JP3049658B2 - 鋳型装置 - Google Patents

鋳型装置

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JP3049658B2
JP3049658B2 JP6221537A JP22153794A JP3049658B2 JP 3049658 B2 JP3049658 B2 JP 3049658B2 JP 6221537 A JP6221537 A JP 6221537A JP 22153794 A JP22153794 A JP 22153794A JP 3049658 B2 JP3049658 B2 JP 3049658B2
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capacitor
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崎 敬 介 藤
嶋 潔 和
田 健 三 澤
健 彦 藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属を取り囲む鋳
型辺を周回する電気コイルおよび該電気コイルに間欠的
に繰返し通電する通電回路を有する鋳型装置に関する。
【0002】
【従来技術】特開昭64−83348号公報には、連続
鋳造鋳型に、それを周回するように電気コイルを装備
し、この電気コイルにパルス通電することにより、鋳型
内溶鋼の表層部にそれと垂直な方向に流れる磁束をパル
ス状に生起して、溶鋼上面(メニスカス)上のパウダ
の、溶鋼と鋳型内面の間への進入をうながすパウダ供給
方法が提示されている。
【0003】パルス通電により生ずる磁束変化により、
溶鋼中にその略中心を通る垂直軸を周回する渦電流が流
れ、この渦電流と前記磁束が、フレミングの左手の法則
に従って、溶鋼に、垂直軸(溶鋼中心を通る垂直線)に
向かう水平方向の電磁力(ピンチ力)を及ぼす。これに
より1回のパルス通電により溶鋼の表層部が中心部から
盛り上がり、そして元に戻ろうと降下する。この過程に
おいて、鋳型内表面に近い溶鋼に加わるピンチ力によ
り、溶鋼が鋳型内表面から離れようとし、メニスカス
(上表面)部から鋳型内表面/溶鋼間ギャップが広が
る。このギャップにメニスカス上のパウダが進入する。
鋳型内表面/溶鋼間に進入したパウダは、半凝固鋳片の
引抜きに際し鋳片と鋳型内面との間の潤滑を良好にし、
鋳型内面の摩耗を軽減すると共に、鋳型内面に対する熱
的,機械的な衝撃を緩和する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電気コイルは鋳型4辺
を周回しなければならず、鋳型内空間が広いので、その
内部に有効な強い磁束を発生するように、電気コイルは
大きなアンペアタ−ン数を要する。ところで電気コイル
内部又は外部に冷却媒体通路を形成する必要があるので
電気コイルの巻回数はあまり多く出来ず、大きな通電電
流値が必要であり、大容量の電源回路が必要である。
【0005】本発明は、比較的に小容量の電源回路で溶
鋼に比較的に強いピンチ力を効果的に与えることを第1
の目的とし、このピンチ力を調整しうる鋳型装置を提供
することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の鋳型装置は、溶
融金属(MM)を取り囲む鋳型辺(1)を周回する電気コイル
(3)および該電気コイル(3)に高レベルの電流を間欠的に
繰返し通電する高レベル通電手段(20〜30)、および、高
レベル電流通電区間の外側において前記電気コイル(3)
に低レベルの電流を通電する低レベル通電手段(20〜30)
を備え、高レベル通電手段(20〜30)は、直流電源回路(2
2〜26,30)、およびその出力端と前記電気コイル(3)の間
に介挿された間欠的な繰返し通電のためのスイッチング
手段(27,28P,28N)を含む。
【0007】本発明の好ましい実施例では、スイッチン
グ制御手段(29)は、間欠的な繰り返し通電の各周期(Tt
×20msec)の中の通電区間(Td×20msec)の間、短い周期
(20msec)でスイッチング手段(27,28P,28N)のオン,オフ
を繰り返す。
【0008】前記コンデンサ(3C)は、直流電源回路(22
〜26,30)の出力端と電気コイル(3)に直列に接続され、
