JP3055127U - 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム - Google Patents

冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム

Info

Publication number
JP3055127U
JP3055127U JP1998004921U JP492198U JP3055127U JP 3055127 U JP3055127 U JP 3055127U JP 1998004921 U JP1998004921 U JP 1998004921U JP 492198 U JP492198 U JP 492198U JP 3055127 U JP3055127 U JP 3055127U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
heating
heating panel
heat
heat conduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1998004921U
Other languages
English (en)
Inventor
起華 洪
Original Assignee
起華 洪
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 起華 洪 filed Critical 起華 洪
Priority to JP1998004921U priority Critical patent/JP3055127U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3055127U publication Critical patent/JP3055127U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】温媒又は冷媒を通じる熱伝導管からの輻射熱を
利用した、室内冷暖房の手段を提供する。 【解決手段】両端が開放されている溝部32A′,32
B′が、その平面上に設けられている平板状の断熱材3
1において、両端が開放されている熱伝導管32A,3
2Bの両端部が、はめ込まれている。これらの冷暖房用
パネル30の熱伝導管32A,32B同士が、全体で連
続した熱伝導管となるように互いに連結しつつ、冷暖房
用パネル30の側面部において接着させ、互いに連結さ
せた熱伝導管32A,32Bの両端を、さらに液温の調
節が可能な液体循環手段に連結させることにより、室温
と異なる液温に調節した液体を、上記の液体循環手段を
用いて循環させ、この循環させる液体の輻射熱により、
室内の温度を調節する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、床暖房等の、建材の中に通わせた、室温とは異なる温度の流動体の 輻射熱を利用して、室温を所望の温度に調整する、室内冷暖房システムに関する 技術分野の考案である。より詳細には、この冷暖房システムにおいて、冷暖房用 建材として用いる冷暖房用パネル、ないし、この冷暖房用パネルを用いて構築す る、冷暖房システムに関する考案である。
【0002】
【従来の技術】
上記の本考案に関連する技術分野で、最も一般的に馴染み深い冷暖房システム の態様として、床面に張り巡らせた温水管からの輻射熱により、室内を暖房する 「床暖房システム(温水式)」を挙げることができる。 この「床暖房システム」には、エアコンやストーブ等の暖房手段に比べて、以 下のような利点(〜)が指摘されている。
【0003】 暖房手段が温水による輻射熱なので、暖かさがマイルドで、室温自体が低く ても、冬の屋外の日溜まりにも似た暖かさが感じられる。また、床面から天井ま でをむらなく温めることが可能であり、床からの伝導熱が足元を直接温め、「頭 寒足熱」の環境をつくることが容易である。 熱源が比較的低温で、暖房機が室内に露出していないため、火傷(特に、温 水式の場合は低温やけどの心配もほとんどない)や器具の転倒による火災の心配 がない。
【0004】 室内に熱源機がないため、運転時の送風音やモーター音がなく、静かな環境 をつくることができる。また、排気ガスや水蒸気の発生もなく、温め過ぎによる 乾燥や、温風による不快感、さらには埃の舞い上がりもなく、室内の空気を清潔 に保つことが可能である。
