JP3048494U - スケーティングボード - Google Patents

スケーティングボード

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JP3048494U
JP3048494U JP1997010137U JP1013797U JP3048494U JP 3048494 U JP3048494 U JP 3048494U JP 1997010137 U JP1997010137 U JP 1997010137U JP 1013797 U JP1013797 U JP 1013797U JP 3048494 U JP3048494 U JP 3048494U
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Inventor
茂 小田巻
義倫 川辺
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株式会社サンキ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のスケーティングボードは、前後の車輪に
互いに反対方向への同じ大きさのステアリングが働くの
で旋回時に強い遠心力を受け、直進走行性が悪く、操縦
が不安定になり易い。 【解決手段】前後のステアリング機構27、29は、シ
ャーシ側プレート51と車軸側プレート53とが枢軸5
5により回動自在に結合され且つゴムブロック57が介
挿されていて、シャーシ23が左右に傾動することによ
って車軸31、33が回動されるように構成され、シャ
ーシ23の傾動中心線o−oに対する前記枢軸55の傾
き角を前輪側と後輪側とで異ならせる。例えば、枢軸5
5の傾き角を後輪側においては0°とし前輪側において
は35°程度とすれば、後輪側のステアリングは働かな
いので直進走行性が良く旋回時の遠心力を小さくでき、
それでいて前輪側でのステアリング角を大きくとれるた
めに十分なステアリング効果を得られる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はスケーティングボードに係り、特に、乗載ボードが取り付けられたシ ャーシと、このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリング機構とを 備え、乗載ボードに載ったライダーが重心を左右へ移動させてシャーシを左右へ 傾動することによりステアリングされるようにしたスケーティングボードに関す るものである。
【0002】
【従来の技術】
車輪付きのボードに乗って重心を移動しながらステアリング走行するスポーツ 器具の一つにスケーティングボードがある。 図15及び図16は従来のスケーティングボードの一例1を示すものである。 このスケーティングボード1は、前後方向へ水平に延びるシャーシ3と、シャー シ3の前後両端部に設けられたステアリング機構5と、車軸7の両端に支持され た前後各2つの車輪9と、シャーシ3の上面に固定された乗載ボード11等から 成る。
【0003】 ステアリング機構5は、シャーシ3に固定されたシャーシ側プレート13と、 車軸7の中間部に固定された車軸側プレート15と、車軸7に直交する向きでシ ャーシ側プレート13と車軸側プレート15とを回動自在に結合した枢軸17と 、シャーシ側プレート13と車軸側プレート15との間に介挿された弾発部材1 9(ここではゴムブロックを用いているが、圧縮バネを用いる場合もある。)と から成る。この弾発部材19の弾発力によって、シャーシ3の中立位置、即ち、 左右いずれにも傾いていない位置が保持される。
【0004】 前後のシャーシ側プレート13は垂直方向に対し互いに末拡がりに前後反対側 へ傾いた姿勢になっており、これに伴って、枢軸17は水平方向に対しα°先上 りに傾いた姿勢になっている。枢軸17がこのような傾きを有することによって ステアリングが行われる。即ち、乗載ボード11に乗ったライダーが重心を左右 に移動するとシャーシ3が傾動中心線o−o(前後の枢軸17のそれぞれの中間 部辺りを通る直線)を中心として左右に傾動し、これに従って枢軸17が向きを 変えて車軸7が水平面内で向きを変える(図16参照)。この場合、前後の車軸 7は互いに反対方向へ向きを変える。 そして、シャーシ3が傾くとき、弾発部材19はその傾いた側が圧縮され、こ の圧縮の反力によって、シャーシ3を中立位置に戻そうとする。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
スケーティングボードに要求される性能には多数あるが、そのうちの重要なも のとして、安全性と操縦性を挙げることができ、この操縦性には直進走行性能と ステアリング性能が含まれる。 この点、従来のスケーティングボート1には危険が大きく、操縦が不安定にな り易いという問題があった。即ち、上記したスケーティングボード1にあっては 、図16に示すように、前輪9と後輪9には互いに反対方向への略同じ角度での ステアリングが同時に働くので、僅かな重心の移動でも大きな角度でステアリン グが働いてしまう。従って、直進走行性が悪く、また、旋回時にはライダーが思 いのほか強い遠心力を受けて振り落とされてしまうこともある。
【0006】 スケーティングボードは平坦なフィールドだけで用いられるとは限らない。例 えば、「オフロードボード」(商標)等と称されるタイプのスケーティングボー ドは、主として、グラススキー場や、山肌等の所謂オフロードを滑降するのに用 いられる。このようなフィールドは凹凸が激しいためにライダーは頻繁に重心を 左右に移動してバランスをとる必要があり、それに伴ってステアリングが繰り返 されてしまうために、操縦が極めて不安定になってしまう。
【0007】 そこで、枢軸17の傾き角を小さくして、シャーシ3の傾動に対するステアリ ングの効きの割合を小さくすることが考えられる。 しかしながら、そのようにすると、安全性だけが優先されてステアリング性能 や個人差のある使い勝手が全く犠牲にされてしまうので、スポーツ用具としての 特性を大きく損なうことになってしまう。また、ステアリング性能を極端に低下 させると、咄嗟の場合の危険回避ができなくなる虞れも生じる。
