JP3050915U - 長尺掃除布を利用した掃除器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 掃除器に長尺の掃除布を採用して、汚れた掃
除面を順次巻き取り新しい掃除面を送出できる繰り出し
機構を備えた吸着簡易掃除器を提供する。 【解決手段】 掃除器本体（１）は、把手（８）が可動
連結される一定長の基軸棒（２）側端部に、左右に貫通
する軸穴（４）（４）を設け、その一方の軸穴（４）に
は、軸棒（９）を中央にして左右に回転巻き取り体（１
２）を、さらに他方の軸穴（４）には、同じように軸棒
（９）両端部に回転替えシート受け体（１４）を一体成
型したもの二つを、前記の基軸棒（２）の各軸穴（４）
（４）に軸棒（９）（９）を回動自在に介在させて掃除
器本体（１）を構成し、さらに、この掃除器本体（１）
に、不織布等に吸着剤処理を施した長尺掃除布（１６）
をロール巻きした替えシート体（１９）をセットするこ
とができる掃除器本体（１）を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、吸着剤処理を施した長尺の掃除布をロール巻きしたものを採用する ことで、汚れた掃除面を順次巻き取り、新しい掃除面を送出して連続的に掃除が できる巻き取り機構を備えた掃除器に関する。尚、採用される長尺の掃除布は不 織布が好ましいが、他の素材として紙、布、あるいは粘着テープなど含めて以下 、長尺掃除布として説明する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ティッシュペーパー程度の大きさの不織布にゴミなどの吸着剤処理を施 した吸着シート（吸着媒体）を、把手付き掃除板に装着してフローリング床やタ タミ面、壁面などを拭くだけで、日々毎日出る生活埃やゴミ片などを電気掃除機 などを使用せず容易に吸着させて、汚れたら新しい吸着シートに順次取り替えな がら使用できる簡易掃除器が提供されている。

【０００３】 これらの掃除器に於ては様々なタイプが見られるが、異なる点としては掃除板 下面に位置させた吸着シート左右を掃除板上面に折り返して後、弾性樹脂板の切 れ目に差し込んだり、本体に備えた別体の係止部材で止める方法など吸着シート の止め方の違い程度である。尚、この吸着シートはいずれのタイプも吸着剤処理 を施しているので、埃やゴミなどの吸着作用を成す掃除布体である。

【０００４】

【考案が解決しょうとする課題】

これらの掃除器は最近多くなったフローリング床に於いて目立つ、毎日出る小 さな生活埃やゴミなどの掃除作業を、重い電気掃除機を取り出して使わなくても 簡易に掃除ができ、また電気駆動力を使用しないので赤ちゃんが寝ている際でも 静かに掃除が出来ることで、掃除の音で目を覚まさせたり睡眠を妨げたりする心 配もない掃除器である。さらに夜間の掃除も静かにできる点では、最近問題にな っている生活騒音の心配もないものであり、最近の住環境に合ったものとして特 に好まれている掃除器である。しかし実際の使用面に於ては次のような欠点や不 便があるものであった。

【０００５】 まず把手端部に設けた可動掃除板の下面に取り付ける吸着シートは、片面が汚 れたらその都度取り外して裏返しにしてから再度取り付け、両面に吸着させて効 果が少なくなった際は新しい吸着シートに取り替える方式であるが、その都度裏 返すにしても新しいものを付け替えるにしても、一々取り付け部より外して取り 替えなければならないので大変面倒である。加えて、大抵は面倒であるので片面 が汚れたら裏面を使用しないまま新しいものに取り替えることが多いが、広いス ペースを掃除する際は頻繁に吸着シートを取り替えることと、吸着シートの実質 吸着面は、掃除板の下面に位置するほぼ中央部のみしか使わないで、上部に折り 曲げて押さえ込みや差し込みで取り付けているので、その取り付けしろの約５０ ％が使われないまま捨てることになる。この点に於いても大変ムダであり不経済 なものでった。

