JP3060013B1 - セレンイオンの分離方法 - Google Patents
セレンイオンの分離方法Info
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- JP3060013B1 JP3060013B1 JP11075440A JP7544099A JP3060013B1 JP 3060013 B1 JP3060013 B1 JP 3060013B1 JP 11075440 A JP11075440 A JP 11075440A JP 7544099 A JP7544099 A JP 7544099A JP 3060013 B1 JP3060013 B1 JP 3060013B1
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Abstract
【要約】
【課題】 水溶液中に含まれる微量のセレンイオンを効
果的に分離、除去しうるセレンイオン分離剤、及びこれ
を用いてセレンイオンを低濃度で含有する水溶液から、
該セレンイオンを効率よく分離、除去する方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式 【化1】 (R1〜R4は炭素数6〜12の炭化水素基)で表わされ
るジチオカルバメート化合物をセレンイオン分離剤とす
ると共に、セレンイオン含有水溶液を、上記ジチオカル
バメート化合物を含む有機溶剤溶液又は該ジチオカルバ
メート化合物を担持した多孔質樹脂に接触させて、セレ
ンイオン含有水溶液から、セレンイオンを分離、除去す
る。
果的に分離、除去しうるセレンイオン分離剤、及びこれ
を用いてセレンイオンを低濃度で含有する水溶液から、
該セレンイオンを効率よく分離、除去する方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式 【化1】 (R1〜R4は炭素数6〜12の炭化水素基)で表わされ
るジチオカルバメート化合物をセレンイオン分離剤とす
ると共に、セレンイオン含有水溶液を、上記ジチオカル
バメート化合物を含む有機溶剤溶液又は該ジチオカルバ
メート化合物を担持した多孔質樹脂に接触させて、セレ
ンイオン含有水溶液から、セレンイオンを分離、除去す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレンイオン分離
剤を用いたセレンイオンの分離方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は、ジチオカルバメートの
第四級アンモニウム塩からなるセレンイオン分離剤を用
いて、セレンイオンを含有する水溶液から、該セレンイ
オンを効率よく分離する方法に関するものである。
剤を用いたセレンイオンの分離方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は、ジチオカルバメートの
第四級アンモニウム塩からなるセレンイオン分離剤を用
いて、セレンイオンを含有する水溶液から、該セレンイ
オンを効率よく分離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セレンは、カルコゲン元素に属し、ガラ
ス、整流器、光電池、合金、赤外線偏光子、顔料、増感
剤、芳香族化合物の脱水素剤、浮遊選鉱における起泡剤
などの用途に広く使用されている有用な元素であるが、
従来よりその有毒性が指摘されており、工場排水中に微
量に含まれているセレンの分離、除去が重要な課題とな
っている。通常の排水処理においては、三価鉄イオンに
よる沈殿分離法やイオン交換樹脂法が一般的に行われて
いるが、これらの方法は、微量のセレンについては完全
に分離、除去することが難しいという欠点を有してい
る。
ス、整流器、光電池、合金、赤外線偏光子、顔料、増感
剤、芳香族化合物の脱水素剤、浮遊選鉱における起泡剤
などの用途に広く使用されている有用な元素であるが、
従来よりその有毒性が指摘されており、工場排水中に微
量に含まれているセレンの分離、除去が重要な課題とな
っている。通常の排水処理においては、三価鉄イオンに
よる沈殿分離法やイオン交換樹脂法が一般的に行われて
いるが、これらの方法は、微量のセレンについては完全
に分離、除去することが難しいという欠点を有してい
る。
【0003】他方、有機試薬を用いた溶媒抽出法におい
ては、セレン分離剤として、例えばジエチルジチオカル
バメートやピロリジンジチオカルバメートなどが知られ
ているが、これらのセレン分離剤は、ケロシンなどの非
極性溶媒に対する溶解性が低い上、水中に移行しやすく
分離が不完全になるなどの欠点がある。
ては、セレン分離剤として、例えばジエチルジチオカル
バメートやピロリジンジチオカルバメートなどが知られ
ているが、これらのセレン分離剤は、ケロシンなどの非
極性溶媒に対する溶解性が低い上、水中に移行しやすく
分離が不完全になるなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、セレンイオン分離剤を用いて、セレンイ
オンを含有する水溶液から、該セレンイオンを効率よく
分離、除去する方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
事情のもとで、セレンイオン分離剤を用いて、セレンイ
オンを含有する水溶液から、該セレンイオンを効率よく
分離、除去する方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、セレンイオ
ンを含有する水溶液からのセレンイオンの分離、除去方
法を開発するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造
を有するジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩が
セレンイオンに対して良好な反応性を示し、これを有機
溶剤溶液として、あるいは樹脂に担持して用いることに
より、セレンイオンを含有する水溶液から、該セレンイ
オンを効率よく分離、除去することができることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
ンを含有する水溶液からのセレンイオンの分離、除去方
法を開発するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造
を有するジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩が
セレンイオンに対して良好な反応性を示し、これを有機
溶剤溶液として、あるいは樹脂に担持して用いることに
より、セレンイオンを含有する水溶液から、該セレンイ
オンを効率よく分離、除去することができることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、セレンイオン含有水
溶液を、一般式
溶液を、一般式
【化4】 (式中のR1〜R4は、それぞれ炭素数6〜12の炭化水
素基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよい)で表わされるジチオカルバメート
化合物からなるセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶液
と混合し、セレンイオンを水相から有機相に移行させる
