JP3064750U - マットレス用芯材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指圧効果と共にマットレス中の逃湿性を発揮
することの出来るマットレス用芯材を得る。 【解決手段】 体圧支持ボールを適宜間隔で並列し位置
決めするため、前記ボール直径の１／２〜１／３の直径
の複数のボール支持孔を有し、ボールの直径に対し１／
２０〜１／３の厚味を有する軟質発泡体よりなるボール
位置決め板を、軟質発泡体よりなる支持基板上に一体に
積層し、前記ボール支持孔内に体圧支持ボールを挿入
し、体圧支持ボールをボール位置決め板より上方に突出
した状態で支持基板上に保持してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、指圧効果を有し、逃湿性をも有するマットレス用芯材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来指圧効果を発揮させるマットレスや布団は多く考案されている。例えば、 マットレス上面の身体と接する面に多数の富士山型の突起を突出させたもの、或 いは球体を支持部材の保持溝内に嵌入し頂部を突出させたものなどがある。富士 山型の突起で身体の体重を支える場合、頂部の狭い範囲で受けた体重を山の裾野 部分に相当する広い範囲に分散することにより突起頂部の変形に対して裾野部分 の変形は少なく突起の安定した変形のもとで身体を支え、かつ、頂部の狭い範囲 での身体への刺激によりマッサージ効果を生じているが、富士山型の突起は裾野 部分が突起の一部を構成しており突起同士で見ると突起間の空間の量は少ない。

【０００３】 そのために、突起が変形しても突起間空間に存在していて上形変形時により外 部に逃げる空気の量は少ないことになりマットレス内及びその周囲に滞溜してい る湿分が排出される効果は充分とは云えない。

【０００４】 また、球体をその支持部材の保持溝内に嵌入しているもの（実公昭５３−１８ ０１０号）にあっては、球体自体がほぼ完全に保持溝に囲われ球体自体の変形も 特に期待していないために、球体自体の変形によるポンピング作用による周囲空 気の排出等は考えられておらず当然に湿分の排除は行われていない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案マットレス用芯材にあっては、上記の点に鑑みて、指圧効果と共に逃湿 性を発揮することの出来るマットレス用芯材を得ることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案マットレス用芯材は、体圧支持ボールを適宜間隔で並列し位置決めする ため、前記ボール直径の１／２〜１／３の直径の複数のボール支持孔を有し、ボ ールの直径に対し１／２０〜１／３の厚味を有する軟質発泡体よりなるボール位 置決め板を、軟質発泡体よりなる支持基板上に一体に積層し、前記ボール支持孔 内に体圧支持ボールを挿入し、体圧支持ボールをボール位置決め板より上方に突 出した状態で支持基板上に保持してなる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面と共に次に説明する。 本考案マットレス用芯材１は、敷布団等の寝具一枚分の大きさのものとしても 或いはそれを三つ折りに出来るよう分割された大きさのものであっても良い。

【０００８】 マットレス用芯材１は、体重を支える体圧支持ボール２と、該体圧支持ボール ２を任意の配置で固定するためのボール位置決め板３と、ボール位置決め板３を 支持する支持基板４とよりなる。体圧支持ボール２は、軟質発泡体例えばポリエ ーテル系ウレタンフォームよりなり、通常４０ｋｇ／ｍ^３以下で構成すれば良く 、硬さ値は使用個所により適当に変更出来る。例えば、腰部を支える個所に使用 する場合、密度が３０ｋｇ／ｍ^３、硬さ値が２３ｋｇｆ／３１４ｃｍ^２程度のも のとし、他の部分では密度が２５ｋｇ／ｍ^３、硬さ値が２０ｋｇｆ／３１４ｃｍ ^２ としている。また、体圧支持ボール２の反発係数は４０〜７０％になっている 。また、体圧支持ボール２の直径は１０〜８０ｍｍφが好ましく、４０〜８０ｍ ｍφがより好ましい。

【０００９】 ボール位置決め板３には、上下方向に貫通する円形の多数のボール支持孔５が 形成されている。孔の配置は図１に示されるボール配置の如き格子状でも良いが 、隣接する各列の孔がその半ピッチだけずれた状態、所定部位のみボール密度を 高くする等、様々な配列が可能である。ボール位置決め板３に設けられたボール 支持孔５はボール直径比で１／３〜１／２が好ましい。

【００１０】 ボール位置決め板３は、密度が２５ｋｇ／ｍ^３（ＪＩＳ Ｋ６４０１）、硬さ 値が２０ｋｇｆ／３１４ｃｍ^２（元厚の７５％予備圧縮後毎秒１０ｍｍ以下の速 度で元厚の２５％圧縮時の荷重値（ＪＩＳ Ｋ６４０１））のウレタンフォーム であり、その厚みは５〜１０ｍｍである。

【００１１】 ボール位置決め板３としては、密度が２５〜３０ｋｇ／ｍ^３、硬さ値２０〜２ ３ｋｇｆ／３１４ｃｍ^２、反発弾性３５〜４０％（鋼球を４６０ｍｍの高さから 自由落下させてその反発距離の割合（ＪＩＳ Ｋ６４０１））のウレタンフォー ムが好ましい。

【００１２】 ボール位置決め板３の厚みは５〜１０ｍｍが好ましく、ボール直径の１／２０ 〜１／３であり、より好ましくは１／１０〜１／５、更に好ましくは１／６であ る。これによってボールによる指圧効果がより強く現れるだけでなく、横たえら れた身体による圧縮時のボールの変形が後述するボール支持孔５によって受ける 影響の小さい構造であるため、球状体としての反発力をより理想的に働かせ、従 来にない優れた弾力性と感触性の良さを示すと考えられる。

【００１３】 支持基板４は、その上面にボール位置決め板３を積層し体圧支持ボール２を支 持するための板状体で、密度が１６〜２５ｋｇ／ｍ^３程度であり、好ましくは密 度が２０ｋｇ／ｍ^３の発泡ウレタンフォームよりなり、経時による弾性の低下を 抑制するには、発泡ポリエチレン，発泡ポリプロピレン，発泡ポリスチレン等の 独立気泡発泡体が用いられる。 支持基板４には通気性のために、貫通するスリット或いは小孔６が多数設けら れている。台材の厚みは薄板状に限らず厚板状であってもよい。

【００１４】 上記支持基板４に積層されたボール位置決め板３のボール支持孔５には前記体 圧支持ボール２を挿入し接着剤により、体圧支持ボール２と支持基板４及びボー ル位置決め板３とを固定する。然しこの固定は絶対的なものではなく、ボール位 置決め板３の厚さ体圧支持ボール２の径等の条件によりボール位置決め板３のボ ール支持孔５内で体圧支持ボール２が妄動しなければ特に固定する必要はない。

【００１５】 支持基板４の周囲は、支持基板４上の周縁の体圧支持ボールを囲うように支持 基板４と同材の枠７を設ける。枠７の高さはボール位置決め板３から突出するボ ール頂部の高さの２５％以下とする。そして、前述の如く体圧支持ボール２を支 持基板及び又はボール位置決め板３に固定しないときは、体圧支持ボール２を被 うように前記枠７にネット（図示せず）を張設し体圧支持ボール２の妄動を阻止 する。 本考案マットレス用芯材１を使用するときは更に前記積層体をカバーで被う。

【００１６】 本考案マットレス用芯材１の使用時、体圧支持ボール３に体圧が加わると図１ のＢに示す如く体圧支持ボール２は楕円形に押し潰される。このとき頂部に加え られた体圧は、ボールの頂部からその内部に向け拡散するように伝えられボール の赤道部分において径を拡大するが該部を過ぎると底部に向けその力は収斂する ように働く。上記の体圧支持ボール２の赤道部分の拡大によって隣接する体圧支 持ボール２との間の空間は、減少され、該部に位置していた湿気を含んだ空気は 、芯材外に押し出され、寝返りなどにより体圧支持ボール２に体圧が加わらなく なった際に体圧支持ボール２の弾発力により、該ボールが球形に戻ったとき芯体 外部から新しい空気を吸入することになる。

【００１７】 また前記体圧支持ボール２は、支持基板にボール位置決め板３によりボール底 部を把持された状態で支持されているためにボールの脱落がなくボール自体の突 出量を大きくすることが出来、突出量が大きいため体への指圧効果を高くするこ とが出来る。

【００１８】

【考案の効果】

本考案マツトレス芯材は、体圧支持ボールを適宜間隔で並列し位置決めするた め、前記ボール直径の１／２〜１／３の直径の複数のボール支持孔を有し、ボー ルの直径に対し１／２０〜１／３の厚味を有する軟質発泡体よりなるボール位置 決め板を、軟質発泡体よりなる支持基板上に一体に積層し、前記ボール支持孔内 に体圧支持ボールを挿入し、体圧支持ボールをボール位置決め板より上方に突出 した状態で支持基板上に保持したため、体圧支持ボールの突出量を高くし体への 指圧効果を高めることが出来るばかりでなく、突出量が高いにも拘らず体圧支持 ボールの脱落を防止している。

【００１９】 また、使用時にポンピング作用を発揮し、逃湿性を発揮する。 また、体圧支持ボールの硬さをその配置位置により任意に選択することが出来 身体各部に対応した好ましい弾力性と感触性を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案マットレス用芯材を示すもので、
Ａは平面図、Ｂは一部切除した状態の正面図である。

【符号の説明】

１ マットレス用芯材 ２ 体圧支持ボール ３ ボール位置決め板 ４ 支持基板 ５ ボール支持孔 ６ スリット又は小孔 ７ 枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 体圧支持ボールを適宜間隔で並列し位置
   決めするため、前記ボール直径の１／２〜１／３の直径
   の複数のボール支持孔を有し、ボールの直径に対し１／
   ２０〜１／３の厚味を有する軟質発泡体よりなるボール
   位置決め板を、軟質発泡体よりなる支持基板上に一体に
   積層し、前記ボール支持孔内に体圧支持ボールを挿入
   し、体圧支持ボールをボール位置決め板より上方に突出
   した状態で支持基板上に保持してなるマットレス用芯
   材。