【0008】 スケーティングボードの中には、ワイヤ操作式のブレーキ機構を備えたものが あるが、従来のこの種のブレーキ機構にあっては、ブレーキワイヤに格別な保護 手段が講じられていないために、これが障害物等に引っ掛かって損傷したり、接 続部が外れてブレーキが効かなくなってしまうこともあった。 そこで、ブレーキワイヤを強靱な部材で覆う等、ブレーキワイヤを保護するた めの特別な保護手段を構じることも考えられるが、その分、部品点数とコストが 増えてしまうという別の問題が生じる。
【0009】 更に、従来のスケーティングボードにおいては、ステアリング機構5の弾発部 材19としてゴムブロックや圧縮バネ等の圧縮反発型のものを用いていたので、 中立位置の保持が不安定になり易く且つ荷重除去後の復帰速度が遅いという問題 があった。特に、シャーシ3が傾動した後中立位置に復帰した際は、姿勢が直ぐ に安定しないで左右にふらつくために、ステアリングが小刻みに働いてしまうこ とが多かった。
【0010】 本考案は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、ステアリング性 能を損なうこと無しに直進走行性を高めることができて、安全性と操縦性のいず れにも優れたスケーティングボードを提供することを目的とする。 また、本考案は、スケーティングボードに設けられることの多い部材を利用し てブレーキワイヤの保護を図ることができるスケーティングボードを提供するこ とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1から3に記載した考案は、乗載ボードが 取り付けられたシャーシと、このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステ アリング機構とを備え、上記ステアリング機構はシャーシに固定されたシャーシ 側プレートと車軸に固定された車軸側プレートとが車軸に直交する向きの枢軸に より回動自在に結合され且つこれらシャーシ側プレート及び車軸側プレートの間 に弾発部材が介挿されていて前記シャーシが左右に傾動することによって車軸が 回動されるように構成されたスケーティングボードにおいて、シャーシの傾動中 心線に対する前記枢軸の傾き角を前輪側ステアリング機構と後輪側ステアリング 機構とで異ならせたものである。
【0012】 従って、例えば、当該スケーティングボードをフロントステアリングタイプに したい場合は前輪側ステアリング機構における枢軸の傾きを大きくし後輪側ステ アリング機構における枢軸の傾きを小さくすれば良いし、逆に、リアステアリン グタイプにしたい場合は後輪側ステアリング機構における枢軸の傾きを大きくし 前輪側ステアリング機構における枢軸の傾きを小さくすれば良い。このようにす ることで、安全性と操縦性のバランスを最適に設定することができる。
【0013】 具体的には、この設定は使用されるフィールドの違いや経験の程度、体格や年 齢層等に応じて行うと良い。例えば、初心者向けタイプには、枢軸の傾き角を後 輪側ステアリング機構においては0°とし前輪側ステアリング機構においては3 0°前後にすれば、後輪側のステアリングは殆ど働かないので旋回時の遠心力を かなり小さくできると共に、前輪側でのステアリング角も適度に抑えてあるから 安全に操縦することができる。また、例えば、競技用の上級者向けタイプには、 枢軸の傾き角を後輪側ステアリング機構においては20°程度とし前輪側ステア リング機構においては35°前後にすれば、十分なステアリング性能とその割に 旋回時の遠心力の小さい安定した操縦性を得られる。
【0014】 また、請求項4に記載の考案は、前輪側及び後輪側のステアリング機構の少な くとも一方においては、シャーシの傾動中心軸に対する前記枢軸の傾き角を規定 する要素を取替え自在にしたものである。 請求項5に記載の考案は、前輪側及び後輪側のステアリング機構の少なくとも 一方に、シャーシの傾動中心軸に対する前記枢軸の傾き角を調節する調節手段を 設けたものである。 このようにすることにより、一台で、ステアリング性能と直進走行性を任意に 変更することができるので、使用するフィールドや年齢層あるいは本人の使い勝 って等に応じてより望ましい操縦性を使用者自ら選択的に設定することができる 。
【0015】 請求項6に記載の考案は、ステアリング機構における弾発部材の硬度を、前輪 側ステアリング機構と後輪側ステアリング機構とで異ならせたものである。 このような構成によっても、ステアリング性能を前輪側と後輪側とで異ならせ ることができるので、弾発部材の硬度を選ぶだけで、ステアリング性能と直進走 行性の程度とのバランスを最適に設定することができる。
【0016】 請求項7の考案は、請求項1から6に記載したスケーティングボードのいずれ かにおいて、車輪を制動するためのブレーキ機構を設けたものである。これによ り、スピードのコントロールや旋回時等における安全性をより高めることができ る。
【0017】 請求項8の考案は、乗載ボードが取り付けられたシャーシと、このシャーシに 設けられた前輪側及び後輪側のステアリング機構と、車輪を制動するワイヤ操作 型のブレーキ機構と、流れ防止ベルトとを備えたスケーティングボードおいて、 前記流れ防止ベルトの少なくとも一部を筒状に形成し、この筒状に形成された部 分に前記ブレーキ機構のワイヤを通したものである。 従って、いずれも紐状の部材であるブレーキワイヤと流れ防止ベルトとを特別 な結束部材を用いること無く一つにまとめることができるので、外観がすっきり とし、ブレーキワイヤを流れ防止ベルトと間違って引っ張ることも無く、ブレー キワイヤの保護を図ることもでき、ひいては操縦の安全性を高めることになる。
【0018】 請求項9の考案は、乗載ボードが取り付けられた前後方向に長いシャーシと、 前輪及び後輪と、前記シャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリング機 構とを備えたスケーティングボードであって、シャーシを前後方向で長さ調節自 在とすることで前輪と後輪との間のホィールベースを調節自在としたものである 。 従って、使い勝手に合わせてホィールベースを調節すれば、安定性と操縦性と のバランスを最適に調整することができる。
