JP3057229B1 - 電磁波増幅器および電磁波発生器 - Google Patents
電磁波増幅器および電磁波発生器Info
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- H01S3/09—Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping
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Abstract
【要約】
【課題】 真空中の電子と、波状形状に加工された誘電
体光導波路から真空中にしみ出した電磁波とを用いて電
磁波増幅を行う、電磁波増幅器を実現する。 【解決手段】 電子放射部1と、該電子放射部から放射
されて真空中を走行する電子ビーム4から受けたエネル
ギーを利用して入力された電磁波を一方向に増幅する増
幅部2とを真空中に配置して成る電磁波増幅器におい
て、増幅部1は、電子ビーム走行方向に誘電体導波路6
が形成された誘電体基板5と、誘電体導波路6を挟むよ
うに対向配置された電子ビーム収束用電極9,10とか
ら成り、誘電体導波路6は、入力された電磁波12の一
部と電子放射部1から放射される電子ビーム4とが交差
することにより電子ビーム走行方向に電磁波の電界成分
Eを生じさせるとともに、電子ビーム走行方向の電磁波
の走行速度を低下させるように所定周期長の波状形状に
形成されている。
体光導波路から真空中にしみ出した電磁波とを用いて電
磁波増幅を行う、電磁波増幅器を実現する。 【解決手段】 電子放射部1と、該電子放射部から放射
されて真空中を走行する電子ビーム4から受けたエネル
ギーを利用して入力された電磁波を一方向に増幅する増
幅部2とを真空中に配置して成る電磁波増幅器におい
て、増幅部1は、電子ビーム走行方向に誘電体導波路6
が形成された誘電体基板5と、誘電体導波路6を挟むよ
うに対向配置された電子ビーム収束用電極9,10とか
ら成り、誘電体導波路6は、入力された電磁波12の一
部と電子放射部1から放射される電子ビーム4とが交差
することにより電子ビーム走行方向に電磁波の電界成分
Eを生じさせるとともに、電子ビーム走行方向の電磁波
の走行速度を低下させるように所定周期長の波状形状に
形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子工学、通信工
学、電磁波工学、電子デバイス工学、量子電子工学、光
エレクトロニクス、レーザ工学等の多くの分野に適用可
能な、電磁波を一方向のみに増幅する電磁波増幅器およ
び電磁波を発生する電磁波発生器に関するものである。
学、電磁波工学、電子デバイス工学、量子電子工学、光
エレクトロニクス、レーザ工学等の多くの分野に適用可
能な、電磁波を一方向のみに増幅する電磁波増幅器およ
び電磁波を発生する電磁波発生器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】より大容量の情報をより高速に伝達した
り処理する技術を開発する目的に向かって、エレクトロ
ニクスは発展してきている。この目的のため、エレクト
ロニクスにおいては、より高い周波数領域を扱う技術が
開発されており、1015という高い周波数に達する光の
領域をも電子工学として扱うようになった。しかし、マ
イクロ波領域〜光領域(109 〜1015Hz)では、エ
レクトロニクスの主役であるトランジスタやICが利用
できないため、代わりに特殊な素子や方式が用いられて
いる結果、以下のような種々の技術的な制約が存在して
いた。
り処理する技術を開発する目的に向かって、エレクトロ
ニクスは発展してきている。この目的のため、エレクト
ロニクスにおいては、より高い周波数領域を扱う技術が
開発されており、1015という高い周波数に達する光の
領域をも電子工学として扱うようになった。しかし、マ
イクロ波領域〜光領域(109 〜1015Hz)では、エ
レクトロニクスの主役であるトランジスタやICが利用
できないため、代わりに特殊な素子や方式が用いられて
いる結果、以下のような種々の技術的な制約が存在して
いた。
【0003】光領域(1014〜1015Hz)では、信号
を発生させたり増幅する能動素子としてレーザが用いら
れているが、レーザ内では前進する信号および後退する
信号の両方を増幅してしまう。つまり、レーザにおいて
は信号増幅が一方向性(非可逆)とはならず、双方向性
(可逆)となっている。このレーザの双方向性の増幅特
性はトランジスタや電子管が有する一方向性の増幅特性
とは対照的であり、この一方向性の増幅特性を利用して
コンピュータにおける論理演算が可能になっていること
を考慮すると、光領域(1014〜1015Hz)において
能動素子としてレーザを用いたのでは、光そのものを制
御する情報処理を実現することができない。
を発生させたり増幅する能動素子としてレーザが用いら
れているが、レーザ内では前進する信号および後退する
信号の両方を増幅してしまう。つまり、レーザにおいて
は信号増幅が一方向性(非可逆)とはならず、双方向性
(可逆)となっている。このレーザの双方向性の増幅特
性はトランジスタや電子管が有する一方向性の増幅特性
とは対照的であり、この一方向性の増幅特性を利用して
コンピュータにおける論理演算が可能になっていること
を考慮すると、光領域(1014〜1015Hz)において
能動素子としてレーザを用いたのでは、光そのものを制
御する情報処理を実現することができない。
【0004】マイクロ波領域(109 〜1011Hz)で
は、一方向性の能動素子として進行波管が用いられてい
る。進行波管は、一方向性の機能電子素子である通常の
電子管やトランジスタの動作可能周波数の上限値(1G
Hz=109 Hz程度)を上回る、最も高い動作可能周
波数を有する一方向性の電子管である。この進行波管
は、金属による遅延伝送路を用いて電磁波の伝搬速度を
低下させ、この電磁波に電子銃から放射された電子ビー
ムがエネルギーを与えるものであり、周囲を真空にする
ことにより、電子が周囲物質と衝突して散乱することに
伴うエネルギー損失を抑制している。
は、一方向性の能動素子として進行波管が用いられてい
る。進行波管は、一方向性の機能電子素子である通常の
電子管やトランジスタの動作可能周波数の上限値(1G
Hz=109 Hz程度)を上回る、最も高い動作可能周
波数を有する一方向性の電子管である。この進行波管
は、金属による遅延伝送路を用いて電磁波の伝搬速度を
低下させ、この電磁波に電子銃から放射された電子ビー
ムがエネルギーを与えるものであり、周囲を真空にする
ことにより、電子が周囲物質と衝突して散乱することに
伴うエネルギー損失を抑制している。
【0005】この進行波管では、電子ビームの速度およ
び電磁波の伝搬速度が一致したときに電磁波が増幅され
るため、逆方向へ伝搬する電磁波は増幅されない。しか
し、波長は高周波になるほど短くなり、進行波管の使用
周波数の上限値は伝送路の金属加工技術により決定され
るため、進行波管は数十GHz以上の周波数では使用で
きない。したがって、1011Hzを越える周波数で使用
し得る進行波管を作製することは、現在の金属加工技術
の限界を遥かに越えることになり、現時点では不可能で
ある。
び電磁波の伝搬速度が一致したときに電磁波が増幅され
るため、逆方向へ伝搬する電磁波は増幅されない。しか
し、波長は高周波になるほど短くなり、進行波管の使用
周波数の上限値は伝送路の金属加工技術により決定され
るため、進行波管は数十GHz以上の周波数では使用で
きない。したがって、1011Hzを越える周波数で使用
し得る進行波管を作製することは、現在の金属加工技術
の限界を遥かに越えることになり、現時点では不可能で
ある。
【0006】1011〜1014Hzの周波数帯はサブミリ
波から赤外線の領域になるが、この領域はエレクトロニ
クスとしては未開発の領域である。つまり、この領域で
のコヒーレントな(位相の制御された)電磁波増幅器や
電磁波発生器(発振器)等は、未だに実用化に至ってい
ない。上記領域の利用が困難である理由は、物質中の電
子散乱(衝突)や熱的な分子運動等の不規則な現象が支
配する周波数帯となっているからである。しかしなが
ら、1011〜1014Hzの周波数帯に関する技術は、大
気中の汚染物質の検出等、環境問題の解決のための技術
を提供するばかりでなく、1014〜1014Hzをキャリ
ア周波数として使用する光通信技術において超大容量の
伝送を可能にする技術として、開発が期待されている。
波から赤外線の領域になるが、この領域はエレクトロニ
クスとしては未開発の領域である。つまり、この領域で
のコヒーレントな(位相の制御された)電磁波増幅器や
電磁波発生器(発振器)等は、未だに実用化に至ってい
ない。上記領域の利用が困難である理由は、物質中の電
子散乱(衝突)や熱的な分子運動等の不規則な現象が支
配する周波数帯となっているからである。しかしなが
ら、1011〜1014Hzの周波数帯に関する技術は、大
気中の汚染物質の検出等、環境問題の解決のための技術
を提供するばかりでなく、1014〜1014Hzをキャリ
ア周波数として使用する光通信技術において超大容量の
伝送を可能にする技術として、開発が期待されている。
【0007】マイクロ波領域から光領域で電磁波の発生
および増幅が可能な装置としては、一方向性の電磁波増
幅作用を有する自由電子レーザやチャンレンコフ・メー
ザがある。自由電子レーザは、広範囲な波長で発振可能
