JP3065219B2 - コンダクタロールを使用する焼鈍装置 - Google Patents

コンダクタロールを使用する焼鈍装置

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JP3065219B2
JP3065219B2 JP6299105A JP29910594A JP3065219B2 JP 3065219 B2 JP3065219 B2 JP 3065219B2 JP 6299105 A JP6299105 A JP 6299105A JP 29910594 A JP29910594 A JP 29910594A JP 3065219 B2 JP3065219 B2 JP 3065219B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C21D9/52Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な電導性を有する
基体と少なくとも2ミクロンRaの表面粗さを備えるタ
ングステン乃至タングステン基合金から成るトップコー
ティングとを具備する、銅線のような線材(ワイヤ)を
焼鈍するのに使用されるコンダクタ・ロール(コンダク
ティブ・ロール、導電ロール、集電ロールとも呼ばれ
る)を使用する焼鈍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅線の焼鈍において、銅ロール若しくは
フープがジュール効果により銅線を加熱するのに使用さ
れる。銅は、その良好な電導性の故に、コンダクタロー
ル用に好ましい材料である。代表的な或いは従来からの
焼鈍装置においては、銅線は、一つの電源に接続された
2つの離間したコンダクタロールを巻き回ってそれらと
接触状態に送給される。一方のロールは正極でありそし
て他方のロールは負極である。これらコンダクタロール
が電源に接続されるとき銅線が2つのコンダクタロール
間で回路を完結するから、銅線に熱が発生する。銅線の
焼鈍において、銅線は所望の速度でコンダクタロール周
囲に沿って連続的に送給され、そこで加熱されそして後
従来態様で冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】銅線はコンダクタロー
ルと接触し、従ってそれらの間での摩擦はコンダクタロ
ール表面に摩耗を生ぜしめる。ひとたびロールの摩耗が
焼鈍プロセスの効率的な操業に所望されざるものとなる
と、ロールは交換される。これは焼鈍操業の休止をもた
らし、従って生産性の損失を招く。
【0004】ロール材料として銅に替えてニッケルを使
用することが提唱された。ニッケルは一層良好な耐摩耗
特性を有しているからである。しかし、ニッケルロール
は銅ロールより格段に高価格でありそしてまだなお耐摩
耗性の問題を呈する。
【0005】本発明の課題は、銅線のような線材を焼鈍
するのに使用されるとき優れた耐摩耗特性を有するコン
ダクタロールを使用する焼鈍装置を開発することであ
る。本発明の別の課題は、銅線のような線材を焼鈍する
のに使用のためのコスト節減効果が高く且つ優れた耐摩
耗特性を有するコンダクタロールを使用する焼鈍装置
開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも
ミクロンRaの粗さを有するタングステン乃至タングス
テン基合金コーティングを備えるコンダクタロールを提
供し、このコーティングはコスト節減効果が高く且つ優
れた耐摩耗特性を有する。
【0007】本発明は、線材の焼鈍に使用のための、タ
ングステン乃至タングステン基合金で電導性基体を被覆
してなるコンダクタロールを使用する焼鈍装置に関係
し、この場合コーティングの表面が少なくともミクロ
ンRaの表面粗さを有することを特徴とする。コンダク
タロールの基体は、良好な電導性を有さねばならずそし
て焼鈍プロセスの熱に耐えねばならない。基体として好
ましい材料は銅であるが、基体はまた青銅のような銅合
金、ニッケル、及び鋼からも作製することができる。コ
ンダクタロールに対するコーティングはタングステン乃
至タングステン基合金である。タングステン乃至タング
ステン基合金コーティングを備えるだけでは充分でな
く、コーティングは少なくとも5ミクロンRa以上の表
面粗さを有さねばならない。コーティング厚さは50〜
150ミクロン厚さの範囲で変更することができる。表
面コーティングにおいて必要な粗さを発現するために
は、コーティングは、セラミックビーズ(粒子)、金属
質ビーズ等の材料を使用してグリット・ブラスティング
(粒子を表面に投射すること)されうるし、従来型式の
レーザ装置を使用してレーザ彫刻・刻印されうるし、コ
ーティング表面の電蝕により処理することもできるし、
所要の粗さを得るように表面を機械加工することもでき
るし、そのほか任意の従来からの技術を使用することが
できる。
【0008】基体を、その表面にコーティングを付着す
るに先立って或いはその後に所要の表面粗さを生成する