【0019】 請求項10の考案は、ステアリング機構の弾発手段として、シャーシ側プレー トと車軸側プレートとの間に介挿された圧縮型弾発部材とは別に、シャーシ側プ レートと車軸側プレートとの間に左右の引張バネを掛け渡したものである。 従って、シャーシが傾動するときは、下向きに傾く側にある圧縮型弾発部材の 部分を圧縮すると共に、上向きに傾く側にある引張バネを引き延ばすので、圧縮 型弾発部材の圧縮された部分による押圧力と引き延ばされた引張バネによる引張 力がシャーシを中立位置に戻そうと作用する。このため、重心をシャーシの中央 部に戻すと、シャーシが即座に中立位置に戻され、且つ、殆どふらつくこと無し にその位置に落ち着く。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案に係るスケーティングボードの詳細を図面に示した各実施の形 態に従って説明する。図面に示したスケーティングボードは、オフロード等悪条 件のグランドを走るのに適したタイプのものである。 図1から図5は、第一の実施の形態に係るスケーティングボード21を示す。
【0021】 このスケーティングボード21は、前後方向に長いシャーシ23と、シャーシ 23に固定された乗載ボード25と、シャーシ23の前端部に設けられた前輪側 ステアリング機構27と、シャーシ23の後端部に設けられた後輪側ステアリン グ機構29と、前車軸31及び後車軸33と、車軸31、33に支持されたそれ ぞれ2つの前輪35及び後輪37と、後輪37にブレーキをかけるためのブレー キ機構39と、流れ防止ベルト41等から構成されている。以下、これら各部を 順次説明する。
【0022】 シャーシ23は、前後方向に長い角パイプ状の主桿43と、この主桿43の前 後両端寄り位置にこれと直交する向きで固定された2つの補助桿45とから成り 、主桿43の底面の前後両端部47a、47bは先上がりに略35°傾斜し、後 端部47bはその先端を垂直に切除されている。49は主桿43の後端部上面に 固定されたステアリングプレート取付板を示し、このステアリングプレート取付 板49の後部は主桿43の後端より後方へ突出して庇状を為している。
【0023】 乗載ボード25はシャーシ23の上面に載置された状態でネジによりシャーシ 23に固定されている。25aは乗載ボード25に形成された手掛け孔を示す。 前輪35及び後輪37はチューブ入りのタイヤになっていて、車軸31、33 の両端部に回転自在に支持されている。
【0024】 ステアリング機構27、29は、それぞれ、シャーシ側プレート51及び車軸 側プレート53と、これらシャーシ側プレート51と車軸側プレート53とを回 動自在に結合したボルト状の枢軸55と、弾発部材としてのゴムブロック57と 、ゴムブロック57の弾発力を調節するための調整ネジ59等から構成されてい る。 尚、前輪側ステアリング機構27と後輪側ステアリング機構29は、シャーシ 23に対する姿勢が異なるだけで、構造と各部のサイズに違いは無い。
【0025】 シャーシ側プレート51は、左右方向から見て略コ字形を為し、その互いに平 行に対向する2つの壁片61は逆三角形状をしていて、その三角形の下端部に円 形のブッシュ嵌め込み孔61aが形成されている。そして、前輪側ステアリング 機構27におけるシャーシ側プレート51は、その中間片が主桿43の底面の前 端部47aに溶接され、後輪側ステアリング機構29におけるシャーシ側プレー ト51は、その中間片が前記ステアリングプレート取付板49の庇状に突出した 部分の下面に溶接されている。従って、前輪側ステアリング機構27におけるシ ャーシ側プレート51はシャーシ23の前端部から下斜め前側へ向けて傾斜した 姿勢で突出するように位置し、この傾斜は垂直方向に対して略35°である。後 輪側ステアリング機構29におけるシャーシ側プレート51はシャーシ23の後 端部から真下へ垂直に突出するように位置する。
【0026】 車軸側プレート53は、左右方向から見た形状がコ字形を為し、その互いに平 行に対向する2つの壁片63は左右方向に長い等脚台形状をしていて、その台形 の頂部寄り位置に円形のブッシュ嵌め込み孔63aが形成されている。車軸側プ レート53の中間片65の中央部には左右2つの調整ネジ挿通孔65aが形成さ れている。 前車軸31の中間部は前輪側の車軸側プレート53の隅角部に溶接され、後車 軸33の中間部は後輪側の車軸側プレート53の隅角部に溶接されている。
【0027】 シャーシ側プレート51と車軸側プレート53は次のように結合される。67 はブッシュを示し、このブッシュ67は滑り性の良い合成樹脂によりリング状に 形成されると共に、その厚み方向における中間部が両脇の嵌合部より大径になっ ている。このブッシュ67の一方の嵌合部を車軸側プレート53のブッシュ嵌込 み孔63aに嵌めた後、車軸側プレート53をシャーシ側プレート51に挿入し ながらブッシュ67の他方の嵌合部をシャーシ側プレート51のブッシュ嵌込み 孔61aに嵌める。この状態からブッシュ67に枢軸55を挿通し、枢軸55の 先端部にナット69を取り付けて締め付ける。 これにより、シャーシ側プレート51と車軸側プレート53とが回動自在に結 合され、前輪側の枢軸55は前上がりに略35°傾いた姿勢で設けられ、後輪側 の枢軸55は水平な姿勢で設けられる。
【0028】 ゴムブロック57(主として図4、図5を参照)は硬度10から100程度の 硬さを有したゴムによって左右方向に長い直方体状を為すように形成されると共 に、その中央部を前後方向へ貫通した孔57aと、底面に左右に並んで配置され た穴57bが形成されている。 71はゴムブロック57の底面に重ねられたナットプレート(図4参照)を示 し、穴57bと対応した位置に螺孔71aが形成されている。
【0029】 調整ネジ59は車軸側プレート53の調整ネジ挿通孔65aを外側から挿通さ れ、その小径な首部には車軸側プレート53の内側において抜止めリング73が 取り付けられ、それにより、調整ネジ59は回転のみ可能な状態で車軸側プレー ト53の中間片65に支持される。 そして、ゴムブロック57を車軸側プレート53の内側に納めた状態で、調整 ネジ59をナットプレート71の螺孔に螺じ込む。
【0030】 このようにしてゴムブロック57が車軸側プレート53の内側に組み込まれ、 シャーシ側プレート51と車軸側プレート53とが結合される際、ゴムブロック 57の孔57aには枢軸55が余裕を有して挿通され、それにより、ゴムブロッ ク57がシャーシ側プレート51と車軸側プレート53との間に収納状に設けら れる。そして、調整ネジ59を螺じ込み方向へ適度に回してゴムブロック57を シャーシ側プレート51の中間片に圧接させる。 従って、シャーシ側プレート51と車軸側プレート53との相対的な回動は、 ゴムブロック57の左半部又は右半部を圧縮しながら行われることになり、この 圧縮の反力によって車軸側プレート53とシャーシ側プレート51とが互いに正 対した位置へ向けて押圧される。
