JP3064417B2 - 放出制御性製剤及び方法 - Google Patents

放出制御性製剤及び方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は放出制御性・徐放性投薬形態及び就中、化粧
品、栄養剤、家事用剤、農薬及び工業化学薬品等の活性
組成物の放出制御・徐放送達を達成するのに好適な重合
物マトリックス又は複合体に関する。
発明の背景 重合物担体を用いた医薬組成物の送達は周知の技術で
ある。ロビンソン(Robinson)に許与された米国特許N
o.4,615,697はこの主題について優れた検討を行ってい
る。特に口腔投与用の生体粘着性(bioadhesive)組成
物に関するものである。ロビンソン特許に開示されてい
る口腔送達システムは、公知の生体粘着剤を利用し、口
腔内に重合物系を挿入後、そこに保持するようにしたも
のである。薬物は生体粘着性マトリックスから放出さ
れ、口腔内膜へと吸収される。ロビンソン特許に開示の
組成物は、溶解度の制限や極性の関係で、あるいはpHに
より劣化したり、酵素作用を受けたり、又は経口摂取後
の肝臓や消化器官の酵素による初回通過(first pass)
代謝に起因して、生物学的利用率(bioavailability)
が低い治療薬の経粘膜送達手段を提供している。しかし
ながら、このような送達システムは、汎用されているに
もかかわらず、実際の適用に際しては欠点がいくつかあ
る。米国特許No.4,900,552は、口腔自身の中で長期間に
亘り活性成分を放出するための組成物を提供している。
同特許の組成物は、口腔内壁に付着したまま口腔内で活
性成分を送達することのできる三層ラミネートフィルム
片を含んでなる。該三層ラミネートフィルム片は水和可
能で生体粘着性の基質層、非粘着性貯層(reservoir)
及び該基質層と貯層の間に挟まれ、かつ両層に結合して
いる水不透過性バリアーとを含むものである。かかる組
成物はその性質上、目的とする組成物を得るには、煩雑
な製剤技術を必要とする複雑な構造となる。
アルギン酸はその塩も含め、活性組成物投与用生体粘
着性組成物を得るために各種の形態で種々組み合わせて
用いられている。その一例として、架橋アルギネートガ
ムゲルの利用がエテ(Etes)らに付与された米国特許N
o.3,640,741に記載されており、これらは生体粘着剤と
して用いられるのに適している記載される。
生体粘着剤による方法に代わる方法として、ドロップ
(lozenge)、キャンディー、棒つき飴、チューインガ
ム等が活性組成物の送達用に繁用されている。代表的な
例として、慣用の複合炭水化物、でんぷん、天然及び合
成ポリマー等のような遅溶性あるいは崩壊の遅い物質に
活性薬剤を担持させたものが挙げられる。溶媒和や崩壊
による送達システムのタイプでは、マトリックスが唾液
と接触後、溶解又は崩壊するに伴い活性薬組成物が放出
される。
チューインガムの送達システムとしては、口内では溶
解も崩壊もしないポリブタジエンで代表されるようなゴ
ム様重合物が用いられる。噛んだり咀嚼する結果とし
て、活性組成物が重合物マトリックスを通って製品の表
面まで拡散、移行し、最終的に活性組成物が唾液と混合
されることにより活性組成物が放出される。
上述の送達システムのいずれのタイプも、活性組成物
の放出速度が咀嚼作用の個体差に大きく影響されるとい
う短所がある。さらに、糖の存在や咀嚼作用が唾液の分
泌を刺激するために有効に放出される時間が限られる。
加えて製剤中に糖が多く存在すると細菌の成長を促し、
歯疾患・歯周疾患を引き起こす。
先行技術の送達方法には上記した短所があるため、先
行技術システムのかかる欠点を克服した活性組成物の口
内、口腔及び歯肉送達に適した送達システムへの要求が
かねてよりある。
また、非経口投与に適した放出制御性送達システムの
開発への関心も高い。生物分解性移植片、リポソーム、
注射可能なマイクロスフェア、注射可能なマイクロスポ
ンジ、「セルフデポ(self depot)」(自己蓄積)注射
といった多岐にわたる高度な方法が文献に報告されてい
る。いずれのタイプの放出制御性送達システムにおいて
も多くの制限がある。容易に製造できかつ非経口投与で
きる、現在の利用可能な投与システムを用いた送達シス
テムが求められている。本発明によれば、注射時には流
体であるが、体内でヒドロゲルマトリックスを形成し数
日から何ケ月もの期間にわたって活性成分の放出が制御
される送達システムの設計が可能である。
やけどの治療や創傷の治療投薬の場合は、活性薬剤の
局所投与用の特別な送達システムが必要となる。このよ
うな条件下では、患部局所は非常に損傷しやすいのでさ
らに外傷が加わるのは極力抑えなければならない。活性
薬剤を制御しながら局所に送達するために液剤、スプレ
ー、ゲル、薬物含有包帯及び液状スキンが文献に報告さ
れているが、それぞれ欠陥がある。さらに、例えば乾
癬、皮膚炎、眼感染症等に例示されるような皮膚科、眼
科領域では、又別の要件が加わり、特定部位に又は体の
広い範囲へ局所薬効作用が及ぶ制御送達システムが必要
となる。
もう一つの関心がもたれている適用領域としては、特
定部位や標的器官への化学療法剤や放射線医療剤の送達
があげられる。このような適用において効果的に治療を
行なうためには、例えば腫瘍細胞や機能亢進腺等のよう
な特定部位に活性薬剤を高濃度で送達することが要求さ
れる。磁気的フォーカシングのような外部装置によって
処理する「デポ」デリバリー(“Depot"delivary)又は
「デリバリー・デポ」(“delivery depot")により標
的器官内に薬物を含有させることが報告されているが、
複雑に公知技術を組み合わせて駆使するためいきおいさ
らに望ましくない複合化をひきおこし、別な条件が加わ
ってくる。
日焼け止めのような化粧品を放出制御性や徐放性に
し、改善された特性や有用性を化粧品に付与することも
求められている。
同様に、除草剤、肥料といった農薬や、漂白剤、家屋
洗剤といった家庭用剤の放出制御や徐放に対する欲求も
存在しており、いずれもが目指すところはこれらの剤に
改良された特性や有用性を付与することである。
本発明が解決しようとするもう一つの課題は、「口内
乾燥」として知られる生理学的状態、すなわち不快感や
睡眠障害の原因となる状態(口内乾燥症と称されること
もある)の処置用組成物及び処置方法を提供することで
ある。現在のところ、綿球、スポンジ等が口内乾燥の不
快感を緩和すべく用いられているものの、この方法では
綿やスポンジが睡眠中に誤って飲み込まれてしまう可能
性があり好ましくない。
発明の要旨 本発明は一つには、所望により水および/または他の
共存溶媒の存在下にてカルシウムポリカーボフィル(ca
lcium polycarbophil)タイプ組成物を活性薬剤と共に
用いて形成される重合物送達システムを提供する。得ら
れる製品は、特に医薬等の活性組成物の担体又は被覆剤
として、また医薬用途の賦形剤、活性体及び中間生成物
用被覆剤として基質(例えば顆粒、糖晶、錠剤等)の溶
出を遅らせるために有用であり、これにより活性組成物
の速度制御された放出を達成するための手段が提供され
る。本発明は幾つかの利点や長所をもたらすが、その一
つとして、医薬のような活性組成物を一定期間にわたっ
て口、口腔または歯肉の皮膚や粘膜に制御しながら放出
するための改良組成物および方法が挙げられる。この皮
膚適用組成物は、それらが接触する皮膚や粘膜への刺激
がほとんどなく実質的にどんな医薬や化粧品も含有させ
ることができる。
本発明はまた、治療に有効な量の活性組成物を含有す
る重合物担体を用いる放出制御性処置方法を提供するも
のであり、その方法においては、所望により水の存在下
にて、カルシウムポリカーボフィルタイプ成分と活性組
成物との相互作用によって重合物複合体担体が形成さ
れ、その後例えば皮膚又は粘膜の処置すべき部位に、治
療に有効な量の活性組成物がマトリックスから放出され
るのに十分な時間、前記活性組成物を接触させて用い
る。
本発明はさらに、投与後体内あるいは適用部位で形成
される「複合ヒドロゲル」である重合物担体と治療に有
効な量の活性組成物とを用い、数日から数カ月にわたっ
てマトリックスからの活性薬剤の放出を制御する放出制
御性処置方法を提供する。この組成物は、ポリマー相と
液相との二つの部分からなる系として提供される。これ
ら二相を再構築すると、系は最初は流動状態を保持する
ため内部に送達することができるが、いったん注射され
ると短時間のうちに高度な構造をもつヒドロゲルマトリ
ックスが形成され、マトリックス内に分散している薬物
のような活性薬剤が制御されながら送達される。
本発明はさらに、局所適用の放出制御送達システムを
提供する。この処置システムには局所的に適用して2、
3秒以内に凝固する塗布型(pourable)液剤(又は粉末
ならば水と接触させた後に適用して2、3秒以内に凝固
するもの)が含まれる。この送達システムは、一例とし
て、ポリマー相と液相とを含む二相系からなっていても
よい。活性医薬は両相のいずれか一方に存在していて
も、両相に存在していてもよい。両相を適用前に十分に
混合してもよい。本発明の製剤のあるものは、粘稠度が
高く処置部位全体にわたって塗布することができ、放出
制御性ヒドロゲル系を形成するものであってもよい。こ
のような系にすることにより、マトリックス内に分散し
ている薬物が適用した局所に拡散していく。マトリック
スのヒドロゲル本来の性質のため、保護バリヤーが局所
からマトリックス内への物質の自由な拡散を可能にし、
通気性のある保護バリヤーとして機能するのである。
本発明は別の側面として、活性薬剤と賦形剤とを含有
する組成物を用いて特殊な「移植」タイプデバイスを形
成させ、所望の部位(例えば癌化腫瘍、機能亢進腺等)
に化学療法剤や放射線医療剤を標的をしぼって投与する
方法を提供する。移植デバイスは水と接触すると重合
し、活性薬剤の放出を制御する複合マトリックス系を形
成する。この系は所望によりポリマー相と液相の二相系
からなっていてもよい。二相が混合されると系は短時間
の間は流動状態を保つので投与可能である。適用部位で
いったん内部構造が構築され、標的患部の領域内で活性
薬物を含有する複合ヒドロゲルマトリックスが形成され
る。カルシウムポリカーボフィルと他の賦形剤ならびに
活性薬剤を含む重合物送達システムは、流動性を維持す
るために非極性溶媒や共存溶媒を用いて形成させてもよ
い。いったん注射されると、細胞間および/または細胞
内の水が浸透し、ヒドロゲルマトリックス形成を活性化
し、制御性薬物送達システムが達成される。
本発明によれば、注射時は流動体であるが、体内では
重合してヒドロゲルマトリックスを形成し、その結果数
日から何ヵ月もの期間にわたって活性成分の放出を制御
することができる送達システムの設計が可能である。
上記のように、本発明は化粧品、家庭用剤、農薬、工
業化学薬品、栄養剤のような活性薬剤の放出制御性・徐
放性組成物を提供するものである。このような組成物は
通常の適用法に従い用いてよいが、活性薬剤を制御放出
・徐放する形態で有利な結果が得られる。よって、この
ような活性成分を含む本発明の組成物は、より有効寿命
が長く、また含有する活性薬剤の毒性を減らすように機
能することができる。
加えて本発明は、口内乾燥または口内乾燥症の処置用
組成物および処置方法を提供する。該組成物はウエハー
(wafer)のような口内に挿入するのに適した形態のポ
リカーボフィルを含有する。ポリカーボフィルは口内に
挿入する前に水和しておくのが好ましい。
本発明は、もう1つの側面として、ポリカーボフィル
タイプ組成物またはその塩とアルギン酸またはその塩と
を二価カチオンの存在下にて相互作用させて形成される
重合物複合体である生体粘着性組成物を提供する。本発
明の上記重合物複合体の性質により生体粘着性が発揮さ
れる。これらの重合物複合体は、ポリカーボフィル成分
とアルギン酸成分の両成分の間で複合体が形成する前
に、両成分のいずれか一方に医薬のような活性組成物を
配合しておくことにより、活性組成物を含有せしめるこ
とができる。
本発明はまた、重合物複合体担体と治療に有効な量の
活性組成物を用意し(当該重合物複合体担体は、ポリカ
ーボフィル成分とアルギン酸とを、二価カチオンと活性
組成物との存在下にて相互作用させて形成される)、上
記組成物を、治療に有効な量の活性組成物が複合体から
放出されるのに十分な時間、処置すべき皮膚や粘膜の部
位に接触させることからなる放出制御性処置方法を提供
する。
本発明の他の利点や特徴は下記する詳細な説明、実施
例および請求の範囲から当業者には明らかになろう。
好適な実施態様の詳細な説明 カルシウムポリカーボフィル−活性薬剤−(所望によ
り)水から形成される組成物 本発明は、放出制御性担体として使用できる重合物送
達システムおよびこのようなシステムの使用法に関す
る。本発明の送達システムは、カルシウムポリカーボフ
ィルタイプ組成物と活性薬剤とを所望により水の存在下
にて用いて形成される。カルシウムカチオンを、ポリカ
ーボフィルタイプ組成物の塩の形で最初から存在させる
ことが好ましい。
水が存在すると、本発明のマトリックスは、粘稠度の
点でガム/スポンジ様であり、例えば錠剤、ドロップ
(lozenge)、キャンディー、顆粒、坐剤といった形態
であってよいマトリックスから活性成分が溶出したり拡
散したりするのを遅らせる働きをする複合ヒドロゲルを
形成することにより放出制御効果を発揮する。該ヒドロ
ゲルマトリックス系は、施用時に形成されてもよく、こ
のような方法は、やけどや創傷の処置、眼の感染症や炎
症等の皮膚科や眼科の障害の処置に、また活性薬剤を非
経口的にあるいは局所的に投与するのに特に有用であ
る。
カルシウムポリカーボフィルは水および所望により共
存溶媒と接触すると、数分のうちに凝固してゴム状の
塊、あるいは例えば適量の水を加えた場合には非常に固
い塊であるような凝集性ヒドロゲル素材になる。このよ
うな凝集性素材は、ゴム/スポンジ様の粘稠度を有して
いてもよく無味無臭である。さらに、該組成物は唾液に
さらされても容易には溶解も崩壊もせず、軽く噛んだり
咀嚼したりしてもそのまま維持される。該組成物はさら
にマトリックス内でまたはマトリックスから溶解性物質
が溶出したり拡散したりするのを遅らせるように作用し
て、それら溶解性物質の放出を制御することができる。
カルシウムポリカーボフィル、活性薬剤及び水から得
られるマトリックスは、適当な大きさや形の小片に切っ
た重合物ヒドロゲルマトリックスであってもよい。得ら
れた製品は乾燥することにより任意の固さや、含水度を
もつものにすることができる。その代わりに、カルシウ
ムポリカーボフィルを単に活性薬剤や所望により他の賦
形剤と共に混合し、好ましい組成物を形成してもよい。
カルシウムポリカーボフィルは、他の共存溶媒の存在下
または不存在下、水と混合し、あるいは水なしで有機溶
媒と混合し、顆粒化し、要すれば所望の初期乾燥重量含
水率に乾燥して、慣用の打錠方法により錠剤としてもよ
い。得られた製品はドロップ、坐剤またはガムの形にし
てもよく、さらに例えばゼラチンカプセルに充填した
り、打錠したり、粉砕して乾燥粉末や顆粒にしてもよ
く、さらに所望によりコーティングしてもよい。
更に本発明の組成物が投与時に形成される場合には、
摂取型または移植型大型丸薬(bolus)であってもよ
く、これらは非経口で注射により投与され、時間の経過
につれて活性組成物が制御された形で放出されていく。
カルシウムポリカーボフィルを、所望により水、ヒド
ロコロイド、ポリオールまたは共存溶媒の存在下にて活
性薬剤と相互作用させることにより、種々の溶解度をも
つ重合物ヒドロゲル複合体が形成される。この溶解度に
活性薬剤のマトリックスからの溶出は影響を受ける。活
性薬剤の制御された放出速度は、一つには複合体を形成
させるために最初から水および/または共存溶媒が存在
する場合にはそれらの量に左右され、また一つには場合
により存在する重合物や他の賦形剤(ヒドロコロイドお
よび/または炭水化物を含む)の相互作用に左右され
る。医薬等の活性薬剤は、スポンジマトリックス中を拡
散したり浸出したりすることによりあるいはマトリック
スが徐々に破壊していくことにより放出される。医薬等
の活性薬剤は数カ月に及ぶ長期間にわたって、制御しな
がら放出され得る。代表的な例として、持続期間は移植
大型丸薬(bolus)等の場合、数週間から数日(1〜3
日程度)である。経口投与咀嚼型の製品の場合、放出持
続期間は通常少なくとも約4〜12時間であり、典型的な
例では、約1時間半からそれ以上である。
アルギン酸成分含有生体粘着性組成物 生体粘着性組成物が望まれる場合には、ポリカーボフ
ィルタイプ組成物とアルギン酸成分とを二価カチオンの
存在下にて相互作用させて重合物複合体を形成させても
よい。二価カチオンは、ポリカーボフィルタイプ組成物
の塩の形で最初から存在させておくことが好ましい。該
組成物はまた、典型的な例として、重合物複合体の中に
配合された有効量の活性組成物を含有する。上述のよう
に、本発明の重合物複合体はその構造から生体粘着性で
あると考えられる。アルギン酸成分自体が生体粘着性剤
なので、種々の度合いの生体粘着性が発揮される。ポリ
カーボフィル成分の好ましい形であるカルシウムポリカ
ーボフィルは生体粘着性を有しない。
生体粘着性なる用語が本明細書中で用いられる場合、
水和するとインビボおよび/またはインビトロで粘膜組
織表面に付着する物質をいう。このような付着によって
重合物複合体が粘膜上に局在する。
アルギン酸を用いて作られた本発明の組成物は、ヒト
等の動物の皮膚や粘膜上に用いるように設計されてお
り、本組成物が膨潤するのに十分な量の水の存在下でこ
れら皮膚、粘膜上に付着する。本組成物が活性組成物を
含有している場合には、粘膜や皮膚に付着して、接触し
ている体の領域に一定期間にわたって活性組成物を制御
しながら放出し、活性組成物が少なくとも接触している
体の領域近辺で吸収や吸着の形で取り込まれるようにな
っている。
活性組成物 本発明において有用な活性組成物は、一般に医薬、化
粧品、栄養剤、家庭用剤、工業化学薬品及び農薬の中か
ら選択される。固体及び液体の活性組成物を含め、実質
上上記のいかなる薬剤も本発明に用いることができる。
活性組成物は単独で用いてもよく、また2種またはそ
れ以上の混合物として用いてもよい。
本発明に使用される活性薬剤が家庭用剤である場合と
しては、例えば、空気洗浄剤、塩素漂白剤のような漂白
剤、洗剤、魚類貯蔵庫保存剤等が挙げられる。
本発明に使用される活性薬剤が化粧品である場合とし
ては、例えば、日焼け止め、皮膚柔軟剤、湿潤剤、皮膚
軟化剤(エモリエント)等が挙げられる。
本発明に使用される活性薬剤が栄養剤である場合とし
