JP3052680B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

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JP3052680B2
JP3052680B2 JP5195823A JP19582393A JP3052680B2 JP 3052680 B2 JP3052680 B2 JP 3052680B2 JP 5195823 A JP5195823 A JP 5195823A JP 19582393 A JP19582393 A JP 19582393A JP 3052680 B2 JP3052680 B2 JP 3052680B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料噴射装置
に係り、特に燃焼状態を所望の状態に補正する内燃機関
の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術では、例えば特開昭58−2177
32号公報に記載されているように、エンジン回転角速度
を検出し、この角速度の変動が大きいときに燃焼改善の
ため点火や燃料の制御パラメータの補正を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、回
転を検知するセンサの回転情報の検知精度が、制御の為
の必要な精度より充分高いことを前提としていると共
、たとえばセンサ個体により回転情報の検知精度のば
らつき及びエンジン個々の燃焼ばらつきに基づく個体差
への対処考慮した燃焼状態悪化判定がなされていなか
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、エンジンの
燃焼状態を検知して燃焼を制御する燃料噴射制御装置に
おいて、前記エンジンの実際の燃焼状態に基づく燃焼安
定度指標値を求める手段と、前記エンジンの燃焼安定度
が概ね一定と考えられる実際の安定運転状態にて前記燃
焼安定度指標値に基づき定められる第1の燃焼悪化判定
用指標値を求める第1の手段と、エンジンの各運転状態
に応じて予め定められた許容しきい値幅であるところの
第2の燃焼悪化判定用指標値を求める第2の手段と、前
記第1の燃焼悪化評価値と第2の燃焼悪化評価値の双方
の値に基づき燃焼悪化の許容限界となる第3の燃焼悪化
判定用指標値を求める第3の手段と、前記第3の燃焼悪
化判定指標値と前記燃焼安定度指標値とによって燃焼状
態の悪化を判定する燃焼状態悪化判定手段を有すること
を特徴とする燃料噴射制御装置により達成される。
【0005】
【作用】エンジンの燃焼状態を表すパラメータによる燃
焼状態の悪化の判定を、基準となる燃焼状態での燃焼状
態を表すパラメータの値を基準値として行う。
【0006】
【実施例】以下、本発明による内燃機関の燃料噴射制御
装置について、図示の実施例により詳細に説明する。
【0007】図2は本発明で適用されたエンジンシステ
ムの一例を示したもので、図においてエンジンが吸入す
べき空気はエアクリーナ1の入口部2から取り入れら
れ、吸気流量を制御する絞弁が収容された絞弁ボディ5
を通り、コレクタ6に入る。そして、ここで吸気はエン
ジン7の各シリンダに接続された各吸気管8に分配さ
れ、シリンダ内に導かれる。
【0008】他方、ガソリンなどの燃料は、燃料タンク
9から燃料ポンプ10により吸引,加圧された上で、燃
料ダンパ11,燃料フィルタ12,燃料噴射弁(インジ
ェクタ)13,それに燃圧レギュレータ14が配管され
ている燃料系に供給される。そして、この燃料は上記し
た燃圧レギュレータ14により一定の圧力に調圧され、
それぞれのシリンダの吸気管8に設けられている燃料噴
射弁13から吸気管8の中に噴射される。
【0009】又、上記空気流量計3からは吸気流量を表
わす信号が出力され、コントロールユニット15に入力
されるようになっている。
【0010】更に、上記絞弁ボディ5には絞弁5の開度
を検出するスロットルセンサ18が取付けてあり、その
出力もコントロールユニット15に入力されるようにな
っている。次に、16はディスト(ディストリビュータ)
で、このディストにはクランク角センサが内蔵されてお
り、クランク軸の回転位置を表わす基準角信号REFと
