JP3048034U - 面状発熱体及び面状発熱体を用いた発熱装置 - Google Patents

面状発熱体及び面状発熱体を用いた発熱装置

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JP3048034U
JP3048034U JP1997009151U JP915197U JP3048034U JP 3048034 U JP3048034 U JP 3048034U JP 1997009151 U JP1997009151 U JP 1997009151U JP 915197 U JP915197 U JP 915197U JP 3048034 U JP3048034 U JP 3048034U
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祐輔 見沢
貴生 小山
昭光 筒井
広芳 斉藤
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株式会社ミサワ商会
株式会社パブリックセンター
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁性、防水性、安全性に優れ、電気毛布、
電気シーツ、電気アンカなどのもつ問題点を全て解決す
ることができる面状発熱体及び面状発熱体を用いた発熱
装置を提供する。 【解決手段】 発熱体本体10は、絶縁用の硝子繊維1
2と、発熱用の炭素繊維11と、電極用の一対の導体1
3とからなる。絶縁性の合成樹脂フィルム15,16
は、ポリエチレンフィルム層15a,16aと、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム15b,16bとからな
る。合成樹脂フィルム15,16は、ポリエチレンフィ
ルム層15a,16aの表面が加熱されて、発熱体本体
10の両面に貼り合わされている。合成樹脂フィルム層
16の表面には、アルミニウム蒸着層18が形成されて
おり、このアルミニウム蒸着層18の表面には、絶縁性
樹脂層19がコーティングされている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、絶縁性や防水性などに優れ、健康や美容などに適した面状発熱体 及び面状発熱体を用いた発熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実開昭54−151857号公報は、多数のニクロム線などの導電性発熱材か らなる可撓性の発熱線と、発熱線の端末を挟む可撓性の薄い鋼板からなる一対の 電極と、これらの電極のそれぞれに接続されたリード線と、耐熱ワニスの薄膜を 適温で加熱乾燥して得たワニス固形分(耐熱合成樹脂成分)により、発熱線、電 極、リード線を被覆する可撓性の耐熱電気絶縁剤とを備える可撓性面状ヒータを 開示している。
【0003】 また、特開平7−302683号公報は、炭素繊維、硝子繊維及び導体からな る発熱体本体の両面に、熱硬化性樹脂からなる結合材を塗布して、絶縁性樹脂シ ートをラミネートする面状発熱体の製造方法を開示している。
【0004】 さらに、従来より、電熱線を使用した電気毛布、電気シーツ、電気アンカなど が広く利用されている。電気毛布は、体の上に乗せたり、体の下に敷いて使用さ れており、電気シーツは、体の下に敷いて使用されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、実開昭54−151857号公報に記載の可撓性面状ヒータは、発熱 方向が一定方向に定まらないために、熱の有効利用を図ることができないという 問題があった。
【0006】 また、特開平7−302683号公報に記載の面状発熱体は、発熱体本体の両 面に、熱硬化性樹脂からなる結合材を塗布しているために、面状発熱体に柔軟性 が欠けるという問題があった。
【0007】 さらに、従来の電気毛布、電気シーツ、電気アンカなどには、以下の問題点が あった。 第1に、電気毛布を体の上に乗せて使用すると、熱源が上になるために、体か ら発生する熱がこもり熱となって、脱水症状を起こす危険があった。 第2に、電気毛布や電気シーツを体の下に敷いて使用すると、局部加熱となっ て、低温火傷の危険があった。 第3に、電気アンカなどを使用したときには、体に局部的に接するために、低 温火傷などが幼児などの間に多発するという問題があった。 第4に、電気毛布や電気シーツなどは、未使用期間における保管に問題があり 、特に、折り曲げて保管したときには、断熱や絶縁不良などを発生するという問 題があった。 第5に、熱源が上になる電気毛布などは、発汗した湿気が敷布団やベットマッ トなどに残るために、結露を起こして、カビやダニの発生源になるという問題が あった。
