JP3049547B2 - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

光電変換素子及びその製造方法

Info

Publication number
JP3049547B2
JP3049547B2 JP8200251A JP20025196A JP3049547B2 JP 3049547 B2 JP3049547 B2 JP 3049547B2 JP 8200251 A JP8200251 A JP 8200251A JP 20025196 A JP20025196 A JP 20025196A JP 3049547 B2 JP3049547 B2 JP 3049547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
forming
electrode
semiconductor region
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8200251A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1051015A (ja
Inventor
弘章 吉原
重雄 流石
芳樹 前屋敷
Original Assignee
株式会社オプトテクノ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社オプトテクノ filed Critical 株式会社オプトテクノ
Priority to JP8200251A priority Critical patent/JP3049547B2/ja
Publication of JPH1051015A publication Critical patent/JPH1051015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3049547B2 publication Critical patent/JP3049547B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池として、あ
るいはまた光信号検出素子として用いられる光電変換素
子とその製造方法に関し、特に、光起電力ないし光起電
圧(総称して光電変換電気出力)を取り出すべき第一、
第二の電極を光電変換素子の同一表面上にあって互いに
並設の関係になるように形成する際、これを簡単に行な
えるようにするための構造原理上の、ないし製造方法上
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体基板により構成される半導
体領域に対し、単層構造または複数層の積層構造から成
る接合形成層を積層し、光の入射により発生した光電変
換電気出力を半導体領域の側に設けられた第一電極と接
合形成層の側に設けられた第二電極とから取り出す形式
の光電変換素子は様々なものが公知となっている。
【0003】このような光電変換素子において良く議論
される対象の一つに、「光の入射面積」があり、一般に
はこれをなるべく広く採って素子としての光電変換効率
を高めるため、光を透過させない第一、第二電極を光の
入射面上に設けるのは望ましくないとされることも多
い。
【0004】実際、本出願人を始め、多くの研究機関に
より、こうした要請に即するための工夫も種々なされて
きており、接合形成層の側が光の入射面となる場合、半
導体領域にあってこの接合形成層の形成されている面を
表面とするならば、これと反対側の面である裏面の方に
第一、第二電極を揃える試みもなされている。
【0005】しかし、これとは逆に、第一、第二電極が
所定の面積を有することでその分、光の入射面積は減る
にしても、この種の光電変換素子を実際の機器、それも
特に小型な機器に組み込むに際し、機器内部構造の都合
上から、あるいはまた内部構造の簡素化や、より一層の
小型化、薄型化を図るべきとの要請から、あえて光の入
射面側、特に接合形成層の形成されている表面側に第
一、第二の電極を揃えたいとされる場合も少なくない。
【0006】例えば、接合形成層と相まって光電変換機
能を生ずる半導体領域を一般に半導体基板から構成する
場合、この半導体基板の裏面の方に第一、第二電極を揃
えると、受光面積は増え、また、直接見た目には美しい
が、この第一、第二電極に接触するパッド部分から外部
引き出し端子までの所定の配線パタンを有する配線層は
別な配線基板ないし配線シートの上に形成し、その上に
半導体基板を載せねばならなくなる。一方、本来なら何
も設ける必要がない筈の表面側にも、実際には機器への
組み込を考えると素子の保護を兼ね、透光性の窓板部材
ないし窓板シートを設けねばならない。こうしたことか
ら結局、入射面に対向する半導体基板裏面側に第一、第
二電極を揃えると、半導体基板自身の厚味に加え、裏面
側に設けられる配線基板ないし配線シートの厚味と表面
側に設けられる窓板部材ないし窓板シートの厚味とを考
慮して素子を組込む機器の厚味寸法を決定せねばなら
ず、その意味で薄型化には限界がある。
【0007】これに対し、接合形成層の表面側に第一、
第二電極を揃えれば、入射面側の保護を兼ねる窓板部材
ないし窓板シートをそのまま配線層を支持する部材とし
て兼用できるため、半導体基板裏面側に特に必要な板部
材はなくなり、その分、機器の厚味は確実に薄くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような理由によ
り、従来からも半導体領域の側ではなく、接合形成層の
表面側に第一、第二電極を揃える構造も提案されてはい
る。しかし、従前のそれら素子においては、接続形成層
を半導体基板上に無造作に一連に形成するような簡単な
工程は採用できなかった。と言うのも、接合形成層を半
導体基板上に一連に形成してしまうと、当該接合形成層
に対して電気的接続を取るべき第二電極は比較的簡単な
工程で形成することができても、半導体領域に対し電気
的導通を取るべき第一電極は当該接合形成層を貫通させ
て半導体基板にのみ電極的に導通するような構造とせね
ばならず、これに関して従来考えられていた手法はかな
り複雑であった。そこで、電極形成に関する限り、それ
よりは簡単な手法として、接合形成層を選択拡散、選択
エピタキシィ等の手法により選択的な面積領域として形
成し、接合形成層を形成しなかった半導体基板表面部分
に第一電極を形成するようにしていた。しかし、電極形
成は簡単になるとは言え、こうした選択的領域形成手法
自体、一般には極めて簡単な手法とは言えず、コスト的
にも決して安価に済むとは言えなかった。
【0009】本発明は特にこうした点に鑑み、接合形成
層の側に第一、第二電極を揃えるにも、従来に比しでき
れば大いに簡単な手法により、そうでなくとも少なくと
も少しでも簡単な手法により、それら第一、第二電極を
形成し得る構造原理を持つ光電変換素子ないしその製造
方法を提供せんとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、半導体領域の一面側に半導体領域と相まって
光電変換機能を生ずる接合形成層を形成し、半導体領域
に電気的に導通する第一電極と接合形成層に電気的に導
通する第二電極とから光電変換電気出力を取り出す光電
変換素子であって、 (a) 接合形成層を貫通し、当該接合形成層を断面構造で
