JP3064415B2 - 低分子量コポリマーアミドのイオノマー - Google Patents

低分子量コポリマーアミドのイオノマー

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JP3064415B2 JP3-502795A JP50279591A JP3064415B2 JP 3064415 B2 JP3064415 B2 JP 3064415B2 JP 50279591 A JP50279591 A JP 50279591A JP 3064415 B2 JP3064415 B2 JP 3064415B2
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【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、低分子量オレレフィンコポリマーの分野で
あり;更に詳しくは、本発明は、α−オレフィンおよび
不飽和カルボン酸、好ましくは、少なくとも1種類のア
ミノ酸と反応した最大100%までのカルボン酸基を有す
るα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の低分子量コポ
リマーの塩、すなわち、イオノマーに関する。イオノマ
ーは顔料をフラッシするのに有用である。
関連技術の説明 顔料をフラッシする方法は、英国特許第915,453号明
細書およびApps,Printing Ink Technology,ケミカル
・パブリッシング・カンパニー・インコーポレーテッド
(Chemical Publishing Co.,Inc.)、NY,498〜500頁
(1959)に総説されている。フラッシングは、顔料が微
粉砕され且つポリマー性組成物およびインキ中への配合
などの追加の処理に適当な形で残っている顔料分散液を
製造する方法である。
顔料の製造中に顔料の水性素材が生じる。水を全部除
去した結果として顔料が凝集することがある。若干の水
を除去して、微粉砕された顔料を湿潤ケーキとして残
す。顔料の水性素材を、通常は低分子量のポリオレフィ
ンと混合する。混合物を、典型的には組成物を加熱する
ことによって、場合により真空中で凝固させ且つ水性相
を除去する。顔料を、場合により微粉砕することができ
る低分子量ポリマー中に分散させる。
低分子量ポリエチレンワックスを用いて顔料をフラッ
シュする。フラッシされた顔料は、繊維、成形コンパウ
ンド、押出コンパウンド、シート、フィルム等に用いら
れるポリマー性組成物において有用である。フラッシさ
れた顔料は、特に、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、AB
S、ポリアミドおよびポリカーボネートを基剤とする組
成物中で用いられてきた。
低分子量オレフィンコポリマー、特に、低分子量エチ
レンコポリマーは米国特許第3,658,741号明細書に記載
されている。この特許は、不飽和酸およびそれらの誘導
体、例えば、エステルおよびアミドを含む種々のコモノ
マーとエチレンとの均一コポリマーを開示している。誘
導体の例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸ジメチルア
ミノエチルがある。
米国特許第4,381,378号明細書は、α−オレフィンお
よびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の低分子量コ
ポリマーからの低分子量コポリマー塩の製造法を開示し
ている。好ましいコポリマーはエチレンおよびアクリル
酸のコポリマーである。
米国特許第4,412,040号明細書および同第4,603,172号
明細書は、プラスチック中の潤滑剤および分散助剤とし
て用いるための低分子量コポリマー塩を開示している。
開示された塩としては、α−オレフィンおよびα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸の低分子量コポリマーの低
分子量コポリマー塩がある。好ましいコポリマーはエチ
レンおよびアクリル酸のコポリマーである。
米国特許第3,388,186号明細書および同第3,465,059号
明細書はポリアミド組成物を開示している。その組成物
は、反復エチレン単位および反応性部位、例えば、酸、
エステルまたは塩の基、特に、アクリル酸エステルのカ
ルボキシル基を含む主鎖上にアミノ酸またはラクタムを
グラフトすることによって製造される。コポリマー主鎖
対ポリアミドグラフトの比率は2〜90%であることがで
きる。主鎖の一部分として用いるための開示されたコポ
リマーの数平均分子量は、米国特許第3388,196号明細書
においては少なくとも約13,700であり;そして、米国特
許第3,465,059号明細書においては少なくとも約10,000
である。
米国特許第3,634,543号明細書は、カルボキシ含有コ
ポリマー性主鎖上のポリカプロラクタムの有核グラフト
ポリマーを開示している。グラフトポリマーは、オレフ
ィンおよび不飽和カルボン酸のコポリマーの存在下にお
けるカプロラクタムの重合によって製造される。
米国特許第4,035,438号明細書は、ポリエチレン;グ
ラフト基幹としてのエチレン/アクリル酸コポリマーま
たはエチレン/メタクリル酸コポリマーおよびε−カプ
ロラクタムのグラフト重合単位のグラフトポリマー;並
びにポリカプロラクタムの耐衝撃性混合物を開示してい
る。グラフト基幹として用いるためのコポリマーは、
(メタ)アクリル酸を1〜10モル%、好ましくは、ナト