回転速度(回転数)検出用の角度信号POSとが出力さ
れ、これらの信号もコントロールユニット15に入力さ
れるようになっている。
【0011】20は排気管に設けられたA/Fセンサ
で、実運転空燃比を検出するために、所望の空燃比に対
し、濃い状態か,薄い状態かを検出しており、この出力
信号もコントロールユニット15に入力されるようにな
っている。
【0012】コントロールユニット15の主要部は、図
3に示すようにMPU15A,ROM15B,RAM1
5CとI/OLSI15Dよりなり、エンジンの運転状
態を検出する各種のセンサなどからの信号を入力として
取り込み、MPU15Aで所定の演算処理を実行し、こ
の演算結果として算定された各種の制御信号を出力し、
上記した燃料噴射弁13や点火コイル17に所定の制御
信号を供給し、燃料供給量制御と点火時期制御とを遂行
するのである。
【0013】このようなエンジンにおいて、吸入する混
合気の空燃比を理論空燃比よりリーンに設定すると、図
5に示す特性となる。トルク,エンジン回転数を一定に
保ちながら空燃比をリーンにすると、トルク維持のため
吸入空気量が増大するのでポンピングロスが低減するこ
とと、比熱比が向上するため燃料消費率を向上できる。
一方、NOx排出濃度は空燃比がリーンになることで燃
焼温度が上昇せず低下する。また、トルク変動で定量的
に把握できる燃焼安定度は空燃比がリーンになることで
混合気の着火性が悪くなるためあるリーン空燃比までゆ
るやかに悪化し、それを超えると急に悪化する。このよ
うに、リーン領域での燃焼安定度,NOx排出濃度は空燃
比に大きく依存する。
【0014】リーン空燃比での運転時、ディスト16に
内蔵するカム軸の角度信号、もしくはクランク軸の回転
を直接検知する信号、たとえばリングギヤ部での回転検
知により、クランク軸の回転を吸気,圧縮,爆発,排気
の行程に対し十分短い時間で測定し、これにより微小回
転での回転角速度を測定する。この各位相での回転角速
度はエンジンの行程により図8に示すように変動する
が、回転角速度の変動は各気筒の爆発行程での爆発力が
主な発生源であるから、この変動を解析することにより
エンジンの燃焼状態を知ることが出来る。
【0015】しかし、上記の回転検知センサは、それ自
体及び回転の伝達経路に存在する個体間のばらつきによ
り、真のクランク軸の回転に対し、誤差を持つ回転情報
を出力する。したがって、その回転情報により計算され
る燃焼安定度指標Pは、図6に示すように個体により燃
焼安定度との関係が異なる。ここで、燃焼安定度指標P
に対する回転情報誤差の影響の大きさは、燃焼安定度に
無関係に、常に一定であるため、その個体のみに依存
し、その結果、各個体の燃焼安定度と燃焼安定度指標P
との関係は、図6に示すように平行移動の関係となり、
傾きは個体によりばらつかない。
【0016】したがって、燃焼安定度が概ね一定と考え
られる安定した運転状態の時を基準位置とし、その点で
の燃焼安定度指標Pを燃焼悪化判定の基準とする。すな
わち図6に示すように、基準位置における燃焼安定度指
標Pを燃焼悪化判定用に学習値Dとして記憶し、燃焼悪
化の判定は、燃焼安定度指標Pと学習値D+スライスレ
ベルSとの比較により行う。これにより、各個体の燃焼
安定度と燃焼安定度指標Pの関係のばらつきを修正で
き、真の燃焼悪化の判定を精度良く行える。その判定の
結果に従って、例えばリーンバーンによる燃焼悪化の場
合は燃焼安定性が悪い場合にはリッチ方向に、燃焼安定
がよい場合はリーン方向に、補正を行う。これにより、
所望の燃焼状態を得ることができる。
【0017】上記の処理を、概略の処理フローで表した
一実施例を図1に示す。本実施例では、ステップ10
1,102により回転角速度から燃焼安定度指標Pを計
算している。
【0018】次に、エンジンの部品に故障がある場合は
燃焼安定が確保できないため、ステップ103により、
以下の判定処理を行わずに終了する。次に、例えば加速
時,エンジン始動時など、燃焼安定度を正確に評価でき
ない条件の時は、ステップ104により、以下の処理を
行わずに終了する。本判定を行うための判断材料は、エ
ンジン回転数,エンジン水温,車速,エンジン負荷,ス
タータモータ作動信号,絞り弁開度,変速段位置などが
考えられる。
【0019】続いて、燃焼安定の判定を行うか否か、本