【０００６】 また汚れたシート面を裏返して取り替える際は、汚れた吸着シート面に手が触 れやすい構成であるので衛生的ではなく、加えて保管する際それほど汚れていな ければ、そのまま把手端部にある掛穴をフックに掛け吊して保管することになる ので、汚れた吸着シート部は剥き出し状態であることと、吸着シートの取り替え 時などの場合も合わせていずれも付着した埃やゴミ片などが飛散しやすいなどの 欠点がある。また保管する際は奥まった所に吊すにしても、汚れた掃除面を目に さらす事は体裁がよいものではなく、特に幼児や子供など居る家庭にあっては、 汚れた吸着面が下部に位置するので、幼児などが触れにくい扉など備えた場所に 保管しなければならないなど気を使うことも多く不便である。 本発明はこのような従来の欠点や不便を解消し、かつ連続して新しい吸着掃除 布を順次送出しながら、吸着シートの表裏面を同時にムダなく掃除面として使用 することが可能な簡易掃除器を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 以上のような目的を達成するために成されたものであり、まず本発明の掃除器 本体（１）は、把手（８）が可動連結される一定長の基軸棒（２）側端部に、左 右に貫通する軸穴（４）（４）を設け、その一方の軸穴（４）には、軸棒（９） を中央にして左右に適度な長さの平角棒状の回転巻き取り体（１２）を、さらに 他方の軸穴（４）には、同じように軸棒（９）の両端部に平角棒状を成す回転替 えシート受け体（１４）それぞれを一体成型したもの二つを、前記の基軸棒（２ ）の各軸穴（４）（４）に軸棒（９）（９）を回動自在に介在させて、本発明に よる掃除器本体（１）を構成する。

【０００８】 さらに、この掃除器本体（１）にセットされる吸着シート材は、不織布等に吸 着剤処理を施した長尺掃除布（１６）を、前記、掃除器本体（１）の回転替えシ ート受け体（１４）の断面形状と合う内径を有する巻き芯（１８）（１８）に巻 き付けた替えシート体（１９）を、前記、掃除器本体（１）の回転替えシート受 け体（１４）（１４）に差し込んで後、一旦、対向側の回転巻き取り体（１２） （１２）に巻き取り、長尺掃除布（１６）を備えた掃除器本体（１）を構成とす る。

【０００９】 使用する際は従来の簡易掃除器と同様に拭き掃除を行なうが、長尺掃除布（１ ６）の吸着シート面が汚れて替えたい時は、巻き芯（１８）（１８）が取り付け られた側の回転替えシート受け体（１４）（１４）を一回転させれば、順次ムダ なく新しい吸着シート面を送出させられることで、従来のように一々吸着シート を取り替える面倒もなく、連続して拭き掃除ができる簡易掃除器を構成する。

【００１０】

【実施の形態】

本考案は、把手（８）が可動自在具（７）により取り付けられる基軸棒（２） 左右の前後に設けた軸穴（４）（４）に、軸棒（９）と一体成型された回転シー ト受け体（１４）と回転巻き取り体（１２）を、ガイド棒（５）を中央に介在さ せて一定間隔をもって回転できる構成とした、一方の回転シート受け体（１４） （１４）には、吸着剤処理を施した長尺掃除布（１６）を巻き芯（１８）に巻き 付けた替えシート体（１８）（１８）を差し込んだ端部を、対向側の回転巻き取 り体（１２）（１２）の保持片（１０）（１０）付き留め穴（１１）（１１）に 押し込むだけで、容易にセットできる構成としているものである。

【００１１】 さらに使用する前には、回転巻き取り体（１２）（１２）側に、一旦、長尺掃 除布（１６）を巻き取った上で拭き掃除を行なうが、吸着シート面が汚れて新し い面にする時は、回転シート受け体（１４）（１４）を一回転させるだけで順次 新しい吸着シート面を送出させられるので、吸着シートを一々取り替えることな く連続して掃除作業ができる。加えて、長尺掃除布（１６）が掛け渡される中央 部にガイド棒（５）を設けているので、巻き取りによる送り出し側の周径の変化 によるたるみ（Ａ）や張力を調整することができるので、最後まで安定して長尺 掃除布（１６）を送出させることができる。尚、たるみ（Ａ）が出た場合は、（ 図７）に示すようにガイド棒（５）の隙間に押し込むことで解決される。

【００１２】 また長尺掃除布（１６）は、ガイド棒（５）を介して回転シート受け体（１４ ）から回転巻き取り体（１２）に交互に掛け渡されているため、吸着掃除面の表 裏面も交互に現われることにより、表裏面同時に最後まで長尺掃除布（１６）を 拭き掃除部材としてムダなく使える構成である。加えて交互に長尺掃除布（１６ ）面が現われることにより、掃除を終わって保管する場合には次に備えて新しい 面に繰り出すと、汚れ面は全て内側に隠れて見えなくなるので吸着したゴミなど 落ちることなく、また衛生的にも見た目にもよく吊り下げ保管ができる。 また最後まで使い切ると、始めに巻付けられていた巻き芯（１８）に汚れた長 尺掃除布（１６）は巻き取られるので、後は抜き取って捨てるだけであるが、素 材は厚紙や不織布等であるので環境に優しく、かつ省資源効果を呈するものであ る。以後同じ要領で新しい替えシート体（１９）（１９）を差し替えるだけで、 きわめて簡便にして機能的に扱える簡易掃除器を構成するものである。

【００１３】

【実施例】

本考案の実施例を図１に示す一部分解全体斜視図、図２〜図５に示す各部材構 成図と図６〜図７に示す使用例図を参照しながら説明する。 本考案による掃除器本体（１）は、まず中央に位置する基軸棒（２）の下部受 け板（３）と、二つの部材が組み合わされることで一定長の平角棒状を成し、さ らに組み合わせ部の両端部位には、左右に貫通する軸穴（４）（４）を一定間隔 で前後に設けた基軸棒（２）の中央部側面に、一定長のガイド棒（５）（５）を 両側に突設させたものを一体成型で形成した二つを組み合わせた基軸棒（２）を 形成し、さらに、その上部中央部に設けた軸受け（６）に回動自在具（７）を介 在させて把手（８）を取り付けている。

【００１４】 次に、前記の基軸棒（２）を形成する、上下二つの部材が組み合わされる両端 部に設けた軸穴（４）（４）の一方には、軸棒（９）左右に一定長の平角棒状で 、かつ、その上下面には保持片（１０）（１０）付き留め穴（１１）（１１）を 設けた回転巻き取り体（１２）（１２）を一体成型して成る軸棒（９）部を、前 記の基軸棒（２）の軸穴（４）に位置させ、さらに対向側の軸穴（４）には、同 様の軸棒（９）左右に、一定長の平角棒状を成し、かつ両側面には弾性を有する 薄い保持突片（１３）（１３）複数個を、開放側が基軸棒（２）側になるように 突設させた回転替えシート受け体（１４）（１４）を、軸棒（９）左右に位置す るようにして一体成型したものを、前記、回転巻き取り体（１２）（１２）と同 様に軸穴（４）部に位置させ、それに受け板（３）を合わせてから複数本のネジ （１５）（１５）で固定して本発明による簡易掃除器本体（１）を構成する。

【００１５】 以上のように構成された掃除器本体（１）にセットされる吸着シート材は、不 織布等の素材で、長さ約８０〜１００ｃｍ、幅約１２ｃｍくらいのシート地に吸 着剤処理を施した長尺掃除布（１６）を、前記、回転替えシート受け体（１４） の断面形状に合う大きさの差し込み穴（１７）を有し、厚紙等により形成される 巻き芯（１８）に巻き付けて形成した二つの替えシート体（１９）（１９）を、 前記、掃除器本体（１）の基軸棒（２）左右に突き出した回転替えシート受け体 （１４）（１４）端部より差し込んでから、長尺掃除布（１６）端部を対向側の 回転巻き取り体（１２）（１２）の、保持片（１０）（１０）付き留め穴（１１ ）（１１）に押し込んで取り付けることで、吸着剤処理を施した長尺掃除布（１ ６）をセットできる簡易掃除器本体（１）を構成している。 尚、本実施例は一般基本タイプとしているので、掃除器本体（１）にセットさ れる替えシート体（１９）の長尺掃除布（１６）は、上記のような大きさである が、業務用に使用される場合は一回り大きく、長さ約１００〜１５０ｃｍ、幅は かなり広くて約３０ｃｍ〜５０ｃｍくらいのものが採用されるものである。

【００１６】 以上で掃除器本体（１）に長尺掃除布（１６）セット完了するが、使用するに 当たっては、一旦、回転巻き取り体（１２）（１２）に長尺掃除布（１６）端部 を取り付けたものを、さらに回転させながら巻き芯（１８）側に巻かれた吸着シ ートを一巻程度残すようにして、長尺掃除布（１６）を回転巻き取り体（１２） （１２）側に巻き取ってから、拭き掃除を開始できる状態になるものである。 また使用中に吸着シート面が汚れてきて新しい面に替えたい時は、回転替えシ ート受け体（１４）（１４）を一回転させれば、次の新しい吸着シート面が送出 される。以後も同じ要領で一回転させるだけで順次新しい吸着シート面が繰り出 せ、しかもガイド棒（５）を介して表裏面が交互に吸着面として現われる作用を 成すので、長尺の吸着シートを最後までムダなく吸着掃除布として使える機能を 備えた掃除器である。尚、取り替える時は、全て使い切って汚れた吸着シートが 巻き付けられた巻き芯（１８）（１８）を抜き取り、そのままゴミとして捨てて 新しい替えシート体（１４）（１４）をセットするだけで、以後も同様に新しい 吸着シート面を連続して送出させて使える簡易掃除器だある。

【００１７】 本実施例に於ける簡易掃除器は以上のような構成を成すものであるが、回転替 えシート受け体（１４）側面に設けた複数個の保持突片（１３）（１３）は、差 し込んだ替えシート受け体（１４）（１４）が、保持突片（１３）（１３）の反 発性や摩擦性により抜けにくくする効果を成す摩擦部材であるが、これに代えて 小さな突起を設けてもよいし、また巻き芯（１８）がきつく嵌る太さであれば無 くても差し支えない。さらに回転巻き取り体（１２）面に設けたシートの留め部 材も、これ以外のいずれの留める手段を講じてもよく、特に限定するものではな い）。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は以上のような構成としているので、次のような長所や効果がある簡易 掃除器を提供することができる。 まず、掃除器本体にセットされるゴミや埃の吸着部材は、長尺の不織布などに 吸着剤処理を施したものを巻き芯にロール巻きした替えシート体を、回転替えシ ート受け体に差し込んでから、端部を対向側の回転巻き取り体の留め穴に押し込 むだけでスピーディにして簡単にセットできる。さらに掃除器として使用する前 には、一旦回転巻き取り体側に巻き取った上で掃除作業を行なうことでなるが、 吸着シート面が汚れて新しい面に取り替える際は、回転替えシート受け体側を一 回転させるだけでワンタッチで新しい吸着面に替えられるので、広いスペースで の拭き掃除も面倒な取り替えの手間や煩わしさもなく、連続して新しい面を順次 繰り出しながら掃除ができるので、取り替えの手間はもとより掃除時間を大幅に 軽減できる掃除器として機能的に使える。

【００１９】 加えて前後二つの回転体に掛け渡される長尺掃除布は、中央のガイド棒を介し て交互に掛けることにより、シート吸着面も交互に現われるので、表裏面を同時 に吸着面として最後まで連続して使用できる効果を成し、また使い終った後は巻 き芯に汚れた吸着シートが巻き取られるので、最初の手順と逆の要領で抜き取っ て捨てるだけできわめて簡単である。後は同じ要領で新しい替えシート体を差し 込むだけでよく、セットも操作も容易で、かつゴミとして捨てられる巻き芯は厚 紙などの素材であるり、また一本のシートで従来の１０枚分相当連続して使用で きるが、さらに掃除面として使えるのは両端部のごく一部を除く表裏面全てが使 え、その実効吸着量は５割増し以上有効に使えるので、計り知れないほど省資源 に貢献することができるものである。

【００２０】 また掃除器は、構成上二つの回転体の汚れ面は向かい合せにならず片面のみで あるので汚れ面を隠して吊り下げられ、さらに次回に備えて一回転させて新しい 面を繰り出せば、汚れ面は全て覆い隠されて表面には汚れ面が現われないので、 子供などが居る家庭であっても安心して衛生的に保管できる。加えて掃除器本体 の構成もシンプルなものであるので故障要因も少なく、製造コストも従来品と変 わらない程度で安価に提供することができる簡易掃除器である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部分解全体斜視図。

【図２】実施例を示す掃除器本体の一部平面図。

【図３】掃除器本体一部に取り付けられる回転替えシー
ト受け体斜視図。

【図４】掃除器本体一部に取り付けられる回転巻き取り
体斜視図。

【図５】掃除器本体の一部である基軸棒の縦中央断面
図。

【図６】掃除器本体に長尺掃除布を取り付ける状態側
面。

【図７】長尺掃除布を掃除器本体にセットした使用例
図。

【符号の説明】

１・・掃除器本体 ２・・基軸棒 ４・・軸穴 ５・・ガイド棒 ７・・可動連結自在具 ８・・把手 ９・・軸棒 １０・・保持片 １１・・留め穴 １２・・回転巻き取り体 １３・・保持突片 １４・・替えシート体 １６・・長尺掃除布 １８・・巻き芯 １９・・回転替えシート受け体 Ａ・・・たるみ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺掃除布がセットできる掃除器は、一
   定長の基軸棒の中央左右側面にガイド棒を取り付け、さ
   らに前後端部には左右に貫通する二つの軸穴を設け、そ
   の一方軸穴には、軸棒の両端部に設けた回転替えシート
   受け体を回動自在に取り付け、他方の軸穴には、同様に
   軸棒両端部に設けた回転巻き取り体を回動自在に取り付
   けた基軸棒の上部に、回動自在具を介在させて把手を取
   り付けた構成を特徴とする、長尺掃除布を利用した掃除
   器。
2. 【請求項２】 回転替えシート受け体に、摩擦保持部材
   を取り付けた構成である請求項１に記載の長尺掃除布を
   利用した掃除器。
3. 【請求項３】 回転巻き取り体に、吸着シート保持機構
   を備えた構成である請求項１又は請求項２に記載の長尺
   掃除布を利用した掃除器。