リウム塩の形で30%〜70%含むものである。
発明の概要 低分子量コポリマーは、他のポリマー、特に、低分子
コポリマーよりも高分子量の他のポリマーとの相溶性を
増大させる構造基を有することが望ましい。本発明は、
少なくとも1種類のアミノ酸化合物またはその塩と反応
したカルボキシル基を有する低分子量コポリマーのイオ
ノマーである。アミド含有イオノマーは、ポリアミドな
どのポリマーとの改良された相溶性を有する。
好ましいイオノマー塩は、α−オレフィンおよび不飽
和カルボン酸、好ましくは、α,β−エチレン性不飽和
カルボン酸の低分子量コポリマー酸から誘導される。酸
コポリマーの数平均分子量は約500〜約6,000である。好
ましくは、低分子量コポリマー酸は、数平均分子量が約
1,000〜約3,500である、エチレンおよびアクリル酸また
はメタクリル酸のコポリマーである。コポリマー酸は、
好ましくは、コモノマー酸約0.8〜約35重量%、好まし
くは、5〜25重量%を対応する量のα−オレフィンと一
緒に有する。
カルボン酸基の最大100%まで、好ましくは約10〜100
%、更に好ましくは約50〜約100%を、少なくとも1種
類のアミノ酸化合物またはその塩と反応させる。アミノ
酸(またはその塩)はアミン末端基およびカルボン酸
(またはカルボン酸塩)末端基を有する。アミン末端基
はコポリマー酸のカルボキシル末端基と反応して反応部
位でアミド基を生成する。アミノ酸化合物またはその塩
から誘導されたアミド鎖は、コポリマー反応生成物重量
基準で約0.1〜約50重量%、好ましくは、約0.1〜約40重
量%、更に好ましくは、約0.5〜約30重量%、そして最
も好ましくは、約5〜25重量%存在する。アミド鎖は、
所望の性質に応じて反応生成物の約10〜約30重量%また
は約0.1〜約10重量%であることができる。
各カルボキシル部位で反応した平均アミド鎖長は約1
〜約250アミド基、好ましくは1〜200アミド基であるの
が好ましく、具体的な実施態様は1〜10アミド基および
1〜5アミド基のアミド鎖長を含む。100〜250アミド基
の更に長いアミド鎖長もありうる。好ましくは、コポリ
マー反応生成物および別のポリマー、好ましくは、ポリ
アミドの改良された相溶性を与えるのに十分な長さを有
する十分なアミドグラフトが存在する。本発明の目的に
関するアミノ酸化合物としては、環状アミド、即ち、加
水分解してアミノ酸化合物を生成することができるラク
タムがある。好ましいアミノ酸モノマーは、式H2NCH
2(CH2nCOOH(式中、nは0〜12であり、更に好まし
くは4〜8である)を有する。最も好ましいアミノ酸は
アミノカプロン酸またはそのラクタムであるカプロラク
タムである。
イオノマーという用語は、ビルマイヤー(Billmeye
r)、Textbook of Polymer Science,第2巻、ウィリ
ー・インターサイエンス(Wiley−Interscience),ア
・ディビジョン・オブ・ジョン・ウィリー・アンド・サ
ンズ・インコーポレーテッド(a Div.of John Wile
y & Sons,Inc.),390頁(1971)の定義と一致し、そ
してアミド鎖上の末端カルボン酸基、更には酸コポリマ
ー上の残留するカルボン酸基および陽イオン含有化合物
からの陽イオンの塩を含む。好ましい陽イオンは、元素
の周期表のI A族、II A族、II B族、III A族および遷移
元素由来であり、ナトリウム、亜鉛、マグネシウムおよ
びカルシウムが最も好ましい。
反応生成物中の全カルボン酸基の最大100%まで、好
ましくは1〜100%、更に好ましくは25〜100%、最も好
ましくは50〜100%を、陽イオン含有化合物からの陽イ
オンで中和する。好ましくは、陽イオンは原子価が1〜
3の金属陽イオンである。好ましくは、コポリマー酸を
最初に少なくとも1種類のアミノ酸化合物と反応させ、
そしてその反応生成物を中和してイオノマーを生成す
る。アミノ酸上のカルボキシル基は陽イオン含有化合物
の陽イオンによって中和されてイオノマーを生成する。
更に、アミノ酸と反応しなかったカルボン酸基も中和す
ることができる。或いは、アミノ酸をコポリマー酸と反
応させる前に陽イオン含有化合物で中和することができ
る。
本発明の方法は、反応生成物上の全カルボン酸基の最
大100%まで、好ましくは25〜100%、そして更に好まし
くは50〜100%を中和することを含む。好ましくは、こ
れは、コポリマー反応生成物の融点を越えて、更に好ま
しくは140℃〜250℃で行われる。
コポリマー反応生成物の前述のイオノマーを製造する
好ましい方法は、α−オレフィンおよび不飽和カルボン
酸、好ましくは、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
のコポリマーを約110℃〜約300℃、好ましくは、約150
℃〜約275℃、更に好ましくは約200℃〜約275℃まで加
熱し;最大100%までのカルボン酸基と反応するのに十
分な量の少なくとも1種類のアミノ酸化合物を加え;そ
してコポリマーおよび酸の反応を行うという工程を含
む。好ましくは、コポリマー酸を110℃〜200℃、更に好
ましくは、125℃〜175℃まで予熱する。反応は、好まし
くは、窒素若しくはアルゴンなどの不活性雰囲気下また
は真空下で行われる。
本発明は、更に、ポリマー組成物および着色組成物を
含む。ポリマー組成物は少なくとも1種類の第一ポリマ
ー、好ましくは、ポリアミドおよび前述のイオノマーを
含む。顔料組成物は顔料と、前述のイオノマーを含む少
なくとも1種類の第二ポリマーと、そして場合により少
なくとも1種類の第一ポリマーとを含む。第一ポリマー
およびイオノマーは別個のものである。配合物の均一性
はイオノマーおよび第一ポリマーの相溶性によって与え
られる。均一性は、押出ストランド保全性などの改良さ
れた溶融加工をもたらす。
本発明のイオノマー塩は、顔料の水性素材中の水が低
分子量ポリマーによってフラッシされる種類の顔料をフ
ラッシする法において有用である。その改良は、本発明
の少なくとも1種類のイオノマーを用いて顔料の水性素
材をフラッシさせ、結果として着色組成物を生成するこ
とを含む。
本発明の着色組成物は、反応生成物上のアミド側鎖が
相溶性を増大する広範囲の組成物中で用いることができ
る。特に有用な組成物は、着色組成物およびポリアミド
ポリマーを含む組成物である。このような組成物は優れ
た均一の顔料分布を有する。更に重要なことに、着色組
成物は、均一で且つ増強された色によって実証される均
一の顔料分布を有するポリアミド組成物を結果として生
じる。実際に、その色は一層完全な顔料分散によって増
強される。
発明の詳細な説明 本発明は、ポリアミドを含むアミド側鎖を有するコポ
リマーを生成する、不飽和酸およびα−オレフィンの低
分子量コポリマーとアミノ酸化合物とのコポリマー反応
のイオノマー塩並びに該イオノマーを製造する方法を含
む。本発明は、更に、ポリマー組成物、イオノマーを含
む着色組成物、更には該着色組成物を含む組成物を含
む。更に、本発明は、イオノマーを用いて顔料をフラッ
シする方法を含む。
本発明のイオノマーを製造するのに有用なコポリマー
酸としては、α−オレフィンおよび不飽和カルボン酸、
好ましくは、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸また
はその誘導体のコポリマーがある。これらのコポリマー
は低分子量であり、数平均分子量は約500〜約6,000、好
ましくは、約1,000〜約3.500である。有用で且つ好まし
いコポリマーとしては、本明細書中に参考としてその開
示が包含されている米国特許第3,658,741号明細書に開
示されたエチレンの均一コポリマーがある。
好ましくは、α−オレフィンは2〜8個の炭素原子を
有し、そして最も好ましくは、エチレンまたはプロピレ
ンである。α−オレフィンは少なくとも約50モル%、好
ましくは約50〜約99.5モル%、更に好ましくは約65〜約
99.2モル%、そして最も好ましくは約80〜約98モル%存
在し、最も好ましいのはエチレンである。
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、米国特
許第3,658,741号明細書に開示された化合物がある。有
用なカルボン酸としては、モノカルボン酸およびポリカ
ルボン酸双方並びにそれらの誘導体があり、下記に記載
されるアミノ酸と反応することができるエステルおよび
無水物を含む。有用なカルボン酸またはそれらの誘導体
としては、3〜6個の炭素原子を有する不飽和モノカル
ボン酸および4〜8個の炭素原子を有するジカルボン酸
がある。エチレンと共重合しうる不飽和酸の具体的な例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸およびフマル酸が
ある。更に有用なのは酸ハライド、アミドおよびエステ
ルであり、アクリリルクロリドおよびアクリルアミドを
含む。用いることができるエステルとしては、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよ
びメタクリル酸ジメチルアミノエチルがある。更に有用
なのはジカルボン酸のモノエステル、例えば、マレンイ
ン酸水素メチル、フマル酸水素メチル、フマル酸水素エ
チルおよびマレイン酸無水物である。特に好ましい化合
物としては、α,β−エチレン性不飽和酸およびそれら
の誘導体がある。
好ましいコポリマー酸は、エチレンおよび3〜6個の
炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和モノカルボ
ン酸のコポリマーである。最も好ましいα,β−エチレ
ン性不飽和モノカルボン酸はアクリル酸である。最も好
ましいのは、酸価が約1〜約180の範囲であるエチレン
アクリル酸コポリマーであり、酸価約40〜160が好まし
く、酸価約40〜120が最も好ましい。酸価は、酸1グラ
フを中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数
によって決定される。数平均分子量は約500〜約5000、
好ましくは約1000〜約3500である。下記の表Iに、好ま
しいエチレンアクリル酸コポリマーの特性を表示する。
コポリマー酸は、アライド・シグナル・インコーポレ
ーテッド(Allied−Signal Inc.)からA−C 540
(A);A−C 580(B)およびA−C 143(C)とし
て入手可能である。
低分子量コポリマー酸は、上記で論及した米国特許第
3,658,741号明細書に記載されたような適当な方法のい
ずれによっても製造することができる。米国特許第3,65
8,741号明細書において特に興味深いのは、第7段落36
行で始まり第8段落6行までの経過である。この方法に
より、望ましくは、エチレンはモノマー供給材料の少な
くとも65重量%を構成し、コモノマーは供給の材料1.0
重量%〜35重量%、好ましくは供給材料の2重量%〜20
重量%である。蒸気相重合の特定の条件下において、供
給材料中および生成物中のモノマーの重量比はほぼ一定
である。供給材料および生成物間のコモノマーの比率は
多くとも僅か少数であるので、本発明によって得られた
生成物は、主要部分のエチレンと、概して0.8重量%〜3
5重量%のコモノマー、好ましくは2.0重量%〜20重量%
のコモノマーを含む。生成物中のコモノマー対供給材料
中のコモノマーの比率は、好ましくは0.7:1〜1.8:1の範
囲内である。
本発明において有用な酸コポリマーは、蒸気圧浸透圧
計によって測定されるように、数平均分子量が、概して
約500〜約6000、好ましくは数平均分子量が約1000〜約3
500である低分子量である。更に望ましくは、コポリマ
ーのブルックフィールド粘度は140℃で約2000センチポ
アズ以下であり、好ましくは、140℃で約200〜約1200セ
ンチポアズである。特に興味深いのは、コポリマー中に
アクリル酸またはメタクリル酸を約1重量%〜約20重量
%、好ましくは約3.5重量%〜約12重量%含み、そして
更に、数平均分子量約1500〜約3500;酸価約10〜約200、
好ましくは約20〜約130;およびASTM D−5に従って約
25℃(77゜F)の室温において荷重100gで5秒間針を用
いて試験した場合の硬度(針入度0.1mm)0.5〜30、好ま
しくは1〜10を特徴とする、エチレンおよびアクリル酸
またはメタクリル酸のコポリマーである。
本発明により、カルボン酸基の最大100%まで、好ま
しくは約50〜約100%、更に好ましくは約10〜約30%
を、反応生成物の重量基準で約0.1〜約50重量%、好ま
しくは約0.1〜約40重量%、更に好ましくは約0.5〜約30
重量%、最も好ましくは約5〜25重量%の、少なくとも
1種類のアミノ酸化合物から誘導された少なくとも1種
類のアミド鎖と反応させる。少なくとも1種類のアミノ
酸から誘導された少なくとも1種類のアミドは、約10〜
約30重量%、または約0.1〜約10重量%存在することが
できる。本発明の目的に関するアミノ酸化合物として
は、アミノ酸および環状アミド、すなわち、加水分解し
てアミノ酸を生成することができるラクタム;並びにそ
れらの誘導体がある。
好ましくは、アミノ酸化合物は、式H2NCH2(CH2nCO
OH(式中、nは0〜12であり、更に好ましくは4〜8で
ある)を有するアミノ酸モノマー;またはこのモノマー
から誘導されるアミノ酸オリゴマー若しくはポリマーで
ある。最も好ましいアミノ酸モノマーはアミノカプロン
酸またはそのラクタムであるカプロラクタムである。
更に有用なアミノ酸化合物は、エステルを含むアミノ
酸の誘導体またはアミノ酸のラクタムである。有用なア
ミノ酸の具体的な例としては、ε−アミノ−カプロン
酸;11−アミノウンデカン酸;12−アミノドデカン酸;モ
ノアミノ−モノカルボン酸のエステル、アミドおよびラ
クタム、例えば、ε−カプロラクタム;ε−アミノカプ
ロン酸エチル;ラウリルラクタム;11−アミノウンデカ
ン酸エチル;11−アミノウンデカノアミド等がある。ア
ミノ酸はポリカプロラクタムなどのポリアミドであるこ
とができる。或いは、ポリアミドはジアミンおよびジカ
ルボキシル化合物から製造される種類のポリアミド、例
えば、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、すなわち、
ナイロン66であることができる。
アミノ酸化合物と酸コポリマーとの間の反応は、式 (式中、xは少なくとも1、好ましくは1〜250であ
り、Rは少なくとも2個のメチレン基、好ましくは4〜
8個のメチレン基を含むことができる) を有するグラフト;または二酸/ジアミンポリアミドの
遊離基を生成する。
各カルボキシル部位で反応した平均アミド鎖長は1〜
約250アミド基、好ましくは、1〜200アミド基であるの
が好ましく、具体的な実施態様は、1〜10アミド基、お
よび1〜5アミド基のアミノ鎖長を含む。100〜250アミ
ド基の一層長いアミド鎖長が存在しうる。好ましくは、
コポリマー反応生成物および別のポリマー、好ましくは
ポリアミドの相溶性を与えるのに十分な長さを有する十
分なアミドグラフトが存在する。本発明の目的に関する
アミノ酸化合物としては環状アミド、すなわち、加水分
解してアミノ酸化合物を生成することができるラクタム
がある。好ましいアミノ酸化合物は、式H2NCH2(CH2n
COOH(式中、nは0〜12であり、更に好ましくは4〜8
である)を有する。最も好ましいアミノ酸はアミノカプ
ロン酸またはそのラクタムであるカプロラクタムであ
る。
本発明において有用なコポリマー反応生成物は、酸価
約10〜約200、好ましくは約25〜約150、そして最も好ま
しくは約25〜約75を特徴とし、ここにおいて酸価は試料
1グラムを中和するのに用いられたKOHのミリグラム数
である。コポリマー反応生成物の140℃でのブルックフ
ィールド粘度は約500〜約5,000、好ましくは、約500〜
約2,000、そして更に好ましくは、約500〜約1,500であ
る。ASTM D−3104によるメトラー滴点は少なくとも約
90℃であることができ、約90℃〜約150℃であることが
できる。
本発明は、イオノマーを製造する方法を含む。好まし
い方法は、コポリマー酸およびアミノ酸の反応生成物を
中和することである。或いは、アミノ酸を最初に陽イオ
ン含有化合物で中和することができ、そしてコポリマー
酸をアミノ酸の塩で中和することができる。
本発明の好ましい実施態様において、前述のコポリマ
ー反応生成物の製造は、α−オレフィンおよびα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸のコポリマーを約110℃〜
約300℃、好ましくは、約150℃〜約275℃、更に好まし
くは約200℃〜約275℃まで加熱し;カルボン酸基の最大
100%まで、好ましくは50〜100%と反応するのに十分な
量の少なくとも1種類のアミノ酸化合物を加え;そして
コポリマーおよびアミノ酸化合物の反応行うという工程
を含む。好ましくは、コポリマー酸をアミノ酸化合物と
反応させる前に、約110℃〜約200℃、更に好ましくは、
約125℃〜約175℃まで予熱する。
反応は、好ましくは、窒素若しくはアルゴンなどの不
活性雰囲気下または真空下で行われる。反応圧力は臨界
的ではなく、好ましくは、約1気圧で行われる。反応は
連続的にまたはバッタで行うことができる。
次に、コポリマー反応生成物を適当な陽イオン含有化
合物で中和する。陽イオン含有化合物はコポリマー反応
生成物に対して直接的に加えることができる。好ましく
は、陽イオン含有物質を水性スラリーおよび/または水
溶液の形で加えてコポリマー反応生成物中の分散を増大
させる。中和反応はコポリマー反応生成物の融解温度を
越える温度で行うのが好ましい。好ましくは、中和反応
は140℃〜250℃、更に好ましくは175℃〜225℃で行われ
る。反応は約1気圧で行うのが好ましい。反応は連続的
にまたはバッチで行うことができる。反応は、所望の程
度の中和が達成されるまで続けられる。好ましい中和時
間は0.5〜10時間、更に好ましくは、1〜5時間であ
り、2〜4時間が最も好ましい。好ましくは、反応器
は、反応体と一緒に反応器中に導入された水、更には反
応中に生じた水を除去するための冷却器などの手段を有
する。
反応を促進させる反応添加剤を加えることができる。
特に好ましい添加剤は酢酸であり、好ましくは、氷酢酸
を加えて反応を促進させ且つ一層均一なイオノマーを製
造する。酢酸は金属酸化物および/または同水酸化物を
一層可溶性の酢酸塩に変換する。これは反応を促進し且
つ金属化合物の凝集物を減少させるのに役立つ。好まし
くは、コポリマー反応生成物重量基準で反応添加剤は少
なくとも0.1%、更に好ましくは、0.1〜1.0%、そして
最も好ましくは、0.2〜0.5%存在する。最も好ましい実
施態様において、陽イオン含有化合物の水性スラリーを
反応添加剤、すなわち、酢酸と混合し、そしてこのスラ
リーを溶融ポリマーが入っている反応器に加える。
或いは、アミノ酸化合物を最初に陽イオン含有化合物
で中和することができる。次に、生成されたアミノ酸金
属塩を、コポリマー酸およびアミノ酸の反応生成物に関
して前記に記載したのと同じ条件下においてコポリマー
酸と反応させることができる。
原子価が1〜3の陽イオンを用いてコポリマー酸を中
和することができる。好ましくは、金属陽イオンは、こ
の方法で用いられる元素の周期表のI A族、II A族、II
B族、III A族および遷移元素から選択することができる
金属の群から誘導される。好適である金属陽イオンは、
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バ
リウム、亜鉛およびアルミニウムの陽イオンであり、ナ
トリウム、亜鉛、カルシウムおよびマグネシウムの陽イ
オンが最も好ましい。陽イオン含有物質は、オキシド、
水酸化物、酢酸塩、メトキシド、オキシレート、硝酸
塩、炭酸塩および重炭酸塩を含む金属塩であることがで
きる。下記で論及される実施例において例証されている
金属塩含有物質としては、水酸化カルシウム、酢酸カル
シウム、酸化マグネシウムおよび酢酸亜鉛がある。
コポリマー酸は最大100%まで中和することができ;
本発明の方法を用いてコポリマー反応生成物を15〜100
%まで中和することは好適であり、更に好ましくは、全
カルボン酸基を25〜100%中和することである。アミド
鎖末端のカルボキシル基、更にはコポリマー酸上の残留
するカルボキシル基も中和することができる。
最も好ましいイオノマーは、ナトリウム、亜鉛、マグ
ネシウムまたはカルシウムの陽イオンを用いて約15〜約
100%まで中和された表Iのコポリマー酸Bの反応生成
物のイオノマーである。
本発明のイオノマーの性質は、出発物質および前述の
反応条件に依存する。しかしながら、本発明のイオノマ
ーは下記の典型的な性質を有する。イオノマーの酸価は
コポリマー酸のそれよりも低い。アミド鎖の長さに応じ
て、イオノマーの酸価はコポリマー酸よりも5〜25%低
いことがある。酸価の典型的な範囲は約8〜約200、好
ましくは、約25〜150、そして更に好ましくは、約25〜7
5であり、ここにおいて酸価は前記のような定義されて
いる。イオノマーの190℃でのブルックフィールド粘度
は5,000〜5,000,000、好ましくは、25,000〜3,000,00
0、そして更に好ましくは、50,000〜2,000,000である。
イオノマーのメトラー滴点(Mettler Drop Point)
(ASTM D−3104)は、90℃〜200℃、好ましくは、100
℃〜150℃である。ある種の用途、例えば、顔料をポリ
アミド中に分散させることに関して、水分を可能な限り
低く、好ましくは、イオノマーの重量基準で0.5%未
満、更に好ましくは、0.1%未満で保持することが望ま
しい。
本発明は、更に、少なくとも1種類の第一ポリマー
と、前述のイオノマーを含む少なくとも1種類の第二ポ
リマーとを含むポリマー組成物を含む。ポリマー組成物
は、最大99%まで、好ましくは1〜99%の少なくとも1
種類の第一ポリマーおよび対応する量の反応生成物を含
む。反応生成物は、米国特許第4,412,040号明細書に記
載されたポリマー潤滑と一致して第一ポリマーを潤滑に
することができる。第一ポリマーは第二ポリマーとは別
個のものである。
第一ポリマーとしては、制限されないが、ポリアミ
ド、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4、ナ
イロン11、ナイロン12等;ポリオレフィン、例えば、ポ
リエチレンおよびポリプロピレン;スチレン基剤ポリマ
ー、例えば、ポリスチレン;ポリエステル、例えば、ポ
リエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタ
レート;ABS(アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチ
レンのコポリマー);ポリカーボネート;フェノール樹
脂がある。
本発明は、前述のコポリマー反応生成物を約1〜約50
重量%、好ましくは約5〜約40重量%、そして更に好ま
しくは約15〜約35重量%;顔料を約1〜約50重量%、更
に好ましくは約5〜約40重量%;および第一ポリマーを
0〜98重量%含む顔料組成物を含む。顔料組成物は、成
形および押出製品、フィルムおよび繊維、インキ等のた
めのポリマー組成物において有用である。イオノマー
は、第一ポリマーとの改良された相溶性によって、米国
特許第4,603,172号明細書に記載された改良された分散
性と一致して顔料分散を改良する。
典型的な顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛;炭
酸カルシウム;重晶石、シリカおよび白土;鉛白;カー
ボンブラック:鉛丹;クロム酸塩顔料;ベネチアレッ
ド;プルシアンブルー;酸化第二クロム;クロムグリー
ン;コバルトブルー;フタロブルー、フタログリーンお
よびアゾ顔料がある。
分散させるための顔料はポリマー100部当り約0.1〜約
100部存在することができる。好ましくは、約0.1〜約50
部の材料が存在する。ポリマー100部当り約0.1〜約1部
の一層低い濃度は、着色剤などの低濃度材料を直接配合
するのに有用である。約10倍より大きい更に高濃度の材
料はポリマー中に直接的に導入することができる。ポリ
マー100部当り材料約10〜約50部の高濃度は、更に多量
の同一または異なるポリマー中へ導入するためのカラー
コンセントレートなどのマスターバッチを製造するのに
有用である。
組成物は、慣用的な添加剤、例えば、充填剤、難燃
剤、酸化防止剤、安定剤、加工助剤等を含む着色剤を含
むことができる。
典型的に、充填剤は広範囲の鉱物、金属、金属酸化
物、ケイ質物質、金属塩およびそれらの物質から選択す
ることができる。充填剤の例としては、ガラス繊維、ア
ルミナ、長石、アスベスト、タルク、炭酸カルシウム、
クレー、カーボンブラック、石英、ノバキュライトおよ
び、シリカ、カオリナイト、ベントナイト、ざくろ石、
雲母、サポー石、珪灰石等の他の形態がある。前述の充
填剤は単に代表的なものであり、本発明において用いる
ことができる充填剤の範囲を制限することを意味してい
るのではない。
本発明のイオノマーは、顔料の水性素材中の水が低分
子量ポリマーによってフラツシ除去される種類の顔料を
フラッシする方法において有用である。本発明の改良
は、顔料の水性素材を本発明の少なくとも1種類のイオ
ノマーによってフラッシすることを含む。
フラッシング処理において、微粉砕された顔料を含む
水性顔料素材は、約25〜約60重量%、更に典型的に約30
〜約45重量%の顔料を対応する量の水と一緒に有するフ
ィルタープレスケーキの形である。イオノマーを、シグ
マ(Sigma)ブレードミキサーなどの混合手段中におい
て前述の量で加える。好ましくは、約25〜約75重量%、
更に好ましくは約40〜約60重量%の顔料および対応する
量の本発明のイオノマーが存在する。水の量は重量%の
中に含まれていない。混合物を、顔料および低分子量反
応生成物から水が分離するまで、典型的に、約90℃〜約
110℃、好ましくは、約90℃〜約100℃、そして最も好ま
しくは、約90℃〜約95℃で加熱する。典型的に、処理は
10〜120分間、更に一般的には15〜30分間を要する。こ
の時点でミキサーに対する能力の低下が観察される。混
合を更に数分間、典型的には更に2〜5分間続ける。ミ
キサー中の水をデカントする。真空を適用して残りの水
を除去することができる。これによって顔料および低分
子量コポリマー反応生成物の均一な配合物が後に残る。
フラッシング処理は、フィルタープレスケーキと、水を
デカントする時に連続的にまたは断続的に加えられたイ
オノマーとを用いてバッチ式でまたは連続的に行うこと
ができる。処理の結果として、コポリマー反応生成物中
の顔料の高品質分散を生じた。
フラッシされた顔料は、前述の種類の第一ポリマーで
更に希釈されて顔料マスターバッチを製造することがで
きる顔料コンセントレートを生じる。このような希釈
は、押出機などの適当な溶融ブレンダー中で溶融配合す
ることによって達成することができる。顔料マスターバ
ッチは、典型的に、40〜80重量%の第一ポリマーおよび
対応して20〜60重量%の顔料コンセントレートを有す
る。
顔料コンセントレートの形のおよび顔料マスターバッ
チ中のフラッシ顔料は、繊維、成形コンパウンド、押出
コンパウンド、シート、フィルム等に用いられるポリマ
ー性組成物において有用である。
下記に記載した実施例は本発明の本質およびそれを実
施する方法を例証する。しかしながら、本発明がその詳
細に制限されると解釈すべきではない。
実施例1 この実施例は、アライド・シグナル・インコーポレー
テッドによってA−C 580として販売された表1のエ
チレンアクリル酸コポリマーBを基剤とする本発明のイ
オノマーを製造するのに有用なコポリマー反応生成物標
品を例証する。このポリマー酸の酸価は71.9であること
を報告する。A−C 580の4361gを12リットルフラスコ
中で溶融させた。窒素雰囲気を全時間中保持した。コポ
リマーを116℃まで加熱し、その時点で6−アミノカプ
ロン酸粉末713gを加えた。混合物を連続的に撹拌した。
温度を上昇させ、149℃で水の発生を観察した。水を蒸
留させた。156℃で水は激しく発生した。次に、温度を1
60〜162℃で3時間保持した。160℃で3時間後にフラス
コから排出し、その時点でその材料の酸価は65.1であっ
た。酸価は、試料1gを中和するのに必要なKOHのミリグ
ラム基準である。
実施例2 パイロットプラント実験を行って、本発明のイオノマ
ーを製造するのに有用なコポリマー反応生成物を製造し
た。用いたコポリマー酸は前記のA−C 580であっ
た。用いたアミノ酸は、数平均分子量が約18,000で、ギ
酸粘度が約50のポリカプロラクタムであった。指示され
た場合、ポリカプロラクタムは少量の熱安定剤を含ん
だ。ポリカプロラクタムは、一方の末端をアミン基でそ
して反対の末端をカルボン酸基で終結した直鎖ポリマー
であった。
充填量550ポンド(250kg)のコポリマー酸を最初に20
0ガロン(0.76m3)タンク中において約1atmでの窒素洗
浄下の145〜150℃で予め溶融した。
溶融コポリマー酸を、反応生成物の生成中にフラッシ
除去する水分を除去するための冷却器を備えた200ガロ
ン(0.76m3)の撹拌された反応器に対して供給した。コ
ポリマー酸を約158〜162℃まで加熱し、そしてポリカプ
ロラクタム155ポンド(70kg)を徐々に加えた。反応器
を密閉し且つ撹拌しながら加熱を260℃まで8時間続け
た。
7回分を安定化したポリカプロラクタムを用いて行い
(実験1〜7)、2回分は安定剤不含の同一のポリカプ
ロラクタムを用いて行った(実験8、9)。結果を下記
の表2に報告する。
実施例3 実施例2の方法を繰返して、酸価が51.1;140℃でのグ
ルックフィールド粘度が1168センチポアズ;およびメト
ラー滴点(Mettler Drop Point)が100.7℃である反
応生成物を生成した。
コポリマー反応生成物の外観は均一で且つ白色であっ
た。触感は硬ろう材料のものであった。比較的低いメト
ラー滴点値で示されるように、この材料は他のポリマー
と容易に溶融配合しうる。
実施例4 実施例2のパイロット規模の実験を酸化亜鉛で中和し
て亜鉛イオノマーを生成した。
実施例2の各実験におけるコポリマー反応生成物を22
0℃まで冷却した。酸化亜鉛の水性スラリーを、ニュー
・ジャージー・ツィンク・カンパニー(New Jersey Z
inc Company)によって微粉として供給された酸化亜鉛
粉末であるカドクス(Kdox)920から製造した。スラリ
ーは酸化亜鉛27ポンド(12.2kg)、水243ポンド(110.2
kg)および氷酢酸1.1ポンド(0.5kg)を含んだ。スラリ
ーを撹拌しながら反応器に対して一定速度で3時間にわ
たって充填した。反応器から排出される水を除去した。
反応器を連続的に監視して、過度に起泡が生じないこと
を確認した。酸化亜鉛スラリーの添加を完了したら、撹
拌を続け且つ温度を220℃〜224℃で3時間保持した。こ
の撹拌時間を用いて酸化亜鉛を溶解させ且つ水分を除去
した。望ましい水分は最大0.1%である。反応を完了し
た時点でイオノマーを取出した。イオノマーに変換され
た実施例2からの実験1〜9の結果を下記の表3に要約
する。
実施例5 本発明のイオノマーと繊維用銘柄ナイロンとの相溶性
は、溶融配合され且つポリマー組成物として充分に押出
されるその能力によって示された。実施例2の実験1〜
7のイオノマーが30重量%の混合物を、ファイヤストー
ン・タイヤ・アンド・ラバー・コーポレーション(Fire
stone Tire and Rubber Corp.)によってファイヤ
ストーンC−200として供給されたペレット形の繊維用
銘柄ナイロン6を70重量%用いて製造した。混合物を、
バレル長さ対直径の比率が24対1である1−1/4インチ
の一軸スクリューブラベンダー(Brabender)押出機を
介して250℃において供給量7.5ポンド/時で押出した。
試料押出性能は1/8押出ストランドの全押出適性に基い
た。保全性、外観および観察された溶融強度を考察し
た。全結果は前記の表3に要約されている。
実施例6 この実施例は典型的な着色組成物を例証した。用いた
顔料は、30〜40重量%の顔料および対応する量の水であ
ったプレスケーキとして供給された、サン・ケミカル・
カンパニー(Sun Chemical Company)からのフタロシ
アン(フタロブルー)であった。
プレスケーキ中の顔料の量を決定し、そして混合物
を、水の重量を除いて等重量の本発明のイオノマーおよ
び顔料を基剤として製造した。
用いたイオノマーは実施例1〜3において製造された
種類のものであった。イオノマーをシグマ・ブレード・
ミキサー中においてそれが溶融するまで加熱した(約10
0℃)。プレスケーキの半分をミキサー中に供給し、15
〜20分後にプレスケーキから水が分離し(プレスケーキ
から生じ)且つ排出された。残りのプレスケーキを加
え、更に15〜20分後に、残りの水が分離し且つ排出され
た。水は最初青色に見え、顔料をイオノマーによって湿
潤させると水は透明で、そしてデカントされた。混合物
を冷却し、着色組成物は脆性プラスチック硬ろうであっ
た。組成物を押出に適したペレット寸法の小片に破砕し
た。着色組成物は、イオノマーを50重量%および顔料を
