、各長円孔１３間に開設のねじ 穴１６を具する。 ベース２０は、本体１０下方に設け、本体１０のねじ穴１６に対置してねじ孔 ２１を設置し、コラムボルトがねじ穴１６を貫通し、ベース２０を本体１０の底 部に固定する。ベース２０端面上の、本体１０の各長円孔１３に対応する位置に 通孔２２を設け、図５のように弦７０を穿通させ、また、ベース２０上の、本体 １０の貫穿孔１４との対応位置には内側にねじ山を有する定位孔２３を設ける。

【０００６】 複数のブリッジ３０は、貫通状の長円孔３１を横向きに設け、弦７０を穿通さ せる。該長円孔３１周縁に沿って延伸する定位壁３２（図６参照）は、本体１０ の長円孔１３に嵌入すると、前後移動のみが行なえるようになり、左右の移動は 不可能になる。また、図５示すように、ブリッジ３０は堅固に固定されており、 ブリッジ３０の長円孔３１前端周縁に設置の、円弧状を呈し傾斜状のガイド溝３ ３が弦７０をスムーズに引き入れて穿出させるため、弦７０はその撥動時に摩擦 により切れることはない（ガイド溝３３が垂直状であると、撥動時に弦７０は摩 擦により切れやすくなる）。さらに、ブリッジ３０前端に設置のノッチを具する 収納空間３４、前側端部に設置の長円状を呈する固定孔３５及び反対側端部に設 置の軸向きねじ穴３６は、バネ７１と対応してコラムボルトでブリッジ３０を本 体の穿孔１２内に固定し、同時に長円孔３１と固定孔３５の間に設ける調節孔３ ７は、下方に延伸して収納空間３４に至る。

【０００７】 複数の弦受け栓４０は、ブリッジ３０の固定孔３５に枢設し、図５が示すよう に、その上端に設置の弦溝４１が弦７０を受ける。弦受け栓４０は弧状を呈する ため、弦７０が撥動時に摩擦により切れるという心配はなく、さらに、下端はブ リッジ３０固定孔３５の形状に対応するように形成し、弦受け栓４０の移動を上 下にのみ制限し、弦受け栓４０の外縁はねじ山４２を形成し、また、内部には中 空の収納空間４３を設け、ピックアップ７２を収納し、共鳴効果を生じさせる。 複数の調節歯車５０は、外縁が歯型を呈する環状歯５１を形成し、弦受け栓４ ０の収納空間４３内に設け、その内縁に設置の螺孔５２は、弦受け栓４０内に螺 設する。 トレモロアーム６０は、本体１０の貫穿孔１４を貫通し、さらにベース２０の 定位孔２３に螺設する。 調節ドライバー８０は、握持し易いように柄を備え、下端に延伸するラチェッ ト８１の歯型は調節歯車５０の環状歯５１に対応し、両者は相互に噛合する。

【０００８】 上記の各部品を組立てたら、図４及び図５のように、先ず弦７０をベース２０ の通孔２２から挿入し、本体１０の長円孔１３を通過してブリッジ３０の長円孔 ３１より引き出し、続いてガイド溝３３に導引されて弦受け栓４０の弦溝４１上 に至り、さらに延伸してエレキギター本体の前端部に固定する。

【０００９】 図５、図６が示すように、本体１０のコラムボルトを調節することで、ブリッ ジ３０を前後に移動させて適当な位置にする事ができ（ブリッジの定位壁３２は 本体１０の長円孔１３内に嵌入しているため、ブリッジ３０は前後にしか移動で きない）、これによりブリッジ３０は堅固に固定され、左右に擺動しないように なる。よって撥弦によりピックアップ７２から音が出力される際、演奏の質に差 し障る余計なノイズが出るのを防ぐことができる。また、調節ドライバー８０の ラチェット８１をブリッジ３０の調節孔３７に挿入し、該ラチェット８１の歯型 を調節歯車５０の歯型に噛合させ、図６に示すように、弦受け栓４０を上下移動 させて適度な位置に調節（弦受け栓４０の下端部分はブリッジ３０固定孔３５に 近似する形状を呈するため、上下の移動しか行なえない）すれば、快速且つ容易 にブリッジ３０の高低を調節することができ、左右に傾斜することで、ピックア ップ７２で拾った音がアンプ、スピーカーから出力される時に雑音が生じること はない。