ことを特徴とするセレンイオンの分離方法、及びセレン
イオン含有水溶液を、一般式(I)で表わされるジチオ
カルバメート化合物からなるセレンイオン分離剤を担持
した多孔質樹脂に接触させ、セレンイオンを水相から樹
脂中に移行させることを特徴とするセレンイオンの分離
方法を提供するものである。
素基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよい)で表わされるジチオカルバメート
化合物からなるセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶液
と混合し、セレンイオンを水相から有機相に移行させる
ことを特徴とするセレンイオンの分離方法、及びセレン
イオン含有水溶液を、一般式(I)で表わされるジチオ
カルバメート化合物からなるセレンイオン分離剤を担持
した多孔質樹脂に接触させ、セレンイオンを水相から樹
脂中に移行させることを特徴とするセレンイオンの分離
方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明方法に用いるセレンイオン
分離剤は、前記一般式(I)で表わされる構造を有する
ジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩からなるも
のである。一般式(I)において、R1〜R4で示される
炭素数6〜12の炭化水素基は、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリー
ル基又はアラルキル基などであり、上記アルキル基及び
アルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであって
もよい。この炭素数6〜12の炭化水素基としては、例
えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオク
チル基、2‐エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル
基、オクテニル基、デセニル基、シクロヘキシル基、シ
クロオクチル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネ
チル基などが挙げられる。R1〜R4は、たがいに同一で
あってもよいし、異なっていてもよいが、製造の容易さ
などの点から、R1及びR2とR3及びR4とが同じである
ものが好ましく、特にR1、R2、R3及びR4がすべて同
じであるものが有利である。
分離剤は、前記一般式(I)で表わされる構造を有する
ジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩からなるも
のである。一般式(I)において、R1〜R4で示される
炭素数6〜12の炭化水素基は、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリー
ル基又はアラルキル基などであり、上記アルキル基及び
アルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであって
もよい。この炭素数6〜12の炭化水素基としては、例
えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオク
チル基、2‐エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル
基、オクテニル基、デセニル基、シクロヘキシル基、シ
クロオクチル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネ
チル基などが挙げられる。R1〜R4は、たがいに同一で
あってもよいし、異なっていてもよいが、製造の容易さ
などの点から、R1及びR2とR3及びR4とが同じである
ものが好ましく、特にR1、R2、R3及びR4がすべて同
じであるものが有利である。
【0008】この一般式(I)で表わされるジチオカル
バメートの第四級アンモニウム塩の好ましい例として
は、ビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウム ビス
(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート、ジヘキシ
ルアンモニウム ジヘキシルジチオカルバメート、ジオ
クチルアンモニウム ジオクチルジチオカルバメートな
どが挙げられる。これらの化合物の中で、ビス(2‐エ
チルヘキシル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘキシ
ル)ジチオカルバメート(R1=R2=R3=R4=2‐エ
チルヘキシル基)は、室温でも液状を示し、かつ有機溶
剤に対する溶解度も高く、有機溶剤溶液として、あるい
は多孔質樹脂に担持して使用しうるものが、特に好適で
ある。
バメートの第四級アンモニウム塩の好ましい例として
は、ビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウム ビス
(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート、ジヘキシ
ルアンモニウム ジヘキシルジチオカルバメート、ジオ
クチルアンモニウム ジオクチルジチオカルバメートな
どが挙げられる。これらの化合物の中で、ビス(2‐エ
チルヘキシル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘキシ
ル)ジチオカルバメート(R1=R2=R3=R4=2‐エ
チルヘキシル基)は、室温でも液状を示し、かつ有機溶
剤に対する溶解度も高く、有機溶剤溶液として、あるい
は多孔質樹脂に担持して使用しうるものが、特に好適で
ある。
【0009】前記一般式(I)で表わされるジチオカル
バメートの第四級アンモニウム塩の製造方法について
は、例えばR3及びR4がそれぞれR1及びR2と同じであ
る場合、一般式
バメートの第四級アンモニウム塩の製造方法について
は、例えばR3及びR4がそれぞれR1及びR2と同じであ
る場合、一般式
【化5】 (式中のR1及びR2は前記と同じ意味をもつ)で表わさ
れるN,N‐ジヒドロカルビルアミン1モルに対し、二
硫化炭素を実質上1/2モルの割合で反応させることに
より、一般式
れるN,N‐ジヒドロカルビルアミン1モルに対し、二
硫化炭素を実質上1/2モルの割合で反応させることに
より、一般式
【化6】 (式中のR1及びR2は前記と同じ意味をもつ)で表わさ
れるジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩を容易
に製造することができる。この反応は、室温で十分に進
行するが、必要があれば適当に加熱して反応を行っても
よい。また、原料として用いるN,N‐ジヒドロカルビ
ルアミンが固体状のものである場合には、適当な有機溶
剤に溶解して反応を行うことができるが、その際には収
率が低下するおそれがあるので注意を要する。
れるジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩を容易
に製造することができる。この反応は、室温で十分に進
行するが、必要があれば適当に加熱して反応を行っても
よい。また、原料として用いるN,N‐ジヒドロカルビ