見て互いに横方向に並設の関係になる第一の部分と第二
の部分とに分かちながら上記の半導体領域にまで至る深
さの(すなわち、少なくとも半導体領域の表面を露呈す
るか、若干半導体領域に食い込む程度の深さの)分離溝
を有し、 (b) 接合形成層の第一の部分の表面に接して上記の第二
電極が設けられることで接合形成層のこの第一の部分は
光電変換機能を生ずるための有効領域となっている一
方、 (c) 接合形成層の第二の部分は光電変換機能に関し無効
な領域となっており、この第二の部分にはさらに、当該
第二の部分を貫通し、半導体領域にまで至る深さの(つ
まり、先と同様、少なくとも半導体領域の表面を露呈す
るか、若干半導体領域に食い込む程度の深さの)第一電
極形成用溝が設けられ、 (d) この第一電極形成用溝内に電極材料が侵入すること
で、該溝の開口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至
って上記半導体領域に接するように、上記の第一電極が
形成されていること;を特徴とする光電変換素子を提案
する。
【0011】ここで、上記構成要件群(a) 〜(d) に従う
本発明の光電変換素子の接合形成層は平面的に見て正方
形、長方形等、矩形形状を取ることができ、この場合、
既述の分離溝と第一電極形成用溝とは、矩形形状の対向
する一対の辺の一方の辺の近くに沿って伸び、この一対
の辺に直交するもう一対の辺にまで抜け切るように、互
いに平行に直線状に切られている構造にすることができ
る。このような溝構造はカッティングソーや微細構造加
工用のレーザを用いての加工処理で簡単に形成すること
ができる。
【0012】一方、本発明の光電変換素子ではまた、第
一電極形成用溝は平面的に見て矩形または円形、あるい
はその他任意の「閉ざされた形状」、すなわち環状をな
していても良く、この場合、分離溝はこの第一電極形成
用溝により取り囲まれたような格好でやはり環状に形成
することになる。こうした場合、既述した接合形成層の
第一の部分は、平面的に見ると分離溝を介し第二の部分
により取り囲まれ、断面で見ると第一の部分の両側に位
置するようになる。
【0013】ただし、このような構造では、環状の第一
電極形成用溝の全てに亙って第一電極を形成する必要は
なく(そうしても良いが)、第一電極は任意所望の個所
に部分的に形成して差し支えない。この点は、先に述べ
た場合のように、第一電極形成用溝が直線状の溝である
場合も同様で、その全長に亙って第一電極が形成されて
いる必要は必ずしもなく、任意の長さ部分にのみ亙るよ
うに部分的に設けられていても良い。
【0014】なお、接合形成層の表面にあって第一、第
二電極の形成されている以外の部分の表面上には、単純
に表面保護の場合を含め、パッシベィション効果を期す
るため、あるいはまた本発明のそもそもの動機に応じ、
接合形成層の方を光の入射面とする場合には入射光に対
する反射防止効果を期待するために、適当なる材料の表
面膜を形成することができる。
【0015】ただし、予め述べておくと、本発明をなし
た動機は、既述のように接合形成層の側を光の入射面と
する場合にも、あえて当該接合形成層の表面に第一、第
二電極を揃えたいとする素子を簡単に得ることにあった
が、本発明のなされた結果からすれば、要は接合形成層
の表面側に第一、第二電極を揃える素子であれば本発明
の適用を受けることができ、必ずしも接合形成層の側が
光入射面となっている必要はない。少なくとも本発明の
構造原理に従えば、半導体領域の一面に形成されている
接合形成層を予め分離溝により第一の部分と第二の部分
とに分け、第一の部分には第二電極を付して光電変換機
能に寄与する有効な領域として残すが、第二の部分には
そのまま第一電極形成用溝を切ってしまうことで光電変
換に関し実質的に無効な領域とし、これにより簡単に半
導体領域に接続する第一電極が形成できると言う利点
は、従来例には認められない大きな利点である。
【0016】本発明ではさらに、このような構造の光電
変換素子を製造する方法についても提案する。すなわち
本発明は、基本的にまず、 (A) 半導体領域の一面側に当該半導体領域と相まって光
電変換機能を生ずる接合形成層を形成した後; (B) 接合形成層を貫通して半導体領域にまで至る深さの
分離溝を穿ち、この分離溝により当該接合形成層を光電
変換機能を生じさせるために有効な領域とすべき第一の
部分と、光電変換機能に関し無効な領域とすべき第二の
部分とに分かつと共に; (C) 接合形成層の第二の部分にはさらに、この第二の部
分を貫通し、半導体領域にまで至る深さの第一電極形成
用溝を穿ち; (D) この第一電極形成用溝に電極材料を侵入させて、こ
の溝の開口部から側面に沿い底部に至って半導体領域に
接する第一電極を形成する一方; (E) 接合形成層の第一の部分の表面に接して第二電極を
形成すること;を特徴とする製造方法を提案する。
【0017】ここで、要すれば上記の工程(D),(E) は同
時工程とし、簡単、便宜には適当なる電極材料の印刷工
程か、またはマスク蒸着工程とすることができる。ま
た、工程(B),(C) による各溝の形成も同時工程、ないし
少なくとも連続した工程とすることができる。ただし、
分離溝と第一電極形成用溝の形成の順番は任意で、原則
としてはどちらが先であっても良く。製造の現場におい
て都合の良い方に従えば良い。
【0018】さらに、素子構造に関して先に述べたよう
に、表面保護、パッシベィション、光反射防止の中、少
なくとも一つまたは幾つか、あるいは全ての作用を有す
る表面膜を形成するには、次の二つの手法の一つを選択
することができる。
【0019】一つは、接合形成層の表面を露呈させたま
まに上記の工程(B) 以降を辿る場合で、この時には工程
(D),(E) により第一、第二電極を形成した後に表面膜を
形成する。この場合、特に、当該表面膜の形成の前に第
一、第二電極の表面に相対的に低い融点の金属層(例え
ば錫、鉛、金等の層)を設け、表面膜の形成はこの金属
層がその融点以上に加熱される温度下で行なうようにす
ると、形成される表面膜が金属層の表面の上には形成さ
れないようにすることができて望ましいし、あるいはま
た、これに代え、表面膜の形成時にではなく、形成後に
あっても、当該金属層をその融点以上の温度に加熱すれ
ば、溶融により金属層の表面上に形成された表面膜が破
られるので、やはり金属層の表面を露呈することができ
る。そして、もとより限定的ではなく、他の材料、他の
手法でも良いが、このような方法にとって適当なる表面
膜形成手法としては、例えばプラズマCVDにより表面
膜として窒化シリコン膜を形成したり、スピンコートに
より酸化シリコン膜を形成する手法がある。ただし、特
には第一、第二電極の表面に低融点金属層を別に形成し
なくても、例えば上述の手法により表面膜を適当な薄さ
に形成すれば、その後、適当なる温度で加熱処理する
と、電極材料が高温となるためにその上で適当な溶融流
れを起こし、自動的に第一、第二電極の表面部分が露出
し、特に第一、第二電極の表面を避けての形成とか、形
成後の当該部分の表面膜材料除去等の工程が不要になる
こともある。いずれにしても、このように第一、第二電
極の形成後に表面膜を形成する場合には、分離溝をカッ
ティングソーやレーザ等により機械的または熱的に掘削
しても、形成された溝の側面には別な材料の残渣等が付
