JP3062367B2 - マイクロ波位相シフタ - Google Patents
マイクロ波位相シフタInfo
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- phase shifter
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波位相シフタに
関し、特に光学的に制御されるマイクロ波位相シフタに
関している。
関し、特に光学的に制御されるマイクロ波位相シフタに
関している。
【0002】
【従来の技術】位相シフタは、フェーズドアレイアンテ
ナの最も重要な構成要素の一つである。従来技術では、
pinダイオードスイッチを用いて、伝送路の長さを切
り換える位相シフタや、マイクロ波の透過率及び速度を
変えるフェリ磁性位相シフタなどが用いられていた。
ナの最も重要な構成要素の一つである。従来技術では、
pinダイオードスイッチを用いて、伝送路の長さを切
り換える位相シフタや、マイクロ波の透過率及び速度を
変えるフェリ磁性位相シフタなどが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フェーズドアレイアン
テナは、100から1000の放射素子を有している。
放射素子の数に対して、同数程度の数の位相シフタが必
要となる。フェーズドアレイアンテナから発生される信
号の放射パターンは、放射素子間の間隔及び相対的な位
相シフト量によって制御される。従って、位相シフタの
サイズは放射素子間の間隔に影響を及ぼさないようにで
きるだけ小さい方が好ましい。しかしながら、上述の従
来技術のフェリ磁性位相シフタは、ソレノイドコイルや
強磁性棒を有した構造であるため、小型のフェリ磁性位
相シフタを開発することは困難であった。またソレノイ
ドコイルや強磁性棒を用いているので、従来のフェリ磁
性位相シフタは重量の軽減が困難であった。
テナは、100から1000の放射素子を有している。
放射素子の数に対して、同数程度の数の位相シフタが必
要となる。フェーズドアレイアンテナから発生される信
号の放射パターンは、放射素子間の間隔及び相対的な位
相シフト量によって制御される。従って、位相シフタの
サイズは放射素子間の間隔に影響を及ぼさないようにで
きるだけ小さい方が好ましい。しかしながら、上述の従
来技術のフェリ磁性位相シフタは、ソレノイドコイルや
強磁性棒を有した構造であるため、小型のフェリ磁性位
相シフタを開発することは困難であった。またソレノイ
ドコイルや強磁性棒を用いているので、従来のフェリ磁
性位相シフタは重量の軽減が困難であった。
【0004】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、軽量で装置
容積の小さなマイクロ波位相シフタを提供することにあ
る。
れたものであり、その目的とするところは、軽量で装置
容積の小さなマイクロ波位相シフタを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的に制御さ
れるマイクロ波位相シフタは、マイクロ波を伝送するた
めの伝送路であって、入力端部及び出力端部と、入力端
部及び出力端部の間に設けられた複数の分岐点とを有す
る伝送路と、複数の分岐点のひとつと複数の分岐点の他
のひとつとを接続する迂回路と、複数の分岐点のそれぞ
れに設けられた光学スイッチと、光学スイッチのそれぞ
れに独立して光を照射することができる複数の光源とを
備えている。その光学スイッチは、n型半導体層とp型
半導体層とが真性半導体層を挟んで形成された1周期分
nipi超格子層を繰り返し複数層積層されたnipi
超格子層を有している。光源からの光が光学スイッチに
照射される場合には光学スイッチはオンとなり、光源か
らの光が遮断される場合には光学スイッチはオフにな
る。光源からの光を光学スイッチに照射することによっ
てnipi超格子層の実効バンドギャップを変化させ
る。そのような構成によって、上記目的が達成される。
れるマイクロ波位相シフタは、マイクロ波を伝送するた
めの伝送路であって、入力端部及び出力端部と、入力端
部及び出力端部の間に設けられた複数の分岐点とを有す
る伝送路と、複数の分岐点のひとつと複数の分岐点の他
のひとつとを接続する迂回路と、複数の分岐点のそれぞ
れに設けられた光学スイッチと、光学スイッチのそれぞ
れに独立して光を照射することができる複数の光源とを
備えている。その光学スイッチは、n型半導体層とp型
半導体層とが真性半導体層を挟んで形成された1周期分
nipi超格子層を繰り返し複数層積層されたnipi
超格子層を有している。光源からの光が光学スイッチに
照射される場合には光学スイッチはオンとなり、光源か
らの光が遮断される場合には光学スイッチはオフにな