【0031】 しかして、このスケーティングボード21によるステアリングは、専ら前輪3 5によって行われる。 即ち、乗載ボード25に乗ったライダーが重心を左右に移動するとシャーシ2 3がシャーシ側プレート51と一体的に傾動中心線(前後の枢軸55のそれぞれ の中間辺りを通る直線)を中心として左右に傾動する。この場合、後輪側ステア リング機構29においては枢軸55の姿勢が上記傾動中心線と平行になっている ので、シャーシ側プレート51は枢軸55の軸回りに回動するだけで、枢軸55 の向きを変えることは無く、従って、後輪37がステアリングされることは無い 。
【0032】 一方、前輪側ステアリング機構27においては、枢軸55がシャーシ23の傾 動中心線に対して傾きを有しているので、シャーシ側プレート51が傾動するの に伴って枢軸55の両端部が互いに反対方向へ変位して枢軸55の向きが変化す る。これにより、前車軸31の向きが水平面内で変更されて前輪35がステアリ ングされる(図2参照)。このステアリングは、シャーシ23が右倒れに傾動し たときは右旋回の方向へ行われ、シャーシ23が左倒れに傾動したときは左旋回 の方向へ行われる。
【0033】 流れ防止ベルト41は、主として、乗載ボード25に乗ったライダーが自分の 姿勢を安定に保ったり、ライダーが乗載ボード25から降りた際ボード21だけ が走ってしまうのを止めるために用いたりする。 この流れ防止ベルト41は、合成繊維製の細幅織物から成る強靱なもので、そ の一端部はシャーシ23の主桿43の前端部近くに縛り付けてある。また、流れ 防止ベルト41の他端部は手通し部41bになっていて、この手通し部41bは パイプ状のグリップ75を稍きつめに通されて外に引き出されている。この手通 し部41bに手首を通してグリップ75を把持していれば、グリップ75から手 が離れても流れ防止ベルト41から手が離れてしまう虞は無い。
【0034】 グリップ75はある程度強く引っ張ることで流れ防止ベルト41上での位置を 変更することができる。 このような流れ防止ベルト41の一端部と他端部を除く部分は筒状に形成され ていて、この筒状をした部分41aに後述するブレーキワイヤが通される。
【0035】 ブレーキ機構39はワイヤ操作式のものであり、後車軸33の両端寄り位置に 固定されたブレーキハウジング77には、後輪37に固定された図示しないブレ ーキドラムと、ブレーキシューが内臓されると共に、このブレーキシューと連結 されたブレーキシューレバー79が取り付けられている。 81はブレーキレバー83が回動自在に支持された取付けステーを示し、この 取付けステー81は流れ防止ベルト41のグリップ75に固定されている。
【0036】 85はブレーキワイヤを示し、87はブレーキワイヤ85が通された外チュー ブを示す。 主桿43の左側面のうち後側の補助桿45と対応した位置にはブレーキチュー ブ止め金具89が固定され、そこからある程度後ろへ離間した位置には別のブレ ーキチューブ止め金具91が固定されている。 ブレーキワイヤ85及び外チューブ87はその一端部がブレーキレバー83に 連結され、この一端部近くの位置から流れ防止ベルト41の筒状をした部分41 aの中を通され、流れ防止ベルト41から出たところからはシャーシ23の主桿 43に沿って延び、外チューブ87の他端部は前側のブレーキチューブ止め金具 89に固定されている。
【0037】 93はジョイントワイヤを示し、95はジョイントワイヤ93が通された外チ ューブを示す。このジョイントワイヤ93は左右2本あり、その一端部は左右の ブレーキシューレバー79に各別に連結され、その外チューブ95の他端部は後 側のブレーキチューブ止め金具91に固定されている。 2本のジョイントワイヤ93の他端部はワイヤジョイント97に連結され、こ のワイヤジョイント97にはブレーキワイヤ85の他端部が連結されている。従 って、ブレーキレバー83を握るとブレーキシューレバー79が作動して後輪3 7を制動することになる。
【0038】 上記したように、ブレーキワイヤ85及び外チューブ87のうち乗載ボード2 5の下においてシャーシ23に沿って延びた部分を除く部分は、流れ防止ベルト 41の中を通されているので、ブレーキワイヤ85の収まりが良くて外観がすっ きりするだけで無く、ブレーキワイヤ85が木立や岩等に直接触れて損傷される のを防止できると共に、ブレーキワイヤ85を流れ防止ベルト41と間違って引 っ張ることも無く、ひいては操縦の安全性に寄与する。
【0039】 スケーティングボード21は以上のように構成されている。 前記したように、このスケーティングボード21においては、前輪35だけで ステアリングが行われるので、直進走行性が良く、後輪37ではステアリングが 働かないために旋回時に受ける遠心力が小さく、従って、安定した操縦を行うこ とができる。
【0040】 尚、走行してみた結果、ステアリングの重さが合わないと感じたときは、前輪 側ステアリング機構27の調整ネジ59を操作してゴムブロック57の硬度を調 整する。即ち、ゴムブロック57の硬度を高くしてやればステアリングが重くな り、硬度を低くしてやればステアリングが軽くなる。 走行中スピードをコントロールするとき又は停止するときは、グリップ75を 掴んでいる手でブレーキレバー83を握って制動する。
【0041】 図6は本考案の第二の実施の形態に係るスケーティングボード21Aを示すも のである。このスケーティングボード21Aが前記第一の実施の形態として示し たスケーティングボード21と比較して相違する点は、後輪側ステアリング機構 の枢軸の傾き角だけである。従って、図面には要部のみを示してあり、また、説 明は上記相違点についてのみ行い、その余の部分については、図面の各部に前記 スケーティングボード21における同様の部位に付した符号と同じ符号又はそれ に付加記号を付けた符号を付することによって説明を省略する。このような符号 の使い方とその意味は、後述する第三から第七の実施の形態においても同様とす る。
