JP3051651U - 炭化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 農園芸産物、林産物、建築等の産業廃棄物、
廃材は埋立や焼却処分しているが公害の原因にもなり、
燃焼処理後の灰は有効な活用も図れない。これらの植物
繊維性の廃棄物を活性炭化して有効利用を図るため炭化
装置を開発する。 【解決手段】 ガスや重油バーナーの小型炉内に炭化釜
と排気筒を備えて、炭化釜の廃棄物を無給気で加熱し炭
化する装置で、炭化効率を高めるため釜内に内煙道を複
数本立て少量の燃料ですみ排気もほとんどなく小規模の
前記廃棄物の処理に適する装置である。得られた炭化物
は調湿剤、融雪剤、土壌改良剤、消臭剤、水処理剤等と
して多くの用途があり利用価値が高い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は産業廃材、農産物副生物、産業廃棄物等の炭化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、廃材は埋立もしくは焼却炉で焼却していたが、焼却処理は環境汚染につ ながり、又廃材は灰になると残存物の利用価値がなくなる。廃材を炭化する処理 法も存在するが、特開０７ー２８０２３６号では産業廃材を炭化するのに２室に 分割した装置である。実登録３０４７５６４号の内筒胴は伝熱板を複数枚設置し ているが、内筒胴が大型になると熱伝導の効率が悪くなり、廃材の均一な炭化が 望めず炭化処理に時間がかかる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

廃材、農産物副生物、産業廃棄物等を小型の少燃料の装置で炭化して、活性炭 として産業的に再活用できる形態にする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

炭化装置は空気を遮断して加熱し、また連続して処理作業が進行するように、 燃焼加熱炉の外筒胴と密閉炭化処理釜の内筒胴の二重構造とし、内筒胴は簡単に 抜き出し可能にし、複数個準備した内筒胴を交互に使用することで連続炭化処理 が可能になる。内筒胴内部の空間に複数本の耐熱金属筒製の内煙道を縦に配置し て、廃材の大容量化に対応できる熱量の伝導を可能にした。外筒胴は内面全体に 遮熱用キャスタブルを貼り付け、底部にバーナー装置を設置し、上部にダンパー 付きの排気筒を備える。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面によって説明する。図１は炭化装置の全体断面図で 、全体の構造を説明する。外筒胴１の底面はバーナー７の引き込み管と燃焼空気 取り入れのみで他は封じられ、上面は外筒胴１にクランプ９で取り外し可能に接 続される円錐型の外筒蓋２と、外筒蓋２の頂点に設けられた排気筒１３と、排気 筒に設けられた排気ダンパー８と、外筒蓋２の開閉に用いる吊りフック１０から なる。排気筒１３を除く炉内面は断熱キャスタブル１２を全面に貼り付け、熱の 放散防止と外壁の過熱を防ぐ。

【０００６】 図１の内筒胴３は内部の空間に内煙道６を図３、図５に示すように複数本を同 心に配列する。内筒胴３底面は着脱可能の内筒底板５と、内筒胴３に内筒底板５ を固定するクランプ９を備える。

【０００７】 図２、図３、図４、図５、図６で内筒胴３の説明をする。図５で内煙道６の配 置を示す。内筒胴３の胴部内面には、内煙道６を内筒胴３から離して縦に相互対 象に固定配列するための内煙道支持板１１と、図３と図４に示す内筒蓋４に開け られた穴と、図６に示す内筒底板５に設けた内煙道６のはめ込みがあり内煙道６ を固着する。内煙道６を複数本配置することで輻射熱伝達効率を高め、内煙道支 持板１１を設けたことで内部に充填する廃材は整列しやすく、炭化効率が向上す る。

【０００８】 図６は内筒胴３の底面部を示す。内筒胴３の底面は、クランプ９で固定され取 り外しが可能の内筒底板５と、内筒胴３と内筒底板５を接続する固定用のクラン プ９を備え、内容物の取り出し時にはクランプ９を外して内筒底板５を解放する 。

【０００９】 図４の内筒胴３の上面に、周囲に吊りフック１０を備え中央部に内煙道６の出 口を複数個開口した内筒蓋板４を乗せ、クランプ９で内筒胴３に固定する。

【００１０】 図５で内筒胴３内に設ける内煙道６の配列を示す。内筒胴３から内容物へ輻射 熱効率を高めるための内煙道６は、炭化所要時間の短縮と筒内の廃材の場所によ る炭化工程を均一に進行する役割をし、あわせて内容物の充填作業を容易にする 。

【００１１】 図２の内筒胴３と内筒蓋４と内筒底板５と内煙道６に使用する金属は、耐熱ス テンレス厚さ２mm前後を使用する。

【００１２】 熱源の燃料は気体、液体いずれも使用可能で、経費、環境配慮により選択でき る。

【００１３】 炭化の経過は排気筒１３内の排気温度と排気色とで判断する。炭化工程の初期 は水蒸気の排出に始まり、続いて炭化進行中は薄い白煙に変わり、排気筒１３内 の温度は約２５０℃を維持する。炭化の完了期は極く薄い青色となり、排気筒１ ３内の温度は３００℃を越える。、バーナーの燃料を絶つた後、外筒蓋２を開き 、内筒胴３を取り出し、次の炭化処理廃材の詰まった内筒胴３と交換し、取り出 した内筒胴３の冷却を待って内容の炭化物を取り出す。

【００１４】

【考案の効果】

内筒胴内を伝熱板から内煙道に改良した効果は、炭化炉のより大型化が可能に なり、処理時間が短縮化できた。釜内の炭化対象廃材は伝熱板釜より増量したに もかかわらず釜内均一に炭化できる。使用燃料量は少量で、排気も燃料の燃焼ガ ス以外ほとんど出ないため住宅地区でも使用可能で、小規模の廃材、産業廃棄物 の炭化処理に適する装置である。炭化に要する時間は処理物、材質等で一概に言 えないが、木材は１２時間で完全に炭化する。もみがらは２時間で炭化し塊状炭 として取り出す。炭化完了時に質量は約４分の１に減じ、容積は約８０％に減じ ている。得られた炭化物の用途は床下調湿剤、田畑融雪剤、湿地土壌改良剤、農 家の堆肥混入消臭剤、家畜飼料混入用その他に多様である。炭化処理の終了した 内筒胴は、バーナー燃料の停止後、吊りフックで取り出し、連続して次の新しい 廃棄物を詰めた内筒胴の炭化作業に移る。

【図面の簡単な説明】

【図１】炭化装置の全体断面図である

【図２】内筒胴の側面図である。

【図３】内筒蓋と内煙道の平面図である。

【図４】内筒胴と内筒蓋と支持板を示す断面図である。

【図５】内筒胴と内煙道と支持板を示す平面図である。

【図６】内煙道と内筒底板のはめ合わせを示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 外筒胴 ２ 外筒蓋 ３ 内筒胴 ４ 内筒蓋 ５ 内筒底板 ６ 内煙道 ７ バーナー ８ 排気ダンパー ９ クランプ １０ 吊りフック １１ 内煙道支持板 １２ キャスタブル １３ 排気筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒胴（１）と内筒胴（３）からなる二
   重筒状において、外筒胴（１）内に取付、取り出し自在
   の密閉構造の内筒胴（３）があり、内筒胴（３）内部に
   耐熱金属筒の内煙道（６）を縦に複数本均等に設置した
   事を特徴とする、分解組立及び移動設置可能の炭化装
   置。