JP3051371B2 - 還元鉄または鉄カーバイドの製造装置 - Google Patents

還元鉄または鉄カーバイドの製造装置

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JP3051371B2
JP3051371B2 JP10025327A JP2532798A JP3051371B2 JP 3051371 B2 JP3051371 B2 JP 3051371B2 JP 10025327 A JP10025327 A JP 10025327A JP 2532798 A JP2532798 A JP 2532798A JP 3051371 B2 JP3051371 B2 JP 3051371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動状態にある粉
粒体から還元鉄または鉄カーバイドを製造するための装
置に関し、特に、製鉄、製鋼用の原料、例えば、電気炉
等に用いられる製鋼原料として好適である還元鉄または
鉄カーバイドの製造に適した装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
的に鋼の製造は、高炉により鉄鉱石を銑鉄に転化し、そ
の後、平炉又は転炉などにより銑鉄を鋼に転化する工程
からなっているが、このような伝統的な製法は、必要な
エネルギー、設備規模、およびコスト等が大きなものに
なるため、小規模の製鋼には、直接製鉄により鉄鉱石を
製鋼炉原料(固体)に転化し、この製鋼炉原料を電気炉
等により溶融鋼に転化する工程からなる方法が採用され
ている。かかる直接製鉄には、鉄鉱石を還元鉄に転化す
る直接還元法があるが、この方法で製造される還元鉄は
反応活性が強く、大気中の酸素と反応して発熱するた
め、輸送、貯蔵には不活性ガスによるシール等の手当が
必要になる。このため、反応活性が低く、容易に輸送、
貯蔵が可能で、比較的高パーセンテージの鉄を含有する
鉄カーバイドが、近年、電気炉等による製鋼原料として
使用されつつある。
【0003】かかる鉄カーバイドを製造する従来の設備
としては、流動層炉が広く使用されており、鉄鉱石を粉
体にして流動層炉に充填し、還元ガス(水素ガス)およ
び炭化ガス(例えば、メタンガス)の混合ガスと所定温
度で反応させることで、鉄鉱石内の鉄酸化物を還元およ
び炭化させて鉄カーバイドが製造されている。
【0004】ところで、含鉄粉粒体原料を流動層炉にお
いて反応ガスと所定温度下で反応させることで鉄カーバ
イド製品を製造する場合、以下のような原因で微粉(ダ
スト)が発生する。すなわち、粉粒体の予熱時の熱衝
撃、還元または炭化反応時の体積変化、流動化時の粉粒
体同士の衝突および反応ガスをノズルから噴射するとき
のジェット流による衝撃によって微粉が発生するのであ
る。このように、熱衝撃や化学反応や流動化現象などに
よって微粉が発生するが、この微粉が流動層炉を循環す
ることによって、さらなる微粉を生成することがある。
この微粉の中で比較的粒径の大きいものは流動化ガスに
よって吹き飛ばされにくく、炉内における滞留時間が長
いので、還元・炭化反応は進むが、粒径の小さい微小粒
は流動化ガスによって吹き飛ばされやすく、炉内におけ
る滞留時間が少ないので、充分に還元・炭化されずに未
反応のものが多い。そこで、未反応の微粉の反応率を改
善するため、炉外に放出された微粉を回収して流動層炉
に戻す方法が提案されている。
【0005】例えば、特開平6−145479号公報に
は、図9に示すように、「流動層81に粉鉱石を装入
し、底部から還元ガス82を炉内に供給して流動させつ
つ還元し、この流動層から飛散した還元鉱石を多段に設
けたサイクロン83、84により回収し、一部成品85
として取り出し、他は流動層81に戻して循環させ、さ
らサイクロン84から放出された微粉をフィルター86
で回収して粉鉱石とともに流動層81に投入することを
特徴とする循環流動層」が開示されている。この公報に
記載されたものは、流動層から排出された微粉をすべて
回収して流動層に戻す方法である。しかしながら、流動