ルアミンが固体状のものである場合には、適当な有機溶
剤に溶解して反応を行うことができるが、その際には収
率が低下するおそれがあるので注意を要する。
【0010】本発明のセレンイオンの分離方法において
は、セレンイオン含有水溶液を、(1)前記一般式
(I)で表わされるジチオカルバメートの第四級アンモ
ニウム塩からなるセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶
液に接触させる方法、及び(2)前記一般式(I)で表
わされるジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩か
らなるセレンイオン分離剤を担持した多孔質樹脂に接触
させる方法、の2つの態様がある。
は、セレンイオン含有水溶液を、(1)前記一般式
(I)で表わされるジチオカルバメートの第四級アンモ
ニウム塩からなるセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶
液に接触させる方法、及び(2)前記一般式(I)で表
わされるジチオカルバメートの第四級アンモニウム塩か
らなるセレンイオン分離剤を担持した多孔質樹脂に接触
させる方法、の2つの態様がある。
【0011】本発明方法が適用されるセレンイオン含有
水溶液は、セレンイオンとして、亜セレン酸(H2Se
O3)及びその水素イオンが解離した化学種(HSeO3
-1及びSeO3 -2)の形で含有することを前提とするも
のであり、アルカリ金属イオンやハロゲン化物イオン、
あるいはハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオンなど
が共存していてもよい。しかし、鉄、銅、亜鉛、カドミ
ウム、鉛、貴金属などのイオンが大量に共存している場
合には、セレンイオンの抽出が阻害されるおそれがあ
る。
水溶液は、セレンイオンとして、亜セレン酸(H2Se
O3)及びその水素イオンが解離した化学種(HSeO3
-1及びSeO3 -2)の形で含有することを前提とするも
のであり、アルカリ金属イオンやハロゲン化物イオン、
あるいはハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオンなど
が共存していてもよい。しかし、鉄、銅、亜鉛、カドミ
ウム、鉛、貴金属などのイオンが大量に共存している場
合には、セレンイオンの抽出が阻害されるおそれがあ
る。
【0012】このセレンイオン含有水溶液のpHは、抽
出効率の点から7以下が好ましい。また、セレンイオン
含有水溶液をセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶液に
接触させる場合、該セレンイオン含有水溶液がアルカリ
性の場合、発泡が生じ、相分離が困難となるおそれがあ
るので、この点からもpH7以下に調整するのが有利で
ある。なお、セレンイオン分離剤を多孔質樹脂に担持し
て使用する場合には、発泡に対する配慮としてはpHは
関係ないが、抽出効率の点では7以下が好ましい。
出効率の点から7以下が好ましい。また、セレンイオン
含有水溶液をセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶液に
接触させる場合、該セレンイオン含有水溶液がアルカリ
性の場合、発泡が生じ、相分離が困難となるおそれがあ
るので、この点からもpH7以下に調整するのが有利で
ある。なお、セレンイオン分離剤を多孔質樹脂に担持し
て使用する場合には、発泡に対する配慮としてはpHは
関係ないが、抽出効率の点では7以下が好ましい。
【0013】まず、セレンイオン分離剤を含む有機溶剤
溶液にセレンイオン含有水溶液を接触させて、セレンイ
オンを分離、除去する方法において有機溶剤としては、
使用するセレンイオン分離剤を溶解することができ、か
つ水と混和しないものが用いられる。このようなものと
しては、容易に入手することができ、かつ取り扱いやす
さなどの点から、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ケロシンなどの炭
化水素化合物、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素化合物などが好まし
い。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
溶液にセレンイオン含有水溶液を接触させて、セレンイ
オンを分離、除去する方法において有機溶剤としては、
使用するセレンイオン分離剤を溶解することができ、か
つ水と混和しないものが用いられる。このようなものと
しては、容易に入手することができ、かつ取り扱いやす
さなどの点から、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ケロシンなどの炭
化水素化合物、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素化合物などが好まし
い。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】この場合、これらの有機溶剤に、前記一般
式(I)で表わされるジチオカルバメートの第四級アン
モニウム塩を溶解させて、セレンイオン分離剤を含む有
機溶剤溶液を調製する。この有機溶剤溶液中のセレンイ
オン分離剤の濃度は、通常0.001〜0.5モル/リ
ットル、好ましくは0.01〜0.1モル/リットルの
範囲で選ばれる。この際、セレンイオン分離剤は単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。このようにして調製されたセレンイオン分離剤を含
む有機溶剤溶液を用いて、セレンイオンを分離、除去す
る場合、比較的高濃度のセレンイオンを含有する水溶
液、例えばセレンイオンを10-5〜10-2モル/リット
ル程度、好ましくは10-4〜10-3モル/リットルの範
囲で含有する水溶液に直接適用することが可能である。
式(I)で表わされるジチオカルバメートの第四級アン
モニウム塩を溶解させて、セレンイオン分離剤を含む有
機溶剤溶液を調製する。この有機溶剤溶液中のセレンイ
オン分離剤の濃度は、通常0.001〜0.5モル/リ
ットル、好ましくは0.01〜0.1モル/リットルの
範囲で選ばれる。この際、セレンイオン分離剤は単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。このようにして調製されたセレンイオン分離剤を含
む有機溶剤溶液を用いて、セレンイオンを分離、除去す
る場合、比較的高濃度のセレンイオンを含有する水溶
液、例えばセレンイオンを10-5〜10-2モル/リット
ル程度、好ましくは10-4〜10-3モル/リットルの範
囲で含有する水溶液に直接適用することが可能である。
【0015】この方法においては、セレンイオン分離剤
を含む有機溶剤溶液と、セレンイオン含有水溶液とを接
触させるが、この際、該有機溶剤溶液は、セレンイオン
含有水溶液中のセレンイオンに対し、セレンイオン分離
剤が4倍当量以上になるように用いるのが有利である。
セレンイオン分離剤が4倍当量未満ではセレンイオンを
十分に抽出することができない。またセレンイオン分離
剤があまり多すぎても、その量の割には抽出率の向上は
認められない。したがって、セレンイオン分離剤が、セ
レンイオンに対し4倍当量〜100倍当量になるよう