ためにグリット・ブラスティングによる等して処理する
ことができる。別法としては、所望の表面粗さを有する
ことができた或いは所望の表面粗さを有するもとのなさ
れたニッケル乃至ニッケル合金のようなアンダーコーテ
ィングを付着することができ、それによりタングステン
乃至タングステン合金のトップコーティングをアンダー
コーティングの表面輪郭に沿うようにすることもでき
る。5重量%のアルミニウムを含むニッケルのアンダー
コーティングが本発明に適当であるような自然の粗さを
持つことが観察された。ニッケル−アルミニウムアンダ
ーコーティングは多くの基体に対する良好な耐食性層で
あり、従ってタングステン乃至タングステン合金トップ
コーティングと併せて良好な二重コーティングを提供す
る。本発明の実施において、ニッケル、ニッケル含有合
金コーティングその他の任意の良好な耐食性のアンダー
コーティングが使用されうる。トップコーティングはま
た、エポキシシーラーのような適当な封止剤・目止剤で
封止されうる。これはまた、焼鈍プロセスの環境中の有
害な成分の浸透を防止するためのバリヤーを提供するこ
とにより基体を保護する。
【0009】
【作用】本発明のコーティングの試験に際して、それま
では、平滑な表面が、線材が一層低い摩擦でロール上を
摺動することができるから、摩擦摩耗を減少するのに一
層良好な表面を提供しうると信じられていた。しかし、
コーティング付きロールの摩擦摩耗を減少するためには
表面をミクロンRa以上に粗くすることが必要である
ことが見出された。そうすることにより、銅線はコーテ
ィングの凹凸ピーク即ち突起部頂端と接触するので、コ
ーティングと銅線との間には最小限の接触しか生じな
い。タングステン乃至タングステン基合金コーティング
であるコーティングは良好な耐摩耗特性を有するからコ
ーティング付きコンダクタロールはコーティング無しの
コンダクタロールより一層長い使用寿命を提供する。2
ミクロンRa以上の表面粗さが実用上十分の改善を提供
する。
【0010】
【発明の具体的な説明】図1を参照すると、銅線4のた
めの焼鈍プロセス2の概略流れ図が示される。ここで
は、銅線4は、従来型式の幾つかのロール6を経由して
負極コンダクタロール8、正極コンダクタロール10及
び負極コンダクタロール9を回り込んで送給されてい
る。負極コンダクタロール8、9及び正極コンダクタロ
ール10は、30Vのような電源(図示なし)の負極及
び正極端に接続され、銅線4は、これら負極コンダクタ
ロール8、9及び正極コンダクタロール10を通って送
給されるとき125Aのような高い電流を発生すること
にできる回路を形成する。銅線4の抵抗加熱は、銅線の
温度を例えば200℃乃至もっと高い温度までにも増大
することができる。銅線4が負極コンダクタロール8か
ら正極コンダクタロール10間で送給されるに際して、
電流は銅線を通して流れそしてIR損失により銅線は加
熱される。その後、銅線は、正極コンダクタロール10
から負極コンダクタロール9に送られ、ここで銅線は適
当なタンク15内に送入される。タンク15には、不活
性気体窒素12が水及び油混合物14上方に収蔵されて
いる。加熱された銅線4はその後、水及び油混合物14
により冷却されそしてロール7を越えて送り出され、こ
こで保管及び/或いは所望の場所への輸送のために然る
べく巻き取られる。銅線が負極コンダクタロール8、9
及び正極コンダクタロール10を巻き回って送られる速
度は一般に約15m/秒である。異なった焼鈍プロセス
に対しては、この速度は増減いずれにも変更されうる。
【0011】図2は、2本の平行な離間した銅線に対す
る焼鈍プロセスにおいて使用された後のコンダクタロー
ル16の円弧の一部を示す。銅線とコンダクタロール1
6との接触は摩擦を生み出し、半円断面の溝18がコン
ダクタロール16において生じる。溝18がある深さ及
び幅まで形成された後には、コンダクタロールは取り外
されそして新しいものと交換されねばならない。
【0012】図3及び4は、コーティング22を有する
コンダクタロール20の円弧の一部を示す。2本の平行
な整列状態で離間した銅線24がコーティング22の表
面に沿って送られている。図3の一部の断面図である図
4に示されるように、銅線24はコーティング22の凹
凸ピーク即ち突起部頂端26と接触するので、コーティ
ング22と銅線24との間には最小限の接触しか生じな
い。タングステン乃至タングステン基合金コーティング
であるコーティング22は良好な耐摩耗特性を有するか
らコーティング付きコンダクタロール20はコーティン
グ無しのコンダクタロール若しくはコーティングを有す
るが2ミクロンRa未満の表面仕上げしかされなかった
コンダクタロールより一層長い使用寿命を提供する。
【0013】
【実施例】実施例及び比較例を示す。0.5mm太さの
銅線を図1に示した装置において焼鈍した。一つの焼鈍
プロセス中、コーティング無しのコンダクタロールが使
用されそしてまた別の焼鈍プロセスにおいてはコンダク
タロールはタングステンで被覆されそして異なった値の
表面粗さを有するものとされた。コーティング付きコン
ダクタロールは最初、約23psi(1.6kg/cm
)の圧力において20メッシュの酸化アルミニウム粒
子でグリットブラスティング処理された。その後、タン
グステンコーティングが100mmの厚さまで付着され
た。焼鈍プロセスは125Aの電流を流す30V電源を
使用した。負極コンダクタロールと正極コンダクタロー
ルとの間での銅線の温度は約200℃でありそして水及
び油混合物の温度は約40℃であった。銅線は、約15
m/秒の速度でコンダクタロールを巻き回って送られ
た。コーティング無しのコンダクタロールを使用した焼
鈍プロセスにおいては、コンダクタロールは60時間の
使用後交換されねばならなかった。0.05ミクロンR
aに表面仕上げしたコーティング付きコンダクタロール
は175時間持続し、5.5ミクロンRaに表面仕上げ
したコーティング付きコンダクタロールは325時間持
続し、そして10ミクロンRaに表面仕上げしたコーテ
ィング付きコンダクタロールは900時間持続した。こ
れらデータからわかるように、本発明に従い、タングス
テンコーティングを有しそして数ミクロンRaまで表面
仕上されたコンダクタロールは、コーティング無しのコ
ンダクタロール或いはコーティングを有するが2ミクロ
ンRa未満の表面仕上げしかされなかったコンダクタロ
ールよりも銅線を焼鈍するのに一層長い作動寿命を有す
る。
【0014】本発明の範囲内で様々の変更が可能であ
る。例えば、ニッケル−アルミニウムのようなアンダー
コーティングがタングステン乃至タングステン合金トッ
プコーティングに先立って被覆されて基体に対する耐食
性を与える。加えて、エポキシシーラーのような封止剤
がトップコーティングに被覆されえてやはり基体に対す
る腐食保護を提供する。かくして、銅線を通しての所望
の電流を流すに充分電導性であるかぎり基体として任意
の材料を使用することができる。
【0015】
【発明の効果】銅線のような線材を焼鈍するのに使用の
ためのコスト節減効果が高く且つ優れた耐摩耗特性を有
するコンダクタロールを使用する焼鈍装置の開発に成功
した。例えば、コーティング無しのコンダクタロールを
使用した焼鈍プロセスにおいては、コンダクタロールは
60時間の使用後交換されねばならず、そして0.05
ミクロンRaに表面仕上げしたコーティング付きコンダ
クタロールは175時間持続しただけであったのに対し
て、5.5ミクロンRaに表面仕上げしたコーティング
付きコンダクタロールは325時間持続し、そして10
ミクロンRaに表面仕上げしたコーティング付きコンダ
クタロールは実に900時間も持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅線の焼鈍プロセスの概略流れ図である。
【図2】図1に示したコンダクタロールの円弧部分の斜
視図である。
【図3】本発明で使用する、コーティングを備えたコン
ダクタロールの円弧部分の斜視図であり、銅線がコーテ
ィング表面に沿って送給される様相を示す。
【図4】図3のコンダクタロールの4−4線に沿う断面
図である。
【符号の説明】
2 焼鈍装置 4 銅線 6、7 ロール 8、9 負極コンダクタロール 10 正極コンダクタロール 12 不活性気体窒素 14 水及び油混合物 15 タンク 20 コンダクタロール 22 コーティング 24 銅線 26 凹凸ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−123912(JP,A) 特開 平4−285113(JP,A) 特開 昭55−28351(JP,A) 実開 昭57−158747(JP,U) 実開 昭57−129776(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/00,1/40,9/52 C21D 9/56,9/62 C25D 7/00,7/06 H05B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 青銅製電導性基体と、該基体上に被覆し
    たニッケル−アルミニウム製アンダーコートと、該アン
    ダーコート上に被覆したタングステン又はタングステン
    基合金層とよりなり、該合金層の表面粗さが少なくとも
    5ミクロンRaであるコンダクタロールを使用する焼鈍
    装置。
  2. 【請求項2】 銅製電導性基体と、該基体上に被覆した
    タングステン又はタングステン基合金層と、該合金層の
    前面に施されたエポキシ封止剤とよりなり、前記合金層
    の表面粗さが少なくとも5ミクロンRaであるコンダク
    タロールを使用する焼鈍装置。
JP6299105A 1993-11-10 1994-11-09 コンダクタロールを使用する焼鈍装置 Expired - Fee Related JP3065219B2 (ja)

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