な光発生装置であり、他種類のレーザとは異なる動作原
理を用いて、真空中で一方向に伝搬する電子ビームのエ
ネルギーを光に与えるようにしているため、電子ビーム
と同ー方向に伝搬する光成分のみを増幅する特性を有し
ている。しかし、自由電子レーザは、光の発生に主眼を
置いて開発されたものであるため、上記一方向性増幅特
性を生かすような設計は行われていない。さらに、自由
電子レーザやチャンレンコフ・メーザでは、動作電圧
(電子ビームの励起電圧)が1MV以上と極めて高く、
また電子ビームに振動を与えるために超高磁場を必要と
することから、特殊な高エネルギー用途を目標に開発さ
れているため、エレクトロニクスへの利用は困難であ
る。
および増幅が可能な装置としては、一方向性の電磁波増
幅作用を有する自由電子レーザやチャンレンコフ・メー
ザがある。自由電子レーザは、広範囲な波長で発振可能
な光発生装置であり、他種類のレーザとは異なる動作原
理を用いて、真空中で一方向に伝搬する電子ビームのエ
ネルギーを光に与えるようにしているため、電子ビーム
と同ー方向に伝搬する光成分のみを増幅する特性を有し
ている。しかし、自由電子レーザは、光の発生に主眼を
置いて開発されたものであるため、上記一方向性増幅特
性を生かすような設計は行われていない。さらに、自由
電子レーザやチャンレンコフ・メーザでは、動作電圧
(電子ビームの励起電圧)が1MV以上と極めて高く、
また電子ビームに振動を与えるために超高磁場を必要と
することから、特殊な高エネルギー用途を目標に開発さ
れているため、エレクトロニクスへの利用は困難であ
る。
【0008】上述した種々の問題を解決するため、本願
発明者は、先に、特開平10−270808号公報にお
いて、固体中の電子ビームを用いた一方向性光増幅器を
提案済みである。この一方向性光増幅器では、固体中に
放射される電子ビームを走行させるための電子ビーム走
行路と、増幅すべき光を遅延させるための誘電体遅延導
波路とを組み合わせることにより、光(電磁波)の一方
向性増幅が実現可能であることを理論的に示している。
発明者は、先に、特開平10−270808号公報にお
いて、固体中の電子ビームを用いた一方向性光増幅器を
提案済みである。この一方向性光増幅器では、固体中に
放射される電子ビームを走行させるための電子ビーム走
行路と、増幅すべき光を遅延させるための誘電体遅延導
波路とを組み合わせることにより、光(電磁波)の一方
向性増幅が実現可能であることを理論的に示している。
【0009】また、上述した種々の問題を解決するた
め、本願発明者は、先に、特願平9−293819号明
細書において、真空中に放射される電子ビームを用いた
電子管型一方向性光増幅器を提案済みである。この電子
管型一方向性光増幅器では、真空中に配置されて光の遅
延導波路を形成する一対の波状形状鏡を用いて、電子放
射部から放射される電子ビームから受けたエネルギーを
利用して、入力された光を一方向に増幅する光増幅部を
構成することにより、光(電磁波)の一方向性増幅が実
現可能であることを理論的に示している。
め、本願発明者は、先に、特願平9−293819号明
細書において、真空中に放射される電子ビームを用いた
電子管型一方向性光増幅器を提案済みである。この電子
管型一方向性光増幅器では、真空中に配置されて光の遅
延導波路を形成する一対の波状形状鏡を用いて、電子放
射部から放射される電子ビームから受けたエネルギーを
利用して、入力された光を一方向に増幅する光増幅部を
構成することにより、光(電磁波)の一方向性増幅が実
現可能であることを理論的に示している。
【0010】さらに、上述した種々の問題を解決するた
め、本願発明者は、先に、特願平10−231251号
明細書において、真空中に放射される電子ビームを用い
た一方向性光増幅器を提案済みである。この一方向性光
増幅器では、真空中に放射される電子ビームを走行させ
るための電子ビーム走行路と、増幅すべき光を遅延させ
るための誘電体遅延導波路とを組み合わせることによ
り、光(電磁波)の一方向性増幅が実現可能であること
を理論的に示している。
め、本願発明者は、先に、特願平10−231251号
明細書において、真空中に放射される電子ビームを用い
た一方向性光増幅器を提案済みである。この一方向性光
増幅器では、真空中に放射される電子ビームを走行させ
るための電子ビーム走行路と、増幅すべき光を遅延させ
るための誘電体遅延導波路とを組み合わせることによ
り、光(電磁波)の一方向性増幅が実現可能であること
を理論的に示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記本願発明者の先願
(特開平10−270808号公報)の一方向性光増幅
器にあっては、電子ビーム走行部を例えばZnSeで構成し
た場合には加速電圧が2.5Vを超えると電子が走行で
きなくなるため、電子ビームの加速電圧を大きくするこ
とができず、電磁界の空間的位相変化が極めて微細にな
るため、遅延導波路の作製をnm以下の精度で行う必要
がある。そのため、今後の作製技術の進展が課題となっ
ている。また、上記本願発明者の先願(特願平9−29
3819号明細書)の電子管型一方向性光増幅器にあっ
ては、上記と同様の理由により、波状形状鏡の作製をn
m以下の精度で行う必要があるため、今後の作製技術の
進展が課題となっている。さらに、上記本願発明者の先
願(特願平10−231251号明細書)の一方向性光
増幅器にあっては、直線状の誘電体導波路により光を遅
延させているため、数十KVの動作電圧が必要となり、
動作電圧の低減が課題となっている。
(特開平10−270808号公報)の一方向性光増幅
器にあっては、電子ビーム走行部を例えばZnSeで構成し
た場合には加速電圧が2.5Vを超えると電子が走行で
きなくなるため、電子ビームの加速電圧を大きくするこ
とができず、電磁界の空間的位相変化が極めて微細にな
るため、遅延導波路の作製をnm以下の精度で行う必要
がある。そのため、今後の作製技術の進展が課題となっ
ている。また、上記本願発明者の先願(特願平9−29
3819号明細書)の電子管型一方向性光増幅器にあっ
ては、上記と同様の理由により、波状形状鏡の作製をn
m以下の精度で行う必要があるため、今後の作製技術の
進展が課題となっている。さらに、上記本願発明者の先
願(特願平10−231251号明細書)の一方向性光
増幅器にあっては、直線状の誘電体導波路により光を遅
延させているため、数十KVの動作電圧が必要となり、
動作電圧の低減が課題となっている。
【0012】本発明は、真空中の電子と、誘電体導波路
から真空中にしみ出した電磁波とを用いた電磁波増幅に
より、これまで不可能と思われていたマイクロ波領域か
ら光領域までの領域の電磁波の一方向性増幅を実現する
装置を電磁波増幅器として具体化することにより、上述
した問題を解決することを第1の目的とする。本発明
は、真空中の電子と、誘電体導波路から真空中にしみ出
した電磁波とを用いて、これまで不可能と思われていた
マイクロ波領域から光領域までの領域の電磁波を発生す
る装置を電磁波発生器として具体化することを第2の目
的とする。
から真空中にしみ出した電磁波とを用いた電磁波増幅に
より、これまで不可能と思われていたマイクロ波領域か
ら光領域までの領域の電磁波の一方向性増幅を実現する
装置を電磁波増幅器として具体化することにより、上述
した問題を解決することを第1の目的とする。本発明
は、真空中の電子と、誘電体導波路から真空中にしみ出
した電磁波とを用いて、これまで不可能と思われていた
マイクロ波領域から光領域までの領域の電磁波を発生す
る装置を電磁波発生器として具体化することを第2の目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的のため、
本発明の請求項1の構成は、電子ビームを放射する電子
放射部と、該電子放射部から放射されて真空中を走行す
る電子ビームから受けたエネルギーを利用して入力され
た電磁波を一方向に増幅する増幅部とを真空中に配置し
て成る電磁波増幅器であって、前記増幅部は、電子ビー
ム走行方向に誘電体導波路が形成された誘電体基板と、
前記誘電体導波路を挟むように対向配置された一対の電
子ビーム収束用電極とから成り、前記誘電体導波路は、
入力された電磁波の一部と前記電子放射部から放射され
る電子ビームとが交差することにより電子ビーム走行方
向に電磁波の電界成分を生じさせるとともに、電子ビー
ム走行方向の電磁波の走行速度を低下させるように、そ
の表面が所定周期長の波状形状に加工されていることを
特徴とする。
本発明の請求項1の構成は、電子ビームを放射する電子
放射部と、該電子放射部から放射されて真空中を走行す
る電子ビームから受けたエネルギーを利用して入力され
た電磁波を一方向に増幅する増幅部とを真空中に配置し
て成る電磁波増幅器であって、前記増幅部は、電子ビー
ム走行方向に誘電体導波路が形成された誘電体基板と、
前記誘電体導波路を挟むように対向配置された一対の電
子ビーム収束用電極とから成り、前記誘電体導波路は、
入力された電磁波の一部と前記電子放射部から放射され
る電子ビームとが交差することにより電子ビーム走行方
向に電磁波の電界成分を生じさせるとともに、電子ビー
ム走行方向の電磁波の走行速度を低下させるように、そ
の表面が所定周期長の波状形状に加工されていることを
特徴とする。
【0014】本発明の請求項2の構成は、前記誘電体基
板は、前記誘電体導波路の両端部にそれぞれ曲線部を介