に、有機溶剤溶液を使用するのが好ましい。また、両溶
液を接触させる温度は、室温で十分であり、接触時間
は、通常0.5〜10時間、好ましくは3〜6時間の範
囲である。このようにして、水相から有機相にセレンイ
オンが移行し、セレンイオン含有水溶液からセレンイオ
ンが効果的に分離、除去される。
を含む有機溶剤溶液と、セレンイオン含有水溶液とを接
触させるが、この際、該有機溶剤溶液は、セレンイオン
含有水溶液中のセレンイオンに対し、セレンイオン分離
剤が4倍当量以上になるように用いるのが有利である。
セレンイオン分離剤が4倍当量未満ではセレンイオンを
十分に抽出することができない。またセレンイオン分離
剤があまり多すぎても、その量の割には抽出率の向上は
認められない。したがって、セレンイオン分離剤が、セ
レンイオンに対し4倍当量〜100倍当量になるよう
に、有機溶剤溶液を使用するのが好ましい。また、両溶
液を接触させる温度は、室温で十分であり、接触時間
は、通常0.5〜10時間、好ましくは3〜6時間の範
囲である。このようにして、水相から有機相にセレンイ
オンが移行し、セレンイオン含有水溶液からセレンイオ
ンが効果的に分離、除去される。
【0016】次に、セレンイオン分離剤を担持した多孔
質樹脂にセレンイオン含有水溶液を接触させて、セレン
イオンを分離、除去する方法において用いられる多孔質
樹脂としては、水や、セレンイオン分離剤の担持過程に
おいて使用される有機溶剤に不溶であり、かつ担持する
セレンイオン分離剤に耐性を有するものの中から任意に
選ぶことができ、特に制限はない。このような多孔質樹
脂の例としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレ
ン、発泡ポリスチレン、発泡ポリ塩化ビニル、発泡ポリ
ウレタン、ポリアクリレートやポリメタクリレートの発
泡体、フェノール樹脂発泡体、あるいはこれらの架橋化
合物などを挙げることができるが、これらの中で、特に
架橋ポリアクリレート発泡体及び架橋ポリメタクリレー
ト発泡体が好適である。これらの多孔質樹脂は、比表面
積50〜800m2/g、平均細孔径5〜40nm、粒
度20〜200メッシュの粒状体として用いるのが有利
である。この多孔質樹脂は、洗浄によって不純物を除去
し、十分に乾燥させて水分を除いてから使用するのが好
ましい。
質樹脂にセレンイオン含有水溶液を接触させて、セレン
イオンを分離、除去する方法において用いられる多孔質
樹脂としては、水や、セレンイオン分離剤の担持過程に
おいて使用される有機溶剤に不溶であり、かつ担持する
セレンイオン分離剤に耐性を有するものの中から任意に
選ぶことができ、特に制限はない。このような多孔質樹
脂の例としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレ
ン、発泡ポリスチレン、発泡ポリ塩化ビニル、発泡ポリ
ウレタン、ポリアクリレートやポリメタクリレートの発
泡体、フェノール樹脂発泡体、あるいはこれらの架橋化
合物などを挙げることができるが、これらの中で、特に
架橋ポリアクリレート発泡体及び架橋ポリメタクリレー
ト発泡体が好適である。これらの多孔質樹脂は、比表面
積50〜800m2/g、平均細孔径5〜40nm、粒
度20〜200メッシュの粒状体として用いるのが有利
である。この多孔質樹脂は、洗浄によって不純物を除去
し、十分に乾燥させて水分を除いてから使用するのが好
ましい。
【0017】前記多孔質樹脂にセレンイオン分離剤を担
持させるには、例えばアセトンやヘキサンなどの適当な
低沸点有機溶媒中に、該セレンイオン分離剤を溶解さ
せ、これに多孔質樹脂を加えて、数時間程度かきまぜた
のち、有機溶剤を好ましくは減圧下で留去させればよ
い。このようにして、多孔質樹脂100重量部当り、通
常1〜100重量部、好ましくは10〜70重量部のセ
レンイオン分離剤を担持させるのが望ましい。なお、こ
の際、セレンイオン分離剤は単独で担持させてもよい
し、2種以上を組み合わせて担持させてもよい。
持させるには、例えばアセトンやヘキサンなどの適当な
低沸点有機溶媒中に、該セレンイオン分離剤を溶解さ
せ、これに多孔質樹脂を加えて、数時間程度かきまぜた
のち、有機溶剤を好ましくは減圧下で留去させればよ
い。このようにして、多孔質樹脂100重量部当り、通
常1〜100重量部、好ましくは10〜70重量部のセ
レンイオン分離剤を担持させるのが望ましい。なお、こ
の際、セレンイオン分離剤は単独で担持させてもよい
し、2種以上を組み合わせて担持させてもよい。
【0018】この第2の方法においては、セレンイオン
分離剤を担持した多孔質樹脂の容量や反応速度などの点
からセレンイオンの希薄水溶液、例えばセレンイオン濃
度が10-7〜10-4モル/リットル程度、好ましくは1
0-7〜10-5モル/リットルの範囲にある希薄水溶液に
適用するのが有利である。
分離剤を担持した多孔質樹脂の容量や反応速度などの点
からセレンイオンの希薄水溶液、例えばセレンイオン濃
度が10-7〜10-4モル/リットル程度、好ましくは1
0-7〜10-5モル/リットルの範囲にある希薄水溶液に
適用するのが有利である。
【0019】この方法を好適に実施するには、セレンイ
オン分離剤を担持した多孔質樹脂をカラムに充填し、こ
れにセレンイオン含有水溶液を通液して、セレンイオン
を水相から樹脂中に移行させ、セレンイオン含有水溶液
からセレンイオンを分離、除去するのがよい。このよう
なカラム通液方式を採用することにより、セレンイオン
含有水溶液を連続的、かつ多量に処理することができ
る。この場合、樹脂が充填されたカラムにおけるセレン
イオン含有水溶液の滞留時間は、30分以上に設定する
のが好ましい。また、セレンイオンを吸着した多孔質樹
脂から、該セレンイオンを脱着して回収するには、適当
な有機溶剤、例えばメチルイソブチルケトンなどを、該
多孔質樹脂に接触させればよい。前記のようにカラム通
液方式を採用する場合には、セレンイオンを吸着した多
孔質樹脂充填カラムに、適当な有機溶媒を通液すること
により、多孔質樹脂に吸着されたセレンイオンが有機溶
剤中に移行し、回収される。この際、セレンイオン分離
剤も多孔質樹脂から有機溶剤中に移行する。このように
して処理された多孔質樹脂は、セレンイオン分離剤の担
持用として再利用することができる。
オン分離剤を担持した多孔質樹脂をカラムに充填し、こ
れにセレンイオン含有水溶液を通液して、セレンイオン
を水相から樹脂中に移行させ、セレンイオン含有水溶液
からセレンイオンを分離、除去するのがよい。このよう
なカラム通液方式を採用することにより、セレンイオン
含有水溶液を連続的、かつ多量に処理することができ
る。この場合、樹脂が充填されたカラムにおけるセレン
イオン含有水溶液の滞留時間は、30分以上に設定する
のが好ましい。また、セレンイオンを吸着した多孔質樹
脂から、該セレンイオンを脱着して回収するには、適当
な有機溶剤、例えばメチルイソブチルケトンなどを、該
多孔質樹脂に接触させればよい。前記のようにカラム通
液方式を採用する場合には、セレンイオンを吸着した多
孔質樹脂充填カラムに、適当な有機溶媒を通液すること
により、多孔質樹脂に吸着されたセレンイオンが有機溶
剤中に移行し、回収される。この際、セレンイオン分離
剤も多孔質樹脂から有機溶剤中に移行する。このように
して処理された多孔質樹脂は、セレンイオン分離剤の担
持用として再利用することができる。
【0020】本発明方法において用いられる前記一般式