層から排出された微粉をすべて回収して流動層に戻せ
ば、排出粒子径と回収粒子径の範囲の微粉が循環して蓄
積されるため、一部を85から抜き出すことになる。そ
して、微粉の一部を流動層に戻しても、一定以下の粒径
の微小粒は極く短時間のうちに再び流動層から放出され
てしまい、炉内滞留時間は増えないので、反応率は向上
しない。
【0006】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、流動
層炉に投入された含鉄粉粒体原料から鉄カーバイドを製
造するための装置であって、流動層炉から排出された微
粉の反応率を効果的に向上しうる還元鉄または鉄カーバ
イドの製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、粉粒体を含有するガスからその粉粒体を分
離するためのセパレータを流動層炉の上方に配し、流動
層炉の頂部から上記セパレータを経由して再び流動層炉
に至る経路と流動層炉の反応系外に至る経路を有し、1
台または複数のセパレータによってガスから分離した一
定以上の粒径の粉粒体を、反応の進行状況に応じて上記
経路を経て、流動層炉に戻すかまたは反応系外に排出す
ることにより、流動層炉から排出された微粉の中で比較
的粒径の大きな微粉の炉内滞留時間を増し、微粉の反応
率を向上することが可能になる。
【0008】すなわち、本発明は、多室に分割された流
動層炉内に投入された含鉄粉粒体原料を炉内下部に導入
した反応ガスにより流動させつつ反応を行って還元鉄ま
たは鉄カーバイドを製造する装置であって、粉粒体を含
有するガスからその粉粒体を分離するための1台または
複数のセパレータを上記多室分割型流動層炉の上方に配
し、該流動層炉の頂部から上記セパレータを経由して多
室分割型流動層炉の特定の分割室に至る経路と該多室分
割型流動層炉の反応系外に至る経路を有し、セパレータ
によってガスから分離した一定以上の粒径の粉粒体を、
反応の進行状況に応じて上記経路のいずれかを経由し
て、上記多室分割型流動層炉の特定の分割室に戻すかま
たは反応系外に排出することを特徴とする還元鉄または
鉄カーバイドの製造装置を第一の発明とし、上記第一の
発明において、上記多室分割型流動層炉へ戻す粉粒体の
限界粒径が10μm以上である還元鉄または鉄カーバイ
ドの製造装置を第二の発明とし、上記第一または第二の
発明において、上記多室分割型流動層炉が上流と下流の
2つの多室分割型流動層炉から構成され、上流炉の上方
に設けられた上記セパレータによって分離された粉粒体
を下流炉の最初の分割室に戻すことを特徴とする還元鉄
または鉄カーバイドの製造装置を第三の発明とする。
【0009】上記のように構成される本発明によれば、
流動層炉からガスとともに排出された微粉は上記経路を
経てセパレータに達し、セパレータによってガスから分
離された一定以上の粒径の粉粒体を、反応の進行状況に
応じて、未反応のものまたは反応の進行程度(反応率)
が低いものは、上記経路を経由して多室分割型流動層炉
の特定の分割室に戻し、流動状態下、所定組成の反応ガ
スと所定時間反応させることにより微粉の反応率を向上
することができる。一方、流動層炉内の滞留時間が長い
粉粒体は反応の進行程度(反応率)が高く、一定以上の
品質を有するので、流動層炉に戻さずに反応系外に排出
することが可能である。このようにして、本発明によれ
ば、反応率の高い還元鉄または鉄カーバイド製品を効率
的に製造することができる。
【0010】上記経路を経て流動層炉に戻す粉粒体の限
界粒径は10μm以上が好ましい。というのは、10μ
m未満のものはセパレータ(サイクロン)で捕集するの
が困難であり、仮に10μm未満の粒径の微小粒を流動
層炉に戻しても、極く短時間のうちに炉外に放出されて
しまい、反応率は向上しないからである。
【0011】また、循環経路を経て粉粒体を戻す箇所が
流動層炉の入口部分であれば、その粉粒体の炉内流動層
内および流動層上部のフリーボードでの滞留時間が比較
的長くなり、反応率を向上することが可能になる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の鉄カーバイドの製造装置の概略構成を示す側面