着し難いので、これを除去する手続が不要になることが
多く、全工程がより簡便になり易い。さらに加えて、第
二電極を形成するにも、始めから露出している接合形成
層の表面に対しての印刷、マスク蒸着等により当該第二
電極を形成できるので、結局、第一電極や第二電極の形
成に関してのリソグラフィ工程は全く不要とすることも
できる。
【0020】もう一つの手法は、上記(A) の工程で半導
体領域の上に接合形成層を形成した後、上記工程(B) の
前に表面膜を形成する工程を含ませる手法である。この
場合には、接合形成層の第一の部分の表面に接触する第
二電極を形成するには、既に形成されている当該表面膜
に対し第二電極形成用のコンタクト開口を開けるため
に、フォトレジストを用いたリソグラフィ工程が必要に
なる。また、第一電極形成用溝を形成するのにカッティ
ングソーによる機械加工を採用すると、形成された溝の
側面に、表面膜に開口を開けるために用いたフォトレジ
ストの残渣があたかも塗り込められるように付着するこ
ともある。そこでこのような場合には、本発明として必
須のことではないが、予め第一電極形成用溝や分離溝の
形成される部分の所に位置するフォトレジストの材料を
除去するため、当該フォトレジストのパタン化処理をし
ておいたり、機械加工により第一電極形成用溝、分離溝
を形成した後、さらに溝の側面をある程度エッチングし
た方が良いこともある。
【0021】このように、単純な比較からすれば、表面
膜を第一、第二電極の形成後に形成するようにした第一
の手法の方が簡単で済み、望ましいとは言える。しか
し、第二の手法を採っても、本願発明以前の従来手法に
従い第一、第二電極を形成する場合に比せば、やはり工
程は簡単化する。つまり、半導体領域の一面に形成され
ている接合形成層を予め分離溝により第一の部分と第二
の部分とに分け、第一の部分には第二電極を付して光電
変換機能に寄与する有効な領域として残すが、第二の部
分にはそのまま第一電極形成用溝を切ってしまうことで
光電変換に関し実質的に無効な領域とし、これにより簡
単に第一電極が形成できると言う利点は、従来にない優
れた利点である。
【0022】本発明の光電変換素子は、一枚の半導体基
板ウエハ上に複数個をまとめて作ることができる。隣接
する素子との分割は、この種の分野で良く行なわれてい
る常套的な手法に従って良く、例えば素子間の分割溝を
ある程度の深さにまで切っておいてから割断する、いわ
ゆる「チョコレートカット」手法で分割すれば良い。こ
の際、当該素子間の分割溝と上記した第一電極形成用
溝、分離溝とは、同時ないし連続工程で穿つことができ
る。
【0023】また、先にデバイス発明としての本発明に
関し述べたように、本発明の光電変換素子は平面的に見
て正方形、長方形等の矩形の形状を取ることができ、こ
の場合、既述の分離溝と第一電極形成用溝とは、矩形形
状の対向する一対の辺の一方の辺の近くに沿って伸び、
この一対の辺に直交するもう一対の辺にまで抜け切るよ
うに、互いに平行に直線状に切られている構造にするこ
とができる。このような溝構造に従う場合、それら一対
の溝は直線状で良いので、その形成は特にカッティング
ソーによる直線切りで簡単に行なえる。微細構造加工用
のレーザを用いる場合にも、当該レーザ装置の設定や走
査が楽になり、単純な直線走査で良いために加工速度も
早くなる。ただし、これも先に述べた通り、平面的に見
て第一電極形成用溝を環状に切り、さらにその内側に分
離溝をやはり環状に切るようにすることもでき、この場
合、そうして形成した第一電極形成用溝の全部ではなく
とも、必要個所にのみ、第一電極を形成して構わない。
この点は、これも先に述べたように、第一電極形成用溝
を直線状に形成する場合も同様で、当該第一電極形成用
溝の全長に亙って第一電極を形成するのではなく、その
長さの一部分に亙り部分的に形成しても良い。
【0024】
【発明の実施の形態】図1には本発明の望ましい実施形
態として、本発明に従う光電変換素子の製造工程例が示
されている。まず、同図(A) に示すように、一般には半
導体基板(半導体ウエハ)として提供される半導体領域
11の上に、当該半導体領域11と相まって光電変換機能を
生ずる接合形成層21を形成する。このような積層構造か
ら成る光電変換素子自体は既に様々なものが公知となっ
ており、本発明でもこの構造自体については任意のもの
を採用することができる。例えば半導体領域11が p型シ
リコン基板である場合、接合形成層21は代表的には n
型、望ましくはn+型シリコン層とすることができる。厚
味については、一般に半導体ウエハとして提供される半
導体領域11が 400ないし 500μm あるとしても、接合形
成層21の厚味はたかだか 1ないし 3μm 程度とすること
ができる。
【0025】接合形成層21はその外、半導体領域11とヘ
テロ接合を形成する材料、例えば半導体領域11が p型半
導体領域の場合、SnO2,In2O3,a-Si,a-SiC等の材料であっ
ても良く、あるいはまたショットキ接合を形成する材
料、例えば金、白金等であっても良い。さらに、図示し
ていないが、接合形成層21のそれ自体が例えば i層、n層
等の複数層の積層構造から成っていても良く、要するに
公知既存の光電変換素子に認め得る接合形成層21の内部
構造は、本発明により製造される光電変換素子において
も任意に採用可能である。もちろん、半導体領域11と接
合形成層21の導電型は反転可能である。
【0026】こうした構造を形成した後、次いで図1
(B) に示すように、接合形成層21を貫通して半導体領域
11にまで至る深さ、つまり、少なくとも半導体領域11の
表面を露呈するか、もしくは図示のように半導体領域11
に若干食い込む深さの分離溝31と第一電極形成用溝32と
を穿つ。図示の場合には、この外に一対の分割溝33,33
も示されているが、これは一枚の半導体ウエハを共通の
半導体領域11として複数個の光電変換素子10を集積形成
する場合に隣接する素子間を分割するためのもので、本
発明要旨構成には直接の関係はない。
【0027】すなわち、この種の分野では、一枚の半導
体ウエハに何等かの機能を営む半導体素子を作製する場
合、同じ構成のものを多数個集積して形成することがあ
る。こうした場合、作製を完了した複数個の素子を最後
に一つ一つに分割する際、いわゆる「チョコレートカッ
ト」方式により個々の素子を割断することが多い。その
際、当該割断を容易にするため、半導体ウエハ11として
の半導体領域11の厚味の半分以上にまで、深い分割溝3
3,33を穿つのが普通である。本発明の光電変換素子も
こうした集積形成が可能なので、図示の断面ではその際
の隣接素子間分割のための分割溝33,33を示しているの
であって、実際には図2に示すように、分割溝33,33の
伸びる方向を例えば列方向とするならば、これと直交す
る行方向にも所定の間隔をおいて複数本の分割溝34,34
が穿たれる。なお、図2中の I-I線に沿う断面にあって
中央の一素子分の断面構造が図1(D) 及び後述する図3
(E)の断面構造に相当する。ただし、このように一枚の
ウエハ上に複数個の素子を集積する場合にも、本発明は
一つ一つの素子についての適用が可能であり、逆に半導
体領域11上に単一の素子しか作らない場合にももちろん
適用ができるので、以下の説明では専ら、単位領域10a
の中に作られる光電変換素子一つ分についてのみ説明す
る。
