JP3051821U - シールド工事用ケーブルハンガー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、シールド工事において、シールド
機を作動するための各種ケーブル、ホース類をスライド
ハンガーを用いて吊下げることによりケーブル等を床上
を引きづったりしないで安全に且つ能率的にシールド工
事を行うことを可能とする。 【解決手段】 本考案は、坑口より引出されてシールド
機に接続されているケーブル等をシールド坑内で吊下げ
保持するようにしたケーブルハンガー装置であって、セ
グメントの接続部への取付用吊杆とレールへの支持体を
上下一体に配備してなるレール吊金具と、このレール吊
金具の支持体に嵌合抱持されて水平に横架される連続し
た長さのハンガーレール、及びこのハンガーレールに吊
掛けられてレール内を遊動するスライダーにケーブルを
係挿保持するハンガー体を具有してなるスライドハンガ
ーとより、前記ハンガーレールは、単位長さのものを、
シールド機が前進する毎に前部に継ぎ足し延長していく
ように構成することにより、坑内におけるケーブル等の
吊下げ保持を安全にして不測の事態防止に役立つ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、シールド工事においてシールド機を作動するためにシールド機に接 続されている各種のケーブル、ホース類をシールド坑内で所定高さに吊下げ保持 するようにしたハンガー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

シールド工事においては、坑口（エントランス）よりシールド機を挿入して推 進用油圧ジャッキで土中に押圧入しながら前面を掘削し、後部にセグメントを組 立ててトンネルを構築するものであるが、シールド機には各種のケーブル、ホー ス類（送電用ケーブル、圧力水用ホース、油圧ホース等＝以下ケーブル等という ）が接続され、従来このようなケーブル等に図５は示すようにシールド坑内の底 部に設置された枕木５０の上に乗せて引きづっていく方式が一般的であった。ま た、今一つの方法は図６に示すようにシールド坑内のセグメント内壁に棚６０を 設けてこの棚上にローラー６１を配備し、ローラー上にケーブル等を乗せて引き 出していくものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のものにあっては、ケーブル等を枕木上に乗せて引きづ っていく方式では、ケーブル等が直に枕木に接しゅうするためにケーブル等が傷 み易く、又引っ掛りを生じ、而も床上にはセグメント搬送用のレールが敷設され ていて、そのレール上に乗り上げたりして不測の事態を招くおそれがあり、その 為これらの予防に常に監視が必要であった。又、セグメント内壁に棚を設け、ロ ーラー上に乗せてケーブル等を引き出すものでは設備が大掛りになり、かなりの 経費が必要であった。従って、シールド機に接続されている各種のホース類や、 ケーブル等をシールド坑内において所定高さに吊下げることによりケーブル等を 引きづったりしないで安全に而もコスト的にも安価にシールド工事を行うことを 可能にして、前記の問題点を解消しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案におけるシールド工事用ケーブルハンガー装 置は、土中にシールド機を圧入し推進しながら掘削し後部にセグメントを組立て てトンネルを構築するシールド工事において、坑口より引出されてシールド機に 接続されているケーブル等をシールド坑内で吊下げ保持するようにしたケーブル ハンガー装置であって、セグメントの接続部への取付用吊杆とレールへの支持体 を上下一体に配備してなるレール吊金具と、このレール吊金具の支持体に嵌合抱 持されて水平に横架される連続した長さのハンガーレール、及びこのハンガーレ ールに吊掛けられてレール内を遊動するスライダーにケーブルを係挿保持するハ ンガー体を具有してなるスライドハンガーとよりなるものである。

【０００５】 また、前記ハンガーレールは、単位長さのものをシールド機が前進する毎に前 部に継ぎ足し延長していくように構成してなるものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

シールド機に接続されたケーブル等はハンガーレールにスライド自由に吊掛け られたスライドハンガーに予じめ前部のものから後部のものに係挿されるように する。各スライドハンガーはレール内を自由にスライド移動可能であるからシー ルド機が前進するとともに引っ張られて後続のものを順次引き出していく。シー ルド機が所定の距離前進すると最前部に単位長さのハンガーレールを継ぎ足して いく。

【０００７】

【実施例】

以下、添附図面に従って一実施例を説明する。

【０００８】 図１はシールド機により土中を掘削進行中のシールド坑内部を示すもので、同 図に示すようにシールド機１には前部に掘削部１ａを備え、内部に掘削部の駆動 装置と掘削した土砂を後方へ運ぶコンベヤ等の搬送装置と掘削を推進する油圧ジ ャッキ（何れも図示省略）等を備え、油圧ホースや送電用、その他のケーブル２ が坑口（エントランス）より引き出されてシールド機１に接続されている。

【０００９】 又、シールド機の後部にはセグメント３を組立ててトンネルが構築されるが、 そのセグメントを搬送する台車用のレール７を備えている。

【００１０】 本考案のケーブルハンガー装置は上記のようなシールド機坑内において、組立 てられるセグメントを利用して設けられる。各セグメント３には夫々の前部と後 部に接続用フランジ３ａ．３ｂが形成されていて、フランジ接合後にボルト８で 結合し一体となす。このボルト８を締結する際に必要な箇所でレール吊金具４を 取付ける。

【００１１】 レール吊金具４は図４の（ａ）（ｂ）に示すように吊杆４１と、レール支持体 ４２とよりなる。吊杆４１の上端にはボルト孔４３があり、このボルト孔４３に 前記のボルト８を通してセグメントの接続部に取付けるようにする。吊杆４１は Ｌ形に形成されて、その下端部にレール支持体４２を止具４４で固結する。

【００１２】 レール支持体４２は前後部と下面が開放したボックスタイプに形成され前端口 又は後端口よりレール５を嵌挿して所定間隔に支持体４２を取付けることにより レール５を水平に横架する。

【００１３】 レール５は下面に縦割りのスリット５ａを有する中空角形のパイプからなり、 このレール５の中空部に多数のスライドハンガー６をスライド自由に取付ける。 スライドハンガー６のスライダー６１は、左右２つの車輪からなり、この車輪に よりハンガー体６２を吊下げ支持したままレール内を自由に移動する。ケーブル ２はこのハンガー体６２の輪に後方より前方に通して前端部をシールド機に接続 する。

【００１４】

【作用】 シールど機１が進行すると、これに接続されたケーブル２は前方へ引張られる が、後続のものがスライドハンガー６に挿通支持されている為にシールド機の進 行に伴い前方へ引き出されていく。また、この際スライドハンガー６はレール５ に案内されて前方へ追従移動する。

【００１５】 レール５の最前部はシールド機１が前進移動するのに伴い前部に空間を生じて 無レール部となるが、新たにセグメントを組立てていく際にセグメント接続部を ボルトで結合する際に吊金具４を取付けていけば新たにレール５を継ぎ足して後 続のものと接続することができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上記のように、セグメントの接続部への取付用吊杆とレールへの支持 体を上下一体に配備してなるレール吊金具と、このレール吊金具の支持体に嵌合 抱持されて水平に横架される連続した長さのハンガーレール、及びこのハンガー レールに吊掛けられてレール内を遊動するスライダーにケーブルを係挿保持する ハンガー体を具有してなるスライドハンガーとよりなり、この構成によりシール ド機に接続されているケーブルをシールド坑内の上部に吊掛保持することができ るため、従来のようにシールド坑内の底部に直に設置して引きづっていくような ことをなくして安全確実にシールド工事を遂行することができる。而もケーブル 等はレールに案内されながらスライドハンガーとともに前方へ引き出されていく 為にシールド機の進行に伴いスムーズにケーブルが引き出されて従来のような不 測の事態を回避できる。

【００１７】 更にシールド機の進行とともに新たにレールを継ぎたして延長できるため、初 期掘削の段階から終始一貫してケーブルの引出しが、円滑に行われシールド工事 の作業性を高めることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シールド機による掘削進行中のシールド坑内部
を示す側面図である。

【図２】シールド坑内に実施した本考案におけるハンガ
ー装置の側面図である。

【図３】図２におけるＡーＡ線からみた拡大断面図であ
る。

【図４】（ａ）は吊金具の正面図、（ｂ）は同側面図で
ある。

【図５】従来例を示すシールド坑底部の正面図である。

【図６】従来のその他の例を示すシールド坑底部の正面
図である。

【符号の説明】

１ シールド機 ２ ケーブル ３ セグメント ４ レール吊金具 ５ ハンガーレール ６ スライドハンガー ４１ 吊杆 ４２ 支持体 ６１ スライダー ６２ ハンガー体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 土中にシールド機を圧入し推進しながら
   掘削し後部にセグメントを組立ててトンネルを構築する
   シールド工事において、坑口より引出されてシールド機
   （１）に接続されているケーブル（２）等をシールド坑
   内で吊下げ保持するようにしたケーブルハンガー装置で
   あって、セグメント（３）の接続部への取付用吊杆（４
   １）とレールへの支持体（４２）を上下一体に配備して
   なるレール吊金具（４）と、このレール吊金具の支持体
   （４２）に嵌合抱持されて水平に横架される連続した長
   さのハンガーレール（５）、及びこのハンガーレール
   （５）に吊掛けられてレール内を遊動するスライダー
   （６１）にケーブルを係挿保持するハンガー体（６２）
   を具有してなるスライドハンガー（６）とよりなること
   を特徴とするシールド工事用ケーブルハンガー装置。
2. 【請求項２】 前記ハンガーレール（５）は、単位長さ
   のものをシールド機が前進する毎に前部に継ぎ足し延長
   していくように構成してなることを特徴とする請求項１
   記載のシールド工事用ケーブルハンガー装置。