【0042】 このスケーティングボード21Aにおいては、後輪側ステアリング機構29の 枢軸55の傾き角、即ち、シャーシ23の傾動中心線に対する傾斜角αは略20 °になっている。前輪側ステアリング機構27における枢軸55の同傾き角は3 5°である。 従って、このスケーティングボード21Aによるステアリングは前輪35と後 輪37の両方で行われることになるが、そのステアリングの大きさは後輪37の 方が前輪35より小さいので、前後両輪がいずれも同じ大きさでステアリングさ れる従来のスケーティングボードに較べて、直進走行性が良く且つ旋回時に受け る遠心力が小さいために安定した操縦を行うことができる。
【0043】 尚、図面にはいちいち示さないが、本考案者は、前輪側ステアリング機構27 と後輪側ステアリング機構29の各枢軸55の傾き角を様々に組み合わせたもの を製作してテスト走行を行ってみた。その結果、前輪側と後輪側のステアリング の割合の適否は、予想通り、当該フィールドの凹凸や路面の硬さ等によっても異 なるために一概に規定できないことが分ったが、平均的なフィールドに用いる中 級者向けのものにあっては、前輪側の枢軸の傾き角は5°から35°程度で、後 輪側の枢軸55の傾き角は5°以上30°乃至34°程度でそれぞれ選択して組 み合わせることが良さそうである。
【0044】 また、前輪側と後輪側とでステアリングの効きを異ならせるには、枢軸55の 傾き角だけで無く、ゴムブロック57の硬度を前後で異ならせるようにしても良 い。例えば、後輪側でのステアリングを抑えたい場合は後輪側のステアリング機 構29に使用するゴムブロック57に硬度の高いものを用いれば良い。その微調 整は前記調整ネジ59で行う。 この場合、弾発部材としてコイルスプリング等を用いる仕様においては、その スプリングとしてバネ定数の異なるものを用いれば良い。
【0045】 図7及び図8は本考案の第三の実施の形態に係るスケーティングボード21B を示すものである。このスケーティングボー21ドBが前記スケーティングボー ド21と比較して相違する点は、ステアリング機構におけるシャーシ側プレート を、シャーシに対する傾きの異なる複数の種類の中から選んで取替え自在とする ことで、枢軸の角度、換言すればステアリングの大きさを変更自在とした点であ る。
【0046】 このスケーティングボード21Bにおけるシャーシ23の主桿43は後端が開 口し、この後端部における上下及び左右の各壁にはネジ通し孔43aが形成され ている。 この主桿43の後端部に取替えユニット101が着脱自在に装着される。この 取替えユニット101は、角パイプ形をした取付桿103と、上下二枚の補強板 105と、取付桿103の後端部から略下方へ向けて突出したシャーシ側プレー ト51とが溶接等によって一体化されて成る。シャーシ側プレート51の構造は 前記スケーティングボード21におけるシャーシ側プレート51と同一である。
【0047】 取付桿103は主桿43の中にぴったり挿入される程度のサイズで、補強板1 05は取付桿103の上面と下面との間に稍間隔をおいて平行に対向するように 設けられている。そして、取付桿103の上下及び左右の各壁にはネジ孔107 が形成され、補強板105にはネジ通し孔105aが形成されている。 そこで、取付桿103を主桿43にその後端開口から挿入すると、取付桿10 3の上下両壁と補強板105とが主桿43の上下の壁を挟むように位置する。こ の状態で、ネジ109をネジ通し孔43a、105aから挿入してネジ孔107 に螺じ込む。これにより、取付桿103が主桿43の後端から後ろへ突出するよ うに取り付けられる。
【0048】 このような取替えユニット101は、図面には一種類だけを示してあるが、取 付桿103に対するシャーシ側プレート51の傾き(正確には、枢軸55が通さ れるブッシュ嵌め込み孔61aの中心軸の傾き)の違いによって幾つかの種類を 用意する。例えば、この傾きを5°から45°程度の範囲内で、5°増しにした ものを用意し、その中から使用目的や本人の使い勝手に合ったものを選んで取り 付けられるようにする。 このようにすれば、一台のスケーティングボードで、ステアリング性能と直進 走行性を任意に変更することができる。
【0049】 図9及び図10は本考案の第四の実施の形態に係るスケーティングボード21 Cを示すものである。このスケーティングボード21Cが前記スケーティングボ ード21と比較して相違する点は、ステアリング機構における枢軸55の傾き角 を無段階に調節自在とした点である。 このスケーティングボード21Cにおけるステアリングプレート取付板49は 、その後端部が円筒形を為すようにカールされ、このカールされた部分111に ヒンジ軸113が通されている。
【0050】 115は回動板を示し、この回動板115の後端部は上記ヒンジ軸113に回 動自在に支持され、この回動板115の下面にシャーシ側プレート51の中間片 が固定されている。従って、回動板115の姿勢が変化することよってシャーシ 側プレート51の姿勢が変化し、それによって、枢軸55の傾き角が変更される 。
【0051】 117は回動板115の回動端部上面に取り付けられた球受け部材を示す。 ステアリングプレート取付板49の略中央部には前後方向に長い長孔49aが 形成されている。 121はナットハウジングを示す。このナットハウジング121は前後方向か ら見て門形を為し、その天壁には前後方向に長い長孔121aが形成されており 、この長孔121aがステアリングプレート取付板49の長孔49aと上下方向 で一致するようにステアリングプレート取付板49の上面に固定されている。
【0052】 ナットハウジング121の中にはスライドナット123が配置されており、こ のスライドナット123は、ナットハウジング121の左右両側壁によって回転 不能とされた状態で、前後方向へは摺動自在なるように設けられている。 125はアジャストスクリューを示す。このアジャストスクリュー125はス ライドナット123に螺じ込まれると共に、先端部に形成された球体125aが 前記球受け部材117に回動自在に連結される。 127はロックナットを示し、このロックナット127はアジャストスクリュ ー125のうちナットハウジング121から上の部分に取り付けられている。
