JP3055816B2 - 水性系用の増粘剤を改善する方法 - Google Patents

水性系用の増粘剤を改善する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は水性系(たとえば水性ラテック
ス塗料配合物のような)に使用される増粘剤に関する。
特に、有機補助溶剤の存在を要求する或る種の疎水性増
粘剤の水溶液に関する。より詳しくは、本発明はシクロ
デキストリン化合物を増粘剤分子上の疎水性部分と可逆
的に複合化させるために使用して、かかる増粘剤を含有
する水溶液の粘度を抑えることに関する。
【0002】
【発明の背景】水性系(たとえば乳化重合体結着剤を含
有する被覆材のような)は典型的に、水性系の適切な配
合および適用に必要な所定粘度を得るために増粘剤を使
用している。水性系に使用される一つの一般的なタイプ
の増粘剤はこの分野で用語「会合性(associative) 」を
もって呼びならわされている。会合性増粘剤がそう呼ば
れている理由は、その増粘メカニズムが増粘剤分子中の
疎水性種自体の間の及び/又は他の疎水性表面との間の
疎水性会合を包含すると考えられているためである。多
数の様々なタイプの会合性増粘剤が知られている。限定
されるものではないが、ポリウレタン、疎水性に改質さ
れたアルカリ可溶性エマルジョン、疎水性に改質された
ヒドロキシエチルセルロースまたはその他自然産物、お
よび疎水性に改質されたポリアクリルアミドが挙げられ
る。
【0003】これら会合性増粘剤の或るもの、たとえば
ポリウレタン増粘剤は、有機補助溶剤を含有する水溶液
として販売されている。補助溶剤(たとえばプロピレン
グリコールのような)の機能は会合性増粘剤を含有する
水溶液の粘度を抑えて増粘剤として使用する前の取扱を
容易にすることである。この有機補助溶剤は意図した機
能を発揮するが、環境、安全性、および健康の面で有害
である可能性がある。粘度を抑えることは界面活性剤の
使用によっても行われている。これは特別の健康/環境
上の危険を呈することはないけれども、配合物の性能を
劣化させる。
【0004】従って、これら有機補助溶剤や界面活性剤
の代わりに使用することができ、もっと環境許容性でか
つ安全性である材料を開発できれば、有益であろう。
【0005】
【従来技術】会合性増粘剤として作用する様々な疎水性
化合物を開示している資料が多数存在する。会合性増粘
剤は水性ラテッスク系の増粘に使用するには有機補助溶
剤または界面活性剤と共に配合される。
【0006】米国特許第4,155,892号および第
4,079,028号は親水性ポリエーテル基によって
互いに連結された少なくとも3個の疎水基を有すること
を特徴とするポリウレタン増粘剤に関し、この増粘剤は
有機補助溶剤と共に配合されている。
【0007】米国特許第4,426,485号は各疎水
性セグメントが少なくとも1個の一価疎水基を重合体に
共有結合して含有している複数の疎水性セグメントを含
む重量平均分子量少なくとも約10,000の水溶性熱
可塑性有機重合体であって、疎水性セグメント当たり少
なくとも2個の一価疎水基を含む疎水性集中部を、重合
体を含有する水溶液の増粘を向上させるのに十分な量
で、有している前記重合体に関する。
【0008】米国特許第4,496,708号は水溶性
ポリウレタンくし型重合体増粘剤に関する。
【0009】米国特許第4,499,233号は水混和
性溶剤中の溶液形態のポリウレタン増粘剤を開示してい
る。
【0010】米国特許第4,180,491号は非水性
不活性有機希釈剤を使用するウレタン会合性増粘剤を開
示している。
【0011】特開昭60−49022号はウレタン会合
性増粘剤を溶解するために水と共にエタノールまたは界
面活性剤を使用することを記載している。
【0012】しかしながら、これら資料のどれにも、有
機補助溶剤を使用することなく増粘剤を取扱可能な粘度
の水溶液の形態で提供するための方法は開示または示唆
されていない。
【0013】従って、本発明の目的は有機補助溶剤の必
要性を解消することによって会合性増粘剤を改善する方
法を提供することである。
【0014】
【発明の概要】会合性増粘剤を含有する水溶液に1種ま
たはそれ以上のシクロデキストリン化合物を添加するこ
とによる会合性増粘剤の改善方法を提供する。シクロデ
キストリン化合物は会合性増粘剤を含有する水溶液の粘
度を抑えて有機補助溶剤の必要性を解消する。加えて、
シクロデキストリン化合物の粘度抑制機能は、必要に応
じて、シクロデキストリンに対する親和性を有する化合
物(たとえば界面活性剤のような)を添加することによ
って、容易に逆転させられる。従って、水性系用の効率
的な会合性増粘剤が提供される。本発明のその他の態様
では、シクロデキストリンは、水に対して限界的溶解度
を有する疎水性に改質された会合性増粘剤を水性系の中
に導入するのを容易にするように改善すること; 会合性
増粘剤を含有する配合物に着色剤または界面活性剤を添
加したときの配合物の粘度降下を軽減すること; 会合性
増粘剤自体の効能を改善して、所定の塗料粘度を達成す
るのに必要な増粘剤量を減少させること; ラテックス塗
料における泡立ちを減少させること; および或る種の配
合物において界面活性剤によって起こる着色問題を軽減
することが判明した。
【0015】
【発明の詳細】シクロデキストリン化合物はマクロサイ
クル当たり6個、7個または8個のα−D−グルコース
をもって環状に閉じたオリゴ糖である。6グルコース環
シクロデキストリン化合物はα−シクロデキストリンと
称されており;7グルコース環シクロデキストリン化合
物はβ−シクロデキストリンと称されており; そして8
グルコース環シクロデキストリン化合物はγ−シクロデ
