JP3056495B2 - 回転装置 - Google Patents

回転装置

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JP3056495B2
JP3056495B2 JP1136402A JP13640289A JP3056495B2 JP 3056495 B2 JP3056495 B2 JP 3056495B2 JP 1136402 A JP1136402 A JP 1136402A JP 13640289 A JP13640289 A JP 13640289A JP 3056495 B2 JP3056495 B2 JP 3056495B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はモータ等の回転装置に関する。
従来の技術 高速回転駆動用のモータのコンパクト化を図るため
に、本出願人は先にロータとステータの間に静圧気体軸
受を形成したものを提案している。第5図により説明す
ると、モータケース51の軸心位置を回転軸52が貫通し、
この回転52の外周に磁石から成るロータ53が嵌着固定さ
れ、このロータ53の外周に微小隙間をあけて対向するよ
うにモータケース51内周にステータ54が嵌合固定されて
いる。このステータ54の内周面とロータ53の外周面は平
滑に形成され、かつ両端から適当な位置に一対の円周溝
55が形成されるとともに、これら円周溝55に対して絞り
通路56を介して高圧気体を供給する気体供給通路57が形
成され、ロータ53外周面とステータ54内周面の間の微小
隙間に静圧気体軸受58が形成されている。
以上の構成において、ロータ53及び回転軸52はロータ
53の外周の静圧気体軸受58にて支持されて高精度の回転
が確保され、かつその静圧気体軸受58はロータ53の外周
に位置して軸受半径が大きいため、量産可能な10〜20μ
m程度の軸受隙間を形成しても十分な剛性と負荷能力を
持ち、さらに一対の円周溝55、55間の広い面積が高い圧
力に維持されるので、大きな負荷能力が確保される。
一方、高速で高精度の軸受の一種として電磁石を用い
て軸心位置を能動的に制御する制御式磁気軸受が知られ
ている。この制御式磁気軸受は、非接触でかつ潤滑剤を
使用しなくてよいので、低トルク、低騒音で高速回転に
適し、また高真空中でも使用可能で潤滑剤による汚染も
なく、かつ制御により高剛性の軸受を得ることができる
等の特長を備えており、高速回転に適するとともに高剛
性であるという特長を生かして、例えばミリングマシン
等の加工機のスピンドルの軸受に適用することが提案さ
れている。
このミリングマシンにおけるスピンドル駆動装置の概
略構成を説明する。第6図において、61はスピンドル
で、その一端部にエンドミル62が嵌着される。スピンド
ル61はその両端部近傍が磁気軸受63a、63bにて回転自在
に支持されるとともに、中間部に配設されたモータ64に
て駆動可能に構成されている。また、スピンドル61の一
端側に位置する磁気軸受63aとモータ64の間にはスラス
ト磁気軸受65が配設されている。66a、66bは、スピンド
ル61の両端部に配設された径方向の位置を検出するセン
サ、67はスピンドル61の他端に設けられた軸心方向の位
置を検出するセンサである。68a、68bは磁気軸受63a、6
3b、65が有効に動作しない異常時や、起動・停止時等の
軸受作用が不安定な状態のときにスピンドル61を支持す
るころがり軸受である。
以上の構成において、センサ66a、66b及び67にてスピ
ンドル61の径方向及び軸心方向の位置を検出し、その偏
心量に応じて磁気軸受63a、63b、65を制御することによ
ってスピンドル61を高精度に所定位置に保持することが
でき、このスピンドル61をモータ64にて回転駆動するこ
とによってエンドミル62により高精度の加工を行うこと
ができる。
発明が解決しようとする課題 ところが、上記第5図の構成のモータにおいては、高
速で回転するロータ53がうず電流損失によって発熱し、