実施例ではリーン運転中か否かをステップ105で判定
する。リーン運転中の場合はステップ108で別途示す
燃焼安定度評価を行う。リーン運転でないときは、ステ
ップ106に進み、上記燃焼安定度悪化判定用の学習値
Dを求めるために、まず学習を行う条件か否かを判定す
る。学習値Dの学習は、そのエンジン運転条件が安定し
ており、常に精度良い一定の燃焼安定度を得られる運転
領域で行う必要があるため、その条件を満たす運転条件
を判定する。具体的には、ステップ104で示したよう
な判断材料により判定を行うが、判定の条件はステップ
104とは異なる。例えば、エンジンがアイドル等の無
負荷運転状態の時、回転数,負荷が一定条件以内の時な
どの、一定の燃焼安定度を示す特定の運転条件がある。
あるいは燃料カットの状態の時はエンジンで燃焼が起き
ていないため燃焼安定度は0であり、この時の燃焼安定
度指標Pを学習すれば個体によるばらつきを精度良く吸
収できる。また、条件安定の為の時間的判定条件も判定
に加えると良い。
【0020】つぎに、ステップ107で学習値Dの更新
を行う。本実施例では、その時点での燃焼安定度指標P
と従来持っていた学習値Dの差分に重みWを掛け、従来
持っていた学習値Dに加えることで更新を行っている。
この操作を繰り返すことにより、学習値Dはステップ1
06で判定された運転条件における燃焼安定度指標Pに
等しくなり、学習の収束が終了する。重みWは、燃焼安
定度指標Pと学習値Dの差分の大きさによって変化させ
ることにより、収束が早くなり、かつ発散しにくい。
【0021】ここで、ステップ107による学習の収束
は、リーン運転時の燃焼悪化判定の基準となるものであ
るから、学習の収束に至るまでリーン運転を禁止するこ
とは燃焼悪化を防止する上で有効である。具体的には、
ステップ107での学習成立回数をカウントし、所定回
数まではリーン運転を禁止する、あるいは、燃焼安定度
指標Pと学習値Dの差分が所定値以内となるまでリーン
運転を禁止するなどの手段が考えられる。
【0022】また、学習値Dは不揮発性のメモリに格納
することで、一旦得た収束の結果を、以後活用でき、リ
ーン運転禁止の頻度を少なくすることができる。
【0023】以上の処理は、燃焼安定度指標を1個のパ
ラメータとした例であるが、多気筒エンジンの場合は燃
焼安定度を各気筒ごとに計算し、上記フローを各気筒ご
とに行うと一層緻密な制御ができる。
【0024】次に、図1のステップ108、燃焼安定度
評価補正ルーチンについて図4で詳しく述べる。ステッ
プ110において、まず比較の基準とする学習値Dを該
当運転状態の回転数,負荷により検索する。本実施例で
は、図1に示す燃焼安定度の学習値Dは、ステップ11
0に示すような運転領域別にD11,D12のように学習さ
れるものである。これは、基準の運転状態において、燃
焼安定度が運転領域によって異なる場合、これを区別し
て学習する必要があるため、運転領域をエンジン回転
数,負荷によって細分化し、それぞれの領域で独立に学
習値Dを設けている例である。ここで、回転数,負荷を
エンジン運転領域の定義に用いているのは、本パラメー
タの区分により燃焼安定度を精度良く再現できる例に対
処するためであり、ほかにエンジン水温,絞り弁開度な
ど燃焼安定度の特定に有効なパラメータがある場合は、
その値を用いて学習値の検索を行えばよい。
【0025】次に、ステップ111において、該当運転
状態の時の燃焼安定度の評価に用いるスライスレバルS
を検索する。これは、各運転状態で基準となる燃焼安定
度が異なるため、燃焼安定度許容上限までの余裕分がそ
れぞれ異なることに対応するための制御である。ステッ
プ110,111でそれぞれ検索したD,Sによりステ
ップ112,114で燃焼安定度指標Pとの比較を行
う。ステップ112では、燃焼安定度指標PがD,Sの
和よりも大きい場合即ち燃焼安定度が許容値より悪い場
合を判定し、該当する場合は、所望の空燃比よりリーン
であるためステップ113でリッチ化の処理を施す。逆
に、ステップ114では燃焼安定度が許容値より良く、
図5においてリーン空燃比運転域のリッチ側限界を超え
ている場合を判定し、該当する場合は、空燃比がリッチ
であるためステップ115でリーン化の処理を施す。こ
こで、ステップ114での判定基準はステップ112の
D,Sの和でなく、空燃比がNOx濃度の許容上限を超