【0005】 床自体が暖房機器となるので、室内に機器の設置場所をとらずに部屋が広く 使え、インテリアもすっきりと仕上げることができる。 従来の暖房に比べて4〜6℃室温が低くても、十分な暖かさが得られ、天井 周辺ばかりが熱くなりすぎる過暖房も防ぐことができるので、省エネルギーを図 ることができる。
【0006】 このように、優れた特徴を有する床暖房システムであるが、現状において、全 く問題が認められないわけではない。すなわち、床暖房システムを導入する際の 導入コストが高く、導入後のメンテナンスにおいても課題が認められる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
第1図(全体斜視図)及び第2図(横断面図:I−I’)は、現在、汎用され ている床暖房用のシート(以下、従来品という)を表した図面である。 従来品10は、断熱シート14〔ロール状に巻き込むことが容易な、薄手(1 .2cm程度)で、かつ、柔軟なフェルト状の断熱剤11に、溝部12が設られて おり、この溝部12に、比較的細い外径(1cm程度)のビニール管13が嵌め込 まれている〕と、この断熱シートとほぼ等しい厚さの根太材15とを、互いの側 面において隣接させて、これらの上から、金属箔16が、積層された状態で接着 されている、床暖房用のシートである。
【0008】 この従来品10は、床下に敷設することにより、温水器に連結されたビニール 管13による温水の循環系がここに構築されて、この温水循環系において発生す る熱を、金属箔16に伝達させ、ビニール管13と金属箔16から発生する輻射 熱により、室内暖房を行うための、床暖房用のシートである。 この従来品は、ロール状に巻き込むことが可能であるため、持ち運びに便利で あり、しかも、それ自体が安価であるという利点を有している。
【0009】 しかしながら、この従来品10には、以下のような欠点が認められる。 1)従来品10自体は、安価ではあるが、それ自体が耐荷重性に乏しいため、 この床暖房用シートを床下に施工する際には、シートの上下に厚手の補強用の板 材を設ける必要があり、さらに、シートを構成する薄手の断熱材の断熱性の不足 を補うために、他の断熱材を別途にシートと床の間に敷設する必要もある。その 結果、単位床面積当たりの施工価格が、かなり高額になってしまう、という欠点 が認められる。
【0010】 2)上記のように、床暖房用シートと床面との間に、厚手の板材が設けられて いるために、ビニール管13等の輻射熱が、床面に届きにくい、という欠点を有 する。 3)ビニール管13が破損する等の故障が運転後に生じた場合、原則として、 床下に施工された床暖房用シート(従来品10)を、全て取り替えなければなら ず、これはすなわち、上述の補強用の板材を含めて床面全体を手直ししなければ ならず、メンテナンスが容易ではないという理由から、技術面からも、コスト面 からも、非効率的である、という欠点を有する。
【0011】 4)また、この従来品10は、部屋の形状に合わせて、その大きさやビニール 管13の配管態様を変えることが困難であるために、実際の使用においては、一 定の大きさに規格化されている。このため、暖房する部屋の床面等全面にわたっ てもれなく施工することは非常に困難である。その結果、足りない暖房効果を補 助するための補助ヒーターを用いる必要がある場合が多い、という欠点を有する 。 本考案者が、本願において解決するべき課題は、上記のような欠点を克服した 、床暖房に代表される室内冷暖房の手段を見出すことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した。その結果、従来品1 0におけるフェルト状の断熱材11に代えて、より剛性の向上した厚手の断熱材 を基板として用いた冷暖房用パネルを、床暖房等の室内冷暖房システムの施工単 位として用いることで、この課題を解決し得ることを見い出した。
【0013】 すなわち、本考案者は、両端が開放されている少なくとも1本の溝部が、その 平面上に設けられている平板状の断熱材において、上記溝部の深さと同程度の外 径を有し、かつ両端が開放されている熱伝導管の両端部が、上記溝部の両端の近 傍に位置するようにはめ込まれている、冷暖房用パネル(以下、本考案冷暖房用 パネルという)、並びに、冷暖房を行う部屋における、床面、壁面及び/又は天 井面の最外層の構造の内側に沿って、本考案冷暖房用パネルを、これらの冷暖房 用パネルの熱伝導管同士が、全体で連続した熱伝導管となるように互いに連結し つつ、冷暖房用パネルの側面部において接着させ、互いに連結させた上記の熱伝 導管の両端を、さらに液温の調節が可能な液体循環手段に連結させることにより 、上記の床面、壁面及び/又は天井面の最外層の構造の内側に沿って形成させた 閉じた液体循環系において、