その熱膨張によるロータ53の変形量が軸受隙間に比して
極めて大きく、変形量の許容値を越えてしまうという問
題がある。例えば、直径30mmのロータ53が30℃温度上昇
すると、膨張量は10μm程度となる。また、うず電流損
失は回転数の2乗に比例して増加し、高速化を図るとロ
ータ53の発熱は益々大きくなるため、ロータ53の冷却が
必須の条件となる。ところが、制圧軸受の軸受隙間が10
μm程度であると、気体の粘性抵抗により大量の冷却気
体をロータ53とステータとの間に流すのは困難であり、
従ってロータ53の発熱を抑えるのは困難である。さら
に、高速の加工機等に適用したときは必ずしも軸受周辺
がクリーンな環境に保たれるとは限らず、ゴミ、錆等が
軸受隙間に入り込むとロックされてしまう恐れもある。
又、上記第6図の磁気軸受を用いたスピンドルの駆動
装置では、軸受隙間を大きくとれるため、上記問題点は
解消されるが、2つのラジアル軸受63a、63bとスラスト
軸受65にそれぞれセンサ66a、66b、67やコントローラを
必要とするため、コスト高になるという問題があり、さ
らに上記各センサ66a、66b、67の配置スペースが必要で
あり、装置がコストアップかつ大型化するという問題も
ある。
尚、高速回転用の気体軸受として超音速気体流を用い
た三宅らの考案による超音速気体軸受が、例えば「潤
滑」第33巻、第5号、P345〜349(1988年)等において
開示されている。しかしモータのコンパクト化を図るた
め、上記のような問題点の解決に適用することは想定さ
れていない。
本発明は上記従来の問題点に鑑み、高速回転可能でか
つコンパクトな構成の回転装置を提供することを目的と
する。
課題を解決するための手段 本発明の回転装置は、上記目的を達成するために、モ
ータ又はラジアル磁気軸受の回転側であるロータの外周
面と、固定側であるステータの内周面との間に超音速気
体軸受を形成し、前記ロータの回転軸の軸径方向荷重を
支持する構成とした回転装置において、前記ステータ
の,前記ロータの回転軸方向に沿った略中央部内周面に
超音速気体の給気通路を開口させたことを特徴とする。
作用 本発明によると、粘性の小さい気体を軸受流体として
いるので摩擦が小さく高速回転に対応することができ、
かつ慣性力を利用した超音速気体軸受を用いているため
軸受出口端の圧力を周囲圧力と無関係に大きくでき、そ
のため軸受隙間を大きくしても軸受としての十分な剛性
と負荷能力が得られる。その結果、ステータやロータに
十分な軸受隙間を形成することによって熱膨張があって
もロックされる恐れがなく、しかも軸受隙間が大きいた
め、大流量の気体を流すことによって十分に冷却でき、
冷却効果が大きいことによって、うず電流損失による発
熱が大きくても熱膨張を小さくでき、高速化を図ること
ができる。
従って、高速回転モータのステータとロータ間に超音
速気体軸受を設けることが可能であり、その結果モータ
の両側に軸受が不要となって回転装置全体のコンパクト
化を図ることができ、固有振動数も大きくとれ、危険速
度通過時のロックの恐れもない。又、軸受隙間が大きく
て良いので、ステータ及びロータの加工精度が高くなく
ても良く、かつ気体供給の管理も通常の静圧軸受に比し
ても精緻でなくても良く、コストダウンを図ることがで
きる等の効果が得られる。
また、ステータの,ロータの回転軸方向に沿った略中
央部内周面に超音速気体の給気通路を開口させることに
より、軸受出口端までの軸受有効長さを大きく確保でき
ることとなる。
実 施 例 以下、本発明の一実施例を第1図及び第2図に基づい
て説明する。
第1図において、1はモータケースで、内部にステー
タとロータを配置する空間2を有し、かつその軸心位置
を回転軸3が貫通している。モータケース1の一端壁1a
に形成された軸受穴4に、回転軸3に外嵌固定されたス
ラスト軸受5が嵌着されている。前記空間2内におい
て、回転軸3の外周にサマリウムコバルト磁石を備えた
ロータ6が固定されるとともに、このロータ6の外周に
対向して微小な軸受隙間をあけてステータコイル7aを装
着したステータ7が配置され、モータケース1の内周に
嵌合固定されている。
ロータ6の外周面は、中央部の径が小さく両端部に向
かって漸次径が大きくなるように加工された非円筒加工
面8に形成され、このロータ6の外周面とステータ7の
円筒状の内周面との間に、中央部で流路断面積が大きく
両端部で最も流路断面積の小さい筒状の気体流路9が形
成されている。ステータ7の内周面の中央部には、環状
溝10が形成されるとともにこの環状溝10に開口するよう
に、ステータ7を径方向に貫通する複数の給気通路11が
形成されている。さらにモータケース1の内周面の給気
通路11に対向する位置に環状通路12が形成され、モータ
ケース1を貫通する通孔13、この通孔13に螺合された給
気プラグ14を介して図示しない気体供給源に接続されて
いる。この気体供給源は、気体流路9の両端の出口端に
おける流速が音速以上となるように気体を供給する能力
を有しており、気体流路9にて超音速気体軸受15が構成
される。
なお、第1図では特徴が見易いように極端に図示して
いるが、ロータ6とステータ7の間の軸受隙間は0.1mm
オーダーであり、中央部の隙間の最大部でも0.2〜0.4mm
程度である。
以上の構成において、ステータコイル7aに電流を流し
て駆動すると、ロータ6及び回転軸3はロータ6外周の
超音速気体軸受15にて非接触でそのラジアル荷重が支持
される。その際、超音速気体軸受15を用いて気体流路9
の出口端での気体流速を音速又は超音速としているた
め、第2図に実線で示すように、気体流路9の出口端で
の圧力は周囲の圧力(通常、大気圧)との間で不連続を
生ずることができ、通常の静圧気体軸受においては破線
で示すように周囲の圧力と連続するのに比して斜線で示
した面積分だけ大きい負荷容量が得られる。また、超音
速気体軸受15は気体の慣性力を利用しているので、粘性
力を利用した従来の静圧気体軸受に比して大きな隙間を
設けても大きな剛性を確保することができる。このよう
に軸受隙間を大きくできることによって、加工精度が高
くなくても高精度の回転を長期にわたって維持でき、ま
た気体流路9に大量の気体が流れるため、ロータ6にお
いてうず電流損失による発熱が生じても効果的に冷却で
き、熱膨張を低減でき、高速モータを実現することがで
きる。
一方、回転軸3に作用するスラスト荷重は適宜構成の
スラスト軸受5にて支持される。なお、このスラスト軸
受にも同様の超音速気体軸受を適用してもよい。
次に、ロータ6の具体構成例を第3図により説明す
る。複数の積層鉄心21がクランプピン22で固定されると
ともに、この積層鉄心21の外周に永久磁石23が外嵌固定
され、かつその外周にステンレスパイプ24が外嵌固定さ
れている。このロータ6は、積層鉄心21を複数のクラン
プピン22で固定した後、永久磁石23とステンレスパイプ
24を焼きばめし、さらにクランプピン22をかしめて製造
される。ステンレスパイプ24は、1〜1.5mm程度の厚さ
のステンレス鋼板を円筒状に成形して溶接してパイプ状
にしたものである。このステンレスパイプ24と永久磁石
23と積層鉄心21からなるロータ6が回転軸3に焼きばめ
にて固定される。その後、ステンレスパイプ24の外周面
に、ステータ7の内周面との間で超音速気体軸受15の気
体流路9を形成する非円筒加工面8が加工される。
尚、第3図の例では、気体供給源に連通する通孔13は
モータの後端に向かって延びている。
上記実施例では、気体通路9をロータ6外周の非円筒
加工面8とステータ7内周の円筒面とで形成した例を示
したが、逆にステータ7内周面を非円筒加工面とし、ロ
ータ6外周面を円筒面としてもよく、両方とも非円筒加
工面としてもよいことは言うまでもない。
第4図は、本発明をミリングマシンにおけるスピンド
ル駆動装置に適用した実施例の概略構成を説明する。31
はスピンドルで、その一端部にエンドミル32が嵌着され
る。スピンドル31はその中間部に配設されたモータ33に
て駆動可能に構成され、かつそのモータ33のロータ34と
ステータ35の間に超音速気体軸受36が構成されている。
37は、超音速気体軸受36に気体を供給する気体供給通路
である。また、スピンドル31の他端部にはスラスト磁気
軸受38が配設されている。39は軸受作用が不安定な状態
のときにスピンドル11を支持する保護ころがり軸受であ
る。
この実施例では、モータ33内に超音速気体軸受から成
るラジアル軸受を備えているので、第6図に示した従来
のスピンドル駆動装置におけるモータ両側のラジアル磁
気軸受を省略でき、格段にコンパクトな構成となってい
る。
上記実施例では、ブラシレスDCモータを例示したが、
トランジスタモータ、ハーメチックモータ、ACモータ、
電子ガバナモータ、コアレスモータ等、任意の種類のモ
ータに適用できる。
さらに、上記実施例では、本発明をモータに適用した
例を示したが、高速化に対応するために用いられている
モータと同様の構成の磁気軸受にも適用することがで
き、その場合軸受の負荷能力を補強することができる。
発明の効果 本発明の回転装置によれば、以上のように粘性の小さ
い気体を軸受流体としているので摩擦が小さく高速回転
に対応することができ、かつ気体流の慣性力を利用した
超音速気体軸受を用いているため軸受出口端の圧力を周
囲圧力と無関係に大きくでき、そのため軸受隙間を大き
くしても軸受としての十分な剛性と負荷能力が得られ
る。その結果、軸受隙間を大きくすることによってステ
ータやロータに熱膨張があってもロックされる恐れがな
く、しかも軸受隙間が大きいため、大流量の気体を流す
ことによって十分に冷却でき、冷却効果が大きいことに
より、うず電流損失による発熱が大きくても熱膨張を小
さくでき、高速化を図ることができる。
従って、高速回転モータのステータとロータ間に超音
速気体軸受を設けることが可能であり、その結果モータ
の両側に軸受が不要となって回転装置全体のコンパクト
化を図ることができる。また回転軸固有振動数が大きく
とれるため、危険速度通過時のロック恐れもなく、加工
機の高速化が図れる。加工機の高速化によって加工精度
の向上、加工時間の短縮化が図れる。又、軸受隙間が大
きくて良いので、ステータ及びロータの加工精度が高く
なくても良く、かつ気体供給の管理も通常の静圧軸受に
比しても精緻でなくても良く、コストダウンを図ること
ができる。さらに、ステータの、ロータの回転軸方向に
沿った略中央部内周面に超音速気体の給気通路を開口さ
せることにより、軸受出口端までの軸受有効長さを大き
く確保することができる等の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるモータの構成を示す
縦断側面図、第2図は超音速気体軸受の圧力分布特性
図、第3図は同実施例の具体構成例の縦断側面図、第4
図は本発明をミリングマシンに適用した実施例の縦断正
面図、第5図は本出願人が先に提案したモータの縦断側
面図、第6図は従来のミリングマシンの縦断正面図であ
る。 6,34……ロータ、7,35……ステータ、15,36……超音速
気体軸受。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転側であるロータの外周面と、
    固定側であるステータの内周面との間に、超音速気体軸
    受を形成し、前記ロータの回転軸の軸経方向荷重を支持
    する構成とした回転装置において、 前記ステータの前記ロータの回転軸方向に沿った略中央
    部内周面に超音速気体の吸気通路を開口させたことを特
    徴とするモータ。
  2. 【請求項2】ラジアル磁気軸受の回転側であるロータの
    外周面と、固定側であるステータの内周面との間に、超
    音速気体軸受を形成し、前記ロータの回転軸の軸経方向
    荷重を支持する構成とした回転装置において、 前記ステータの前記ロータの回転軸方向に沿った略中央
    部内周面に超音速気体の吸気通路を開口させたことを特
    徴とするラジアル磁気軸受。
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