JP3056343B2 - 急速熱分解における炭素質熱分解原料の吹き込み方法 - Google Patents

急速熱分解における炭素質熱分解原料の吹き込み方法

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JP3056343B2 JP4339224A JP33922492A JP3056343B2 JP 3056343 B2 JP3056343 B2 JP 3056343B2 JP 4339224 A JP4339224 A JP 4339224A JP 33922492 A JP33922492 A JP 33922492A JP 3056343 B2 JP3056343 B2 JP 3056343B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭および炭素質原料
の熱分解反応により、ガス、タール、および固体チャー
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、石炭の熱分解法は、コークス炉に
おけるコークス生産を主目的として、鉄鋼業を中心に商
業規模で実施されているが、石炭からの付加価値の高い
ガスおよびタールを生産するプロセスとしては、石炭の
低速加熱・熱分解であるコークス炉は適していない。ま
た、コークス炉は、熱分解原料である石炭原料の使用範
囲の制約があり、かつガスおよびタール生産への柔軟性
は低い。
【0003】近年、石炭の急速加熱・熱分解により、石
炭からガスおよびおよびタールの有用成分を大量に製造
しようとする試みが、マイルドガス化法として、注目を
浴びてきている。
【0004】特開平1−113491号は、石炭タール
の製造方法において、石炭の熱分解生成ガスを加熱した
後、熱分解反応炉内の石炭流に噴射して循環使用するこ
とを特徴とする熱分解法である。
【0005】また、特開平4−122897号は、石炭
の熱分解によって生成するチャーを酸素によりガス化
(COおよびH2 ガスとする)し、その高温ガス中に微
粉炭を一段で吹き込む気流層における石炭の急速加熱・
熱分解法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平1−11349
1号の方法では、石炭の熱分解に必要な熱を循環ガスの
間接加熱により供給しているが、所要熱の供給に必要な
ガスの循環量は、1500〜3000Nm3 /t−co
alと非常に多量のガスをリサイクルしなければならな
い。その結果、プロセスの熱効率が悪く、設備コストも
増大するという問題が生じる。特開平4−122897
号の一段吹き込み方法では、生成物であるガス、タール
およびチャーの性状制御の範囲は広くないという問題が
ある。
【0007】本発明は、石炭および炭素質原料の急速加
熱・熱分解法において、生成物であるガス、タールおよ
びチャーの性状制御を実現する方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、石炭急速熱分解炉の熱分解部への熱分
解原料の吹き込み方法を二段あるいは複数段とし、熱分
解原料の温度履歴を適切に制御することで、生成物であ
タールの性状制御を実現することを特徴とする。
【0009】即ち、本発明の要旨とするところは、 (1) 石炭および炭素質原料の急速加熱・熱分解反応
により、ガス、タール、および固体チャーの生成物を得
る石炭急速熱分解炉における熱分解部において、炭素質
熱分解原料を熱分解部へ熱分解反応進行方向に二段ある
いは複数段にて吹き込むことで、タールの性状を制御す
ることを特徴とする急速熱分解における炭素質熱分解原
料の吹き込み方法、 (2) 熱分解部への二段あるいは複数段吹き込みにお
いては、熱分解部最下部から中央部の範囲に二段あるい
は複数段の吹き込み口を配置し、熱分解部中央部側の最
上段の吹き込み口から吹き込む熱分解原料量を全吹き込
み重量の50%未満とすることを特徴とする前記(1)
記載の急速熱分解における炭素質熱分解原料の吹き込み
方法にある。ここで、炭素質原料とは、石炭に代表され
るような炭素元素を含む原料を指す。
【0010】
【作用】以下、本発明について、詳細に説明する。図1
に本発明の熱分解法における微粉炭の二段吹き込みの概
略図を示す。石炭の熱分解により生成される微粉チャー
1の一部を酸素2によりガス化し、1400〜1800
℃の高温のCOおよびH2 ガスをチャーガス化部3にて
発生させる。この高温ガスの顕熱を熱源として、チャー
ガス化部直上に設けられた熱分解部4に粒径200μm
以下の微粉炭を吹き込み、気流層にて石炭の急速加熱・
熱分解反応を起こさせ、生成物であるガス、タールおよ
び固体チャーを得る。粒径200μ以下の微粉炭におい
ては、熱分解反応は1秒以内で終了する。熱分解部4へ
微粉炭5の供給は、熱分解部高さ方向の二段吹き込みに
よって行う。一段目の吹き込み位置6は、チャーガス化
部3直上に設けられた熱分解部4の最下部で、二段目の
吹き込み位置7は、熱分解部4の高さ方向における中央
部が望ましい。チャーガス化部3からの高温ガスの持つ
顕熱を効率的に利用するために、一段目の吹き込みは、
熱分解部最下部で吹き込むことが好ましい。二段目の吹
き込み位置7は、一段目の吹き込み熱分解原料の反応が
終了し、かつ二段目吹き込みの熱分解原料が熱分解部4
の上端にある熱分解部出口までに十分に反応完結する熱
分解部中央部が望ましい。それぞれの吹き込み位置にお
ける微粉石炭の吹き込み量割合は、自由に変えられる
が、望ましくは、上段吹き込み量割合が全吹き込み重量
の50%未満である。上段吹き込み量の割合が50%以
上の場合、熱分解炉の出口反応温度を700℃とした場
合に下段吹き込み微粉炭の熱分解反応温度が1000℃
以上の高温となり、ススの生成が増大するとともに熱分
解炉の熱効率が悪くなる。
【0011】熱分解部4の反応条件は、急速加熱・熱分
解においては、一般に知られているように温度500〜
1000℃、圧力1〜10atm、ガス滞留時間は0.
5〜10秒である。
【0012】チャーガス化部3におけるガス化チャー量
を一定として、熱分解部出口における温度を規定とする
と、熱収支から熱分解部4への石炭の吹き込み量が定ま
る。熱分解部4へ石炭の全量を一段で吹き込んだ場合、
この石炭の熱分解反応は、ほぼ熱分解部出口温度に等し
い温度で進行し、その反応温度に伴う熱分解生成物(ガ
ス、タールおよび固体チャー)が生成する。一方、熱分
解部4への石炭の吹き込みを二段で行った場合、熱分解
部下段吹き込みの石炭の熱分解反応は、熱分解部出口温
度より高温で進行し、上段吹き込みの石炭は、ほぼ熱分
解部出口温度にほぼ等しい温度で進行する。たとえば、
熱分解炉出口温度700℃に規定した場合、熱分解部下
段吹き込みの石炭は、吹き込み割合によって、800〜
1000℃で反応が進行し、上段吹き込みの石炭は、7
00℃で反応が進行する。
【0013】従って、二段吹き込みにすることにより、
熱分解生成物は熱分解部出口温度(たとえば700℃)
の反応生成物と、より高温(たとえば800〜1000
℃)の反応生成物の混在した生成物を得ることが可能と
なる。
【0014】複数段、たとえば三段の吹き込み法におい
ては、熱分解部4の高さ方向における最下部と中央部お
よびその中間の位置から吹き込み、かつ熱分解部中央部
に位置する吹き込み口、すなわち最上段の吹き込み口の
吹き込み量が全吹き込み重量の50%未満となるように
することが好ましい。これは、下二段の吹き込み量を5
0%未満にしないことに対応しており、下二段からの吹
き込み量が50%未満になると、下二段から吹き込まれ
た石炭の熱分解反応温度が1000℃以上の高温とな
り、ススの発生の増大、熱効率の悪化となるからであ
る。
【0015】二段、場合によっては複数段の石炭吹き込
み法は、一段吹き込み法に比べて、熱分解部への投入熱
量が同じ条件でも、生成物の性状を温度履歴の変更によ
り制御することを可能とする技術である。
【0016】
【実施例】図2に、熱分解部への石炭の一段吹き込みの
場合と二段吹き込みの場合のガスおよび石炭の温度履歴
の一例を示している。熱分解部への供給石炭量を1t/
hとすると、チャーガス化炉へのチャー供給量は0.2
t/h、酸素供給量は150Nm3 /hである。チャー
ガス化部からのガス温度は1600℃である。熱分解部
出口におけるガスおよびチャー温度は700℃である。
【0017】一段吹き込み法で、熱分解部最下部(チャ
ーガス化炉出口から0.2mの位置)に1t/hの石炭
を吹き込むと、混合および熱分解反応は100msのオ
ーダーで完結し、反応温度700℃の熱分解生成物が得
られる。得られた生成物は、石炭1tに対して、ガス7
00Nm3 、タール0.18t、チャー0.3tであっ
た。また、タール性状は、側鎖の多い多環芳香族が得ら
れる。
【0018】一方、二段吹き込み法では、チャーガス化
炉からのガス化ガス出口に直結した熱分解部最下段(チ
ャーガス化炉出口から0.2mの位置、Z=0.2m)
に0.6t/h、熱分解炉中央部の上段(チャーガス化
炉出口から2mの位置、Z=2m)に0.4t/hの石
炭を吹き込んだ。下段吹き込み石炭の熱分解反応は、約
900℃で進行し、上段吹き込みの石炭の熱分解反応は
700℃で進行した。熱分解生成物は、ガス800Nm
3 、タール0.15t、チャー0.25tであった。ま
た、タール性状は、一段法に比べて、側鎖の少ない多環
芳香族成分となり、コークス炉タールに近い性状となっ
た。
【0019】上下段の吹き込み割合および位置を変更し
た場合と三段吹き込み法の試験結果をそれぞれ表1、表
2に示す。本発明例である実験1および2はガスとター
ルの収率が向上したのに対し、上段ノズルからの吹き込
み量が本発明の条件を満たさない実験例3(比較例3)
はガスとタールの収率が低く、ススも発生した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、石炭の急速熱分解法に
おける二段あるいは複数段吹き込みにより、熱分解生成
であるタールの性状の制御が可能となることから、産
業上の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の石炭急速熱分解炉における石炭の
二段吹き込み法を示す図である。
【図2】は、石炭の一段吹き込み法と二段吹き込み法に
おけるガスおよび石炭の熱分解部炉高さ方向の温度分布
を示す図である。
【符号の説明】
1…チャー、 2…酸素、3…チャー
ガス化部、 4…熱分解部、5…微粉炭、
6…微粉炭一段目吹き込み位置、7…微
粉炭二段目吹き込み位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 洋 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平3−21696(JP,A) 特開 昭60−173092(JP,A) 特開 昭58−194986(JP,A) 特開 昭55−137192(JP,A) 特開 平1−113491(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 1/00 C10B 49/08 C10G 1/02 C10J 3/00 C10J 3/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭および炭素質原料の急速加熱・熱分
    解反応により、ガス、タール、および固体チャーの生成
    物を得る石炭急速熱分解炉における熱分解部において、
    炭素質熱分解原料を熱分解部へ熱分解反応進行方向に二
    段あるいは複数段にて吹き込むことで、タールの性状を
    制御することを特徴とする急速熱分解における炭素質熱
    分解原料の吹き込み方法。
  2. 【請求項2】 熱分解部への二段あるいは複数段吹き込
    みにおいては、熱分解部最下部から中央部の範囲に二段
    あるいは複数段の吹き込み口を配置し、熱分解部中央部
    側の最上段の吹き込み口から吹き込む熱分解原料量を全
    吹き込み重量の50%未満とすることを特徴とする請求
    項1記載の急速熱分解における炭素質熱分解原料の吹き
    込み方法。
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