JP3063969U - 回路型ヒ―トパイプのサ―マルバッテリ - Google Patents

回路型ヒ―トパイプのサ―マルバッテリ

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JP3063969U JP1999003386U JP338699U JP3063969U JP 3063969 U JP3063969 U JP 3063969U JP 1999003386 U JP1999003386 U JP 1999003386U JP 338699 U JP338699 U JP 338699U JP 3063969 U JP3063969 U JP 3063969U
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明哲 蕭
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希立 陳
明哲 蕭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有効にエネルギーの保存或いは釈放の自動操
作が行える回路型ヒートパイプのサーマルバッテリの提
供。 【解決手段】 本考案は一種の回路型ヒートパイプのサ
ーマルバッテリを提供するもので、それは、内部に相転
移媒体が保存され、固体、液体間の凝固と融化相変化に
より、熱エネルギーを保存或いは釈放するエネルギー保
存タンクと、内部に作業流体を有し、作業流体の液体、
気体間の凝縮と沸騰相の変化によりエネルギーを伝播す
る回路式並列ヒートパイプと、ヒートソースの熱交換器
とヒートシンクの熱交換器とを具え、熱交換器内の伝動
流体の流動により、熱エネルギーを高温熱交換器より回
路式並列ヒートパイプを介してエネルギー保存タンク内
に保存するか、或いはエネルギー保存タンク内よりエネ
ルギーを放出して回路式並列ヒートパイプを介して低温
熱交換器に与えるようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は一種の回路型ヒートパイプのサーマルバッテリに関し、それは熱エネ ルギー或いは冷エネルギーの保存と放出に用いられる蓄熱或いは蓄冷電池設備と され、その機能は一般の電池のように、熱エネルギー或いは冷エネルギーがサー マル電池或いは蓄冷電池中に保存されて、必要時に、エネルギーを放出し使用に 供するもので、熱エネルギー或いは冷エネルギーの提供が過多である時、余った 熱エネルギー或いは冷エネルギーがサーマルバッテリ或いは蓄冷電池中に保存さ れ、或いは熱エネルギー或いは冷エネルギーが不足する時、一部の熱量をサーマ ルバッテリ或いは蓄冷電池より利用に供し、十分にエネルギー資源を利用できる ようにしたものとされる。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、多くの熱エネルギー或いは冷エネルギーが使用中に有効に保存 と利用されずに大気中に散失され、廃熱を形成し、環境汚染をもたらし、使用設 備の効率の低下とエネルギー資源の浪費を形成している。もしこれらの熱エネル ギー或いは冷エネルギーを回収、保存、並びに利用することができれば、環境汚 染を減少し、且つシステムのエネルギー資源の使用効果を上げ、エネルギー資源 を節約する目的を達成できるであろう。