該コンデンサ(3C)の容量(C)は、スイッチング手段(27,2
8P,28N)の前記オン,オフの繰返し周波数(1000msec/20m
sec=50Hz)が、前記電気コイル(3)とコンデンサ(3C)の直
列共振周波数(1/2π√(LC)=50Hz)となる値(C)であり、
直流電源回路(22〜26,30)は、直流出力電圧が可調整の
インバ−タであり、しかも、スイッチング制御手段(29)
は、間欠的な繰返し通電の周期(Tt×20msec)を調整する
手段(29a)およびデュ−ティ(100×Td/Tt %)を調整する
手段(29b)を含む。本発明の好ましい実施例では、低レ
ベル通電手段(20〜30)は、直流電源回路(22〜26,30),
その出力端と前記電気コイル(3)の間に介挿された直列
共振用のコンデンサ(3C),電圧コイル(3)への間欠的な
繰返し通電のためのスイッチング手段(27,28P,28N)およ
びスイッチング制御手段(29)を含み、スイッチング制御
手段(29)は、間欠的な繰返し通電の各周期(Tt×20msec)
の中の通電区間(Td×20msec)の間、短い周期(20msec)で
スッチング手段(27,28P,28N)のオン,オフを繰返す。
【0009】直流電源回路(22〜26,30)は、その出力電
流を高レベルと低レベルに切換える切換手段(22〜24,3
0)を含み、スイッチング制御手段(29)は、該切換手段(2
2〜24,30)に切換えを指示する切換指示手段(29c)を含
む。すなわち、高レベル通電手段(20〜30)と低レベル通
電手段(20〜30)は、1つの電気回路で実現されており、
スイッチング制御手段(29)が、高レベル通電と低レベル
通電を制御する。
【0010】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、後述する実施例中の対応する要素又は事項の符号
を、参考までに付記した。
【0011】
【作用】本発明の鋳型装置によれば、高レベル通電手段
(20〜30)が、溶融金属(MM)を取り囲む鋳型辺(1)を周回
する電気コイル(3)に高レベルの電流を間欠的に繰返し
通電する。1回の高レベル通電により生ずる磁束変化に
より、溶鋼中にその略中心を通る垂直軸を周回する渦電
流が流れ、この渦電流と前記磁束が、フレミングの左手
の法則に従って、溶鋼に、垂直軸(溶鋼中心を通る垂直
線)に向かう水平方向の電磁力(ピンチ力)を及ぼす。
これにより溶鋼の表層部が中心部から盛り上がり、そし
て元に戻ろうと降下する。この過程において、鋳型内表
面に近い溶鋼に加わるピンチ力により、溶鋼が鋳型内表
面から離れようとし、メニスカス(上表面)部から鋳型
内表面/溶鋼間ギャップが広がる。このギャップにメニ
スカス上のパウダが進入する。鋳型内表面/溶鋼間に進
入したパウダは、半凝固鋳片の引抜きに際し鋳片と鋳型
内面との間の潤滑を良好にし、鋳型内面の摩耗を軽減す
ると共に、鋳型内面に対する熱的,機械的な衝撃を緩和
する。
【0012】本発明の鋳型装置によれば更に、低レベル
通電手段(20〜30)が、高レベル電流通電区間の外側にお
いて電気コイル(3)に低レベルの電流を通電する。この
低レベル通電により、溶鋼には高レベル通電のときと同
様なピンチ力、ただし弱い力、が作用しており、高レベ
ル通電に切換わるとこのピンチ力が増大して溶鋼の表層
部が中心部から盛り上がる。このような溶鋼の移動は、
溶鋼の慣性による遅れがあるが、低レベル通電により弱
いピンチ力を予め与えているので、高レベル通電に切換
えてからの溶鋼の盛り上がりが早くなり、高レベル通電
による鋳型の潤滑効果が向上する。溶鋼に作用する電磁
力は電流レベルの略2乗に比例するので、後述の実施例
のように、高レベル電流のレベルに対する低レベル電流
のレベル比を1/2とすると低レベル電流通電中の電磁
力は、高レベル電流通電中の略1/4となり、電磁力差
が極めて大きく、レベル比を1/2以下とすることによ
り、パルス的に電磁力を加えるという目的は損なわれ
ず、パルス的に電磁力を加える潤滑効果が向上する。
【0013】本発明の、上述の好ましい実施例によれ
ば、コンデンサ(3C)の接続により負荷の力率が改善され
て無効電力が低減するので、比較的に小さい容量の通電
回路(20)で比較的に大きい電流値を電気コイル(3)に通
電することができる。高レベル通電手段(20〜30)および
