JP3046953U - 抄紙用ニードルフェルト - Google Patents

抄紙用ニードルフェルト

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JP3046953U JP1997008452U JP845297U JP3046953U JP 3046953 U JP3046953 U JP 3046953U JP 1997008452 U JP1997008452 U JP 1997008452U JP 845297 U JP845297 U JP 845297U JP 3046953 U JP3046953 U JP 3046953U
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一正 渡辺
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市川毛織株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な圧縮性、換言するとプレス部直下でフ
ェルトの加圧下密度に過不足が生じないようにした抄紙
用ニードルフェルトを提供する。 【解決手段】 基布2に、ポリエラストマー弾性繊維と
低弾性繊維とを混紡したバット3を積層してニードリン
グにより絡合一体化してなるニードルフェルト1であっ
て、該ニードルフェルト1は湿潤加圧30kg/cm2
下での実質的なフェルト加圧下密度が0.600〜0.
850g/cm3 の範囲内にあることを特徴とし、フェ
ルト加圧下密度を適度な範囲に制御して安定した抄紙機
の操業と均一な紙質が得られるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、抄紙用ニードルフェルト、更に詳しくは抄紙機のウエットプレスパ ートで使用され、高加圧と高速度に耐え、しかも最良の紙質形成に役立つ抄紙用 ニードルフェルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、抄紙機の性能が格段と向上してきているため、抄紙用ニードルフェルト にとって高加圧と高速度に耐え、しかも最良な紙質形成に役立つための機能が求 められている。
【0003】 従来、基布に天然繊維である羊毛バットを積層してニードリングしてなる抄紙 用ニードルフェルトが使用されてきた。羊毛を抄紙用ニードルフェルトに使用し た場合におけるプレス部直下でのフェルトの密度(以下「加圧下密度」という) と紙質形成の関係を論じた報告はなされていない。
【0004】 次いで、基布にナイロン6・66等の低弾性繊維だけからなるバットを積層し てニードリングにより絡合一体化した抄紙用ニードルフェルトが出現した。この バットとして使用した、ナイロン6・66等の低弾性繊維は強靱性を有している が、嵩高いフェルトになってしまい、加圧下密度はそれ程高くならず、抄紙機か らの脱水量は僅かなものであった。
【0005】 最近、ポリエラストマー弾性繊維をバットとして使うことが提案された。この ポリエラストマー弾性繊維は高度な圧縮回復性を抄紙用ニードルフェルトに付与 する技術として注目を集めている。
【0006】 本考案者も以前からポリエラストマー弾性繊維を活用した抄紙用ニードルフェ ルトを提案してきた。というのはポリエラストマー弾性繊維が本質的に有してい るゴム的弾性、柔軟性及びその持続性が抄紙用ニードルフェルトの、繰り返し受 ける圧縮疲労に対して効果的に機能する特性を重視したためである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、一部の抄紙機に対してポリエラストマー弾性繊維を含むバット を使用すると、プレス部での過度な圧縮性、換言すると加圧下密度が高過ぎるた めプレスロールで振動が発生し、基布組織のパターンが紙に転写され、紙質を悪 化させるという問題があった。
【0008】 本考案は、ナイロン6・66等の低弾性繊維だけからなるバットを用いた抄紙 用ニードルフェルトの、加圧下密度が低いために起こる搾水性の悪さ、乾燥に要 する熱エネルギーの増大問題や、ポリエラストマー弾性繊維を含むバットを用い た抄紙用ニードルフェルトの、加圧下密度が高過ぎるために起こるプレスロール の振動、基布組織のパターンの紙への転写問題などを一挙に解決し、適度な圧縮 性、換言するとプレス部直下でフェルトの加圧下密度に過不足が生じないように した抄紙用ニードルフェルトを提供することを目的としている。
【0009】
【問題点を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案は、基布に、ポリエラストマー弾性繊維と 低弾性繊維とを混紡したバットを積層してニードリングにより絡合一体化してな るニードルフェルトであって、該ニードルフェルトは湿潤加圧30kg/cm2 下での実質的なフェルト加圧下密度が0.600〜0.850g/cm3 の範囲 内にあることを特徴とし、フェルト加圧下密度を適度な範囲に制御して安定した 抄紙機の操業と均一な紙質が得られるように構成した。