【0008】 この考案の課題は、絶縁性、防水性、安全性に優れ、電気毛布、電気シーツ、 電気アンカなどのもつ問題点を全て解決できる面状発熱体及び面状発熱体を用い た発熱装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を 容易にするために、本考案の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これ に限定するものではない。 すなわち、請求項1の考案は、第1の方向及びこれと交差する第2の方向に織 り込まれた絶縁用の硝子繊維(12)と、前記第1の方向であって、前記硝子繊 維の織り目に所定間隔ごとに織り込まれた発熱用の炭素繊維(11)と、前記第 2の方向であって、前記第1の方向の端部に織り込まれた電極用の第1及び第2 の導体(13)とを含む発熱体本体(10)と、前記発熱体本体の両面に設けら れた絶縁性の合成樹脂フィルム層(15,16)と、前記合成樹脂フィルム層の 片面に設けられた熱反射層(18)とを含むことを特徴としている面状発熱体で ある。
【0010】 請求項2の考案は、請求項1に記載の面状発熱体において、前記発熱体本体は 、高効率な赤外線放射体を含むことを特徴とする面状発熱体である。
【0011】 請求項3の考案は、請求項1又は請求項2に記載の面状発熱体において、前記 合成樹脂フィルム層は、前記発熱体本体の表面に熱溶着され、かつ、密着された 合成樹脂フィルム(15,16)であることを特徴とする面状発熱体である。
【0012】 請求項4の考案は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の面状発 熱体において、前記合成樹脂フィルム層は、前記発熱体本体の表面に設けられた ポリエチレンフィルム層(15a,16a)と、前記ポリエチレンフィルム層の 表面に設けられたポリエチレンテレフタレートフィルム層(15b,16b)と を備えることを特徴とする面状発熱体である。
【0013】 請求項5の考案は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の面状発 熱体において、前記熱反射層は、アルミニウム蒸着層(18)であって、その表 面にコーティングされた絶縁性樹脂層(19)を備えることを特徴とする面状発 熱体である。
【0014】 請求項6の考案は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の面状発 熱体において、前記第1及び第2の導体に接続され、積層されたエポキシ樹脂を 含む端子台(21a)を有する電極取出部(21)を備えることを特徴とする面 状発熱体である。
【0015】 請求項7の考案は、請求項6に記載の面状発熱体において、前記発熱体本体の 温度を検出する温度検出部(20)と、前記発熱体本体の温度を制御する温度制 御部(22)と、電源から電流を取り出して、前記温度制御部に電流を供給する 電流取出部(23)とを含み、前記温度制御部は、前記温度検出部の検出温度に 基づいて、前記電源取出部に供給する電流を制御することを特徴とする面状発熱 体である。
【0016】 請求項8の考案は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面状発 熱体を樹脂(4)で被覆したことを特徴とする面状発熱体を用いた発熱装置であ る。
【0017】 請求項9の考案は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面状発 熱体を布(4)で被覆したことを特徴としている面状発熱体を用いた発熱装置で ある。
【0018】 請求項10の考案は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面状 発熱体を多泡性のウレタンホーム(4)間に埋設したことを特徴とする面状発熱 体を用いた発熱装置である。
【0019】
【考案の実施の形態】
(第1実施形態) 以下、図面を参照して、本考案の第1実施形態について、さらに詳しく説明す る。 図1は、本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の発熱体本体を示す拡大図で ある。図2は、本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の一部を示す平面図であ る。図3は、図1のIII−III線で切断した状態の一部を示す断面図である 。図4は、本考案の第1実施形態に係る面状発熱体がロール状に巻かれた状態を 示す斜視図である。 面状発熱体1は、図1及び図3に示すように、発熱体本体10と、絶縁性の合 成樹脂フィルム15,16と、アルミニウム蒸着層17と、絶縁性樹脂層18と から構成されている。
【0020】 発熱体本体10は、図2に示すように、赤外線放射体であり発熱部となる炭素 繊維11と、絶縁材である硝子繊維12と、導体13とを紡織して、電気回路を 形成した布状のものである。発熱体本体10は、硝子繊維12を縦糸、横糸とし て織り上げるとともに、数mmから数10mmの間隔で炭素繊維11を横糸とし て織り込み、さらに、電極となる銅線などからなる導体13を両端に縦糸として 織り込んである。その結果、硝子繊維12は、炭素繊維11と炭素繊維11との 間を布状に成形して、炭素繊維11が動かないように位置決めし、炭素繊維11 を完全に絶縁する。また、炭素繊維11と両端の導体13とは、密着して電気的 に接続する。
【0021】 ここで、炭素繊維11を使用する理由は、安定した抵抗値を得ることができ、 金属抵抗とは違って、温度上昇に対しても自己制御するために、電気量が増加し ないからである。 また、炭素繊維11及び硝子繊維12は、耐用年数が半永久的であるために、 人為的に損傷を与えない限り故障の原因とはならない利点がある。 また、熱源として供給が安定している電気を使用することができ、騒音や温度 ムラもなく、熱効率がよいために昇温時間も短いからである。 さらに、電気量も電熱線と比べて安い。
【0022】 発熱体本体10は、図1及び図4に示すように、両端の導体13の部分に、交 互に切断部17A,17B,17C,・・・を形成して、電極13A,13B, 13C,13D,・・・とし、電極13A,炭素繊維11A,電極13B,炭素 繊維11B,電極13C,炭素繊維11C,・・・と電気回路を構成する。
【0023】 発熱体本体10は、例えば、炭素繊維11(CF−1000)として、7μ/ 本のものを1000本を1束にしたものを使用し、456Ω/mの抵抗値を有し ている。 また、発熱体本体10は、各炭素繊維11の間隔を20mmとして、幅0.9 m×10mに織り上げている。発熱体本体10は、両端のロス部分15mmと両 端の電極部分60mmを有している。このために、有効寸法は、810mmとな り、330Kcal/m2 h、印加電圧200Vとすると、炭素繊維11の1本 当たりの抵抗値は、369.36Ωとなる。
【0024】 発熱体本体10は、長さが10mの場合に、炭素繊維11が500本となり、 図1及び図4に示すような4回路構成にしたときに、次のような数値計算の結果 が得られる。 つまり、125本/1回路となり、並列接続であるために、発熱体本体10の 抵抗値は、369.36Ω÷125本≒2.95Ω×4回路=11.82Ωとな る。200Vの電圧を印加した場合に、その電流は、200V÷11.8Ω=1 6.95Aとなる。その結果、発熱体本体10は、1枚当たりの容量が200V ×16.95A=3389.8Wとなる。 また、ワット密度は、3389.8W÷9m2 =376.6W/m2 となり、 熱量は、3.766×860≒324Kcal/m2 hとなる。
【0025】 発熱体本体10は、4つの切断部17A,17B,17C,17Dを形成した ときには、4回路構成となるために、125本/1回路となる。 また、幅0.9m×長さ10mに連続して、製造することができる。
【0026】 合成樹脂フィルム15,16は、図3に示すように、発熱体本体10の両面に 設けられ、この発熱体本体10を被覆するためのものである。合成樹脂フィルム 15,16は、発熱体本体10の表面に設けられたポリエチレンフィルム15a ,16aと、このポリエチレンフィルム15a,16aの表面に設けられたポリ エチレンテレフタレート(PET)フィルム15b,16bとからなる2層合成 フィルムである。 ポリエチレンテレフタレートフィルム15b,16bは、耐熱性と電気絶縁性 を備えるが、エステル基を有するために、アルカリと酸の両方により化水分解( 化成分解)を受けやすい。このために、ポリエチレンテレフタレートフィルム1 5b,16bだけで発熱体本体10を被覆すると、化水分解が進行したときに、 空気中の水分などに発熱体本体10が触れて短絡現象(トラッキング現象)を起 こし、焼損してしまう可能性がある。一方、ポリエチレンフィルム15a,16 aは、アルカリや酸に強いが、耐熱性や耐薬品性に劣る。合成樹脂フィルム15 ,16は、ポリエチレンフィルム15a,16a及びポリエチレンテレフタレー トフィルム15b,16bの複合フィルムであるために、絶縁性、耐熱性、耐薬 品性に優れ、化水分解を防止してトラッキング現象を起こし難い。 合成樹脂フィルム15,16は、発熱体本体10の両面に熱溶着により密着し て貼り合わされている。
【0027】 アルミニウム蒸着層18は、発熱体本体10から放射する赤外線を、被照射方 向へ反射するためのものである。アルミニウム蒸着層18は、合成樹脂フィルム 16の片面であって、ポリエチレンテレフタレートフィルム16bの表面に設け られている。 また、アルミニウム蒸着層18は、その表面に、絶縁性の樹脂19をコーティ ングした絶縁性樹脂層19を備えている。 アルミニウム蒸着層18は、被照射方向へ赤外線を反射して、赤外線の有効利 用を図るとともに、ランニングコストの低減を図っている。 また、アルミニウム蒸着層18を下面にして使用することによって、下面側の 断熱効果を図ることができる。
【0028】 温度センサ20は、図1に示すように、面状発熱体10の温度を検出するため の検出器である。温度センサ20は、面状発熱体10の表面又は内部に取り付け られている。