して直交方向から接続される入力導波路および出力導波
路を具備して成ることを特徴とする。
板は、前記誘電体導波路の両端部にそれぞれ曲線部を介
して直交方向から接続される入力導波路および出力導波
路を具備して成ることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項3の構成は、前記誘電体導
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体より成り、マイクロ波
領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等のIV族半
導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI 族化合
物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの混晶等
のIII-V 族化合物半導体より成ることを特徴とする。
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体より成り、マイクロ波
領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等のIV族半
導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI 族化合
物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの混晶等
のIII-V 族化合物半導体より成ることを特徴とする。
【0016】上記第2の目的のため、本発明の請求項4
の構成は、電子ビームを放射する電子放射部と、該電子
放射部から放射されて真空中を走行する電子ビームを利
用して電磁波を発生する発振部とを真空中に配置して成
る電磁波発生器であって、前記発振部は、電子ビーム走
行方向に誘電体導波路が形成された誘電体基板と、前記
誘電体導波路を挟むように対向配置された一対の電子ビ
ーム収束用電極とから成り、前記誘電体導波路は、前記
電子放射部から放射されて真空中を走行する電子ビーム
に応じて発生する電磁波の一部と前記電子放射部から放
射される電子ビームとが交差することにより電子ビーム
走行方向に前記電磁波の電界成分を生じさせるととも
に、電子ビーム走行方向の電磁波の走行速度を低下させ
るように、その表面が2種類の周期長の波状形状を組み
合わせた複合波状形状に加工されており、前記誘電体導
波路の利得定数は該誘電体導波路の損失係数以上となる
ように構成されていることを特徴とする。
の構成は、電子ビームを放射する電子放射部と、該電子
放射部から放射されて真空中を走行する電子ビームを利
用して電磁波を発生する発振部とを真空中に配置して成
る電磁波発生器であって、前記発振部は、電子ビーム走
行方向に誘電体導波路が形成された誘電体基板と、前記
誘電体導波路を挟むように対向配置された一対の電子ビ
ーム収束用電極とから成り、前記誘電体導波路は、前記
電子放射部から放射されて真空中を走行する電子ビーム
に応じて発生する電磁波の一部と前記電子放射部から放
射される電子ビームとが交差することにより電子ビーム
走行方向に前記電磁波の電界成分を生じさせるととも
に、電子ビーム走行方向の電磁波の走行速度を低下させ
るように、その表面が2種類の周期長の波状形状を組み
合わせた複合波状形状に加工されており、前記誘電体導
波路の利得定数は該誘電体導波路の損失係数以上となる
ように構成されていることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項5の構成は、前記誘電体導
波路の終端部に曲線部を介して直交方向から接続される
出力導波路を具備して成ることを特徴とする。
波路の終端部に曲線部を介して直交方向から接続される
出力導波路を具備して成ることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項6の構成は、前記誘電体導
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体より成り、マイクロ波
領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等のIV族半
導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI 族化合
物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの混晶等
のIII-V 族化合物半導体より成ることを特徴とする。
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体より成り、マイクロ波
領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等のIV族半
導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI 族化合
物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの混晶等
のIII-V 族化合物半導体より成ることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項1においては、真空中に配
置される増幅部に入力される電磁波は、前記増幅部を構
成する誘電体基板の電子ビーム走行方向に形成された誘
電体導波路内を伝搬する際に、その一部が該誘電体導波
路から真空中にしみ出し、このしみ出した電磁波と前記
電子放射部から放射されて真空中を走行する電子ビーム
とが交差することにより電磁波の電界成分が生じる。そ
の際、前記誘電体導波路の表面の所定周期長の波状形状
および該誘電体導波路の有効屈折率に依存して電磁波の
電子ビーム走行方向の走行速度が低下するため、前記電
磁波の電界成分が電子ビーム(この電子ビームは、真空
中を走行するため、周囲物質との衝突による散乱に伴う
エネルギー損失が抑制されている)からエネルギーを受
けて前記電磁波が一方向に増幅される。
置される増幅部に入力される電磁波は、前記増幅部を構
成する誘電体基板の電子ビーム走行方向に形成された誘
電体導波路内を伝搬する際に、その一部が該誘電体導波
路から真空中にしみ出し、このしみ出した電磁波と前記
電子放射部から放射されて真空中を走行する電子ビーム
とが交差することにより電磁波の電界成分が生じる。そ
の際、前記誘電体導波路の表面の所定周期長の波状形状
および該誘電体導波路の有効屈折率に依存して電磁波の
電子ビーム走行方向の走行速度が低下するため、前記電
磁波の電界成分が電子ビーム(この電子ビームは、真空
中を走行するため、周囲物質との衝突による散乱に伴う
エネルギー損失が抑制されている)からエネルギーを受
けて前記電磁波が一方向に増幅される。
【0020】本発明の請求項1によれば、増幅部に形成
される誘電体導波路において電子走行方向への電磁波の
走行速度を遅延させるとともに真空中にしみ出した電磁
波と真空中を走行する電子ビームとを交差させることに
より電磁波の電界成分が生じるように構成したため、真
空中の電子と電磁波の電界成分とを用いて電磁波の一方
向性増幅を行う電磁波増幅器を実現することができる。
また、この電磁波増幅器は、主に前記誘電体導波路の表
面の所定周期長の波状形状に依存して電磁波の電子ビー
ム走行方向の走行速度を低下させるため、特願平10−
231251号明細書の一方向性光増幅器に比べて大幅
に動作電圧を低下させることができる。
される誘電体導波路において電子走行方向への電磁波の
走行速度を遅延させるとともに真空中にしみ出した電磁
波と真空中を走行する電子ビームとを交差させることに
より電磁波の電界成分が生じるように構成したため、真
空中の電子と電磁波の電界成分とを用いて電磁波の一方
向性増幅を行う電磁波増幅器を実現することができる。
また、この電磁波増幅器は、主に前記誘電体導波路の表
面の所定周期長の波状形状に依存して電磁波の電子ビー
ム走行方向の走行速度を低下させるため、特願平10−
231251号明細書の一方向性光増幅器に比べて大幅
に動作電圧を低下させることができる。
【0021】本発明の請求項2によれば、前記誘電体基
板は前記誘電体導波路の両端部にそれぞれ曲線部を介し
て直交方向から接続される入力導波路および出力導波路
を具備しているため、前記入力導波路から導いた電磁波
を前記誘電体導波路で電磁波増幅した後に前記出力導波
路から出力することができる。
板は前記誘電体導波路の両端部にそれぞれ曲線部を介し
て直交方向から接続される入力導波路および出力導波路
を具備しているため、前記入力導波路から導いた電磁波
を前記誘電体導波路で電磁波増幅した後に前記出力導波
路から出力することができる。
【0022】本発明の請求項3によれば、前記誘電体導
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体により構成され、マイ
クロ波領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等の
IV族半導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI
族化合物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの
混晶等のIII-V 族化合物半導体により構成されるため、
前記誘電体導波路に形成した所定周期長の波状形状に比
べると低下効果は小さいが、可視光領域の電磁波を対象
とする場合もマイクロ波領域から近赤外領域の電磁波を
対象とする場合も、当該誘電体導波路の有効屈折率に依
存して前記増幅部における電子ビーム走行方向の電磁波
の走行速度を低下させることができる。
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体により構成され、マイ
クロ波領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等の
IV族半導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI
族化合物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの
混晶等のIII-V 族化合物半導体により構成されるため、
前記誘電体導波路に形成した所定周期長の波状形状に比
べると低下効果は小さいが、可視光領域の電磁波を対象
とする場合もマイクロ波領域から近赤外領域の電磁波を
対象とする場合も、当該誘電体導波路の有効屈折率に依
存して前記増幅部における電子ビーム走行方向の電磁波
の走行速度を低下させることができる。
【0023】本発明の請求項4においては、電子放射部
から放射されて真空中を走行する電子ビームに応じて、
発振部を構成する誘電体基板の電子ビーム走行方向に形
成された誘電体導波路内に電磁波が発生する。この電磁
波の一部が前記誘電体導波路から真空中にしみ出し、こ
のしみ出した電磁波と前記電子放射部から放射されて真
空中を走行する電子ビームとが交差することにより電磁
波の電界成分が生じる。その際、前記誘電体導波路の表
面の2種類の周期長の一方および該誘電体導波路の有効
屈折率に依存して電磁波の電子ビーム走行方向の走行速
度が低下するため、前記電磁波の電界成分が電子ビーム
(この電子ビームは、真空中を走行するため、周囲物質
との衝突による散乱に伴うエネルギー損失が抑制されて
いる)からエネルギーを受ける。ここで、前記2種類の
周期長の他方が前記電磁波の波長に関する条件を満足
し、かつ、前記誘電体導波路の利得定数が損失係数以上
になる場合には、誘電体導波路16で前記電磁波が反射
して発振が起こり、前記電磁波が所望の周波数領域(マ
イクロ波領域から光領域までの領域)の電磁波となる。
から放射されて真空中を走行する電子ビームに応じて、
発振部を構成する誘電体基板の電子ビーム走行方向に形
成された誘電体導波路内に電磁波が発生する。この電磁
波の一部が前記誘電体導波路から真空中にしみ出し、こ
のしみ出した電磁波と前記電子放射部から放射されて真
空中を走行する電子ビームとが交差することにより電磁
波の電界成分が生じる。その際、前記誘電体導波路の表
面の2種類の周期長の一方および該誘電体導波路の有効
屈折率に依存して電磁波の電子ビーム走行方向の走行速
度が低下するため、前記電磁波の電界成分が電子ビーム
(この電子ビームは、真空中を走行するため、周囲物質
との衝突による散乱に伴うエネルギー損失が抑制されて
いる)からエネルギーを受ける。ここで、前記2種類の
周期長の他方が前記電磁波の波長に関する条件を満足
し、かつ、前記誘電体導波路の利得定数が損失係数以上
になる場合には、誘電体導波路16で前記電磁波が反射
して発振が起こり、前記電磁波が所望の周波数領域(マ
イクロ波領域から光領域までの領域)の電磁波となる。
【0024】本発明の請求項4によれば、真空中にしみ
出した電磁波と真空中を走行する電子ビームとを交差さ
せることにより電磁波の電界成分を発生させるとともに
発振部に形成される誘電体導波路において電子走行方向
への電磁波の走行速度を遅延させて、前記電磁波を発振
させるように構成したため、上記所望の周波数領域の電
磁波を発生する電磁波発生器を実現することができる。
出した電磁波と真空中を走行する電子ビームとを交差さ
せることにより電磁波の電界成分を発生させるとともに
発振部に形成される誘電体導波路において電子走行方向
への電磁波の走行速度を遅延させて、前記電磁波を発振
させるように構成したため、上記所望の周波数領域の電
磁波を発生する電磁波発生器を実現することができる。
【0025】本発明の請求項5によれば、前記誘電体基
板は前記誘電体導波路の終端部に曲線部を介して直交方
向から接続される出力導波路を具備しているため、前記
誘電体導波路内で発生して所望の周波数領域の電磁波と
なった電磁波を前記出力導波路から出力することができ
る。
板は前記誘電体導波路の終端部に曲線部を介して直交方
向から接続される出力導波路を具備しているため、前記
誘電体導波路内で発生して所望の周波数領域の電磁波と
なった電磁波を前記出力導波路から出力することができ
る。
【0026】本発明の請求項6によれば、前記誘電体導
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体により構成され、マイ
クロ波領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等の
IV族半導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI
族化合物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの
混晶等のIII-V 族化合物半導体により構成されるため、
前記誘電体導波路に形成した2種類の周期長の波状形状
を組み合わせた複合波状形状に比べると低下効果は小さ
いが、可視光領域の電磁波を対象とする場合もマイクロ
波領域から近赤外領域の電磁波を対象とする場合も、当
該誘電体導波路の有効屈折率に依存して前記増幅部にお
ける電子ビーム走行方向の電磁波の走行速度を低下させ
ることができる。
波路は、当該波長領域において透明性を有する高屈折率
の材料であって、可視光領域に用いる場合にはZnSe, Cd
S およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしく
はGaN 等のIII-V 族化合物半導体により構成され、マイ
クロ波領域から近赤外領域に用いる場合にはSi, Ge等の
IV族半導体、ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI
族化合物半導体もしくはGaAs, InP, GaNおよびこれらの
混晶等のIII-V 族化合物半導体により構成されるため、
前記誘電体導波路に形成した2種類の周期長の波状形状
を組み合わせた複合波状形状に比べると低下効果は小さ
いが、可視光領域の電磁波を対象とする場合もマイクロ
波領域から近赤外領域の電磁波を対象とする場合も、当
該誘電体導波路の有効屈折率に依存して前記増幅部にお
ける電子ビーム走行方向の電磁波の走行速度を低下させ
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1(a),(b)はそれぞ
れ、本発明の第1実施形態に係る電磁波増幅器の基本構
造を示す原理図およびそのA−A断面図である。本実施
形態の電磁波増幅器は、図1(a)に示すように、電子
放射部1と増幅部2とから成る。上記電子放射部1およ
び増幅部2は、図示しない真空容器中に配置して、例え
ば電子管型装置として構成する。なお、上述したように
電子放射部1および増幅部2の周囲を真空にした理由
は、電子放射部1から放射される電子が増幅部2内を通
過する際に不要な物質に衝突して散乱することによりエ
ネルギー損失が生じるのを防止するためである。上記電
子放射部1としては、例えば電子銃を用いるものとし、
この電子銃1は、所定電圧値の加速電圧を印加すること
により電子ビーム4を放射する。
に基づき詳細に説明する。図1(a),(b)はそれぞ
れ、本発明の第1実施形態に係る電磁波増幅器の基本構
造を示す原理図およびそのA−A断面図である。本実施
形態の電磁波増幅器は、図1(a)に示すように、電子
放射部1と増幅部2とから成る。上記電子放射部1およ
び増幅部2は、図示しない真空容器中に配置して、例え
ば電子管型装置として構成する。なお、上述したように
電子放射部1および増幅部2の周囲を真空にした理由
は、電子放射部1から放射される電子が増幅部2内を通
過する際に不要な物質に衝突して散乱することによりエ
ネルギー損失が生じるのを防止するためである。上記電
子放射部1としては、例えば電子銃を用いるものとし、
この電子銃1は、所定電圧値の加速電圧を印加すること
により電子ビーム4を放射する。
【0028】上記増幅部2は、誘電体基板5と、誘電体
基板5上の電子ビーム走行方向(図示z軸方向)に形成
された誘電体導波路6と、図1(b)に示すように、誘
電体導波路6の図示左右両端部にそれぞれ曲線部を介し
て直交方向から接続される入力導波路7および出力導波
路8と、誘電体導波路6を上下方向から挟むように対向
配置された一対の電子ビーム収束用電極9および10と
から成り、電子ビーム収束用電極10は誘電体基板5の
下面に結合されている。上記誘電体導波路6は、後述す
るように電磁波を遅延させるため、図2に示すように表
面(電子ビーム走行路側の面)が周期長λg の凹凸波状
形状に加工されている。上記電子ビーム収束用電極9お
よび10の間に、所定電圧値の電子ビーム収束電圧11
を、電子ビーム収束用電極9側が負電位となり、電子ビ