キストリンと称されている。シクロデキストリンは、コ
ーン、ポテト、ワックシィメイズ(waxy maize)、およ
び、禾穀または塊茎基原から誘導された改質澱粉または
未改質澱粉であってもよい同様のもの、のような様々な
選択された植物の澱粉およびそのアミロースまたはアミ
ロペクチン画分から生成される。約35重量% 固形分ま
での濃度の水性スラリの形態の選択された澱粉は通常、
たとえば、ゼラチン化によって又は細菌性α−アミラー
ゼ酵素のような液状化用酵素での処理によって液状化さ
れ、それからトランスグリコシレート酵素による処理を
受けてシクロデキストリンになる。α−、β−、および
γ−シクロデキストリンのそれぞれの量は選択された澱
粉、選択されたトランスグリコラーゼ酵素、および加工
条件に依存する。それぞれのシクロデキストリンの沈澱
および分離は、溶剤系、トリクロロエチレンのような包
接化合物、および選択されたイオン交換樹脂を利用する
非溶剤系を利用することが文献に記載されている。各々
のシクロデキストリン並びにそれらの混合物は商業的に
入手可能な材料である。β−シクロデキストリンは最も
広く使用されている形態であり、医薬品および食品の製
造に使用することが知られている。
【0016】シクロデキストリンが有機化合物と包接複
合体を形成することによって有機化合物の水に対する溶
解度を増加させるという能力を有することは既知であ
る。W.シーンガー(Saenger) とA.ミューラー−ファ
ーノウ(Muller-Fahrnow)の共著シクロデキストリンによ
る、洗剤溶液の表面張力と臨界ミセル濃度の増加 (Cyclo
dextrins Increase Surface Tension and Critical Mic
elle Concentrations of Detergent Solutions)、Agne
w. Chem. Int. Ed. Egl. 27(1988)No.3 頁
393〜394で、著者らはシクロデキストリン化合物
の中央の疎水性キャビティが、約5Åの直径を有する洗
剤分子の疎水性脂肪族部分を収容する能力を有すること
を論じている。かかる洗剤を用いての研究はシクロデキ
ストリンが洗剤分子の表面張力を増加すること及び洗剤
の臨界ミセル濃度をシフトさせること従って洗剤をより
水溶性にすることができることを示した。このことはミ
セルが破壊される必要がある場合または例えば泡立ちを
回避するためなどのように表面張力が増加される必要が
ある場合には有益であると示唆されている。
【0017】1987年10月21日に刊行されアメリ
カン・メイズ・プロダクツ社に譲渡された改質シクロデ
キストリンの製造 (Producing Modified Cyclodextrin
s) と題する英国特許出願第2,189,245A号に
は、シクロデキストリンの水溶性を増加させる方法が開
示されている。この方法はアルキレンカーボネート好ま
しくはエチレンカーボネートによって環構造上にヒドロ
キシエチルエーテルを生成する改質を伴うものである。
【0018】本発明者らはシクロデキストリン化合物は
疎水性種の上に吸着するか又は疎水性種と複合体を形成
するので、会合性増粘剤の疎水性種の上に吸着できるこ
とを解明した。会合性増粘剤の疎水性種の上へのシクロ
デキストリン化合物の吸着は会合性増粘剤を含有する水
溶液の粘度の抑制を生じさせる。シクロデキストリン化
合物はシクロデキストリンに対する親和性を有する別の
物質の添加によって会合性増粘剤から容易に脱着または
解除(decomplex) できることが判明した。
【0019】本発明者らはα−、β−、およびγ−シク
ロデキストリンが疎水性会合性増粘剤のための一時的な
粘度抑制剤として有効に使用できるばかりでなく、未改
質シクロデキストリン化合物よりも水溶性である改質シ
クロデキストリンたとえば英国特許出願第2,189,
245A号に記載されている方法によって製造されたシ
クロデキストリンも同様に使用できることを解明した。
実際、本発明者らは高濃度の会合性増粘剤を含有する水
溶液と共に使用するには未改質シクロデキストリンより
も水に対する溶解度が高いヒドロキシエチルシクロデキ
ストリンまたはヒドロキシプルピルシクロデキストリン
を利用することが好ましいことを解明した。
【0020】未改質シクロデキストリンのうち、水に対
する溶解度が最低のものはβ−シクロデキストリンであ
る。β−シクロデキストリンの、水に対する溶解限度は
水100g当たり約2gである。これは会合性増粘剤を
含有する水溶液の粘度を抑えるために使用できるβ−シ
クロデキストリンの濃度を制限する。会合性増粘剤を含
有する水溶液の粘度は会合性増粘剤固形分の濃度と共に
増加するので、シクロデキストリンの溶解限度は望まし
くない固体の形成を生じることなく溶液に添加できるシ
クロデキストリンの最大量を決定する。会合性増粘剤を
含有する水溶液の粘度を取扱可能な粘度たとえば約2,
000cpsの粘度にまで低下させるのに必要な粘度抑
制用添加剤の最大量が添加剤の水に対する溶解限度を越
す場合には、その添加剤は粘度抑制用添加剤として有効
でない。言い換えると、粘度抑制用添加剤としてのシク
ロデキストリンの有効性はシクロデキストリンの溶解限
度および水溶液中の会合性増粘剤の固形分の関数であ
る。会合性増粘剤の固形分が高くなると、それを含有す
る水溶液の粘度は高くなり、そして同様に、粘度を取扱
可能粘度に抑えるために添加する必要があるシクロデキ
ストリンの濃度は高くなる。シクロデキストリンの溶解
限度と会合性増粘剤を含有する水溶液の粘度との間のこ
の関係は粘度抑制用添加剤として使用するための有効シ
クロデキストリンの選択においては臨界的である。後で