る。光源からの光を光学スイッチに照射することによっ
てnipi超格子層の実効バンドギャップを変化させ
る。そのような構成によって、上記目的が達成される。
【0006】また、マイクロ波位相シフタは、nipi
超格子層のn型半導体層とp型半導体層との間にバイア
ス電圧を印加する手段を更に備えていてもよい。
超格子層のn型半導体層とp型半導体層との間にバイア
ス電圧を印加する手段を更に備えていてもよい。
【0007】
【作用】マイクロ波位相シフタの機能は、信号の周波
数、伝送路の長さ、又は導波路の誘電率或いは透過性を
変えることによって伝播するマイクロ波信号の位相φを
変えることである。なお、位相φは一般に下式のように
表現される。
数、伝送路の長さ、又は導波路の誘電率或いは透過性を
変えることによって伝播するマイクロ波信号の位相φを
変えることである。なお、位相φは一般に下式のように
表現される。
【0008】φ=2πfl/v ここで、fは信号の周波数であり、lは伝送路の物理的
長さ、vは信号の伝播速度である。
長さ、vは信号の伝播速度である。
【0009】本発明によるマイクロ波位相シフタは、伝
送路及び迂回路中に光学スイッチを有している。光学ス
イッチが「オン」状態のとき、マイクロ波信号は光学ス
イッチを通過できない。光学スイッチが「オフ」状態の
とき、マイクロ波信号は光学スイッチを通過できる。従
って、複数の迂回路を有する伝送路を作製し、伝送路と
迂回路の各分岐点に光学スイッチを形成すれば、適当に
光学スイッチを選択することによって、マイクロ波信号
が伝播することが可能な経路の長さを変えることができ
る。その結果、伝播するマイクロ波信号の位相を相対的
に変化させることが出来る。
送路及び迂回路中に光学スイッチを有している。光学ス
イッチが「オン」状態のとき、マイクロ波信号は光学ス
イッチを通過できない。光学スイッチが「オフ」状態の
とき、マイクロ波信号は光学スイッチを通過できる。従
って、複数の迂回路を有する伝送路を作製し、伝送路と
迂回路の各分岐点に光学スイッチを形成すれば、適当に
光学スイッチを選択することによって、マイクロ波信号
が伝播することが可能な経路の長さを変えることができ
る。その結果、伝播するマイクロ波信号の位相を相対的
に変化させることが出来る。
【0010】光学スイッチはnipi超格子層を有して
いる。nipi超格子層の光伝導性は真性半導体層の光
伝導性に較べて非常に高くすることができる。nipi
超格子層の幅及び厚さは、伝送路中に光学スイッチを組
み込んだとき、光学スイッチによってマイクロ波信号が
反射したり、吸収されることによる信号強度の減衰が最
も小さくなるように決定される。
いる。nipi超格子層の光伝導性は真性半導体層の光
伝導性に較べて非常に高くすることができる。nipi
超格子層の幅及び厚さは、伝送路中に光学スイッチを組
み込んだとき、光学スイッチによってマイクロ波信号が
反射したり、吸収されることによる信号強度の減衰が最
も小さくなるように決定される。
【0011】光スイッチの動作原理は以下のように説明
される。光伝導性材料に対して、照射された時のnip
i超格子層内のキャリアNcの平均数は以下の通りであ
る。
される。光伝導性材料に対して、照射された時のnip
i超格子層内のキャリアNcの平均数は以下の通りであ
る。
【0012】Nc=Pnτo/hν ここで、Pは光照射のパワー、νは光周波数、nは量子
効率、hはプランク定数、τoは再結合寿命をそれぞれ
表している。nipi超格子層は、任意の固有層間隔を
有するn及びpドープ半導体の交互の薄い層からなる。
実効バンドギャップEg(eff)は、この構造に対して、n
層内の伝導帯内での最低エネルギーレベルとp層内の価
電子帯内での最高エネルギーバンドとのエネルギー差と
して規定される。
効率、hはプランク定数、τoは再結合寿命をそれぞれ
表している。nipi超格子層は、任意の固有層間隔を
有するn及びpドープ半導体の交互の薄い層からなる。
実効バンドギャップEg(eff)は、この構造に対して、n
層内の伝導帯内での最低エネルギーレベルとp層内の価
電子帯内での最高エネルギーバンドとのエネルギー差と
して規定される。
【0013】Eg(eff)=Eg−qV+Ec,o+Evh,o ここでEgはその材料の固有バンドギャップ、Vは内蔵
電位、Ec,oは伝導帯内の第1のエネルギーバンド、E
vh,oは価電子帯内での第1に大きい正孔エネルギーレベ
ルである。
電位、Ec,oは伝導帯内の第1のエネルギーバンド、E
vh,oは価電子帯内での第1に大きい正孔エネルギーレベ
ルである。
【0014】内蔵電位Vはポワソンの等式から求められ
る。nドープ層及びpドープ層のドーピング(ND及び
NA)及び厚さ(tn及びtp)は等しい。
る。nドープ層及びpドープ層のドーピング(ND及び
NA)及び厚さ(tn及びtp)は等しい。
【0015】 V=q/2E[2ND(tn/2)2+NDtn 2] この実効バンドギャップEg(eff)は実空間では間接的で
あるが、逆格子空間においては直接的である(GaAs
又は他の直接バンドギャップ材料が用いられていると仮
定する)。照射によって発生される電子−正孔対は、そ
の後、空間的に分離されて、長い再結合寿命となる。n
ipi超格子層に照射された光によって内蔵電位Vが変
化し、実効バンドギャップEg(eff)が変化する。この実
効バンドギャップEg(eff)に対応するエネルギを有する
マイクロ波信号はnipi超格子層に吸収されるので、
マイクロ波信号は光スイッチを通過できなくなる。層
厚、構成及びドーピング濃度は調整され得るので、所望
の光伝導性応答が得られる。本発明によるマイクロ波位
相シフタは、フェイズドアレイアンテナを構成するマイ
クロストリップの一部分を伝送路及び迂回路として用い
ることが出来る。また光学スイッチは、伝送路及び迂回
路中に組み込むことができる大きさである。従って、小
型で軽量の位相シフタが得られる。
あるが、逆格子空間においては直接的である(GaAs
又は他の直接バンドギャップ材料が用いられていると仮
定する)。照射によって発生される電子−正孔対は、そ
の後、空間的に分離されて、長い再結合寿命となる。n
ipi超格子層に照射された光によって内蔵電位Vが変
化し、実効バンドギャップEg(eff)が変化する。この実
効バンドギャップEg(eff)に対応するエネルギを有する
マイクロ波信号はnipi超格子層に吸収されるので、
マイクロ波信号は光スイッチを通過できなくなる。層
厚、構成及びドーピング濃度は調整され得るので、所望
の光伝導性応答が得られる。本発明によるマイクロ波位
相シフタは、フェイズドアレイアンテナを構成するマイ
クロストリップの一部分を伝送路及び迂回路として用い
ることが出来る。また光学スイッチは、伝送路及び迂回
路中に組み込むことができる大きさである。従って、小
型で軽量の位相シフタが得られる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明を実施例について説明する。
【0017】図1(a)は、本発明によるマイクロ波位
相シフタの一実施例の平面構造を示している。基板20
上にマイクロ波信号が伝達するための伝送路2が形成さ
れている。伝送路2は入力部1と出力部6とを有してい
る。また入力部1と出力部6の間に設けられた分岐点の
ひとつと他の分岐点のひとつとをそれぞれ接続する迂回
路3から5が形成されている。迂回路3から5は伝送路
2と実質的に同様の機能を有し、マイクロ波信号を伝達
する。各分岐点には光学スイッチ8から19が備えられ
ている。
相シフタの一実施例の平面構造を示している。基板20
上にマイクロ波信号が伝達するための伝送路2が形成さ
れている。伝送路2は入力部1と出力部6とを有してい
る。また入力部1と出力部6の間に設けられた分岐点の
ひとつと他の分岐点のひとつとをそれぞれ接続する迂回
路3から5が形成されている。迂回路3から5は伝送路
2と実質的に同様の機能を有し、マイクロ波信号を伝達
する。各分岐点には光学スイッチ8から19が備えられ
ている。
【0018】伝送路2の入力部1から入射したマイクロ
波信号は、そのまま伝送路2を通るかまたは迂回路2か
ら5のいずれかを通り出力部6から出力される。いずれ
の経路を選ぶかによって、マイクロ波が伝達する距離を
変えることができるのでマイクロ波信号の位相をずらす
ことができる。例えば、光学スイッチ10及び19を
「オン」の状態にして、光学スイッチ13及び16を
「オフ」の状態にすることによって、伝送路5のみを信
号が透過する。また光学スイッチ9、13、18、及び
16を「オン」にして、光学スイッチ10、12、1
5、及び19を「オフ」にすることによって、迂回路4
のみを信号が透過するようにできる。迂回路4を通過し
たマイクロ波信号は、迂回路5を透過したマイクロ波信
号に較べて距離7の2倍の長さだけ伝達する距離が長く
なる。従って、マイクロ波信号の位相はずれる。本実施
例では、3つの迂回路を有するマイクロ波位相シフタを
示しているが、この数は任意である。また、伝送路及び
迂回路は、金などの導電材料を用いたマイクロストリッ
プで形成される。
波信号は、そのまま伝送路2を通るかまたは迂回路2か
ら5のいずれかを通り出力部6から出力される。いずれ
の経路を選ぶかによって、マイクロ波が伝達する距離を
変えることができるのでマイクロ波信号の位相をずらす
ことができる。例えば、光学スイッチ10及び19を
「オン」の状態にして、光学スイッチ13及び16を
「オフ」の状態にすることによって、伝送路5のみを信
号が透過する。また光学スイッチ9、13、18、及び
16を「オン」にして、光学スイッチ10、12、1
5、及び19を「オフ」にすることによって、迂回路4
のみを信号が透過するようにできる。迂回路4を通過し
たマイクロ波信号は、迂回路5を透過したマイクロ波信
号に較べて距離7の2倍の長さだけ伝達する距離が長く
なる。従って、マイクロ波信号の位相はずれる。本実施
例では、3つの迂回路を有するマイクロ波位相シフタを
示しているが、この数は任意である。また、伝送路及び
迂回路は、金などの導電材料を用いたマイクロストリッ
プで形成される。
【0019】図1(b)は、図1(a)に示されるマイ
クロ波位相シフタのAB部分の断面図である。基板20
上に光学スイッチ13及び16が形成されている。伝送
路2及び迂回路5は、光学スイッチ13及び16に接続
されている。
クロ波位相シフタのAB部分の断面図である。基板20
上に光学スイッチ13及び16が形成されている。伝送
路2及び迂回路5は、光学スイッチ13及び16に接続
されている。
【0020】図2(a)及び図2(b)は、図1に示さ
れるマイクロ波位相シフタの光学スイッチ8から19に
照射する光の供給方法を説明する図である。マイクロ波
位相シフタが形成された基板21に対して平行に位置す
るように光源を配した基板22が設けられている。基板
22には、図2(b)に示されるように、マイクロ波位
相シフタの光スイッチが形成される部分に対応して光源
23が、配置されている。光源23は、発光ダイオード
などを用いることができる。
れるマイクロ波位相シフタの光学スイッチ8から19に
照射する光の供給方法を説明する図である。マイクロ波
位相シフタが形成された基板21に対して平行に位置す
るように光源を配した基板22が設けられている。基板
22には、図2(b)に示されるように、マイクロ波位
相シフタの光スイッチが形成される部分に対応して光源
23が、配置されている。光源23は、発光ダイオード
などを用いることができる。
【0021】次に本発明によるマイクロ波位相シフタの
製造方法を説明する。
製造方法を説明する。
【0022】まず図3に示すように、MOCVD法また
はMBE法によってGaAs基板31上にnipi超格
子層38を形成する。nipi超格子層38は1周期分
nipi超格子層36が繰り返し堆積され形成される。
1周期分nipi超格子層36は、アンドープのGaA
s層(厚さ50nm)32、Beが5×1016/cm3
ドープされたp型GaAs層(厚さ50nm)33、ア
ンドープのGaAs層(厚さ50nm)34、及びSi
が5×1016/cm3ドープされたn型GaAs層(厚
さ50nm)35を順に堆積することによって形成され
る。このnipi超格子層36が2周期分形成された
後、最後にアンドープのGaAs層(厚さ50nm)3
7を堆積する。
はMBE法によってGaAs基板31上にnipi超格
子層38を形成する。nipi超格子層38は1周期分
nipi超格子層36が繰り返し堆積され形成される。
1周期分nipi超格子層36は、アンドープのGaA
s層(厚さ50nm)32、Beが5×1016/cm3
ドープされたp型GaAs層(厚さ50nm)33、ア
ンドープのGaAs層(厚さ50nm)34、及びSi
が5×1016/cm3ドープされたn型GaAs層(厚
さ50nm)35を順に堆積することによって形成され
る。このnipi超格子層36が2周期分形成された
後、最後にアンドープのGaAs層(厚さ50nm)3
7を堆積する。
【0023】次に、フォトレジストをアンドープのGa
As層37上に塗布した後、アンドープのGaAs層3
7の表面のうち光スイッチとなる部分にのみフォトレジ
ストが残るようにパターニングする。RIE法を用いて
アンドープのGaAs層37表面が露出している部分を
GaAs基板31に達するまで表面からエッチングす
る。RIE法でエッチングすることによって、GaAs
基板31表面に垂直な断面をもった光学スイッチを形成
することができる。
As層37上に塗布した後、アンドープのGaAs層3
7の表面のうち光スイッチとなる部分にのみフォトレジ
ストが残るようにパターニングする。RIE法を用いて
アンドープのGaAs層37表面が露出している部分を
GaAs基板31に達するまで表面からエッチングす
る。RIE法でエッチングすることによって、GaAs
基板31表面に垂直な断面をもった光学スイッチを形成
することができる。
【0024】続いて、GaAs基板31の光スイッチが
形成された面に厚さ450nmの金からなる導電膜を蒸
着する。その後、GaAs基板31上にフォトレジスト
を塗布し、フォトレジストをパターニングする。パター
ニングされたフォトレジストをマスクとして金からなる
導電膜をイオンミリング法でエッチングする。エッチン
グによって、金からなる導電膜のうちフォトレジストで