【0028】ここで、分離溝31や第一電極形成用溝32
は、接合形成層21を貫通することで少なくとも半導体領
域11の表面を露呈させれば良いので、上述のように接合
形成層21の厚味が 1〜 3μm 程度であるならば、これら
の溝31,32の深さも、最低、この程度あれば良いことに
なるが、しかし、実際には若干、半導体領域11中に食い
込むように、その深さは例えば10〜30μm 程度とするの
が良い。一方、幅についてはそれこそ任意で、分離溝31
の幅は数μm 程度以下であって良く、第一電極形成用溝
32の幅も同程度、ないし数十μm 程度もあれば良い。
【0029】ただ、後述の所から理解されるように、接
合形成層21にあって分離溝31で分離される図示右側の部
分を第一の部分とするならば、本発明による素子完成
後、この第一の部分が実質的に半導体領域11と相まって
光電変換機能を生ずるに有効な領域となり、図示左側の
部分は無効な領域となるので、有効領域をできるだけ確
保するためには、分離溝31の位置をできるだけ接合形成
層21の両縁の中、一方の縁側に寄せて作り、第一電極形
成用溝32との離間距離も短く採る外、それぞれの溝幅も
なるべく小さく採るのが望ましい。
【0030】このような分離溝31、第一電極形成用溝32
は、望ましくはカッティングソーによる機械加工か、ま
たは微細構造加工用のレーザによる熱的加工で形成す
る。と言うよりも、本発明の構造原理に従うと、このよ
うな加工手法を採用することができる。そして、ここで
述べている実施例では、図2にも示すように、個々の単
位領域10a が矩形の形状をなしているので、分離溝31は
接合形成層の対向する一対の辺(隣接素子間分割溝33,
33に沿う縁部)の一方の辺(図示の場合は左側の辺)の
近くに沿って伸び、当該一対の辺と直交するもう一対の
辺(図2中の隣接素子間分割溝34,34に沿う両縁部)に
抜け切るように単に直線状に切るだけで、接合形成層21
を第一の部分と第二の部分とに分割することができる。
従ってカッティングソーを用いる場合にも極めて簡単な
作業となるし、微細構造加工用レーザを用いる場合にも
当該レーザ装置の設定や作業、走査が楽になり、単純な
直線走査で良いために加工速度も早くなる。第一電極形
成用溝32の穿設についても同様のことが言える。また、
当然ではあるが、この分離溝31、第一電極形成用溝32の
穿設工程は、素子間の分割溝33,33及び34,34の穿設工
程と連続する工程で行なうことができる。ただし、これ
らの溝切りの順番は、製造の現場の都合に応じ任意であ
る。
【0031】次に、図1(C) に示す電極形成工程に移る
が、その前に、必要であれば、切削した各溝31,32,3
3,34の側面の材料を若干除去するように、半導体領域1
1の露出側面のエッチング処理を行なう。これは、カッ
ティングソーを用いて機械加工をしたような場合には特
に、材料残渣が溝側面に付着したり、付着した残渣を溝
側面に塗り込めてしまった結果、半導体領域11と接合形
成層21の側面でのリークが生じたりする恐れがなきにし
もあらずだからである。カッティングソーによる物理的
な損傷も考えられないではない。もっとも、図3に即し
て後述する本発明の他の手法に比すと、この図1に示す
手法では材料残渣が特に問題となるようなことも少な
く、当該エッチング等は省略できることも多い。
【0032】いずれにしても、図1(C) に示す電極形成
工程では、接合形成層21の第一の部分(分離溝31の右側
に位置する領域部分)の表面の任意所望の位置と、第一
電極形成用溝32とに対し、シルク印刷に代表される印刷
法で適当なる電極材料を付着させる。これにより第一電
極形成用溝31内には電極材料が侵入して半導体領域11に
接触する第一電極41が形成され、また接合形成層21の第
一部分に対しても第二電極42が形成されて、当該接合形
成層21の第一部分が光電変換機能に関し有効な領域とな
る。対して接合形成層21の第二の部分(分離溝31の左側
に位置する領域部分)は、第一電極41が設けられて半導
体領域11に対し短絡関係となるので、光電変換機能に関
しては無効な領域となる。ただし、第一電極41が半導体
領域11に電気的に導通することが重要なのであって、こ
の第一電極41が半導体領域11と接合形成層21の第二部分
とを短絡することは必須ではない。何等かの都合によ
り、第一電極形成用溝32の側面は絶縁層により覆われて
いる等しても良い。この場合にも当然、電気的に半導体
領域11とは独立することになるとは言え、接合形成層21
の第二の部分から電極等を取り出す訳ではないから、や
はりこの第二の部分は光電変換機能の生成に関し無効な
領域となる。
【0033】また、こうした電極形成には、上述の印刷
法に代え、マスク蒸着法等も採用でき、その他、公知既
存の任意の手法を採用して構わない。しかし、少なくと
も本発明の構造原理によると、接合形成層21を分離溝31
によって第一、第二の部分に分け、第一の部分に第二電
極を形成することで当該第一部分を光電変換機能に寄与
する有効領域とし、一方で第二の部分は光電変換機能に
関し無効な領域と割り切ってしまうことで、当該第二部
分には何も気を使うことなく、半導体領域11に対して電
気的導通を採るべき第一電極を単に形成すれば良くな
り、製造方法自体が簡単になる利点が生まれる。特にこ
の図1に示す実施形態のように、接合形成層21の表面を
露出させたまま電極形成までの工程を経る場合には、特
に前処理を必要とすることなく、第二電極42も接合形成
層21の第一の部分の表面上に単に形成することができる
ため、極めて簡単である。
【0034】このように第一、第二電極の形成をもって
本発明に従う光電変換素子が基本的には完成するが、実
際には次いで図1(D) に示すように、素子の表面保護作
用、パッシベィション作用、あるいはまた接合形成層21
の側を光入射面とする場合には反射防止作用の中、少な
くとも一つまたは幾つか、あるいは全ての作用を得るた
めに、適当なる表面膜51を形成し、その後、隣接素子間
の分割溝33及び図2中の分割溝34に従い各素子10を割
断、独立させて、商品としての光電変換素子10とする。
改めて述べれば、本発明の光電変換素子10において、分
離溝31を挟み第一電極41の設けられている側の接合形成
層21の領域部分21b は素子としての光電変換機能に寄与
しない無効領域21b であり、分離溝31を挟んで反対側に
位置し、第二電極42の設けられている領域部分21a が素
子としての光電変換機能に寄与する有効領域21a とな
る。
【0035】なお、必要に応じ上述のような各作用の得
られる表面膜51の具体例としては、例えばプラズマCV
Dにより作製された窒化シリコン膜とか、スピンコート
により形成された酸化シリコン膜等があるが、これらは
便利なことに、第一、第二電極41,42の表面を含み素子
表面の全面に一連に形成しても、それがある程度薄けれ
ば、その後、適当なる温度で加熱処理すると、電極材料
が高温となるためにその上で適当な溶融流れを起こし、
自動的に第一、第二電極41,42の表面部分が露出するの
で、特に第一、第二電極41,42の表面を避けての形成と
か、形成後の当該部分の表面膜材料除去等の工程が不要
になり、そのまま外部回路への配線パタン(図示せず)
をこれに接触させることができるようになることもあ
る。もっとも、より積極的な工夫としては、表面膜51の