【0014】 室温と異なる液温に調節した液体を、上記の液体循環手段を用いて循環させ、 この循環させる液体の輻射熱により、室内の温度を調節する、室内冷暖房システ ム(以下、本考案冷暖房システムという)を、本願において提供する。 なお、本考案において、「輻射熱」とは、室温より高い温度の物体が存在する ことにより発生する暖気のみならず、室温より低い温度の物体が存在することに より発生する冷気をも含む概念である。
【0015】 本考案冷暖房用パネルは、概ねパネルの基板となる平板状の断熱材と、この平 板状の断熱材に組み込まれた、温媒又は冷媒の循環手段としての熱伝導管からな る、冷暖房用パネルである。
【0016】 本考案冷暖房用パネルは、巻き込みが可能なフェルト状の断熱材を基板として 用いた冷暖房用シートと異なり、より剛性が大きい厚手の断熱ボードを基板とし て用いて、冷暖房用パネル自体の強度を向上させている。また、それと共に、こ の基板に組み込む熱伝導管の管径を、断熱ボードの厚みと共に増大させて、これ により、冷暖房用パネルの蓄熱性ないし保冷性が向上する。
【0017】 本考案冷暖房用パネルを本考案冷暖房システムの施工単位として用いることに より、本考案冷暖房システムにおいて、以下の利点を発揮させることができる。 本考案冷暖房用パネルの強度が向上しているので、本考案冷暖房システムを 構築するための施工の際に、本考案冷暖房用パネルの上下面に、パネルの補強用 の厚手の板材を設ける必要がなく、さらに、断熱性の不足を補うために、他の断 熱材を、別途に敷設する必要がないために、施工の際の手間がかからないことは 勿論のこと、単位面積当たりの施工費用も、従来より格段に安価にすることが可 能である。 仮に本考案冷暖房システムが故障した場合においても、その故障箇所のパネ ルのみを取り替えれば済むことであり、メンテナンスが容易である。
【0018】 また、本考案冷暖房用パネルにおける熱伝導管の素材を、ビニールではなく、 金属にすることにより、熱伝導管自体を、あたかも「鉄筋」のような役割を発揮 させることが可能となり、本考案冷暖房用パネルの強度を一層向上させることが できる。かかる熱伝導管の素材となり得る金属としては、銅,鉄,アルミニウム ,鉛,ステンレス等を挙げることができるが、特に熱伝導性に優れる銅を用いる ことが好ましい。
【0019】 なお、本考案冷暖房用パネルにおいて、組み込む熱伝導管の形状は、「管の両 端が開放されており、その両端部が、管を嵌め込むことを目的に、断熱ボードに 設けられた溝部の両端の近傍に位置するようにはめ込まれている」という条件を 満たす限り、任意に選択することができる。すなわち、熱伝導管の形状として、 直線状は勿論のこと、U字状,T字状,J字状等の任意の形状を選択することが できる。後述するように、本考案冷暖房システムにおいては、施工面の形状等に 応じて、適宜適切な態様の本考案冷暖房用パネルを選択して、施工面において組 み合わせる(冷暖房用パネル同士を隣合わせに接触させて固定し、熱伝導管同士 を、全体で連続した熱伝導管となるように互いに連結する)ことによって、所望 する本考案冷暖房システムを構築することができる。
【0020】 また、本考案冷暖房用パネルにおける熱伝導管の両端部に、他の熱伝導管と連 結可能な連結手段、例えば、連結用継手等を用いることにより、本考案冷暖房シ ステムにおいて平板状に組み合わせて用いる、本考案冷暖房用パネルの熱伝導管 同士を容易に連結することが可能であり好ましい。
【0021】 また、本考案冷暖房用パネルにおける平板状の断熱材の平面上において、少な くとも1本の根太がはめ込まれていることが、本考案冷暖房用パネルの強度を一 層向上し得るという点において好ましい。また、この根太と床面とを釘等の物理 的手段で固定することにより、接着剤等の化学的手段を用いることによる、生理 的な悪影響を回避することが可能であるという点においても好ましい。このよう な、接着剤の使用を回避し得る、本考案冷暖房用パネルの特徴は、例えば、本考 案冷暖房システムを、可能な限り化学物質が人体に悪影響を与える要素を排除し た、「健康ハウス」における冷暖房手段として有用である。
【0022】 さらに、本考案冷暖房用パネルにおける、平板状の断熱剤の側面部に、冷暖房 用パネル同士が、それらの側面部において嵌合することが可能な構造の嵌合部を 設けることで、複数のパネルの勘合部同士を組み合わせることにより、容易に、 本考案冷暖房パネル同士を施工面に沿って、全体に平坦に組み合わせて固定する ことが可能であり、好ましい。
【0023】 なお、かかる嵌合部の形状は、複数の本考案冷暖房用パネル同士が、この嵌合 部において容易に嵌合し得る形状である限り、特に限定されず、例えば、相互に 嵌合可能な形状の凹状構造と凸状構造、同階段状構造、同凸半円状構造と凹半円 状構造等の嵌合可能な構造を例示することができる。加工の容易性を考慮すると 、通常は、上記の凹状構造と凸状構造を選択することが好ましい。
【0024】 さらに、本考案冷暖房用パネルにおける平板状の断熱材において設けられた、 熱伝導管をはめ込むための溝部の横断面が方形であることにより、半丸形である 従来技術に比べて、本考案システムは、熱効率が良好である。
【0025】 また、本考案冷暖房用パネルの上面に、熱伝導管からの輻射熱の放熱を促進す るための金属板が積層されていることが、本考案冷暖房システムの熱効率を向上 させるために好ましい。かかる金属板は、少なくとも熱伝導管に接触した態様で 、積層されていることが好ましい。金属板の素材は、熱伝導管からの輻射熱を効 率良く伝導することが可能である限り、特に限定されず、例えば、ステンレス板 ,銅板,鉄板,アルミニウム板等が例示できるが、熱伝導性と腐食に対する抵抗 性を考慮すると、ステンレス板又は銅板を選択することが好ましい。
【0026】 本考案冷暖房システムは、上述したように、その室内の冷暖房効果に直接係わ る部分は、冷暖房を行う部屋における、床面、壁面及び/又は天井面の最外層の 構造の内側に沿って、本考案冷暖房用パネルを、これらの冷暖房用パネルの熱伝 導管同士が、全体で連続した熱伝導管となるように互いに連結しつつ、冷暖房用 パネルの側面部において接着させることにより、構築される。
【0027】 そして、本考案冷暖房システムでは、互いに連結させた上記の熱伝導管の両端 を、さらに液温の調節が可能な液体循環手段、例えば、ポンプ機能を有する温水 器又は冷水器に連結させることにより、上記の床面、壁面及び/又は天井面の最 外層の構造の内側に沿って形成させた閉じた液体循環系において、
【0028】 室温と異なる液温に調節した液体、具体的には、水又はその他の冷媒又は温媒 として適切な性質を水において付与し得る化学物質を水に混合した水溶液を、上 記の液体循環手段を用いて循環させ、この循環させる液体の輻射熱により、室内 の温度を、所望する温度に調節することができる。
【0029】
【考案の実施の態様】
以下、図面を用いて、本考案冷暖房用パネル及び本考案冷暖房システムの実施 の態様について説明する。
【0030】 第3図は、本考案冷暖房用パネルの一実施態様(30)の分解斜視図である。 第3図において、平板状の断熱材31には、その平面上に、U字型の熱伝導 管32A及び32Bを嵌め込むための、両端が開放されている、横断面が方形で ある溝部32A’及び32B’、並びに根太材33A,33B及び33Cを嵌 め込むための溝部33A’,33B’及び33C’、さらにはその側部に、冷 暖房用パネル30が、他の冷暖房用パネルと、互いの側面部において嵌合するこ とが可能な凹凸構造の嵌合部311(凹構造)及び311’(凸構造)が設けら れている。
【0031】 この平板状の断熱材31の上から、上記のように設けられた溝部に対応する形 状の、U字型の熱伝導管32A及び32B、並びに根太材33A,33B及 び33Cを嵌め込んで、さらに、その上面に、熱伝導管32A及び32Bからの 輻射熱の放熱を促進するための金属板34を、これらの熱伝導管に接触させつつ 積層及び固定して、本考案冷暖房用パネル30が形成されている。
【0032】 なお、根太材33Bに設けられた、熱伝導管を貫通させるための貫通口331 に熱伝導管32Aが、同貫通口332に熱伝導管32Bが、挿通されている。ま た、熱伝導管32A及び32Bは、これを溝部32A’及び32B’に嵌め込む と、これらの熱伝導管の両端部が、これらの溝部32A’及び32B’の両端部 から、わずかに突出するように、これらの溝部の長さよりも長めに設計されてい る。
【0033】 このようにして、U字型の熱伝導管を2本組み込んだ、本考案冷暖房用パネル 30が作出される。
【0034】 第4図は、この本考案冷暖房用パネル30の斜視図で、第5図は、本考案冷暖 房用パネル30を、切断面II−II’で切断した、横断面図である。
【0035】 第4図及び第5図により、本考案冷暖房用パネル30は、両端が開放されてい る2本のU字型の溝部32A’及び32B’が、その平面上に設けられている平 板状の断熱材31において、上記溝部32A’及び32B’の深さと同程度の外 径を有し、かつ両端が開放されている熱伝導管32A及び32Bの両端部が、上 記溝部の両端から突出するようにはめ込まれ、さらに金属板34が上面から積層 及び固定されている冷暖房用パネルであることがわかる。
【0036】 前述のように、熱伝導管32A及び32Bの素材は、熱伝導管おいて流通させ る冷媒ないし温媒である水又は特定の化学物質の水溶液に対して耐性が認められ 、かつ、これらの冷媒ないし温媒から発生する輻射熱を外部に伝導することが可 能である限り、特に限定されず、例えば、ビニール管であっても、金属管であっ てもよいが、本考案冷暖房用パネル30に一層の耐荷重性を付与し、さらに優れ た熱伝導性を有するという点から、金属管、殊に銅管を選択することが好ましい 。
【0037】 また、管径も、本考案の所期の効果を達成することができる限り、特に限定さ れないが、概ね外径が、12mm〜18mm程度が好ましい。この管径が、小さ過ぎ ると、結果として冷暖房用パネル全体の厚さが薄くなり過ぎ、耐久性に劣ってし まい、従来品10との差異を、耐久性等の面において認めがたくなる。また、管 径が大き過ぎると、温まったり冷えたりするのに時間がかかり過ぎるばかりでは なく、輻射熱を制御することが困難になり、好ましくない。また、単位面積当た りのコストが上昇し、経済上も好ましくない。
【0038】 さらに、熱伝導管32A及び32Bの形状は、U字型であるが、前述したよう に、「管の両端が開放されており、その両端部が、管を嵌め込むことを目的に、 断熱ボードに設けられた溝部の両端の近傍に位置するようにはめ込まれている」 という条件を満たす限り、任意に選択することができる。
【0039】 第6図は、熱伝導管の形状を直線状にして用いた、他の態様の本考案冷暖房用 パネル40の斜視図である〔本考案冷暖房用パネル40は、用いる熱伝導管の形 状を直線状とし、本数を4本とした以外は、本考案冷暖房用パネル30と同一の 構造である。4本の熱伝導管(42A,42B,42C及び42D)の両端部は 、平板状の断熱材41における各溝部の端部から、わずかに突出している〕。
【0040】 また、溝部32A’及び32B’の横断面は、方形であるが、この溝部の横断 面を、従来のような半円形ではなく、方形にすることにより、熱伝導管近傍の蓄 熱性を向上させて、本考案冷暖房用パネルを用いる、本考案冷暖房システムの熱 効率を向上させることができる。
【0041】 なお、平板状の断熱材31上に嵌め込まれた根太材33A,33B及び33C により、本考案冷暖房用パネルの強度が一層向上されている。また、前述したよ うに、施工時に、これらの根太と床面、さらには根太と表面仕上げ材(フローリ ング)とを釘等の物理的手段で固定することにより、接着剤等の化学的手段を用 いることによる、生理的な悪影響を回避することが可能である。
【0042】 さらに、平板状の断熱材31の側部に、冷暖房用パネル30が、他の冷暖房用 パネルと、互いの側面部において嵌合することが可能な凹凸構造の嵌合部311 (凹構造)及び311’(凸構造)が設けられていることにより、複数のパネル の勘合部同士を組み合わせて、容易に、本考案冷暖房パネル同士を施工面に沿っ て、嵌合部において水平面の凹凸を生ずることなしに、平坦な状態に組み合わせ て固定することが可能であり、好ましい。なお、上述したように、この嵌合部の 形状は、この凹凸構造に限定されるものではない。
【0043】 そして、ステンレス板等の金属板34が、熱伝導管等を嵌め込んだ平板状の断 熱材31の上面から積層及び固定されていることにより、上述したごとく、熱伝 導管からの輻射熱の放熱を促進させることが可能で、これにより、本考案冷暖房 システムの熱効率を向上させることができる。
【0044】 第7図は、本発明冷暖房システム100の概略図である。 第7図において、30A〜30Eは、2本のU字状の熱伝導管を組み込んだ、 本考案冷暖房用パネルであり;40A〜40Eは、4本の直線状の熱伝導管を組 み込んだ、本考案冷暖房用パネルであり;50A及び50Bは、2本の直線状の 熱伝導管を組み込んだ、本考案冷暖房用パネルであり;60A〜60Eは、短め の2本のU字状の熱伝導管を組み込んだ、本考案冷暖房用パネルであり;70は 、短めの1本のU字状の熱伝導管を組み込んだ、本考案冷暖房用パネルであり; 80A及び80Bは、後述する本考案冷暖房パネルを連結した際の間隙の形状に 対応する断熱部材である。
【0045】 そして、各本考案冷暖房用パネルは、第7図に示すように、これらの冷暖房用 パネルの熱伝導管同士が、全体で連続した熱伝導管となるように熱伝導管同士を 互いに連結しつつ、冷暖房用パネルをこれらの側面部をおいて組み合わせて接着 させることにより、室内の冷暖房に直接係わる冷暖房面110が形成されている 。
【0046】 本考案冷暖房用パネルの熱伝導管同士の連結手段は、特に限定されず、連結用 継手による連結や、接着剤による連結等を挙げることができるが、施工後の安定 性や安全性を考慮すると、連結用継手による連結を適切な、熱伝導管同士の連結 手段として挙げることができる。
【0047】 かかる連結は、例えば、前記の第6図に示した態様で行うことができる。 すなわち、第6図において、本考案冷暖房用パネル40と同40’の熱伝導管 を連結する場合には、熱伝導管42Cと42Fの、平板状の断熱材から突出して いる部分の外径に合致した内径を有する連結用継手45Cを介して、熱伝導管4 2Cと42Fとを連結し、同熱伝導管42Dと42Eの外径に合致した内径を有 する連結用継手45Dを連結することができる。
【0048】 この連結用継手による、熱伝導管の連結後、本考案冷暖房用パネル40と40 ’の間隙の形状に対応する形状の断熱部材46(断熱部材46において、熱伝導 管の連結部42DE(直接的には図示せず)には、溝部42DE’が対応し、熱 伝導管の連結部CF(直接的には図示せず)には、溝部42CF’が対応して、 これらの溝部に連結部を嵌め込める形状になっている)を、この間隙に嵌め込む ことにより、熱伝導管の連結部を断熱部材46で被せて保護し、さらにこの部分 においても、熱伝導管から発生する輻射熱を利用して、冷暖房の効率化を図るこ とができる。
【0049】 また、冷暖房面110における、冷媒又は温媒の流入口121と同流出口12 2は、連続した1本の熱伝導管によって連結されている。すなわち、流入口12 1から流入した冷媒又は温媒は、本考案冷暖房用パネルを組み合わせることによ って、冷暖房面110の全面に張り巡らされた熱伝導管を流通して、流出口12 2から流出する。
【0050】 この流入口121と流出口122は、冷暖房面110の外部においても、冷媒 又は温媒の発生装置123(典型的には、例えば、冷水器又は温水器)及びポン プ124を介して連結され、その結果、閉じた液体循環系が形成される。
【0051】 本考案冷暖房システムは、上述したように、その室内の冷暖房効果に直接係わ る部分は、冷暖房を行う部屋における、床面、壁面及び/又は天井面の最外層の 構造の内側に沿って、本考案冷暖房用パネルを、これらの冷暖房用パネルの熱伝 導管同士が、全体で連続した熱伝導管となるように互いに連結しつつ、冷暖房用 パネルの側面部において接着させることにより、構築される。
【0052】 そして、本考案冷暖房システムでは、互いに連結させた上記の熱伝導管の両端 を、さらに液温の調節が可能な液体循環手段、例えば、ポンプ機能を有する温水 器又は冷水器に連結させることにより、上記の床面、壁面及び/又は天井面の最 外層の構造の内側に沿って形成させた閉じた液体循環系において、室温と異なる 液温に調節した液体、具体的には、水又は上述した水溶液を、上記の液体循環手 段を用いて循環させ、この循環させる液体の輻射熱により、室内の温度を、所望 する温度に調節することができる。
【0053】 本考案冷暖房システムは、これを採り入れる室内の床面、壁面及び/又は天井 面の最外層の構造に接触した態様で、かかる最外層の構造に沿って形成させるこ とが可能であり、従来のように、システムを保護するための板張りをする必要が なく、単位面積当たりの施工単価を、材料面及び手間面から大幅にコストダウン することが可能である。
【0054】 また、前述のように、仮に本考案冷暖房システムが故障した場合においても、 その故障箇所のパネルのみを取り替えれば済むことであり、メンテナンスが容易 である。
【0055】 さらに、本考案冷暖房システムの用途は多様であり、例えば、ロードヒーティ ング手段として,屋上や屋根の融雪手段として,さらには動植物の育成室におけ る冷暖房手段としても用いることが可能である。
【0056】
【考案の効果】
本考案により、耐荷重性を有し、単位当たりの施工価格が安く、熱効率に優れ 、さらにメンテナンスが容易である、床暖房に代表される、温媒又は冷媒を通じ る熱伝導管からの輻射熱を利用した、室内冷暖房の手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来品の全体斜視図である。
【図2】従来品の、切断面I−I’で切断した横断面図
である。
【図3】本考案に係わる冷暖房用パネルの一実施態様の
分解斜視図である。
【図4】本考案に係わる冷暖房用パネルの一実施態様の
斜視図である。
【図5】本考案に係わる冷暖房用パネルの一実施態様
を、切断面II−II’で切断した横断面図である。
【図6】本考案に係わる冷暖房用パネルの他実施態様の
斜視図である。
【図7】本考案に係わる室内冷暖房システムの概略図で
ある。

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端が開放されている少なくとも1本の溝
    部が、その平面上に設けられている平板状の断熱材にお
    いて、上記溝部の深さと同程度の外径を有し、かつ両端
    が開放されている熱伝導管の両端部が、上記溝部の両端
    の近傍に位置するようにはめ込まれている、冷暖房用パ
    ネル。
  2. 【請求項2】熱伝導管が金属管である、請求項1記載の
    冷暖房用パネル。
  3. 【請求項3】熱伝導管が銅管である、請求項2記載の冷
    暖房用パネル。
  4. 【請求項4】熱伝導管の両端部に、他の熱伝導管と連結
    可能な連結手段が設けられている、請求項1乃至3記載
    の冷暖房用パネル。
  5. 【請求項5】平板状の断熱材の平面上において、少なく
    とも1本の根太が、はめ込まれている、請求項1乃至4
    のいずれかの請求項記載の冷暖房用パネル。
  6. 【請求項6】平板状の断熱剤の側面部に、冷暖房用パネ
    ル同士が、それらの側面部において嵌合することが可能
    な構造の嵌合部が設けられている、請求項1乃至5のい
    ずれかの請求項記載の冷暖房用パネル。
  7. 【請求項7】嵌合部の構造が、互いに嵌合することが可
    能な、凹状構造又は凸状構造である、請求項6記載の冷
    暖房用パネル。
  8. 【請求項8】平板状の断熱材において設けられた、溝部
    の横断面が方形である、請求項1乃至7のいずれかの請
    求項記載の冷暖房用パネル。
  9. 【請求項9】冷暖房用パネルの上面に、金属板が積層さ
    れている、請求項1乃至8のいずれかの請求項記載の冷
    暖房用パネル。
  10. 【請求項10】冷暖房を行う部屋における、床面、壁面
    及び/又は天井面の最外層の構造の内側に沿って、請求
    項1乃至9のいずれかの請求項記載の冷暖房用パネル
    を、これらの冷暖房用パネルの熱伝導管同士が、全体で
    連続した熱伝導管となるように互いに連結しつつ、冷暖
    房用パネルの側面部において接着させ、互いに連結させ
    た上記の熱伝導管の両端を、さらに液温の調節が可能な
    液体循環手段に連結させることにより、上記の床面、壁
    面及び/又は天井面の最外層の構造の内側に沿って形成
    させた閉じた液体循環系において、 室温と異なる液温に調節した液体を、上記の液体循環手
    段を用いて循環させ、この循環させる液体の輻射熱によ
    り、室内の温度を調節する、室内冷暖房システム。
  11. 【請求項11】液体が水である、請求項10記載の室内
    冷暖房システム。
JP1998004921U 1998-06-19 1998-06-19 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム Expired - Fee Related JP3055127U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1998004921U JP3055127U (ja) 1998-06-19 1998-06-19 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1998004921U JP3055127U (ja) 1998-06-19 1998-06-19 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3055127U true JP3055127U (ja) 1999-01-06

Family

ID=43189142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1998004921U Expired - Fee Related JP3055127U (ja) 1998-06-19 1998-06-19 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3055127U (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144520A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Nippon Steel Corp 冷暖房用鋼製パネル及びこれを用いた建築物の冷暖房システム
JP2014001885A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Kenichi Yamaguchi 冷暖房兼用蓄熱体
CN107687779A (zh) * 2017-10-17 2018-02-13 夏文庆 一种基于温差对冲的冷板换热器及换热方法
KR20210100286A (ko) * 2020-02-06 2021-08-17 변시환 온수관 배설용 보드 및 그 제조방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144520A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Nippon Steel Corp 冷暖房用鋼製パネル及びこれを用いた建築物の冷暖房システム
JP2014001885A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Kenichi Yamaguchi 冷暖房兼用蓄熱体
CN107687779A (zh) * 2017-10-17 2018-02-13 夏文庆 一种基于温差对冲的冷板换热器及换热方法
KR20210100286A (ko) * 2020-02-06 2021-08-17 변시환 온수관 배설용 보드 및 그 제조방법
KR102292035B1 (ko) 2020-02-06 2021-08-19 변시환 온수관 배설용 보드 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2008243800B2 (en) A panel
JP2016217630A (ja) 放射空調システム
JP2001323577A (ja) 熱交換可能な建物壁面パネル
JP3055127U (ja) 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム
CN107178842A (zh) 水电两用散热器及空调系统
LT3350B (en) Radiant or radiant-ventilating airconditioning prefabricated elements and air conditioning installation including said elements
JP2000080755A (ja) 冷暖房用パネル及びこれを用いた室内冷暖房システム
KR101599976B1 (ko) 냉온수를 이용한 냉난방 및 제습이 가능한 라디에이터
JP2000160719A (ja) 建材パネル及び屋根構造並びに床構造
JP4042971B2 (ja) 冷暖房空気オンドル構造
JP4605759B2 (ja) 建物の室内空調システム
CN108800379A (zh) 冷媒工质地板辐射制热和吊顶辐射制冷系统
JP5509857B2 (ja) 冷暖房用鋼製パネル及びこれを用いた建築物の冷暖房システム
WO2009053950A2 (en) A heat transfer system
JP2005201601A (ja) 建物の暖房システム。
CN207395042U (zh) 天棚与地板联合辐射采暖制冷系统
JP4698204B2 (ja) 建物の室内空調システム
JPS6240251Y2 (ja)
CN210857805U (zh) 一种石膏面辐射板
US20230304675A1 (en) Heating/cooling walls and ceilings
JP4806260B2 (ja) 地熱利用空調装置
CN211695320U (zh) 一体化简易拼装风管
JP2675682B2 (ja) 天井輻射冷暖房システム
SK8900Y1 (sk) Akustická stropná výustka so stabilizovaným prívodom vzduchu
JPH05149586A (ja) 天井輻射冷暖房システム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees