JP3053916B2 - 食缶用フィルムラミネート鋼板の製造方法 - Google Patents

食缶用フィルムラミネート鋼板の製造方法

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JP3053916B2
JP3053916B2 JP3202683A JP20268391A JP3053916B2 JP 3053916 B2 JP3053916 B2 JP 3053916B2 JP 3202683 A JP3202683 A JP 3202683A JP 20268391 A JP20268391 A JP 20268391A JP 3053916 B2 JP3053916 B2 JP 3053916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性に優れ、また製
造コストを低減できる食缶用フィルムラミネート鋼板の
製造方法に関し、特に極薄の熱可塑性樹脂フィルムを用
いて良好なフィルムラミネート鋼板の製造を可能とし多
大な省資源効果,経済効果が得られるものである。
【0002】
【従来の技術】食缶としては、胴部と底部が一体となっ
た部品と蓋とからなる2ピース缶が多い。この2ピース
缶は次のような工程で製造される。 錫めっきされた鋼帯を所定寸法のシートに切断し
て、ぶりきシートを得る。
【0003】 次に、シートの片面に熱硬化性樹脂を
塗布し焼付炉にて焼き付ける。この時シートは非塗装面
を支持具に立て掛けた状態で熱処理される。熱硬化性樹
脂としては、エポキシ樹脂をベースにしてフェノール系
樹脂,ユリア系樹脂,エステル系樹脂などを硬化剤とし
て配合したものが一般に使用されており、焼付炉での温
度条件は180 〜220 ℃×10〜20分である。このようにし
て一方の面の塗装・焼付けが完了すると、もう一方の面
の塗装・焼付けが同様に行われる。
【0004】 次に、缶外面に相当する面に印刷・焼
付けが施される。この印刷・焼付けは上記塗装・焼付け
と同じ要領で行われる。 次いで、プレス加工,DP(Drawing an
d Pressing)加工,DRD(Drawing
and Redrawing)加工,DTR(Dra
wing and Thin Redrawing)加
工などによる成形加工を行って、缶胴と缶底とが一体と
なった缶体を得る。
【0005】 これに内容物を充填した後、別途製造
された蓋が取付けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、ぶりき
シートには熱硬化性樹脂が塗装されて180 〜220 ℃×10
〜2 0 分という長時間の熱処理(焼付け)が施される。
この時、塗装膜は三次元の網目構造となって、充填物に
対して耐透過性(バリヤー性)に優れたものとなり耐食
性を発揮するが、加工性の点で問題があった。すなわ
ち、プレス加工などの成形加工を施すと、塗膜に微細な
き裂が発生したり損傷を受けたり、或いは塗膜が剥離し
たりすることがあり、その結果耐食性を十分に発揮でき
なくなることがしばしばあった。具体的には、腐食性の
強い内容物を充填すると黒変(SnS)や黒点(Fe
S)が発生することがある。特に、液状,ゲル状の食品
類を保存する場合には、缶体内面に1点の塗膜欠陥が存
在してもこの部分からの缶体金属素材の腐食が進行し、
内容食品のフレーバ低下や保存性の低下をきたすととも
に、加熱殺菌,熱水処理を施すと更に悪化し、商品価値
を失ってしまう。
【0007】また、塗装に際しては前述したようにぶり
きシート毎に、しかも表裏の各面毎に長時間の熱処理を
行うので、生産性が非常に悪いという問題点もあった。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもの
で、極薄の熱可塑性樹脂フィルムを用いて耐食性,成形
性に優れた食缶用フィルムラミネート鋼板が得られる生
産性の高い食缶用フィルムラミネート鋼板の製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】なお、熱硬化性樹脂層に代えて、熱可塑性
ポリエステル樹脂フィルムを金属面に接着させるように
した被覆金属構造物の製造法が特開昭52−65588
号に開示されているが、この従来例には極薄の熱可塑性
樹脂フィルムを金属面に連続的に良好な状態で貼付する
技術に関して何らの示唆もなされておらず、専ら熱可塑
性樹脂フィルムの結晶化度を特定することが骨子とされ
ている。
【0009】また、特開平1−145137号,特開平
1−192545号には、ぶりき板にポリエステルフィ
ルムを特定の温度条件の下に熱圧着した複合鋼板の製法
が、更に特開平1−180336号にポリブチレンテレ
フタレートフィルムを熱接着した後に急冷する複合鋼板
の製造法がそれぞれ提案されているが、これらの従来技
術のいずれにも、やはり極薄フィルムを金属面に連続的
に良好な状態で貼付する技術の開示はされていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、錫付着量が0.