えないときの燃焼安定度を得る必要があるためD,Sの
和から所定値Zを引いた値が判定基準となる。
【0026】本処理を繰り返し行うことにより、空燃比
を図5に示すリーン空燃比運転域内へと導くことができ
る。
【0027】ここで、図4に示す実施例では、学習値D
が燃焼安定度を評価する運転条件において充分学習され
ている必要がある。そこで、学習が充分進行していない
領域でも燃焼安定度の評価が行えるよう学習値Dを推定
する方法について図7を用いて説明する。図7は運転領
域に割り付けられた、各学習値と、各運転状態での燃焼
安定度の分布を示した例である。ここで、D22,D32
ほぼ等しい燃焼安定度である。したがって2つの領域の
いずれかで信頼できる学習値が得られたときは、他方の
学習値も同じ学習値を用いれば2つの運転条件で燃焼安
定度の評価が可能である。また、各運転領域での学習値
の相対差が予めわかっている場合は、学習がある1つの
運転条件で充分に進行したとき、その値に応じて各運転
領域での学習値を推定できる。その具体的処理フローを
図10に示す。まずいずれかの学習領域で学習が成立し
たときを処理の起動とする。これがステップ130であ
る。次に、その時点の学習で、学習が十分進行している
か否かをステップ131で判定する。具体的には、学習
の成立回数が所定値以上である、燃焼安定度指標Pと学
習値Dの差分が所定値以内である、などである。学習が
十分進行していないときは、ほかの学習領域を推定する
ことはできないので、処理を終了する。学習が進行して
いるときは、ステップ132に進む。ここで、学習が成
立した領域以外の領域を選択し、次のステップ133
で、その領域での学習進行状態を判定する。学習が十分
進行しているときは、その領域の学習値を推定する必要
はないので、ステップ134以下は実行しない。学習の
進行が不十分な場合、ステップ134で、ステップ13
0で学習が成立した領域との、予めわかっている学習値
の相対差を検索する。ステップ135では、ステップ1
34で求めた相対差とステップ130で求めた学習値に
より学習値を推定する領域の学習値を計算し書き込む。
次にステップ136では、以上の処理をすべての学習領
域に行ったかをチェックし、終了していない場合は、ス
テップ132以下の処理を繰り返す。本処理により、学
習の十分進行していない領域においても、信頼できる学
習値が得られ、広い運転領域において燃焼安定度の判定
が可能となる。
【0028】また、学習値Dの学習を燃料カット時に行
った場合の燃焼安定度評価、補正ルーチンの一実施例を
図9に示す。この場合は、学習を行う運転条件が燃料カ
ット中の1条件であるため学習値はDFCUTの1個とな
る。DFCUTは、燃焼安定度が0の時の燃焼安定度指標で
あるから、各個体の燃焼安定度指標Pのオフセット量を
表している。したがって、燃焼安定度指標PからDFCUT
を引くことにより、個体別のオフセット量は吸収され、
その値は燃焼安定度の判定に用いることができる。よっ
て、ステップ120ではPからDFCUTを引いて、その値
をPREALとする。次に、ステップ121で燃焼安定度上
限限界のスライスレベルS1と比較する。PREALがこれ
を超える場合は、燃焼安定度が許容値内となるよう空燃
比をリッチ化する。ステップ123では、燃焼安定度下
限限界のスライスレベルS2と比較して燃焼安定度が所
定値内となるように空燃比をリーン化する。本実施例の
一連の処理の基本原理は、図4に示した実施例の原理と
同じであり、本処理を繰り返すことにより燃焼安定度を
所望の範囲内とする事ができる。また、学習値Dの学習
条件をアイドル時など1個の個所に限定する場合は、本
処理と同様の形態となる。
【0029】また、上記の実施例では、燃焼安定度指標
を個体別に学習する方法であったが、燃焼安定度の計算
のためのセンサからの入力を補正する方法について、エ
ンジン回転により燃焼安定度を評価する例で以下に説明
する。
【0030】エンジンの回転は、図8に示すように各気
筒の行程に同期し、変動するが、回転角速度の変動は各
気筒の爆発行程での爆発力が主な発生源であるから、こ
の変動を解析することによりエンジンの燃焼状態を知る
ことが出来ることは、前に述べた。従って、エンジンの
行程に対し、十分短い時間で回転角速度を測定し、燃焼
安定度指標の計算を行う。具体的には、エンジンの回転
を代表するクランク軸またはカム軸に、計測したい角度
間隔でマーキングを施したセンサを取付け、マークの通
過を検知するセンサの検知部からの出力により回転軸の
変位を知る。回転角速度は、2個もしくはそれ以上のマ
ーキングの間の時間を測定することにより得られる。こ
こで、マーキングの位置を誤差なしに施すことは不可能
であるために、回転角速度の測定結果は、誤差を含み、
その誤差の値は個体に依存する。さらに、回転系に存在
するバックラシュなどにより不規則的に発生する誤差も
存在する。
【0031】このような測定系において、測定されたエ
ンジン回転数の例を図11に示す。横軸は時間であり、
TRi-2,TRi-1,TRi は図12の説明で詳しく述べ
るが、各時刻における角度変位で計算されたエンジン回
転数の補正値の平均値であり、そのため、不規則的に発
生する誤差はほぼ除かれている。ここで、各平均値を算
出するタイミングの間は短い時間であるため、その間の
角加速度変化はある範囲に限られる。従って、T
i-2,TRi-1の間の傾き即ち角加速度はTRi-1,T
i においてもある程度保持される。図を用いて説明す
ると、TRi-2,TRi-1 の傾きの延長上にTRi の予
想値TIi があり、TRi は、誤差がない場合は、TI
i を中心とする破線の範囲内にあることとなる。ここ
で、破線の傾きはTRi-1,TRi間で起こりうる角加速
度変化の最大,最小値である。したがって、実測値TR
i が図のように破線の範囲外にある場合はTRi の測定
が個体差による誤差を含んでいるといえる。誤差の大き
さは破線範囲からのずれの大きさで把握できるため修正
係数を学習できる。
【0032】以上の回転測定系の個体ばらつきを吸収す
る方法を具体的に実行する処理フローの一実施例を図1
2に示す。まず、ステップ140において補正を行うク
ランク角変位の位置iを認識する。次に、ステップ14
1でその回の処理でのマーキング間の所要時間Tiを計
測する。ステップ142では、計測したTiに、個体ば
らつきを吸収した学習値KCOを乗じ、TRi を求め
る。学習以前では、KCOは1となる。次に、ステップ
143でそれ以降の学習の処理を行える条件か否かを判
定する。学習するためには、エンジンの運転状態が安定
している必要があり、具体的にはエンジン始動中でない
こと、大きい加減速中でないこと、などがある。本条件
が満たされた場合、ステップ144に進み、TRiの平
均値TRiを求める。本実施例では、メモリの使用量が
少ない加重平均を使用し、平均値を求めている。本処理
により、不規則な誤差をほぼ除くことができる。ステッ
プ145では、ステップ144の平均処理が十分な母集
団を得、信頼できる平均値となったかを判定する。平均
値が信頼できる値となったとき、ステップ146に進
み、1個、及び2個前の所要時間の平均値TRi-2,T
i-1を用いてTRi の予想値TIi を求める。本実施
例では、予想を1次補間で求めているが、要求精度に応
じて、使用する平均値の数,補完の次数,方法を適宜選
択すれば良い。この予想値TIiと実測値の平均値TRi
の違いをもとに学習値KCOの補正量△KCOを求め
る。本実施例では、2つの値の比TRi/TIiをパラメ
ータとして△KCOを図中のテーブルから検索して求め
ている。2つの値が同じ、もしくは差が小さい場合、言
い換えれば図11中でTRi が破線内にあるときはその
時用いていたKCOが正しいと考えられるため、KCO
を補正する必要はなく、△KCOは0となる。また、2
つの値の差が大きい場合は、KCOの値が適正でないた
め、TRiがTIiに近づくような△KCOを検索するよ
うにテーブルを設定する。このようにして求めた△KC
Oを用いて、ステップ148でKCOを修正し、処理を
終了する。この操作を、例えばTi を計測する毎に実行
することにより個体ばらつきを吸収した、KCOを学習
することができる。
【0033】以上の説明では燃焼安定性のパラメータ計
算を、回転角速度をもとに行う例を示したが、他のエン
ジンパラメータ、例えばシリンダ内の燃焼圧力あるいは
シリンダブロックの振動,点火放電状態の変化などをも
とに行っても同様の効果が得られる。
【0034】また、以上の説明では、リーン運転により
空燃比を操作する場合であったが、他にEGR量,吸入
空気量,点火時期を操作する方法も考えられる。
【0035】また、排気空燃比を定量的に検知する手段
を備える場合は、本発明により得られる所望の燃焼状態
での空燃比で、排気空燃比を検知する手段の出力を補正
し、該手段の個体ばらつきを吸収する方法も有効であ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、エンジンの燃焼状態の
ばらつきおよびセンサ個体のばらつきを吸収補正し、燃
焼状態を所望の状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャート。
【図2】本発明の一実施例を示す図。
【図3】本発明の一実施例を示す図。
【図4】本発明の一実施例を示すフローチャート。
【図5】空燃比とエンジン性能の関係を示す図。
【図6】燃焼安定度指標の特性を表す図。
【図7】運転領域と燃焼安定度の関係の例。
【図8】エンジンの回転角速度の挙動を示す図。
【図9】本発明の一実施例を示すフローチャート。
【図10】本発明の一実施例を示すフローチャート。
【図11】本発明の一実施例による実験結果の例。
【図12】本発明の一実施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
3…エアフローセンサ、5…絞弁、7…エンジン、13
…燃料噴射弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紀村 博史 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 星 喜美雄 茨城県勝田市大字高場2520番地 自動車 機器技術研究組合内 (56)参考文献 特開 昭59−136543(JP,A) 特開 平1−227833(JP,A) 特開 昭58−217732(JP,A) 実開 平2−67049(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの燃焼状態を検知して燃焼を制御
    する燃料噴射制御装置において、前記エンジンの実際の
    燃焼状態に基づく燃焼安定度指標値を求める手段と、前
    エンジンの燃焼安定度が概ね一定と考えられる実際の
    安定運転状態にて前記燃焼安定度指標値に基づき定めら
    れる第1の燃焼悪化判定用指標値を求める第1の手段
    と、エンジンの各運転状態に応じて予め定められた許容
    しきい値であるところの第2の燃焼悪化判定用指標値
    を求める第2の手段と、前記第1の燃焼悪化評価値と第
    2の燃焼悪化評価値の双方の値に基づき燃焼悪化の許容
    限界となる第3の燃焼悪化判定用指標値を求める第3の
    手段と、前記第3の燃焼悪化判定指標値と前記燃焼安定
    度指標値とによって燃焼状態の悪化を判定する燃焼状態
    悪化判定手段を有することを特徴とする燃料噴射制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記燃焼状態悪化判定
    手段による燃焼状態の判定は、エンジン始動時及び車両
    加速時には行わないことを特徴とする燃料噴射制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記安定状態とは、無
    負荷運転状態,回転及び負荷が一定条件範囲内である定
    常状態又は燃料カット状態の少なくともいずれかを含む
    ものであることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記燃焼状態悪化判定
    手段による判定の結果、燃焼状態が許容値より悪化を示
    す第1の所定値を超えたときに、燃料を濃厚側に制御す
    ることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記燃焼安定指標値
    が、前記第3の燃焼悪化判定指標と前記第3の燃焼悪化
    判定指標からNOx濃度許容上限分に相当する所定分を
    減じた燃焼悪化指標の間にあるときに燃料を希薄側に制
    御することを特徴とする燃料噴射制御装置。
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