低レベル通電手段(20〜30)は、直流電源回路(22〜26,3
0),その出力端と前記電気コイル(3)の間に介挿された
間欠的な繰返し通電のためのスイッチング手段(27,28P,
28N)およびスイッチング制御手段(29)を含むので、間欠
的な繰返し通電の周期(Tt×20msec),通電デュ−ティ(10
0×Td/Tt %)、ならびに、各通電区間(Td×20msec)内で
の短周期(20msec)の繰返しオン,オフなどを高い自由度
で調整し設定しうる。コンデンサ(3C)は電気コイル(3)
に直列接続され、コンデンサ(3C)の容量(C)は、スイッ
チング手段(27,28P,28N)の短周期のオン,オフの繰返し
周波数(1000msec/20msec=50Hz)が、電気コイル(3)とコ
ンデンサ(3C)の直列共振周波数(1/2π√(LC)=50Hz)とな
る値(C)であるので、電気コイル(3)とコンデンサ(3C)の
直列回路が共振し、電源容量に対して最高レベルの効率
的な通電が行なわれる。
【0014】鋳型内溶鋼(MM)には、短周期(20msec)の繰
返しオン,オフの、オフからオンへの切換わり時ならび
にその逆の切換わり時、すなわち磁束の変化時に、渦電
流を生じ、従来は1回のパルス通電(1回の磁束変化)
であった通電区間(Td×20msec)に、Td回の通電(Td回の
磁束変化)が行なれるので、通電区間(Td×20msec)の間
の鋳型内溶鋼(MM)に加わる力積が従来のTd倍となる。加
えて、このオン,オフ周波数(50Hz)が電気コイル(3)とコ
ンデンサ(3C)との直列回路の共振周波数になるようにコ
ンデンサ(3C)の容量(C)を定めているので、小さい出力
容量の直流電源回路(22〜26,30)で、きわめて大きな励
振効果が得られる。
【0015】加えて本発明の好ましい実施例では、直流
電源回路(22〜26,30)は、直流出力電圧が可調整のイン
バ−タであるので、コイル印加電圧を調整することがで
き、しかも、スイッチング制御手段(29)は、間欠的な繰
返し通電の周期(Tt×20msec)を調整する手段(29a)およ
びデュ−ティ(100×Td/Tt %)を調整する手段(29b)を含
むので、振動周期(Tt×20msec)および振動の強さ(100×
Td/Tt %)をそれぞれ調整しうる。直流出力電圧の調整は
溶鋼に及ぼす磁束の強さ(瞬時値)の調整であるが、デ
ュ−ティの調整は力積(の中の回数Td)の調整である。
【0016】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0017】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の外観を示す。連
続鋳造鋳型の内壁1で囲まれる空間には溶鋼MMが図示
しない注湯ノズルを通して注入され、溶鋼MMのメニス
カス(表面)はパウダPWで覆われる。鋳型は水箱2に
流れる冷却水で冷却され、溶鋼MMは鋳型に接する表面
から次第に内部に固まって行き鋳片SBが連続的に引き
抜かれるが、鋳型内に溶鋼が注がれるので、鋳型内には
常時溶鋼MMがある。溶鋼MMの略メニスカスレベル
(高さ方向z)から下方に渡って電気コイル3が設けら
れており、この電気コイル3は、溶鋼MMを水平方向に
周回(旋回)するように、鋳型内壁1を周回している。
これにより、電気コイル3が発生する磁束は、メニスカ
スに実質上直交(z方向に略平行)する。
【0018】図2に、電気コイル3に通電する電源回路
20の構成を示す。3相交流電源(3相電力線)21に
は直流整流用のサイリスタブリッジ22が接続されてお
り、その出力(脈流)はインダクタ25およびコンデン
サ26で平滑化される。平滑化された直流電圧は交流形
成用のパワ−トランジスタブリッジ27に印加され、こ
れが出力する交流が、コンデンサ3Cを介して電気コイ
ル3に印加される。
【0019】出力交流電圧を指示するコイル電圧指令値
Vdc(高レベル指定値)およびVob(低レベル指定値)
が、アナログゲ−ト回路30に与えられ、アナログゲ−
ト回路30が、低周波制御器29が与える出力制御信号
Cに応答して、信号Cが高レベルHのときにはコイル電
圧指令値Vdc(高レベル指定値)を表わす信号電圧を位相
角α算出器24に与え、信号Cが低レベルLのときには
コイル電圧指令値Vob(低レベル指定値)を表わす信号電