5 〜2.8 g/m2の錫めっき鋼板にサイズ塗料を焼き付け、
次いで予め20〜40℃に保持した前記鋼板に、25〜35℃に
温度調整した接着剤を塗布し、その後熱可塑性樹脂フィ
ルムを被覆するに際して当該フィルムから予め静電気を
除去することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明者らは、上記従来技術が有する問題点
は、塗料として熱硬化性樹脂を使用していることに原因
があると考えた。すなわち、耐食性を得るためには熱硬
化性樹脂のポリマー中にある未反応官能基を反応させて
ポリマー間の橋かけにより分子構造を三次元の網目構造
としなければならず、そのために長時間の熱処理を必要
とする。この焼付処理による熱硬化で加工性が悪くな
り、クラック等の欠陥が発生し易くなるものと考えたの
である。そこで本発明者らは、従来の熱硬化性樹脂に代
えて熱可塑性樹脂を用いることに想到した。この熱可塑
性樹脂は熱硬化は不要であるから、加工性は悪くならな
い。しかもフィルム状で提供されるから表面処理鋼帯を
予めシートに切断する必要はなく、鋼帯にフィルムを連
続的に接着剤を用いて貼付けることができるから、生産
性も大幅に向上できることになる。
【0012】以下、更に詳細に述べる。プレス加工,深
絞り加工などの成形加工後にも高耐食性を維持するため
には、フィルムのぶりきに対する接着強度を高める必要
がある。そこで本発明では、接着剤を直接ぶりきに塗布
しないで、先ずサイズ塗料をぶりきに塗布してから、そ
の上に接着剤を塗り、その後フィルムを貼付するように
した。このサイズ塗料によりフィルムの接着力を増強で
きるのである。
【0013】サイズ塗料としては、エポキシ−アミノ樹
脂,熱硬化性ビニル或いはポリエステルメラミン樹脂な
どが用途に応じて選択される。例えば、超深絞り加工用
にはビニルが、より高い耐熱性が要求されるものにはエ
ポキシ−アミノ樹脂が、またより高い耐熱性が要求され
る超深絞り加工用にはポリエステルメラミン樹脂などが
選択される。サイズ塗料は、缶内面に相当する面のみに
塗布すればよい。
【0014】接着剤としては、熱硬化性樹脂を希釈剤に
溶かしたものを用いるが、この樹脂としてはフェノール
系樹脂,エポキシ系樹脂,ウレタン系樹脂の1種もしく
は2種以上を用いればよい。フィルムとしては、熱可塑
性樹脂フィルム(以下、ラミネートフィルムという)を
用いる。ラミネートフィルムとしては、ナイロン樹脂が
好適である。その理由を述べると、ラミネートフィルム
に要求される性質には次のものがある。先ず、成形加工
を受けるので大きな伸度が必要である。また、食缶の場
合、内容物を充填後に高温(110 〜140 ℃)殺菌される
し、また冷蔵庫で保管されたりするから、耐熱性に優
れ、低温時の強度に優れ、更に缶同士が衝突してもクラ
ックが入ったり破れたりしないように衝突強度も大きく
なければならない。以上の各特性を発揮できるのはナイ
ロン系樹脂であることから、本発明ではナイロン系樹脂
を好適とした。
【0015】なお、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ナ
イロン系以外に、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムが良く知られている。このPETフィルム
はバリヤー性に優れ、各種内容物に対して良好な防食効
果を示す。しかし反面、このフィルムは成形性が悪く、
2ピース缶のような厳しい加工を受ける場合にはフィル
ムにクラックが入りやすく、加工性に限界がある。この
点、ナイロンフィルムは伸度が300 〜400 %(ASTM
−D882)もあり、過酷な成形加工にも耐えることが
できる。
【0016】本発明の食缶用フィルムラミネート鋼板を
製造するに際しては、まず、ぶりきコイルを巻き戻しな
がら片面にサイズ塗料を塗布して短時間の焼付けを行
う。次いで、接着剤を両面に塗布して直ちに乾燥炉にて
乾燥,キュアさせた後、ラミネートフィルムを貼付け、
接着特性を向上させるために20〜180 ℃の温度によるエ
ージング処理を施す。このエージング処理によりフィル
ムは硬化するが、20℃未満では硬化せず、上限は耐熱性