ては、ビタミン、ミネラルまたはそれらの複合剤が挙げ
られる。
活性薬剤が農薬である場合としては、例えば除草剤、
殺虫剤、殺菌剤、殺鼠剤、植物栄養剤、成長ホルモンま
たはこれら1種以上を組み合わせたもの等が挙げられ
る。
活性剤が医薬である場合としては、体内状態の治療
剤、精神衛生状態の治療剤、抗生物質、化学療法剤、抗
炎症剤、高分子量蛋白質やペプチド系治療剤等いかなる
医薬であってもよい。
医薬の例としては、心血管系状態を治療する薬剤、例
えばクロロチアジド(利尿薬)、プロプラノロール(抗
高血圧薬)、ヒドララジン(抹消血管拡張薬)、イソソ
ルビドまたはニトログリセリン(冠状血管拡張薬)、メ
トプロロール(ベーター遮断薬)、プロカインアミド
(抗不整脈薬)、クロフィブラート(コレステロール低
下薬)またはクマジン(抗凝固薬);内部状態を治療す
る薬剤、例えば複合エストロゲン(ホルモン)、トルブ
タミド(抗糖尿病薬)、レボチロキシン(甲状腺状
態)、プロパンテリン(鎮痙薬)、シメチジン(制酸
薬)、フェニルプロパノールアミン(抗肥満薬)、アト
ロピンまたはジフェノキサラート(下痢止薬)、ドクセ
ート(緩下剤)またはプロクロルペラジン(制吐薬);
精神衛生状態を治療する薬剤、例えばハロペリドールま
たはクロルプロマジン(トランキライザー)、ドキセピ
ン(精神賦活薬)、フェニトイン(抗痙攣薬)、レボド
ーパ(パーキンソン治療薬)、ベンゾジアゼピン(抗不
安薬)またはフェノバルビタール(鎮静薬);例えばフ
ルオロメトロン、アセトアミノフェン、フェナセチン、
アスピリン、ヒドロコルチゾンまたはプレジソンのよう
な抗炎症薬;例えばジフェンヒドラミン塩酸塩またはデ
キスクロルフェニラミンマレイン酸塩のような抗ヒスタ
ミン薬;例えばスルファニルアミド、スルファメチゾー
ル、テトラサイクリン塩酸塩、ペニシリンおよびその誘
導体、セファロスポリン誘導体またはエリスロマイシン
のような抗生物質;例えばスルファチアゾール、ドキソ
ルビシン、シスプラチンまたはニトロフラゾンのような
化学療法剤;例えばベンゾカインのような局所麻酔薬;
例えばジキタリスまたはジゴキシンのような強心薬;例
えばコデインリン酸塩、デキストロメトルファンまたは
イソプロテレノール塩酸塩のような鎮咳薬および去痰
薬;例えばクロルヘキシジン塩酸塩またはヘキシルレゾ
ルシノールのような経口防腐薬;例えばリゾチーム塩酸
塩またはデキストロナーゼのような酵素;例えばエスト
ロゲンのような避妊薬;例えばチモロールまたはゲンタ
マイシンのような眼治療薬等が含まれる。さらに医薬治
療剤には、例えば口蹄病(foot−and−mouth disease)
に対するワクチン中の活性成分として有用な、米国特許
No.4,140,763に記載された口蹄病ウィルスのVP3キャプ
シド蛋白(または他の用語体系ではVP ThrおよびVP1キ
ャプシド蛋白として知られている)、インシュリンまた
はインターフェロンのような完全蛋白;ポリペプチド治
療薬、例えばエンドルフィン、ヒト成長ホルモンまたは
ウシ成長ホルモン、あるいはさらに低分子量のポリペプ
チドまたはこれらのペプチドをサトクリフェ(Sutcliff
e)等、サイエンス(Sciencn),219,660−666(1983)
に記載された蛋白質キャリアーに結合させた複合体も含
まれる。
本発明に従って経口的に投与できる医薬としては例え
ば、エフェドリン、デスオキシエフェドリン、フェニル
エフリン、エピネフリン等のようなアドレナリン作用
薬、フィゾスチグミン、ネオスチグミン等のコリン作用
薬、アトロピン、メタンテリン、パパベリン等の鎮痙
薬、クロリソンダミン等のクラーレ作用剤、フルフェナ
ジン、クロルプロマジン、トリフルプロマジン、メフェ
ネシン、メプロバメート等のトランキライザーや筋弛緩
薬、アミトリプチリン、ノルトリプチリン等の抗うつ
薬、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、トリペ
レンアミン、ペルフェナジン、クロルプロフェナジン、
クロルプロフェンピリダミン等の抗ヒスタミン薬、ラウ
オルフィア、レセルピン等の高血圧治療薬、ベンドロフ
ルメチアジド、フルメチアジド、クロロチアジド、アミ
ノトレート、プロプラノロール、ナドロール、メトプロ
ロール、アテノロール、プロカインアミド等の強心薬、
カプトプリル、エナラプリル等のアンジオテンシン転換
酵素阻害剤、テオフィリン等の気管支拡張薬、テストス
テロン、プレドニゾロン等のステロイド、抗菌剤(例え
ばスルファジアジン、スルファメラジン、スルファメタ
ジン、スルフィゾキサゾール等のスルホンアミド類;ク
ロロキノン等の抗マラリア剤;テトラサイクリン、ニス
タチン、エリスロマイシン、ストレプトマイシン、セフ
ラジンおよび他のセファロスポリン類、ペニシリン、半
合成ペニシリン類、グリセオフルビン等の抗生物質)、
抱水クロラール、フェノバルビタールおよび他のバルビ
タール類、グルテチミド等の鎮静剤、イソニアジド等の
抗結核剤、アスピリン、アセトミノフェン、プロポキシ
フェン、メペリジン、イブプロフェン等の鎮痛剤等が挙
げられる。これらの物質は、遊離体として用いても、ま
た塩(例えば酸付加塩、アルカリ金属塩のような塩基性
塩)の形で用いてもよい。同様なあるいは異なる生理学
的活性を有する他の治療薬を本発明の範囲に含まれる医
薬製剤に用いてもよい。
任意成分 活性薬剤の制御された放出速度は、水や極性または非
極性の共存溶媒を用いたり、その量を変えたり、マトリ
ックスの物理的、化学的特性を変えるように作用する炭
水化物やハイドロコロイド等の他の成分を包含させたり
することにより変性される重合物マトリックスの構造に
左右される。例えば、メチルセルロース等のセルロース
エーテル類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ースまたはヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
アルキルヒドロキシレート類、カルボキシメチルセルロ
ースやカルボキシエチルセルロース等のセルロースアル
キルカルボキシレート類、およびカルボキシメチルセル
ロースナトリウムやカルボキシエチルセルロースナトリ
ウム等のセルロースアルキルカルボキシレート類のアル
カリ金属塩類であるセルロースポリマー類、ならびにカ
ルボキシポリメチレン(分子量2.5〜3.5百万)、アカシ
アガム、グアガム、トラガントガム、キサンタンガム、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属カラゲナート、お
よびアルギン酸、アルギン酸アンモニウム塩、アルギン
酸ナトリウム塩またはそれらの混合物のようなアルギン
酸類等が補助ヒドロコロイドに用いられる。ショ糖、キ
シロース、マンニトール、グルコース、デンプン、プル
ロニック 、界面活性剤、リン酸カルシウム等の無機塩
等の単純または複合炭水化物やポリオールもヒドロゲル
構造の変性に用いることができる。
本発明組成物中に存在させてもよい他の成分として
は、例えば、スペアミント油、ペパーミント油、シンナ
ムアルデヒド、セチルピリジニウムクロライド、メント
ールサッカリンナトリウム、グリシリジン、モルトシロ
ップ、クエン酸、酒石酸、レモン油、カンキツ系フレー
バー等の口臭洗浄剤や香料、フルオライドナトリウム
等、例えばクロロブタノール、クロロチモール、クロロ
ヘキシジン、その塩等の歯周病の治療・予防用抗歯苔/
抗菌剤、例えばベンゾカイン、リンドカイン等の歯痛止
め成分等が挙げられる。
活性組成物とともに、1種以上の助剤を加えてもよ
い。有用な助剤としては、例えばカルシウムイオンと結
合し、医薬が粘膜を通って血流中へと輸送されるのを助
けるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のようなキレート
化剤が挙げられる。助剤の他のグループの例としては、
やはり医薬が粘膜を通って血流中へと輸送されるのを助
ける働きをする塩化ベンザルコニウムのような四級窒素
含有化合物が挙げられる。
上述の成分に加え、所望の加工を施したり、活性成分
の分散性や安定性の向上などの物理的特質を付与する目
的で、当業者に入手可能な製薬的に許容される各種添加
物の中から選ばれる他の添加物を配合してもよい。活性
成分に加えて用いてもよいこのような添加剤としては下
記物質が挙げられる。例えばパラヒドロキシ安息香酸ア
ルキルエステル類、抗酸化剤、抗菌剤等の安定化剤/保
存剤;例えば、アルミニウムレーキ、二酸化チタニウム
等の着色剤;例えば、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸無水
物、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、メタケイ酸
アルミニウムマグネシウム、リン酸水素カルシウム等の
賦形剤/崩壊調節剤;ステアリン酸とその塩;パルミチ
ン酸;タルクおよび他の乳濁化剤、分散化剤、結合剤、
増粘剤等の公知物質等である。
ポリカーボフィル成分 ポリカーボフィルタイプ組成物成分を形成するのに好
適なものとしていくつかのタイプのものが挙げられる。
当該ポリマーは、複数の繰り返し単位(うち少なくとも
約80%が少なくとも1カルボキシル官能基を有する)
と、約0.05〜約1.5%の実質的にポリアルケニルポリエ