図、図2は本発明の鉄カーバイドの製造装置の別の実施
例の概略構成を示す側面図である。
【0013】図1において、流動層炉1は複数の仕切板
2によって多室に分割されており、経路3から流動層炉
1内に投入された含鉄粉粒体原料は、経路4から炉内の
風箱5を経て多数の小孔が設けられた分散板6から噴出
される反応ガスにより流動状態下で還元・炭化され、各
分割室を順次経て所定時間後に所望の炭化率の鉄カーバ
イドとなって経路7内に排出される。流動層炉1の上方
にはシールポット8があり、さらにその上方にはサイク
ロン9が配置されている。流動層炉1の入口側の頂部か
ら循環経路10aを経てサイクロン9に達し、サイクロ
ン9とシールポット8とは循環経路10bによって接続
されており、シールポット8から流動層炉1の最初の分
割室11aの流動層内に達するように循環経路10cが
設けられている。12はシールポット用反応ガスの供給
経路、13は循環経路10c内の微粉圧送用のガスの供
給経路である。シールポット8の頂部と循環経路10a
とは経路14で接続されている。流動層炉1の出口側の
上方にもシールポット15とサイクロン16が配置され
ているが、シールポット15から流動層炉1の流動層内
に達する循環経路は設けられていない。また、シールポ
ット15内の微粉を排出する経路20と流動層炉1の製
品排出経路7はクーラー21に接続されている。そし
て、クーラー21の出口経路22はコンベヤ23に接続
されている。
【0014】図2は、流動層炉が2基の場合を示し、第
一反応操作を行う上流炉(第一流動層炉)31と第二反
応操作を行う下流炉(第二流動層炉)32を有してい
る。第一流動層炉31においては、第一反応操作として
含鉄粉粒体原料の還元反応の一部が行われ、第二流動層
炉32においては、第二反応操作として残りの還元反応
と炭化反応が行われる。このように、反応を2段階に分
けることで、各操作ごとの各種対応が取れ、プロセスと
してフレキシブルになるので、反応時間の短縮を図ると
ともに還元および炭化ガスの流量を大幅に低減しうる等
の利点がある(例えば、特開平9−48604号公報参
照)。第一流動層炉31および第二流動層炉32はとも
に仕切板33によって4室に分割されており、経路34
から第一流動層炉31内に投入された含鉄粉粒体原料
は、経路35から風箱36を経て多数の小孔が設けられ
た分散板37から噴出される反応ガスにより流動しつつ
各分割室を順次経て、所定時間後部分的に還元されて経
路38内に排出される。経路38内の一部還元済粉粒体
は経路35から分岐した経路39から吹き出されるガス
により第二流動層炉32まで圧送される。第二流動層炉
32内に投入された粉粒体は、経路40から風箱41を
経て多数の小孔が設けられた分散板42から噴出される
反応ガスにより流動しつつ各分割室を順次経て、所定時
間後に所望の炭化率の鉄カーバイドとなって経路43内
に排出される。経路43内の粉粒体は経路40から分岐
した経路44から吹き出されるガスによりクーラー45
まで圧送される。第一流動層炉31および第二流動層炉
32の上方には、サイクロン46、47、48が配置さ
れており、第一流動層炉31の頂部とサイクロン46は
経路49で接続されており、サイクロン46と第二流動
層炉32の最初の分割室50aは経路51によって接続
されている。また、第二流動層炉32の頂部とサイクロ
ン47は経路52で接続されており、サイクロン47と
第二流動層炉32の最初の分割室50aは経路53によ
って接続されている。第二流動層炉32の出口側の頂部
から経路54を経てサイクロン48に接続されており、
サイクロン48の出口経路55はクーラー45に接続さ
れている。そして、クーラー45の出口経路56はコン
ベヤ57に接続されている。
【0015】以上のように構成される鉄カーバイドの製
造装置によれば、以下のようにして鉄カーバイドを製造
することができる。図1の装置によれば、経路3から流
動層炉1の最初の分割室11aに供給された粉粒状の鉄
鉱石は、経路4から風箱5を経て分散板6から噴出され
る還元・炭化ガスにより流動状態下で還元・炭化処理を
