JP3054845U - 芳香性刺繍 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 美的であり触覚的のも良好であるばかりでな
く、良い香りがするために、生活を豊かにし健康的にも
良好に作用する芳香性刺繍を提供する。 【構成】 刺繍の土台１の上に芳香材３を載せ、その上
に通気性被覆材４を置き、通気性被覆材４を芳香材３の
回りにおいて刺繍６で止めるとともに、通気性被覆材４
の上に刺繍７，８の模様を表すことによって、土台１と
通気性被覆材４との間に芳香材３を封じ込んだ。この刺
繍７，８が密に編まれることによって、芳香成分が持続
的に保持される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、良い香りがするために、例えば、上着や帽子等につけるワッペン や、自動車の室内に吊り下げる飾り、首飾り等の装身具として、さらには洋服タ ンスや引出しの中に入れて匂い袋の代わりとして、使用するのに適した芳香性刺 繍に関する。

【０００２】

【従来の技術】

刺繍は、一般的に織物や編物等を土台としてそれに針と糸で飾り縫いをしたも ので、それによって表される絵模様の装飾性が高いために、従来、着衣にばかり でなく、それにつけるワッペン、テーブル掛け、カーテン等に施され、刺繍によ って環境を美的にし、生活を豊かにしている。しかし、従来の刺繍は、視覚や触 覚に訴えるものであったら、生活を豊かにすることにはそれだけの限界があった 。

【０００３】 つまり、「臭覚は、聴覚や視覚よりも、人の心の糸をかきならす」というよう に（イギルスのノーベル賞作家、キップリングの言葉）、良い香りは、ほどよく 臭覚を刺激して、心地良くさせ、また、ある連想を生み、しばしば追憶の境界に 誘ってくれる。また、血圧を降下させ、過度の緊張をほぐす効果があり、頭脳を 適度に刺激し痴呆予防効果がある等、健康的にも良好に作用する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

この考案は、上記のような実情に鑑みて、美的であり触覚的にも良好であるば かりでなく、良い香りが持続するために、生活をより豊かにでき健康的にも良く 作用する刺繍を提供することを目的とした。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、第一考案は、刺繍の土台の上に芳香材を載せ、 その上に通気性被覆材を置き、通気性被覆材を芳香材の回りにおいて刺繍で止め るとともに、通気性被覆材の上に刺繍の模様を表すことによって、土台と通気性 被覆材との間に芳香材を封じ込んだことを特徴とする刺繍を構成した。

【０００６】 また、第二考案は、通気可能な刺繍編成体の裏側に芳香材を当て、テープで止 めて、刺繍編成体とテープの間に芳香材を挟んで封じ込んだことを特徴とする芳 香性刺繍を構成した。

【０００７】 上記のいずれの芳香性刺繍においても、刺繍によって美的に処理され得ること はもちろん、刺繍が編まれる密度によって、芳香成分の放出を抑制し、芳香を長 く持続させることができる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

この考案においては、芳香材３としては、植物性、動物性、その他、良い香り がするものであって、刺繍の下に保持できるものであれば、その材質を問うもの ではなく、植物性のものとしては、花やハーブを乾燥したもの、香木等が挙げら れる。また、香り成分を脱脂綿や吸取り紙等に含浸させたものも有効に使用でき る。また、第一考案の通気性被覆材４としては、実施例のようなネットの他、編 物生地、織物生地等が使用される。

【０００９】 全体的な形状や、刺繍の模様は、様々に表されるが、花とその香りというよう に現実に合わせることもできる。そして、花や葉等の刺繍を密に編むことによっ て、その中に一部の芳香成分が一旦吸収されるために、芳香の持続性が得られる 。また、立体感を出すために、例えば、花や葉等の刺繍の下に発泡ウレタン等の クッション材を入れることにより、浮き出してその模様を表すこともできる。な お、使用者の手に渡るまでは、樹脂フイルムの袋に密封して包装しておくことが 望ましい。

【００１０】 用途としては多様であって、例えば、服飾としてのワッペン、車内や部屋に吊 り下げておく飾り、タンス等の片隅に匂い袋の代わりとして入れておくもの、バ ックやポケットにしのばせておくもの等が挙げられる。用途によっては、吊り下 げ、取り付け等のために、両面粘着テープ１７、吸盤等を備えておく。また、安 全ピンにより止めやすいようにしておいても良い。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の芳香性刺繍によれば、美的であり触覚的にも 良好であるばかりでなく、良い香りが長く持続するために、それだけ生活を豊か にすることのでき、身の回りにおくことによって、健康的にも良好であるという 優れた効果がある。

【００１２】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１３】 図１から図３までは、第一考案の一実施例を示し、その芳香性刺繍Ｐａは、刺 繍の土台１と、下地ネット２と、芳香材３と、通気性被覆材４とを刺繍によりワ ッペン状に一体化したもので、全体的に円形に形成される。

【００１４】 土台１には、表面にラミネート加工がなされている非通気性のクロスが用いら れ、それとほゞ同じ大きさの円形の下地ネット２が主に補強の目的で置かれ、さ らに、中央部に芳香材３が円形に置かれる。芳香材３には、普通にローズと称さ れるばらの花を乾燥させたものを使用した。また、通気性被覆材４には、極細い 糸で編んだ円形のネットを使用した。これには、部分的に目の細かい模様４ａが 形成され、その部分では下の芳香材３が透けて見えない。

【００１５】 刺繍の手順については、通気性被覆材４を芳香材３の上に被せてから、まず、 縁に近い周囲に下地ネット２の上から模様の刺繍５を施しながら、連続的に通気 性被覆材４のネット縁を円形の環状刺繍６により止めた。これで芳香材３が通気 性被覆材４の下に包まれるので、その上から、ばらの花と葉の絵模様の刺繍７と 「Ｒｏｓｅ」という文字模様の刺繍８を施して、芳香材３を部分的に押さえ止め た。従って、芳香材３の定着性が良好であり、また、環状刺繍６の内側が凹凸し 立体的となる。

【００１６】 図４は、第一考案の他の実施例を示し、その芳香性刺繍Ｐｂは、前記の芳香性 刺繍Ｐａとほゞ同様の構造であって、円形の土台１の中央部に広く芳香材３を置 き、その上に土台１とほゞ同じ広さの円形ネットの通気性被覆材４を被せ、その 上から刺繍が施される。

【００１７】 刺繍には、通気性被覆材４を芳香材３の周囲で止める内側の環状刺繍６と、土 台１の周囲で止める縁取りの外側環状刺繍１２とが施され、内側環状刺繍６の内 側には、杉林の絵模様の刺繍７を施し、それにより芳香材３が直接押さえ止めら れる。また、内外環状刺繍６，１２の間には、「ＬＡＶＥＮＤＥＲ」の文字の模 様刺繍１４が施される。

【００１８】 芳香材３には、殺菌、防虫効果のあるラベンダーの花を乾燥させたものを使用 した。そのため、洋服タンスや下着類の引出しに入れて使用するのに適している 。また、タンスや引出しの中にピン等で止めて吊り下げておけるように、上端に 取付片１０が突設され、それにも縁取りの環状刺繍１２ａが施される。

【００１９】 通気性被覆材４としてのネットには、極細い糸で編んだネットが使用されてい るので、ラベンダーの薄紫色が透けて見え、その色を背景に緑の杉林の絵模様の 刺繍７が描かれているように見える。

【００２０】 図５は、第二の考案の実施例を示したもので、その芳香性刺繍Ｑは、土台を用 いることなく、ばらの花と葉とを一体に編んだ刺繍編成体１５を構成し、その裏 側の中央部にローズとラベンダーとが混在した芳香材３を当て、両面粘着テープ １７により止めてある。この場合であると、両面粘着テープ１７の剥離紙を剥が すことにより、上着やタンスの中等に貼着して使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一考案の芳香性刺繍を示す一部切欠した平面
図である。

【図２】同芳香性刺繍の一部における概略的断面説明図
である。

【図３】同芳香性刺繍の素材を分離して示す斜視説明図
である。

【図４】第一考案の他の実施例を示す芳香性刺繍の一部
切欠した平面図である。

【図５】第二考案の芳香性刺繍の一部切欠した平面図で
ある。

【符号の説明】

Ｐａ，Ｐｂ 第一考案の芳香性刺繍 Ｑ 第二考案の芳香性刺繍 １ 土台 ３ 芳香材 ４ 通気性被覆材 ６ 芳香材の回りにおける刺繍 ７，８ 模様の刺繍 １５ 刺繍編成体 １７ テープ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刺繍の土台の上に芳香材を載せ、その上
   に通気性被覆材を置き、通気性被覆材を芳香材の回りに
   おいて刺繍で止めるとともに、通気性被覆材の上に刺繍
   の模様を表すことによって、土台と通気性被覆材との間
   に芳香材を封じ込んだことを特徴とする刺繍。
2. 【請求項２】 通気可能な刺繍編成体の裏側に芳香材を
   当て、テープで止めて、刺繍編成体とテープの間に芳香
   材を挟んで封じ込んだことを特徴とする芳香性刺繍。