圧を位相角α算出器24に与える。位相角α算出器24
は、指令値Vdc又はVobに対応する導通位相角α(サイ
リスタトリガ−位相角)を算出し、これを表わす信号を
ゲ−トドライバ23に与える。ゲ−トドライバ23は、
各相のサイリスタを、各相のゼロクロス点から位相カウ
ントを開始して位相角αで導通トリガ−する。これによ
り、トランジスタブリッジ27には、指令値Vdc又はV
obが示す高レベル直流電圧又は低レベル直流電圧が印加
される。
【0020】一方、パワ−トランジスタブリッジ27
の、図2において対角位置にある1対のトランジスタが
正波出力用のゲ−トドライバ28Pでオン付勢され、も
う1対のトランジスタが負波出力用のゲ−トドライバ2
8Nでオン付勢され、低周波制御器29が、ゲ−トドラ
イバ28Pと28Nに交互にオン指示信号を与えること
により、交流パルスが、コンデンサ3Cと電気コイル3
との直列回路に印加される。次に述べるようにこの実施
例では、該交流パルスは20msec短周期であり、従って周
波数は50Hzである。この短い周期の周波数50Hz
を共振周波数とするように、コンデンサ3Cは、その容
量Cが、50Hz=1/〔2π√(LC)〕なる値のも
のである。Lは電気コイル3のインダクタンス値であ
る。
【0021】なお、現行の、銅板にステンレス板を裏当
てしたモ−ルドの場合、この短い周期の周波数を高周波
にするとモ−ルドでの渦電流損が大きくなりメニスカス
を垂直駆動する効率が低下するので実用的でない。現行
のモ−ルドでは10Hz〜1KHzの範囲すなわち低周
波で、渦電流損が少く、メニスカスを効果的に垂直駆動
することができる。
【0022】図3に、低周波制御器29の構成を示し、
それの各部の信号を図4に示す。プリセットカウンタ2
9aおよび29bには、カウントパルスとして、この実
施例では周期が20msec(周波数が50Hz)、デュ−テ
ィが50%のクロックパルスPcが与えられる。このク
ロックパルスPcは、オン/オフ信号Eとしてゲ−トド
ライバ28Pに与えられ、その反転信号Fがオン/オフ
信号としてゲ−トドライバ28Nに与えられる。
【0023】プリセットカウンタ29aには、低周波周
期Tt×20msecを指定する、Ttを表わすデ−タがプリ
セット入力端に与えられる。カウンタ29aはプリセッ
ト値TtからクロックパルスPcの到来数をカウントダ
ウンして、カウント値が0になるとキャリ−パルスAを
発生してこれをフリップフロップ29cおよびプリセッ
トカウンタ29bに与え、そして自己をそこでクリアし
てTtを再セットしてまたパルスPcのカウントダウン
を開始する。これによりキャリ−パルスAが、クロック
パルスPcのTt個到来毎に発っせられる。
【0024】プリセットカウンタ29bはこのキャリ−
パルスAでクリアされそしてプリセットデ−タTdをロ
−ドし、TdからクロックパルスPcのカウンドダウン
を行なう。そしてカウント値が0になるとキャリ−パル
スBを発生してフリップフロップ29cに与え、次にク
リア信号(パルスA)が到来するまでカウント動作を停
止する。
【0025】フリップフロップ29cは、キャリ−パル
スAでセットされてそのQ出力Cを高レベルHとし、キ
ャリ−パルスBでリセットされてそのQ出力Cを低レベ
ルLに切換える。これにより、キャリ−パルスAからB
までの区間(高レベル通電区間)でH、BからAの区間
(低レベル通電区間)ではLの信号Cが、アナログゲ−
ト30に与えられる。アナログゲ−ト30は、信号Cが
Hの間電圧指令値Vdcを位相角α算出器24に与え、信
号CがLの間電圧指令値Vobを位相角α算出器24に与
える。
【0026】これにより、平滑コンデンサ26の電圧
(トランジスタブリッジ27の出力電圧)は、Vdc(高
レベル)となり、その次の連続Tt−Tdの間はVob
(低レベル)となり、次の連続Td個のクロックパルス
Pcが到来している間はVdc(高レベル)となる。以後同
様である。
【0027】上述の、パルス出力Eはゲ−トドライバ2
8P(図2)に与えられて、ゲ−トドライバ28Pが、
出力EがHの間はトランジスタブリッジ27の対角上に
ある一対のトランジスタをオンにし、Lの間はオフにす
る。一方、反転パルス出力Fはゲ−トドライバ28N
(図2)に与えられて、ゲ−トドライバ28Nが、出力
FがHの間はトランジスタブリッジ27の、もう1つの
対角上にある一対のトランジスタをオンにし、Lの間は
オフにする。
【0028】以上に説明した低周波制御器29の出力
C,EおよびFと、アナログゲ−ト30の電圧指令の切
換えならびにゲ−トドライバ28P,28Nのトランジ
スタオン,オフ付勢により、図2に示すコンデンサ3C
と電気コイル3との直列回路には、図4に「27の出
力」として示す交流電圧パルスが印加され、その周波数
は50Hz(周期がクロックパルスPcの周期20msec)
である。
【0029】この交流電圧パルスの波高値は、位相角α
算出器24(図2)に与えるコイル電圧指令値Vdcおよ
びVobで定まる。この実施例では、Vob=(1/2)・Vdcに
設定されている。Vdcの出力周期(長周期)は、低周波
制御器29のカウンタ29aに与えるプリセットデ−タ
Ttで定まるTt×20msecである。出力区間は低周波制
御器29のカウンタ29bに与えるプリセットデ−タT
dで定まるTd×20msecで、出力デュ−ティは(Td/
Td)×100%である。コイル電圧指令値Vdcを増,
減することにより交流電圧パルスの波高値が昇,降し、
交流1パルス(20msec周期)当りの磁束強度すなわちピン
チ力が増,減する。コイル電圧指令値Vobを増,減する
ことにより、立上りを早くするためのバイアスレベルが
昇,降し、高レベル交流1パルス(Tt×20msec)のピン
チ力による溶鋼の応答(移動立上り速度)が増,減する。
プリセットデ−タTtを増,減することにより振動周期
(Tt×20msec)が長,短と変わる。プリセットデ−タ
Tdを増,減することにより1区間(Td×20msec)中
のピンチ力の力積が増,減し、一長周期(Tt×20mse
c)間の力積量が増減する。
【0030】したがって、コイル電圧指令値Vdc,Vo
b,プリセットデ−タTtおよびプリセットデ−タTd
を操作して、電気コイル3による鋳型内溶鋼MMのピン
チ力による振動の強さ(振幅),立上り速度,周期およ
び力積(一周期間の強さ)を、パウダ−を所望流量で円
滑かつ安定して溶鋼/鋳型内面間に供給するように調整
しうる。交流パルスは20msec短周期であり、従って周波
数は50Hzであが、この周波数50Hzを共振周波数
とするように、コンデンサ3Cの容量Cが、50Hz=
1/〔2π√(LC)〕なる値であるので、交流パルス
(50Hz)に対する、コンデンサ3Cと電気コイル3との直
列回路の直列共振により、該直列回路のインピ−ダンス
が最低で、電気コイル3の無効電力が最底であり、直流
電源回路(22〜26)は最も効率的に設計しうる。す
なわち電気コイル3の所要電流値およびインダクタンス
Lに対して、最も小容量の電源回路を採用しうる。
【0031】
【発明の効果】低レベル通電により、溶鋼には高レベル
通電のときと同様なピンチ力、ただし弱い力、が作用し
ており、高レベル通電に切換わるとこのピンチ力が増大
して溶鋼の表層部が中心部から盛り上がる。このような
溶鋼の移動は、溶鋼の慣性による遅れがあるが、低レベ
ル通電により弱いピンチ力を予め与えているので、高レ
ベル通電に切換えてからの溶鋼の盛り上がりが早くな
り、高レベル通電による鋳型の潤滑効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の外観と中央縦断面を示す
斜視図である。
【図2】 図1に示す電気コイル3に給電する電源回路
20の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示す低周波制御器29の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】 図3に示す電気回路各部の電気信号を示すタ
イムチャ−トである。
【符号の説明】
1:鋳型内壁 2:水箱 3:電気コイル 3f:磁束 3C:コンデンサ MM:溶鋼 PW:パウダ SB:鋳片 20:電源回路 21:三相交流 22:サイリスタブリッジ 23:ゲ−トドラ
イバ 24:位相角α算出器 25:インダクタ 26:コンデンサ 27:トランジス
タブリッジ 28P,28N:ゲ−トドライバ 29:低周波制御
器 29a,29b:プリセットカウンタ 29c:フリップフロップ 30:アナログゲ
−ト回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 健 彦 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平4−13445(JP,A) 特開 昭62−230459(JP,A) 特開 昭64−83348(JP,A) 特開 平6−182497(JP,A) 特開 平7−241654(JP,A) 特開 平3−90255(JP,A) 特開 平6−182517(JP,A) 特開 平6−47513(JP,A) 特開 平5−293613(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/04 311 B22D 11/07 B22D 11/115

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属を取り囲む鋳型辺を周回する電気
    コイル,該電気コイルに高レベルの電流を間欠的に繰返
    通電する高レベル通電手段、および、高レベル電流通
    電区間の外側において前記電気コイルに低レベルの電流
    を通電する低レベル通電手段、を備え、高レベル通電手
    段は、直流電源回路、およびその出力端と前記電気コイ
    ルの間に介挿された間欠的な繰返し通電のためのスイッ
    チング手段を含むことを特徴とする、鋳型装置。
  2. 【請求項2】高レベル通電手段は、高レベル電流通電区
    間で、短い周期でスッチング手段のオン,オフを繰返す
    スイッチング制御手段を含む、請求項1記載の鋳型装
    置。
  3. 【請求項3】鋳型装置は更に、前記スイッチング手段の
    出力端と前記電気コイルに直列に接続されたコンデンサ
    を備え、該コンデンサの容量は、スイッチング手段の前
    記オン,オフの繰返し周波数が、前記電気コイルとコン
    デンサの直列共振周波数となる値である、請求項2記載
    の鋳型装置。
  4. 【請求項4】直流電源回路は、直流出力電圧が可調整の
    インバ−タである、請求項1,請求項2又は請求項3
    載の鋳型装置。
  5. 【請求項5】スイッチング制御手段は、高レベル電流通
    電区間の繰返し周期を調整する手段およびデュ−ティを
    調整する手段を含む、請求項2,請求項3又は請求項4
    記載の鋳型装置。
  6. 【請求項6】短い周期の周波数は10Hz〜1KHzで
    ある、請求項2,請求項3,請求項4又は請求項5記載
    の鋳型装置。
  7. 【請求項7】低レベル通電手段は、直流電源回路、およ
    びその出力端と前記電気コイルの間に介挿された間欠的
    な繰返し通電のためのスイッチング手段を含む、請求項
    1記載の鋳型装置。
  8. 【請求項8】低レベル通電手段は、高レベル電流通電区
    間の外側で、短い周期でスッチング手段のオン,オフを
    繰返すスイッチング制御手段を含む、請求項7記載の鋳
    型装置。
  9. 【請求項9】鋳型装置は更に、前記スイッチング手段の
    出力端と前記電気コイルに直列に接続されたコンデンサ
    を備え、該コンデンサの容量は、スイッチング手段の前
    記オン,オフの繰返し周波数が、前記電気コイルとコン
    デンサの直列共振周波数となる値である、請求項7記載
    の鋳型装置。
  10. 【請求項10】直流電源回路は、直流出力電圧が可調整
    のインバ−タである、請求項7,請求項8又は請求項9
    記載の鋳型装置。
  11. 【請求項11】スイッチング制御手段は、高レベル電流
    通電区間の繰返し周期を調整する手段およびデュ−ティ
    を調整する手段を含む、請求項8,請求項9又は請求項
    10記載の鋳型装置。
  12. 【請求項12】短い周期の周波数は10Hz〜1KHz
    である、請求項8,請求項9,請求項10又は請求項1
    記載の鋳型装置。
  13. 【請求項13】高レベル電流のレベルに対する低レベル
    電流のレベルの比は、1/2以下である、請求項1,請
    求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請
    求項7,請求項8,請求項9,請求項10,請求項11
    又は請求項12記載の鋳型装置。
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