JP3054288B2 - スエード調の表面を有する合成樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

スエード調の表面を有する合成樹脂成形品の製造方法

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JP3054288B2
JP3054288B2 JP5060387A JP6038793A JP3054288B2 JP 3054288 B2 JP3054288 B2 JP 3054288B2 JP 5060387 A JP5060387 A JP 5060387A JP 6038793 A JP6038793 A JP 6038793A JP 3054288 B2 JP3054288 B2 JP 3054288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電商品、自動車の内
装部品、建築材料、一般雑貨品、住宅器材、化粧板、船
舶、自動車部品などに有用な、スエード、ビロード調な
どの柔かいクッション性を有し、しかも表面が毛羽で被
覆されて高級感に富む感触と外観を有する合成樹脂成形
品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からプラスチックの安物的イメージ
を解消して成形品に高級感を付与する目的で各種の加飾
が行われてきた。
【0003】一般に、金型にシボ模様を施し木目調、皮
革調梨地による艶消し製品、発泡剤混入製品、更に成形
後に表面塗装、メッキ、植毛加工を施した製品が上記の
目的で使用されてきたが、特に植毛加工はプラスチック
成形品表面に与える優れたソフト感、艶消し感などから
くる高級品のイメージから多用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら行われてきた植毛加工は、プラスチックシートにフロ
ックを含有した塗料を塗布する工程と、これを乾燥する
工程とによるもの、およびプラスチックシートの表面に
接着剤を塗布し、これに公知のフロック加工、好ましく
は静電式植毛法を施し、フロックを付着させた後、接着
剤を乾燥させて製品としている。
【0005】このような植毛加工では、フロック密度を
高めるためには、塗料中のフロック含有量を増やした
り、吹き付けフロック量を増やすことが行われるが、塗
装機または吹き付け機のノズルが目詰りしやすくなり、
作業性が低下するという問題点がある。これを解決する
ためにフロックを減量して重ね塗りすることも考えられ
るが、重ね塗りすると表面が毛玉状になり、フロックの
起毛を損ねるなどの問題点が生じる。更に、上記の植毛
方法は工程が複雑で特別の装置が必要であるばかりでな
く、乾燥工程のために広い場所を必要とし、加工賃、運
賃、時間のロス、不良品の発生率などが高くなるなど多
くの問題点がある。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決し、従来は成形後の二次加工によってのみ得られる
植毛加工を施したような表面を有するプラスチック製品
を、後加工を全く必要とせずに、一次成形のみで、安定
した品質を有して表面にフロックの露出突出による毛羽
を有する高級感に富んだ成形品として得ることを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、繊度40
0デニール以下、繊維長2mm以下の着色又は無着色の
有機繊維が添加された合成樹脂を、金型表面の微細凸部
の先端が非平面状に形成された微細な凹凸で形成された
シボ模様に作製された金型を使用して成形することを特
徴とするスエード調の表面を有する合成樹脂成形品の製
造方法によって達成される。
【0008】本発明に使用できる有機繊維としては綿、
絹、カポック、羊毛、亜麻、大麻、ラミー、黄麻、椰子
などの繊維の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド、P
VA、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル、アラミド
繊維などの合成繊維、アセテートなどの半合成繊維、レ
ーヨン、キュプラ、ポリノジックなどの再生繊維が挙げ
られる。更に、レーヨン、PVA(ビニロン)、麻類な
どの吸湿繊維では、静電気の発生防止、結露防止の効果
を併せ持たすことができる。
【0009】ただし、使用される合成樹脂が熱可塑性樹
脂である場合は、熱可塑性樹脂の成形加工工程がその軟
化点の関係から一般に180〜300℃で行われるの
で、添加できる有機繊維は軟化点が180℃以上のもの
に限定される。そして上記に列挙した繊維は、無着色物
および着色品のどちらでも使用できるが、着色繊維とし
ては繊維化後染色されたものであっても原液着色された
ものであっても特に限定されることなく使用できる。
【0010】なお、上記の有機繊維は繊度が400デニ
ール以下で、繊維長が2mm以下であることが必要であ
る。繊度が400デニール以上では剛直性が現われて柔
かいクッション性が得られなくなる。一方、10デニー