【0053】 上記した回動板115、球受け部材117、ナットハウジング121、スライ ドナット123、アジャストスクリュー125等によって調節手段129が構成 される。 しかして、ロックナット127を緩めた状態からアジャストスクリュー125 を回すと、このアジャストスクリュー125が上下方向へ変位して回動板115 とシャーシ側プレート51を一体的に回動させ、それによって、枢軸55の傾き が変更される。枢軸55の傾きが所望の角度になったところでロックナット12 7を締め付けてアジャストスクリュー125を固定する。 従って、一台のスケーティングボードで、ステアリング性能と直進走行性を任 意に変更することができる。
【0054】 尚、この実施の形態においては、調節手段129を後輪側だけに設けたが、場 合によっては、このような調節手段を前輪側にも設けても良い。
【0055】 図11は本考案の第五の実施の形態に係るスケーティングボード21Dを示す ものである。このスケーティングボード21Dが前記スケーティングボード21 Cと比較して相違する点は、調節手段にある。 同図において、131は主桿43の後端に取り付けられたヒンジ軸を示す。1 33は回動板を示し、この回動板133の前端部は上記ヒンジ軸131に回動自 在に支持され、この回動板133の下面にシャーシ側プレート51の中間片が固 定されている。従って、回動板133の姿勢が変化することよってシャーシ側プ レート51の姿勢が変化し、それによって、枢軸55の傾き角が変更される。
【0056】 主桿43の後端部上面にはブラケット135が固定され、このブラケット13 5に支持軸137が回動自在に支持されている。回動板133の後端部上面にも ブラケット139が固定され、このブラケット139に支持軸141が回動自在 に支持されている。 143及び145は螺軸を示し、これら螺軸143、145は互いに逆ネジの 関係になる向きで、その一端部が前記支持軸137、141に各別に固定されて いる。
【0057】 147は調節ナットを示す。この調節ナット147の外形は軸方向に長い六角 棒状をしており、上記2つの螺軸143、145の他端部はこの調節ナット14 7の両端部に各別に螺じ込まれている。上記ヒンジ軸131、回動板133、螺 軸143、145及び調節ナット147等によって、調節手段149が構成され る。 従って、調節ナット147を回すことによって2つの螺軸143、145の間 の距離が変化するので、それによって、回動板133の姿勢が変化して枢軸55 の傾き角が調節される。
【0058】 図12は本考案の第六の実施の形態に係るスケーティングボード21Eを示す ものである。このスケーティングボード21Eが前記スケーティングボード21 と比較して相違する点は、シャーシの長さを調節自在としてホイルベース即ち前 輪と後輪との間の距離を使い勝手に合わせて調節できるようにした点にある。
【0059】 このスケーティングボード21Eにおけるシャーシ23´の主桿43´には丸 パイプを使用している。この主桿43´は、その後端部を為すアジャスト部15 1とその余の部分為す主部153の2つの部材に分けて構成されており、アジャ スト部151はその前端側の任意の長さだけ主部153の中に挿入される。そし て、主部153の後端部には軸方向に延びるスリット155が形成され、アジャ スト部151の後端部にシャーシ側プレート51が固定されている。
【0060】 157は主部153の後端部外周面を巻く形で固定された締付けバンドを示し 、この締付けバンド157の両端部は上記スリット155の両脇から突出するよ うに位置した突片159になっている。161は締付けボルトを示し、この締付 けボルト161は突片159に形成された通し孔159aを通されると共に先端 部にナット163が取り付けられる。従って、この締付けボルト161を締め付 けると、主部153の後端部がアジャスト部151を締め付けるので、それによ って主部153とアジャスト部151との相対的位置が固定されてシャーシ23 ´の全長が固定する。また、締付けボルト161を緩めればアジャスト部151 の主部153に対する挿入長さを調節できる。
【0061】 しかして、主部153に対するアジャスト部151の挿入長さを調節すること により前輪35と後輪37との間の距離、即ち、ホィールベースが調節される。 尚、締付けボルト161にハンドル付きのものを用いれば、これに対する操作 を工具無しで行うことができる。 また、シャーシ23´は必ずしも丸パイプで無くても良く、横断面が矩形の角 パイプ、横断面が半円形の半円パイプ等であっても差し支えない。
【0062】 図13及び図14は本考案の第七の実施の形態に係るスケーティングボード2 1Fを示すものである。このスケーティングボード21Fが前記スケーティング ボード21と比較して相違する点は、ステアリング機構に左右の引張バネを付加 した点にある。
【0063】 同図において、165は互いにバネ力の等しい左右一対の引張バネを示す。 シャーシ側プレート51の中間片の左右両端部にはバネ掛け孔167が形成さ れ、車軸側プレート53の左右両端部には別のバネ掛け孔169が形成されてい る。 上記引張バネ165は、適度に緊張された状態で、前輪側及び後輪側のステア リンク機構27、29におけるシャーシ側プレート51と車軸側プレート53と の間に掛け渡される。即ち、左右の引張バネ165は、その一方のフック部16 5aがシャーシ側プレート51のバネ掛け孔167に各別に係止され、他方のフ ック部165bが車軸側プレート53のバネ掛け孔169に各別に係止される。 これにより、シャーシ側プレート51と車軸側プレート53は、左右両端部にお いて互いに引き付け合う。
【0064】 従って、このスケーティングボード21Fにおけるシャーシ23の中立位置の 保持は、ゴムブロック57による圧縮の反力と、引張バネ165による引張力の 両方によって行われる。 そこで、シャーシ23が傾動するときは、下向きに傾く側にあるゴムブロック 57の部分を圧縮すると共に、上向きに傾く側にある引張バネ165を引き延ば すので、ゴムブロック57の圧縮された部分による押圧力と引き延ばされた引張 バネ165による引張力がシャーシ23を中立位置に戻そうと作用する。このた め、重心をシャーシ23の中央部に戻すと、シャーシ23が即座に中立位置に戻 され、且つ、殆どふらつくこと無しにその位置に落ち着く。