ーム収束用電極10側が正電位となるように印加する
と、誘電体基板5の誘電体導波路6の上部に形成される
電子ビーム走行路を走行する電子ビーム4は、誘電体導
波路6の表面に収束する。
基板5上の電子ビーム走行方向(図示z軸方向)に形成
された誘電体導波路6と、図1(b)に示すように、誘
電体導波路6の図示左右両端部にそれぞれ曲線部を介し
て直交方向から接続される入力導波路7および出力導波
路8と、誘電体導波路6を上下方向から挟むように対向
配置された一対の電子ビーム収束用電極9および10と
から成り、電子ビーム収束用電極10は誘電体基板5の
下面に結合されている。上記誘電体導波路6は、後述す
るように電磁波を遅延させるため、図2に示すように表
面(電子ビーム走行路側の面)が周期長λg の凹凸波状
形状に加工されている。上記電子ビーム収束用電極9お
よび10の間に、所定電圧値の電子ビーム収束電圧11
を、電子ビーム収束用電極9側が負電位となり、電子ビ
ーム収束用電極10側が正電位となるように印加する
と、誘電体基板5の誘電体導波路6の上部に形成される
電子ビーム走行路を走行する電子ビーム4は、誘電体導
波路6の表面に収束する。
【0029】上記誘電体導波路6を構成する材料として
は、利用する電磁波の波長において、屈折率ができる限
り高く、かつ透明性を有する材料が良い。これらの条件
に該当する材料としては、可視光領域に用いる場合には
ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導
体もしくはGaN 等のIII-V 族化合物半導体を用いること
ができる。また、マイクロ波領域から近赤外領域に用い
る場合には、Si, Ge等のIV族半導体、ZnSe, CdS および
これらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしくはGaAs,
InP, GaNおよびこれらの混晶等のIII-V 族化合物半導体
を用いることができる。
は、利用する電磁波の波長において、屈折率ができる限
り高く、かつ透明性を有する材料が良い。これらの条件
に該当する材料としては、可視光領域に用いる場合には
ZnSe, CdS およびこれらの混晶等のII-VI 族化合物半導
体もしくはGaN 等のIII-V 族化合物半導体を用いること
ができる。また、マイクロ波領域から近赤外領域に用い
る場合には、Si, Ge等のIV族半導体、ZnSe, CdS および
これらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしくはGaAs,
InP, GaNおよびこれらの混晶等のIII-V 族化合物半導体
を用いることができる。
【0030】上記誘電体基板5を構成する材料として
は、利用する電磁波の波長領域において、屈折率ができ
る限り低く、かつ透明性を有する材料が良い。これらの
条件に該当する材料としては、マイクロ波領域から可視
光領域までの全範囲において、石英ガラスや有機物等を
用いることができる。上記電子ビーム収束用電極9およ
び10を構成する材料としては、Ni, Ag, Alや各種合金
等の金属材料を用いることができる。
は、利用する電磁波の波長領域において、屈折率ができ
る限り低く、かつ透明性を有する材料が良い。これらの
条件に該当する材料としては、マイクロ波領域から可視
光領域までの全範囲において、石英ガラスや有機物等を
用いることができる。上記電子ビーム収束用電極9およ
び10を構成する材料としては、Ni, Ag, Alや各種合金
等の金属材料を用いることができる。
【0031】次に、第1実施形態の電磁波増幅器の動作
原理を説明する。電磁波(入射電磁波12)の角周波数
および波長をそれぞれωおよびλとし、電子銃1により
放射される電子のエネルギーおよび波数をそれぞれWb
およびk b とし、電磁波にエネルギーを与えた後の電子
のエネルギーおよび波数をそれぞれWa およびka と
し、プランク定数をhとし、誘電体導波路6の有効屈折
率をnとすると、以下の式(1)および(2)の関係が
満たされる場合に電磁波が増幅される。なお、逆方向の
電磁波は波長が負の値となり式(2)を満足しないので
増幅されない。また、電子走行方向(z方向)に電磁波
の電界成分が無いと電磁波は増幅されない。 Wb −Wa =h・ω/2π (1) Kb −Ka =2πn/λ+2π/λg (2)
原理を説明する。電磁波(入射電磁波12)の角周波数
および波長をそれぞれωおよびλとし、電子銃1により
放射される電子のエネルギーおよび波数をそれぞれWb
およびk b とし、電磁波にエネルギーを与えた後の電子
のエネルギーおよび波数をそれぞれWa およびka と
し、プランク定数をhとし、誘電体導波路6の有効屈折
率をnとすると、以下の式(1)および(2)の関係が
満たされる場合に電磁波が増幅される。なお、逆方向の
電磁波は波長が負の値となり式(2)を満足しないので
増幅されない。また、電子走行方向(z方向)に電磁波
の電界成分が無いと電磁波は増幅されない。 Wb −Wa =h・ω/2π (1) Kb −Ka =2πn/λ+2π/λg (2)
【0032】上記式(1)は電子および電磁波の間での
エネルギー保存則を表わしており、上記式(2)は電子
および電磁波の間での運動量保存則を表わしている。一
般的には、Kb −Ka ≫2πn/λであるため、自由空
間を伝搬する電磁波に対しては上記式(2)の運動量保
存則が成立せず、電磁波は増幅されない。しかし、本実
施形態では、誘電体導波路6の表面が周期長λg の凹凸
波状形状に加工されているため、誘電体導波路6内を伝
搬する際に電磁波の電子ビーム走行方向の走行速度が低
下する結果、上記式(2)が運動量保存則として成立
し、電磁波の増幅が実現されることになる。なお、誘電
体導波路6での伝搬速度はc/nとなるため、誘電体導
波路6の有効屈折率nは電磁波の電子ビーム走行方向の
走行速度の低下に寄与するが、上記凹凸波状形状の場合
に比べて走行速度の低下に寄与する程度は十分に小さく
なる。
エネルギー保存則を表わしており、上記式(2)は電子
および電磁波の間での運動量保存則を表わしている。一
般的には、Kb −Ka ≫2πn/λであるため、自由空
間を伝搬する電磁波に対しては上記式(2)の運動量保
存則が成立せず、電磁波は増幅されない。しかし、本実
施形態では、誘電体導波路6の表面が周期長λg の凹凸
波状形状に加工されているため、誘電体導波路6内を伝
搬する際に電磁波の電子ビーム走行方向の走行速度が低
下する結果、上記式(2)が運動量保存則として成立
し、電磁波の増幅が実現されることになる。なお、誘電
体導波路6での伝搬速度はc/nとなるため、誘電体導
波路6の有効屈折率nは電磁波の電子ビーム走行方向の
走行速度の低下に寄与するが、上記凹凸波状形状の場合
に比べて走行速度の低下に寄与する程度は十分に小さく
なる。
【0033】上述した増幅部2での電磁波増幅作用は、
量子力学の解析手法の1つである密度行列法を用いて理
論解析され、利得定数gは、次式で表わされる。
量子力学の解析手法の1つである密度行列法を用いて理
論解析され、利得定数gは、次式で表わされる。
【数1】 ここで、μ0 は真空中の透磁率、eは電子の電荷、λは
電磁波の波長、Jは電子ビームの電流密度、Lは増幅部
2の有効長、nは誘電体導波路6の有効屈折率、hはプ
ランクの定数、ξは真空中にしみ出した電磁波の電界成
分14の比率および電子ビーム収束性により定まる、電
磁波および電子ビームの結合率、Cは波状形状による電
磁波および電子ビームの結合率、Dは増幅および吸収の
相違を示す係数である。
電磁波の波長、Jは電子ビームの電流密度、Lは増幅部
2の有効長、nは誘電体導波路6の有効屈折率、hはプ
ランクの定数、ξは真空中にしみ出した電磁波の電界成
分14の比率および電子ビーム収束性により定まる、電
磁波および電子ビームの結合率、Cは波状形状による電
磁波および電子ビームの結合率、Dは増幅および吸収の
相違を示す係数である。
【0034】増幅部2における電磁波増幅率Aは、次式
で表わされる。 A= exp(gL) (4) この場合、電磁波増幅に必要な加速電圧Vb は、電子の
質量をmとすると、次式で表わされる。
で表わされる。 A= exp(gL) (4) この場合、電磁波増幅に必要な加速電圧Vb は、電子の
質量をmとすると、次式で表わされる。
【数2】 ここで、mは電子の質量、cは自由空間での光速であ
る。上記式(5)から明らかなように、誘電体導波路6
の波状形状の周期長λg を短くすればするほど、加速電
圧Vb を低くすることができる。ただし、周期長λg を
短くするほど結合率Cが小さくなって利得定数gが低下
するので、加速電圧Vb には所定の下限値が存在する。
る。上記式(5)から明らかなように、誘電体導波路6
の波状形状の周期長λg を短くすればするほど、加速電
圧Vb を低くすることができる。ただし、周期長λg を
短くするほど結合率Cが小さくなって利得定数gが低下
するので、加速電圧Vb には所定の下限値が存在する。
【0035】次に、本実施形態の電磁波増幅器の作用を
説明する。入射電磁波12は、図1(b)に示すよう
に、電子ビーム走行方向と直交する方向に形成された入
力導波路7から入射して、曲線部で方向を90度変えら
れて誘電体導波路6に導かれた後、増幅されながら誘電
体導波路6を伝搬する。その後、曲線部で方向を90度
変えられて出力導波路8に導かれ、そこから出射して出
力電磁波13となる。
説明する。入射電磁波12は、図1(b)に示すよう
に、電子ビーム走行方向と直交する方向に形成された入
力導波路7から入射して、曲線部で方向を90度変えら
れて誘電体導波路6に導かれた後、増幅されながら誘電
体導波路6を伝搬する。その後、曲線部で方向を90度
変えられて出力導波路8に導かれ、そこから出射して出
力電磁波13となる。
【0036】その際、誘電体導波路6に導かれた電磁波
は、誘電体導波路6の表面の波状形状の周期長λg (お
よび誘電体導波路6の有効屈折率n)に依存して電子走
行方向への走行速度を遅延されて、電子ビーム4からエ
ネルギーを受けられる程度の速度となる(周期長λg が
小さくなるほど電磁波の速度が遅延されることにな
る)。また、誘電体導波路6に導かれた電磁波は、誘電
体導波路6の中心に集まるように分布して導波される
が、導波路中に完全に閉じこめられることはなく、誘電
体導波路6中を伝搬する電磁波の一部は、誘電体基板5
側および真空側(誘電体基板5の上部の電子ビーム走行
路側)にしみ出す。この真空側にしみ出した電磁波は電
子ビーム4と交差するため、図1(a)中の模式図にE
で示すような電子ビーム走行方向(z方向)の電界成分
14が生じる。この電界成分14は、電子ビーム4から
エネルギーを受けるため、電磁波全体が増幅されること
になる。
は、誘電体導波路6の表面の波状形状の周期長λg (お
よび誘電体導波路6の有効屈折率n)に依存して電子走
行方向への走行速度を遅延されて、電子ビーム4からエ
ネルギーを受けられる程度の速度となる(周期長λg が
小さくなるほど電磁波の速度が遅延されることにな
る)。また、誘電体導波路6に導かれた電磁波は、誘電
体導波路6の中心に集まるように分布して導波される
が、導波路中に完全に閉じこめられることはなく、誘電
体導波路6中を伝搬する電磁波の一部は、誘電体基板5
側および真空側(誘電体基板5の上部の電子ビーム走行
路側)にしみ出す。この真空側にしみ出した電磁波は電
子ビーム4と交差するため、図1(a)中の模式図にE
で示すような電子ビーム走行方向(z方向)の電界成分
14が生じる。この電界成分14は、電子ビーム4から
エネルギーを受けるため、電磁波全体が増幅されること
になる。
【0037】図3(a),(b)はそれぞれ、本発明の
第2実施形態に係る電磁波発生器の基本構造を示す原理
図およびそのB−B断面図である。本実施形態の電磁波
発生器は、図3(a)に示すように電子放射部1と発振
部15とから成る。この発振部15は、図3(b)に示
すように、誘電体基板5上の電子ビーム走行方向(図示
z軸方向)に形成された誘電体導波路16の図示左端部
に入力導波路が存在していない点と、誘電体導波路16
の表面に図4に示すような複合波状形状が形成されてい
る点で、上記第1実施形態とは相違している。なお、そ
の他の部分は上記第実施形態と同様に構成する。
第2実施形態に係る電磁波発生器の基本構造を示す原理
図およびそのB−B断面図である。本実施形態の電磁波
発生器は、図3(a)に示すように電子放射部1と発振
部15とから成る。この発振部15は、図3(b)に示
すように、誘電体基板5上の電子ビーム走行方向(図示
z軸方向)に形成された誘電体導波路16の図示左端部
に入力導波路が存在していない点と、誘電体導波路16
の表面に図4に示すような複合波状形状が形成されてい
る点で、上記第1実施形態とは相違している。なお、そ
の他の部分は上記第実施形態と同様に構成する。
【0038】上記誘電体導波路16の表面(電子ビーム
走行路側の面)は、図4に示すように、隣接する波状形
状間の周期長がλg となるとともに、同一パターンを繰
り返す波状形状群間の周期長がλf となる、複合波状形
状に加工されている。これらの内、周期長成分λg は、
上記第1実施形態の電磁波増幅器と同様に式(2)を成
立させるための構造を規定している。
走行路側の面)は、図4に示すように、隣接する波状形
状間の周期長がλg となるとともに、同一パターンを繰
り返す波状形状群間の周期長がλf となる、複合波状形
状に加工されている。これらの内、周期長成分λg は、
上記第1実施形態の電磁波増幅器と同様に式(2)を成
立させるための構造を規定している。
【0039】一方、周期長成分λf は、 λf =λ/(2n) (6) に選定されるものであり、誘電体導波路16で電磁波を
反射させて発振させるための構造を規定している。ここ
で、誘電体導波路16の損失係数をαとすると、発振の
条件は次式で表わされる。 g≧α (7)
反射させて発振させるための構造を規定している。ここ
で、誘電体導波路16の損失係数をαとすると、発振の
条件は次式で表わされる。 g≧α (7)
【0040】本実施形態の電磁波発生器においては、電
子放射部1から放射されて真空中を走行する電子ビーム
4に応じて、発振部15を構成する誘電体基板5の電子
ビーム走行方向(z方向)に形成された誘電体導波路1
6内に電磁波が発生する。この電磁波の一部が誘電体導
波路16から真空中にしみ出し、このしみ出した電磁波
と電子放射部1から放射されて真空中を走行する電子ビ
ーム4とが交差することにより電磁波の電界成分Eが生
じる。その際、誘電体導波路16の表面の波状形状の周
期長λg が上記式(2)を満足していると、該波状形状
および誘電体導波路16の有効屈折率nに依存して電磁
波の電子ビーム走行方向の走行速度が低下するため、前
記電磁波の電界成分Eが電子ビーム(この電子ビーム
は、真空中を走行するため、周囲物質との衝突による散
乱に伴うエネルギー損失が抑制されている)からエネル
ギーを受ける。ここで、周期長λf が上記(6)式を満
足し、かつ、誘電体導波路16の利得定数gが損失係数
α以上であれば上記式(7)が成立するため、誘電体導
波路16で前記電磁波が反射して発振が起こり、前記電
磁波が所望の周波数領域(マイクロ波領域から光領域ま
での領域)の出力電磁波13となる。
子放射部1から放射されて真空中を走行する電子ビーム
4に応じて、発振部15を構成する誘電体基板5の電子
ビーム走行方向(z方向)に形成された誘電体導波路1
6内に電磁波が発生する。この電磁波の一部が誘電体導
波路16から真空中にしみ出し、このしみ出した電磁波
と電子放射部1から放射されて真空中を走行する電子ビ
ーム4とが交差することにより電磁波の電界成分Eが生
じる。その際、誘電体導波路16の表面の波状形状の周
期長λg が上記式(2)を満足していると、該波状形状
および誘電体導波路16の有効屈折率nに依存して電磁
波の電子ビーム走行方向の走行速度が低下するため、前
記電磁波の電界成分Eが電子ビーム(この電子ビーム
は、真空中を走行するため、周囲物質との衝突による散
乱に伴うエネルギー損失が抑制されている)からエネル
ギーを受ける。ここで、周期長λf が上記(6)式を満
足し、かつ、誘電体導波路16の利得定数gが損失係数
α以上であれば上記式(7)が成立するため、誘電体導
波路16で前記電磁波が反射して発振が起こり、前記電
磁波が所望の周波数領域(マイクロ波領域から光領域ま
での領域)の出力電磁波13となる。
【0041】次に、上記電磁波増幅(電磁波発生)を実
現する上記実施形態の電磁波増幅器(電磁波発生器)
と、上述した従来技術および本願発明者の先願(特開平
10−270808号公報、特願平9−293819号
明細書および特願平10−231251号明細書)とを
比較して、共通点および相違点を説明する。
現する上記実施形態の電磁波増幅器(電磁波発生器)
と、上述した従来技術および本願発明者の先願(特開平
10−270808号公報、特願平9−293819号
明細書および特願平10−231251号明細書)とを
比較して、共通点および相違点を説明する。
【0042】第1に、上記第1実施形態は、電磁波を一
方向にのみ増幅する素子または装置であるため、双方向
への可逆増幅を行う従来技術である「レーザ」とは本質
的に異なる機能を有している。第2に、上記各実施形態
における電磁波増幅の原理は、上記本願発明者の先願と
同様に、発明者による新たな理論解析により予見された
現象である。第3に、上記各実施形態の電磁波増幅器や
電磁波発生器は、原理的にマイクロ波領域から可視光領
域までの全範囲で動作可能である。
方向にのみ増幅する素子または装置であるため、双方向
への可逆増幅を行う従来技術である「レーザ」とは本質
的に異なる機能を有している。第2に、上記各実施形態
における電磁波増幅の原理は、上記本願発明者の先願と
同様に、発明者による新たな理論解析により予見された
現象である。第3に、上記各実施形態の電磁波増幅器や
電磁波発生器は、原理的にマイクロ波領域から可視光領
域までの全範囲で動作可能である。
【0043】第4に、上記本願発明者の先願の「一方向
性増幅器」(特開平10−270808号公報)とは、
電子ビームによる電磁波増幅である点で共通している。
しかし、上記本願発明者の先願が固体中の電子を使用し
ているのに対し、上記各実施形態は真空中の電子を使用
している点で両者は相違している。さらに、上記各実施
形態は表面を波状形状に加工した誘電体導波路により電
磁波を遅延させている点で、電磁波を蛇行させるような
複雑な形状の誘電体導波路を用いる上記本願発明者の先
願と相違している。
性増幅器」(特開平10−270808号公報)とは、
電子ビームによる電磁波増幅である点で共通している。
しかし、上記本願発明者の先願が固体中の電子を使用し
ているのに対し、上記各実施形態は真空中の電子を使用
している点で両者は相違している。さらに、上記各実施
形態は表面を波状形状に加工した誘電体導波路により電
磁波を遅延させている点で、電磁波を蛇行させるような
複雑な形状の誘電体導波路を用いる上記本願発明者の先
願と相違している。
【0044】第5に、上記本願発明者の先願の「電子管
型一方向性増幅器」(特願平9−293819号明細
書)とは、真空中の電子ビームによる電磁波増幅である
点で共通している。しかし、上記本願発明者の先願が2
枚の波状形状鏡間を反射させることにより電磁波を遅延
させているのに対し、上記各実施形態は表面を波状形状
に加工した誘電体導波路により電磁波を遅延させている
点で、上記本願発明者の先願と相違している。
型一方向性増幅器」(特願平9−293819号明細
書)とは、真空中の電子ビームによる電磁波増幅である
点で共通している。しかし、上記本願発明者の先願が2
枚の波状形状鏡間を反射させることにより電磁波を遅延
させているのに対し、上記各実施形態は表面を波状形状
に加工した誘電体導波路により電磁波を遅延させている
点で、上記本願発明者の先願と相違している。
【0045】第6に、上記本願発明者の先願の「一方向
性増幅器」(特願平10−231251号明細書)と
は、真空中の電子ビームおよび誘電体による導波路を用
いた電磁波増幅器である点で共通している。しかし、上
記本願発明者の先願が直線状の導波路により電磁波を遅
延させているため数十KVの動作電圧を必要とするのに
対し、上記各実施形態は表面を波状形状に加工した誘電
体導波路により電磁波を遅延させているため数KV以下
の動作電圧で動作可能である点で、上記本願発明者の先
願と相違している。
性増幅器」(特願平10−231251号明細書)と
は、真空中の電子ビームおよび誘電体による導波路を用
いた電磁波増幅器である点で共通している。しかし、上
記本願発明者の先願が直線状の導波路により電磁波を遅
延させているため数十KVの動作電圧を必要とするのに
対し、上記各実施形態は表面を波状形状に加工した誘電
体導波路により電磁波を遅延させているため数KV以下
の動作電圧で動作可能である点で、上記本願発明者の先
願と相違している。
【0046】第7に、上記各実施形態は、真空中で電子
銃から放射される電子ビームを用いる電磁波増幅である
点および電磁波の遅延導波路を有している点で「進行波
管」と類似している。しかし、進行波管では電磁波の遅
延を螺旋状(コイル状)線路で行っているが、上記各実
施形態では表面を波状形状に加工した誘電体導波路で電
磁波を遅延させている点で両者は相違している。また、
進行波管はマイクロ波領域では使用できるが、サブミリ
波よりも高い周波数領域では利用できない。
銃から放射される電子ビームを用いる電磁波増幅である
点および電磁波の遅延導波路を有している点で「進行波
管」と類似している。しかし、進行波管では電磁波の遅
延を螺旋状(コイル状)線路で行っているが、上記各実
施形態では表面を波状形状に加工した誘電体導波路で電
磁波を遅延させている点で両者は相違している。また、
進行波管はマイクロ波領域では使用できるが、サブミリ
波よりも高い周波数領域では利用できない。
【0047】第8に、上記各実施形態は、真空中で電子
銃から放射される電子ビームを用いる電磁波増幅である
点および誘電体延導波路を使用した電磁波増幅器である
点で「自由電子レーザ」や「チャレンコフ・メーザ」と
類似している。しかし、自由電子レーザやチャレンコフ
・メーザでは円筒状の誘電体導波路により電磁波を遅延
させているため約1MVの動作電圧を必要とするが、上
記各実施形態では表面を波状形状に加工した誘電体導波
路で電磁波を遅延させているため数KV以下の動作電圧
で動作可能である点で両者は相違している。
銃から放射される電子ビームを用いる電磁波増幅である
点および誘電体延導波路を使用した電磁波増幅器である
点で「自由電子レーザ」や「チャレンコフ・メーザ」と
類似している。しかし、自由電子レーザやチャレンコフ
・メーザでは円筒状の誘電体導波路により電磁波を遅延
させているため約1MVの動作電圧を必要とするが、上
記各実施形態では表面を波状形状に加工した誘電体導波
路で電磁波を遅延させているため数KV以下の動作電圧
で動作可能である点で両者は相違している。
【0048】以上説明したように、上記各実施形態によ
れば、現在までに実現されていない単一方向性の電磁波
増幅を行う電磁波増幅器や電磁波発生器を実現すること
ができる。このような電磁波増幅器や電磁波発生器の出
現は、いわば光周波数領域における電子管やトランジス
タの発明に相当するようなものであり、現状のマイクロ
波通信、光通信技術、光計測技術、光記録技術等の信号
処理を中心とした光エレクトロニクス分野の継続的な発
展の他に、電気工学、電子工学、情報工学の分野の飛躍
的な発展が期待できる。さらに、上記第1実施形態の電
磁波増幅器は、材料加工や核融合等の高エネルギー電磁
波の用途や物質の分析化学等への利用も期待できる。
れば、現在までに実現されていない単一方向性の電磁波
増幅を行う電磁波増幅器や電磁波発生器を実現すること
ができる。このような電磁波増幅器や電磁波発生器の出
現は、いわば光周波数領域における電子管やトランジス
タの発明に相当するようなものであり、現状のマイクロ
波通信、光通信技術、光計測技術、光記録技術等の信号
処理を中心とした光エレクトロニクス分野の継続的な発
展の他に、電気工学、電子工学、情報工学の分野の飛躍
的な発展が期待できる。さらに、上記第1実施形態の電
磁波増幅器は、材料加工や核融合等の高エネルギー電磁
波の用途や物質の分析化学等への利用も期待できる。
【0049】上記電磁波増幅器の実現による最大の利点
は、光信号を用いた回路合成が可能になることであり、
これにより、光発振器、光増幅器、光変調器、光スイッ
チ、光メモリ等の各種の光機能素子を光回路として構成
することができる。例えば、上記電磁波増幅器を光ファ
イバ通信用の光源に適用したり、各種光計測器に適用し
た場合、光アイソレータを用いなくても、反射戻り光の
障害が生じなくなる。また、光ディスクにおける光ピッ
クアップに適用した場合、反射戻り光の影響はなくな
り、高品位の光信号を維持することができる。また、増
幅条件を適宜変更することにより光変調器や光スイッチ
の構成になり、光共振器を挿入すると光発生器になる
等、幾多の光機能素子への応用が可能である。また、C
D(コンパクトディスク)装置に適用した場合、レーザ
光を一方向で増幅することにより低雑音化することが可
能になる。
は、光信号を用いた回路合成が可能になることであり、
これにより、光発振器、光増幅器、光変調器、光スイッ
チ、光メモリ等の各種の光機能素子を光回路として構成
することができる。例えば、上記電磁波増幅器を光ファ
イバ通信用の光源に適用したり、各種光計測器に適用し
た場合、光アイソレータを用いなくても、反射戻り光の
障害が生じなくなる。また、光ディスクにおける光ピッ
クアップに適用した場合、反射戻り光の影響はなくな
り、高品位の光信号を維持することができる。また、増
幅条件を適宜変更することにより光変調器や光スイッチ
の構成になり、光共振器を挿入すると光発生器になる
等、幾多の光機能素子への応用が可能である。また、C
D(コンパクトディスク)装置に適用した場合、レーザ
光を一方向で増幅することにより低雑音化することが可
能になる。
【0050】また、レーザ光のエネルギーを利用したレ
ーザ加工機やレーザメス等においては、レーザ発振器か
らのレーザ光を上記電磁波増幅器で増幅して出射するよ
うに構成することにより、対象物からの反射戻り光があ
っても動作が変動しない安定化されたシステムとするこ
とができる。
ーザ加工機やレーザメス等においては、レーザ発振器か
らのレーザ光を上記電磁波増幅器で増幅して出射するよ
うに構成することにより、対象物からの反射戻り光があ
っても動作が変動しない安定化されたシステムとするこ
とができる。
【0051】また、上記各実施形態の電磁波増幅器や電
磁波発生器は、原理的にマイクロ波領域から可視光領域
までの全範囲で動作可能であるため、光領域やマイクロ
波領域のみならず、THz領域あるいは遠赤外線領域に
も適用可能であり、これまで技術的にほとんど未開発で
あった電磁波領域(サブミリ波から赤外線の領域;10
11〜1014Hzの周波数帯)を利用することも可能にな
る。したがって、THz帯から遠赤外線領域で電磁波発
生や増幅を行う装置(例えばTHz帯増幅器、THz帯
発振器、遠赤外線増幅器や遠赤外線発坂器)に適用する
ことが可能になる。このように1011〜1014Hzの電
磁波の増幅や発生が可能になると、通信技術の伝送容量
を飛躍的に増大させることが可能になるばかりでなく、
物質成分の分析化学等にも応用することができる。
磁波発生器は、原理的にマイクロ波領域から可視光領域
までの全範囲で動作可能であるため、光領域やマイクロ
波領域のみならず、THz領域あるいは遠赤外線領域に
も適用可能であり、これまで技術的にほとんど未開発で
あった電磁波領域(サブミリ波から赤外線の領域;10
11〜1014Hzの周波数帯)を利用することも可能にな
る。したがって、THz帯から遠赤外線領域で電磁波発
生や増幅を行う装置(例えばTHz帯増幅器、THz帯
発振器、遠赤外線増幅器や遠赤外線発坂器)に適用する
ことが可能になる。このように1011〜1014Hzの電
磁波の増幅や発生が可能になると、通信技術の伝送容量
を飛躍的に増大させることが可能になるばかりでなく、
