JP3059801U - 管接続用可撓管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 管接続用可撓管において、可撓管本体自体に
断熱保温性と耐蝕性とを持たせて結露を生じにくくす
る。可撓管本体自体に電気絶縁性を持たせることによっ
て、電蝕の問題を生じなくする。 【解決手段】 ゴム製ホース又は樹脂製ホースでなる柔
軟なホース２を、断熱保温性と耐蝕性と電気絶縁性とを
備えた材料（被覆層３）で被覆して可撓管本体１を形成
する。可撓管本体１の端部に管接続具５を設ける。被覆
層３は、ガラス繊維又はガラスクロスで形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、管接続用可撓管に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、水用あるいはガス用の配管を形成するための管同士を管接続用可撓 管を用いて接続することが行われている。この用途に用いられる管接続用可撓管 は、ゴム製あるいは樹脂製の柔軟なホースの一端部及び他端部に継手機能を発揮 する管接続具を有している。また、上記ホースのホース壁の肉厚内にメッシュ状 のブレードを埋入してホースを補強するといった対策や、ホースをステンレスな どで作られた金属製の編組ブレードで被覆して補強するといった対策も講じられ ていた。

【０００３】 これらの従来の管接続用可撓管のうち、ホースを金属製の編組ブレードで被覆 したものは、編組ブレードによる補強作用や保護作用によって柔軟なホースの圧 潰や損傷が抑制されるという利点のほか、耐用性に優れているという利点を持っ ている。この種の管接続用可撓管を水用配管やガス用配管に実使用する場合、そ の可撓管の外面に腐食原因となる結露が生じるのを防ぐために、外装材としての 保温材を巻き付けておく必要があり、そのような外装材を巻き付けないで使用す ると、特に冷温水などの配管では結露が生じて腐食を起こしやすくなる。したが って、外装材としての保温材を巻き付けておくことは、ホースを金属製の編組ブ レードで被覆した従来の管接続用可撓管の施工に際して不可欠な事項であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ホースを金属製の編組ブレードで被覆した管接続用可撓管の施 工に際して外装材としての保温材を巻き付ける作業は、面倒で煩わしく、手間の かかる作業であり、そのために配管作業性が低下するという問題があった。また 、このような管接続用可撓管は、その編組ブレードが導電性に優れたステンレス などの金属で作られていることにより電蝕を生じるおそれがあるという問題を併 せ有していた。

【０００５】 本考案は以上の状況に鑑みてなされたものであり、可撓管本体自体に断熱保温 性と耐蝕性とを持たせて結露を生じにくくすることにより、施工に際して外装材 としての保温材を巻き付ける作業を省略することが可能になる管接続用可撓管を 提供することを目的とする。

【０００６】 また、本考案は、可撓管本体自体に電気絶縁性を持たせることによって、電蝕 の問題を生じるおそれをなくすることのできる管接続用可撓管を提供することを 目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る管接続用可撓管は、柔軟なホースを、断熱保温性と耐蝕性と電気 絶縁性とを備えた材料で被覆してなる可撓管本体の端部に管接続具が設けられて いる、というものである。

【０００８】 この考案において、柔軟なホースは、そのホース壁を形成している材料自体は 柔軟であるけれども、ホースの形では、ある程度の曲率を持たせて湾曲させたと きに局部的な屈曲を生じにくく、しかも、数十ｃｍ程度の長さのものでは自立姿 勢を維持し得る程度の曲げ剛性を備えたホースのことである。また、柔軟なホー スには、そのホース壁がゴム層又は樹脂層で形成されたゴム製ホース又は樹脂製 ホースを採用することが可能であり、その場合、ホース成形時にホース壁の肉厚 内に補強用ブレードを埋入したものであってもよい。ホース壁の肉厚内に補強用 ブレードを埋入した柔軟なホースを用いると、補強用ブレードによってホース壁 が補強されてホース自体の引張強度が向上する。なお、補強用ブレードには、冒 頭で説明したメッシュ状のブレードを用いることができ、その補強用ブレードの 材料には、金属線やガラス繊維などを好適に用い得る。

【０００９】 柔軟な上記ホースを被覆している上記材料には断熱保温性と耐蝕性と電気絶縁 性とが要求され、そのような要求を満たすものとして、たとえば、ガラス繊維又 はガラスクロスがある。ガラス繊維又はガラスクロスのように、それ自体が断熱 保温性と耐蝕性とを備えていると、その断熱保温性によって当該可撓管の外面へ の結露の問題が起こりにくくなり、同時に結露やそれ以外の原因による腐食の問 題も起こらなくなる。また、ガラス繊維又はガラスクロスのように、それ自体が 電気絶縁性を備えていると電蝕の問題も起こる余地がなくなる。

【００１０】 このように、本考案に係る管接続用可撓管を用いると、柔軟なホースを被覆し ている材料自体の断熱保温性によって結露が防止されるので、結露を防ぐために 外装材としての保温材を巻き付ける面倒で煩わしい作業を省略することができる ようになると同時に、結露やそれ以外の原因による腐食が防止されるようになる 。また、柔軟なホースを被覆している材料自体の電気絶縁性によって電蝕を生じ る余地もなくなる。さらに、柔軟なホースを被覆している材料をガラス繊維やガ ラスクロスで形成したものでは、作業中の溶接火花や高温物体が可撓管本体に接 触しても、その材料の断熱保温性により、ホースが損傷を受けるといった事態が 防止される。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る管接続用可撓管Ａを一部破断して示した概略側面図、図２ は図１の要部を拡大して示した破断側面図、図３は可撓管本体１と管接続具５と の結合構造を例示した拡大断面図である。