形成に先立ち、第一、第二電極41,42を例えばクロム等
から構成し、その少なくとも表面上に相対的に低融点の
金属材料の層、例えば錫、鉛、金等の金属層を形成して
おき、表面膜の形成はこの金属層がその融点以上に加熱
される温度下で行なうようにすると、形成される表面膜
が金属層の表面の上には形成されないようにすることが
できて望ましいし、あるいはまた、これに代え、表面膜
の形成時にではなく、形成後にあっても、当該金属層を
その融点以上の温度に加熱すれば、溶融により金属層の
表面上に形成された表面膜が破られるので、やはり金属
層の表面を露呈することができる。このような電極表面
の自動露出作用を伴う表面膜の形成手法は、実際上、効
果的で確実な手法となる。もちろん、パッシベィション
作用、ないしさらには反射防止作用を持つ表面膜51を形
成する上では、上記材料の外にも種々考えられ、例えば
酸化インジウム等も良い材料である。
【0036】また、図示の場合、第一電極41はその表面
部分において接合形成層21の無効領域の表面に延在する
部分43,43を有しているが、必ずしもこのような幅寸法
を占める部分は必要なく、既に述べた理由により、無効
領域21b の幅寸法を小さく留める程、単位領域10a 内に
あって光電変換に寄与する接合形成層有効領域21a の占
有面積が増えるので望ましい。
【0037】さらに、図2の平面図に示すように、ある
意味では当然のことであるが、第一電極形成用溝32に形
成する第一電極41は、当該第一電極形成用溝32の長さの
全てに亙って設ける必要はなく(設けても良いが)、任
意所望の一部分にのみ部分的に設ければ良い。
【0038】図3は、本発明に従う別な製造方法を示し
ている。ただし各部の寸法関係や導電型関係、材料等
は、既に説明した所を援用することができる。符号につ
いても同様で、図1中におけると同じ符号は同一ないし
同様の構成要素を示す。
【0039】まず図3(A) に示すように、半導体基板な
いし半導体ウエハにより構成できる半導体領域11の上に
接合形成層21を形成し、実質的に光電変換機能を生成し
得る構造体を作製した後、予め表面膜52を接合形成層21
の全面上に形成してしまう。ただし、この表面膜52の形
成方法は任意であるし、これに期待する作用も任意であ
って、既に述べた通り、素子表面の単なる保護作用を始
め、パッシベィション作用、反射防止作用等、必要とす
る作用に応じたものであって良い。
【0040】表面膜52を形成した後、図3(B) に示すよ
うに当該表面膜52上にフォトレジスト60を形成し、これ
に対して以下のような各開口61〜64を開けるパタニング
処理を施す。図示断面で一番外側に左右一対、開けられ
ている開口63,63は、隣接素子間の分割溝33(図2及び
図3(C) 以降に図示)を形成する位置に設けられた開口
であり、この中、図中で左側に示されている開口63の右
隣にある開口62は第一電極形成用溝32(同じく図2及び
図3(C) 以降に図示)を形成する位置に設けられた開
口、さらにその右隣の開口62は分離溝31(同じく図2及
び図3(C) 以降に図示)である。そして、最後に残った
開口64、つまり、左右一対の開口63,63の中、右側に示
されている開口63に近い位置に開けられている開口64
は、後述する接合形成層21の第一の部分に対し電気的に
導通を採るべき第二電極のコンタクト開口を表面膜52に
対して開けるための開口である。もちろん、このような
フォトレジスト60に対するパタニング処理やこれに伴う
後述のエッチング処理には、この種の半導体素子作製分
野における公知既存の手法を援用することができる。
【0041】次に、図1(C) に示すように、開口61,6
2,63の開けられている位置に対しては、先に述べた寸
法関係等に応じ、それぞれ必要な深さにカッティングソ
ーないしレーザによって図面紙面を表裏に抜ける方向に
溝を穿ち、半導体領域11にまで至る深さの分離溝31、第
一電極形成用溝32と、半導体領域11の厚味の半分以上に
まで深く穿たれた隣接素子間の分割溝33,33を形成す
る。この時の各溝31〜33の配置関係や切り通し方向に関
しては既に図1に即して述べたと同様で良く、従って平
面形状に関しては再び図2を参照することができる。
【0042】そして、上記のように機械的に溝の穿設操
作をなした後には、望ましくはエッチング処理を行な
い、各溝の側面を綺麗な面にしておく。図3(C) はこの
工程を終えた段階での断面構造を示しており、そのた
め、表面膜52にあって各溝の側面に臨む部分52a は若
干、当該各溝の内方に向かって庇上に張り出した格好に
なっている。
【0043】ただ、そもそもカッティングソーやレーザ
による加工処理で各溝31〜33を穿つ前に、開口61〜63で
示すように、予めこれらの溝31〜33を形成する位置のフ
ォトレジスト60の材料を除去したのは、こうした機械加
工時にフォトレジスト60の材料(一般に樹脂系)が各溝
の側面に塗り込められるのを防がんとする意図であるの
で、必要な溝切り幅より若干広めにこれら各開口61〜63
を形成しておくことにより、そうした溝側面の損傷の恐
れが少ないのであれば、当該側面のエッチング処理は行
なわないで済む場合もある。
【0044】しかし、これをさらに逆に言えば、カッテ
ィングソーやレーザによる機械的ないしは熱的な加工処
理で各溝31〜33を形成するのであれば、フォトレジスト
60に対してそれら各溝31〜33の形成位置に設ける開口61
〜63は原理的には不要としても良いことを意味する。仮
にこのような開口61〜63を開ける手続を取らず、フォト
レジスト材料共々、各溝31〜33をカッティングソーやレ
ーザによる加工処理で直接かつ単に穿設した結果、形成
されたそれら溝31〜33の側面がフォトレジスト材料の残
渣等により汚染ないし毀損しても、その後のエッチング
処理によりこれら残渣除去や損傷の修復を図ることがで
きるし、もちろん、実際にも問題となる程の汚染ないし
毀損が生ぜず、従って残渣除去とか修復手続の必要のな
いこともある。
【0045】この後、フォトレジスト60を残置させたま
まエッチングを行なうと、図3(D)に示すように、表面
膜52には第二電極形成用のコンタクト開口35が開けら
れ、また、本工程の前までに各溝の側面から内方に張り
出すようになっていた既述の庇状部分52a があった場合
には、これも除去される。
【0046】この工程の後、フォトレジスト60を除去
し、先に述べたように望ましくは印刷法ないしはマスク
蒸着法等、適当なる電極形成手法により、第一電極形成
用溝31を介しては半導体領域11に接触する第一電極41
を、第二電極形成用のコンタクト開口35を介しては接合
形成層21の第一の部分に接触する第二電極42をそれぞれ
形成すれば、図3(E) に示すように、当該第二電極42が
接触している接合形成層21の第一の部分が半導体領域11
と相まって光電変換機能を生ずる有効領域21a となり、
分離溝31を挟んで残りの部分は光電変換機能に関し無効
な領域21b となる関係で、本発明に従う光電変換素子10
が完成する。その後は、必要に応じ隣接素子間の分割溝
33,33に沿って割断し、個々の素子を取り出せば良い。
【0047】しかるに、これまでの実施形態では、本発
明に従う個々の光電変換素子10を形成すべき各単位領域
10a は、図2に示すように矩形をなしており、いわゆる
チョコレートカットにより隣接素子から分離される場合