(I)で表わされるジチオカルバメートの第四級アンモ
ニウム塩からなるセレンイオン分離剤は、多くの金属イ
オンに対して、反応、抽出能力を有している。例えば
鉄、マンガン、ニッケル、カドミウム、銅、鉛、水銀、
スズ、亜鉛、貴金属などのイオンがセレンイオンに共存
する場合、これらのイオンも良好に抽出する能力を有し
ている。したがって、これらのイオンの抽出によって有
機溶媒中又は多孔質樹脂中のセレンイオン分離剤が消費
されることによるセレンイオン抽出能力の低下が起こ
る。
(I)で表わされるジチオカルバメートの第四級アンモ
ニウム塩からなるセレンイオン分離剤は、多くの金属イ
オンに対して、反応、抽出能力を有している。例えば
鉄、マンガン、ニッケル、カドミウム、銅、鉛、水銀、
スズ、亜鉛、貴金属などのイオンがセレンイオンに共存
する場合、これらのイオンも良好に抽出する能力を有し
ている。したがって、これらのイオンの抽出によって有
機溶媒中又は多孔質樹脂中のセレンイオン分離剤が消費
されることによるセレンイオン抽出能力の低下が起こ
る。
【0021】
【発明の効果】本発明方法によれば、上記セレンイオン
分離剤を、有機溶剤溶液として、あるいは多孔質樹脂に
担持して用いることにより、低濃度の場合を含め、セレ
ンイオンを含有する水溶液から、該セレンイオンを効率
よく分離、除去することができる。したがって、本発明
方法は、例えば工業廃水や電子部品の酸浸出液などに含
まれる微量のセレンイオンを簡単な操作で分離、除去す
る方法として有用である。
分離剤を、有機溶剤溶液として、あるいは多孔質樹脂に
担持して用いることにより、低濃度の場合を含め、セレ
ンイオンを含有する水溶液から、該セレンイオンを効率
よく分離、除去することができる。したがって、本発明
方法は、例えば工業廃水や電子部品の酸浸出液などに含
まれる微量のセレンイオンを簡単な操作で分離、除去す
る方法として有用である。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0023】製造例 フラスコ中に、ビス(2‐エチルヘキシル)アミン4
8.3gを入れ、室温でかきまぜながら、これに二硫化
炭素7.61gを滴下した。混合物が発熱を始めたら、
フラスコを室温の水浴に浸し、一晩かきまぜることで反
応を完結させ、ビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウ
ム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメートを
得た。
8.3gを入れ、室温でかきまぜながら、これに二硫化
炭素7.61gを滴下した。混合物が発熱を始めたら、
フラスコを室温の水浴に浸し、一晩かきまぜることで反
応を完結させ、ビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウ
ム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメートを
得た。
【0024】実施例1 セレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有する
pH6.9の水溶液(緩衝剤0.001モル/リット
ル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10m
lに、製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモ
ニウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメー
ト0.01モル/リットルを含有するヘプタン溶液10
mlを加え、5分から24時間振りまぜ、水溶液中に残
存するセレンイオンをICP発光分光分析法で測定し
た。その結果、6時間後に1.4×10-6モル/リット
ルまで減少し、24時間振りまぜた後までその濃度は維
持された。
pH6.9の水溶液(緩衝剤0.001モル/リット
ル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10m
lに、製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモ
ニウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメー
ト0.01モル/リットルを含有するヘプタン溶液10
mlを加え、5分から24時間振りまぜ、水溶液中に残
存するセレンイオンをICP発光分光分析法で測定し
た。その結果、6時間後に1.4×10-6モル/リット
ルまで減少し、24時間振りまぜた後までその濃度は維
持された。
【0025】実施例2 セレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有する
pH1〜10の水溶液(緩衝剤0.001モル/リット
ル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10m
lに、製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモ
ニウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメー
ト0.01モル/リットルを含有するヘプタン溶液10
mlを加え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留する
セレンイオンの濃度を測定し、有機相と水相の間のセレ
ンイオンの分配比を求めた。この結果を横軸を水相のp
H、縦軸を分配比の対数としたグラフとし、図1に示
す。セレンイオンは酸性〜中性(pH1〜7)の広い範
囲から有機相に抽出され、広い酸濃度範囲の水相に適用
可能であることを示している。中性〜アルカリ性になる
につれて急速に分配比は低下するので、セレンイオンの
除去は酸性側で実施されることが好ましい。
pH1〜10の水溶液(緩衝剤0.001モル/リット
ル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10m
lに、製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモ
ニウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメー
ト0.01モル/リットルを含有するヘプタン溶液10
mlを加え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留する
セレンイオンの濃度を測定し、有機相と水相の間のセレ
ンイオンの分配比を求めた。この結果を横軸を水相のp
H、縦軸を分配比の対数としたグラフとし、図1に示
す。セレンイオンは酸性〜中性(pH1〜7)の広い範
囲から有機相に抽出され、広い酸濃度範囲の水相に適用
可能であることを示している。中性〜アルカリ性になる
につれて急速に分配比は低下するので、セレンイオンの
除去は酸性側で実施されることが好ましい。
【0026】実施例3 セレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有する
pH2.2の水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩
化ナトリウム0.09モル/リットル共存)10ml
に、製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモニ
ウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート
10-4〜0.1モル/リットルを含有するヘプタン溶液
10mlを加え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留
するセレンイオンの濃度を測定し、有機相と水相の間の
セレンイオンの分配比を求めた。この結果を横軸をセレ
ンイオン分離剤(以下、試薬と称す)濃度の対数、縦軸
をセレンイオンの分配比の対数としたグラフとし、図2
に示す。試薬濃度が高い領域でセレンイオンの分配比は
ほぼ横ばいとなり、セレンイオンの抽出が試薬濃度に関
しては依存しないことを示している。一方、試薬が希薄
な領域では分配の低下が観測されたが、これは試薬の量
がセレンイオンを抽出するのに十分ではないことに起因
するものと考えられる。試薬の量(モル数)がセレンイ
オンの4倍を下回る範囲では分配が低下する傾向があ
る。
pH2.2の水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩
化ナトリウム0.09モル/リットル共存)10ml
に、製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモニ
ウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート
10-4〜0.1モル/リットルを含有するヘプタン溶液
10mlを加え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留
するセレンイオンの濃度を測定し、有機相と水相の間の
セレンイオンの分配比を求めた。この結果を横軸をセレ
ンイオン分離剤(以下、試薬と称す)濃度の対数、縦軸
をセレンイオンの分配比の対数としたグラフとし、図2
に示す。試薬濃度が高い領域でセレンイオンの分配比は
ほぼ横ばいとなり、セレンイオンの抽出が試薬濃度に関
しては依存しないことを示している。一方、試薬が希薄
な領域では分配の低下が観測されたが、これは試薬の量
がセレンイオンを抽出するのに十分ではないことに起因
するものと考えられる。試薬の量(モル数)がセレンイ
オンの4倍を下回る範囲では分配が低下する傾向があ
る。
【0027】実施例4 セレンイオンを10-4モル/リットルと共に、二価鉛イ
オン、二価カドミウムイオン、二価銅イオン、二価亜鉛
イオン、三価鉄イオン、二価ニッケルイオン又は二価マ
ンガンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有する
水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩化ナトリウム
0.09モル/リットル共存)10mlに、製造例で得
たビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウム ビス(2
‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート10-4〜0.1
モル/リットルを含有するヘプタン溶液10mlを加
え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留するセレンイ
オン及び共存金属イオンの濃度を測定した。この結果と
して得られたセレンイオン及び各金属イオンの抽出率を
表1に示す。セレンイオンの抽出率はいずれの場合でも
98%以上を維持し、これらの金属イオンの共存によっ
てほとんど影響を受けなかった。一方、共存金属イオン
の抽出率では、二価鉛イオン、二価カドミウムイオン、
二価銅イオン及び二価亜鉛イオンでは99%以上の高い
抽出率を示し、これらの金属イオンはセレンイオンと同
時に除去しうることが示された。
オン、二価カドミウムイオン、二価銅イオン、二価亜鉛
イオン、三価鉄イオン、二価ニッケルイオン又は二価マ
ンガンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有する
水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩化ナトリウム
0.09モル/リットル共存)10mlに、製造例で得
たビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウム ビス(2
‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート10-4〜0.1
モル/リットルを含有するヘプタン溶液10mlを加
え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留するセレンイ
オン及び共存金属イオンの濃度を測定した。この結果と
して得られたセレンイオン及び各金属イオンの抽出率を
表1に示す。セレンイオンの抽出率はいずれの場合でも
98%以上を維持し、これらの金属イオンの共存によっ
てほとんど影響を受けなかった。一方、共存金属イオン
の抽出率では、二価鉛イオン、二価カドミウムイオン、
二価銅イオン及び二価亜鉛イオンでは99%以上の高い
抽出率を示し、これらの金属イオンはセレンイオンと同
時に除去しうることが示された。
【0028】
【表1】
【0029】実施例5 セレンイオンを10-4モル/リットルと共に、二価カド
ミウムイオン、二価銅イオン又は二価亜鉛イオンを10
-5〜10-2モル/リットルの濃度で含有する水溶液(塩
酸0.01モル/リットル、塩化ナトリウム0.09モ
ル/リットル共存)10mlに、製造例で得たビス(2
‐エチルヘキシル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘ
キシル)ジチオカルバメート0.01モル/リットルを
含有するヘプタン溶液10mlを加え、6時間振りまぜ
たのち、水相中に残留するセレンイオン濃度を測定し、
有機相と水相の間のセレンイオンの分配比を求めた。そ
の結果を、横軸を共存金属イオンの初濃度の対数、縦軸
をセレンイオンの分配比の対数で表わしたグラフとして
図3に示す。二価亜鉛イオン及び二価カドミウムイオン
では濃度の増加に対してセレンイオンの分配比に大きな
低下は観測されなかったが、二価銅イオンでは10-2モ
ル/リットルの濃度で明らかな低下が観測された。この
結果は、セレンイオンの分配比は低濃度の共存金属イオ
ンによってはほとんど干渉を受けないが、高濃度の二価
銅イオンの存在には注意を要することを示している。
ミウムイオン、二価銅イオン又は二価亜鉛イオンを10
-5〜10-2モル/リットルの濃度で含有する水溶液(塩
酸0.01モル/リットル、塩化ナトリウム0.09モ
ル/リットル共存)10mlに、製造例で得たビス(2
‐エチルヘキシル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘ
キシル)ジチオカルバメート0.01モル/リットルを
含有するヘプタン溶液10mlを加え、6時間振りまぜ
たのち、水相中に残留するセレンイオン濃度を測定し、
有機相と水相の間のセレンイオンの分配比を求めた。そ
の結果を、横軸を共存金属イオンの初濃度の対数、縦軸
をセレンイオンの分配比の対数で表わしたグラフとして
図3に示す。二価亜鉛イオン及び二価カドミウムイオン
では濃度の増加に対してセレンイオンの分配比に大きな
低下は観測されなかったが、二価銅イオンでは10-2モ
ル/リットルの濃度で明らかな低下が観測された。この
結果は、セレンイオンの分配比は低濃度の共存金属イオ
ンによってはほとんど干渉を受けないが、高濃度の二価
銅イオンの存在には注意を要することを示している。
【0030】実施例6 製造例で得たビス(2‐エチルヘキシル)アンモニウム
ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート8g
を、粒度20〜60メッシュの多孔質ポリアクリル酸エ
ステル樹脂20gに担持し、粒状体の含浸樹脂を調製し
た。セレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有
するpH7.2の水溶液(緩衝剤0.001モル/リッ
トル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10
mlに該含浸樹脂0.1gを加え、5分から24時間振
りまぜ、水溶液中に残存するセレンイオンをICP発光
分光分析法で測定した。その結果、6時間後に1.3×
10-6モル/リットルまで減少し、24時間振りまぜた
後までその濃度は維持された。
ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオカルバメート8g
を、粒度20〜60メッシュの多孔質ポリアクリル酸エ
ステル樹脂20gに担持し、粒状体の含浸樹脂を調製し
た。セレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有
するpH7.2の水溶液(緩衝剤0.001モル/リッ
トル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10
mlに該含浸樹脂0.1gを加え、5分から24時間振
りまぜ、水溶液中に残存するセレンイオンをICP発光
分光分析法で測定した。その結果、6時間後に1.3×
10-6モル/リットルまで減少し、24時間振りまぜた
後までその濃度は維持された。
【0031】実施例7 実施例6で用いたものと同じ粒状体の含浸樹脂0.1g
にセレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有す
るpH1〜10の水溶液(緩衝剤0.001モル/リッ
トル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10
mlを加え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留する
セレンイオンの濃度を測定し、樹脂と水相の間のセレン
イオンの分配比を求めた。この結果を横軸を水相のp
H、縦軸を分配比の対数としたグラフとし、図4に示
す。セレンイオンの分配比は酸性〜中性(pH1〜7)
の広い酸性度で高い値を示し、当樹脂がこの領域で有効
にセレンイオンを抽出しうることを示している。一方、
pH8以上の領域では分配比の低下が観測された。した
がって、アルカリ性の溶液ではセレンイオンの吸着は不
十分となるので注意が必要であり、セレンの除去は酸性
側で実施されることが好ましい。
にセレンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有す
るpH1〜10の水溶液(緩衝剤0.001モル/リッ
トル、塩化ナトリウム0.1モル/リットル共存)10
mlを加え、6時間振りまぜたのち、水相中に残留する
セレンイオンの濃度を測定し、樹脂と水相の間のセレン
イオンの分配比を求めた。この結果を横軸を水相のp
H、縦軸を分配比の対数としたグラフとし、図4に示
す。セレンイオンの分配比は酸性〜中性(pH1〜7)
の広い酸性度で高い値を示し、当樹脂がこの領域で有効
にセレンイオンを抽出しうることを示している。一方、
pH8以上の領域では分配比の低下が観測された。した
がって、アルカリ性の溶液ではセレンイオンの吸着は不
十分となるので注意が必要であり、セレンの除去は酸性
側で実施されることが好ましい。
【0032】実施例8 実施例6で用いたものと同じ粒状体の含浸樹脂0.1g
に、セレンイオン10-4モル/リットルと共に、二価鉛
イオン、二価カドミウムイオン、二価銅イオン、二価亜
鉛イオン、三価鉄イオン、二価ニッケルイオン又は二価
マンガンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有す
る水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩化ナトリウ
ム0.09モル/リットル共存)10mlを加え、6時
間振りまぜたのち、水相中に残留するセレンイオン及び
共存金属イオンの濃度を測定した。この結果として得ら
れたセレンイオン及び各金属イオンの抽出率を表2に示
す。溶媒抽出の場合と同様に、セレンイオンの抽出率は
いずれの場合でも98%以上を維持した。一方、共存金
属イオンの抽出はいずれの金属イオンでも観測され、特
に二価鉛イオン、二価カドミウムイオン、二価銅イオ
ン、二価亜鉛イオン及び三価鉄イオンでは98%以上の
高い抽出率を示し、これらの金属イオンはセレンイオン
と同時に除去しうることが示された。
に、セレンイオン10-4モル/リットルと共に、二価鉛
イオン、二価カドミウムイオン、二価銅イオン、二価亜
鉛イオン、三価鉄イオン、二価ニッケルイオン又は二価
マンガンイオンを10-4モル/リットルの濃度で含有す
る水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩化ナトリウ
ム0.09モル/リットル共存)10mlを加え、6時
間振りまぜたのち、水相中に残留するセレンイオン及び
共存金属イオンの濃度を測定した。この結果として得ら
れたセレンイオン及び各金属イオンの抽出率を表2に示
す。溶媒抽出の場合と同様に、セレンイオンの抽出率は
いずれの場合でも98%以上を維持した。一方、共存金
属イオンの抽出はいずれの金属イオンでも観測され、特
に二価鉛イオン、二価カドミウムイオン、二価銅イオ
ン、二価亜鉛イオン及び三価鉄イオンでは98%以上の
高い抽出率を示し、これらの金属イオンはセレンイオン
と同時に除去しうることが示された。
【0033】
【表2】
【0034】実施例9 実施例6で用いたものと同じ粒状体の含浸樹脂を、内径
1.2cm、長さ18.5cmの円筒状カラムに充填
し、その上部からセレンイオン1×10-5モル/リット
ルを含む水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩化ナ
トリウム0.09モル/リットル含有)を24ml/時
の速度で通液した。カラムからの溶出液を経時的に分取
し、セレンの濃度を測定した。その結果を、横軸を溶出
液の体積、縦軸をセレン濃度として表したグラフとして
図5に示す。約1000mlの溶出液は1×10-6モル
/リットル以下のセレン濃度を示し、良好にセレンが除
去されたことを示している。但しその後は捕捉が不十分
となり、セレンの濃度の上昇が観測された。
1.2cm、長さ18.5cmの円筒状カラムに充填
し、その上部からセレンイオン1×10-5モル/リット
ルを含む水溶液(塩酸0.01モル/リットル、塩化ナ
トリウム0.09モル/リットル含有)を24ml/時