施され、所定時間後、分割室11aと11bとの間の流
動層高差により仕切板2の下部の連絡口24を経て分割
室11bに達する。そして、分割室11b、11c、1
1d、11e、11fおよび11gにおいて流動状態下
で順次還元・炭化処理を施されて所望の炭化率に達した
鉄カーバイド製品は経路7からクーラー21に移送さ
れ、約100℃以下に冷却された後、コンベヤ23によ
り電気炉等の設備へ搬送され、製鋼原料として使用され
る。
【0016】以上のように流動層内において行われる還
元炭化反応においては、上記した様々な原因(熱衝撃・
化学反応・流動化現象)によって微粉が発生する。この
微粉の中で一定の大きさ(約70μm)以下の粒径の微
粉は流動化ガスにより吹き飛ばされやすく、安定した流
動状態を維持するのが困難であるから、流動層炉1内の
上部のフリーボード部25を通って反応ガスとともに経
路10aを経てサイクロン9に搬送されることが多い。
サイクロン9においては、遠心分離によりガス中の10
μm以上の粒径の微粉が分離される。10μm未満の粒
径の微小粒はサイクロン9の頂部からガスとともに外部
へ放出される。そして、10μm以上の粒径の微粉は経
路10bを経てシールポット8に送られる。シールポッ
ト8に送られた微粉は経路12からシールポット8内に
吹き込まれる反応ガス(還元・炭化ガス)により流動状
態下で還元・炭化処理を施された後、経路10c内に排
出され、経路13から経路10cに吹き込まれるガスに
より流動層炉1の最初の分割室11aまで自重により流
下輸送され、一方、シールポット8の排ガスは経路1
4、10aを経てサイクロン9に戻される。分割室11
aに送られた微粉は、経路3から投入される粉粒状鉄鉱
石とともに各分割室(11a〜11g)を順次経ながら
還元炭化処理を施され、所望の炭化率の鉄カーバイドと
なって経路7からクーラー21に移送される。なお、サ
イクロン9で遠心分離された微粉をシールポット8に供
給せずに直接流動層炉1の最初の分割室11aに送って
もよい。以上のように、粒径が10μm以上である微粉
は、流動層炉1から排出されても、流動層炉1からサイ
クロン9を経て流動層炉1に至る循環経路により再び流
動層炉に戻されて還元・炭化処理を施されるので、反応
率を向上することが可能になる。この循環経路を経て流
動層炉に戻される微粉の中で一部のものは、反応途中に
おいて再び(あるいはそれ以上)反応ガスともにサイク
ロン9に搬送されることがあるが、最終的にはサイクロ
ン9で遠心分離されて循環経路を経て流動層炉に戻さ
れ、所定時間還元・炭化処理を施されて所望の炭化率の
鉄カーバイド製品として取り出される。
【0017】一方、流動層炉1の出口側の頂部から経路
17aを経てサイクロン16に送られる微粉は流動層炉
1内の滞留時間が比較的長く、反応も相当進んでいるの
で、経路7から排出される鉄カーバイド製品と遜色ない
程度の炭化率に達しているものが多い。従って、サイク
ロン16で遠心分離されて経路20から取り出される微
粉は、経路7から排出される鉄カーバイド製品とともに
クーラー21において約100℃以下に冷却された後、
コンベヤ23により電気炉等の設備へ送られ、製鋼原料
として使用される。場合によってはサイクロン16で遠
心分離されて取り出される微粉の反応率を高めるため
に、経路17bからシールポット15に送り、経路18
からシールポット15に供給される反応ガスにより流動
状態下で反応を促進させた後、20へ排出するようにし
てもよい。
【0018】図2に示す装置における鉄カーバイドの製
造も基本的には図1の場合と同じように行われるが、図
1の装置との大きな違いは、第一流動層炉と第二流動層
炉の2つの流動層炉を有しているので、第一流動層炉3
1では還元反応の一部が行われ、第二流動層炉32では
残りの還元反応と炭化反応が行われるので、経路35か
ら第一流動層炉31に供給される反応ガスは水素を主と
する還元ガスであり、経路40から第二流動層炉32に
供給されるガスは水素とメタンの混合ガスである。そし
て、経路34から第一流動層炉31に供給された粉粒状
の鉄鉱石は、経路35から炉内に吹き込まれる還元ガス