【００１０】

【考案の効果】

本体上の長円孔は、ブリッジの定位壁を嵌入させ、ブリッジを堅固に固定して 左右に擺動させないようにし、さらに調節ドライバーのラチェットをブリッジの 調節孔に挿入し、調節歯車を噛合させることにより、ブリッジに枢設の弦受け栓 は、左右に傾斜するようなことなく容易且つ快速にその高低が調節され、演奏時 の余計なノイズの発生を防ぐエレキギターの弦高低調節ブリッジの構造を提供で きた。

【図面の簡単な説明】

【図１】エレキギターの外観平面図である。

【図２】従来のエレキギターのサドル外観立体図であ
る。

【図３】本考案のエレキギターのサドル外観立体図であ
る。

【図４】本考案エレキギターのサドル組立立体図であ
る。

【図５】本考案のサドルの組立立体断面図及び作動状況
説明図である。

【図６】本考案のサドルの組立立体断面図及び作動状況
説明図である。

【図７】本考案のブリッジの立体図である。

【符号の説明】

１ トレモロアーム ２ サドル ３ 弦 ４ ブリッジ ５ 調節コラムボルト １０ 本体 １１ 円孔 １２ 穿孔 １３ 長円孔 １４ 貫穿孔 １５ 凸部 １６ ねじ穴 ２０ ベース ２１ 螺孔 ２２ 通孔 ２３ 定位孔 ３０ ブリッジ ３１ 長円孔 ３２ 定位壁 ３３ ガイド溝 ３４ 収納空間 ３５ 固定孔 ３６ 螺孔 ３７ 調節孔 ４０ 弦受け栓 ４１ 弦溝 ４２ ねじ山 ４３ 収納空間 ５０ 調節歯車 ５１ 環状歯 ５２ 螺孔 ６０ トレモロアーム ７０ 弦 ７１ バネ ７２ ピックアップ ８０ 調節ドライバー ８１ ラチェット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主に本体と本体下方に設置のベース、本体
   上方の複数のブリッジ、弦受け栓、調節歯車及びトレモ
   ロアームからなるエレキギターの弦高低調節ブリッジの
   構造において、 該本体は、前縁部において等距離、直列状に複数の円孔
   を、各円孔の対称位置、本体の垂直端面上に穿孔コンセ
   ントを、さらに円孔と穿孔間の両者同列上に長円孔を有
   し、さらに本体の一側辺に突出する貫穿孔の凸部、本体
   内端の垂直面付近にねじ穴を設け、 該ベースは、本体のねじ穴に対応する螺孔を設け、螺設
   エレメントでねじ穴を穿通してベースを本体の下方に固
   定し、さらに、ベースは本体の各長円孔の内端と対応す
   る貫通状の通孔、本体貫穿孔と対応し、ねじ山を内設す
   る定位孔を具し、 該ブリッジは横向きで貫通状の長円孔を設け、その端面
   は長円孔周縁を沿いながら延伸して定位壁を形成し、該
   定位壁は本体の長円孔に嵌入し、ブリッジは前端に設置
   の長円状を呈する固定孔、前側端部にノッチを具する収
   納空間、さらに反対側端部に軸向きねじ穴を設け、螺設
   エレメントでブリッジを本体の穿孔に枢設し、ブリッジ
   の長円孔と固定孔間に調節孔を設け、その下方は延伸し
   て収納空間に至り、該弦受け栓はブリッジの固定孔に枢
   設し、上端に弦溝を設け、下端はブリッジの固定孔に近
   似する形状を形成し、円弧状の外縁の対称する二カ所に
   ねじ山を設け、該調節歯車は、外縁が歯形を呈する環状
   歯を形成し、弦受け栓の収納空間に嵌設し、その内縁に
   設けた螺孔により弦受け栓に螺設し、調節ドライバーは
   握持のための柄を備え、下端にラチェットを延設し、該
   ラチェットと調節歯車の環状歯は噛合することを特徴と
   するエレキギターの弦高低調節ブリッジの構造。
2. 【請求項２】ベースの長円孔前端周縁に円弧状を呈し、
   傾斜状であるガイド溝を設けることを特徴とする請求項
   １に記載のエレキギターの弦高低調節ブリッジの構造。
3. 【請求項３】弦受け栓内部に中空状の収納空間を設けて
   ピックアップを嵌装し、共鳴効果を生むことを特徴とす
   る請求項１に記載のエレキギターの弦高低調節ブリッジ
   の構造。