を想定していた。このような構造は実際には便利であっ
て、本発明により形成される分離溝31、第一電極形成用
溝32も、単純な直線切りで済む等、有利な点が多い。
【0048】しかし、本発明の原理構造からすれば、第
一電極形成用溝32が閉ざされた環状の平面形状をしてお
り、その内側にあって分離溝31も同様に閉ざされた環状
の形状をしている場合も考えられる。図4はそのような
実施形態を示している。ただし、理解を容易にするた
め、第一、第二電極や必要に応じて設けられる表面膜等
は図示していない。
【0049】すなわち、図4(A) の場合、接合形成層21
を貫通するように穿たれる第一電極形成用溝32は平面的
に見て矩形の環状をしており、これに応じて当該第一電
極形成用溝32により取り囲まれる関係でその内側に穿た
れる分離溝31も矩形の環状をなしている。同様に、図4
(B) の場合には、第一電極形成用溝32は平面的に見て円
形の環状をしており、これに取り囲まれる分離溝31もや
はり円形の環状をしている。こうした場合、図4(C) の
断面図に示すように、接合形成層21にあって光電変換に
寄与する第一の部分ないし有効領域21a は、その両側に
あって第二の部分ないし無効領域21b により挟まれる格
好になる。もちろん、各溝31,32の環状形状は、その
外、任意の平面形状を採ることができる。
【0050】また、このような構造において、第一電極
形成用溝32を介して設けるべき第一電極は、当該第一電
極形成用溝32の全周に亙って設ける必要はなく、一般に
その一部分にのみ、部分的に設ければ良い。接合形成層
21の有効領域21a に接触させるべき第二電極の位置も、
全く任意設計的な問題である。なお、同一の半導体基板
11上に複数個のこうした本発明素子を集積する場合も、
その分割に関しては任意の手法に従って良く、例えば先
に述べたと同様、いわゆるチョコレートカット方式に従
って構わない。
【0051】
【発明の効果】本発明によると、半導体領域と接合形成
層との積層構造から成る光電変換素子において、光電変
換電気出力を取り出すべき第一、第二電極を接合形成層
の表面側に揃えるに際し、その形成を簡単化することが
できる。従って製造労力も低減し、生産能率も向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の望ましい一製造工程例
の説明図である。
【図2】本発明の光電変換素子の平面構成に関する説明
図である。
【図3】本発明の光電変換素子の望ましい他の一製造工
程例の説明図である。
【図4】本発明の光電変換素子のたの構造例に関する説
明図である。
【符号の説明】
10 本発明光電変換素子, 10a 光電変換素子一つ分を作製するための単位領域, 11 半導体領域ないし半導体基板, 21 接合形成層, 21a 接合形成層の第一の部分ないし有効領域, 21b 接合形成層の第二の部分ないし無効領域, 31 分離溝, 32 第一電極形成用溝, 33 隣接素子間の分割溝, 34 隣接素子間の分割溝, 35 第二電極形成用のコンタクト開口, 41 第一電極, 42 第二電極, 51 表面膜, 52 表面膜, 60 フォトレジスト, 61,62,63,64 開口.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−124583(JP,A) 特開 昭55−55579(JP,A) 特開 昭61−35573(JP,A) 特開 昭63−299173(JP,A) 実開 平1−146562(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/02 H01L 31/04 H01L 31/10

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体領域の一面側に該半導体領域と相
    まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成し、該半
    導体領域に電気的に導通する第一電極と該接合形成層に
    電気的に導通する第二電極とから光電変換電気出力を取
    り出す光電変換素子であって; 上記接合形成層を貫通し、該接合形成層を断面構造で見
    て互いに横方向に並設の関係になる第一の部分と第二の
    部分とに分かちながら上記半導体領域にまで至る深さの
    分離溝を有し; 該接合形成層の該第一の部分の表面に接して上記第二電
    極が設けられることで該第一の部分は上記光電変換機能
    を生ずるための有効領域となっている一方; 上記接合形成層の上記第二の部分は上記光電変換機能に
    関し無効な領域となっており、この第二の部分にはさら
    に、該第二の部分を貫通し、上記半導体領域にまで至る
    深さの第一電極形成用溝が設けられ; 該第一電極形成用溝内に電極材料が侵入することで、該
    溝の開口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至って上
    記半導体領域に接するように、上記第一電極が形成され
    ていること; を特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光電変換素子であっ
    て; 上記接合形成層は平面的に見て矩形の形状をなし; 上記分離溝と上記第一電極形成用溝とは、該矩形の形状
    の対向する一対の辺の一方の辺の近くに沿って伸び、該
    一対の辺に直交するもう一対の辺にまで抜け切るよう
    に、互いに平行に直線状に切られていること; を特徴とする光電変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光電変換素子であっ
    て; 上記第一電極形成用溝は平面的に見て環状に形成され; 上記分離溝は、該環状の第一電極形成用溝に取り囲まれ
    るように、やはり平面的に見て環状に形成されており; もって上記接合形成層の第一の部分は該分離溝を介し、
    上記第二の部分により取り囲まれていること; を特徴とする光電変換素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光電変換素子であっ
    て; 上記第一電極は上記第一電極形成用溝の長さ方向の一部
    に亙ってのみ、部分的に設けられていること; を特徴とする光電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光電変換素子であっ
    て; 上記接合形成層の表面にあって上記第一、第二電極の形
    成されている以外の部分の表面上には、表面保護作用、
    パッシベィション作用、入射光に対する反射防止作用の
    中、少なくとも一つまたは幾つか、あるいは全ての作用
    を有する表面膜が形成されていること; を特徴とする光電変換素子。
  6. 【請求項6】 半導体領域の一面側に該半導体領域と相
    まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成した後; 該接合形成層を貫通して上記半導体領域にまで至る深さ
    の分離溝を穿ち、この分離溝により、該接合形成層を上
    記光電変換機能を生じさせるために有効な領域とすべき
    第一の部分と、上記光電変換機能に関し無効な領域とす
    べき第二の部分とに分かつと共に; 該第二の部分にはさらに、該第二の部分を貫通し、上記
    半導体領域にまで至る深さの第一電極形成用溝を穿ち; 該第一電極形成用溝に上記第一電極電極材料を侵入させ
    て、該溝の開口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至
    って上記半導体領域に接する第一電極を形成する一方; 上記接合形成層の上記第一の部分の表面に接して第二電
    極を形成すること; を特徴とする光電変換素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体領域の一面側に該半導体領域と相
    まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成した後; カッティングソーにより、該接合形成層を貫通して上記
    半導体領域にまで至る深さの分離溝を穿ち、この分離溝
    により、該接合形成層を上記光電変換機能を生じさせる
    ために有効な領域とすべき第一の部分と、上記光電変換
    機能に関し無効な領域とすべき第二の部分とに分かつと
    共に; 該第二の部分にはさらに、カッティングソーにより、該
    第二の部分を貫通し、上記半導体領域にまで至る深さの
    第一電極形成用溝を穿ち; 該第一電極形成用溝に電極材料を侵入させて、該溝の開
    口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至って上記半導
    体領域に接する第一電極を形成する一方; 上記接合形成層の上記第一の部分の表面に接して第二電
    極を形成すること; を特徴とする光電変換素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体領域の一面側に該半導体領域と相
    まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成した後; 微細構造加工用レーザにより、該接合形成層を貫通して
    上記半導体領域にまで至る深さの分離溝を穿ち、この分
    離溝により、該接合形成層を上記光電変換機能を生じさ
    せるために有効な領域とすべき第一の部分と、上記光電
    変換機能に関し無効な領域とすべき第一の部分と第二の
    部分とに分かつと共に; 該第二の部分にはさらに、微細構造加工用レーザによ
    り、該第二の部分を貫通し、上記半導体領域にまで至る
    深さの第一電極形成用溝を穿ち; 該第一電極形成用溝に電極材料を侵入させて、該溝の開
    口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至って上記半導
    体領域に接する第一電極を形成する一方; 上記接合形成層の上記第一の部分の表面に接して第二電
    極を形成すること; を特徴とする光電変換素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6,7または8に記載の方法であ
    って; 上記第一電極及び第二電極は印刷により形成すること; を特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項6,7または8に記載の方法で
    あって; 上記第一電極及び第二電極はマスク蒸着により形成する
    こと; を特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項6,7または8に記載の方法で
    あって; 上記接合形成層を平面的に見て矩形の形状に形成し; 上記分離溝と上記第一電極形成用溝とは、該矩形の形状
    の対向する一対の辺の一方の辺の近くに沿って伸び、該
    一対の辺に直交するもう一対の辺にまで抜け切るよう
    に、互いに平行に直線状に穿つこと; を特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項6または8に記載の方法であっ
    て; 上記第一電極形成用溝を平面的に見て環状に穿ち; 上記分離溝も、該環状の第一電極形成用溝に取り囲まれ
    るように、やはり平面的に見て環状に穿つこと; を特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項6,7,8,9,10,11または
    12に記載の方法であって; 上記半導体領域の一面側に上記接合形成層を形成した
    後、上記分離溝を穿つ前に、該接合形成層の表面上に表
    面保護、パッシベィション、光反射防止の中、少なくと
    も一つまたは幾つか、あるいは全ての作用を有する表面
    膜を形成する工程をさらに含み; 上記第二電極は、リソグラフィ工程によって該表面膜に
    開けられたコンタクト開口を介し、上記接合形成層の第
    一の部分の表面に接するように設けること; を特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって; 上記コンタクト開口を開ける工程は、上記分離溝及び上
    記第一電極形成用溝を穿つ工程の後に行なわれること; を特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 半導体領域の一面側に該半導体領域と
    相まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成した
    後; 該接合形成層を貫通して上記半導体領域にまで至る深さ
    の分離溝を穿ち、この分離溝により、該接合形成層を上
    記光電変換機能を生じさせるために有効な領域とすべき
    第一の部分と、上記光電変換機能に関し無効な領域とす
    べき第一の部分と第二の部分とに分かつと共に; 該第二の部分にはさらに、該第二の部分を貫通し、上記
    半導体領域にまで至る深さの第一電極形成用溝を穿ち; 該第一電極形成用溝に電極材料を侵入させて、該溝の開
    口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至って上記半導
    体領域に接する第一電極を形成する一方; 上記接合形成層の上記第一の部分の表面に接して第二電
    極を形成し; その後、上記接合形成層の第一、第二の部分の表面上に
    表面保護、パッシベィション、光反射防止の中、少なく
    とも一つまたは幾つか、あるいは全ての作用を有する表
    面膜を形成する工程を含み; 該表面膜は、該表面膜形成後の加熱処理により、上記第
    一、第二電極の高温化で溶融流れを起こし、該第一、第
    二電極の表面が露出する薄さであること; を特徴とする光電変換素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 半導体領域の一面側に該半導体領域と
    相まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成した
    後; 該接合形成層を貫通して上記半導体領域にまで至る深さ
    の分離溝を穿ち、この分離溝により、該接合形成層を上
    記光電変換機能を生じさせるために有効な領域とすべき
    第一の部分と、上記光電変換機能に関し無効な領域とす
    べき第一の部分と第二の部分とに分かつと共に; 該第二の部分にはさらに、該第二の部分を貫通し、上記
    半導体領域にまで至る深さの第一電極形成用溝を穿ち; 該第一電極形成用溝に電極材料を侵入させて、該溝の開
    口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至って上記半導
    体領域に接する第一電極を形成する一方; 上記接合形成層の上記第一の部分の表面に接して第二電
    極を形成し; 上記第一、第二電極の表面に相対的に低い融点の金属層
    を設けてから; 上記接合形成層の第一、第二の部分の表面上に表面保
    護、パッシベィション、光反射防止の中、少なくとも一
    つまたは幾つか、あるいは全ての作用を有する表面膜を
    形成する工程を含み; 該表面膜の上記形成は、上記金属層が上記融点以上に加
    熱される温度下で行ない、これにより、該形成される表
    面膜が該金属層の該表面の上には形成されないようにす
    ること; を特徴とする光電変換素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 半導体領域の一面側に該半導体領域と
    相まって光電変換機能を生ずる接合形成層を形成した
    後; 該接合形成層を貫通して上記半導体領域にまで至る深さ
    の分離溝を穿ち、この分離溝により、該接合形成層を上
    記光電変換機能を生じさせるために有効な領域とすべき
    第一の部分と、上記光電変換機能に関し無効な領域とす
    べき第一の部分と第二の部分とに分かつと共に; 該第二の部分にはさらに、該第二の部分を貫通し、上記
    半導体領域にまで至る深さの第一電極形成用溝を穿ち; 該第一電極形成用溝に電極材料を侵入させて、該溝の開
    口部から該溝の側面に沿い該溝の底部に至って上記半導
    体領域に接する第一電極を形成する一方; 上記接合形成層の上記第一の部分の表面に接して第二電
    極を形成し; 上記第一、第二電極の表面に相対的に低い融点の金属層
    を設けてから; 上記接合形成層の第一、第二の部分の表面上に表面保
    護、パッシベィション、光反射防止の中、少なくとも一
    つまたは幾つか、あるいは全ての作用を有する表面膜を
    形成し; その後、上記金属層を上記融点以上の温度に加熱し、こ
    れにより、該金属層の該表面の上に形成された表面膜を
    破り、該金属層の該表面を露呈すること; を特徴とする光電変換素子の製造方法。
JP8200251A 1996-07-30 1996-07-30 光電変換素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3049547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8200251A JP3049547B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 光電変換素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8200251A JP3049547B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 光電変換素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1051015A JPH1051015A (ja) 1998-02-20
JP3049547B2 true JP3049547B2 (ja) 2000-06-05

Family

ID=16421286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8200251A Expired - Fee Related JP3049547B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 光電変換素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3049547B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7964499B2 (en) * 2008-05-13 2011-06-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Methods of forming semiconductor solar cells having front surface electrodes
KR20090121629A (ko) * 2008-05-22 2009-11-26 삼성전자주식회사 태양전지 셀 및 이를 이용하는 태양전지 모듈

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1051015A (ja) 1998-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10930804B2 (en) Metallization of solar cells using metal foils
US4542578A (en) Method of manufacturing photovoltaic device
US6518596B1 (en) Formation of contacts on thin films
JP3449155B2 (ja) 光電変換装置およびその製造方法
US4663494A (en) Photovoltaic device
EP0022388A1 (fr) Procédé de fabrication d'un transistor à effet de champ du type DMOS à fonctionnement vertical
JPH053151B2 (ja)
JP3049547B2 (ja) 光電変換素子及びその製造方法
JP2680582B2 (ja) 光起電力装置の製造方法
JP3237621B2 (ja) 光電変換装置およびその製造方法
JPS5839073A (ja) アモルフアス太陽電池
JP3629360B2 (ja) 回路内蔵受光素子の製造方法
JPH03250771A (ja) 光起電力装置の製造方法
JPH053752B2 (ja)
JP2997141B2 (ja) 太陽電池
JPH07202229A (ja) 選択的被膜形成方法
JPS61164274A (ja) 光起電力装置の製造方法
JP3222981B2 (ja) 太陽電池とその製造方法
JP3075830B2 (ja) 光起電力装置の製造方法
JP2775480B2 (ja) 光起電力装置の形成方法
JPH0570311B2 (ja)
JPH0464473B2 (ja)
JP3208219B2 (ja) 光起電力装置
JP2883371B2 (ja) 光起電力装置及びその製造方法
JPH053150B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees