JP3065100U - 作業物回転締め付け器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】作業物の締め付け、移動機能を高め、同時に、
使用上の安全性も高めることが課題である。 【解決手段】持ち手を備えた本体と締め付けベルトから
構成し、本体前端に滑り止め部分を設ける。また、本体
には持ち手の軸方向に沿って開放口を設けたはめ込み槽
を設ける。締め付けベルトの一端を本体上に固定し、締
め付けベルトをはめ込み槽の中に通し、輪を作り、締め
付け空間を設け、作業物を締め付ける。また、本体上に
偏心回転する滑り止めつまみを設けるが、この滑り止め
つまみには弾力性部品を取りつけるため、滑り止めつま
みが締め付けベルトをフレキシブルにはめ込み槽に押し
つけ、締め付け状態にある時、締め付けベルトが緩まな
い滑り止め効果を発揮するので、作業物を確実、かつ安
全に締め付けることができるようになった。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、回転する作業物を締め付ける、特に、持ち手を備えた本体に滑り止 め部分とはめ込み槽があり、この本体と締め付けベルト、滑り止めつまみ及び弾 力性部品から構成され、このうち、滑り止めつまみのフレキシブルな偏心回転に より締め付けベルトをはめ込み槽の槽壁に押しつけ、締め付けベルトがはめ込み 槽内で単一方向（締め付け方向）に自由に移動し、逆行時（ゆるめ方向）には移 動しないような滑り止め作用を備えた作業物回転締め付け器具に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

一般に作業物を固定し移動させる場合には、ペンチやレンチなど適当な工具が 使用され、作業物間の固定または解体作業を行う。しかし、表面が滑りやすい筒 状の管の間の固定または解体作業など、ある状況においては、ペンチやレンチは 適切な工具とは言えない。表面が滑りやすい筒状の管の間を固定接続する場合を 例に挙げれば、レンチで固定した場合、レンチで抑える面がライン状のため、筒 状の管とライン状の接触しかできず、相互の接触面積が小さいために固定力が小 さく、レンチが滑って、作業物の表面にキズを残したり、作業物の表面を破壊し やすかった。特に、表面が滑りやすい筒状の管などがもろい材質で出来ている場 合、レンチの固定力で作業物を破壊することもあり、この種の作業ではレンチの 使用は不適切であった。 上述の状況で使用されてきた従来の作業物回転締め付け器具は、持ち手を備え た本体の前端に滑り止め部分が設けられており、また、本体に締め付けベルトが 取りつけられた構造で、この締め付けベルト前端で輪を作り、締め付け空間を設 け、作業物の外周を締め付け、滑り止め部分で締め付けベルトの動きを押さえ、 作業物を移動させていた。ただし、従来の締め付け移動作業では、作業物を締め 付ける締め付けベルトは器具の持ち手とともに、人の手で握っていなければなら なかった。つまり、作業者は手で持ち手を握り、また、合わせて締め付けベルト を握らなければならず、持ち手を動かして作業物の締め付けと移動という目的を 達成していた。 上述の従来の作業物回転締め付け器具の構造は、予想通りの作業物の締め付け 及び移動という目的を達成することができるが、持ち手を動かす時、持ち手が手 中にあり、合わせて締め付け状態の締め付けベルトを持つと、逆行（緩み方向） の移動引力が発生した時、作業者が締め付けベルトをしっかりつかまなければ、 滑った締め付けベルトで手を痛め、深刻な場合にはケガをする。また、締め付け ベルトが滑り、作業物との間に緩みが生じ、効果的に作業物の締め付け、移動を することができなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の説明から分かるように、従来の作業物回転締め付け器具は、作業物の締 め付けと移動という目的を充分に果たすことができず、安全性も十分に確保され ていなかった。このため、その構造を改善し、作業物の締め付け、移動機能を高 め、同時に、使用上の安全性も高めることが課題である。

【０００４】

【考案を解決するための手段】

前記の課題を解決するため、本考案の作業物回転締め付け器具は持ち手を備え た本体と締め付けベルトから構成し、本体前端に滑り止め部分を設ける。また、 本体には持ち手の軸方向に沿って開放口を設けたはめ込み槽を設ける。締め付け ベルトの一端を本体上に固定し、締め付けベルトをはめ込み槽の中に通し、輪を 作り、締め付け空間を設け、作業物を締め付ける。また、本体上に偏心回転する 滑り止めつまみを設けるが、この滑り止めつまみには弾力性部品を取りつけるた め、滑り止めつまみが締め付けベルトをフレキシブルにはめ込み槽に押しつけ、 締め付け状態にある時、締め付けベルトが緩まない滑り止め効果を発揮するので 、作業物を確実、かつ安全に締め付けることができるようになった。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１、図２、図３、図４に示すように、本考案の作業物回転締め付け器具は、 持ち手１１を備えた本体、締め付けベルト３１、滑り止めつまみ２３及び弾力性 部品２７から構成される。本体前端部の側面には、滑り止め部分１２が設けられ ている。実施例図に示すように、滑り止め部分１２には、僅かに斜めに伸びるフ ック状の滑り止め歯１３が設けられている。また、本体前端部のもう一つの側面 には、固定槽１４が設けられている。この固定槽１４内には、凸柱１５が形成さ れており、また、この固定槽１４に垂直に貫通するネジ穴１６が設けられている 。このほか、本体の持ち手１１には、軸方向に沿って開放口を形成するはめ込み 槽１７が設けられている。 締め付けベルト３１は、適度な長さを有し、その一端は本体と固定されており 、もう一端ははめ込み槽１７より外に伸びている。実施例図に示すように、締め 付けベルト３１の固定端は、折り返してはめ輪３２を形成しており、固定槽１４ の中に入れて凸柱１５上にはめ込み、ネジ１６１をネジ穴１６からさし込み、は め輪３２上方の折り返し部分に相対する締め付けベルト３１を刺し通し、固定槽 １４の壁面に定位し、締め付けベルト３１と凸柱１５を本体の固定槽１４に結合 、定位する。また、この締め付けベルト３１のもう一端は、はめ込み槽１７の中 にはめ込み、締め付けベルト３１により本体前端で輪を作り、作業物を締め付け る締め付け空間３３を作る。

【０００６】 本考案の作業物回転締め付け器具は、フレキシブルに偏心回転する滑り止めつ まみ２３が、はめ込み槽１７内の締め付けベルト３１に対し、単一方向への移動 と逆行滑り止め作用を提供する。 実施例図に示すように、本体には、はめ込み槽１７と貫通する取り付け定盤１ ８を設ける。この取り付け定盤１８上には、固定台座１９と導引柱２２を設ける 。また、固定台座１９上には固定柱２１を設ける。滑り止めつまみ２３には、本 体と結合できる結合穴２４及び弓形の導引槽２５を設け、また、滑り止めつまみ ２３には、こはぜ２６と滑り止め模様２９を設ける。 滑り止めつまみ２３は、結合穴２４によって、取り付け定盤１８の固定台座１ ９上に取り付けられるが、この時、固定柱２１を結合穴２４からのぞかせ、ボル ト２８で締め付ける。これにより、滑り止めつまみ２３を結合、定位して、かつ 回できるようにする。滑り止めつまみ２３の導引槽２５内には、弾力性部品２７ を取りつける。この弾力性部品２７の一端は、取り付け定盤１８の導引柱２２上 に固定されているので、滑り止めつまみ２３は弾力性部品２７の働きにより、こ はぜ２６の部位をはめ込み槽１７の槽壁に押しつけ、フレキシブルに槽内の締め 付けベルト３１を圧制する。

【０００７】 図５に示すように、本考案の作業物回転締め付け器具を使用する時には、締め 付けベルト３１の締め付け空間３３で作業物４１の外周を囲う。滑り止めつまみ ２３がフレキシブルな偏心回転をするので、作業物４１の外周を囲む時、はめ込 み槽１７内の締め付けベルト３１の移動は、滑り止めつまみ２３を外向きに回転 させるので、単一方向に自由に移動でき、締め付け空間３３を調整し、確実に作 業物４１を締め付けることができる。 締め付け状態にある締め付けベルト３１には、反作用の逆行引力が発生する。 特に、持ち手１１を動かして、その滑り止め部分１２を締め付けベルト３１と作 業物４１に押しつける瞬間に最大の逆行引力が発生するが、はめ込み槽１７内の 締め付けベルト３１は、滑り止めつまみ２３を槽壁に押しつけ、しっかり滑り止 めし、締め付けベルト３１を逆行移動させず、確実に締め付け機能を発揮させる 。 実施例図に示すように、持ち手１１を動かすと、その滑り止め部分１２上の滑 り止め歯１３及び滑り止めつまみ２３のこはぜ２６は、それぞれ作業物４１と締 め付けベルト３１を押しつけ、滑り止め作用を発生する。更に、滑り止め歯１３ とこはぜ２６が食い込み状態になるので、締め付けベルト３１が作業物４１の表 面をしっかり締め付けて定位し、持ち手１１を動かすと回転する作業物をしっか り締め付けることができる。 特筆すべき点は、滑り止めつまみ２３が偏心回転をし、かつ、こはぜ２６が締 め付けベルト３１に食い込んでいるため、持ち手１１を動かし、締め付けベルト ３１に逆行引力が発生した時、締め付けベルト３１が滑り止めつまみ２３によっ て滑り止めされ、逆行引力が強いほど、滑り止めの作用も大きくなる。このため 、使用過程において、締め付けベルト３１が逆行移動し、締め付け状態が緩んだ りせず、また、これにより更に大きいねじれ作用にも耐え、実用上のニーズに対 応することができる。 また、締め付けベルト３１には、滑り止めつまみ２３の滑り止め作用があり、 逆行緩みが生じないため、締め付けベルト３１ははめ込み槽１７の中に引き込む ことができ、使用時に締め付けベルト３１と手が接触しないために操作上の安全 を確保することができる。 締め付けベルト３１と作業物４１の締め付け状態を緩めたい時には、滑り止め つまみ２３の表面に設けられた滑り止め模様２９を外に向かって回転させる。こ の時、締め付けベルト３１上の滑り止め作用が解放され、締め付けベルト３１が はめ込み槽１７からはずれ、締め付けベルト３１が作業物４１をはずし、再び滑 り止めつまみ２３上の推進力を解放することで、滑り止めつまみ２３が弾力性部 品２７の作用で、はめ込み槽１７の槽壁に押しつけられる。

【０００８】

【考案の効果】

以上に詳述した本考案の作業物回転締め付け器具は、持ち手を備えた本体に滑 り止めつまみが取りつけられているが、滑り止めつまみがフレキシブルな偏心回 転をし、締め付けベルトを単一方向に自由に移動させ、逆行移動させない締め付 け作用を備えているので、確実に締め付け機能を発揮することができ、大変便利 である上、使用時に締め付けベルトと手が接触しないので、操作の安全を確保す ることができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の分解図。

【図２】本考案の外観図。

【図３】本考案のもう一方向の締め付けベルトと固定槽
の結合関係分解図。

【図４】本考案の組立構造説明図。

【図５】本考案の操作説明図。

【符号の説明】

１１：持ち手 １２：滑り止め部分 １３：滑り止め歯 １４：固定槽 １５：凸柱 １６：ネジ穴 １６１：ネジ １７：はめ込み槽 １８：取り付け定盤 １９：固定台座 ２１：固定柱 ２２：導引柱 ２３：滑り止めつまみ ２４：結合穴 ２５：導引槽 ２６：こはぜ ２７：弾力性部品 ２８：ボルト ２９：滑り止め模様 ３１：締め付けベルト ３２：はめ輪 ３３：締め付け空間 ４１：作業物

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】持ち手を備えた本体及び締め付けベルトか
   ら構成される作業物回転締め付け器具において、 本体前端部の一側面には、外に向かって伸びる滑り止め
   部分が設けられており、本体の持ち手には軸方向に沿っ
   て開放口を形成するはめ込み槽が設けられており、締め
   付けベルトの一端は本体上に固定されており、もう一端
   ははめ込み槽にはめ込まれており、前端で輪を作り、作
   業物を締め付ける締め付け空間を作るが、 本体上には更に、滑り止めつまみが取りつけられてお
   り、この滑り止めつまみには弾力性部品が取りつけられ
   ているため、該滑り止めつまみがフレキシブルな偏心回
   転をし、はめ込み槽内の締め付けベルトに対し、単一方
   向への自由な移動と逆行移動の滑り止め作用を提供する
   ことを特徴とする作業物回転締め付け器具。
2. 【請求項２】本体には、はめ込み槽と貫通する取り付け
   定盤が設けられており、この取り付け定盤上には、固定
   台座及び導引柱が設けられており、また、固定台座上に
   は固定柱が設けられており、 前記滑り止めつまみには、結合穴及び弓形の導引槽が設
   けられており、結合穴と固定台座、固定柱を利用し、ボ
   ルトによって滑り止めつまみを本体に固定接続し、ま
   た、滑り止めつまみを回転できるようにし、 弓形の導引槽には弾力性部品を取り付け、弾力性部品の
   一端を導引柱に固定することを特徴とする請求項１に記
   載の作業物回転締め付け器具。
3. 【請求項３】滑り止めつまみの表面にフック状のこはぜ
   を設け、こはぜによって締め付けベルトを圧制すること
   を特徴とする請求項１に記載の作業物回転締め付け器
   具。
4. 【請求項４】滑り止めつまみの表面に滑り止め模様を設
   けることを特徴とする請求項１に記載の作業物回転締め
   付け器具。