覆われていない部分が除去され、伝送路及び迂回路(図
1及び図2参照)が形成される。また光学スイッチに外
部から光が照射できるように光学スイッチ上の金からな
る導電膜も除去される。
形成された面に厚さ450nmの金からなる導電膜を蒸
着する。その後、GaAs基板31上にフォトレジスト
を塗布し、フォトレジストをパターニングする。パター
ニングされたフォトレジストをマスクとして金からなる
導電膜をイオンミリング法でエッチングする。エッチン
グによって、金からなる導電膜のうちフォトレジストで
覆われていない部分が除去され、伝送路及び迂回路(図
1及び図2参照)が形成される。また光学スイッチに外
部から光が照射できるように光学スイッチ上の金からな
る導電膜も除去される。
【0025】図4は、本発明のマイクロ波位相シフタを
用いたフェーズドアレイアンテナの平面図を示してい
る。マイクロ波が伝播するマイクロストリップ40は、
樹状に枝別れを繰り返し、複数のパッチアンテナ42に
接続されている。フェーズドアレイアンテナの入力端部
43から各パッチアンテナ42までのマイクロストリッ
プ40の長さはいずれも等しい。またマイクロストリッ
プ40は、入力端部43とパッチアンテナ42との間に
パッチアンテナ42の数と同数のマイクロ波位相シフタ
41を有している。
用いたフェーズドアレイアンテナの平面図を示してい
る。マイクロ波が伝播するマイクロストリップ40は、
樹状に枝別れを繰り返し、複数のパッチアンテナ42に
接続されている。フェーズドアレイアンテナの入力端部
43から各パッチアンテナ42までのマイクロストリッ
プ40の長さはいずれも等しい。またマイクロストリッ
プ40は、入力端部43とパッチアンテナ42との間に
パッチアンテナ42の数と同数のマイクロ波位相シフタ
41を有している。
【0026】入力端部43から入射されたマイクロ波信
号は、マイクロストリップ40を伝播し、マイクロ波位
相シフタ41を通過してパッチアンテナ42から放出さ
れる。各マイクロ波位相シフタ41は、上述した方法に
よって、伝播するマイクロ波信号の位相をずらすことが
出来るので、各パッチアンテナ42ごとに放出されるマ
イクロ波信号の位相を制御できる。
号は、マイクロストリップ40を伝播し、マイクロ波位
相シフタ41を通過してパッチアンテナ42から放出さ
れる。各マイクロ波位相シフタ41は、上述した方法に
よって、伝播するマイクロ波信号の位相をずらすことが
出来るので、各パッチアンテナ42ごとに放出されるマ
イクロ波信号の位相を制御できる。
【0027】なお、本発明のマイクロ波位相シフタに用
いる光スイッチは、「オン」となる応答速度と「オフ」
となる応答速度とは異なる。nipi超格子層に照射さ
れた光を遮断することによって「オフ」となる応答速度
は光を照射することによって「オン」となる応答速度よ
りも遅い。これは、照射された光によってn型GaAs
層に生成した電子とp型GaAs層に生成した正孔と
が、長い再結合寿命を有しているためである。図5に示
される他の実施例によれば、この問題は解決される。図
5に示される光スイッチはnipi超格子層のn型半導
体層とp型半導体層との間にバイアス電圧を印加し、電
子と正孔とを速やかに再結合させる手段を有している。
GaAs基板56上にアンドープGaAs層55、p型
GaAs層54及びn型GaAs層55が繰り返し堆積
されnipi超格子層が形成されている。バイアス電圧
を印加するための電極52及び53は、それぞれnip
i超格子層の2つの側面に形成される。2つの側面のそ
れぞれではp型GaAs層54とn型GaAs層55と
が同時には露出しない構造になっている。p型GaAs
層54は電極52と接続され、n型GaAs層55は電
極53と接続されている。2つの電極52と53との間
にバイアス電圧を印加するための電源51が印加され
る。
いる光スイッチは、「オン」となる応答速度と「オフ」
となる応答速度とは異なる。nipi超格子層に照射さ
れた光を遮断することによって「オフ」となる応答速度
は光を照射することによって「オン」となる応答速度よ
りも遅い。これは、照射された光によってn型GaAs
層に生成した電子とp型GaAs層に生成した正孔と
が、長い再結合寿命を有しているためである。図5に示
される他の実施例によれば、この問題は解決される。図
5に示される光スイッチはnipi超格子層のn型半導
体層とp型半導体層との間にバイアス電圧を印加し、電
子と正孔とを速やかに再結合させる手段を有している。
GaAs基板56上にアンドープGaAs層55、p型
GaAs層54及びn型GaAs層55が繰り返し堆積
されnipi超格子層が形成されている。バイアス電圧
を印加するための電極52及び53は、それぞれnip
i超格子層の2つの側面に形成される。2つの側面のそ
れぞれではp型GaAs層54とn型GaAs層55と
が同時には露出しない構造になっている。p型GaAs
層54は電極52と接続され、n型GaAs層55は電
極53と接続されている。2つの電極52と53との間
にバイアス電圧を印加するための電源51が印加され
る。
【0028】本発明のマイクロ波位相シフタは、nip
i超格子層を有する光学スイッチ及びマイクロ波信号が
伝播する複数の長さの異なる経路を備えている。マイク
ロ波信号が伝播する経路は、フェイズドアレイアンテナ
に用いられるマイクロストリップと同様の構造でマイク
ロストリップ中に形成することができる。また、光学ス
イッチはマイクロストリップ中に組み込むことができる
程度の大きさであるため、従来のフェリ磁性位相シフタ
に較べ軽量で装置容積の小さいマイクロ波位相シフタが
得られる。
i超格子層を有する光学スイッチ及びマイクロ波信号が
伝播する複数の長さの異なる経路を備えている。マイク
ロ波信号が伝播する経路は、フェイズドアレイアンテナ
に用いられるマイクロストリップと同様の構造でマイク
ロストリップ中に形成することができる。また、光学ス
イッチはマイクロストリップ中に組み込むことができる
程度の大きさであるため、従来のフェリ磁性位相シフタ
に較べ軽量で装置容積の小さいマイクロ波位相シフタが
得られる。
【0029】更に、本発明のマイクロ波位相シフタに用
いる光スイッチは、n型半導体層と前記p型半導体層と
の間にバイアス電圧を印加する手段を備えることによっ
て、スイッチが「オフ」となる応答速度を速めることが
できる。
いる光スイッチは、n型半導体層と前記p型半導体層と
の間にバイアス電圧を印加する手段を備えることによっ
て、スイッチが「オフ」となる応答速度を速めることが
できる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で装置容積の小さ
いマイクロ波位相シフタが得られる。フェーズドアレイ
アンテナに本発明のマイクロ波位相シフタを組み込むこ
とによって、アンテナのサイズ及び重さを大きく低減す
ることが可能となる。
いマイクロ波位相シフタが得られる。フェーズドアレイ
アンテナに本発明のマイクロ波位相シフタを組み込むこ
とによって、アンテナのサイズ及び重さを大きく低減す
ることが可能となる。
【0031】また本発明のマイクロ波位相シフタに用い
る光スイッチは、n型半導体層と前記p型半導体層との
間にバイアス電圧を印加する手段を備えることによっ
て、応答速度を速めることができる。
る光スイッチは、n型半導体層と前記p型半導体層との
間にバイアス電圧を印加する手段を備えることによっ
て、応答速度を速めることができる。
【図1】(a)は、本発明の一実施例を示すものであっ
て、伝送路中に光学スイッチが形成されたマイクロ波位
相シフタの平面模式図であり、(b)は(a)で示され
るマイクロ波位相シフタの断面模式図である。
て、伝送路中に光学スイッチが形成されたマイクロ波位
相シフタの平面模式図であり、(b)は(a)で示され
るマイクロ波位相シフタの断面模式図である。
【図2】(a)は、図1に示されるマイクロ波位相シフ
タの光学スイッチに光を照射する方法を示す図であり、
(b)は(a)で示される光源を配した基板に設けられ
た光源の配置を示す図である。
タの光学スイッチに光を照射する方法を示す図であり、
(b)は(a)で示される光源を配した基板に設けられ
た光源の配置を示す図である。
【図3】本発明の光学スイッチに用いられるnipi超
格子層を説明する図である。
格子層を説明する図である。
【図4】本発明のマイクロ波位相シフタが組み込まれた
フェイズドアレイアンテナの平面模式図である。
フェイズドアレイアンテナの平面模式図である。
【図5】nipi超格子層にバイアスをかけ、光学スイ
ッチの応答速度を速める方法を示す図である。
ッチの応答速度を速める方法を示す図である。
2〜5 伝送路 8〜19 光学スイッチ 21 マイクロ波位相シフタが形成された基板 22 光源を有する基板 23 光源 31 GaAs基板 38 nipi超格子層 40 マイクロスリップ 41 マイクロ波位相シフタ 42 パッチアンテナ 51 電源 52 電極 53 電極 54 p型GaAs層 55 n型GaAs層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−235606(JP,A) 特表 平1−501829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/10 H01P 1/10 - 1/195 H01L 5/04
Claims (2)
- 【請求項1】 マイクロ波を伝送するための伝送路であ
って、入力端部及び出力端部と該入力端部及び該出力端
部の間に設けられた複数の分岐点とを有する伝送路と、 該複数の分岐点のひとつと該複数の分岐点の他のひとつ
とを接続する迂回路と、 該複数の分岐点のそれぞれに設けられた光学スイッチ
と、 該光学スイッチのそれぞれに独立して光を照射すること
ができる複数の光源とを備え、 該光学スイッチは、 n型半導体層とp型半導体層とが真性半導体層を挟んで
形成された1周期分nipi超格子層を繰り返し複数層
積層されたnipi超格子層を有し、 該光源からの光が該光学スイッチに照射される場合には
該光学スイッチはオンとなり、該光源からの光が遮断さ
れる場合には該光学スイッチはオフになり、 該光源からの光を該光学スイッチに照射することによっ
て該nipi超格子層の実効バンドギャップを変化させ
ることを特徴とする、 マイクロ波位相シフタ。 - 【請求項2】 前記nipi超格子層の前記n型半導体
層と前記p型半導体層との間にバイアス電圧を印加する
手段を更に備えた請求項1に記載のマイクロ波位相シフ
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5021531A JP3062367B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | マイクロ波位相シフタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5021531A JP3062367B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | マイクロ波位相シフタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06237102A JPH06237102A (ja) | 1994-08-23 |
JP3062367B2 true JP3062367B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=12057544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5021531A Expired - Fee Related JP3062367B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | マイクロ波位相シフタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3062367B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11837779B2 (en) | 2018-10-26 | 2023-12-05 | Samsung Electronics Co., Ltd | Electronic device having photo conductive device comprising photo conductive member capable of electrically connecting plurality of conductive elements |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101720434B1 (ko) * | 2015-11-10 | 2017-03-28 | 한국과학기술원 | 광 위상배열 안테나 |
IL282989B2 (en) * | 2019-01-17 | 2024-02-01 | Avx Antenna Inc D/B/A Ethertronics Inc | A phase-shifting millimeter radio frequency wave |
-
1993
- 1993-02-09 JP JP5021531A patent/JP3062367B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11837779B2 (en) | 2018-10-26 | 2023-12-05 | Samsung Electronics Co., Ltd | Electronic device having photo conductive device comprising photo conductive member capable of electrically connecting plurality of conductive elements |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06237102A (ja) | 1994-08-23 |
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