【0029】 電極取出部21は、電極13Aと電極13Eに接続された端子である。電極取 出部21は、端子台21aを備えている。この端子台21aは、グラスファイバ の布にエポキシ樹脂を含浸した布(プレリング)を積層して、140〜170° Cでプレスした積層板である。その結果、端子台21aは、隙間がないために、 毛細管現象によって水分を引き込むことがなく、耐荷重性や耐電気性にも優れて いる。 電極取出部21には、温度センサ20が接続されている。
【0030】 温度調節器22は、発熱体本体10の運転及び停止を制御するとともに、発熱 体本体10の温度を制御するためのものである。温度調節器22は、例えば、0 〜40°Cまで調節可能なものと、0〜50°Cまで調節可能なものの2機種を 用意することが好ましい。温度調節器22は、その温度スパンが1〜5°Cであ り、発熱体本体10を任意の温度に設定することができる。温度調節器22は、 例えば、温度を30°Cに設定して運転する場合であって、温度スパン3°Cの ときには、30°CでOFF動作して、27°CでON動作する。0〜40°C 又は0〜50°Cの上限温度である40°C又は50°Cに発熱体本体10が達 すると、温度センサ20がこの上限温度を検出して、温度調節器22は、電極取 出部21への通電を自動的に停止する。その結果、温度調節器22は、温度セン サ20の故障や温度調節器22自体の故障によって、OFF動作するように安全 対策をしている。温度調節器22には、電極取出部21が電気コードを介して接 続されている。また、温度調節器22には、ソケットに差し込んで電流を取り入 れるためのプラグ23が、電気コードを介して接続されており、この温度調節器 22に電流を供給している。
【0031】 つぎに、本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の製造方法を説明する。 図5は、本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の製造装置を示す模式図であ る。 発熱体本体10は、図4に示すように、回路構成を完了した後にロール状に巻 き取られており、図5に示すように、その端部が繰り出される。ポリエチレンフ ィルム15a,16a及びポリエチレンテレフタレートフィルム15b,16b からなる絶縁性の合成樹脂フィルム15,16は、ロール状に巻き取られており 、発熱体本体10の上下方向から供給される。この合成樹脂フィルム15,16 は、発熱体本体10と貼り合わされる側の面が、それぞれヒータ101,102 により加熱されて溶かされる。合成樹脂フィルム15,16は、完全に空気を抜 いた真空中において、プレスローラ103によって加圧されて、発熱体本体10 の両面に密着され溶着(ドライラミネート)される。
【0032】 アルミニウム蒸着器104は、合成樹脂フィルム16を構成するポリエチレン テレフタレートフィルム16bの表面に、アルミニウム蒸着層18を形成する。 ローラ105は、このアルミニウム蒸着層18の表面に、絶縁性の樹脂をコーテ ィングする。プレスローラ104は、最終仕上げのプレスを行って、面状発熱体 1を成形する。
【0033】
【実施例】
本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1において、赤外線放射体である炭素 繊維11は、東京都立工業技術センターの調べにより、高効率赤外線放射体であ り、その放射率は、0.94であることが確認された。
【0034】 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1は、水中において2時間冠水した後 に、水中で1500V/1分間印加して耐電圧試験を行った結果、その絶縁抵抗 値は、無限大であった。 また、この面状発熱体1は、加圧試験による耐荷重試験では、2ton/cm2 であった。さらに、面状発熱体1は、折り曲げ試験での異常が認められず、絶 縁性、防水性、耐荷重正、折り曲げ特性などがいずれも優れていることが確認さ れた。
【0035】 赤外線放射体は、温度での放射特性が主である。高効率赤外線放射特性は、例 えば、気温20°Cのときには、0.7μm以遠の全放射発散度3.526×1 02 (W/m2 )、0.7〜4.0μmの放射発散度6.721×10-1(W/ m2 )、4.0μm以遠の放射発散度3.526×102 (W/m2 )であり、 全赤外線放射率0.929、0.7〜4.0μmの赤外線放射率0.953、4 .0μm以遠の赤外線放射率0.93である。
【0036】 気温30°Cのときには、0.7μm以遠の全放射発散度4.078×102 (W/m2 )、0.7〜4.0μmの放射発散度1.052(W/m2 )、4. 0μm以遠の放射発散度4.068×102 (W/m2 )であり、全赤外線放射 率0.931、0.7〜4.0μmの赤外線放射率0.953、4.0μm以遠 の赤外線放射率0.921である。このために、電源停止(非通電)状態であっ ても、気温をエネルギーとして赤外線を放射していることが確認された。
【0037】 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体は、以下の効果を有する。 (1) 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1は、合成樹脂フィルム15, 16の表面を熱で溶かして、この合成樹脂フィルム15,16を発熱体本体10 の両面に密着している。その結果、従来の面状発熱体のように、熱硬化性樹脂な どの媒体を加熱して密着する方法とは異なるために、媒体とする樹脂などがなく ても、柔軟性のある面状発熱体1を製造することができる。 また、この面状発熱体1は、柔軟性があるために、ベットや布団の下に敷いて 使用する装具用暖房器具として最適である。 さらに、発熱体本体10の両面に絶縁性の合成樹脂フィルム15,16を貼り 合わせているために、水漏れや漏電などの心配がない。
【0038】 (2) 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1は、発熱体本体10が高効率 赤外線放射体であるために、加熱、乾燥、医療などの分野において、多種多様な 利用方法がある。特に、ベットや布団などとともに面状発熱体1を使用するとき には、人体から発生する湿気の防止に役立てることができるために、カビやダニ などが発生するのを防止することができる。
【0039】 (3) 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1は、発熱体本体10から放射 する赤外線を、被照射方向へ反射するアルミニウム蒸着層18を備えているため に、赤外線の有効利用と、ランニングコストの低減を図ることができる。 また、アルミニウム蒸着層18を下面にして使用することによって、下面側の 断熱効果を図ることができる。その結果、高齢者の健康増進、病後の体力回復、 冷え性の防止などを図ることができる。
【0040】 (4) 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1は、発熱体本体10が高効率 赤外線放射体であるために、一つの波長ではなく、赤外線領域におけるあらゆる 波長を放出する。赤外線は、水分子(3原子、3分子)、高分子によく吸収され る。人体は、60〜70%が水分であると言われており、数多くの細胞で形成さ れている。これらの細胞は、その波長と同じくらいの赤外線波長と出会うと、共 振、共鳴して、運動(振動)エネルギーが熱エネルギーに変換されて、その一部 が代謝エネルギーになって人体の活性化になる。このために、面状発熱体1は、 高効率赤外線放射体であり、水分子で2.0〜10μmの波長である必要がある 。その結果、面状発熱体1は、人体の発汗作用や冷え性の防止のような、諸機能 の活性化などに優位である。
【0041】 (5) 本考案の第1実施形態に係る面状発熱体1は、絶縁用の硝子繊維12と 、発熱用の炭素繊維11と、導体13を織り込むとともに、硝子繊維12、炭素 繊維11及び導体13を合成樹脂フィルム15,16によって固定している。こ のために、各炭素繊維11間及び各炭素繊維11と導体13との位置決め及び固 定が容易にできる。 また、炭素繊維11は、金属抵抗とは違い、温度上昇に対しても自己制御する ために、電気量が増加することはない。 また、炭素繊維11及び硝子繊維12の耐用年数は、半永久的なものであるた めに、人為的に損傷を与えない限り故障の原因とはならない。 さらに、硝子繊維12と炭素繊維11との紡織工程中に導体13を織り込むた めに、製造が簡単であって、大量生産が可能であり、コストダウンを図ることが できる。
【0042】 (第2実施形態) 図6は、本考案の第2実施形態に係る面状発熱体の一部を省略して示す断面図 である。 本考案の第2実施形態に係る面状発熱体3は、第1実施形態に係る面状発熱体 本体10を被覆材4により被覆又は被覆材4間に埋設したものである。被覆材4 は、例えば、樹脂、布又は多泡性のウレタンホームである。
【0043】 本考案の第2実施形態に係る面状発熱体3は、第1実施形態に係る面状発熱体 1の効果に加えて、面状発熱体本体30を被覆材4により被覆することによって 、柔軟性を有する装具用暖房器具として利用することができる。
【0044】 (他の実施形態) 以上説明した実施形態に限定するものではなく、種々の変形や変更が可能であ って、それらも本考案の均等の範囲内である。 例えば、本考案の実施形態に係る面状発熱体1は、合成樹脂フィルム16の表 面にアルミニウム蒸着層18を形成しているが、この合成フィルム16は、予め アルミニウム蒸着層18が形成されたアルミニウム蒸着形合成フィルムであって もよい。
【0045】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、熱硬化性樹脂などを媒体とせずに、発 熱体本体と合成樹脂フィルムとを密着しているために、柔軟性のある面状発熱体 とすることができる。 また、発熱体本体の両面に絶縁性の合成樹脂フィルムを貼り合わせているため に、水漏れや漏電などの心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の発熱
体本体を示す拡大図である。
【図2】本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の一部
を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線で切断した状態の一部
を示す断面図である。
【図4】本考案の第1実施形態に係る面状発熱体がロー
ル状に巻かれた状態を示す斜視図である。
【図5】本考案の第1実施形態に係る面状発熱体の製造
装置を示す模式図である。
【図6】本考案の第2実施形態に係る面状発熱体の一部
を示す断面図である。
【符号の説明】
1,3 面状発熱体 4 被覆材 10 発熱体本体 11 炭素繊維 12 硝子繊維 13 導体 15,16 合成樹脂フィルム 15a,16a ポリエチレンフィルム 15b,16b ポリエチレンテレフタレートフィルム 17 切断部 18 アルミニウム蒸着層 19 絶縁性樹脂層 20 温度センサ 21 電極取出部 21a 端子台 22 温度調節器 23 プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 筒井 昭光 北海道札幌市北区屯田2条1丁目5番10号 (72)考案者 斉藤 広芳 北海道札幌市手稲区新発寒7条10丁目17号

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の方向及びこれと交差する第2の方
    向に織り込まれた絶縁用の硝子繊維と、 前記第1の方向であって、前記硝子繊維の織り目に所定
    間隔ごとに織り込まれた発熱用の炭素繊維と、 前記第2の方向であって、前記第1の方向の端部に織り
    込まれた電極用の第1及び第2の導体と、 を含む発熱体本体と、 前記発熱体本体の両面に設けられた絶縁性の合成樹脂フ
    ィルム層と、 前記合成樹脂フィルム層の片面に設けられた熱反射層
    と、 を含むことを特徴とする面状発熱体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の面状発熱体において、 前記発熱体本体は、高効率な赤外線放射体を含むこと、 を特徴とする面状発熱体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の面状発熱
    体において、 前記合成樹脂フィルム層は、前記発熱体本体の表面に熱
    溶着され、かつ、密着された合成樹脂フィルムであるこ
    と、 を特徴とする面状発熱体。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載の面状発熱体において、 前記合成樹脂フィルム層は、 前記発熱体本体の表面に設けられたポリエチレンフィル
    ム層と、 前記ポリエチレンフィルム層の表面に設けられたポリエ
    チレンテレフタレートフィルム層と、 を備えることを特徴とする面状発熱体。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の面状発熱体において、 前記熱反射層は、アルミニウム蒸着層であって、その表
    面にコーティングされた絶縁性樹脂層を備えること、 を特徴とする面状発熱体。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の面状発熱体において、 前記第1及び第2の導体に接続され、積層されたエポキ
    シ樹脂を含む端子台を有する電極取出部を備えること、 を特徴とする面状発熱体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の面状発熱体において、 前記発熱体本体の温度を検出する温度検出部と、 前記発熱体本体の温度を制御する温度制御部と、 電源から電流を取り出して、前記温度制御部に電流を供
    給する電流取出部とを含み、 前記温度制御部は、前記温度検出部の検出温度に基づい
    て、前記電源取出部に供給する電流を制御すること、 を特徴とする面状発熱体。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項に記載の面状発熱体を樹脂で被覆したこと、 を特徴とする面状発熱体を用いた発熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項に記載の面状発熱体を布で被覆したこと、 を特徴とする面状発熱体を用いた発熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項7までのいずれか
    1項に記載の面状発熱体を多泡性のウレタンホーム間に
    埋設したこと、 を特徴とする面状発熱体を用いた発熱装置。
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