JP3056505U - 超薄型マグネットシート黒板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で携帯が便利であるとともに、取り扱い
が容易で安全な補助黒板として使用できる超薄型のマグ
ネットシート黒板を提供する。 【解決手段】 このマグネットシート黒板は、マグネッ
トシート１の片面に、薄い合成樹脂や紙等のシート３を
介して、黒板塗料を塗布または印刷して形成した黒板面
層２を設けて構成されている。このようにして構成され
たマグネットシート黒板は０．２ｍｍ前後の超薄型であ
るとともに、従来の黒板シートに比べて１／５以下の重
量であるので、スチール製の大型黒板等に吸着保持する
補助黒板として簡便に使用することができる。また、こ
のマグネットシート黒板は、鋏で裁断できる、黒板面に
印刷できる、巻いて保管しても巻き癖が付かない等の優
れた特長を持っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、教室用または事務室用等に使用する大型黒板の補助用として、大型 スチール黒板等に磁力によって吸着して使用する補助用黒板に関し、特に、持運 びや取り扱いを容易にするために軽量化した超薄型マグネットシート黒板に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

この種のマグネットシート黒板は、図３に示すように、通常、着磁用のマグネ ットの粉末を混入した合成ゴム製のマグネットシート１１に、表面にマット加工 を施した塩化ビニル樹脂製の黒板用シート１２を張り合わせて構成されている。 このマグネットシート黒板は、マグネットシートの作用によって、スチール製の 黒板やスチール製の製品の表面に張りつけて使用できるので、補助黒板として使 用されている。また、この補助黒板には、白地図や罫線等を予め記載しておき、 使用目的に応じてその種類を選択して使用することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来公知のマグネットシート黒板は、マグネットシート１１とし て合成ゴムを主体とするシートを使用しているので、強度、特に自己形体保持力 の関係から０．６ｍｍよりも薄くすることができず、通常、０．６〜０．８ｍｍ のマグネットシートが使用されている。その結果、製品の重量が重くなるという 欠点がある。

【０００４】 また、黒板面には塩化ビニル樹脂製の黒板用シート１２を使用しているが、こ の材料の場合は、チョークの乗りを良くするためには、マット加工用の可塑剤の 使用量を多くして表面の硬度を高くしなければならない。ところが、表面の硬度 を高くすると、保管のためにシートをロール状に巻くことが困難になり、それを 無理に巻くと、巻き癖がついて、使用に際し、黒板に吸着しにくくなるという欠 点がある。

【０００５】 さらに、黒板用シートもシート成形技術の関係から余り薄くすることはできず 、通常、０．２〜０．４ｍｍのシートが使用されている。したがって、従来の製 品のマグネットシート黒板の厚みは、０．８〜１．２ｍｍとなり、その重量は、 ６００ｍｍ×９００ｍｍのサイズの黒板で、１．１〜１．６５ｋｇとなる。

【０００６】 本考案は、上記の欠点を除き、軽量で、携帯に便利であるとともに、取り扱い が容易で安全な補助用黒板として使用できる超薄型マグネットシート黒板を安価 に提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の超薄型マグネットシート黒板は、フェライトを分散した塩素化ポリエ チレンを主体とするマグネットシートの表面に、黒板塗料を塗布または印刷して 形成した黒板面層を設けたことを特徴とする。

【０００８】 塩素化ポリエチレンとは、ポリエチレンを塩素化したもので、塩素量が２０〜 ４０％のものは、熱可塑性エラストマーとして使用できる。 フエライトとしては、等方性粒子、異方性粒子のいずれでも使用できる。しか し、異方性粒子の方が磁力が強いので好ましい。着磁法は、黒板面層と反対側に 磁力が働くように片面着磁するのが好ましい。

【０００９】 このようなフェライトを分散した塩素化ポリエチレンを主体とするマグネット シートは、極めて柔軟でありながら、０．１〜０．２ｍｍと薄くしても自立性が あり、しかも、ロール状に容易に捲回することができるが、巻き癖がつかない等 の特長を有する。

【００１０】 黒板面層形成用の黒板塗料としては、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、アクリ ル樹脂等の合成樹脂に顔料、助剤、有機溶剤等を含む黒板塗料が用いられる。 顔料としては、クロム酸鉛、シアニンブルー、タルク、硫酸バリウム等が用い られる。

【００１１】 フェライトを分散した塩素化ポリエチレンを主体とするマグネットシートに直 接、黒板塗料を塗布するには、有機溶剤で薄めて塗布する。印刷する場合は、上 記の黒板塗料に、プラスチック印刷用の緑色インクを１：１に混合したものを使 用し、ベタのシルク印刷をする。