【0065】 尚、この引張バネ165は、前輪側及び後輪側のステアリング機構のいずれか 一方に設けるか又は両方に設ける。この選択もフィールドの特性とか、使用者の 経験度や使い勝手に応じて規定すれば良く、更には、バネの強さが異なるものの 中から使用者が随時選択的に交換するようにしても良い。
【0066】 以上、本考案の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施 の形態に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計の 変更などがあっても本考案に含まれる。 例えば、実施の形態においては、ステアリング機構の弾発部材としてゴムブロ ックを用いるようにしたが、この弾発部材はコイルスプリングその他のバネ部材 であっても良い。 また、実施の形態においては、シャーシの全体が水平に延びる形のものを示し たが、本考案におけるシャーシの形がこのようなものに限られることは無い。そ して、シャーシの横断面形状も矩形に限られるものでは無く、円形、楕円形、半 円形、三角形等どのようなものであっても良く、本考案を実施する上で最も適し た形を選択すれば良い。
【0067】 更に、実施の形態においては、シャーシの傾動中心線に対する枢軸の傾き角を 規定する要素をシャーシ側プレートとしたが、この「要素」がシャーシ側プレー トに限られないことは勿論である。 そして、本考案は、オフロード向きのものに限らず、乗載ボードが取り付けら れたシャーシと、このシャーシに設けられたステアリング機構とを備え、乗載ボ ードに載ったライダーが重心を左右へ移動させてシャーシを左右へ傾動すること によりステアリングされるようにした各種のスケーティングボードに広く適用す ることができる。
【0068】
【考案の効果】
以上のように、本考案スケーティングボードは、ステアリング機構における枢 軸の傾き角を前輪側ステアリング機構と後輪側ステアリング機構とで異ならせる ようにしたものである。 従って、当該スケーティングボードのステアリング特性や直進走行性能等を、 使用者層や走行するフィールドの特性等に応じてキメ細かに設定することができ ると共に、安全性と操縦性のバランスを最適に設定することができる。
【0069】 請求項4の考案又は請求項5の考案によれば、一台で、ステアリング性能と直 進走行性を任意に変更することができるので、使用するフィールドや年齢層ある いは本人の使い勝って等に応じてより望ましい操縦性を使用者自ら、随時、選択 的に設定することができる。
【0070】 請求項6の考案によれば、ステアリング機構における弾発部材の硬度を選ぶだ けで、ステアリング性能を前輪側と後輪側とで異ならせることができるので、ス テアリング性能と直進走行性の程度とのバランスを最適に設定するための手段が 極めて簡単で済む。
【0071】 請求項7の考案によれば、スピードのコントロールや旋回時等における安全性 をより高めることができる。
【0072】 請求項8の考案によれば、いずれも紐状の部材であるブレーキワイヤと流れ防 止ベルトとを特別な結束部材を用いること無く一つにまとめることができるので 、外観がすっきりとし、ブレーキワイヤを流れ防止ベルトと間違って引っ張るこ とも無く、ブレーキワイヤの保護を図ることもでき、ひいては操縦の安全性に寄 与することになる。
【0073】 請求項9の考案によれば、使い勝手に合わせてホィールベースを調節すれば、 安定性と操縦性とのバランスを最適に調整することができる。
【0074】 請求項10の考案によれば、シャーシが傾動するときは、下向きに傾く側にあ る圧縮型弾発部材の部分を圧縮すると共に、上向きに傾く側にある引張バネを引 き延ばすので、圧縮型弾発部材の圧縮された部分による押圧力と引き延ばされた 引張バネによる引張力がシャーシを中立位置に戻そうと作用する。従って、重心 をシャーシの中央部に戻すと、シャーシが即座に中立位置に戻され、且つ、殆ど ふらくこと無しにその位置に落ち着く。従って、ステアリングが小刻みに働いて しまうことは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施の形態に係るスケーティン
グボードを下方から見た全体斜視図である。
【図2】図1に示すスケーティングボードの平面図であ
る。
【図3】図1に示すスケーティングボードを一部切断し
て示す側面図である。
【図4】図1に示すスケーティングボードの後輪側ステ
アリング機構を拡大した垂直断面図である。
【図5】図1に示すスケーティングボードのステアリン
グ機構を分解した拡大斜視図である。
【図6】本考案の第二の実施の形態に係るスケーティン
グボードを一部切断して示す概略側面図である。
【図7】本考案の第三の実施の形態に係るスケーティン
グボードの要部を一部切断して示す側面図である。
【図8】図7に示すスケーティングボードの要部を分解
した斜視図である。
【図9】本考案の第四の実施の形態に係るスケーティン
グボードの要部を一部切断して示す側面図である。
【図10】図9に示すスケーティングボードの要部を示
す拡大斜視図である。
【図11】本考案の第五の実施の形態に係るスケーティ
ングボードの要部側面図である。
【図12】本考案の第六の実施の形態に係るスケーティ
ングボードの要部を示す斜視図である。
【図13】本考案の第七の実施の形態に係るスケーティ
ングボードの要部を示す垂直断面図である。
【図14】図13に示すスケーティングボードのステア
リング状態を示す要部垂直断面図である。
【図15】従来のスケーティングボードの一例を示す側
面図である。
【図16】図15に示すスケーティングボードによるス
テアリング状態を示す平面図である。
【符号の説明】
21 スケーティングボード 23 シャーシ 25 乗載ボード 27 (前輪側)ステアリング機構 29 (後輪側)ステアリング機構 31 車軸 33 車軸 39 ブレーキ機構 41 流れ防止ベルト 41a (流れ防止ベルトの)筒状に形成された
部分 51 シャーシ側プレート(枢軸の傾き角を規
定する要素) 53 車軸側プレート 55 枢軸 57 弾発部材 85 ワイヤ 21A スケーティングボード 21B スケーティングボード 21C スケーティングボード 129 調節手段 21D スケーティングボード 149 調節手段 21E スケーティングボード 23´ シャーシ 21F スケーティングボード 165 引張バネ o−o 傾動中心線