50重量%有する均一の深青色着色剤であった。
実施例7 実施例6で製造した種類の顔料コンセントレートを繊
維用銘柄ナイロンと一緒に50重量%で押出して、顔料が
25重量%の顔料マスターバッチ組成物を生成した。マス
ターバッチを繊維用銘柄ナイロンと一緒に顔料0.5〜0.2
5重量%の量で押出し且つ結果として生じるカーペット
用繊維に紡糸した。繊維は満足なものであり、均一で且
つ優れた着色性を有した。
本発明の代表的な実施態様を記載したが、発明の真の
範囲は請求の範囲から決定されるものである。
フロントページの続き (72)発明者 セブン,マンフレッド・ケイ アメリカ合衆国ニュージャージー州 07853,ロング・ヴァレイ,マウント・ ヴュー・アベニュー 55 (56)参考文献 国際公開89/4853(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/44

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)と(B)とのコポリマー反応生成物
    のイオノマーであって、(A)がα−オレフィンと不飽
    和カルボン酸との、数平均分子量が500〜6,000のコポリ
    マー酸である該イオノマーにおいて、次の: (B)が式H2NCH2(CH2nCOOH(式中、nは0〜12であ
    る)を有するアミノ酸モノマーから誘導されたアミノ酸
    化合物であり、 (A)のカルボン酸基の0%より大で100%以下が
    (B)のアミン基と反応してアミド結合を生成し、かつ
    (B)は(A)と(B)との総重量の50%までを構成し
    ており、そして (A)と(B)とのコポリマー反応生成物が原子価1〜
    3の金属陽イオンの群より選択される少なくとも1種の
    陽イオンによって0%より大で100%以下中和されてい
    る ことを特徴とする、上記のイオノマー。
  2. 【請求項2】(A)のα−オレフィンがエチレンまたは
    プロピレンであることをさらに特徴とする、請求の範囲
    第1項に記載のイオノマー。
  3. 【請求項3】(B)がアミノカプロン酸またはカプロラ
    クタムであるアミノ酸モノマーから誘導されたものであ
    ることをさらに特徴とする、請求の範囲第1項に記載の
    イオノマー。
  4. 【請求項4】(A)の不飽和カルボン酸がアクリル酸、
    メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸また
    はそれらの混合物から選択されるα,β−エチレン性不
    飽和カルボン酸であることをさらに特徴とする、請求の
    範囲第1項に記載のイオノマー。
  5. 【請求項5】アミノ酸化合物(B)の各カルボキシル部
    位の平均鎖長が、1〜250アミノ酸モノマー単位である
    ことをさらに特徴とする、請求の範囲第1〜4項のいず
    れか1項に記載のイオノマー。
  6. 【請求項6】アミノ酸がポリアミドであることを特徴と
    する、請求の範囲第1項または第5項に記載のイオノマ
    ー。
  7. 【請求項7】陽イオンが元素の周期表のI A族、II A
    族、I B族、III A族および遷移金属より成る群から選択
    される金属陽イオンであることを特徴とする、請求の範
    囲第1項、第5項または第6項に記載のイオノマー。
  8. 【請求項8】陽イオンが次の群の化合物、即ち金属酸化
    物、金属水酸化物、金属オキシレート、金属酢酸塩、金
    属重炭酸塩、金属メトキシドおよび金属硝酸塩から選択
    される金属陽イオンであることを特徴とする、請求の範
    囲第1項に記載のイオノマー。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1〜8項のいずれか1項に記
    載のイオノマーを含み、かつ顔料をさらに含む組成物。
  10. 【請求項10】顔料が水性素材をフラッシュするのに用
    いられる、請求の範囲第1〜8項のいずれか1項に記載
    のイオノマー。
  11. 【請求項11】次の: (A)のカルボン酸基の0%より大で100%以下を反応
    させるのに十分な量の(B)を加え、 上記の十分な量の(B)を(A)と反応させ、それらよ
    りコポリマー反応生成物を生成させ、 該コポリマー反応生成物のカルボン酸基の0%より大で
    100%以下を、元素の周期表I A族、II A族、I B族、III
    A族;元素の周期表の遷移金属;並びに次の群の化合
    物、即ち金属酸化物、金属水酸化物、金属オキシレー
    ト、金属酢酸塩、金属重炭酸塩、金属メトキシドおよび
    金属硝酸塩から選択される1種または2種以上の金属陽
    イオンより成る群から選択される少なくとも1種の金属
    陽イオンで中和する 処理工程を含む方法によって製造される、請求の範囲第
    1〜10項のいずれか1項に記載のイオノマー。
  12. 【請求項12】カルボン酸基の0%より大で100%以下
    の中和を、コポリマー反応生成物の融解温度より高い処
    理温度で行う処理工程をさらに含む方法によって製造さ
    れる、請求の範囲第10項に記載のイオノマー。
JP3-502795A 1990-12-19 低分子量コポリマーアミドのイオノマー Expired - Lifetime JP3064415B2 (ja)

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