ーテルを含まない架橋剤(但し、上記百分率はそれぞれ
未重合繰り返し単位の重量と架橋剤の重量に基づく)と
を含有してなる。より好ましい実施態様では、繰り返し
単位のうち少なくとも約90%が少なくとも1カルボキシ
ル官能基を有し、さらにより好ましい実施態様では、繰
り返し単位のうち少なくとも約95%が少なくとも1カル
ボキシル官能基を有する。最も好ましくは、この物質は
カルボキシル官能性モノマーと架橋剤のみを重合した反
応生成物である。またより好ましい実施態様では、本成
分は約0.1〜約1重量%の重合架橋剤を含んでいるのが
よい。カルシウムポリカーボフィルとして本成分を含有
させる時は、5%〜25%、好ましくは18%〜22%のカル
シウムを該ポリマー酸のカルシウム塩として含有させ
る。この種のポリマーのあるものは、「カルシウムポリ
カーボフィル」(calcium polycarbophil)の一般名で
市販されている。
本発明で有用に用いられるポリカーボフィルタイプ組
成物ポリマーは、従って少なくとも80重量%がモノエチ
レン性不飽和カルボキシ官能性であるモノマーと約0.05
〜約1.5重量%の実質上ポリアルケニルポリエーテルを
含まない架橋剤、及びカルシウムポリカーボフィルとし
て存在する場合には、18〜22%のカルシウムの共重合反
応生成物として定義される。
上記した二成分に加え、ポリカーボフィルタイプポリ
マーとしては、ヘキシルアクリレート、ブチルメタクリ
レート、メチルクロトネートのような前記酸の1種以上
のC1〜C6アルキルエステル;ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラエチ
レングリコールモノアクリレート等の2〜3個の炭素原
子を含み、1分子あたり平均約1〜4個のオキシアルキ
レン基を含む上記酸のヒドロキシアルキレン官能性エス
テル類;メタクリルアミド、アクリルアミドおよびN−
メチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミドのような上記アミドのC1〜C
4モノ−およびジ−アルキル誘導体;スチレン等の上記
カルボキシル官能基含有モノマーおよび架橋剤と共重合
可能なものとして当該技術分野で公知である重合モノエ
チレン性不飽和繰り返し単位も含まれる。該ポリマーは
モノエチレン性不飽和カルボキシ官能性モノマーと架橋
剤のみで製造されるのが最も好ましい。
本発明において有用な(カルシウム)ポリカーボフィ
ルタイプ組成物は、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブ
チロニトリル等のような開始剤を用い慣用されているフ
リーラジカル重合技術によって調製することができ、水
性溶媒中で重合でき、蒸気作用により凝集することがな
い。市販されている特に好ましいポリカーボフィル成分
は、B.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Co.,オハイオ
州,クリーブランド)からカルシウムポリカーボフィル
という名で販売されている素材である。合衆国薬局方
(1990年版、合衆国局方会議、メリーランド州、ロック
ヴィル)の218頁には、カルシウムポリカーボフィル
は、ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸のカ
ルシウム塩であり、カルシウム含量が18%以上22%以下
であり、吸収力試験で1gの粉末あたり35gの炭酸水素ナ
トリウム溶液を吸収する旨が示されている。
ポリカーボフィル成分は、組成物にアルギン酸が含ま
れない場合はそのカルシウム塩の形で存在させる必要が
ある。カルシウムはポリカーボフィルの重量に対し約5
〜約25%、好ましくは、約18〜約22%の量で存在させる
のがよい。最も好ましくは、カルシウムカチオンはポリ
カーボフィルタイプ組成物の塩として最初から存在させ
るのがよい。しかしながらこれとはちがって、塩化カル
シウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム等の
ようなカルシウムイオン含有化合物として加えてもよ
い。
ポリカーボフィルタイプ組成物と水との相互作用が望
まれる場合は、pH約1〜約13、好ましくはpH約2.0〜約
9.5にすべきである。このようなpHで相互作用させれ
ば、ポリカーボフィルタイプ組成物と水とが所望の構造
を確実に形成する。
ポリカーボフィルタイプ成分は適当ないかなる手段に
て水と相互作用させてもよい。水は、例えばグリセロー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等
の他の共存溶媒と、重合物ヒドロゲル形成に効果のある
色々な割合で混合してよい。
活性薬剤の配合 本発明の組成物は、重合物マトリックスと活性組成物
との均一混合物であり、各種の成分を混合することによ
り投与時に形成される混合物も含まれる。ここで「均一
混合物」とは、組成物の成分が実質的に均一に混合さ
れ、これらの成分がいずれも局在していることがないこ
とを意味する。本発明の液体組成物の中には施用時に均
一に混合された状態にするため、使用直前に軽く攪拌す
る必要のあるものもある。二相からなる製剤において
は、ポリマー相と液相とが施用直前に混合される。いっ
たん二相が混合されると、組成物は上述のような状態に
なる。もしくは、非極性溶媒と共存溶媒中のポリマー組
成物を、例えば、非経口的または局所的に体内または体
上に投与し、投与された部位の体液によってヒドロゲル
の形成が完了するような形で投与してもよい。
水を全く使用しない場合、またはカルシウムポリカー
ボフィルを水と相互作用させる前に、前記したような活
性組成物をポリカーボフィルタイプ組成物中に配合して
もよい。配合はカルシウムポリカーボフィルのマトリッ
クス中に活性組成物を溶解させるかまたは分散させるこ
とにより行ってもよい。ポリカーボフィルタイプ組成物
の量は最終製品の粘稠度に影響を及ぼす。従って、最終
製品は水様粘稠度のものから、固体状乾燥粉末のもの、
又は直接打錠できる粘稠度のものまで種々変えることが
できる。ポリカーボフィルタイプ組成物は、固体とし
て、水性または混合溶媒系に入れて、あるいは非水性溶
媒や担体に入れて反応に供してもよい。本明細書中に表
す全ての百分率は特にことわりのない限り重量百分率で
ある。
カルシウムポリカーボフィルと活性薬剤との相互作用
により重合物マトリックス構造が形成され、その結果マ
トリックス内をあるいはマトリックスから活性組成物が
拡散したり他の形で移動が起こるのを制御するように働
く。水も存在していれば、生成される組成物は複合ヒド
ロゲルとなる。
アルギン酸成分 アルギン酸は、線状ポリマーである精製多糖類の1つ
であり、海草から抽出することができ、特にカルシウ
ム、カリウムあるいはナトリウム塩として、またプロピ
レングリコールアルギネートとして等の種々の形で入手
し得る。本発明ではナトリウム塩の形で用いるのが好ま
しい。
ポリカーボフィルタイプ組成物成分とアルギン酸また
はアルギネートとの相互作用は、二価カチオンの存在下
にて起こる。二価カチオンとしてはカルシウムが好まし
いが、マグネシウムであってもよい。場合によっては、
二価の鉄、銅、クロムも使用できる。二価カチオンはポ
リカーボフィルの重量に対し約5〜約25%、好ましくは
約18〜約22%存在させるのがよい。最も好ましいのは、
カルシウムカチオンをポリカーボフィルタイプ組成物の
塩として最初から存在させておくのがよい。しかし最初
からアルギン酸の塩として存在させてもよく、また別法
として塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化
カルシウム等のようなカルシウムイオン含有化合物とし
て導入してもよい。
ポリカーボフィル成分とアルギン酸との相互作用 本発明のアルギン酸含有生体粘着性組成物を得るに
は、好ましくはアルギネート類がポリカーボフィルタイ
プ組成物成分と相互作用する前に、活性組成物をアルギ
ネート類に配合しておくのがよい。
ポリカーボフィルタイプ組成物とアルギン酸またはア
ルギネートとの相互作用は、pH約3〜約10、好ましく
は、pH約6.5〜約7.5でおこなうべきである。このような
pHで相互作用すれば、ポリカーボフィルタイプ組成物と
アルギン酸成分とが所望の複合体を確実に形成する。こ
の複合体は二価カチオンにより二つの重合物成分のカル
ボキシル基が架橋されることにより形成されると考えら
れる。
ポリカーボフィルタイプ成分はアルギン酸と適当ない
かなる手段で相互作用させてもよい。好ましくは、アル
ギン酸をナトリウム塩の形で存在させておくのがよく、
一方、ポリカーボフィルタイプ組成物はカルシウム塩の
形で存在させておくのがよい。最も好ましくは、ポリカ
ーボフィルタイプ組成物成分としてはカルシウムポリカ
ーボフィルの名前で市販されているものを用いるのがよ
い。市販のカルシウムポリカーボフィル自体は生体粘着
性でない。
二成分が相互作用し合う前に、前記したような活性組
成物をポリカーボフィル組成物とアルギネートのいずれ
か一方あるいは両方に配合していてもよい。例えば、固
体状又は半固体状のようなアルギネートのマトリック
ス、あるいは水性溶媒や混合溶媒系に入れた状態のアル
ギネート中に活性組成物を溶解または分散させるる形で
配合してもよい。
アルギネート成分は、組成物の全重量に対し約0.1〜
約99.9%の量で用いられる。ポリカーボフィルタイプ組
成物の量は最終製品の粘稠度に影響する。従って、最終
製品は水様粘稠度から固体乾燥粉末の粘稠度まで変えら
れる。同様にカルシウムポリカーボフィルタイプ組成物
の量は、組成物の全重量に対し約0.1〜約90.0%の範囲
の量で変えられる。ポリカーボフィルタイプ組成物は固
体として反応に付してもよく、あるいは水性溶媒や混合
溶媒系に入れた状態で反応に付してもよい。本明細書中
で示される百分率は全て他にことわりのない限り重量百
分率である。
水や他の極性溶媒の存在下、さらに二価カチオン(特
にカルシウム)存在下における上記二成分間の相互作用
により、膜タイプマトリックスと称してよい複合体が形
成される。これは特に二つのポリマー間の界面に形成さ
れる、生成したマトリックス構造は、マトリックス自体
内のまたはマトリックス自体からの活性組成物の拡散ま
たはその他の移動を制御するように作用する。
放出制御または徐放のレベルは、用いる成分の比率、
特定の活性組成物、配合方法、成分の混合順序等によっ
て変わる。マトリックスの特性や放出特性を変えるため
にこの他の添加物を存在させてもよい。
一般的製剤への考察 本発明の組成物が、化粧品、家庭用剤、農薬、栄養剤
のような活性薬剤を含有する場合には、本発明組成物に
有効量の活性薬剤を含有せしめる。有効量とは活性組成
物が所望の活性を測定可能なあるいは認識可能な程度の
量発揮するのに十分な量である。
活性組成物が医薬である場合には、該組成物を投与す
べき所望の期間にわたって、疾病を予防、治療および/
または処置するのに十分な量(以下このような量を「有
効量」という)だけ該活性組成物を本発明の組成物に含
有させる。特に医学の分野で周知のごとく、医薬の有効
量は用いる特定の薬剤や、患部の状態、医薬を含有する
組成物を体から排出する速度如何により、さらには適用
される動物あるいはその動物の体重によっても変わる。
従って、活性組成物の有効量は各薬剤によって確定して
いるものではない。かくして有効量とは、本発明の組成
物が、処置される動物の体内あるいは体上において所望
の期間にわたって活性組成物に必須の活性を発揮するの
に十分な活性組成物の量であり、通常用いられる量より
概ね少なくてすむ。
特定の状態を処置するのに適した血流中の特定の活性
組成物の量は、化粧品で用いられる活性組成物の適量が
知られているように一般に知られているので、本発明の
ある組成物における活性組成物の有効量を決定するため
に、ある範囲の活性組成物を含有する本発明の一連の放
出制御性組成物を製造することは、研究室の仕事として
は比較的たやすい部類に属す。全ての活性組成物につい
てその有効量を記することはできないが、本発明の典型
的な組成物は各服用量当たり約1μg〜約1gの活性組成
物を含有する。さらに好ましくは本発明の組成物は各服
用量当たり約1μg〜約400μgを含有する。
代表的な実施態様としては、組成物中の重合物複合体
の活性組成物に対する重量比は約200,000:1から約1:100
である。しかし、好ましい実施態様としては、重合物複
合体の活性組成物に対する重量比は約100,000:1〜約10:
1である。これらの重量比は乾燥成分を用いて決定され
る。
本発明の組成物は活性組成物と重合物複合体に加え、
製薬的に許容される希釈剤および/または医薬的に不活
性なマトリックスとして存在する材料の1種以上のよう
な希釈剤を含有していてもよい。
本発明の放出制御性組成物は、組成物の約0.0001〜約
65重量%、好ましくは約0:100〜約65重量%、さらによ
り典型的な例として、約1〜約35重量%の範囲の量の活
性薬剤を含有する。(カルシウム)ポリカーボフィルポ
リマーは組成物の約0.1〜約99.9重量%、好ましくは約
0.25〜約90重量%、最も好ましくは約0.25〜約50重量%
の範囲の量存在させる。また、補助賦形剤を組成物の約
0.01〜約99重量%、好ましくは約0.25〜約50重量%の範
囲の量で存在させてもよい。水が存在している場合に
は、代表的な場合としては、(カルシウム)ポリカーボ
フィルの重量に対し、約0.1〜約200%、好ましくは約0.
5〜約100%、最も好ましくは約10〜約100%の量で存在
させる。加える水の量は、他の賦形剤が存在するか否か
によって変わる。ここで含水量とは、ヒドロゲルの形成
を開始せしめるのに添加する水の量である。いったんゲ
ルが形成されると、水を除去して乾燥粉末、顆粒、また
はマトリックスとしてもよく、またもっと多くの水を加
えて所望の粘稠度にしてもよい。あるいは、本発明の放
出制御性組成物は、カルシウムポリカーボフィルと活性
薬剤を用いて他の賦形剤を用いあるいは用いず、直打、
直接押出、直接混合、直接成型といった直接法によって
直接製剤化してもよい。
徐放性マトリックスが、医薬を含んでいる場合には、
それに加え食用できる無毒性の医薬製剤において慣用さ
れているような成分を含んでいてもよい。従って、本発
明組成物は、ラクトース、ショ糖、コーンスターチ、変
性コーンスターチ、マンニトール、ソルビトール、人工
甘味料および炭酸カルシウムのような無機塩といった賦
形剤の1種またはそれ以上を約0.1〜約99重量%、好ま
しくは約1〜約95重量%の範囲で適宜含有していてもよ
い。他の任意に加えてもよい慣用成分としては、保存
剤、安定化剤、可塑剤、共存溶媒、抗接着剤、シロイド
(Syloid)ブランドの二酸化ケイ素のようなシリカ流動
性改質剤またはすべり改良剤、ならびにFD & C着色料
が挙げられる。
本発明の医薬および化粧品組成物は、これらが施用さ
れる動物にとって活性組成物自体に付随する毒性は別と
して実質的に無毒性である。従って、本発明組成物が皮
膚や粘膜に接触したり付着しても、その組成物に起因し
て明らかに白くなったり水疱が生じたりすることはな
い。さらに、本発明の組成物を動物に用いることによっ
て免疫学的副作用を招いたりすることはない。
「製薬的に許容される」、「生理学的に許容され
る」、「医薬的に不活性な」といった表現は、本明細書
においては、そのように記載された物質がヒトやその他
の哺乳類に毒性等の悪作用を生じたり、粘膜や皮膚組織
に水疱が生じたり白くなったりすることがなく処置に用
いることができることを意味し、従ってこれらの表現が
本明細書中で用いられた場合、当該物質はそれ自体は活
性な組成物でも生体粘着性物質でもないことを意味す
る。
投与形態 本発明は、これらに限定されるわけではないが制酸錠
剤、せき止め薬錠剤、のど痛錠剤、口臭洗浄錠剤、ビタ
ミン錠剤、カルシウム錠剤、栄養補助剤および栄養剤錠
剤、緩下錠剤、感冒薬錠剤、鎮痛錠剤、下痢止め錠剤、
減量錠剤、鎮痛錠剤、睡眠錠剤、多くの処方箋および非
処方箋薬、および製薬錠剤を含めて錠剤等の各種投与形
態を作るのにはば広く適用される。
例えば、組成物は重合物系と活性組成物の均一混合物
であってもよく、それらは乾燥形態であって半固状また
は液状懸濁のいずれであってもよい。本組成物はまた、
カプセル、カプセル凝集体、フィルムまたはラミネート
のような三次元構造物として提供されてもよい。三次元
構造として提供される場合には、活性組成物は不活性マ
トリックス中に含有させる。
乾燥組成物成分の均一混合物を具体的に示せば、20メ
ッシュふるいを通過するが200メッシュふるいを通らな
い(米国標準ふるいシリーズ,U.S.Standard Sieve Seri
es)ような度をもつ粉砕重合物複合体粒子を、同様な粒
度またはより小さい粒度のクロロチアジドのような活性
組成物の粒子と混合して形成される混合粉末が挙げられ
る(以下、第一のふるいを通過し、第二のふるいを通過
しないような粒度の粒子である時、通過するふるいの大
きさを先ず記し、次いで“/"の斜線、その後に通過しな
いふるいの大きさを記す。従って、上記の通過する及び
通過しないふるいのメッシュは“20/200"のように記
す)。該混合物を治療用に錠剤の形態でまたはゼラチン
カプセルにいれて提供し、治療のため摂取してもよい。
重合物複合体粒子の大きさにより本発明の組成物は影
響を受ける。重合物複合体粒子は、その組成物の投与が
困難になるほど大きいものであってはならない。例えば
本組成物がのみこまれる形態のものであれば、重合物複
合体粒子は投与後に摂取される食物や液体が胃に通って
いくのを妨げないで、胃に組成物が通るような大きさで
なければならない。同様に組成物が眼に適用されるもの
であるときは、例えば100メッシュのふるい(米国標準
ふるいシリーズ)を通過するような大きさに微細粉砕さ
れた重合物複合体粒子を用い、処置する動物の視力が損
なわれることを極力抑えるようにしなければならない。
代表的な場合として、有用な重合物複合体は最大でも
10メッシュのふるい(米国標準ふるいシリーズ)すなわ
ち2000ミクロンの網目のふるいを通過する大きさであ
る。好ましくは重合物複合体粒子は30メッシュのふるい
(米国標準ふるいシリーズ)を通過する大きさである。
相対的に小さい粒度の粒子は相対的に大きい粒度の粒子
より速く膨潤するので、相対的に小さい粒度のものが粒
子として好ましい。
他の実施態様では、重合物複合体を活性組成物を含む
水性媒質中で膨潤させ、膨潤した重合物複合体粒子中に
あるいは同粒子上に活性組成物が吸収や吸着により吸い
取られる。乾燥後、得られた組成物は上述したような処
置に供せられる。「乾燥」なる用語を本明細書中で重合
物複合体に関して使用する場合、重合物複合体がゴム手
袋をはめた指で触れてもくっつかず、実質上膨潤してい
ないことを意味する。
本発明の組成物は、(カルシウム)ポリカーボフィル
を含有し所望により他の賦形剤も併せて含有してよいポ
リマー相と、水及び所望により共存溶媒を含有する液相
の二つの部分に分けて提供してもよい。医薬等の活性薬
剤の一種またはそれ以上をこれら両相の一方にあるいは
両相に配合してもよい。ポリマー部分と液状部分とが混
合されると「重合」がおこる。
本発明の組成物は(カルシウム)ポリカーボフィルと
任意成分としての他の賦形剤とを、非極性溶媒(例えば
植物性油や合成油)中に懸濁させてなる懸濁液として提
供してもよく、該懸濁液は、非経口注射や移植あるいは
局所適用によって例えば体液(水)と接触すると、「重
合」して複合ヒドロゲルマトリックスをその場で(in s
ituで)形成し、放出制御送達システムが提供される。
このようなシステムは非経口的投与や局所投与用に有用
である。
投与形態は単位服用量毎に、ブリスターパック、カー
トンの小袋、ネジまたはフリップ−トップふた付バイア
ル、ネジまたはフリップ−トップふた付びん、あるいは
他の都合のよい包装形態に包装してもよい。
本発明の組成物はまた直腸または膣投与用坐剤として
用いてもよい。このような態様では重合物複合体を活性
組成物含有坐剤の表面に被覆してもよく、また坐剤中に
分散させてもよい。
アルギン酸含有放出制御性組成物は、重合物複合体を
膨潤させるのに十分な量の水の存在下で皮膚や粘膜に付
着する。
処置方法 医薬組成物のための放出制御性処置方法も企図されて
いる。本方法によれば、本発明の放出制御性組成物を用
意する。本発明の組成物は口内、口腔または歯肉領域に
置くことができる。もしくは放出制御性処置方法におい
ては、前記のように服用量毎に有効量の活性組成物を含
有する放出制御性組成物を用意するが、このような放出
制御性組成物は最初からできていてもその場で(in sit
uで)形成させてもよい。処置すべき皮膚又は粘膜の部
位に用意した組成物を接触させる。前記した組成物のい
ずれもこの方法に従い投与される。
本発明の医薬複合体をその場で(in situで)形成さ
せるためには、(カルシウム)ポリカーボフィルを相対
的に流動性の組成物として非経口で注射により送達する
必要がある。このような場合、(カルシウム)ポリカー
ボフィルの水素結合を開始させ得る水や他の液体の使用
を避けなければならない。(カルシウム)ポリカーボフ
ィル用担体として非極性溶媒(例えば動物油、植物油ま
たはシリコーンのような合成油)である液体を用いるの
が一般的に好ましい。このような目的に用いる担体は通
常疎水性である。しかしながら、ある種の適用において
はグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール又は他のモノ又はポリハイドリックアルコール
を(カルシウム)ポリカーボフィル担体用として用いる
ことができる。(カルシウム)ポリカーボフィルは、適
当な担体中に懸濁して非経口で注射により投与したり又
は他の方法で対象に投与することのできる微小ミクロ粒
子としてもよい。
別の放出制御性処置方法もまた企図されている。本方
法によれば、本発明の放出制御性組成物を用意する。処
置すべき皮膚や粘膜の部位に、重合物複合体を膨潤させ
るのに十分な量の水の存在下にて当該組成物を接触させ
る。組成物は接触部位に付着し、活性組成物を制御され
た速度で放出し、それによって該接触部位のすくなくと
も近傍で活性組成物が取り込まれる。
口腔内壁膜から分泌される粘液と接触すると、重合物
複合体は水和し、口腔内投与製剤が口腔内壁に付着す
る。
本発明の組成物では活性組成物と粘膜の間を密着させ
ることが可能であり、蛋白質やホルモンのような高分子
量活性組成物の場合にこのように密着させることが好ま
しい。このような組成物は、その生体粘着性によって長
期間その密着が維持され、そのようにして密着部位の近
傍では活性組成物の相対濃度が増す。
前述の組成物のいずれもこの方法に従って投与するこ
とができる。
本発明の組成物は、皮膚や粘膜と組成物の間に所望の
密着性を与えるいくつかの手段で投与され得る。例えば
活性組成物が日焼け止めである場合、処置を施すべき皮
膚領域全体に組成物をこすりつけて適用する。目の結膜
粘膜に接触させる場合には、上述の水性組成物を目の前
角膜のうに点滴する。口腔、鼻、肛門及び/又は膣の粘
膜に接触させる場合には、組成物を手で又は鉗子や他の
適切な道具を用いて適用する。胃及び/又は小腸粘膜に
接触させる場合には、組成物は典型的な例としては、飲
み込むか、外科的に移植するかし、胃腸の収縮作用及び
/又は胃腸の中を消化液が通過するのに伴って生じる運
搬作用によって粘膜と接触させることができる。
本組成物は、活性組成物が制御された期間にわたって
放出されるのに十分な時間その場に(接触したまま)放
置され、その結果その医薬又は化粧作用が処置動物に及
ぶ。たいていの場合、未使用だがまだ活性が残っている
放出制御性組成物や投与された組成物の残りは、唾液、
涙、消化液、膣の分泌物のような水性体液によって引き
起こされる分散又は浸食のような自然の体の機構によっ
て体から排泄される。活性組成物が、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体又は架橋エラストマーのような医薬的に不
活性なマトリックスに含まれて摂取されるような場合に
は、消化液の流れや、胃の収縮によって引き起こされる
押し流す作用によって、未使用組成物や投与された組成
物の残りは最終的に糞便中に排泄される。放出制御や徐
放の所望のレベルは、使用される成分の比率や、個々の
活性組成物成分の物理的状態、配合方法、成分の混合順
序等によって変わる。マトリックスの特性やその放出特
性を変えるために、さらに添加物を存在させてもよい。
口内乾燥症の処置 口内乾燥又は口内乾燥症の処置には、ポリカーボフィ
ルをウエハー、ディスクあるいはその他の口に挿入する
のに適した形態に成形する。最も好ましくは、ポリカー
ボフィルの形は、口の自然の輪郭にあっているのがよ
く、成形、鋳型等のような適当な技術によって作ること
ができる。
好ましくはポリカーボフィルを適当な形に成形した
後、水和させる。一般的には、成形されたポリカーボフ
ィルは約1〜約10mlの水を、好ましくは、約2〜約5ml
の水を含ませるのがよい。しかしながら、口の中に単に
ポリカーボフィルが存在しているだけで、たとえ挿入前
に最初に水和されてなくとも、刺激により唾液分泌が十
分行われ、ポリカーボフィルを水和し、口内乾燥を和ら
げる。
用時には、成形されたポリカーボフィルを口に挿入
し、口内の乾燥感を緩和し、口に水分を与えるのに十分
な時間口内にとどめておくだけでよい。このようにする
と、水和したポリカーボフィルが口に湿気を与えるよう
に作用する一方で、場合によっては唾液の生成も刺激す
る。ポリカーボフィルが無毒性であるという事実は特に
有利な点で、ポリカーボフィルを誤ってのみ込んでしま
っても、何ら悪い作用を生じることはない。もちろん、
活性医薬や、滑沢剤、香料等を含有する成形ポリカーボ
フィルは、口内乾燥状態を手当する望ましい効果も奏す
る。
本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明す
るが、これら実施例は本明細書や、クレームされた発明
だけでなくクレームされた発明の均等物をも全て包含す
るものと解釈されるべきである添付のクレームに記載さ
れた本願発明の全範囲や内容を制限するものでない。
実施例1 本実施例は、活性薬剤としてピロカルピンを含有する
放出制御性経口錠剤投与形態である本発明組成物の一例
の製造を示す。カルシウムポリカーボフィル,USP〔カー
ボポール(Carbopol)EX−83樹脂、Lot No.Z139117,B.
F.グッドリッチ(Goodrich)〕を本実施例では用いた。
この樹脂の異なる粒度や表面積を持つ他のグレードの素
材を、他の望ましい特性を付与するために用いてもよ
い。
60部のカルシウムポリカーボフィル,USP、10部のカー
ボポール 934−P、10部の直打可能なショ糖及び17部
の直打可能なリン酸二カルシウム二水和物とを2部のピ
ロカルピン塩酸塩,USPと10分間混合する。ステアリン酸
マグネシウム,USP,1部を約2分間で混和させる。混和し
たマス(集合体)は、回転式錠剤機で直接打錠し、平均
重量200mgの錠剤を得る。
試験 ピロカルピンの溶出を調べるため、適当な装置を使っ
て本錠剤を試験した。水中に浸漬した錠剤は固くなり、
粘稠性のゴム状になることがわかった。ピロカルピンは
12時間に亘って、ほぼ0次反応速度で放出された。
この実験から、本製剤は種々の製品の放出制御投与に
利用できることが明らかである。制御機能の主たる理由
は、カルシウムポリカーボフィルが水と混ざるとゴム様
でスポンジ状のヒドロゲル素材を形成する傾向があるか
らである。水が水素結合による内部構造構築と「重合」
を引き起こすと考えられる。
実施例2 本実施例では、カルシウムポリカーボフィルと口臭洗
浄剤を用いて放出制御性キャンディ組成物である本発明
組成物の一例の製造を示す。カルシウムポリカーボフィ
ル,USP(カーボポールEX−83樹脂、Lot No.Z139117,B.
F.グッドリッチ)を本実施例で用いた。この樹脂の異な
る粒度や表面積を持つ他のグレードの素材を、他の望ま
しい特性を付与するために用いてもよい。
カルシウムポリカーボフィル60gを500mgのペパーミン
ト油,NFと混合する。別の容器で20gのマンニトール,USP
を20gのアルギン酸ナトリウム(ケルトンHV(Keltone H
V),ケルコ社(Kelco Co.)製)と混合する。さらに、
500mgのペパーミント油,NFをこの混合物に加え、よく混
合する。
精製水,USP,約40gを上記調製したカルシウムポリカー
ボフィル混合物に加え、その調整物を素速くよく混合す
る。該調製物を約45秒間でゲル化させ、その後、上記調
製したマンニトールとアルギン酸ナトリウムとの混合物
を加え、該調製物をよく混合し、均一に湿ったスポンジ
状マスを得る。このマスを次に、小さなスパゲッティタ
イプのロールの中に巻き込み、約200mgの小片に切る。
小片は手で直径約1/8〜1/4″の小球に丸める。このよう
にして得た球を37℃で24時間乾燥する。
試験 乾燥した球は非常に固い大理石様のキャンディであっ
た。球をおだやかに撹拌しながら37℃で2〜6時間水中
で保持すると、崩壊することがわかった。球は口の中で
2〜6時間に亘ってゆっくりと溶解し、ペパーミント油
がこの間放出されることが観察された。この球(キャン
ディ)はガム状でなく、ねばつかず、上記の時間に亘っ
て快適な口内清涼感を与えた。キャンディは口の中で絶
えず動かしている時もこわれることなくゆっくり溶解し
た。
実施例3 本実施例は、やけど処置用の放出制御性塗布型包帯剤
(pour on dressing)に適した「二成分系」として提供
される本発明組成物の一例の製造を示す。カルシウムポ
リカーボフィル,USP(カーボポールEX−788樹脂,B.F.グ
ッドリッチ)を本実施例では用いた。
カルシウムポリカーボフィル50gをドライヒート滅菌
法によって滅菌する。滅菌粉末を滅菌キサンタンガム
〔ケルトロール−T(Keltrol−T),ケルコ社製〕5g
と混合する。乾燥粉末は適当なガラス容器につめ「固相
1」とする。別の容器に1%硝酸銀を含有する40ml滅菌
溶液を調製する。「塗布型」やけど包帯剤を調製するた
め、硝酸銀溶液をカルシウムポリカーボフィル/ケルト
ロール混合物に加える。この懸濁液をよく混合し、材料
を分散させ重合を開始させる。60秒後、調製物は増粘し
はじめる。患部にゆっくり塗布しその場で創傷包帯剤を
形成するのに適している。
実験室での試験では、上記包帯剤を平らなガラス皿に
塗布した。製剤は固まり、2分もしないうちに乾燥した
ようにみえ、スポンジ状織布繊維様になった。この製剤
から小片を切り取り、100mlの脱イオン水(18メガオー
ムの電気抵抗をもつ)につけ、37℃で保持した。試料を
軽く継続的に振った。所定の時間間隔でサンプリングす
る際に水を除き、新しい水を加えた。水試料は硝酸銀の
存在と放出について試験した。該小片は72時間の期間に
亘って非常に一定した速度で硝酸銀を放出することがわ
かった。約96時間後、硝酸銀は完全にマトリックスから
放出された。別の実験においては、製剤を被験者の手に
塗布した。製剤は数秒のうちに固化し、スポンジ状の塊
になった。製剤をつけている間、ひりひりする感じや、
やける感じや不快感等が一切なく、又はがす時も何ら痛
みを伴うことなく容易にはがれた。
この実験から、本製剤を局所的及びボラス(大型丸
薬)タイプ投与の放出制御投与に利用できることが明ら
かになった。
実施例4 カルシウムポリカーボフィル80部を、マンニトール及
びリン酸二カルシウム二水和物の各々9部と混合した。
混和したマスに軽鉱油,USPを1部加え、マスをよく混合
した。ステアリン酸マグネシウム1部を上記に加え、全
体を2分間混合した。粉末を加圧下圧縮して3/4″×
2″サイズの平らなディスク片を形成した。得られた小
片を水に浸漬させるとスポンジ状のゴム様の平らな製品
になった。この製品は口をなめらかに保つのに適してい
ることがわかった。平板な水和されたディスクは、乾燥
口を湿らせ、なめらかにするのに適しており、また口内
で長期間、特に就寝時間中も保持し易い。
本実験から、上記製剤は、口内乾燥の問題を克服でき
る手段を提供し、又特に夜間の口内乾燥症のすぐれた薬
を提供するものである。同様な手段の製剤を各種の投与
用に製造することができる。
実施例5 本実施例は、ベンゾカインを制御しながら放出するよ
うに配合した本発明組成物の一例の製造を示すものであ
る。アルギン酸ナトリウム(アルギンHV(Algin HV),
ケルコ社製)500mgをベンゾカイン,USP、80mgと混合す
る。得られた混合物を10%グリセロール精製水(USP)
溶液を結合溶液として用いて顆粒化する。プロピレング
リコール溶液を、グリセロールの代わりに用いてもよ
い。得られた顆粒状のものをカルシウム カーボフィ
ル,USP、500mgと混合する。混合物をさらに結合剤とし
て精製水を用いて顆粒化した。コーンスターチを顆粒化
の段階で使用してもよい。ベンゾカインをさらに20mg混
合しながら加える。得られた生成物は常法に従い、局所
投与に適した薄片ディクス又はウエハーに成形される。
得られたディスクを様々の大きさに成形し、それぞ
れ、口腔、歯肉あるいは経口投与用に適した形態にす
る。本発明の重合物複合体素材の活性組成物の重量に対
する比率は約10:1である。
実施例6 本実施例では、カルシウムポリカーボフィルと口臭洗
浄剤を用いた放出制御性キャンディ組成物である本発明
組成物の一例の製造を示す。カルシウムポリカーボフィ
ル,USP(カーボポールEX−83樹脂、Lot No.Z139117,B.
F.グッドリッチ)を本実施例では用いた。この樹脂の異
なる粒度や表面積を持つ他のグレードの素材を、他の望
ましい特性を付与するために用いてもよい。
カルシウム カーボフィル60gをペパーミント油,NF,5
00mgと混合する。別の容器にマンニトール,USP,20gをア
ルギン酸ナトリウム(ケルトンHV,ケルコ社製)20gと混
合する。ここにさらにペパーミント油,NF,500mgを加え
てよく混合する。
精製水,USP,約40gを上記精製したカルシウムポリカー
ボフィル混合物に加え、すばやくよく混合する。調製物
を約45秒間でゲル化させ、その後、上記調製したマンニ
トールとアルギン酸ナトリウムとの混合物を加え、調製
物をよく混合し、均一に湿ったスポンジ状のマスを得
る。このマスを小さなスパゲッティタイプのロールに巻
き込んで、約200mgの重量の小片を切りとる。この小片
を手で丸め、直径約1/8〜1/4″の小球にする。この小球
を37℃で約24時間乾燥する。
試験 乾燥した小球は非常に固い大理石様のキャンディにな
っていることが観察された。小球は37℃で2〜6時間の
間、緩やかに撹拌しながら水中に保持しておくと崩壊す
ることがわかった。小球は口の中では約2〜6時間に亘
ってゆっくりと溶け、ペパーミント油をこの時間に亘っ
て放出することが判明した。小球(キャンディ)はガム
状でなく、又粘着性もなく、上記の時間に亘って快適な
口内清涼感を与えた。キャンディは口の中で絶えず動か
している時も、こわれることなくゆっくり溶解した。
この実験から、本製剤は、各種の製品の放出制御投与
に利用できることがわかる。制御機能の主たる理由は、
カルシウムポリカーボフィルがわずか少量の水と混ざる
と、ゴム様スポンジ状のヒドロゲル素材を形成する傾向
があるからである。水が水素結合による内部構造構築と
「重合」を引き起こすものと考えられる。アルギン酸ナ
トリウム及び/又はマンニトールを配合することによ
り、得られる物品に所望の壊れ易さと結合力を付与する
ことができる。また、マンニトールを添加することによ
り、キャンディを吸った時に好みの味や清涼感が得られ
るようにできる。
実施例7 本実施例では、やけど処置用の放出制御性塗布型包帯
剤に適した「二成分系」として提供される本発明組成物
の一例の製造を示す。カルシウムポリカーボフィル,USP
(カーボポールEX−788樹脂,B.F.グッドリッチ)を本実
施例では用いた。
カルシウムポリカーボフィル50gをドライヒート滅菌
法により滅菌する。滅菌粉末を滅菌キサンタンガム(ケ
ルトロール−T,ケルコ社製)5gと混合する。この乾燥粉
末を適当なガラス容器につめ「固相1」とする。別の容
器に1%硝酸銀を含有する滅菌溶液40mlを調製する。
「塗布型」やけど包帯剤を調製するため、硝酸銀溶液を
カルシウムポリカーボフィル/ケルトロール混合物に加
える。この懸濁液をよく混合し、材料を分散させ重合を
開始させる。60秒後、調製物は増粘しはじめる。患部に
ゆっくり塗布しその場での創傷包帯剤を形成するのに適
している。
実験室での試験では、上記包帯剤を平らなガラス皿に
塗布した。製剤は固まり、2分もたたないうちに乾燥し
たようにみえ、スポンジ状織布繊維様になった。この製
剤から小片を切り取り、100mlの脱イオン水(18メガオ
ームの電気抵抗をもつ)につけて、37℃で保持した。試
料を軽く継続的に振った。所定の時間間隔でサンプリン
グする際に水をとり除き、新しい水を加えた。水試料は
硝酸銀の存在と放出について試験した。該小片は硝酸銀
を72時間に亘って非常に一定した速度で放出することが
わかった。約96時間後、硝酸銀は完全にマトリックスか
ら放出された。別の実験においては、同製剤を被験者の
手に塗布した。製剤は数秒のうちに固化し、スポンジ状
の塊となった。製剤をつけている間、ひりひり感じや、
やける感じや不快感等が一切なく、はがす際も何ら痛み
を伴うことなく容易にはがれた。
この実験から、本製剤は局所的及びボラス(大型丸
薬)タイプ投与の放出制御投与に利用できることが明ら
かになった。
本発明を特定の実施態様の面から詳細に説明してきた
が、これらはあくまで例示するためのものであり、本発
明は必ずしもこれらに限られるものではない。当業者に
は容易にわかるだろうが、本開示から様々な変更や修飾
が明らかになるだろうが本発明の精神から逸脱しない範
囲でそれらが行われてもよい。従って、開示された製品
のそのような変更や修飾は、本発明と下記するクレーム
の範囲に含まれるものと解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 678,814 (32)優先日 平成3年4月1日(1991.4.1) (33)優先権主張国 米国(US) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/70 378 A61K 9/70 350 A61K 47/32 A61K 47/36 WPIDS(STN)

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)水膨潤性だが水不溶性の繊維状架橋
    カルボキシ官能性ポリマーであって、(a)複数の繰り
    返し単位(うち少なくとも約80%が少なくとも1カルボ
    キシル官能基を有する)と(b)実質的にポリアルケニ
    ルポリエーテルを含まない架橋剤約0.05〜約1.5%(但
    し、上記百分率はそれぞれ未重合繰り返し単位の重量と
    架橋剤の重量に基づく)とを含有してなるポリマーであ
    るポリカーボフィル成分と、(2)アルギン酸又はその
    塩とを二価カチオンの存在下にて相互作用させて形成さ
    れる反応複合体を含有してなる重合物複合体組成物。
  2. 【請求項2】前記重合物複合体組成物がさらに活性薬剤
    を含有してなる請求の範囲第1項記載の薬剤。
  3. 【請求項3】前記二価カチオンがカルシウムである請求
    の範囲第2項記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記重合物複合体組成物がさらに活性薬剤
    を含有してなる請求の範囲第3項記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記重合物複合体が、米国標準ふるいシリ
    ーズ(U.S.Standard Sieve Series)で100メッシュの大
    きさのふるいを通過する粉砕粒子状であり、前記活性薬
    剤が生理学的に許容される水性担体中に飽和溶質として
    存在する請求の範囲第4項記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記活性薬剤が少なくとも1つの表面部分
    を有する三次元構造形態の医薬的に不活性なマトリック
    ス中に含有されており、前記重合物複合体が少なくとも
    1つの前記表面部分に配置されている請求の範囲第4項
    記載の組成物。
  7. 【請求項7】前記三次元構造がフィルムである請求の範
    囲第6項記載の組成物。
  8. 【請求項8】重合物複合体の活性薬剤に対する重量比が
    約200,000:1〜約1:100である請求の範囲第4項記載の組
    成物。
  9. 【請求項9】放出制御性組成物を調製する方法であっ
    て、 (1)水膨潤性だが水不溶性の繊維状架橋カルボキシ官
    能性ポリマー[当該ポリマーは、(a)複数の繰り返し
    単位(うち少なくとも約80%が少なくとも1カルボキシ
    ル官能基を有する)と(b)実質的にポリアルケニルポ
    リエーテルを含まない架橋剤、約0.05〜約1.5%(但
    し、上記百分率はそれぞれ未重合繰り返し単位の重量と
    架橋剤の重量に基づく)とを含有してなる]又はその塩
    と、 (2)アルギン酸又はその塩とを、二価カチオンと活性
    薬剤との存在下にて相互作用させる反応により形成され
    る反応複合体を含有してなる重合物複合体と、当該複合
    体中に含有された有効量の活性薬剤を用意する工程を包
    含する、方法。
  10. 【請求項10】前記組成物が、前記重合物複合体と前記
    活性薬剤との均一混合物からなる請求の範囲第9項記載
    の方法。
  11. 【請求項11】前記二価カチオンがカルシウムである請
    求の範囲第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】(1)水膨潤性だが水不溶性の繊維状架
    橋カルボキシ官能性ポリマーであって、(a)複数の繰
    り返し単位(うち少なくとも約80%が少なくとも1カル
    ボキシル官能基を有する)と(b)実質的にポリアルケ
    ニルポリエーテルを含まない架橋剤約0.05〜約1.5%
    (但し、上記百分率はそれぞれ未重合繰り返し単位の重
    量と架橋剤の重量に基づく)とを含有してなるポリマー
    であるカルシウムポリカーボフィル成分と、(2)活性
    薬剤とを含有してなる重合物放出制御性組成物。
  13. 【請求項13】前記活性薬剤が医薬品であり、反応複合
    体を形成させるためにポリカーボフィルに水が添加され
    ている請求の範囲第12項記載の組成物。
  14. 【請求項14】カルシウムがポリカーボフィルの重量に
    対し約5〜約25%の量で存在する請求の範囲第13項記載
    の組成物。
  15. 【請求項15】重合物マトリックスの活性薬剤に対する
    重量比が約200,000:1〜約1:100である請求の範囲第14項
    記載の放出制御性組成物。
  16. 【請求項16】放出制御性組成物を調製する方法であっ
    て、 (1)水膨潤性だが水不溶性の繊維状架橋カルボキシ官
    能性ポリマー[当該ポリマーは、(a)複数の繰り返し
    単位(うち少なくとも約80%が少なくとも1カルボキシ
    ル官能基を有する)と(b)実質的にポリアルケニルポ
    リエーテルを含まない架橋剤約0.05〜約1.5%(但し、
    上記百分率はそれぞれ未重合繰り返し単位の重量と架橋
    剤の重量に基づく)とを含有してなる]又はその塩と、 (2)水とを、活性薬剤の存在下にて相互作用させる反
    応により形成される反応複合体を含有してなる重合物マ
    トリックスと、当該マトリックス中に含有された有効量
    の活性薬剤を用意する工程を包含する、方法。 (b)上記組成物を、治療に有効な量の活性薬剤がマト
    リックスから放出されるのに十分な時間、皮膚又は粘膜
    の処置すべき部位に接触させることからなる放出制御性
    処置方法。
  17. 【請求項17】前記組成物が、前記重合物組成物と前記
    活性薬剤との均一混合物からなる請求の範囲第16項記載
    の方法。
  18. 【請求項18】口内乾燥症をわずらう患者の口内に挿入
    するのに適した形を有し、ポリカーボフィルと約1〜約
    10mlの水を含有する物品よりなる口内乾燥症処置用組成
    物。
  19. 【請求項19】前記物品がカルシウムポリカーボフィル
    を含有する請求の範囲第18項記載の組成物。
  20. 【請求項20】(1)水膨潤性だが水不溶性の繊維状架
    橋カルボキシ官能性ポリマーであって、(a)複数の繰
    り返し単位(うち少なくとも約80%が少なくとも1カル
    ボキシル官能基を有する)と(b)実質的にポリアルケ
    ニルポリエーテルを含まない架橋剤約0.05〜約1.5%
    (但し、上記百分率はそれぞれ未重合繰り返し単位の重
    量と架橋剤の重量に基づく)とを含有してなるポリマー
    であるカルシウムポリカーボフィル成分と、(2)水と
    を、活性薬剤の存在下にて相互作用させて形成される反
    応複合体を含有してなる重合物放出制御性組成物。
  21. 【請求項21】前記活性薬剤が医薬品である請求の範囲
    第20項記載の組成物。
  22. 【請求項22】カルシウムがポリカーボフィルの重量に
    対し約5〜約25%の量で存在する請求の範囲第21項記載
    の組成物。
  23. 【請求項23】第1成分としてカルシウムポリカーボフ
    ィルを含有するポリマー相を、第2成分として水と所望
    により他の溶媒とを含有する液相を含有してなる二成分
    システムを合すことにより形成される組成物であり、前
    記複合体が使用時に形成される請求の範囲第23項記載の
    組成物。
  24. 【請求項24】非経口的又は局所的に投与した際に、非
    極性溶媒中に分散されたポリマー相が体液からの水と結
    合してその場で(in situで)形成される請求の範囲第2
    2項記載の組成物。
  25. 【請求項25】重合物複合体の活性薬剤に対する重量比
    が約200,000:1〜約1:100である請求の範囲第21項記載の
    放出制御性組成物。
  26. 【請求項26】放出制御性組成物を調製する方法であっ
    て、 (1)水膨潤性だが水不溶性の繊維状架橋カルボキシ官
    能性ポリマー[当該ポリマーは、(a)複数の繰り返し
    単位(うち少なくとも約80%が少なくとも1カルボキシ
    ル官能基を有する)と(b)実質的にポリアルケニルポ
    リエーテルを含まない架橋剤約0.05〜約1.5%(但し、
    上記百分率はそれぞれ未重合繰り返し単位の重量と架橋
    剤の重量に基づく)とを含有してなる]又はその塩と、 (2)水とを、活性薬剤との存在下にて相互作用させる
    反応により形成される反応複合体を含有してなる重合物
    複合体と、当該複合体中に含有された有効量の活性薬剤
    を用意する工程を包含する、方法。
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