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗載ボードが取り付けられたシャーシと、
    このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリ
    ング機構とを備え、上記ステアリング機構はシャーシに
    固定されたシャーシ側プレートと車軸に固定された車軸
    側プレートとが車軸に直交する向きの枢軸により回動自
    在に結合され且つこれらシャーシ側プレート及び車軸側
    プレートの間に弾発部材が介挿されており前記シャーシ
    が傾動することによって車軸が回動されるように構成さ
    れたスケーティングボードであって、シャーシの傾動中
    心線に対する前記枢軸の傾き角が前輪側ステアリング機
    構と後輪側ステアリング機構とで異なることを特徴とす
    るスケーティングボード。
  2. 【請求項2】請求項1に記載したスケーティングボード
    において、シャーシの傾動中心軸に対する枢軸の傾き角
    は、前輪側及び後輪側各ステアリング機構のいずれか一
    方において0°であり他方において5°以上45°以下
    であることを特徴とするスケーティングボード。
  3. 【請求項3】請求項1に記載したスケーティングボード
    において、シャーシの傾動中心軸に対する枢軸の傾き角
    は、前輪側及び後輪側各ステアリング機構のいずれにお
    いても5°以上45°以下としたことを特徴とするスケ
    ーティングボード。
  4. 【請求項4】乗載ボードが取り付けられたシャーシと、
    このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリ
    ング機構とを備え、上記ステアリング機構はシャーシに
    固定されたシャーシ側プレートと車軸に固定された車軸
    側プレートとが車軸に直交する向きの枢軸により回動自
    在に結合され且つこれらシャーシ側プレート及び車軸側
    プレートの間に弾発部材が介挿されており前記シャーシ
    が傾動することによって車軸が回動されるように構成さ
    れたスケーティングボードであって、前輪側及び後輪側
    のステアリング機構の少なくとも一方においては、シャ
    ーシの傾動中心線に対する前記枢軸の傾き角を規定する
    要素を取替え自在にしたことを特徴とするスケーティン
    グボード。
  5. 【請求項5】乗載ボードが取り付けられたシャーシと、
    このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリ
    ング機構とを備え、上記ステアリング機構はシャーシに
    固定されたシャーシ側プレートと車軸に固定された車軸
    側プレートとが車軸に直交する向きの枢軸により回動自
    在に結合され且つこれらシャーシ側プレート及び車軸側
    プレートの間に弾発部材が介挿されており前記シャーシ
    が傾動することによって車軸が回動されるように構成さ
    れたスケーティングボードであって、前輪側及び後輪側
    のステアリング機構の少なくとも一方に、シャーシの傾
    動中心線に対する前記枢軸の傾き角を調節する調節手段
    を設けたことを特徴とするスケーティングボード。
  6. 【請求項6】乗載ボードが取り付けられたシャーシと、
    このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリ
    ング機構とを備え、上記ステアリング機構はシャーシに
    固定されたシャーシ側プレートと車軸に固定された車軸
    側プレートとが車軸に直交する向きの枢軸により回動自
    在に結合され且つこれらシャーシ側プレート及び車軸側
    プレートの間に弾発部材が介挿されており前記シャーシ
    が傾動することによって車軸が回動されるように構成さ
    れたスケーティングボードであって、弾発部材の硬度を
    前輪側ステアリング機構と後輪側ステアリング機構とで
    異ならせたことを特徴とするスケーティングボード。
  7. 【請求項7】請求項1から6に記載したスケーティング
    ボードのいずれかにおいて、車輪を制動するブレーキ機
    構を設けたことを特徴とするスケーティングボード。
  8. 【請求項8】乗載ボードが取り付けられたシャーシと、
    このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステアリ
    ング機構と、車輪を制動するワイヤ操作型のブレーキ機
    構と、流れ防止ベルトとを備えたスケーティングボード
    であって、前記流れ防止ベルトの少なくとも一部を筒状
    に形成し、この筒状に形成された部分に前記ブレーキ機
    構のワイヤを通したことを特徴とするスケーティングボ
    ード。
  9. 【請求項9】乗載ボードが取り付けられた前後方向に長
    いシャーシと、前輪及び後輪と、前記シャーシに設けら
    れた前輪側及び後輪側のステアリング機構とを備えたス
    ケーティングボードであって、シャーシを前後方向で長
    さ調節自在とすることで前輪と後輪との間のホィールベ
    ースを調節自在としたことを特徴とするスケーティング
    ボード。
  10. 【請求項10】乗載ボードが取り付けられたシャーシ
    と、このシャーシに設けられた前輪側及び後輪側のステ
    アリング機構とを備え、上記ステアリング機構はシャー
    シに固定されたシャーシ側プレートと車軸に固定された
    車軸側プレートとが車軸に直交する向きの枢軸により回
    動自在に結合され且つこれらシャーシ側プレート及び車
    軸側プレートの間に圧縮型弾発部材が介挿されており前
    記シャーシが傾動することによって車軸が回動されるよ
    うに構成されたスケーティングボードであって、シャー
    シ側プレートと車軸側プレートとの間に、前記圧縮型弾
    発部材の左右両脇に位置した引張バネを掛け渡したこと
    を特徴とするスケーティングボード。
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