【0010】 また、請求項2に記載の考案は、前記ポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維 との混紡率が、ポリエラストマー弾性繊維の重量比で40%以下であることを特 徴とし、主として低弾性繊維の強靱性にポリエラストマー弾性繊維は高度な圧縮 回復性を付与し、加圧下密度に過不足が生じず、紙質に直接タッチするニードル フェルトの表面側の基布マークの確実な消去と、摩擦摩滅の軽減が期待できるよ うに構成した。
【0011】 さらに、請求項3に記載の考案は、前記ポリエラストマー弾性繊維が、ポリア ミド系エラストマー弾性繊維、ポリエステル系エラストマー弾性繊維、ポリウレ タン系エラストマー弾性繊維の1種又は複数種からなるものであることを特徴と し、繰り返し受ける圧縮疲労に対して効果的な回復機能を有効かつ最大限に発揮 させ得るように構成した。
【0012】 さらにまた、請求項4に記載の考案は、前記ポリエラストマー弾性繊維と低弾 性繊維との混紡バット層の外層に、低弾性繊維のみからなるバットを積層し、ニ ードリングにより絡合一体化してなることを特徴とし、バットのうち、基布に近 い層には高度な圧縮回復性を付与し、表層には低弾性繊維の強靱性を付与し、湿 紙水分、プレスロールの振動及び基布マークの何れの面でも優れた機能を発揮で きるように構成した。
【0013】 さらにまた、請求項5に記載の考案は、前記基布が、柔軟で圧縮回復性の高い 組織を有することを特徴とし、繰り返し受ける圧縮疲労に対して効果的な回復機 能を基布自身が担えるように構成した。
【0014】
【考案の実施の態様】
次に、本考案の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図1は本考案のニ ードルフェルトの片面タイプの断面図、図2は本考案のニードルフェルトに外層 を付加したタイプの断面図、図3は本考案のニードルフェルトの両面タイプの断 面図、図4は湿紙プレス機械の側面を示す略示的説明図である。
【0015】 図において、1は基布2に、ポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維とを混紡 したバット3を積層してニードリングにより絡合一体化してなるニードルフェル トである。なお、図1、図2では、バット3は基布2の片面(図面では上面)に 積層しているが、図3の如く、基布の両面に積層する場合も含まれることは勿論 である。
【0016】 前記ニードルフェルト1の湿潤加圧30kg/cm2 下での実質的なフェルト 加圧下密度は0.600〜0.850g/cm3 の範囲内、より好ましくは0. 650〜0.750g/cm3 の範囲内に制御される。これはプレスロールの振 動防止と、良好な紙質形成に役立てるためである。しかして、前記加圧下密度を 0.600〜0.850g/cm3 の範囲のうち何れの方向に調整するかは、抄 紙機条件、基布構造などを考慮して決める。
【0017】 前記ニードルフェルト1のフェルト加圧下密度を、0.600〜0.850g /cm3 の範囲内に制御するためには、基布組織とバットとの構成、或いはポリ エラストマー弾性繊維と低弾性繊維との割合を考慮しながら、目標のフェルト加 圧下密度の範囲に入るように混紡したバットを積層し、ニードリングにより絡合 一体化することが肝要である。即ち、その構成の仕方によっては、前述した湿潤 加圧30kg/cm2 下での実質的なフェルト加圧下密度0.850g/cm3 を越えてしまう場合もあるからである。
【0018】 前記ポリエラストマー弾性繊維には、ポリアミド系エラストマー弾性繊維、ポ リエステル系エラストマー弾性繊維、ポリウレタン系エラストマー弾性繊維があ り、このうちの1つを選択して用いても、複数種を混紡して用いてもよい。
【0019】 ここでポリエラストマー弾性繊維の選択は、経験的に決めても良いが、各弾性 繊維の比重(見掛けの算術計算比重を使う)、単位坪量当たりの嵩高さ、ニード リング時の基布とバット、バットとバットとの交絡性、ニードリング後の仕上が り密度、及び湿潤加圧30kg/cm2 下でのフェルト加圧下密度を考慮して決 めることが必要である。
【0020】 前記バット3を構成するポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維との混紡にお いて、比重が軽い場合には経験的にバット3の嵩が高くなって加圧下密度は低く なるので、比重の大きいポリエラストマー弾性繊維の混紡率を高くするか、或い はニードルパンチング密度を高める、などの調整を要する。
【0021】 このようにポリエラストマー弾性繊維の混紡率を高くする場合においても、ポ リエラストマー弾性繊維と低弾性繊維との混紡率は、ポリエラストマー弾性繊維 の重量比で40%以下であることが、紙質に直接タッチするニードルフェルトの 表面側の基布マークの確実な消去と、摩擦摩滅を軽減させるために好ましい。
【0022】 前記ポリエラストマー弾性繊維のうち、ポリウレタン系エラストマー弾性繊維 とは、例えば、脂肪族ポリエーテル又は脂肪族ポリエステル及び炭素数2〜6の 脂肪族ジオールをジイソシアネート化合物と重付加反応させて得たポリウレタン エラストマー樹脂の乾式紡糸や湿式紡糸、又は溶融紡糸法によって得られる繊維 である。代表的な弾性繊維の比重は、おおよそ1.10〜1.24g/cm3 で ある。