【0003】 一般に、熱エネルギー(或いは冷エネルギー)の保存と利用にはいずれも主動 式制御の設計が採用され、即ち蓄熱器のシステム設計時に、ポンプで熱エネルギ ーを高温の熱源部分より作業流体の流動により蓄熱器内に送るようにされ、利用 時には、電磁弁の制御により作業流体の流動経路を制御し、蓄熱器のエネルギー を低温のヒートシンクに釈放し利用している。このような蓄熱の方式は二つの欠 点を有していた。即ちその一つはポンプの運転により作業流体を伝送する必要が あり、電磁弁の制御により作業流体のエネルギーの保存と放出を制御する特性か ら、使用するポンプや電磁弁に操作費用と電力がかかり、システムが一旦故障す ると、蓄熱器が操作不能となったことである。第二の欠点は、システムの管路の 設計により、エネルギーの保存と釈放の機能を改変するため、操作モード上僅か にエネルギーの保存と釈放の二種類の機能しかなく、熱エネルギーを利用中、熱 エネルギー供給側と熱エネルギー利用側が同時に操作を行うと、進行不能となっ た。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の主要な目的は、上述の蓄熱器の欠点を改善することにあり、具体的に は、被動式制御の設計を利用し、ポンプと電磁弁を必要とせず、且つ操作モード が、エネルギーの保存と釈放の二種類のほかに、熱エネルギー供給側と熱エネル ギー利用側で同時に進行しても、また操作可能であるようにすることにある。即 ち、熱エネルギーの利用において、供給側が過多の熱エネルギーを提供した時に 、熱エネルギーを利用側に提供するだけでなく、余分の熱エネルギーをサーマル バッテリ中に保存できるようにする。そして供給側の提供する熱エネルギーが不 足した時にはサーマルバッテリが不足のエネルギーを利用側にし、十分にサーマ ルバッテリの機能を発揮できるようにし、その応用の場合が冷エネルギーに関し てなされる場合は即ち蓄冷電池とされうる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、熱エネルギーと冷エネルギーの保存、釈放を行う蓄熱或い は蓄冷電池とされ、エネルギー保存タンク、回路式並列ヒートパイプ及び高温サ ーマルソースの熱交換器と低温ヒートシンクの熱交換器とを具えた回路型ヒート パイプのサーマルバッテリにおいて、 該エネルギー保存タンクは、その内部に相転移媒体が充填され、外部に断熱材 料があり、上部にタンク上蓋が設けられ、下部に排出孔があり、 該回路式並列ヒートパイプは、該エネルギー保存タンク内部に位置する垂直の 並列式パイプ列を具え、該並列式パイプ列外に羽根片が有り並列式パイプ列の周 囲に緊密に接触し、高温の垂直導熱パイプと低温の垂直導熱パイプがそれぞれエ ネルギー保存タンクの外に設けられ、高温の垂直導熱パイプと低温の垂直導熱パ イプの内外に羽根片或いは螺旋状溝がなく、垂直の並列式パイプ列と高温の垂直 導熱パイプと低温の垂直導熱パイプを上水平パイプと下水平パイプが連接し、該 回路式並列ヒートパイプ内に水或いはフレオン或いはそれに代替可能である作業 流体が充填され、別に該高温の垂直導熱パイプに連接する圧力制限安全タンクが 該エネルギー保存タンクの外部に設けられ、 該高温サーマルソースの熱交換器と低温ヒートシンクの熱交換器が該回路式並 列ヒートパイプ中に設けられてエネルギー保存タンク外の高温の垂直導熱パイプ と低温の垂直導熱パイプの外部に設けられ、伝動流体のチャネルを形成し、該高 温サーマルソースの熱交換器と低温ヒートシンクの熱交換器の外部に断熱材料が 設けられたことを特徴とする、回路型ヒートパイプのサーマルバッテリとしてい る。 請求項2の考案は、前記高温サーマルソースの熱交換器を流れる高温伝動流体 のエネルギーが、回路式並列ヒートパイプ内の作業流体の沸騰と凝縮による相転 移媒体の融解によりサーマルバッテリ内に保存され、低温ヒートシンクの熱交換 器を低温伝動流体が流れる時にサーマルバッテリ内に保存されたエネルギーを受 け取りそのエネルギー値が増し、回路式並列ヒートパイプ内の作業流体の凝縮と 沸騰によりエネルギーが相転移媒体の凝固により釈放されるようにしてあること を特徴とする、請求項1に記載の回路型ヒートパイプのサーマルバッテリとして いる。 