詳述するように、この関係はβ−シクロデキストリン以
外の未改質シクロデキストリンや、水溶液が高濃度の会
合性増粘剤固形分を含有する場合には、水に対する溶解
度が増大した改質シクロデキストリン添加剤の選択を優
先させる。
【0021】本発明者らはβ−シクロデキストリンおよ
びそのエトキシル化およびプロポキシル化誘導体の使用
がラテックス塗料配合物において様々な効果を達成する
のに有効であることを解明した: たとえば、粘度抑制用
溶剤を使用することなく低粘度高固形分の増粘剤溶液の
調製および供給を可能にするため; 水に対して限界的溶
解度を有する疎水性に改質された会合性増粘剤を水性系
に導入することの容易性を改善するため; 会合性増粘剤
を含有する配合物に着色剤や表面活性剤を添加したとき
の配合物の粘度降下を軽減するため;会合性増粘剤自体
の効率を改善して所定の塗料粘度の達成に必要な増粘剤
の量を減少させるため; 塗料をロールによって適用する
場合に特に望まれることであるが、会合性増粘剤を使用
した又は使用しない塗料における泡立ちを減少させるた
め; および或る種の配合物において界面活性剤によって
起こる着色問題を軽減するために有効であることを解明
した。
【0022】本発明者らは、たとえば約3重量% のオー
ダーの低濃度の会合性増粘剤固形分を含有する水溶液で
は、β−シクロデキストリンを含めて未改質シクロデキ
ストリンが有効な粘度抑制用添加剤であるが、たとえば
約10重量% より大きいオーダーの高濃度の会合性増粘
剤固形分を含有する水溶液では、水100g当たり約5
0gのオーダーの、水に対する増大した溶解度を有する
改質シクロデキストリンが好ましいことを解明した。
【0023】後の実施例に例証されているように、本発
明者らは、ポリウレタン系会合性増粘剤を約3重量% 〜
約12重量% の低固形分濃度で用いたとき、取扱可能な
粘度は水100g当たり2gの溶解度を有するβ−シク
ロデキストリンを約0.5% 〜約2% 使用することで達
成できることを解明した。たとえばヒドロキシエチルシ
クロデキストリンやヒドロキシプロピルシクロデキスト
リンのような改質シクロデキストリンも低固形分の会合
性増粘剤と共に有効に使用できる。ウレタン会合性増粘
剤を約20重量% のオーダーで含有する高固形分の会合
性増粘剤では、本発明者らは改質シクロデキストリンだ
けが有効な粘度抑制用添加剤であることを解明した。何
故ならば、添加される必要がある濃度は未改質シクロデ
キストリンの水に対する溶解限度を越すものであったか
らである。かかる高固形分のウレタン会合性増粘剤の場
合には、本発明者らは取扱可能な粘度を達成するために
改質シクロデキストリンを約10%使用する必要がある
ことを解明した。
【0024】疎水性会合性増粘剤からシクロデキストリ
ン添加剤を解除する能力はシクロデキストリンの、最初
に会合性増粘剤を吸着または複合化する能力と同じよう
に重要である。会合性増粘剤溶液を添加した水性系中で
増粘剤がその目的とする増粘作用を発揮するには、シク
ロデキストリンが会合性増粘剤分子上の疎水性部分から
解除または脱着されることは欠くことができないことで
ある。本発明者らはシクロデキストリンに対する親和性
を有する物質を単に添加することによって、シクロデキ
ストリンが容易に脱着または解除されることを解明し
た。この点に関して、本発明者らはシクロデキストリン
を解除または脱着するには、水性被覆材系に慣用されて
いる通常の表面活性剤たとえばラウリル硫酸ナトリウム
のような陰イオン界面活性剤やたとえばイゲパル(Igepa
l)CO−660(10モルエトキシル化ノニルフェノー
ル)のような非イオン界面活性剤や陽イオン界面活性剤
が使用されてもよいことを解明した。その他の水溶性有
機溶剤たとえばエタノールやテキサノールもこの目的に
使用できるが、好ましくはない。本発明者らは完全な脱
着または解除を達成するには会合性増粘剤溶液に添加し
たシクロデキストリン1モル当たり約1モルの解除剤を
使用することが好ましいことを解明した。複合化メカニ
ズムおよび解除メカニズムどちらも、混合を伴って反応
体を添加することよって容易に達成される。特別の精製
または分離の工程は必要ない。具体的なラテックス塗料
配合物を使用した本発明者らの実験で、本発明者らは予
想に反して、この解除工程を行うために追加の界面活性
剤を添加することが必ずしも必要ないことを解明した;
塗料の中に既に存在している配合界面活性剤で十分であ
ることが解明された。シクロデキストリンで改質された
増粘剤は塗料配合物に、配合物中の増粘剤成分を基準に
して等レベルで添加された場合、これらシクロデキスト
リンで改質されたものは未改質増粘剤を含有するものよ
りも僅かに優れた効率(高い平衡したクレブス−シュト
ーマー粘度)を有することを示した。塗料中の配合界面
活性剤は会合性増粘の発現を抑える傾向がある。従っ
て、増粘剤が活性化されるときに起こる、界面活性剤−
シクロデキストリン複合体の形成は配合物中の有効界面
活性剤濃度を減少させるので、平衡粘度は増大する。更
に界面活性剤を、広範囲の親水疎水バランス(HLB)
わたって及びシクロデキストリン当たり界面活性剤1〜
5モル当量で、添加することは粘度低下を引き起こす。
シクロデキストリン特にプロポキシル化した改質シクロ
デキストリンによって改質されたこれら増粘剤は界面活
性剤の添加による影響がより少ない。
【0025】会合的に増粘された配合物にシクロデキス
トリンを後から添加することによってシクロデキストリ
ンの粘度安定化効果も利用できる。後で提示する実施例
9によって実証されるように、予め分散された着色剤を
配合物に添加したときに起こる粘度損失はシクロデキス
トリンの量を増加することによって軽減された。実施例