により流動状態下で部分的に還元された後、経路38か
ら第二流動層炉32に送られて経路40から炉内に吹き
込まれる還元・炭化ガスによって流動状態下で還元・炭
化処理を施されて所望の炭化率の鉄カーバイドとなって
経路43からクーラー45に移送され、約100℃以下
に冷却された後、コンベヤ57により電気炉等の設備へ
搬送され、製鋼原料として使用される。
【0019】以上のように第一流動層炉31および第二
流動層炉32において行われる還元・炭化反応において
微粉が発生するので、図1の場合と同じように微粉の反
応率向上のために、流動層炉から排出される約70μm
以下の粒径の微粉の中で約10μm以上の粒径の微粉は
サイクロンで回収されて流動層炉に戻される。すなわ
ち、第一流動層炉31、第二流動層炉32の頂部から排
出され、サイクロン46、47で遠心分離された微粉
は、それぞれ経路51、53を経て第二流動層炉32の
最初の分割室50aに送られて経路38から供給される
一部還元済粉粒体ともに還元炭化処理を施され、所望の
炭化率の鉄カーバイドとなって経路43を経てクーラー
45に移送される。第二流動層炉32の出口側の頂部か
ら経路54を経て排出される微粉の反応は相当進んでお
り、サイクロン48で遠心分離されて経路55内に排出
される微粉は副製品として使用できる品位のものであ
る。この微粉は経路43を経て排出される鉄カーバイド
製品とともにクーラー45において約100℃に冷却さ
れた後、コンベヤ57により電気炉等の設備へ搬送さ
れ、製鋼原料として使用される。
【0020】次に、流動層炉に投入された粉粒状鉄鉱石
に占める微粉(粒径≦約70μm)の比率が13%の場
合において、流動層炉からガスとともに排出されてサイ
クロンで遠心分離された後流動層炉へ戻されるガス中の
微粉の濃度を測定した結果を説明する。
【0021】図3は、4分割室を有する流動層炉61の
各分割室上方にサイクロン62a〜62dを有する場合
において、循環ガス中の微粉(粒径≦約70μm)の濃
度が600g/m3 で、その3/4が流動層炉とサイク
ロンの間を循環する場合において、サイクロン62a〜
62cで遠心分離されて各分割室A〜Cへ戻される微粉
(粒径≧約10μm)の濃度(g/m3 )と最終の分割
室Dの上方のサイクロン62dで遠心分離されて副製品
として取り出される微粉(粒径≧約10μm)の濃度
(g/m3 )は図に示す通りであった。
【0022】図4は、図3と同じ流動層炉−サイクロン
の構成において、循環ガス中の微粉濃度が400g/m
3 で、その3/4が流動層炉とサイクロンの間を循環す
る場合において、サイクロン62a、62bで遠心分離
されて最初の分割室Aへ戻される微粉の濃度(g/
3 )と出口側の分割室C、Dの上方のサイクロン62
c、62dで遠心分離されて副製品として取り出される
微粉の濃度(g/m3 )は図に示す通りであった。
【0023】図5は、流動層炉−サイクロンの構成と循
環ガス中の微粉濃度および微粉の循環量は図4と同じで
あるが、サイクロン62a、62bで遠心分離された微
粉を2番目の分割室Bへ戻し、出口側の分割室C、Dの
上方のサイクロン62c、62dで遠心分離された微粉
を、最終の分割室Dの出側部分を流動化を少なくするた
めに反応ガスを少なくしたゾーンを形成し、このゾーン
に粗粉と混合させながら戻す場合を示す。この場合、分
割室Dの出側へ戻される微粉は炉内にほとんど滞留せ
ず、すぐに排出されてしまうので、副製品として取り出
される微粉の反応率はあまり向上せず、実質的に図4の
場合と同じである。しかし、図1、図2に示すようにク
ーラーに成品を合流することを省略できる利点がある。
【0024】図3〜5において、流動層炉とサイクロン
の間を循環する回数が増えて炉内滞留時間が増えるほ
ど、微粉の反応率は向上する。また、流動層炉の入口の
最初の分割室においては反応が盛んに行われており、微
粉の発生も多く、さらなる微粉の発生に結びつくことも
あるので、サイクロンで遠心分離された微粉を戻す場所
としては流動層炉の最初の分割室とせずに、その次また
はさらにその次の分割室とする方が、流動層炉における
微粉の滞留時間が増えて反応率を効果的に向上しうる場
合がある。そこで、微粉を戻す場所は、流動層炉の入口
部分の中で、原料鉄鉱石の性状による微粉の発生しやす
さや反応条件等に応じて最も適した場所を選択するのが
好ましい。
【0025】図6は、4分割室を有する流動層炉61の
上方にシールポット63を有する場合を示し、シールポ
ット63は2室に分割されており、サイクロン62aで
遠心分離されてシールポット63の入口側の分割室63
aに送られた微粉は流動状態下で還元・炭化処理を施さ
れた後、流動層炉61の最初の分割室Aに戻される。ま
た、入口側分割室63aの中の微粉の一部は出口側の分
割室63bに送られる。出口側分割室63b内の微粉は
流動状態下で還元・炭化処理を施され、所望の炭化率の
鉄カーバイド副製品として出口側分割室63bから排出
される。また、出口側分割室63b内の微粉の一部は経
路64bを経てサイクロン62bに送られ、流動層炉6
1から経路65を経て排出される微粉とともにサイクロ
ン62bにおいて遠心分離され、出口側分割室63bを
経て所望の炭化率の鉄カーバイド副製品として取り出さ
れる。この場合、循環ガス中の微粉濃度は400g/m
3で、その3/4が流動層炉とサイクロンの間を循環す
る場合において、サイクロン62aからシールポット6
3の入口側分割室63aへ戻される微粉の濃度は109
g/m3 であり、サイクロン62bからシールポット6
3の出口側分割室63bへ戻される微粉の濃度は106
g/m3 であり、シールポット63の入口側分割室63
aから流動層炉61の最初の分割室Aへ戻される微粉の
濃度は108g/m3 であり、シールポット63の出口
側分割室63bから副製品として取り出される微粉の濃
度は105g/m3 であった。シールポット63の入口
側分割室63aに戻される微粉の反応率は低いので、シ
ールポット63の分割数とサイクロンの数をさらに増や
すことにより、微粉のシールポット内滞留時間が増える
ので、シールポットから取り出される副製品としての微
粉の反応率は一層向上する。
【0026】図7に示すように、微粉の反応率を高める
ためにシールポット63を多室に分割(図7の場合は4
分割)して滞留時間を長くし、且つ、逆混合を防止しな
がら流動化させることにより、さらに微粉の反応率を高
めることができる。この場合、シールポット63が横方
向に長いので、流動層炉61から排出される微粉をサイ
クロンで回収したり、流動層炉とサイクロンの間で微粉
を循環させる場合において、シールポット63上に設け
るサイクロン62a、62bからシールポット63に微
粉を戻す位置やシールポット63から副製品としての鉄
カーバイドを取り出す位置(経路66)を反応条件等に
応じて任意に選択できるという利点がある。また、サイ
クロン62a、62bの位置を任意に選択できるので、
サイクロンからシールポットへの配管や、シールポット
から流動層炉61の任意の室への配管に必要な勾配を確
保しやすいという利点がある。
【0027】図8は、流動層炉71から流動層炉72に
配管73を経て粉粒体を輸送する場合において、流動層
炉71の炉内圧をP1 とし、流動層炉72の炉内圧をP
2 とし、P1 ≧P2 である場合に、スムーズに粉粒体を
輸送する方法の一例を示す。すなわち、配管73の左方
および右方の部分の傾斜角度α、βをそれぞれ粉粒体の
安息角以上にすることで、配管73内に粉粒体が凝集す
ることはなく、しかも配管73の左方の部分に存在する
粉粒体のシール高さHを(P1 −P2 )の差より大きく
することで、配管内に充分なシールを確保しつつ、配管
74から配管73内に吹き込んだガスにより配管73内
の粉粒体を流動状態下、スムーズに流動層炉72に輸送
することができる。75、76は反応ガス供給管路、7
7はコンプレッサー、78はガスヒータである。図8に
示す粉粒体の輸送方法は、図2に示す第一流動層炉31
から第二流動層炉32に粉粒体を輸送する場合に利用す
ることができる。
【0028】なお、上記実施例においては、流動層炉内
に流動状態を実現するためのガス分散器として分散板を
用いたが、分散板に代えて、多数の小孔を設けるか又は
ノズルを取りつけたパイプを格子状に組み合わせた散気
管を用いることも可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、多室分割型流動層炉か
らガスとともに排出された微粉の中で一定以上の粒径の
微粉をセパレータによってガスから分離し、反応の進行
状況に応じて、分離した微粉の中で未反応の微粉または
反応率の低い微粉を上記流動層炉の特定の分割室に戻
し、所定組成の反応ガスと所定時間反応させることによ
り微粉の反応率を向上し、セパレータにおいてガスから
分離した微粉の中で反応率の高いものは、流動層炉に戻
さずに反応系外に排出することとしているので、微粉の
反応率を効率的に向上しうる還元鉄または鉄カーバイド
の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄カーバイドの製造装置の概略構成を
示す側面図である。
【図2】本発明の鉄カーバイドの製造装置の別の実施例
の概略構成を示す側面図である。
【図3】本発明の鉄カーバイドの製造装置のさらに別の
実施例の概略構成を示す側面図である。
【図4】本発明の鉄カーバイドの製造装置のさらに別の
実施例の概略構成を示す側面図である。
【図5】本発明の鉄カーバイドの製造装置のさらに別の
実施例の概略構成を示す側面図である。
【図6】本発明の鉄カーバイドの製造装置のさらに別の
実施例の概略構成を示す側面図である。
【図7】本発明の鉄カーバイドの製造装置のさらに別の
実施例の概略構成を示す側面図である。
【図8】2炉の間における粉粒体の輸送方法の一例を示
す概略構成図である。
【図9】従来の流動層炉の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、61、71、72…流動層炉 9、16、46、47、48、62a、62b、62
c、62d…サイクロン 8、15、63…シールポット 10a、10b、10c…循環経路 31…第一流動層炉 32…第二流動層炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−48604(JP,A) 特開 昭63−11609(JP,A) 特開 平4−325613(JP,A) 特開 平5−171233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 11/00 - 15/04 C01B 31/30 F27B 15/00 - 15/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多室に分割された流動層炉内に投入され
    た含鉄粉粒体原料を炉内下部に導入した反応ガスにより
    流動させつつ反応を行って還元鉄または鉄カーバイドを
    製造する装置であって、粉粒体を含有するガスからその
    粉粒体を分離するための1台または複数のセパレータを
    上記多室分割型流動層炉の上方に配し、該流動層炉の頂
    部から上記セパレータを経由して多室分割型流動層炉の
    特定の分割室に至る経路と該多室分割型流動層炉の反応
    系外に至る経路を有し、セパレータによってガスから分
    離した一定以上の粒径の粉粒体を、反応の進行状況に応
    じて上記経路のいずれかを経由して、上記多室分割型流
    動層炉の特定の分割室に戻すかまたは反応系外に排出す
    ることを特徴とする還元鉄または鉄カーバイドの製造装
    置。
  2. 【請求項2】 上記多室分割型流動層炉へ戻す粉粒体の
    限界粒径が10μm以上である請求項1記載の還元鉄ま
    たは鉄カーバイドの製造装置。
  3. 【請求項3】 上記多室分割型流動層炉が上流と下流の
    2つの多室分割型流動層炉から構成され、上流炉の上方
    に設けられた上記セパレータによって分離された粉粒体
    を下流炉の最初の分割室に戻すことを特徴とする請求項
    1または2記載の還元鉄または鉄カーバイドの製造装
    置。
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