JP3062468U - 衣料陳列用箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陳列商品の見栄えを良くすることのできる衣
料陳列用箱を提供する。 【解決手段】 ワイシャツ２５を衣料陳列用箱１０に上
から差込み、このワイシャツ２５にネックタイ２６を添
える。 【効果】 前面板に設けた大きな略Ｕ字切欠き部１６か
ら、襟２８やネクタイ２６を透明板を通すこと無く直接
見ることができ、襟２８やネクタイ２６の厚み、形及び
色を見せることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はワイシャツの陳列に好適な衣料陳列用箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ワイシャツの陳列に関する考案には、例えば実用新案登録第２５３０５８６号 公報「衣料陳列構造」があり、この衣料陳列構造は、同公報の図４に示されるハ ンガー２０（符号は公報記載のものを流用。）のクリップ２２，２２で、同公報 の図６に示された通りワイシャツ３０の上縁をクリップする。次にハンガー２０ を同公報の図１のハンガー掛け１４，１４に掛け止めることで、同公報の図７の 陳列姿を達成するというものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記公報の構造では、クリップ２２，２２が丸見えの状態となり、見 栄えは好くない。そして、ワイシャツ３０を直接掴むため生地が傷み商品性に問 題が生じる虞れがある。又、左のクリップ２２と右のクリップ２２との掴み代が 異なるとワイシャツ３０が傾くので、何度も調整しなければならず、陳列作業の 能率が悪くなる。 そこで、本考案の目的は商品の見栄えが良く、商品を傷めず且つ陳列作業の能 率を高めることのできる衣料の陳列技術を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために請求項１は、背板と、前面板と、この前面板を背板 から一定の間隔を保って連結する底並びに左右の側壁とからなる衣料陳列用箱で あって、少なくとも前面板は透明な樹脂で構成し、且つこの前面板は上部に略Ｕ 字の大きな切欠き部を有することを特徴とする。

【０００５】 衣料陳列用箱は、いわゆる状差し形状を呈するので、ワイシャツなどの衣料を 上から差し入れるだけで、セットが完了する。差し入れた衣料は左右の側壁で支 えるため、傾く心配はない。前面板が透明であるから、衣料の大部分を見せるこ とができる。そして、前面板に設けた大きな略Ｕ字切欠き部から、衣料を直接見 ることができ、衣料がワイシャツである場合には、襟を透明板を通すこと無く直 接見ることができ、襟の厚み、形及び色を見るには好適である。

【０００６】 請求項２は、背板、前面板、底及び側壁を全て透明な樹脂で構成し、前面板の 左右の縁及び下縁に不透明な帯を添えたことを特徴とする。

【０００７】 背板、前面板、底及び側壁を全て透明な樹脂で構成することで、１回の樹脂射 出成形で衣料陳列用箱を製造することができる。背板に底及び側壁を貼り、その 上に前面板を貼る製造方法に比較して製造費用を大幅に下げることができる。 前面板に不透明な帯を縁取りしておけば、この帯が目印となり、衣料陳列用箱 の向きを簡単に確認することができる。帯は陳列時のアクセントにもなる。

【０００８】 請求項３は、背板の上部及び中央部に、壁掛け用金具に掛けるための孔を各々 開けたことを特徴とする。 背板に上下２段に孔を開け、いづれかを選択させる様にすれば、陳列姿勢の多 様化を図ることができ、使い勝手が良くなる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。 図１は本考案に係る衣料陳列用箱の斜視図であり、衣料陳列用箱１０は、背板 １１と、前面板１２と、この前面板１２を背板１１から一定の間隔を保って連結 する底１３並びに左右の側壁１４，１５とからなる。「一定の間隔」とは、折畳 み状態の衣料の厚さから決めた距離である。 そして、少なくとも前面板１２は透明な樹脂で構成し、且つこの前面板１２は 上半部に略Ｕ字の大きな切欠き部１６を有することを特徴とする。 背板１１には、上部左右に壁掛け用金具を掛けるための孔１７，１７を開け、 更に中央部左右に壁掛け用金具に掛けるための孔１８，１８を開ける。

【００１０】 前面板１２は透明でなければならないが、その他の背板１１、底１３及び側壁 １４，１５は透明、不透明若しくは半透明のいづれであってもよい。 背板１１、前面板１２、底１３及び側壁１４，１５の全てをピースにして樹脂 用接着剤で接合すること、又は射出成形法にて一体的に製造してもよい。射出成 形法では２色射出成形法によれば、不透明部分と透明部分とを区分することはで きる。

【００１１】 しかし、この実施例では、背板１１、前面板１２、底１３及び側壁１４，１５ を全て透明な樹脂で構成する。樹脂は透明度が高く、且つ剛性のあるアクリル樹 脂が好適である。構成の全てを透明樹脂とすれば、射出成形は１度で済ませるこ とができ、製造コストを大幅に下げることができる。 反面、透明度を高めたために衣料陳列用箱１０の存在及び向きは確認し難くな る。

【００１２】 そこで、前面板１２の左右の縁及び下縁に不透明な帯２１，２２，２３を印刷 法、塗装法若しくはテープ貼付け法又はそれに類する手法で、添えたことを特徴 とする。これらの帯２１〜２３が目印となり、衣料陳列用箱１０の存在及び向き を容易に視認することができる。

【００１３】 図２は本考案に係る衣料陳列用箱にワイシャツを収納したときの説明図であり 、衣料としてのワイシャツ２５を衣料陳列用箱１０に上から差込み、このワイシ ャツ２５にネックタイ２６を添えたものである。 ワイシャツ２５は衣料メーカの手で型紙（図示せず）を入れ図の様に縦長矩形 に折り畳まれ、ポリ袋（図示せず）に入れた形態のものが市場に提供される。

【００１４】 そこで、ポリ袋から出したままのワイシャツ２５を、衣料陳列用箱１０に差込 めばよいわけであるが、型紙はそれほど丈夫ではないので、ワイシャツ２５を立 てると全体的に湾曲したり左右に曲る虞れがある。 しかし、本考案の衣料陳列用箱１０では、背板１１と前面板１２でワイシャツ ２５を挟むのでワイシャツ２５が前後に湾曲する心配はなく、また左右の側板１ ４，１５で左右への傾きを防止するのでワイシャツ２５が左右に曲る虞れはない 。加えて、衣料陳列用箱１０はワイシャツ２５の保護ケースとしての役割を果た すため、商品の傷みを効果的に防止ができる。

【００１５】 次に、前面板１２に略Ｕ字形（含むコ字形）の大きな切欠き部１６を設けた理 由を述べる。 前面板１２は透明樹脂であるが、透明度には限りがあるため、透明樹脂の奥の 衣料の色などは若干変わって見える。この点、切欠き部１６で、ワイシャツ２５ の襟２８や柄ものネクタイ２６を直接見える様にすれば、色、形状、厚みなどを 正確に見せることができる。 この様な理由で、透明な前面板１２の上部に切欠き部１６を設けたわけである 。 前面板１２に不透明な帯２１〜２３を添えておけば、これらの帯２１〜２３が アクセントになって、ワイシャツ２５を引き立てる効果も期待できる。

【００１６】 図３は本考案の衣料展示用箱を展示棚に取付けるときの要領を示す図であり、 例えば９００ｍｍスパンで並べた縦レール３１，３１の孔３２・・・（・・・は複数を 示す。以下同様。）に第１フック３３，３３を掛け、これらの第１フック３３， ３３に角バー３４を渡し、この角バー３４に第２フック３５，３５を取付け、こ れらの第２フック３５，３５の舌片３６，３６に、孔１７，１７又は１８，１８ を掛ける要領で衣料展示用箱１０を、展示棚３０に取付ける。 また、孔１７，１７を使用すれば衣料を角バー３４より低い位置に陳列でき、 孔１８，１８を使用すれば衣料をそれより高い位置に陳列できる。従って、展示 衣料を上下にジグザグに並べたり、階段状に並べるなど陳列形態に変化を付ける ことができる。

【００１７】 図４は展示棚に本考案の衣料展示用箱を取付けた状態を示す図であり、展示棚 ３０に上中下３本の角バー３４・・・を渡すことで、３×３＝９個の衣料展示用箱 １０・・・を吊るすことができ、且つそれらの下方の３段の棚３８・・・上に平積みし た状態でワイシャツ２５・・・を置くことができることを示す。３９はブックエン ド形状の仕切りである。 売場に上記展示棚３０を配置すれば、購買者は、衣料展示用箱１０・・・でワイ シャツの柄、色、布質などを目で確認したのち、下方のワイシャツ２５を取って 会計へ運ばせることができる。

【００１８】 図５（ａ），（ｂ）は本考案の衣料展示用箱の別の配置例を示す図である。 （ａ）は、側面図であり、縦レール３１に第１フック３３と首の長い首長フッ ク４１を上下に各々取付け、これらの第１フック３３及び首長フック４１に各々 角バー３４，３４を取付け、これらの角バー３４，３４に第２フック３５，３５ を取付け、上の第２フック３５には上方の衣料展示用箱１０の孔１７を嵌め、下 の第２フック３５には下方の衣料展示用箱１０の孔１８を嵌める。４２，４２は 箱の倒れを防止する調整ねじである。 （ｂ）は、正面図であり、上方の衣料展示用箱１０に下方の衣料展示用箱１０ の上半部を重ねることができるので、多数の衣料展示用箱１０・・・を蜜に取付け ることができる。

【００１９】 更には、上述した通り、孔１７，１７を使用すれば衣料を角バー３４より低い 位置に陳列でき、孔１８，１８を使用すれば衣料をそれより高い位置に陳列でき る。従って、展示衣料を上下にジグザグに並べたり、階段状に並べるなど陳列形 態に変化を付けることができる。 これが、図１において背板１１に孔１７，１７及び孔１８，１８を上下２段に 設けた理由である。

【００２０】 尚、本考案の衣料展示用箱１０で展示する衣料はワイシャツの外、ブラウス、 ポロシャツなどであってもよく、種類は問わない。 又、前面板１２に設ける大きな切欠き部１６の形状も任意である。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は上記構成により次の効果を発揮する。 請求項１の衣料陳列用箱は、いわゆる状差し形状を呈するので、ワイシャツな どの衣料を上から差し入れるだけで、セットが完了する。差し入れた衣料は背板 と前面板で挟み且つ左右の側壁で支えるため、曲ったり傾く心配はない。衣料陳 列用箱は衣料の保護ケースの役割も果たすので、衣料の傷みを防止することがで きる。前面板が透明であるから、衣料の大部分を見せることができる。そして、 前面板に設けた大きな略Ｕ字切欠き部から、衣料を直接見ることができ、衣料が ワイシャツである場合には、襟を透明板を通すこと無く直接見ることができ、襟 の厚み、形及び色を見るには好適である。

【００２２】 請求項２の衣料陳列用箱は、背板、前面板、底及び側壁を全て透明な樹脂で構 成したので、１回の樹脂射出成形で衣料陳列用箱を製造することができる。背板 に底及び側壁を貼り、その上に前面板を貼る製造方法に比較して製造費用を大幅 に下げることができる。 加えて、前面板に不透明な帯を縁取りしておけば、この帯が目印となり、衣料 陳列用箱の向きを簡単に確認することができる。帯は陳列時のアクセントにもな る。

【００２３】 請求項３は、背板の上部及び中央部に、壁掛け用金具に掛けるための孔を各々 開けたことを特徴とし、背板に上下２段に孔を開け、いづれかを選択させる様に すれば、陳列姿勢の多様化を図ることができ、使い勝手が良くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る衣料陳列用箱の斜視図

【図２】本考案に係る衣料陳列用箱にワイシャツを収納
したときの説明図

【図３】本考案の衣料展示用箱を展示棚に取付けるとき
の要領を示す図

【図４】展示棚に本考案の衣料展示用箱を取付けた状態
を示す図

【図５】本考案の衣料展示用箱の別の配置例を示す図

【符号の説明】

１０…衣料陳列用箱、１１…背板、１２…前面板、１３
…底、１４，１５…側壁、１６…切欠き部、１７，１８
…孔、２１〜２３…帯、２５…衣料（ワイシャツ）、３
０…展示棚。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 背板と、前面板と、この前面板を背板か
   ら一定の間隔を保って連結する底並びに左右の側壁とか
   らなる衣料陳列用箱であって、少なくとも前面板は透明
   な樹脂で構成し、且つこの前面板は上部に略Ｕ字の大き
   な切欠き部を有することを特徴とする衣料陳列用箱。
2. 【請求項２】 前記背板、前面板、底及び側壁を全て透
   明な樹脂で構成し、前面板の左右の縁及び下縁に不透明
   な帯を添えたことを特徴とする請求項１記載の衣料陳列
   用箱。
3. 【請求項３】 前記背板の上部及び中央部に、壁掛け用
   金具に掛けるための孔を各々開けたことを特徴とする請
   求項１又は請求項２記載の衣料陳列用箱。