の点から180 ℃とした。エージング処理後は冷却して食
缶用フィルムラミネート鋼板となる。
【0017】以上の工程を経て製造できるので、シート
状でコーティングを1枚1枚実施する必要は全くなく、
連続して製造でき生産性を大幅に向上させることが可能
である。上記、ラミネートフィルムの厚みとしては、通
常50〜100 μmのものが一般的に製造されているが、耐
食性が確保できる限り経済性の点では薄い方が好まし
い。しかし余り薄いとフィルムを連続的に貼付する作業
が困難になる。その理由は、非常に薄いとフィルムを貼
付ける際にシワがより、そのまま貼付されると二重貼り
になるためである。このシワの発生を防止するのに、フ
ィルムに大きく張力をかけた状態で貼付することが考え
られるが、その場合はその張力で延伸しただけ乾燥後に
フィルムが収縮する。しかも全面で不均一な収縮が生じ
るために鋼板のラミネートフィルム厚さが不均一とな
り、その後のプレス成形加工時に損傷が多くて実用にな
らない。
【0018】そこで本発明者らは、薄いフィルムにおけ
るシワの発生原因について鋭意研究を重ね、その過程で
例えばコイル状に巻かれている厚さ20μmのラミネー
トフィルムを巻き戻した直後のフィルム面の静電気は1
5KVにも達することがあり、この帯電で薄いフィルム
面にシワが形成されることを見出した。そして、この静
電気を除去してフィルム面の帯電量を2KV以下にする
と、厚さ20μmの薄いフィルムでもシワが発生せずに
連続的に貼付できることを解明し、本発明をなすに到っ
た。
【0019】静電気の除去手段としては、種々の方法が
適用できる。例えばコロナ放電を利用した静電除去方式
や、静電気除去テープを利用した方式が有効であり、特
に、両者を併用した組合せ方式が好適に上記の帯電量2
KV以下の条件を達成できることが認められた。前者の
コロナ放電方式は、コロナ放電装置により正負のイオン
を発生させ、気流でラミネートフィルム面にイオン風と
して当てることにより除電する。この方式はイオン風に
よりフィルム面の除電と同時に除塵もできる利点もあ
る。後者の静電気除去テープ方式は、導電性の良好な金
属短繊維と合成繊維からなる導電布と導電性ゴムとの複
合体テープを用いる。これを帯電しているフィルム面に
接触させると、両者間にコロナ放電が行われてフィルム
面の除電がなされる。
【0020】更に、上記の静電気帯電によるシワの発生
の外に、接着剤の塗布時に巻き込まれる空気による微小
な気泡も、非常に薄いフィルムの均一な貼付を妨げる因
子となりうることが見出された。すなわち、前述した熱
硬化性樹脂を溶剤で希釈して鋼板面にロールコータ等で
塗布し、直ちに乾燥炉で乾燥,キュアさせる際に、接着
剤塗布膜に空気が巻き込まれて微小な気泡欠陥が生じ
る。これにより、接着剤塗布膜の膜厚が不均一になる。
この空気巻き込み現象は接着剤の粘度の大きさに因るも
のであり、希釈剤の添加量を多くして粘度を下げれば巻
き込まれた気泡の放出を促進できる。しかしながら、多
量の希釈剤を用いると規定の接着剤塗布膜厚が得られ
ず、その後に貼付されるラミネートフィルムの密着性,
加工性,防食性のいずれの点においても問題が生じる。
したがって本発明に用いる接着剤は、高濃度でしかも低
粘性に調整する必要がある。
【0021】そこで本発明にあっては、気泡欠陥を伴わ
ずに規定の接着剤塗布膜厚を得るための手段として、接
着剤を塗布する前に予め鋼板と接着剤との双方の温度を
適温に制御するものとした。その温度制御範囲は、鋼板
が20〜40℃、接着剤が25〜35℃である。その下
限温度未満では、接着剤の粘度が大きくなり塗布時に気
泡が生じやすくなる。一方、その上限温度を越えると、
接着剤の粘度が小さくなり過ぎて規定の膜厚が得られな
い。
【0022】したがって本発明の食缶用フィルムラミネ
ート鋼板の製造は、次のような工程を経て行われる。先
ず錫付着量が0.5 〜2.8 g/m2の錫めっき鋼板にサイズ塗
料を塗布し、乾燥炉で短時間焼き付ける。次いで予め20
〜40℃に保持した前記鋼板に、25〜35℃に温度調整した
接着剤を塗布し、直ちに乾燥炉で乾燥,キュアする。こ
の鋼板面に、ロールから巻き戻し静電気除去装置を通し
て除電した熱可塑性樹脂フィルムを貼付して被覆しエー
ジング処理を施す。
【0023】かくして、本発明の食缶用フィルムラミネ
ート鋼板の製造方法によれば、従来は無理とされていた
厚さ20μmという極めて薄いラミネートフィルムも工
業的規模で連続して貼付することが可能になった。しか
もその被膜品質も欠陥のない安定したものが得られるか
ら、フィルム厚さのみならずぶりき自体の錫目付量をも
大幅に削減できる。ちなみに従来の場合には、塗装膜の
耐食性を補うために錫目付量が5.6 g/m2,8.4 g/m2のぶ
りきが使用されていたが、本発明では耐食性を十分なも
のにできるから、高価な錫の目付量を0.5 〜2.8 g/m2
削減でき、その省資源効果及び経済的効果は非常に大き
い。
【0024】
【実施例】板厚0.13 mm の冷延鋼板にハロゲン方式の電
気錫めっきラインで、錫めっきを施してぶりきに仕上げ
た。めっき量の異なるもの3種類とした。めっき条件を
表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】このように仕上げたぶりきに、サイズ塗料
として熱硬化性ビニルを3.0 g/m2塗布し、210 ℃×15秒
の高温短時間で焼付けを行った。続いて、下記組成の接
着剤を乾燥重量で5 g/m2となるように塗布し、170 ℃×
30秒の条件で乾燥させ、直ちに無延伸ナイロン6フィル
ム(東レ合成フィルム(株)製,レイファンNOT−1
401)をそれぞれ貼付けてコイル状に巻き取った。用
いたフィルムの厚さは20μmと30μmと40μmと50μm
との四種とし、別々に貼付してそれぞれの試料を製造し
た。上記ナイロンフィルムは、貼付する前にコロナ放電
方式の静電気除去装置と静電気除去テープとを用いて静
電気を除去したものを貼付した。
【0027】〔接着剤〕 主 剤:ポリエステル樹脂,
エポキシ樹脂 硬化剤:脂肪族系ポリイソアミド 混合比:主剤:硬化剤=15:2 その後、コイルに保熱用ボックスを被せて時効処理を行
って仕上げ、後述の各種評価項目について評価を行っ
た。
【0028】上記接着剤の塗布時のぶりきの温度は、25
℃と35℃との二種とした。また、接着剤の温度は30℃と
した。一方、比較のため、接着剤塗布時の接着剤温度を
20℃,40 ℃としたもの、及びぶりき温度を15℃,45 ℃と
した上記とは異なる供試材を製造した。これらの各供試
材について接着剤付着量,接着剤層における気泡発生の
有無,ラミネートシートの帯電量,シワ発生状態,フィ
ルム接着強度を測定した結果を表2に示す。なお、フィ
ルム接着強度は、フィルムの端を持ち引っ張ると殆ど抵
抗なく剥がれたものは強度不足と判定し、剥がすのに抵
抗が感じられたものは強度大と判定した。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示すもののうち、接着剤層に気泡発
生が認められず、フィルムはシワがなく貼付され、フィ
ルム接着強度も大きかったものについて、以下の品質評
価を行った。 1)碁盤目エリクセン試験 供試材の表面に約1mm間隔で11×11の碁盤目状の傷
を入れて、エリクセン試験機により4mmの張出し加工を
行ない、碗状に膨出させた部分に接着テープを貼付・剥
離させてその剥離状態を表3のように評価した。
【0031】
【表3】
【0032】2)1T折曲げ加工試験 デュポン衝撃機を用いて、供試材に重さ2.3 Kgの錘を3
0cmの高さから落下させて供試材を折曲げ、その加工後
の試験片を3%NaCl水溶液に電極(陰極)とともに
浸漬し、6Vの電圧を4秒間印加して電流値で評価し
た。金属露出部があれば、その露出面積に比例した電流
が流れることから、塗膜やフィルム層の破損の程度が判
定できる。
【0033】3)加工性評価 供試材から直径80mmの円板を打ち抜いて絞り比2.0 で
円筒に加工した。この円筒に130 ℃×30分のレトルト殺
菌処理を施して内外面を目視により観察し、その結果疵
が1ヵ所でもあれば、或いはフィルム等が剥離していれ
ば、不合格とした。
【0034】4)エナメルレーター試験 上記項目3)で得られた缶体内に、電解液として3%N
aCl水溶液を満たしてこの中に電極を漬け、缶体を陽
極として6Vの定電圧を4秒間印加し、この時流れる電
流値をもって金属露出部の面積を評価した。 5)実缶試験 缶体に市販のまぐろ油漬の内容物をリパックして、缶蓋
を二重巻き締めにより取付け、130 ℃×30分のレトルト
殺菌処理後、12ヵ月間50℃に保持した。その後、開
缶して内容物のフレーバー評価,腐食状況,フィルム等
の密着状況を調査した。
【0035】以上の評価試験の結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】本発明によれば、過酷な試験評価を行った
にもかかわらず良好な結果が得られた。比較例のうち除
電を行わなかったもの(比較例1,8,10,12)に
ついては、貼付したラミネートフィルムにシワの発生が
多く、評価不良であった。なお、上記実施例ではぶりき
に適用したが、クロムめっき鋼板にも適用することがで
きる。
【0038】また、本発明の食缶用フィルムラミネート
鋼板は2ピース缶用に限らず、3ピース缶用にも適用で
きる。また、フィルムを表裏両面に貼り付けるものにも
適用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂フィルム
をぶりきに接着剤で貼り付けるに際して、ぶりきの温度
と接着剤の温度とを接着剤塗膜に気泡が生じない最適温
度に保つとともに、熱可塑性樹脂フィルムの静電気を予
め除電するものとしたため、シワの発生が防止されて、
従来用い得なかった極めて薄い熱可塑性樹脂フィルムを
貼付することが可能となり、その結果従来に比し大幅に
生産性を向上させることができる。また、錫目付量も大
幅に減らすことができるとともに、耐食性,加工性等に
も非常に優れたものが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 寿勝 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 秋山 知彦 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 鳴海 宏 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 田中 誠 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 中谷 光義 千葉県千葉市塩田町385番地の1 川鉄 鋼板株式会社千葉工場内 審査官 鴨野 研一 (56)参考文献 特開 昭56−80455(JP,A) 実開 平2−150235(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B05D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫付着量が0.5 〜2.8 g/m2の錫めっき鋼
    板にサイズ塗料を焼き付け、次いで予め20〜40℃に保持
    した前記鋼板に、25〜35℃に温度調整した接着剤を塗布
    し、その後熱可塑性樹脂フィルムを被覆するに際して当
    該フィルムから予め静電気を除去することを特徴とする
    食缶用フィルムラミネート鋼板の製造方法。
JP3202683A 1991-08-13 1991-08-13 食缶用フィルムラミネート鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP3053916B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102391144B1 (ko) * 2020-10-05 2022-04-28 김용봉 연결작업이 편리하고 연결상태가 견고한 잔디 보호매트

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KR102391144B1 (ko) * 2020-10-05 2022-04-28 김용봉 연결작업이 편리하고 연결상태가 견고한 잔디 보호매트

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