物質成分の分析化学等にも応用することができる。
【0052】
【実施例】図1(a),(b)に示すように電子放射部
(電子銃)1および増幅部2を構成し、誘電体基板5に
石英ガラスを用い、誘電体導波路6にGaAsを用いるとと
もに電子ビーム収束用電極9および10にAlを用いる。
この構成において、電子銃1に加速電圧3を印加すると
ともに入力導波路7から電磁波12を入力させると、増
幅された電磁波13が出力導波路8から出力される。こ
の場合、理論解析を行うと、波長λ=100μmの遠赤
外線で、印加電圧(加速電圧Vb )3をVb =2.5K
Vとし、電流密度JをJ=100A/cm2とすると、
増幅部2の長さLを3cmとした場合には、1000倍
以上の増幅率Aが得られる。
(電子銃)1および増幅部2を構成し、誘電体基板5に
石英ガラスを用い、誘電体導波路6にGaAsを用いるとと
もに電子ビーム収束用電極9および10にAlを用いる。
この構成において、電子銃1に加速電圧3を印加すると
ともに入力導波路7から電磁波12を入力させると、増
幅された電磁波13が出力導波路8から出力される。こ
の場合、理論解析を行うと、波長λ=100μmの遠赤
外線で、印加電圧(加速電圧Vb )3をVb =2.5K
Vとし、電流密度JをJ=100A/cm2とすると、
増幅部2の長さLを3cmとした場合には、1000倍
以上の増幅率Aが得られる。
【0053】また、図3(a),(b)に示すように電
子放射部(電子銃)1および発振部15を構成し、誘電
体基板5に石英ガラスを用い、誘電体導波路16にGaAs
を用いるとともに電子ビーム収束用電極9および10に
Alを用いる。この構成において、電子銃1に加速電圧3
を印加すると、電磁波13が出力導波路8から出力され
る。この場合、理論解析を行うと、周期長λf をλf =
29.4μmとし、印加電圧(加速電圧Vb )3をVb
=2.5KVとし、電流密度JをJ=100A/cm2
とし、増幅部2の長さLを3cmとした場合には、式
(7)により波長λ=100μmの遠赤外線が得られ
る。
子放射部(電子銃)1および発振部15を構成し、誘電
体基板5に石英ガラスを用い、誘電体導波路16にGaAs
を用いるとともに電子ビーム収束用電極9および10に
Alを用いる。この構成において、電子銃1に加速電圧3
を印加すると、電磁波13が出力導波路8から出力され
る。この場合、理論解析を行うと、周期長λf をλf =
29.4μmとし、印加電圧(加速電圧Vb )3をVb
=2.5KVとし、電流密度JをJ=100A/cm2
とし、増幅部2の長さLを3cmとした場合には、式
(7)により波長λ=100μmの遠赤外線が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b)はそれぞれ、本発明の第1実
施形態に係る電磁波増幅器の基本構造を示す原理図およ
びそのA−A断面図である。
施形態に係る電磁波増幅器の基本構造を示す原理図およ
びそのA−A断面図である。
【図2】 第1実施形態の電磁波増幅器の誘電体導波路
の詳細図である。
の詳細図である。
【図3】 (a),(b)はそれぞれ、本発明の第2実
施形態に係る電磁波発生器の基本構造を示す原理図およ
びそのB−B断面図である。
施形態に係る電磁波発生器の基本構造を示す原理図およ
びそのB−B断面図である。
【図4】 第2実施形態の電磁波発生器の誘電体導波路
の詳細図である。
の詳細図である。
1 電子放射部(電子銃) 2 増幅部 3 印加電圧(加速電圧) 4 電子ビーム 5 誘電体基板 6 誘電体導波路 7 入力導波路 8 出力導波路 9,10 電子ビーム収束用電極 11 電子ビーム収束電圧 12 入射電磁波 13 出力電磁波 14 電磁波の電界成分 15 発振部 16 誘電体導波路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−135861(JP,A) 特開 平10−270808(JP,A) 特表 昭62−502145(JP,A) 電子情報通信学会技術研究報告 Vo l.197 No.360 p.39−44 電気 学会 自由電子レーザ調査専門委員会編 「自由電子レーザとその応用」(1990年 8月15日)コロナ社 p.1−5,61− 65 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/30 G02F 1/01
Claims (6)
- 【請求項1】 電子ビームを放射する電子放射部と、該
電子放射部から放射されて真空中を走行する電子ビーム
から受けたエネルギーを利用して入力された電磁波を一
方向に増幅する増幅部とを真空中に配置して成る電磁波
増幅器であって、 前記増幅部は、電子ビーム走行方向に誘電体導波路が形
成された誘電体基板と、前記誘電体導波路を挟むように
対向配置された一対の電子ビーム収束用電極とから成
り、 前記誘電体導波路は、入力された電磁波の一部と前記電
子放射部から放射される電子ビームとが交差することに
より電子ビーム走行方向に電磁波の電界成分を生じさせ
るとともに、電子ビーム走行方向の電磁波の走行速度を
低下させるように、その表面が所定周期長の波状形状に
加工されていることを特徴とする電磁波増幅器。 - 【請求項2】 前記誘電体基板は、前記誘電体導波路の
両端部にそれぞれ曲線部を介して直交方向から接続され
る入力導波路および出力導波路を具備して成ることを特
徴とする請求項1記載の電磁波増幅器。 - 【請求項3】 前記誘電体導波路は、当該波長領域にお
いて透明性を有する高屈折率の材料であって、可視光領
域に用いる場合にはZnSe, CdS およびこれらの混晶等の
II-VI 族化合物半導体もしくはGaN 等のIII-V 族化合物
半導体より成り、マイクロ波領域から近赤外領域に用い
る場合にはSi, Ge等のIV族半導体、ZnSe,CdS およびこ
れらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしくはGaAs, In
P, GaNおよびこれらの混晶等のIII-V 族化合物半導体よ
り成ることを特徴とする請求項1または2記載の電磁波
増幅器。 - 【請求項4】 電子ビームを放射する電子放射部と、該
電子放射部から放射されて真空中を走行する電子ビーム
を利用して電磁波を発生する発振部とを真空中に配置し
て成る電磁波発生器であって、 前記発振部は、電子ビーム走行方向に誘電体導波路が形
成された誘電体基板と、前記誘電体導波路を挟むように
対向配置された一対の電子ビーム収束用電極とから成
り、 前記誘電体導波路は、前記電子放射部から放射されて真
空中を走行する電子ビームに応じて発生する電磁波の一
部と前記電子放射部から放射される電子ビームとが交差
することにより電子ビーム走行方向に前記電磁波の電界
成分を生じさせるとともに、電子ビーム走行方向の電磁
波の走行速度を低下させるように、その表面が2種類の
周期長の波状形状を組み合わせた複合波状形状に加工さ
れており、 前記誘電体導波路の利得定数は該誘電体導波路の損失係
数以上となるように構成されていることを特徴とする電
磁波発生器。 - 【請求項5】 前記誘電体基板は、前記誘電体導波路の
終端部に曲線部を介して直交方向から接続される出力導
波路を具備して成ることを特徴とする請求項4記載の電
磁波発生器。 - 【請求項6】 前記誘電体導波路は、当該波長領域にお
いて透明性を有する高屈折率の材料であって、可視光領
域に用いる場合にはZnSe, CdS およびこれらの混晶等の
II-VI 族化合物半導体もしくはGaN 等のIII-V 族化合物
半導体より成り、マイクロ波領域から近赤外領域に用い
る場合にはSi, Ge等のIV族半導体、ZnSe,CdS およびこ
れらの混晶等のII-VI 族化合物半導体もしくはGaAs, In
P, GaNおよびこれらの混晶等のIII-V 族化合物半導体よ
り成ることを特徴とする請求項4または5記載の電磁波
発生器。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11139890A JP3057229B1 (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 電磁波増幅器および電磁波発生器 |
US09/574,252 US6448850B1 (en) | 1999-05-20 | 2000-05-19 | Electromagnetic wave amplifier and electromagnetic wave generator |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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ID=15255998
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---|---|---|---|
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電子情報通信学会技術研究報告 Vol.197 No.360 p.39−44 電気学会 自由電子レーザ調査専門委員会編「自由電子レーザとその応用」(1990年8月15日)コロナ社 p.1−5,61−65 |
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