9に提示されたデータは、このタイプの会合性増粘剤に
固有の粘度不安定性がシクロデキストリンのポスト添加
によって軽減できるので増粘剤がより配合感受性でなく
なるということを明らかに実証している。
【0026】会合性増粘剤化学における制約の一つは分
子の親水性骨格と比較したときの疎水部のサイズに関す
る寛容度である。疎水部が大きくなると、それはより会
合的になるのでより効率的になる。しかしながら、増粘
剤がもはや塗料の水性相の中に導入できなくなったとき
には実際上の限度に達する。現時点の会合性増粘剤の技
術においては、大多数の配合物への増粘剤の導入は望ま
しくないことに速度が遅い。本発明者らは増粘剤の導入
を改善できることを実証した。後で提示する実施例で、
本発明者らはシクロデキストリンで改質した増粘剤を導
入するのに必要な時間を未改質増粘剤による場合と比較
して実証している。これを実施するために、増粘剤を配
合物に添加し、そして増粘剤を配合物中に溶解するのに
要する時間を各増粘剤に関して同じ攪拌条件下で測定し
た。結果は、シクロデキストリンで改質した増粘剤は未
改質増粘剤によって必要とされる時間の四分の一で導入
されたことを、実証している。
【0027】シクロデキストリンの界面活性剤複合化作
用はレオロジー的改質以外の諸性質に関しても配合者に
有利である。
【0028】代表的には、着色塗料を配合する場合に
は、配合物の組成特に界面活性剤は他の成分の分散に悪
影響を与えないで着色剤の分散安定性を維持するように
改質されなければならない。配合物によっては、ラテッ
クスヒビクルのような塗料成分は非相溶性の界面活性剤
を配合物中にもたらす。これを補償するために、配合物
に追加の界面活性剤を添加して系を相溶化する。系を相
溶化するのに有効であるが、これら界面活性剤は配合物
に有害な水感受性および泡立ち性に寄与することがあ
る。後で示す実施例で、本発明者らはシクロデキストリ
ンは追加の界面活性剤の添加無しで着色剤の相溶性を改
善するのに有効であることを実証した。
【0029】シクロデキストリンの界面活性剤複合化作
用はその他の性質に関しても配合者に有利である。多く
のラテックス塗料ビヒクルの製造に要求されている高い
界面活性剤添加量のせいで、配合された塗料における泡
立ちに対処しなければならない。泡立ちを減少させるた
めの現時点の技術は配合および適用での起こり得る問題
によって効力が制約される。エトキシル化シクロデキス
トリンおよび有り得るシクロデキストリン自体またはそ
の他の誘導体の使用は表面欠陥のような悪現象の発現を
何ら伴うことなく二者の配合の泡立ち傾向を減少させる
ことができる。
【0030】次に実施例によって本発明の操作を、通常
の会合性増粘剤を使用して、例証する。これら実施例は
本発明を単に例証するためのものであって、本発明の範
囲を制限するものとして解釈されるべきではない。何故
ならば、当業者には、ここに例示した方法に対して様々
な変形が明らかになると考えられるからである。
【0031】実施例1: 低固形分 この実施例は3重量% の低固形分のポリウレタン会合性
増粘剤(ローム・アンド・ハース社、QR−708)の
水溶液 (水97g中の3g固体QR−708)の粘度を
抑えるためのβ−シクロデキストリンの有効性を実証す
る。会合性増粘剤水溶液を製造し、それから、会合性増
粘剤水溶液(水97g中の3g固体QR−708)のア
リコートに様々な量のβ−シクロデキストリン(アメリ
カン・メイズ社)を添加し、シェーカー上のジャーの中
で4時間混合し、そして一晩静置した。溶液粘度をブル
ックフィールド粘度計(スピンドル No.4)で30rp
mで測定した。第1表は会合性増粘剤溶液にβ−シクロ
デキストリンを添加した結果を示している。
【表1】 第1表 サンプル β−シクロデキストリン(g) 粘度(cps) 1 0 210 2 0.0009 210 3 0.0117 192 4 0.0512 196 5 0.1010 204 6 0.1996 177 7 0.3030 108 8 0.4016 35 9 0.5056 14 10 1.0077 7
【0032】結果はシクロデキストリンの量が増加する
と会合性増粘剤溶液の粘度が定常的に降下することを示
している。
【0033】実施例2: 粘度の回復: 陰イオン性および
非イオン性界面活性剤次に、本発明者らは3% QR−7
08(水97g中の3g固体QR−708)とβ−シク
ロデキストリン1gを含有する水溶液の粘度を3% QR
−708溶液の元の粘度に戻すことがラウリル硫酸ナト
リウム(「SLS」、28% ) の添加によって可能であ
るかどうかを求めた。本発明者らはSLSの量を添加し
たときに、実施例1と同じようにして溶液の粘度を測定
した。第2表にはその結果が示されている。
【表2】 第2表 サンプル SLS(g) 粘度(cps) 11 0.01 10 12 0.09 10 13 0.47 48 14 0.89 191
【0034】添加されているβ−シクロデキストリン1
モル当たり1モルのSLSに相当する0.25gのSL
S固形分(0.89gの28% SLS)を添加したとき
に、溶液の元の粘度が回復された。
【0035】非イオン界面活性剤イゲパルCO−660
を使用してこの実験を繰り返した。結果は第3表に示さ
れている。
【表3】 第3表 サンプル イゲパルCO−660(g) 粘度(cps) 15 .29 50 16 .58 725
【0036】これはβ−シクロデキストリン1モル当た
り1モルに相当する0.58gの非イオン界面活性剤を
添加したときに、元の粘度が回復されたことを示してい
る。
【0037】実施例3: 粘度の回復: 陽イオン界面活性
剤および有機溶剤97g脱イオン水中の3gの100%