【００１２】 図１のように、管接続用可撓管Ａは、可撓管本体１の一端部と他端部とのそれ ぞれに管接続具５，５が設けられており、これらの管接続具５，５を用いて図示 していない管の端部に接続されるようになっている。また、可撓管本体１をＵ字 状に湾曲させて施工しておくと、その可撓管本体１の変形によって管（不図示） の伸縮が吸収される。

【００１３】 図３のように、可撓管本体１は、柔軟なホース２を、断熱保温性と耐蝕性と電 気絶縁性とを備えた材料で被覆してなる。３は被覆層を示している。柔軟なホー ス２としては、ゴム製の柔軟なホースのほか、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂その 他の合成樹脂で作られた柔軟なホースを用いることが可能であり、好ましくは、 図２に示したように、ホース壁２１の肉厚内に補強用ブレード２２が埋入されて いるものを好適に用い得る。ホース壁２１の肉厚内に補強用ブレード２２が埋入 されている柔軟なホース２は、ゴムや合成樹脂でホース壁２１を成形するときに 、同時にそのホース壁２１の肉厚内に補強用ブレード２２を埋入することによっ て容易に製作される。補強用ブレード２２の材料には、金属線やガラス繊維など を好適に用い得る。柔軟なホース２を被覆している被覆層３には、図２のように 細いガラス繊維を撚って作ったガラス繊維糸３１を円筒状に編み組みしてホース ２を被覆させたものを好適に用いることができるけれども、そのほかにも、ガラ ス繊維をホース２に直接に巻き付けて被覆させたもの、あるいは、ガラスクロス をホース２に直接に巻き付けて被覆させたもの、なども好適に用い得る。

【００１４】 次に、図３を参照して可撓管本体１と管接続具５との結合構造を説明する。図 ３に例示した結合構造では、ホース２の端部がホース接続金具５１に圧入されて おり、そのホース２の端部の圧入箇所とホース２を被覆している被覆層３の端部 とが、その外側に嵌め込まれた金属製の筒状のカラー５２をかしめることによっ てホース接続金具５１に強固に固着されている。また、ホース接続金具５１に袋 ナット５３が回転自在に保持されている。５５はホース接続金具５１に形成され た座面５４と、図示していない相手方管の接続金具の座面とによって挾圧されて シール性を発揮するパッキン材である。

【００１５】 このような管接続用可撓管Ａによると、被覆層３が断熱保温性と耐蝕性と電気 絶縁性とを備えているので、冷温水用の配管に用いた場合でも、可撓管本体１の 外面に結露が生じるという事態が起こりにくくなり、同時に、結露やその他の原 因による腐食や電蝕も起こらなくなる。したがって、この管接続用可撓管Ａの施 工は、袋ナット５３を相手方管の接続金具にねじ込んで締め付けるだけで済み、 そのような施工を行った後で外装材としての保温材を巻き付けるというような面 倒で煩わしく、手間のかかる作業を行う必要はない。

【００１６】 また、被覆層３をガラス繊維やガラスクロスで形成した管接続用可撓管Ａでは 、施工現場での作業中の溶接火花や高温物体が可撓管本体１に接触しても、その 被覆層３の断熱保温性により、ホース２が損傷を受けるといった事態が防止され る。

【００１７】 なお、この実施形態では、管接続具５として袋ナット５３を採用したものを説 明したけれども、管接続具５は、袋ナット以外の締結具、たとえばユニオンを用 いるものであってもよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように、本考案の管接続用可撓管によれば、可撓管本体自体が断熱保温 性と耐蝕性と電気絶縁性とを有しているので、施工に際して外装材としての保温 材を巻き付ける作業を省略することが可能になって施工の際の作業性が向上し、 同時に、電蝕を生じるおそれがなくなるという効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る管接続用可撓管を一部破断して示
した概略側面図である。

【図２】図１の要部を拡大して示した破断側面図であ
る。

【図３】可撓管本体と管接続具との結合構造を例示した
拡大断面図である。

【符号の説明】

Ａ 管接続用可撓管 １ 可撓管本体 ２ ホース ３ 被覆層 ５ 管接続具 ２１ ホース壁 ２２ 補強用ブレード

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟なホースを、断熱保温性と耐蝕性と
   電気絶縁性とを備えた材料で被覆してなる可撓管本体の
   端部に管接続具が設けられていることを特徴とする管接
   続用可撓管。
2. 【請求項２】 柔軟な上記ホースが、そのホース壁の肉
   厚内に補強用ブレードが埋入されたゴム製ホース又は樹
   脂製ホースでなる請求項１に記載した管接続用可撓管。
3. 【請求項３】 柔軟な上記ホースを被覆している上記材
   料が、ガラス繊維又はガラスクロスである請求項１又は
   請求項２に記載した管接続用可撓管。