ル以下の細い繊維は樹脂と混合するときに毛玉になり易
く、分散不良を生じるので分散剤を使用して表面処理を
行ない分散性を向上させる必要がある。
【0011】また、繊維長2mm以上では、樹脂中での
分散不良を生じたり、樹脂表面から突出した毛羽の不揃
いを生じ外観を損ねる。10デニール以下の細い繊維で
は高級脂肪酸、金属石鹸、またはシリカ、タルクなどの
無機質分散剤の併用により、10デニール以上の太い繊
維では特別な表面処理を施さずに毛玉を生じることな
く、前者では繊維長0.5〜1mmの繊維が、後者では
繊維長2mm以下の繊維が樹脂製品の表面から具合よく
突出する。
【0012】すなわち、繊維の太さと長さにより柔軟
度、剛性に大きな違いが生じるので、目的とする製品に
合わせて使い分ける必要がある。更に、繊維の太さ、長
さ、色などそれぞれ異なる物を混合し、その上顔料など
の着色剤、充填剤、発泡剤などを組合せることにより独
創的かつ多彩な製品を得ることができる。なお、合成樹
脂に一般的に添加される滑剤、活性剤、安定剤、難燃剤
などを併用することは、本発明の植毛状の表面を有する
合成樹脂成形品の製造方法に何等妨げにならなく、必要
に応じて適宜選択使用することができる。
【0013】本発明に使用できる合成樹脂は熱可塑性の
ものと硬化性のものがあり、熱可塑性樹脂としては、ポ
リスチレン、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリアセタール、EVAエラストマーなどの一
般的に使用されている成形用合成樹脂の単独または2種
類以上の混合または共重合樹脂などが挙げられ、また熱
硬化性樹脂としてはメラミン樹脂、ユリア樹脂などのア
ミノ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられ
る。
【0014】また、本発明に係るスエード調の表面を有
する合成樹脂成形品は射出成形、中空成形、シート成形
などの合成樹脂の成形に通常使用されている一般的な成
形方法によって製造できる。また壁紙、鋼板、合板など
樹脂フィルムによりコートされる製品にも適用できて同
様の効果を発揮する。さらに、本発明に係る植毛状の表
面を有する熱硬化性樹脂成形品は射出成形、加圧成形、
積層などの熱硬化性樹脂の成形に通常使用されている一
般的な成形方法によって製造できる。
【0015】上記の成形方法に使用される金型の成形表
面のシボ模様としては、金型の微細凸部の先端が非平面
状に形成されていることが必要である。すなわち、微細
な凹凸で形成されたシボ模様を発現する金型の微細凸部
の先端は、図1(a)に示されるキリ状、図1(b)に
示される球状、または図1(c)に示される屋根状であ
ることが必要である。図2に示される微細凸部の先端が
平面状に形成されたシボ模様を発現する金型では、例え
上記の必要条件を満足する繊維を使用しても図4に示す
ような繊維が成形品表面に沿って伏せた状態になり、繊
維の先端が成形品の表面が突出して植毛状を形成するこ
とがない。図1(a)〜(c)に示す微細突部の先端が
非平面状に形成されたシボ模様の金型を使用することに
よってのみ図3に示されるような、成形品1の表面から
繊維2の先端が露出してちょうど植毛加工を施したよう
な製品が得られる。
【0016】また、有機繊維の合成樹脂への添加量は特
に限定されることなく、使用目的に応じて適宜選択でき
るが、好ましくは0.3%〜10%である。10%を超
えて混合しても特に外観的に植毛効果が向上しないだけ
でなく成形時の作業性、得られた成形品の物性からも好
ましくない。一方、0.3%未満では外観的に植毛効果
が見劣りするものになる。
【0017】なお、ガラス繊維、炭素繊維、無機質ウイ
スカーなどの無機繊維を添加し、本発明に係る金型を使
用して成形しても前記の無機繊維が樹脂成形品の表面に
突き出るが、その剛性により手などを傷付けることにな
り、本発明の目的には不適当なものとなる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を説明する。本
発明の植毛状の表面を有する合成樹脂成形品の製造方法
に使用した金型のシボ模様を図5に示す。この凸部の先
端は図1(a)に示したキリ状および図1(b)に示し
た球状の混在した状態であった。比較のために図5のシ
ボ模様に類似した梨地状シボ模様(図6および図7参
照)および織布地模様(図8参照)を有するが、いずれ
も凸部の先端が図2に示したように平面状になっている
金型を使用した。以下の実施例および比較例において部
および%は、すべて重量部および重量%を意味する。
【0019】実施例1 ABS樹脂(東レ製、トヨラック#700)100部に
白色ドライカラー(濤和化学製)2部およびオレンジ色
のポリエステル糸(ユニチカ製、原着糸、繊度10デニ
ール、繊維長1mm)3部を添加混合し、図5に示した
シボ模様(B)の金型を使用して射出成形により試験片
を成形した。
【0020】実施例2 ポリプロピレン樹脂(宇部興産製、109G)100部
にグレー色ドライカラー(濤和化学製)1部およびレー
ヨン糸(興人製、原着黒色、3デニール、カット長0.
5mm)1%(ただし、前記糸8.5部に対してステア
リン酸亜鉛(STZn)1.5部の割合で表面処理した
糸)を添加混合して、シボ模様Bを有する金型を使用し
て射出成形により試験片を成形した。
【0021】実施例3 ポリスチレン樹脂(三井東圧製、トーポレックス#52
5)100部にトリアセテート糸(三菱レーヨン製、2
デニール、カット長0.3mm)を3%(ただし、15
%STZnで分散処理して150℃、30分乾燥した製
品)添加混合して、シボ模様Bを有する金型を使用して
射出成形により試験片を成形した。
【0022】実施例4 硬質ポリ塩化ビニルコンパウンド(日本ビニル製、40
00M)100部にグレー色ドライカラー(濤和化学
製)2部およびレーヨン糸、無着色(大和紡績製、15
0デニール、カット長2mm)5%を添加混合し、Tダ
イ押出し成形で、巾5cm、長さ3mmの板状成形品
を、ロールの表面にシボ模様Bを形成した引取りロール
を使用して成形した。
【0023】実施例5 硬質ポリ塩化ビニルコンパウンド100部に可塑剤とし
てDOP100部、グレー色ドライカラー(濤和化学
製)4部、ポリエステルフィラメント(小山化学製、黒
色に原着、400デニール、カット長2mm)20部を
添加混合し、加熱二本ロール(田中鉄工所製、5インチ
ロール)で160℃にて混練した後シート状に取り出
し、このものをプレス板の片方にシボ模様Bを形成した
上下2枚のステンレス製プレス板の間に挟み加熱圧縮成
形後冷却してシートを作製した。
【0024】比較例1 ABS樹脂(東レ製、トヨラック#700)100部に
黒色ドライカラー(濤和化学製)2部を添加混合し、表
面に模様が全くない平滑な金型を使用して射出成形によ
り試験片を作製した。
【0025】比較例2 金型に図6に示したシボ模様(A−1)を使用した以外
は比較例1と同様の方法により試験片を作製した。
【0026】比較例3 図7に示したシボ模様(A−2)を有する金型を使用し
た以外は実施例1と同様の方法により試験片を作製し
た。
【0027】比較例4 表面に図8に示した織布地調シボ模様(C)を有する金
型を使用した以外は実施例2と同様の方法により試験片
を作製した。
【0028】比較例5 表面にシボ模様A−2を有する金型を使用した以外は実
施例3と同様の方法により試験片を作製した。上記の実
施例1〜5および比較例1〜5で作製した試験片の植毛
感の外観判定を配合、成形方法と共に次の表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1より、例え本発明の条件を満足する繊
維を添加しても、金型表面の微細凸部の先端が平面状に
形成されたシボ模様を有する金型を使用して成形する限
りは、繊維の先端が樹脂成形品の表面に露出して突き出
ることがないことが分かる。
【0031】実施例 6 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコートおよびSMC
(Sheet molding compound) を裏打材として二段成形法
により、スエード調の表面を有する熱硬化性樹脂成形品
を以下の手順により製造した。 a.ゲルコート成分の配合比率 1.ゲルコート5Q−0001クリヤー 100.0 (不飽和ポリエステル樹脂:日本フェロー製) 2.レーヨン系 5.0 (興人製、原着黒色、15デニール、カット長1mm) 3.ナフテン酸コバルト(6%液) 0.5 (菊地色素製) 4.パーメックN(MEK−PO) 1.0 b.ゲルコート液の調合 上記の成分1と2とを計量し、3分間攪拌混合し、次い
で成分3を添加し更に1分攪拌後成分4を投入し、更に
1分間攪拌してゲルコート液を調製する。
【0032】c.ゲルコートの作製 寸法18×30cmの図1の(a) と(b) に示した微細凸部
先端が混在するシボ模様金型のシボ加工面上は各辺縁上
に前記シボ加工面を囲繞する形状の金枠を載置し、該金
枠中へ上記配合比率のゲルコート液を投入し、金枠内へ
均一に充満させた。次いで、その上に鏡面鉄板を載置
し、横方向へハミ出たゲルコート液をウエスで拭き取
り、次いで下記条件にてプレス加工を行った。 成形条件 温度及び時間 常温、60〜80分 成形圧 50KgG/cm2 発熱温度 おおよそ75℃ なお、金型のシボ加工面および鉄板の鏡面ともゲルコー
トの型離れを良くするために、予め離型剤処理を施した
ものを用いた。
【0033】d.試験片の成形 プレスの圧締をゆるめて鏡面鉄板のみを上記工程にて得
たゲルコート成形品から取りはずし、その鏡面上へ金型
の寸法に合わせて裁断したSMC材(昭和高分子製)を
載置し、次いで再びSMC材載置鏡面鉄板を前記シボ加
工面のゲルコート膜上に重ね合わせた後、再度下記条件
にてプレス成形を行った。 成形条件 温度及び時間 140℃、4分 成形圧 50KgG/cm2 上記の成形終了後、プレス機より金型ごと取りはずし、
冷却後金型から取り出して、試験片を得た。なお厚さ
は、おおよそ5mmであった。
【0034】比較例 6 金型として、図6及び7に示したしぼ模様(A−1、A
−2)混在の梨地状シボ模様の金型を使用した以外は実
施例1と同様の方法により試験片を作製した。
【0035】実施例 7 ゲルコート成分中のレーヨン糸5.0%を、ポリエステ
ル繊維(ユニチカ製、ブルーに原着、5デニール、カッ
ト長0.5mm)2%とビニロン繊維(クラレ製、オレン
ジに原着、1.5デニール、カット長0.5mm)との混
合品に変えた以外は実施例1と同様の方法により試験片
を作製した。
【0036】比較例 7 金型に比較例6に使用した梨地状シボ模様(A−1、A
−2混在)を使用した以外は実施例2と同様の方法によ
り試験片を作製した。
【0037】実施例 8 レーヨン糸5.0%をナイロン6繊維(東レ製、ブラウ
ンに原着、5デニール、カット長0.5mm)3%に変え
トナーホワイトを3%使用した以外は実施例1と同様の
方法により試験片を作製した。
【0038】実施例 9 不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコートフィルムをスプ
レー塗装法を使用して以下の手順により作製した。 a.ゲルコート成分の配合比率 1.ポリマール8413−K−7 100.0 (不飽和ポリエステル樹脂:武田薬品) 2.ナフテン酸コバルト(6%液) 0.1 3.トリコノックス#40 0.1 (アセチルアセトンペルオキシド、化薬アクゾ製) 4.ポリエステル繊維 3.0 (ユニチカ製、黒色に原着、10デニール、カット長0.5mm) 5.トナーホワイト 3.0 (武田薬品製(CH−246 WHT)) ポットライフの関係から、上記の処方においては前記実
施例6の成形品の配合比率に比べて、ナフテン酸コバル
ト及び過酸化物の量を減量した。 b.ゲルコート液の調合 上記の成分1の入った計量ミキサー中に、成分2、4お
よび5を順次投入し10分間攪拌し、次いで成分3を投
入し更に2分間攪拌混合した。
【0039】c.フィルムの作製 ノズル孔径0.2mm、圧力3kg/cm2 のゲルコート
用高粘度スプレーガン(型式MCZ−P20S(圧送
式):(株)明治機械製)に上記ゲルコート配合液を注
入し、予め離型剤(インモールドC、中京油脂(株)
製)で処理した図1の(a,b)混在のシボ模様金型に
乾燥膜厚が0.3〜0.5mmになるようにスプレー塗装
した。次に、鏡面鉄板を重ね合わせ、乾燥炉中にて70
℃で1時間硬化後室温まで空冷し、脱型してテストフィ
ルムを得た。
【0040】実施例 10 アクリル樹脂のシラップを使用してキャスティング法に
より試験板を以下の手順により作製した。 a.配合処方 1.アクリルシラップ 100.0 (SY−102C、三菱レーヨン製) 2.レーヨン繊維 3.0 (興人製、黒色に原着、30デニール、カット長1mm) 3.レーヨン繊維 2.0 (興人製、ブラウンに原着、5デニール、カット長0.5mm) 4.パーカドックス#16 4.0 (化薬アクゾ製、50%トルエン溶液) 5.工業用ステアリン酸 0.6 6.サイロイド#244 0.7 (富士デビソン製、シリカ系添加剤) 7.TMP−A 1.5 (共栄社油脂製、アクリル系多管能性モノマー) 上記の配合処方中、成分4のパーカドックス#16の原
体は、パーカーボネート系の粉末であるから、均一混合
に便利な液状にするためにトルエン溶液にした。成分5
は内部活剤、成分6はタレ止め剤として用いた。 b.配合液の調合 上記配合処方の成分1、2および3を計量し、ミキサー
に投入して2分間攪拌混合した。次いで成分4を投入し
1分間攪拌混合後、成分5及び6を添加し更に2分間攪
拌し、そのあと成分7を投入し引き続き1分間攪拌混合
した。
【0041】c.テスト板の作製 図1(a) および(b) に示した微細凸部先端の混在した形
状を有するシボ加工が施された寸法18×30cmのガラ
ス板の四周辺縁上に前記シボ加工面を囲繞する形状の厚
さ7mmのガラス枠を載置し、該ガラス枠中へ上記配合液
を投入し、ガラス枠内へ均一に充満させた。次いで、そ
の上に平面ガラス板を載置し、横方向へハミ出たアクリ
ルシラップをウエスで拭き取り、次いでシボ面側が下面
になる状態で、下記条件にてプレス加工を行った。 成形条件 温度及び時間 100℃、60分 成形圧 50KgG/cm2 上記の成形終了後、プレス機よりガラス板ごと取りはず
し、冷却後型から取り出し、テスト板を得た。なお、ガ
ラス板のシボ加工面及び重ね置きガラス板のシラップ接
触面の両方とも、硬化後のテスト板の型離れを良くする
ために、予めシリコン離型剤で充分処理したものを用い
た。
【0042】上記の実施例6〜10および比較例6〜7
で作製した試験片の植毛感の外観判定を配合液の種類、
成形方法と共に次の表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】上記の結果より、熱硬化性樹脂を使用して
も、射出成形、押出成形などの成形方法で成形品を作製
するときは、合成樹脂の製法の場合と同様に、金型や引
き取りロールに表面の微細突部の先端が非平面状に鋭く
突出している凹凸状シボ模様加工を施すことにより容易
に高級感に富む毛羽で被覆された成形品に加工可能であ
ることが分かる。
【0045】さらに、壁、天井などの化粧板の仕上げ材
用に鋼板、アルミ板、合板、石膏ボード、パーティクル
ボードなどの基材に不飽和ポリエステル樹脂やメラミン
樹脂などの薄いフィルムを貼り合わせたものが用いられ
ているが、前記のスプレー法などによって同様の目的物
を得ることができることが分かる。
【0046】
【発明の効果】本発明の、スエード調の表面を有する合
成樹脂成形品の製造方法によれば、特定の要件を満たす
有機繊維を合成樹脂に添加配合して、金型表面の微細凸
部の先端が非平面状に鋭く突出している凹凸状シボ模様
に形成しされている金型を使用して成形することによ
り、樹脂成形品の表面での樹脂の流れを効果的に抑制し
て、繊維が成形品の表面に沿って平行に伏せることな
く、成形品の表面から突出して、ソフトなスエード調の
高級感に富む毛羽で被覆された合成樹脂成形品が、後加
工を必要とすることなく、一次形成のみで得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明に使用される金型表面
のシボ模様の微細凸部先端の模式説明図。
【図2】微細凸部の先端が平面状のシボ模様の模式説明
図。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の樹脂成形品の表面
の模式説明図。
【図4】微細凸部の先端が平面状のシボ模様金型で得た
樹脂成形品の表面の模式説明図。
【図5】本発明の実施例に使用する金型のシボ模様の平
面図。
【図6】微細凸部の先端が平面状の金型のシボ模様の平
面図。
【図7】微細凸部の先端が平面状の細かい梨地シボ模様
の平面図。
【図8】微細凸部の先端が平面状の金型の織布地模様の
平面図。
【符号の説明】
1 成形品 2 フロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06N 7/02 DAC D06N 7/02 DAC DAD DAD

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度400デニール以下、繊維長2mm
    以下の着色又は無着色の有機繊維が添加された合成樹脂
    を、金型表面の微細凸部の先端が非平面状に形成された
    微細な凹凸で形成されたシボ模様に作製された金型を使
    用して成形することを特徴とするスエード調の表面を有
    する合成樹脂成形品の製造方法。
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