の速度で通液した。カラムからの溶出液を経時的に分取
し、セレンの濃度を測定した。その結果を、横軸を溶出
液の体積、縦軸をセレン濃度として表したグラフとして
図5に示す。約1000mlの溶出液は1×10-6モル
/リットル以下のセレン濃度を示し、良好にセレンが除
去されたことを示している。但しその後は捕捉が不十分
となり、セレンの濃度の上昇が観測された。
【0035】実施例10 実施例9においてセレンイオンを吸着したカラムの上部
から0.01モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液を
24ml/hの速度で通液してカラムを洗浄後、メチル
イソブチルケトン(MIBK)を同じ流速で通液した。
カラムからの溶出液を経時的に分取し、セレンイオンの
濃度を測定した。その結果を、横軸を溶出液の体積、縦
軸をセレンイオン濃度として表わしたグラフとして図6
に示す。セレンイオンはメチルイソブチルケトンにより
迅速にカラムから溶出し、樹脂中のセレンイオンの回収
は容易に行いうることが示された。また担持したセレン
イオンは定量的に、かつ濃縮した溶液として回収されて
おり、セレンイオンの後処理に有効である。また有機溶
剤により樹脂内部に担持されたビス(2‐エチルヘキシ
ル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオ
カルバメートも同時に溶出し、樹脂母材を再利用するこ
とが可能となる。樹脂上に担持されたセレンイオンは定
量的に溶出し、溶出液中に回収された。
から0.01モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液を
24ml/hの速度で通液してカラムを洗浄後、メチル
イソブチルケトン(MIBK)を同じ流速で通液した。
カラムからの溶出液を経時的に分取し、セレンイオンの
濃度を測定した。その結果を、横軸を溶出液の体積、縦
軸をセレンイオン濃度として表わしたグラフとして図6
に示す。セレンイオンはメチルイソブチルケトンにより
迅速にカラムから溶出し、樹脂中のセレンイオンの回収
は容易に行いうることが示された。また担持したセレン
イオンは定量的に、かつ濃縮した溶液として回収されて
おり、セレンイオンの後処理に有効である。また有機溶
剤により樹脂内部に担持されたビス(2‐エチルヘキシ
ル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘキシル)ジチオ
カルバメートも同時に溶出し、樹脂母材を再利用するこ
とが可能となる。樹脂上に担持されたセレンイオンは定
量的に溶出し、溶出液中に回収された。
【図1】 本発明におけるセレンイオン含有水溶液のp
Hと、溶媒抽出におけるセレンイオンの分配比との関係
の1例を示すグラフ。
Hと、溶媒抽出におけるセレンイオンの分配比との関係
の1例を示すグラフ。
【図2】 本発明における有機相中のビス(2‐エチル
ヘキシル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘキシル)
ジチオカルバメート濃度と、溶媒抽出におけるセレンイ
オンの分配比との関係の1例を示すグラフ。
ヘキシル)アンモニウム ビス(2‐エチルヘキシル)
ジチオカルバメート濃度と、溶媒抽出におけるセレンイ
オンの分配比との関係の1例を示すグラフ。
【図3】 本発明において、セレンイオンに他の金属イ
オンが共存した場合の、共存金属イオン濃度と溶媒抽出
におけるセレンイオンの分配比との関係の1例を示すグ
ラフ。
オンが共存した場合の、共存金属イオン濃度と溶媒抽出
におけるセレンイオンの分配比との関係の1例を示すグ
ラフ。
【図4】 本発明において、セレンイオン分離剤を担持
した樹脂を用いてセレンイオンの吸着を行った場合にお
ける、水相のpHとセレンイオンの分配比との関係の1
例を示すグラフ。
した樹脂を用いてセレンイオンの吸着を行った場合にお
ける、水相のpHとセレンイオンの分配比との関係の1
例を示すグラフ。
【図5】 本発明において、セレンイオン分離剤を担持
した樹脂カラムを用いてセレンイオンの吸着を行った場
合における、溶出液の体積と溶出液中のセレンイオン濃
度との関係の1例を示すグラフ。
した樹脂カラムを用いてセレンイオンの吸着を行った場
合における、溶出液の体積と溶出液中のセレンイオン濃
度との関係の1例を示すグラフ。
【図6】 本発明において、セレンイオンを吸着した樹
脂カラムからセレンイオンの溶出を行った場合におけ
る、溶出液の体積と溶出液中のセレンイオン濃度との関
係の1例を示すグラフ。
脂カラムからセレンイオンの溶出を行った場合におけ
る、溶出液の体積と溶出液中のセレンイオン濃度との関
係の1例を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 11/04 C01B 19/00 C02F 1/58 C07C 333/16
Claims (5)
- 【請求項1】 セレンイオン含有水溶液を、一般式 【化1】 (式中のR1〜R4は、それぞれ炭素数6〜12の炭化水
素基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよい)で表わされるジチオカルバメート
化合物からなるセレンイオン分離剤を含む有機溶剤溶液
と混合し、セレンイオンを水相から有機相に移行させる
ことを特徴とするセレンイオンの分離方法。 - 【請求項2】 セレンイオン含有水溶液を、一般式 【化2】 (式中のR1〜R4は、それぞれ炭素数6〜12の炭化水
素基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよい)で表わされるジチオカルバメート
化合物からなるセレンイオン分離剤を担持した多孔質樹
脂に接触させ、セレンイオンを水相から樹脂中に移行さ
せることを特徴とするセレンイオンの分離方法。 - 【請求項3】 セレンイオン含有水溶液を、一般式 【化3】 (式中のR1〜R4は、それぞれ炭素数6〜12の炭化水
素基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよい)で表わされるジチオカルバメート
化合物からなるセレンイオン分離剤を担持した多孔質樹
脂に接触させ、セレンイオンを水相から樹脂中に移行さ
せたのち、該樹脂に有機溶剤を接触させ、セレンイオン
を樹脂中から有機溶剤に移行させて回収することを特徴
とするセレンイオンの分離方法。 - 【請求項4】 セレンイオン分離剤を担持した多孔質樹
脂をカラムに充填して使用する請求項2又は3記載のセ
レンイオンの分離方法。 - 【請求項5】 セレンイオン含有水溶液がpH7以下の
ものである請求項1ないし4のいずれかに記載のセレン
イオンの分離方法。
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JP11075440A JP3060013B1 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | セレンイオンの分離方法 |
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JP3060013B1 true JP3060013B1 (ja) | 2000-07-04 |
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