JP3064468B2 - 成分分析装置 - Google Patents

成分分析装置

Info

Publication number
JP3064468B2
JP3064468B2 JP3086375A JP8637591A JP3064468B2 JP 3064468 B2 JP3064468 B2 JP 3064468B2 JP 3086375 A JP3086375 A JP 3086375A JP 8637591 A JP8637591 A JP 8637591A JP 3064468 B2 JP3064468 B2 JP 3064468B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
liquid
component
electrode
fet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3086375A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04318451A (ja
Inventor
忠司 酒井
功 雨宮
均 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3086375A priority Critical patent/JP3064468B2/ja
Publication of JPH04318451A publication Critical patent/JPH04318451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3064468B2 publication Critical patent/JP3064468B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は水溶液中の成分分析装置
に係り、特に血液中などの電解質濃度を自動的に分析・
測定可能な成分分析装置に関する。
【0003】
【従来の技術】たとえば血液中のNa、K、Clなどの
電解質の濃度測定ないし分析は、各種疾病の判定のため
に広く行われており、多くの自動測定装置が提案、作
製、市販されている。このように利用される水溶液中の
成分濃度測方式は、単一の吸液ラインの途中に(輸液ラ
イン内に)、所要のセンサを内蔵したセルを多段的に配
設けるとともに、吸液ラインの下流側に前記成分センサ
の動作用比較電極を共通電極として配置した構成の装置
を用い、次のように行われている。すなわち、吸液ライ
ンに校正液を流し、前記成分センサを内蔵したセル内の
洗浄・校正を行った後に、たとえば血清を直接もしくは
緩衝液で希釈して導入し、各成分センサと比較電極との
電位差で血清中の電解質濃度を測定している。なお、こ
こで比較電極としては、たとえばAg/AgCl系本体
をKCl(内部液)に浸漬したタイプのものが用いら
れ、前記内部液が吸液ラインを通過する被検液と毛細管
現象的に接して電気的な導通を保持するように成ってい
る。
【0004】この単一の吸液ラインの所定領域に成分セ
ンサを配置する方式は、自動化が容易であるという利点
がある一方、被検液や吸液ラインを通じて周辺部分(装
置内環境)と成分センサとが導通し易いため、外雑音を
拾い易く出力が安定しにくいという問題があった。この
問題を回避するため、高入力インピーダンスのアンプや
校正液ないし被検液用のアースなど費用や手間を要する
雑音対策が必要であった。
【0005】また、従来のフロー型測定系でも、センサ
セルそのものを吸引液ノズルの近くに配置することは可
能であるが、センサ出力の温度特性を抑えるために恒温
ジャケットなどを設ける必要があり、全体の大型ないし
周囲の障害物などを避けるために、ノズル部分を余り短
くすることはできず、内容積の低減には限界があった。
しかも、成分センサ部分を一定温度に制御するのが困難
なため、温度変化による出力変動を生じ易いなどの問題
もあった。さらに前記成分センサの動作に不可欠な比較
電極の内部液と被検液との間の電位差によって出力が影
響を受けるため、これらの液間の電位差を小さくする必
要があり、比較電極の内部液や、この内部液と被検液と
の液絡部を工夫した複雑な構造の比較電極を設ける必要
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を改善す
るために、前記センサを内蔵するセル内に成分濃度変化
に不感応なセンサを別途参照用センサとして内蔵させ、
本来の成分センサとともに共通の疑似比較電極に対して
動作させ、その出力の差分を取って疑似比較電極の界面
電位差をキャンセルしようとする提案がなされている。
【0007】しかしながら、前記のような被検液の組成
変化(濃度変化)に対し不感応で、電位変化を起こさな
い参照用センサは、何等具体化されるに至っていない。
つまり、未だに、前記問題を解消(改善)した方式の実
用可能な分析装置は実現していない。換言すると、血液
などの溶液中の成分を自動測定するのに適した輸液ライ
ン系、これらの輸液ライン用の成分センサ系を備えた成
分分析装置は、外乱雑音や温度変化に弱いという問題、
比較電極が複雑になり一体化が困難な問題、さらに被検
液の微小化微量化が困難であるという問題を依然として
抱えたままの状態にあるといえる。
【0008】本発明は以上の点を考慮し、輸液ラインに
成分センサが設けられ、自動化も容易な溶液の成分分析
装置において、外乱雑音や温度変化の影響を受け難く、
比較電極との液間電位差も問題とならず、微小化・微量
化が容易な成分分析装置の提供を目的とする。
【0009】[発明の構成]
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明に係る成分分析
装置は、被検液を吸引する単一のノズルと、前記ノズル
から分岐して設けられた少なくとも2つの輸液ライン内
に並列して設けられた同種の成分に感応する溶液成分セ
ンサと、前記各溶液成分センサに共通の比較電極と、前
記各輸液ライン内の液を独立に吸引可能な吸引手段とを
具備して成ることを特徴とする。
【0011】上記構成においては、比較電極として液絡
部のない単なる電極などから成る疑似比較電極を用いる
ことも可能ある。また、成分センサとしてたとえばFE
T型素子を用いてもよく、この場合は外乱雑音に対する
安定性の向上、成分センサなどの微小・マルチ化、被検
液の導入・分岐・センシング各部の一体化などを容易に
図り得るので、被検液系の微量化に有効である。さら
に、前記FET型素子を表裏分離構造とすると、フロー
スルー型のセル構造を容易に構成することが可能になる
とともに、被検液の一層の微量化が可能になる。
【0012】
【作用】本発明に係る成分分析装置よれば、分岐された
各輸液ラインにそれぞれ同等の条件で配置された成分セ
ンサ間の電位差の出力が容易で、しかも外乱による同相
の雑音が著しく低減される。また、それぞれの成分セン
サや比較電極の温度による出力変動も軽減されるととも
に、比較電極部における液間電位差をキャンセルし得る
し、さらに液絡部のない単なる電極を比較電極とした場
合は液絡部からの流出液による汚染がなくなる他、構造
の簡略化・小型化が容易になり、分析系全体を微小容量
化することができる。
【0013】
【実施例】以下図1を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0014】図1は本発明に係る成分分析装置の構成例
の要部を斜視的に示したもので、1はたとえば希釈血清
などの被検液を吸引するノズル、2a,2b は前記吸引ノズ
ル1から分岐して設けられた輸液ラインである。そし
て、これらの輸液ライン2a,2bには輸液ライン内に溶液
成分センサ、たとえば被検液中のNa、K、Clの濃度
を検知対象とする場合には、それぞれの分岐された輸液
ライン2a,2b 内に内接させて温度センサ3a,3b 、Na+
センサ4a,4b 、K+ センサ5a,5b 、Cl+ センサ6a,6b
が並列に設けられている(配設されている)。また、前
記それぞれの輸液ライン2a,2b を独立に吸液可能とする
ため、各輸液ライン2a,2b に連接する吸液管7a,7b に
は、たとえば開閉可能なバルブ8a,8b が設けられてお
り、図示しないポンプによって独立に吸液される構成を
成している。なお、図1において9はセルボデイ、10は
分岐部、11は共通の比較電極(液絡部のない単なる電
極)である。 次に、前記構成の成分分析装置の使用手
段について説明する。先ず、前記各成分センサ3a,3b,4
a,4b,5a,5b,6a,6b の出力を、全ての輸液ライン2a,2b
内を校正液で満たした状態で校正し、同種の検知対象の
センサ同士、つまり3aと3b、4aと4b、5aと5b、6aと6bの
出力のオフセットや感度差を調整する。
【0015】次いで、吸引ノズル1の吸引口を被検液に
浸漬し、任意の1つの輸液ライン2aもしくは2bから吸液
することによって、被検液を選択的にその輸液ライン2a
もしくは2b側にのみ導き、この状態で測定を行い被検液
に接している成分センサの出力と校正液に接している輸
液ラインの同種成分センサの出力を比較し、差分出力を
得る。このようにすることによって、しばしば生じる輸
液ラインを伝って発生する同相の外乱雑音や温度変化を
容易にキャンセルされ、安定な出力を得ることができ
る。
【0016】また、成分センサとして電解効果型(FE
T型)素子を用いることによって、成分センサ部と輸液
ラインを容易に微小な内容積で一体化することができ、
さらにノズル1部への合流部(分岐部)10の共通比較電
極11、場合によってはノズル1自体も一体に集積化する
ことによって、必要な被検液量を著しく減少させること
ができる。そして、前記FET型素子として、特開昭62
-123348 号公報に開示された入出力電極と感応ゲート部
分が素子の表裏に分離形成された構造の素子を用いても
よい。
【0017】上記表裏分離型構造のFET型センサ素子
は、たとえば図2に平面的に、また図3に断面的に示す
ような構造を成しており、以下の手順により製造し得
る。図4〜図7はこの製造工程における実施態様を模式
的に示す断面図であり、先ず、p- 型(100) 方位のシリ
コンウェーハ12,13を用意し、これらに熱酸化処理を施
して、表面に500nm 厚のシリコン酸化膜を形成する。こ
のシリコンウェーハ12,13 を常法により、酸洗浄して表
面に親水基を導入した後に、ミラー面同士を接触させ、
これらのシリコンウェーハ12,13 を窒素雰囲気中で1100
℃で2時間熱処理することによって、強固に直接接着さ
せた。次に、前記接着させたシリコンウェーハ12,13 を
機械研磨によって、図4に示すように、FETを形成す
る第1の面側13を約20μm 厚、ゲートウェルを形成する
第2の面側12を200 μm 厚に調整した。このようにして
シリコン12ー絶縁膜14−シリコン13…(SIS)…ウェ
ーハを得た。
【0018】しかる後、前記シリコン12ー絶縁膜14−シ
リコン13系のウェーハに、再び熱酸化処理を施して表面
酸化膜を形成し、この表面酸化膜をマスクにして、図5
に示すようにFETを形成するシリコンアイランド13a
をパターニングした。この際、正確なパターニングを行
うために、先ずヒドラジン−水系、もしくはエチレンジ
アミン−ピロカテコール−水系などの異方性エッチング
液を用いてエッチングを行い、次いで、フッ酸−硝酸系
の等方性エッチング液で、シリコンアイランド13a の角
をなましその後のPEP(プラズマエッチングプロセ
ス)の際に、レジストの段切れが生じないように配慮す
る。
【0019】次いで、図6に示すようにFETを形成す
る前記シリコンアイランド13a に、その表面から接着界
面絶縁膜14に至るまで、リンを選択拡散しソース領域15
およびドレイン領域16を形成した。この際、ソース領域
15・ドレイン領域16のパターンを、同心円状あるいは同
心四角状にすることによって、後に開孔・形成するゲー
トウェルの底部の限られた面積の中で最大のゲートチャ
ネル幅を得ることができる。また同時に、FETを形成
するシリコンアイランド13a の外周部すべてを、ソース
あるいはドレインの単一領域とすることができ、万一F
ETを形成するシリコンアイランド13a の周辺エッジ部
で、レジストの段切れによるパターン不良があっても、
FET特性に影響が及び難いという利点がある。
【0020】上記により、接着界面絶縁膜14までソース
領域15・ドレイン領域16を形成した後に、FETを形成
するシリコンアイランド13a 表面側に、チャネルが形成
されないように、ソース領域15・ドレイン領域16を跨い
でボロン拡散を行い、チャネルストッパ領域17を形成す
る。次に、図7に示すように、FETを形成するシリコ
ンアイランド13a のチャネル領域15,16 が露出しないよ
うに、第2のシリコンウエーハ12面側から接着界面絶縁
膜14まで選択的な異方性エッチングを行い、逆台形のゲ
ートウェル18を形成する。こうして形成するゲートウェ
ル18のエッチングは、界面のシリコン酸化膜14がストッ
パとして働くため、再現性よく行うことができる。ま
た、このエッチングの際に、FETを形成するシリコン
アイランド13a 、つまりソース領域15・ドレイン領域16
形成面の全面を、たとえば窒化シリコン膜で19で被覆す
るか、あるいはシリコーン樹脂などを塗布・被覆してお
く。しかし、シリコーン樹脂などを塗布・被覆する場合
には、異方性エッチング液がヒドラジン系に限られる。
尚、図7において20はエッチングマスクである。
【0021】以上のようにして、所定のゲートウェル18
を形成した後、露出した接着界面のシリコン酸化膜14を
一旦剥離し、改めてゲート酸化21、パッシベーション膜
22のCVDを行って、ゲート絶縁膜を形成する。本実施
例では、パッシベーション膜22として減圧高温CVDに
よる窒化シリコン膜を形成した。勿論、パッシベーショ
ン膜22は前記窒化シリコン膜以外に、耐水性の良好なも
のであればよく、たとえば酸化アルミニウム、酸化タン
タルなどを窒化シリコンの代りに用いることも可能で、
また窒化シリコン膜の上に酸化アルミニウムなどを積層
して用いてもよい。一方、FETを形成するシリコンア
イランド表面にも、好ましくはパッシベーション膜23を
形成し、ソース・ドレイン電極のコンタクトホールを開
孔し、ソース電極24およびドレイン電極25を形成するこ
とによって、前記図2および図3に示す表裏分離構造の
FET型素子本体が得られる。つまり、ゲートウエル18
の領域に所要のイオン感応膜26を形成すれば、前記図2
および図3に示す表裏分離構造のFET型センサとなる
本体部が得られる。ここで、ドレイン電極25をFET表
面のpn接合部を覆うように形成しておくことによっ
て、pn接合に起因する光による出力変動を最小限にす
ることができる。本実施例において作製した素子は、相
互コンダクタンス1.5 mS、ゲートリーク電流10-10 A以
下、通常の室内での光による出力変動1mV以下であっ
た。
【0022】前記構成の素子に類似する構成例として、
図8に断面的に示したように、ゲートウェル18の縁に、
形成ないし配置したイオン感応膜26の剥離を防止するた
めのストッパ構造を設けてもよい。この構成例では表裏
分離構造のFET型センサのボディシリコン12の表面
に、高濃度のボロン拡散層をストッパ27の庇形状に形成
してから、ゲートウェル18の異方性エッチング速度がボ
ロン濃度に依存する性質を利用して、高濃度層をストッ
パ27として庇状に残した。なお、この場合のエッチング
液としては、ヒドラジンは不適当で、エチレンジアミン
+ピロカテコール+水系が適している。また、ボロン高
濃度層の濃度は1×1020cm-3以上必要であった。また
前記ストッパ27としての庇は、前記ゲート酸化、ゲート
パッシベーション膜CVDの際、同時に表面を絶縁膜で
覆って長期的耐久性を向上させておく事が好ましい。
【0023】このようにして作製される表裏分離構造の
FET型素子本体は、検出対象の項目数に応じて複数素
子をワンチップとしてダイシングする。この実施例で
は、ナトリウム、カリウム、塩素の3イオンに加えて、
温度を検出するために1素子を当て、1系統4FET×
2系統で図9に斜視的に示すように、4×2個をワンチ
ップ28としてダイシングした。また、このダイシングし
たワンチップ28に形成されている各FET素子のゲート
ウェル18内に、各々対応する位置に同じ検出対象のイオ
ン感応膜26をポッティング形成した。この場合、各FE
T素子はシリコン製のゲートウェル18で区切られている
ため、異なる種類のイオン感応物質および量を制御して
ポッティングするだけで、容易に再現性よく成膜するこ
とが可能である。この実施例では、ワンチップ28の左、
吸引ノズル1側から、温度検知用3a,3b として、感応物
質を入れないPVCと可塑剤のみの膜、次に、ナトリウ
ム用4a,4bとして、ビスクラウンエーテルを溶解させた
PVC+可塑剤系の膜、次に、カリウム用5a,5b とし
て、バリノマイシンを溶解させたPVC+可塑剤系膜、
もっとも右側は塩素用6a,6b として、第4級アンモニウ
ム塩を同様に溶解した膜を形成した。
【0024】一方、図10に要部構成を展開して斜視的に
示すように、ノズル1を介して供給される被検液を分岐
し、センサに導く輸液ライン2a,2bを成す溝を形成・具
備したパイレックスガラス29と、前記被検液が分岐する
分岐部10に対応する位置よりも手前に、共通比較電極11
を成す白金などの電極金属を埋設したパイレックスガラ
ス製のセル部品30とを用意し、これらを互いに接着して
セルを形成する。この接着には静電接着法を用いてもよ
い。しかし、通常の方法では400 ℃程度まで温度をあげ
る必要があるため、あらかじめ、被接着面に透明電極の
ITOを形成した後に、高鉛の低融点ガラスをスパッタ
法などで形成し、前記有機イオン感応膜が影響を受けず
にすむように、常温〜50℃程度の温度で電圧をかけて接
着を行うのがよい。この際に、ワンチップ28側の電極と
して、前記図3に図示した構造例における静電接続用電
極31を用いる。
【0025】このようにして作製したセルに、吸引ノズ
ル1および吸液管7a,7b を装着・接続する一方、前記セ
ルの各センサ3a,3b,4a,4b,5a,5b,6a,6b および比較電極
11のの各端子電極を、フレキシブルプリント配線板32の
対応するリード端子に接続して外部へ導く構成とした
後、全体を図示しない樹脂でモールドした。このセンサ
セルは全体を極めて小さく作製することができととも
に、ノズル外形を小さくできる。
【0026】図11は本発明に係る他のセルの構成例を断
面的に示したもので、この例では前記所要の各センサが
一体的に形成されたワンチップ28を、回路基板枠33に粘
着テープで仮固定し、ボンディングワイヤー34によって
ワンチップ28と回路基板枠33に配置されているリードパ
ターンのボンディング部35とを接続し、回路基板枠33内
を樹脂モールド36した。この後、仮固定していた粘着テ
ープをはがし、所要のイオン感応膜26をゲートウェル18
内にそれぞれ形成する。上記回路基板枠33に装着したワ
ンチップ28を、所要の輸液ライン2a,2b パターンをくり
ぬき形成したシリコーンゴムなどのシート37を介して、
セルボディ38a,38b で上下から挟持して、図示しないボ
ルトで全体を固定する。このような構造にすると、セン
サセルの基板部分だけをセンサセルのボディか38a,38b
らはずし、交換することが可能になる。流路パターンの
形成には、ゴムシートの代わりにセルボディ38a 上にフ
ィルムレジストを貼り写真工程で凹状の流路溝を形成し
てもよい。また、このセルボディ38a,38b の内部に温度
調節を可能にするため、別の流路39を埋設し、内部に恒
温化した流体を還流させることもできる。
【0027】このようにして作製したセンサセル40を用
いて、図12にその要部構成の概要を示す成分分析装置を
構成し、この構成系で溶液中の成分測定を行った。先
ず、測定に先立って、測定する希釈血清の濃度範囲の最
も低い濃度の校正液Lと最も高い濃度の校正液Hを用い
て、全てのセンサの感度を校正する。次に、測定濃度範
囲の中点付近の既知の濃度の校正液M兼洗浄液41を、セ
ンサセル内の全てのライン2a,2b に満たし、オフセット
合わせを行う。具体的には各輸液ライン2a 2b に連接し
て配置された吸引管7a,7b に付設されているバルブ8a,8
b を、いずれも開いて図示しないポンプで両方のライン
2a-7a 系、2b-7b 系に、前記の校正液Mを導入し、共通
比較電極11に対する各成分センサ4a,4b 、5a,5b 、6a,6
b の出力差がゼロになるように出力回路を調整する。こ
のとき、同時に温度センサ3a,3b として動作させるIS
FETのpn接合電圧の違いも校正する。
【0028】次に、任意の片側の輸液ラインたとえば、
2a側にのみ被検液42を導くために、吸引ノズル1を被検
液42側に移した後に、パルブ8bのみを閉じた状態でポン
プを動作させ吸液する。このようにして輸液ライン2aに
被検液、輸液ライン2bに校正液Mを満たし、温度センサ
3a,3b の出力を比較して、両者が同温度になったことを
確認した後に、各成分センサ4a,4b 、5a,5b 、6a,6b の
出力差を測定し、成分濃度を求めた。この測定が完了し
た後、再びノズル1を校正液M41側にし、パルブ8a,8b
を開いて全てのライン2a-7a 系、2b-7b 系にに再び校正
液M41を満たし、校正を行う。そして次ぎは、先ほどと
逆の輸液ライン2bに被検液42を選択的に導き、以下同じ
要領で交互に輸液ライン2a,2b を交換して測定を行う。
【0029】前記の交互測定によって、従来のこの種の
センサの寿命を決定していた感応膜の寿命を大きく延ば
すことが可能となり、装置メンテナンス上厄介なセンサ
交換の頻度を下げることができる。これは通常の測定セ
ルに比べ個々のセンサが直接血清等を含む被検液に触れ
る頻度が半分になるため、全体として寿命が延びるとい
うことに加え、個々のセンサが従来の測定シーケエンス
では、ほぼ被検液と校正・洗浄液に同じ程度の時間づつ
触れていたのに対し、本発明の場合では被検液に比べ校
正・洗浄液に十分長い時間触れさせることができるた
め、膜の汚染などが十分に洗浄、回復できるためと考え
られる。このセンサの表面洗浄が十分に行われ、相互の
変化の傾向が一致する効果と、比較電極の電極電位変化
が問題にならない効果が相俟って、本発明のセンサセル
は従来の2倍以上の寿命を示した。この効果は無希釈血
清をそのまま吸引して測定を行う直接法に適用した場合
にも同様であった。
【0030】なお、上記では輸液ラインを2系列とした
場合を例示したが、輸液ラインを3系列以上に配置して
もよく、また各成分センサなども検査目的に応じてさら
に多数個設置してもよいし、これらのセンサも前記表裏
分離型のFET素子に限定されない。さらに、共通比較
電極も上記例示の金属電極に限定されず、吸液管側にそ
れぞれ配置してもよいし、また参照用と測定用のセンサ
を互いに同等に配置して、交互に役割を交換させながら
用いることによって、長期の使用で問題になる感応膜の
劣化や、汚れによる出力変化も相互にほぼ同様に発生
し、相互に作動出力をとった場合のドリフトは単独動作
させた場合に比べて極めて低く抑えることができる。さ
らにまた、前記セルセンサは、例えば図13に上面図と
して示すように、吸引ノズル1が一体化した構成として
もよい。
【0031】また、ノズル分岐部からセンサまでの輸液
ライン途中にバルブを設けてもよく、この場合には分岐
部での被検液の混じり合いが低減される一方、通常のバ
ルブでは被検液量の増加を招く。これを回避するため
に、マイクロマシニング技術によりバルブをセンサと一
体形成しておけばよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の成分分析
装置を用いることによって、次のような効果が得られ
る。先ず、外乱雑音に対するセンサ出力の安定性が大き
く改善される。この雑音に対する信頼性は、特に医療用
の成分分析装置のように、正常濃度範囲が狭く、高い分
解能が要求される場合に強く要求されている。このた
め、従来装置では高入力インピーダンスのアンプを用い
たり、トライアンドエラーで微妙なアース点を探した
り、かなりの手間と費用が必要であった。しかるに、本
発明の場合は、前記実施例で示したようなFET方素子
を用いた場合は勿論、従来の電極型センサを用いても、
無理なく差動動作が可能になり、雑音の大部分を占める
外乱による同位相のノイズを効果的にキャンセルするこ
とができる。すなわち、従来差動動作させるために被検
液に対して不感応で出力の変化しない参照用センサが必
要であり、この被検液に対して不感応で出力の変化しな
い参照用センサが極めて実現困難であったのに対し、本
発明の場合は、本来のセンサ自体を参照用として用いる
ことができ、作製上の困難さも全面的に解消する。
【0033】また、本発明においては、単一のノズルか
ら各輸液ラインを分岐させる構成を採用したので、装置
の微小化をはかることができ、これによって必要な被検
液量の微量化を実現することができる。ちなみに、表裏
分離型のマルチFETセンサチップを用いた場合には
必要被検液量を10μl以下にすることが可能である。
これにともなって、出力応答を5秒以下と極めて高速に
することができる。その理由は、被検液量が小さくでき
ために、両方の輸液ライン内の液交換が速くなったこと
に加え、両ラインの温度がすばやく一致することによる
と考えられる。さらに、本発明ではセンサ素子の温度特
性を差動動作により低減できるため、恒温化の精度を下
げ、場合によっては調節なしでも用いることが可能であ
る。もちろん、この場合でも温度による電気化学的なネ
ルンスト起電力変化までは補正できないのでこれは必要
に応じて温度センサ出力から補正する必要がある。ま
た、交互測定シーケンスによりセンサの洗浄が充分に行
い得るので、それぞれのセンサの経時変化を均等化でき
るため、トータルの寿命を大幅に延ばすことも可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成分分析装置の要部構成例を示す
斜視図。
【図2】本発明に係る成分分析装置が成分センサとして
具備する裏表分離FET型素子の上面図。
【図3】図2に図示した裏表分離FET型素子のA−A
´に沿った断面図。
【図4】本発明に係る成分分析装置が成分センサとして
具備する裏表分離FET型素子の製造工程においてSi
ウエハーを張り合わせた状態を示す断面図。
【図5】図4に図示した張り合わせSiウエハーをパタ
ーンニングした状態を示す断面図。
【図6】図5に図示したパターンニングしたSiウエハ
ーにソース・ドレイン領域およびチャンネルストッパ拡
散領域を形成した状態を示す断面図。
【図7】図6に図示したSiウエハーにゲートウエル部
を形成した状態を示す断面図。
【図8】本発明に係る成分分析装置が成分センサとして
具備する裏表分離FET型素子の他の構造例を示す断面
図。
【図9】本発明に係る成分分析装置用のマルチセンサチ
ップの構造例を示す斜視図。
【図10】本発明に係る成分分析装置が具備するセンサ
セルの構造例を示す展開図。
【図11】本発明に係る成分分析装置が具備するセンサ
セルの他の構造例を示す断面図。
【図12】本発明に係る成分分析装置における測定系を
概念的に示す側面図。
【図13】本発明に係る成分分析装置が具備するセンサ
セルのさらに他の構造例を示す上面図。
【符号の説明】
1…吸引ノズル 2a…輸液ライン1 2b…輸液ライ
ン 3a,3b …温度センサ 4a,4b …Naイオンセンサ
5a,5b … Kイオンセンサ 6a,6b …Clイオンセンサ
7a,7b …吸液管 8a,8b …バルブ 9,29 …セ
ルボデイ 10…分岐部 11…共通比較電極 12…ゲートウェル
を形成するSiウエハー 13…FET を形成するSiウエハー 13a …FET シリコン
アイランド 14…界面絶縁膜 15…ソース拡散領域
16…ドレイン拡散領域 17…チャンネルストッパ
拡散領域 18…ゲートウェル 19,20 …熱酸化膜
21…感圧ゲート部 22,23 …パッシベーション膜
24…ドレン出力電極 25…ソース出力電極 26…
感応イオン膜 27…感応膜剥離ストッパ 28…マル
チセンサ30…セル部品 31…静電接続用電極 32…
フレキシブル配線板 33…配線板枠 34…ボンディ
ンクワイヤー 35…ワイヤヘボンディング接続部 36…充填樹脂 37…輸液ライン形成用シリコーンゴム
スペーサ 38a,38b……セルボディ 39…恒温用流路
40…センサセル 41…校正液 42…被検液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 27/30 371H 371Z (56)参考文献 実開 平3−40555(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/28 321 G01N 27/28 301 G01N 27/403 G01N 27/414 G01N 33/483

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検液を吸引する単一のノズルと、前記
    ノズルから分岐して設けられた少なくとも2つの輸液ラ
    イン内に並列して設けられた同種の成分に感応する溶液
    成分センサと、前記各溶液成分センサに共通の比較電極
    と、前記各輸液ライン内の液を独立に吸引可能な吸引手
    段とを具備して成ることを特徴とする成分分析装置。
JP3086375A 1991-04-18 1991-04-18 成分分析装置 Expired - Fee Related JP3064468B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3086375A JP3064468B2 (ja) 1991-04-18 1991-04-18 成分分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3086375A JP3064468B2 (ja) 1991-04-18 1991-04-18 成分分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04318451A JPH04318451A (ja) 1992-11-10
JP3064468B2 true JP3064468B2 (ja) 2000-07-12

Family

ID=13885136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3086375A Expired - Fee Related JP3064468B2 (ja) 1991-04-18 1991-04-18 成分分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3064468B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001194334A (ja) * 1999-10-28 2001-07-19 Nec Corp 生化学センサカートリッジ及びそれを備えた生化学センサ
DE10111458B4 (de) * 2001-03-09 2008-09-11 Siemens Ag Analyseeinrichtung