【００１２】 黒板塗料を単独で使用する場合は、塗料の乗りを良くするために、塩素化ポリ エチレンを主体とするマグネットシートの表面に薄い合成樹脂または紙のシート を接着し、そのシートの表面に上記の黒板塗料を塗布または印刷することが好ま しい。シート用の合成樹脂としては、塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂等が用 いられる。

【００１３】

【実施例】

（実施例１） フェライトを分散した塩素化ポリエチレンを主体とするマグネッ トシート１の片面に、アルキッド樹脂１５％、クロム酸鉛、シアニンブルー、タ ルク、硫酸バリウム等の顔料５６％、有機溶剤２７％、その他助剤類２％よりな る黒板塗料とプラスチック印刷用の緑色インク（帝国インキ製造株式会社製：Ｖ Ｇインキ）とを１：１で混合したものを、ベタのシルク印刷によって印刷し、黒 板面層２を形成する。この黒板の厚さは、マグネットシート０．１ｍｍ、黒板面 層０．０５ｍｍで、全体として、０．１５ｍｍである。

【００１４】 （実施例２） 実施例１と同じマグネットシート１の片面に、薄い紙シート３を 接着し、その紙シート３の上に、アルキッド樹脂１５％、クロム酸鉛、シアニン ブルー、タルク、硫酸バリウム等の顔料５６％、有機溶剤２７％、その他助剤類 ２％よりなる黒板塗料を塗装用のスプレーガンによって塗布し、黒板面層２を形 成する。

【００１５】 この黒板の厚さは、マグネットシート０．１ｍｍ、コーティング紙０．０５ｍ ｍ、黒板面層０．０５ｍｍで、全体で０．２ｍｍと極めて薄い黒板を形成するこ とができる。ちなみに、従来のマグネットシート黒板は最も薄いものでも厚さは ０．８ｍｍあるので、本考案の超薄型黒板の厚みは従来品の１／４となる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の超薄型マグネットシート黒板は、フェライトを分散した塩素化ポリエ チレンを主体とするマグネットシートを使用し、その片面に黒板塗料を塗布また は印刷して黒板面層を形成しているので、約０．１５〜０．２ｍｍと極め薄いシ ートとして形成することができ、また、重量も極めて軽く、持運び、取り扱いが 容易になる。ちなみに、６００ｍｍ×９００ｍｍの従来のマグネトラバーを使用 したマグネットシート黒板の重量は、通常１．１ｋｇであるのに対して、同じサ イズの本考案の超薄型黒板は、２１４ｇと、１／５以下の重量である。

【００１７】 本考案の超薄型マグネットシート黒板は、裏面全体がマグネットシートである ので、スチール製の大型黒板やその他のスチール性の製品の任意の場所に、吸着 保持して固定することができ、教室や事務所において、補助黒板として簡便に使 用することができる。

【００１８】 本考案の超薄型マグネットシート黒板は、鋏やカッターで簡単に切ることがで きるので、短冊黒板や発表ボードとして使用することができる。また、古くなっ たスチール黒板の大きさに切断してその面に張りつければ、塗装しなおさなくて も、黒板面を新しくすることができる。

【００１９】 本考案の超薄型マグネットシート黒板は、黒板面に印刷ができるので、月予定 表、作文指導用黒板、ノート黒板、方眼黒板、地図黒板等を簡単に製作すること ができる。

【００２０】 従来のマグネットシート黒板は、その表面に０．２〜０．３ｍｍのマット加工 した塩ビのフイルムをマグネットシートに接着して構成していたので、温度が低 い冬などは、巻いて保管していると、巻き癖がついてスチール黒板に吸着させる のが困難であったが、本考案の超薄型マグネットシート黒板は、巻き癖がつきに くいので、取り扱いが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の超薄型マグネットシート黒板の断面
図。

【図２】実施例２の超薄型マグネットシート黒板の断面
図。

【図３】従来のマグネットシート黒板の断面図。

【符号の説明】

１ マグネットシート ２ 黒板面層 ３ 合成樹脂または紙のシート １１ マグネットシート １２ 黒板シート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フェライトを分散した塩素化ポリエチレ
   ンを主体とするマグネットシートの表面に、黒板塗料を
   塗布または印刷して形成した黒板面層を設けたことを特
   徴とする超薄型マグネットシート黒板。
2. 【請求項２】 フェライトを分散した塩素化ポリエチレ
   ンを主体とするマグネットシートの表面に、薄い合成樹
   脂または紙のシートを介して、黒板塗料を塗布または印
   刷して形成した黒板面層を設けたことを特徴とする超薄
   型マグネットシート黒板。