請求項3の考案は、前記高温伝動流体と低温伝動流体が同時に操作される時に 高温伝動流体のエネルギーが直接低温伝動流体に提供され、残りのエネルギーが サーマルバッテリ内に保存されるか、或いは不足する熱エネルギーがサーマルバ ッテリより低温伝動流体に供給されるようにしてあることを特徴とする、請求項 2に記載の回路型ヒートパイプのサーマルバッテリとしている。 請求項4の考案は、前記冷エネルギーが必要とされる場合に蓄冷電池とされ、 その作業原理が蓄熱電池と同じであることを特徴とする、請求項1に記載の回路 型ヒートパイプのサーマルバッテリとしている。
【0006】
【考案の実施の形態】 図1は本考案のサーマルバッテリの断面図であり、該図に示されるように、本 考案はエネルギー保存タンク(12)を具え、その内部に相転移媒体(13)が 充填され固体、液体間の凝固と融解の方式によりエネルギーの保存或いは釈放を 行うようにしてあり、外部に断熱材質(14)が設けられて熱損失が防止され、 上部は保存タンクの上蓋(15)とされて相転移媒体(13)補充時に用いられ 、下部には排出孔(16)があり、熱媒体の排出口とされている。別に一つの回 路式並列ヒートパイプ(20)が三部分に分けられ、一つは並列式パイプ列(2 1)とされ、垂直にエネルギー保存タンク(12)内部に置かれ、外部に短羽根 片(211)が設けられ、緊密に垂直な並列式パイプ列(21)の周囲に接触し 、垂直の並列式パイプ列(21)の熱伝導接触面積を増加し、且つエネルギー保 存タンク(12)内に多くのエネルギー保存室(212)を形成しており、相転 移媒体(13)がエネルギーの保存或いは釈放を行う時、即ち各エネルギー保存 室(212)内で融解或いは凝固が進行される。第二の部分は高温の垂直導熱パ イプ(22)と低温の垂直導熱パイプ(23)であり、それぞれエネルギー保存 タンク(12)外に置かれて高温と低温の伝動流体と熱交換を進行し、高温と低 温の伝動流体と熱交換を進行し、高温と低温の垂直導熱パイプ(22)、(23 )内外に短羽根片(211)或いは螺旋溝付きパイプが設けられ、伝動流体を気 体(空気)或いは気態或いは液体(水或いは液体冷媒)となす熱伝導性能が強化 されている。第3の部分はエネルギー保存タンク(12)内の垂直な並列式パイ プ列(21)とエネルギー保存タンク(12)外の高温と低温の垂直導熱パイプ (22)、(23)を連接する上水平パイプ(24)と下水平パイプ(25)と され、以上で回路式並列ヒートパイプ(20)が形成されている。この回路式並 列ヒートパイプ(20)には適当な適量の作業流体が充填され、この作業流体は 水或いは冷凍剤(26)例えばフレオンとされる。別に一つの圧力制限安全タン ク(27)があり、それと高温の垂直導熱パイプ(22)が連結され並びにエネ ルギー保存タンク(12)外部に置かれ、適時に作業流体充填或いは膨張の空間 とされる。また、高温の垂直導熱パイプ(22)と低温の垂直導熱パイプ(23 )外に伝動流体の流動チャネルがあり、高温熱交換器(31)と低温熱交換器( 32)のためにそれぞれ高温或いは低温の伝動流体(例えば空気、水或いはフリ オン)を通過させ、高温の垂直導熱パイプ(22)或いは低温の垂直導熱パイプ (23)と熱交換を進行するものとされ、高温、低温の熱交換器外に断熱材料( 33)が取り付けられて操作或いは機械停止時の熱量の放出が防止されている。