JP5380020B2 (ja) * 2008-09-05 2014-01-08 株式会社東芝 自動分析方法及び自動分析装置
JP5393608B2 (ja) * 2010-07-20 2014-01-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置
JP5472013B2 (ja) * 2010-09-30 2014-04-16 大日本印刷株式会社 トランジスタ型センサ
US10710068B2 (en) * 2017-09-20 2020-07-14 e-SENSE, Inc. Microfluidic chip with chemical sensor having back-side contacts

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04318451A (ja) 1992-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4502938A (en) Encapsulated chemoresponsive microelectronic device arrays
JP3001104B2 (ja) センサー構造体及びその製造法
Sibbald et al. A miniature flow-through cell with a four-function chemfet integrated circuit for simultaneous measurements of potassium, hydrogen, calcium and sodium ions
US4508613A (en) Miniaturized potassium ion sensor
JP3152727B2 (ja) ノズル型分析装置
US4743954A (en) Integrated circuit for a chemical-selective sensor with voltage output
US4764797A (en) Chemical-sensitive semiconductor device
US4354308A (en) Method for manufacture of a selective chemical sensitive FET transducer
KR840002283B1 (ko) 실리콘 압력 변환기
JP4480170B2 (ja) 血液分析装置及び血液分析方法
TWI422818B (zh) 氫離子感測場效電晶體及其製造方法
US5625209A (en) Silicon based sensor apparatus
JPS5819984B2 (ja) 化学的感応性電界効果トランジスタ装置
Tsukada et al. An integrated chemical sensor with multiple ion and gas sensors
JPH01250849A (ja) 化学センサ
Tsukada et al. Long-life multiple-ISFETs with polymeric gates
US7435610B2 (en) Fabrication of array pH sensitive EGFET and its readout circuit
US5352352A (en) Carbonic acid gas sensor
JP3064468B2 (ja) 成分分析装置
EP0328108A2 (en) Electrochemical sensor facilitating repeated measurement
Covington et al. Recent advances in microelectronic ion-sensitive devices (ISFETs). The operational transducer
Covington et al. Ion-selective field-effect transitors (ISFETs)
JPH0469338B2 (ja)
KR20150073782A (ko) 요당 감지 기판
JPS59178353A (ja) 流通型半導体化学センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000418

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees