JP3053870U

JP3053870U - スポンジ束子

Info

Publication number: JP3053870U
Application number: JP1998003100U
Authority: JP
Inventors: 修敏新谷
Original assignee: ワコー株式会社
Priority date: 1998-05-08
Filing date: 1998-05-08
Publication date: 1998-11-17
Anticipated expiration: 2004-05-08

Abstract

(57)【要約】【課題】耐久性に優れ、軽い力で洗浄効果が高いうえ、
使用する洗剤の量も節減できるスポンジ束子を提供でき
るようにすることを目的とするものである。【解決手段】通水性を有する袋状部材と、該袋状部材に
挿入された吸水性を有するスポンジ部材とからなり、ス
ポンジ部材を貫通し袋状部材の表面から裏面に亙って施
された縫絡により袋状部材とスポンジ部材とを固定する
ようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は台所や洗面所、浴室等で使用される洗浄用のスポンジ束子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般にこの種のスポンジ束子、例えば食器や調理具等を洗浄する時に使用されるスポンジ束子は、通水性を有する袋状部材の内方に長方形に形成された吸水性を有するスポンジ部材を挿入し、その挿入口を封止して形成されており、使用にあたっては、このスポンジ束子を手に持ち、スポンジ部材に洗剤を含浸させてからこれを食器や調理具等に押し当てて擦り、汚れを落とすようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、スポンジ束子で洗浄される食器や調理具等の被洗浄面は複雑な曲面に形成されており、この複雑な曲面の洗浄面から受ける反力でスポンジ束子を形成する袋状部材とスポンジ部材が個別に動いてずれたり、スポンジ部材が捩れたりして使い難くなるだけでなく、磨耗や千切れたりしやいことから、耐久性にも問題があった。

【０００４】しかも、上記した一般的なスポンジ束子ではその表面が平面状になっており、この平面状の表面全体が食器や調理具等の被洗浄面に当接することから、手でスポンジ束子を押圧する押圧力が平面状の表面全体に分散してしまい、単位当たりの接圧が低く、洗浄効果が低くなるか、強い押圧力を必要とするという問題もあった。

【０００５】更に、スポンジ部材に含浸させる洗剤もスポンジ束子の平面状の表面全体に広がることから、多量の洗剤を必要とし不経済となるだけでなく、使用された多量の洗剤は排水とともに下水に排出されることから、環境汚染の要因にもなるという問題もある。本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、耐久性に優れ、軽い力で洗浄効果が高いうえ、使用する洗剤の量も節減できるスポンジ束子を提供できるようにすることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本発明にかかるスポンジ束子は、まず、通水性を有する袋状部材と、該袋状部材に挿入された吸水性を有するスポンジ部材とからなり、スポンジ部材を貫通し袋状部材の表面から裏面に亙って施された縫絡により袋状部材とスポンジ部材とを固定するようにしたことを特徴とするものである。

【０００７】また、スポンジ部材が長方形であって、その長さ方向に離間した二点をライン状に形成された縫絡により袋状部材とスポンジ部材とを固定するようにしたことや、縫絡により袋状部材の表面部分に液体もしくは気泡の貯溜用凹部を形成したり、スポンジ部材を性質の異なる素材を重ね合わせて構成するようにしたことも特徴の一つである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案のスポンジ束子にかかる実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、スポンジ束子の斜視図、図２は平面図、図３及び図４は夫々図２におけるＡ−Ａ線及びＢ−Ｂ線断面図であって、図中符号１はスポンジ束子を全体的に示す。このスポンジ束子１は、通水性を有する袋状部材２と、この袋状部材２内に挿入されたスポンジ部材３とからなる。そして袋状部材２とスポンジ部材３とは、袋状部材２の表面２ａ側からスポンジ部材３を貫通し裏面２ｂ側に亙って施された縫絡４により固定されている。

【０００９】上記袋状部材２は、ナイロン繊維等の摩擦に強い合成樹脂繊維でネット状状に編織されたシート素材を一端がスポンジ部材３の挿入口として開口する袋状に形成してあり、この開口部分はスポンジ部材３が挿入されてから縫着により閉塞される。また、袋状部材２に挿入されるスポンジ部材３は、吸水性を有し硬さ（性質）の異なるスポンジ素材３ａ・３ｂを略同形状の長方形に形成し、両スポンジ素材３ａ・３ｂを重ね合わせてなる。

【００１０】そして、スポンジ部材３を挿入口から袋状部材２に収納したのち、その開口部分を縫着する。この開口部分の縫着時にはその１部に図１及び図２に示すようにテープを“Ｕ”字状に折り曲げた吊持片５を挟み込んだ状態で縫着してある。この吊持片５はスポンジ束子１の不使用時にフック等の係止具に係止させてスポンジ束子１の水切りや収納に使用される。スポンジ部材３が収納され袋状部材２の開口部分が縫着された後、スポンジ束子１にはライン状の縫絡４が形成される。この縫絡４は、スポンジ部材３の長手方向に離間した二点Ｘ・Ｙ間に亙りミシンにより袋状部材２の表面２ａ側と裏面２ｂ側とをミシン糸６で縫着したものでこの部分のスポンジ部材３は圧縮された状態となる。

【００１１】このスポンジ部材３の長手方向に離間した二点Ｘ・Ｙは小径の円形に形成されており、ライン状の縫絡４は両点Ｘ・Ｙの一方から他方に亙って１筆書き状に形成されるので両点Ｘ・Ｙが独立した円形のものにくらべてミシン糸の端部処理やスポンジ束子１の移動等が少なくて済み生産性が高くなるだけでなく、両点Ｘ・Ｙを連結するライン状の縫絡４部分で袋状部材２とスポンジ部材３との固定が強固なものとなる。しかして、袋状部材２の一方の表面２ａ側と他方の裏面２ｂ側とをミシン糸６で縫着すると、表裏の袋状部材２がライン状の縫絡４部分に引き寄せられることから、袋状部材２とスポンジ部材３との間の隙間が無くなり、袋状部材２がスポンジ部材３の表面にピッタリと張りついた状態で恰も一体物であるかのようになるので更に使い易いスポンジ束子１となる。

【００１２】また、上記ライン状の縫絡４部分は袋状部材２の表面部分から退入した状態となり、この退入した部分は洗剤等の貯溜用凹部７として作用する。尚、上記の実施の形態で例示したスポンジ束子１ではスポンジ部材３を硬さのことなるスポンジ素材３ａ・３ｂを略同形状の長方形に形成し、両スポンジ素材３ａ・３ｂを重ね合わせるようにしてあるが、本考案はこうしたものに限られず、１種類のスポンジ素材であってもよいし、３つ以上のスポンジ素材を使用することができるのは勿論のことである。そして、例えば３つのスポンジ素材を層状に重ね合わせて使用にする場合中間部分のスポンジ素材を硬くして芯材とすると、しっかりとした腰のある使い勝手が更によいスポンジ束子１にすることができる。

【００１３】また、上記の実施の形態で例示したスポンジ束子１ではスポンジ部材３の長手方向に離間した二点Ｘ・Ｙをミシン等で縫絡４を形成するようにしてあるが、こうしたものに限られず、熱溶着で形成することもできるし、袋状部材２はネット状に編成されたものにかえて、織製された布帛や多孔性シートで形成することもできるのはいうまでもないことである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上に説明したように、通水性を有する袋状部材に吸水性を有するスポンジ部材を挿入し、スポンジ部材を貫通し袋状部材の表面から裏面に亙って施された縫絡により袋状部材とスポンジ部材とを固定するようにしてあるので、食器や調理具等の複雑な被洗浄面を洗浄した時にこの複雑な曲面の洗浄面から受ける反力でスポンジ束子の袋状部材とスポンジ部材とがずれうごくのを防止することができる。これによりスポンジ部材が袋状部材の中で捩れたりすることがなく使い易いものにすることができる。しかも、スポンジ部材が袋状部材の中で磨耗したり千切れたりするのをなくしてその耐久性も大幅に向上させることができるという利点もある。

【００１５】また、スポンジ部材と袋状部材とを縫絡により固定して袋状部材の表面部分に液体もしくは気泡の貯溜用凹部を形成したものでは、この貯溜用凹部が形成された分、スポンジ束子の食器や調理具等の被洗浄面に当接する面積が減少することから、手でスポンジ束子を押圧する押圧力の分散が少なく、スポンジ束子の洗浄面の単位当たりの接圧の低下も少なく、高い接圧を維持できることから、洗浄効果も高くできるとともに、押圧力も少なくてすみ洗浄嘘さも軽く早く行うことができると言う利点もある。

【００１６】更に、スポンジ部材と袋状部材とを縫絡により固定して袋状部材の表面部分に液体もしくは気泡の貯溜用凹部を形成したものでは、この貯溜用凹部に洗剤やその泡等を貯溜することができ、此処に貯溜された洗剤で広い被洗浄面を洗浄することができる。これにより洗剤を有効に利用してその使用量を減少させて洗剤の浪費による不経済をなくすことができる。また、洗剤の使用量を減らせることにより排水中の洗剤濃度を低くして排水中の洗剤による環境汚染を可及的に防止することができる等の利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案にかかるスポンジ束子の斜視図であ
る。

【図２】は本考案にかかるスポンジ束子の平面図であ
る。

【図３】は図２におけるＡ−Ａ線図である。

【図４】は図２におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１・・・スポンジ束子２・・・袋状部材２ａ・・・袋状部材の表面２ｂ・・・袋状部材の裏面３・・・スポンジ部材４・・・縫絡７・・・貯溜用凹部Ｘ・Ｙ・・・離間した二点

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】通水性を有する袋状部材と、該袋状部材に
挿入された吸水性を有するスポンジ部材とからなり、ス
ポンジ部材を貫通し袋状部材の表面から裏面に亙って施
された縫絡により袋状部材とスポンジ部材とを固定する
ようにしたことを特徴とするスポンジ束子。
【請求項２】スポンジ部材が長方形であって、その長さ
方向に離間した二点をライン状に形成された縫絡により
袋状部材とスポンジ部材とを固定するようにしたことを
特徴とする請求項１に記載のスポンジ束子。
【請求項３】縫絡により袋状部材の表面部分に液体もし
くは気泡の貯溜用凹部を形成したことを特徴とする請求
項１又は請求項２に記載のスポンジ束子。
【請求項４】スポンジ部材を性質の異なる素材を重ね合
わせて構成するようにしたことを特徴とする請求項１乃
至請求項３の何れか１項に記載のスポンジ束子。