JP3064392B2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食器の洗浄を行う食器洗い機に関する。

従来の技術 近年、食器洗い機の洗浄ノズルは洗浄効果を高めるた
め、左右両回転可能に軸受けされることが望まれてい
る。

従来、この種の食器洗い機は、第３図に示すような構
成になっている。

すなわち、本体１内部に洗浄槽２が設けられ、この洗
浄槽２内へ、給水弁３を通じ洗浄水として水または温水
が供給される。排水孔４の他側部に連通したポンプ室に
は、モータ５によって駆動される洗浄ポンプ６が取付け
られている。そして食器洗い機駆動時洗浄水は排水孔４
から洗浄ポンプ６に吸いこまれ、この洗浄ポンプ６より
洗浄槽２内底部の洗浄ノズル７に供給され、ここから噴
射され、食器を洗浄した後ふたたび排水孔４に戻るとい
う経路で循環が行われる。

次に、従来の洗浄ノズルの構成について第４図を参照
しながら説明する。洗浄ノズル７は筒状で通水路をかね
たノズル軸８を有している。ノズル軸８の周りにしゅう
動部材９がはめ合わされており、しゅう動部材９と当接
する位置に、ノズル軸受け10とシール部材11がある。ノ
ズル軸受け10は洗浄槽２内部に取りつけられて固定され
ている。また、シール部材11はノズル軸８にねじ係合
（Ａ部）により固定している。

洗浄行程時においては、洗浄ノズル７は上方へのスラ
スト荷重を受け、浮上しながら回転している。このと
き、しゅう動部材９と、ノズル軸受け10、シール部材11
との間にて、シールを行い洗浄水がもれるのを防いでい
る。したがって、このような構成による洗浄ノズル７は
洗浄水の漏れもなく効率が良い。

発明が解決しようとする課題 このような従来の洗浄ノズルの構成のものでは、シー
ル部材11はねじ係合になっているため、しゅう動部材９
との摩擦により回転力が加わるので、ねじの緩み方向に
なった場合シール部材11はねじが緩み、はずれてしま
う。したがって、洗浄ノズル７の回転は、シール部材11
のねじの締まる一方向のみに制約される。両回転の洗浄
ノズル７を必要とする場合、前記のような構成にするこ
とができない。また、シール部材11はめねじ加工がある
ので、合成樹脂で作る場合でも金型構造が複雑で成型時
間もかかる。さらに、洗浄ノズル７組み立て時もねじ挿
入に時間がかかる。

本発明は上記課題を解決するもので、洗浄ノズルの回
転方向をどちらの回転でも使用でき、また、シール部材
の形状も簡単であり、ノズル軸への組み立ても簡単にで
きるようにすることを目的にしている。

課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、洗浄槽と、前記
洗浄槽の内底部から洗浄水を吸いこみ、洗浄ポンプによ
り加圧した洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、前記洗浄ノ
ズルの回転を支持するノズル軸受けを有して、前記洗浄
ノズルのノズル軸の外周に、回転自在なしゅう動部材
と、前記しゅう動部材と当接するシール部材を、略Ｃ形
のばねによって、ノズル軸受けの内部に洗浄ノズルをス
ラスト方向に可動で回転自在に保持したものである。

作用 本発明は上記した構成により、略Ｃ形のばねによりシ
ール部材を所定の位置に保持しているので、洗浄ノズル
の回転方向をどちらの回転に対しても略Ｃ形のばねがは
ずれてシール部材が脱落することはない。また、シール
部材は、めねじ加工の必要もなく簡単なリング状の部材
である。さらに、組み立てにおいては、シール部材をノ
ズル軸に先に挿入し、略Ｃ形のばねを所定の位置に挿入
するだけなので非常に簡単である。

実 施 例 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図を参照
しながら説明する。

図において、第３図および第４図と同一部分には同一
符号を付し説明を省略する。

第２図に示すように、シール部材11はリング状の簡単
な形状である。略Ｃ形のばね12は、洗浄ノズル７のノズ
ル軸８の外周にはめ止められ、その上にシール部材11に
続いてしゅう動部材９が順次挿入される。ノズル軸８に
は径の異なる段差8aを設けており、シール部材11を挿入
したときにシール部材11がしゅう動部材９側に移動しな
いようにしている。次に略Ｃ形ばね12を、ノズル軸８に
設けられた溝8bに装着することによりシール部材11が下
方にぬけるのを防止することができる。したがって、シ
ール部材11は所定のしゅう動部材９との当接位置に配設
される訳である。ここで、洗浄運転時においては、洗浄
ノズル７は上方へのスラスト荷重が加わり、シール部材
11は略Ｃ形ばね12により上へ押し上げられ、しゅう動部
材９に当接，しゅう動回転して良好なシールが行われ
る。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、
略Ｃ形のばねをノズル軸の所定の位置に装着して、シー
ル部材を所定の位置に保持するように構成したものであ
るので、シール部材は、洗浄ノズルの回転方向に対して
なんら制約を受けないので、洗浄ノズルの回転方向は自
由に設定できる。したがって、洗浄中に洗浄ノズルを左
右両回転することも可能である。

また、シール部材は簡単なリング状の部材で良く、め
ねじ加工等の必要性がない。したがって、簡単な略Ｃ形
のばねを含めても安価に製作することができる。さら
に、洗浄ノズルの組み立てにおいても、シール部材と略
Ｃ形のばねをノズル軸に挿入するだけなので非常に簡単
に組み立てでき、より安価な食器洗い機を提供できる訳
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の食器洗い機の実施例の要部断面図、第
２図は同分解斜視図、第３図は従来の食器洗い機の縦断
面図、第４図は同要部断面図である。 ２……洗浄槽、６……洗浄ポンプ、７……洗浄ノズル、
８……ノズル軸、９……しゅう動部材、10……ノズル軸
受け、11……シール部材、12……略Ｃ形のばね。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄槽と、前記洗浄槽の内底部から洗浄水
   を吸いこみ、洗浄ポンプにより加圧した洗浄水を噴射す
   る洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルの回転を支持するノズ
   ル軸受けを有して、前記洗浄ノズルのノズル軸の外周
   に、回転自在なしゅ動部材と、前記しゅう動部材と当接
   するシール部材を、略Ｃ形のばねによって、ノズル軸受
   けの内部に洗浄ノズルをスラスト方向に可動で回転自在
   に保持した食器洗い機。