固形分QR−708(水97gの中の3g固体QR−7
08)と1gのβシクロデキストリン(アメリカン・メ
イズ社)の溶液に、陽イオン界面活性剤18/25 [エ
トクァド(Ethoquad)はアクゾケミカルズ社の登録商標で
あり、化学的にはメチルポリオキシエチレン(15)オ
クタデシルアンモニウムクロリドである]を下記の量で
添加した。第4表に結果を示す。
【表4】 第4表 サンプル 陽イオン界面活性剤18/25 粘度(cps) スピンドルNo 17比較 0g 5 1 18 .23g 11 1 19 .45g 123 1 20 .68g 484 3 21 .91g 1060 4
【0038】粘度はブルックフィルード粘度計で上記ス
ピンドルNoを使用して30rpmで測定した。これは
0.91gの陽イオン界面活性剤の添加によって元の粘
度を回復したことを示している。
【0039】さらに、有機溶剤の、元の粘度を回復させ
る能力も、テキサノール(2,2,4−トリメチル−3
−ヒドロキシペンチルアセテート)およびプロピレング
リコールを使用して測定した。結果は第5表に示されて
いる。
【表5】 第5表 サンプル テキサノール プロピレングリコール 粘度(cps) 22 0.01g --- 18 23 0.19g --- 299 24 --- .03g 7 25 --- 0.07g 6 26 --- 0.14g 6 27 --- 0.21g 8
【0040】結果は元の粘度を回復させるためにテキサ
ノールは有効であり、プロピレングリコールは有効でな
いが、有機溶剤は界面活性剤のどれよりも有効でないこ
とを示している。
【0041】実施例4: 高固形分この実施例は高固形分
のウレタン増粘剤溶液のための粘度抑制用添加剤として
β−シクロデキストリンの有効性を実証する。0g、
1.5g、または2gのβ−シクロデキストリンと様々
な濃度のウレタン会合性増粘剤を含有する(溶液全体の
重量は100gである)一連のサンプルを実施例1に従
って製造した。表6は各溶液の粘度を示す。
【表6】 第6表 サンプル β−シクロデキストリン QR−708 粘度 (g) (固形分%) (cps) 28比較 0 3 1,180 29比較 0 5 3,500 30比較 0 7.5 44,700 31比較 0 10 154,800 32比較 0 12.5 353,600 33比較 0 15 454,000 34比較 0 17.5 665,000 35比較 0 20 870,000 36 1.5 3 60 37 1.5 5 70 38 1.5 7.5 4,750 39 1.5 10 4,750 40 1.5 12.5 20,150 41 1.5 15 40,000 42 1.5 17.5 214,000 43 1.5 20 478,000 44 2.0 3 7 45 2.0 5 12 46 2.0 7.5 35 47 2.0 10 1,050 48 2.0 12.5 15,650 49 2.0 15 27,800 50 2.0 17.5 86,900 51 2.0 20 240,800
【0042】結果はQR−708固形分10〜12% 付
近では2gのβ−シクロデキストリンを使用して約20
00cpsの粘度が達成できるが、固形分8% ではこの
粘度を1.5gのβ−シクロデキストリンを使用して達
成できることを示している。
【0043】実施例5: α−およびγ−シクロデキスト
リン この実施例はウレタン会合性増粘剤のための粘度抑制用
添加剤としてのα−シクロデキストリンおよびγ−シク
ロデキストリンの有効性を実証する。
【0044】3gのQR−708(100% 固形分)を
含有する溶液に第7表および第8表に示した物質をそれ
ぞれ添加した。それから、サンプルに蓋をして3時間攪
拌してから、25℃の水浴に16時間入れた。各サンプ
ルの粘度はブルックフィールド粘度計を使用し、指示さ
れたスピンドルNoを使用して測定した。
【表7】 第7表 α−シクロデキストリン サンプル α−シクロデキストリン 脱イオン水 粘度 スピンドル (g) (g) (cps) No. 52比較 0. 97.00 1,540 4 53 0.10 96.90 900 4 54 0.25 96.75 172 3 55 0.50 96.50 14 2 56 1.00 96.00 4 1
【表8】 第8表 γ−シクロデキストリン サンプル γ−シクロデキストリン 脱イオン水 粘度 スピンドル (g) (g) (cps) No. 57比較 0. 97.00 1,540 4 58 0.10 96.90 1,340 4 59 0.25 96.75 1,096 3 60 1.00 96.00 114 2
【0045】実施例6: シクロデキストリン誘導体 この実施例はウレタン会合性増粘剤の低固形分および高
固形分どちらのためにも、粘度抑制用添加剤としても改
質シクロデキストリンが使用できることを例証する。使
用したシクロデキストリンはアメリカン・メイズ社から
得られるエトキシル化シクロデキストリン(EO−C
D)およびプロポキシル化β−シクロデキストリン(P
O−CD)であった。実施例1の手順を使用して溶液を
製造し(溶液全体の重量は100gであった)、そして
粘度を測定した。結果は第9表に示されている。
【表9】 第9表 改質シクロデキストリン サンプル シクロデキストリン QR−708 粘度 g タイプ 固形分% cps 61比較 0 EO−CD 3 1,364 62 .1 3 1,436 63 .2 3 1,184 64 .5 3 584 65 1.0 3 6 66比較 0 EO−CD 20 313,600 67 2 20 298,400 68 4 20 181,600 69 5 20 135,200 70 6 20 36,400 71 7 20 20,400 72 8 20 2,984 73 10 20 684 74 2 PO−CD 20 528,000 75 4 20 133,200 76 6 20 9,600 77 8 20 760 78 10 20 460
【0046】実施例7: その他の会合性増粘剤 この実施例はその他のタイプの会合性増粘剤を含有する
水溶液のための粘度抑制剤としてのシクロデキストリン
添加剤の有用性を実証する。
【0047】この実験に使用した増粘剤はアクリゾール
(Acrysol) TT−935(ローム・アンド・ハース
社)、疎水性に改質されたアルカリ可溶性エマルジョン
増粘剤、および、疎水性に改質されたヒドロキシエチル
セルロース増粘剤 [アクアロン(Aqualon) からのナトロ
ゾールプラス(Natrosol Plus)]であった。未改質(非疎
水性)ヒドロキシエチルセルロース増粘剤についても評
価した。これら増粘剤の各々を様々な濃度でそれぞれに
水溶液に配合し、そしてβ−シクロデキストリン添加剤
を実施例1に記載のように添加した。溶液の粘度を実施
例1におけるように測定し、そして結果を第10表に示
した。
【表10】 第10表 その他の会合性増粘剤 サンプル β−シクロデキ 会合性増粘剤 粘度 ストリン(g) (g)(タイプ) (cps) 79比較 0 2.0固体TT−935* 411 80 0.25 同上 同上 146 81 0.5 同上 同上 99 82 0.75 同上 同上 33 83 1.0 同上 同上 21 84比較 0 3 ナトロゾールプラス** 4,240 85 0.25 同上 同上 1,380 86 0.50 同上 同上 400 87 0.75 同上 同上 221 88 1.0 同上 同上 165 89比較 0 3 HEC*** 3,520 90 0.25 同上 同上 4,680 91 0.5 同上 同上 5,120 92 0.75 同上 同上 4,720 93 1.0 同上 同上 4,880 ─────────────────────* 50重量% NaOH .8gとH2O 197.2g
の中の、1% 溶液** 197gのH2Oの中の、1.5% 溶液*** 197gのH2Oの中の、1.5% 溶液
【0048】結果は、β−シクロデキストリンはこれら
2種類の疎水性に改質された増粘剤TT−935とナト
ロゾールプラスの粘度を低下させることができるが、非
疎水性増粘剤ヒドロキシエチルセルロース(HEC)に
対しては粘度上の効果を持たないことを示している。
【0049】実施例8: ラテックス塗料 この実施例は会合性増粘剤を含有する水性ラテッスク塗
料配合物中でのシクロデキストリン添加剤の使用を実証
する。この実施例に使用したラテックス塗料配合物の組
成は第11表に示されている。
【表11】 第11表 ラテッスク塗料配合物 No.1 材料 ポンド プロピレングリコール 70.00 タモール(Tamol) SG−1分散剤(35%) 12.00 フォーマスター(Foamaster) VL泡立防止剤 1.00 水 45.00 二酸化チタン ピュアR−900 210.00 チャイナクレー 88.00 水 116.70 テキサノール 11.40 AC−64アクリル結着剤 378.00 フォーマスターVL 3.00 水 42.00 増粘剤+水 92.80 PVC=29.81 容量固形分=34.86
【表12】 第12表 ラテックス塗料での増粘効率 界面活性剤添加効果 増粘剤のタイプ HEUR BCD E−BCD P−BCD 標準対照 増粘剤要求量 2.27 2.27 2.27 2.27 (乾燥ポンド/100ガロン) (増粘剤成分を基準にして) 粘度−KU平衡 102 110 111 105 −ICI 0.8 0.8 0.8 0.8 界面活性剤添加 トリトンX−45 粘度変化(KU) 1モル当量 −5 −4 −5 −3 2モル当量 −11 −2 −1 −2 5モル当量 −17 −6 −7 −3 トリトンX−100 粘度変化(KU) 1モル当量 −9 −6 −4 −6 2モル当量 −27 −6 −6 −5 5モル当量 −35 −14 −13 −10 トリトンX−405 粘度変化(KU) 1モル当量 −19 −11 −8 −5 2モル当量 −34 −15 −12 −2 5モル当量 −39 −32 −26 −8
【0050】シクロデキストリンで改質した増粘剤は配
合物中の増粘剤成分を基準にして等レベルで塗料配合物
に添加された。シクロデキストリン(BCDはβ−シク
ロデキストリンであり、E−BCDはエトキシル化β−
シクロデキストリンであり、そしてP−BCDはプロポ
キシル化β−シクロデキストリンである)によって改質
されたものは未改質増粘剤(標準対照、疎水性に改質さ
れたエトキシル化ウレタンレオロジー改質剤であるQR
−708)よりも優れた効率(より高い、平衡したクレ
ブス−シュトーマー粘度)を実証した。更に界面活性剤
〔エトキシル化オクチルフェノール−トリトン(Tri
ton)×−45(5EO単位)、×−100(9.5
EO単位)および×−405(40EO単位)〕を、広
い範囲のHLBにわたって及びシクロデキストリン含有
配合物に対して界面活性剤1〜5モル当量で、添加する
と、粘度の低下が起こった。
【0051】実施例9: ラテックス塗料: シクロデキス
トリンのポスト添加 この実施例は会合的に増粘された塗料配合物へのシクロ
デキストリンのポスト添加によってシクロデキストリン
の粘度安定化作用が利用できることを実証する ものである。
【0052】この実施例に使用したラテックス塗料は第
13表に示した組成を有している。
【表13】 第13表 ラテックス塗料配合物 No.2 材料 量(ポンド) 水 106.7 タモール731(25% ) 分散剤 11.5 プロピレングリコール 25.0 パトコート(Patcote) 801(脱泡剤) 2.0 二酸化チタン ピュアR−900 250.0 オプチホワイト(チャイナクレー) 100.0 アタゲル50(アタパルギャイトクレー) 5.0 重合体結着剤AC−64 350.00 テキサノール 10.60 パトコート801 4.00 増粘剤+水 234.70 PVC=36.8 容量固形分=35.86
【0053】ラテックス塗料配合物 No.2は疎水性に改
質されたエトキシル化ウレタンレオロジー改質剤によっ
てクレブス単位で110の粘度に増粘された。この増粘
された塗料サンプルに、塗料100ガロン当たり0〜1
0ポンドの当量のシクロデキストリンをポスト添加し
た。この後に、各塗料を、塗料1ガロン当たり2流体オ
ンス当量の予め分散したランプブラック着色剤で着色し
た。攪拌の後、各塗料のクレブス−シュトーマー粘度を
再度測定した。初期粘度と着色後の粘度との間の粘度差
は安定度の尺度として使用されている。第14表にはこの
評価の結果が示されている。
【表14】 第14表 着色剤を添加したときの粘度安定性 添加剤のレベル 粘度変化 (ポンド/100ガロン) (KU) 0ポンド β−CD −34 1 −27 3 −12 5 −3 7 +4 10 +4 0ポンド エトキシル化β−CD −34 1 −25 3 −14 5 −3 7 +4 10 +8 0ポンド プロポキシル化β−CD −34 1 −25 3 −8 5 +1 7 +4 10 +5
【0054】実施例10: 会合性増粘剤の導入時間この実
施例はラテックス塗料配合物の中に会合性増粘剤を導入
するのに要する時間を減少させるシクロデキストリンの
能力を実証する。会合性増粘剤をラテックス塗料配合物
No.1に添加し攪拌した。この増粘剤が塗料中に溶解す
るのに要した時間を測定した。結果は第15表に示されて
いる。
【表15】 第15表 増粘剤導入速度 増粘剤 導入時間(分) HEUR(疎水性に改質されたエトキシル化ウレ 120 タンレオロジー改質剤、標準対照) β−シクロデキストリン 29 エトキシル化β−シクロデキストリン 27 プロポキシル化β−シクロデキストリン 29
【0055】実施例11: 着色剤の相溶性 着色用ベース配合物 (塗料配合物 No.3、第16表)を、
追加の着色剤安定化用界面活性剤を使用して又は使用し
ないで、製造した。界面活性剤を用いないで配合したこ
れら塗料に、塗料100ガロン当たり0〜10ポンド当
量のエポキシル化シクロデキストリンを添加した。平衡
化の後、塗料を3ミルのバード塗布器によってレネタ(L
eneta)WBシール白色チャート上に流延した。塗料膜を
77°Fおよび相対湿度50% で4日間乾燥した。乾燥
完了後、約10gの同じ塗料を各チャートの3″幅の上
にブラシで流延し、そして適用した塗料に十分なせん断
を与えるように乾固までブラッシングを継続した。77
°Fおよび相対湿度50% で一晩乾燥した後、塗料の色
受容性は球形積算反射濃度計を使用してブラシ流延膜対
バード流延膜のY−反射率の差を測定することによって
評価した。着色剤および塗料のその他成分が適切に分散
されているならば、膜のY−反射率には、せん断依存変
動が生じない。完全な色受容性が達成されなかったが、
データからは100ガロン当たり5ポンド当量のエトキ
シル化シクロデキストリンの使用は配合物中に列挙した
界面活性剤のどちらか又は両方を用いたときに等しい改
善を生じさせることが明かである。この実施例では色受
容性問題の程度は人間の知覚には辛うじて有意である
が、測定したときには5ポンドのレベルまで改善の傾向
が明かであった。
【表16】 第16表 塗料配合物 No.3 材料 量(ポンド) タンクに次の成分を装填した: タモール850分散剤(30%) 9.0 水 2.0 プロピレングリコール 60.0 泡防止剤 0.5 低速攪拌しながら、次の成分を添加した: 高光沢のルチル型二酸化チタン 225.0 バーライト (硫酸バリウム) 40.0 それから上記材料を高速ミル(カウルズ3800〜4500フィート/分) で10〜15分間混練してから、低速混合下で次の成分によって希釈した。 プロピレングリコール 95.5 重合体結着剤ロープレックスAC−490(46.5%) 526.0 アクリゾールG−110 アクリル増粘剤 10.3 ミネラルスピリット 1.0 水 68.7 ブチルセロソルブ 24.5 トリトンN−57 エトキシル化ノニルフェノール 0.0又は4.0 トリトンX−207 アルキルアリールポリエーテルアルコール 0.0又は4.0 着色剤: 予め分散した赤色酸化鉄 4オンス/100ガロン PVC=23.3% 、容量固形分=33.0% 、光沢 (60度) =40〜50
【表17】 第17表 エトキシル化β- シクロデキストリン による色受容性の改質 色受容のために添加した エトキシル化CD Y−反射率の差 界面活性剤 ポンド/100ガロン (せん断時) 4ポンド トリトンN−57と 0 0.51 4ポンド トリトンX−207 1 0.43 3 0.52 5 0.56 10 0.49 4ポンド トリトンN−57 0 0.33 1 0.32 3 0.40 5 0.35 10 0.50 4ポンド トリトンX−207 0 0.36 1 0.36 5 0.51 10 0.63 界面活性剤無添加 0 0.49 1 0.42 3 0.36 5 0.32 10 0.58
【0056】実施例12: ラテックス塗料における泡立ち
の減少 この実施例はラテックス塗料における泡立ちを減少させ
るためのシクロデキストリンの使用を実証する。この実
施例に使用したラテックス塗料配合物は塗料配合物 No.
4として第18表に示されている。
【表18】 第18表 塗料配合物 No.4 材料 ポンド メチルカルビトール 39.0 アクリルラテックス、ロープレックスHG−74(42.5%) 598.5 テキサノール 37.0 ダウイチル(Dowicil) |プレミックス 1.0 水 | 5.0 水酸化アンモニウム(28%) 2.0 水 40.0 脱泡剤、フォーマスターAP 4.2 カーボンブラック、ハーシャウ(Harshaw) W−7012 25.0 アクリル増粘剤、アクリゾールRM−5(30%)| 22.8 水 |プレミックス32.2 水酸化アンモニウム(28%) | 2.2 水 46.9
【0057】この配合物を試験するために、塗料に、塗
料100ガロン当たり0〜10ポンド当量のエトキシル
化シクロデキストリンを添加した。一晩平衡化した後、
塗料を3″、3/8″のナップ合成繊維ローラによって
シールレネタ12−H−BWチャートに適用した。塗料
膜を周囲条件下で乾燥した。膜中の表面欠陥を、2cm平
方の面積上の欠陥の頻度を測定することによって、等級
付けした。第19表の結果は100ガロン当たり5ポンド
以上のエトキシル化シクロデキストリンでは泡立ち欠陥
が解消されたことを示している。
【表19】 第19表 表面欠陥−ローラによる泡立ち試験 エトキシル化β−シクロデキストリンの添加 エトキシル化CDの添加レベル 泡立ち (ポンド/100ガロン) (表面欠陥/2cm平方) 0 5 1 2 3 1 5 0 10 0
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック アルビン ジョンソン アメリカ合衆国ペンシルバニア州ランズ デール,ウィサヒッコン アベニュー 646 (72)発明者 リチャード フォスター メリット アメリカ合衆国ペンシルバニア州フォー ト ワシントン,シェリィ レーン 18 (56)参考文献 米国特許4917956(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/00 103 C09D 7/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性増粘剤を含む水性溶液の粘度を調
    節する方法であって、 前記増粘剤を有効量のシクロデキストリン含有化合物と
    複合化し、 前記水性系に有効量の前記複合化された増粘剤を添加
    し、そして有効量の、前記シクロデキストリン含有化合
    物に対する親和性を有する化合物によって、前記増粘剤
    から前記シクロデキストリン含有化合物を解除すること
    を特徴とし、 前記シクロデキストリン含有化合物が、α−シクロデキ
    ストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキス
    トリン、エトキシル化シクロデキストリンおよびプロポ
    キシル化シクロデキストリンからなる群から選択され、 前記シクロデキストリン含有化合物に対する親和性を有
    する化合物が、陰イオン性、非イオン性または陽イオン
    性界面活性剤である、前記方法。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤が、前記シクロデキスト
    リン含有化合物1モルあたり約1モルの濃度で、前記水
    性系に添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記疎水性増粘剤が、疎水性に改質され
    たポリエトキシル化ウレタン、疎水性に改質されたアル
    カリ可溶性のエマルションポリマー、疎水性に改質され
    たヒドロキシエチルセルロースまたはその他自然産物、
    および疎水性に改質されたポリアクリルアミドからなる
    群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記増粘剤を複合化するために使用され
    た前記シクロデキストリン含有化合物の前記有効量が、
    増粘剤の粘度を取扱可能な粘度に低下させるものである
    が、前記シクロデキストリン含有化合物の水に対する溶
    解度より大きくない、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 疎水性増粘剤を含む水性溶液の粘度を可
    逆的に低下させる方法であって、 前記水溶液の粘度を、前記溶液に有効量のシクロデキス
    トリン含有化合物を添加することによって、低下させ、
    そして前記シクロデキストリン含有化合物を含有してい
    る前記水溶液の粘度を、前記溶液に、前記シクロデキス
    トリン含有化合物1モルあたり少なくとも1モルの、前
    記シクロデキストリン含有化合物に対する親和性を有す
    る化合物を添加することによって、増加させることを特
    徴とし、 前記シクロデキストリン含有化合物が、α−シクロデキ
    ストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキス
    トリン、エトキシル化シクロデキストリンおよびプロポ
    キシル化シクロデキストリンからなる群から選択され、 前記シクロデキストリン含有化合物に対する親和性を有
    する化合物が、陰イオン性、非イオン性または陽イオン
    性界面活性剤である、前記方法。
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