【0007】 図2には本考案のサーマルバッテリの熱エネルギー保存の動作が示される。図 1も同時に参照されたい。これらの図より分かるように、高温の伝動流体で熱エ ネルギー保存を進行する時には、高温の伝動流体が高温熱交換器(31)に流入 する。この時、熱量は高温の垂直導熱パイプ(22)内の作業流体(26)に伝 えられ、作業流体(26)が熱量を吸収して沸騰現象を発生し、発生した気体の 作業流体が浮力により上水平パイプ(24)に流入した後、上から下へとエネル ギー保存タンク(12)内の垂直の並列式パイプ列(21)内に流入し、この時 、気態の作業流体は冷却後に熱量を放出しエネルギー保存室(212)内の固態 の相転移媒体(13)に与え、融解して液態の作業流体となす。凝結後の液態作 業流体の密度は気態作業流体の密度より大きくなり、重力により垂直の並列式パ イプ列(21)の内壁に沿って下水平パイプ(25)に流入し、高温の垂直導熱 パイプ(22)に至り一つの循環回路が完成する。エネルギー保存タンク(12 )内の各エネルギー保存室(212)内において、垂直の並列式パイプ列(21 )内の気態の作業流体が凝結して液態となる時に放出されるエネルギーが吸収さ れ、固態の相転移媒体(13)が融解して液態となり、エネルギー保存タンク( 12)内の固態の相転移媒体(13)が完全に液態となると、熱エネルギーは潜 熱として保存される。
【0008】 図3には本考案のサーマルバッテリを熱放出に利用する動作が示される。図1 も参照されたい。低温の伝動流体がサーマルバッテリの熱エネルギーを利用する 必要がある時、低温の伝動流体は低温熱交換器(32)に流入し、サーマルバッ テリのエネルギーを吸収し、伝動流体の熱容量が増加し、この時低温の垂直導熱 パイプ(23)内の気態の作業流体(26)がエネルギーを放出して低温の伝動 流体に与えて凝結して液態の作業流体となり、低温の垂直導熱パイプ内壁に沿っ て薄膜冷却液を形成し、重力により下水平パイプ(25)を通り、垂直の並列式 パイプ列(21)に至る。この時垂直の並列式パイプ列(21)内の液態の作業 流体は管外部のエネルギー保存室(212)の液態の相転移媒体(13)を吸収 し、沸騰して気態の作業流体を発生し、浮力により上水平パイプ(24)に流れ た後、上から下へと低温の垂直導熱パイプ(23)に流入し、こうして一つの循 環回路を完成する。エネルギー保存タンク(12)内の各エネルギー保存室(2 12)において、熱量が垂直の並列式パイプ列(21)に与えられ、液態の相転 移媒体(13)を固態の相転移媒体(13)となし、サーマルバッテリ内のエネ ルギーが、相転移媒体(13)の凝固と回路式並列ヒートパイプ内の作業流体の 沸騰と凝結とにより、低温の伝動流体に与えられる。
【0009】 以上に述べた運転モードは、それぞれ高温の伝動流体でサーマルバッテリにエ ネルギーを保存するエネルギー保存モード(図2)と、低温の伝動流体にサーマ ルバッテリ内のエネルギーを利用させるエネルギー放出モード(図3)のみであ る。もし、高温の伝動流体をエネルギー保存モード下で操作し、低温の伝動流体 をエネルギー放出モード下で、同時に操作すると、高温の伝動流体の提供するエ ネルギーが低温の伝動流体の帯走するエネルギーより多いか、少ないか或いは等 しいかという三種の状況が発生する。これについてその操作原理をそれぞれ説明 する。
【0010】 図4に示されるのは本考案のサーマルバッテリの、高温の伝動流体の提供する エネルギーが低温の伝動流体の帯走するエネルギーより多い操作モードでの運転 原理を示す。高温の伝動流体が大量の熱量を高温熱交換器(31)に流す時、高 温の垂直導熱パイプ(22)内の作業流体(26)の蒸発、沸騰が形成されて大 量の気態の作業流体が発生し、それぞれ浮力により上水平パイプ(24)に至り 、さらにエネルギー保存タンク(12)内の垂直の並列式パイプ列(21)とタ ンク外の低温の垂直導熱パイプ(23)に流れ、垂直の並列式パイプ列(21) に留まった一部の気態の作業流体は冷却され、エネルギーがエネルギー保存タン ク(12)内の各エネルギー保存室(212)内に保存され、また低温の垂直導 熱パイプ(23)内に留まった一部の気態の作業流体は冷却され、熱量を低温熱 交換器(32)より低温の伝動流体に与え、冷却液は重力により高温の垂直導熱 パイプ(22)に流れ、循環が完成する。これにより、この時サーマルバッテリ は高温の伝動流体の有するエネルギーを低温の伝動流体に与え、残った熱エネル ギーをサーマルバッテリ内に保存可能である。
【0011】 図5に示されるのは本考案のサーマルバッテリの、高温の伝動流体の提供する エネルギーが低温の伝動流体の帯走するエネルギーより低い操作モードでの運転 原理を示す。高温の伝動流体の熱量が高温熱交換器(31)を流れる時、高温の 垂直導熱パイプ(22)内の作業流体(26)の沸騰が形成されるが、ただしそ の蒸気の発生量が低温熱交換器(32)内の低温伝動流体の要求に不足する時、 エネルギー保存タンク(12)内の相転移媒体(13)が熱量を放出してタンク 内の垂直導熱パイプ(22)内の作業流体を沸騰させ、気態の作業流体を低温の 垂直導熱パイプ(23)に送り、気態の作業流体が冷却され、エネルギーが低温 の伝動流体に伝えられ、作業流体が沸騰と冷却により回路式ヒートパイプ内で循 環を完成する。これにより、この時、サーマルバッテリは高温の伝動流体の有す るエネルギーを低温の伝動流体に与え、不足する熱エネルギーをサーマルバッテ リより供給している。
【0012】 以上の説明から分かるように、高温の伝動流体の提供するエネルギー量が低温 の伝動流体の必要なエネルギー量に等しい時、サーマルバッテリ全体の操作運転 下にあって、僅かに高温の垂直導熱パイプ(22)が高温熱交換器(31)より 吸収した熱量が作業流体を蒸発或いは沸騰させ、発生した気態の作業流体が上水 平パイプ(24)より低温の垂直導熱パイプ(23)に進入して冷却され、熱量 が低温の伝動流体に与えられる。この時、サーマルバッテリ内のエネルギー保存 タンク(12)内の相転移媒体(13)はエネルギーを保存或いは釈放する必要 がなく、エネルギー保存タンク(12)内に保存されたエネルギーが冷エネルギ ーである時には蓄冷電池と称され、その作業原理はサーマルバッテリと同じであ る。
【0013】 本考案のサーマルバッテリと蓄冷電池が回路式ヒートパイプを利用することで 有効にエネルギーの保存と利用を行い、エネルギーの使用効率を向上し、エネル ギー資源を節約できることを説明するために、周知のエアコンディショナーを例 として本考案の応用実例を説明する。図6に示されるように、エアコンディショ ナーは、圧縮機(61)、気冷式凝縮器(62)、蒸発器(63)及び膨張手段 (64)で組成された冷媒循環システムであり、もしR−22を冷媒とするなら 、凝結温度は50℃、蒸発温度は5℃であり、即ち伝統的な蒸気圧縮循環の性能 操作係数(COP)は4.77とされ、このシステム中の圧縮機の出口の過熱冷 媒温度は70℃であり、もし圧縮機(61)の排気管に本考案のサーマルバッテ リを取り付けると、図7に示されるように、70℃の過熱冷媒のエネルギーが高 温熱交換器(31)を介してサーマルバッテリに保存され、50℃の温度で凝縮 器(62)に進入し、この時凝縮温度は40℃まで降下可能で、このようにサー マルバッテリを排気管の熱回収設備として利用すれば、全体の性能操作係数は6 .56となり、38%向上する。且つサーマルバッテリ内に保存されたエネルギ ーも低温熱交換器(32)を介して民生用の熱エネルギーとして利用可能で、例 えば、水を25℃から45℃に予熱し、民生の洗浄或いは工業工程用水として使 用できる。この時、サーマルバッテリ内の相転移媒体(13)に47℃の融解或 いは凝固の潜熱保存方式、例えばパラフィン或いは化学エネルギーの保存方式を 採用できる。
【0014】 本考案のサーマルバッテリは、上述の排気管熱回収保存機能に利用されうるほ か、蓄冷電池に利用されて冷媒過冷式氷保存システムとされうる。このシステム は図8に示されるように、蓄冷電池(12)を夜間の電力使用非ピーク時に氷保 存プロセスを進行するのに利用し(相転移媒体(13)は水とされる)、この時 、電磁弁(SV1)は閉じられ、電磁弁(SV2)は開かれ、冷媒は膨張弁(E V2)を流れた後に、温度が−2℃となり、低温の冷媒が低温熱交換器(32) を流れた後に、冷エネルギーで水を凝固させ氷を蓄冷電池(12)内に保存する 。もし凝縮温度が50℃なら、夜間の非ピーク時の氷保存の熱性能係数COP= 3.90である。もし夜間の非ピーク時に、外気温度が比較的低く、凝縮温度が 40℃である時は、その氷保存運転の熱性能係数COP=5.19となる。
【0015】 夜間の電力使用非ピーク時に氷保存をするのに、蓄冷電池内で用いる相転移媒 体(13)が水である時、水が凝固して氷となる温度は0℃であり、このため冷 媒が製氷器、即ち低温熱交換器(32)を流れる温度は0℃より低く、−2℃と なり、よって、空調時に必要な蒸発温度5℃より7℃下がる。このためもし使用 する相転移媒体(13)を改変できれば、相転移温度を7或いは8℃に向上でき 、即ち蓄冷時の熱性能係数を向上できる。図9には優態塩(相転移温度約7℃) を蓄冷電池の相転移媒体(13)として利用し、夜間電力を利用して氷保存を進 行すると、蒸発温度が5℃で空調の蒸発温度と同じとされるため、もし凝縮温度 が50℃とされる状況では、氷保存の熱性能係数が伝統的な気冷式直接膨張空調 システムと同じCOP=4.77となる。
【0016】 日中の使用電力ピーク時において、図10と図11に示されるように、蓄冷電 池内の水と優態塩を相転移媒体(13)とする時、気冷式凝縮器(62)内の飽 和冷媒が、融氷器(高温熱交換器(31))を通過して過冷状態の冷媒となり、 この時、電磁弁(SV1)が開き、もう一組の電磁弁(SV2)が閉じ、冷やさ れた状態の冷媒が膨張弁(EV1)(64)を通り蒸発器(63)を通過した後 、その冷凍効果が増加される。図10に示される応用例では凝縮温度40℃、蒸 発温度5℃、過冷温度15℃とされ、即ち水を相転移媒体(13)とした蓄冷電 池(12)の、融氷後の冷媒過冷下での運転の熱性能操作係数COP=7.37 で、その効率は伝統的な気冷式空調機より55%高くなった。図11の応用例で は、同様の凝縮温度と蒸発温度下で、優態塩を相転移媒体とし、過冷温度が10 ℃とされ、蓄冷電池(12)の冷エネルギー放出後の冷媒過冷の熱性能操作係数 COP=7.10で、その効率は伝統的な気冷式空調機より49%高くなった。
【0017】 本考案の別の実施例では、サーマルバッテリと蓄冷電池を同時に応用しており 、そのうちサーマルバッテリは圧縮機の排気管の熱エネルギーを回収して保存し 並びに熱水の必要に供され、蓄冷電池は夜間電力を利用して水(図12参照)或 いは優態塩(図13参照)を相転移媒体(13)として凝固させて固態となし保 存し、日中の使用電力ピーク時を待って、冷エネルギーを放出し(固態の相転移 媒体(13)を融解して液態となす)、融氷過冷却器(即ち高温熱交換器(31 ))で冷媒を過冷し、蒸発器で空調の必要な冷エネルギーを提供する。本考案の 実施例ではサーマルバッテリを利用して高圧の凝縮温度を下げ、同時に、冷媒過 冷により冷凍効果を増加し、日中の電力使用ピーク時に空調機使用のCOPを高 めている。図12の例では、水を相転移媒体(13)として利用し、過冷温度は 15℃に達し、凝縮温度は35℃、熱性能係数=8.81(85%アップ)であ り、図13の例では、優態塩を相転移媒体(13)とし、過冷温度は10℃に達 し、熱性能係数=8.51(78%アップ)であった。
【0018】 本考案のさらに別の実施例によると、優態塩を蓄冷電池内の相転移媒体(13 )として利用し、低温熱交換器(32)の伝動流体の作業温度を5℃として空調 時に必要な蒸発温度と同じくしており、この時、比例式三方弁を前述の二つの電 磁弁の代わりに使用可能で、これは図14に示される如しである。本システムの 考案は、夜間の非ピーク時電力をと低温外気を利用して蓄冷し、日中、蓄冷電池 が冷エネルギーを放出して冷媒を過冷とし、冷房能力を高め、エネルギー資源を 節約し、ピーク時の電力使用を転移している。比例式三方弁P.V.の使用によ り、蓄冷電池が蓄冷と釈冷可能となり、蓄冷と釈冷の分配は空調に必要な負荷に より決定される。図15は蓄冷電池をピーク時の空調電力使用に転移して運転効 率を高め、それをサーマルバッテリによる排気管熱量の回収と保存に組み合わせ て、民生用熱水を提供できるようにする過程を示している。
【0019】 以下の表1は本考案の実施例の熱性能操作係数の比較を示したものである。
【表1】
【0020】
【考案の効果】
本考案は一種の回路型ヒートパイプのサーマルバッテリを提供するもので、そ れは、内部に相転移媒体が保存され、固体、液体間の凝固と融化相変化により、 熱エネルギーを保存或いは釈放するエネルギー保存タンクと、内部に作業流体を 有し、作業流体の液体、気体間の凝縮と沸騰相の変化によりエネルギーを伝播す る回路式並列ヒートパイプと、ヒートソースの熱交換器とヒートシンクの熱交換 器とを具え、熱交換器内の伝動流体の流動により、熱エネルギーを高温熱交換器 より回路式並列ヒートパイプを介してエネルギー保存タンク内に保存するか、或 いはエネルギー保存タンク内よりエネルギーを放出して回路式並列ヒートパイプ を介して低温熱交換器に与えるようにしてある。これにより、動力の要求なくし てヒートパイプの優れた熱伝導特性により、有効にエネルギーの保存或いは釈放 の自動操作が行え、その機能は一般の電池の如しであり、熱エネルギーを十分に 有効に利用できることをその特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の断面図である。
【図2】本考案の熱エネルギー保存時の作業原理表示図
である。
【図3】本考案の熱エネルギー釈放時の作業原理表示図
である。
【図4】本考案の熱エネルギー供給が熱エネルギー使用
より大きい時の作業原理表示図である。
【図5】本考案の熱エネルギー使用が熱エネルギー供給
より大きい時の作業原理表示図である。
【図6】本考案を伝統的な気冷式直膨空調システムに運
用したシステム図である。
【図7】本考案のサーマルバッテリを排気管熱回収シス
テムに応用した実施例図である。
【図8】本考案の蓄冷電池を夜間氷保存過程に応用した
実施例図である。
【図9】本考案の優態塩蓄冷電池を夜間氷保存過程に応
用した実施例図である。
【図10】本考案の水蓄冷電池を利用して日中の融氷冷
媒過冷却過程を行う実施例図である。
【図11】本考案の優態塩蓄冷電池を利用して日中の融
氷冷媒過冷却過程を行う実施例図である。
【図12】本考案のサーマルバッテリと水蓄冷電池を利
用し、圧縮機排気管熱回収と冷媒過冷却過程を行う実施
例図である。
【図13】本考案のサーマルバッテリと優態塩蓄冷電池
を利用し、圧縮機排気管熱回収と冷媒過冷却過程を行う
実施例図である。
【図14】本考案の蓄冷電池を利用し、同時に保冷と釈
冷を行う過程表示図である。
【図15】本考案のサーマルバッテリと優態塩蓄冷電池
を利用し、圧縮機排気管熱回収と冷媒過冷却過程及び冷
房過程を行う実施例図である。
【符号の説明】
1、2 電磁弁 12 エネルギー保存タンク 13 相転移媒体 14 断熱材料 15 保存タンク上蓋 16 排出孔 20 回路式並列ヒートパイプ 21 垂直の並列式パイプ列 211 短羽根片 212 エネルギー保存室 22 高温の垂直導熱パイプ 23 低温の垂直導熱パイプ 24 上水平パイプ 25 下水平パイプ 26 作業流体 27 圧力制限安全タンク 31 高温熱交換器 32 低温熱交換器 33 断熱材料 61 圧縮機 62 気冷式凝縮器 63 蒸発器 64 膨張手段

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギーと冷エネルギーの保存、釈
    放を行う蓄熱或いは蓄冷電池とされ、エネルギー保存タ
    ンク、回路式並列ヒートパイプ及び高温サーマルソース
    の熱交換器と低温ヒートシンクの熱交換器とを具えた回
    路型ヒートパイプのサーマルバッテリにおいて、 該エネルギー保存タンクは、その内部に相転移媒体が充
    填され、外部に断熱材料があり、上部にタンク上蓋が設
    けられ、下部に排出孔があり、 該回路式並列ヒートパイプは、該エネルギー保存タンク
    内部に位置する垂直の並列式パイプ列を具え、該並列式
    パイプ列外に羽根片が有り並列式パイプ列の周囲に緊密
    に接触し、高温の垂直導熱パイプと低温の垂直導熱パイ
    プがそれぞれエネルギー保存タンクの外に設けられ、高
    温の垂直導熱パイプと低温の垂直導熱パイプの内外に羽
    根片或いは螺旋状溝がなく、垂直の並列式パイプ列と高
    温の垂直導熱パイプと低温の垂直導熱パイプを上水平パ
    イプと下水平パイプが連接し、該回路式並列ヒートパイ
    プ内に水或いはフレオン或いはそれに代替可能である作
    業流体が充填され、別に該高温の垂直導熱パイプに連接
    する圧力制限安全タンクが該エネルギー保存タンクの外
    部に設けられ、 該高温サーマルソースの熱交換器と低温ヒートシンクの
    熱交換器が該回路式並列ヒートパイプ中に設けられてエ
    ネルギー保存タンク外の高温の垂直導熱パイプと低温の
    垂直導熱パイプの外部に設けられ、伝動流体のチャネル
    を形成し、該高温サーマルソースの熱交換器と低温ヒー
    トシンクの熱交換器の外部に断熱材料が設けられたこと
    を特徴とする、回路型ヒートパイプのサーマルバッテ
    リ。
  2. 【請求項2】 前記高温サーマルソースの熱交換器を流
    れる高温伝動流体のエネルギーが、回路式並列ヒートパ
    イプ内の作業流体の沸騰と凝縮による相転移媒体の融解
    によりサーマルバッテリ内に保存され、低温ヒートシン
    クの熱交換器を低温伝動流体が流れる時にサーマルバッ
    テリ内に保存されたエネルギーを受け取りそのエネルギ
    ー値が増し、回路式並列ヒートパイプ内の作業流体の凝
    縮と沸騰によりエネルギーが相転移媒体の凝固により釈
    放されるようにしてあることを特徴とする、請求項1に
    記載の回路型ヒートパイプのサーマルバッテリ。
  3. 【請求項3】 前記高温伝動流体と低温伝動流体が同時
    に操作される時に高温伝動流体のエネルギーが直接低温
    伝動流体に提供され、残りのエネルギーがサーマルバッ
    テリ内に保存されるか、或いは不足する熱エネルギーが
    サーマルバッテリより低温伝動流体に供給されるように
    してあることを特徴とする、請求項2に記載の回路型ヒ
    ートパイプのサーマルバッテリ。
  4. 【請求項4】 前記冷エネルギーが必要とされる場合に
    蓄冷電池とされ、その作業原理が蓄熱電池と同じである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の回路型ヒートパイ
    プのサーマルバッテリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107897158A (zh) * 2017-12-08 2018-04-13 台州市协丰机械有限公司 电动喷雾器

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