【0023】 上記ポリウレタン系エラストマー弾性繊維として具体的には、例えば、日本ミ ラクトラン社製の『ミラクトラン』、日清紡製の『モビロン』など、熱可塑性ポ リウレタンエラストマー樹脂を湿式紡糸法によって得た弾性繊維である。
【0024】 また、前記ポリエラストマー弾性繊維のうち、ポリエステル系エラストマー弾 性繊維とは、例えば、ハードセグメントがポリブチレンテレフタレートであり、 ソフトセグメントがポリテトラメチレングリコールからなるブロック共重合ポリ エステルエラストマー樹脂の乾式紡糸や湿式紡糸又は溶融紡糸法によって得られ る繊維である。代表的な弾性繊維の比重は、おおよそ1.12〜1.26g/c m3 である。
【0025】 上記ポリエステルエラストマー弾性繊維として具体的には、例えば、東洋紡製 の『ペルプレン』、東レ・デュポン社製の『ハイトレル』など、熱可塑性ポリエ ステルエラストマー樹脂を溶融紡糸法によって得た弾性繊維である。
【0026】 さらに、前記ポリエラストマー弾性繊維のうち、ポリアミド系エラストマー弾 性繊維とは、例えば、ハードセグメントがポリアミドであり、ソフトセグメント がポリテトラメチレコングリコールからなるブロック共重合ポリアミドエラスト マー樹脂の乾式紡糸や湿式紡糸又は溶融紡糸法によって得られる繊維である。代 表的な弾性繊維の比重は、おおよそ1.01〜1.12g/cm3 である。
【0027】 上記ポリアミド系エラストマー弾性繊維として具体的には、例えば、宇部興産 製の『PAE』、大日本インキ製の『グリラックス』など、熱可塑性ポリアミド エラストマー樹脂を溶融紡糸法によって得た弾性繊維である。
【0028】 前記ポリエラストマー弾性繊維の具体的特性としては、繊度=6〜30デニー ル、好ましくは10〜20デニール、捲縮数=5〜20個/吋、好ましくは10 〜15個/吋、繊維長=50〜100mm、好ましくは76mmを中心のバリア ブルカットである。
【0029】 前記バットを構成する低弾性繊維とは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン 46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ ン1212、共重合ナイロン、例えばナイロン6と66、ナイロン6と10、ナ イロン6と12、或いは半芳香族ナイロン、芳香族ナイロン、ポリエステル、ポ リフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトンの1種又は複数種から 選択された短繊維が好適に使用できる。勿論、これらの成分を一部含む複合繊維 であっても良い。
【0030】 前記低弾性繊維の具体的特性としては、繊度=6〜30デニール、好ましくは 10〜20デニール、捲縮数=5〜20個/吋、好ましくは10〜15個/吋、 繊維長=50〜100mm、好ましくは76mmを中心のバリアブルカットであ る。
【0031】 本考案の抄紙用ニードルフェルトの機能をより発揮させるためには、図2の如 く、ポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維との混紡バット3を積層し、その外 層に、さらに低弾性繊維のみからなるバット4を積層し、ニードリングにより絡 合一体化するとよい。低弾性繊維、例えばナイロン6の短繊維は、耐磨耗性に優 れ、紙質、特に基布マークを解消するために有効である。
【0032】 ここで「外層」とは、基布2の両面(上下面)に近接したバット3を形成して いる場合には、紙面側あるいは両面を含む(図3では両面のみを示した)。この ように外層に低弾性繊維のみからなるバットを積層したのは、抄速1000m/ min以上の高速抄紙機やプレスニップ圧100kg/cm以上の性能を有する 抄紙機に適用できるようにするためである。
【0033】 前記基布2は、柔軟で圧縮回復性の高い組織を有するものを使用することが好 ましい。ここに「圧縮回復性の高い基布組織」とは、剛性の高くない、例えば、 甘い撚りのナイロン6撚糸を、経糸・緯糸に使用した一重織りであり、多重織り の組織にあっては、1/3,3/1,1/5,5/1等の崩し織りとする比較的 坪量の軽い基布が好例である。勿論、ナイロン6に代えて、ポリエラストマー弾 性糸を使用することもできる。
【0034】 このような圧縮回復性に富んだ基布を使用する場合には、基布自身が繰り返し 受ける圧縮疲労に対する回復機能を備えるため、ポリエラストマー弾性繊維と低 弾性繊維とを混紡した、圧縮回復性を有するバットと相まってフェルト加圧下密 度を最適な範囲に制御できるが、基布自身の圧縮回復性をさらに高めていくと、 バットとしてポリエラストマー弾性繊維を混紡しなくても、低弾性繊維だけで構 成することも可能となる。
【0035】 前記基布2の組織構造は、千差万別であって、要求度合いに見合う構造のもの が選択され使用される。当然、機械的な付加の高い抄紙機においては、坪量の重 い多重織りの組織が使われる。この場合にはニードリングされて仕上げられたニ ードルフェルト1は、基布2の非圧縮性のために加圧した密度が低くなるが、上 述したフェルト加圧下密度は維持されることが重要である。
【0036】 本考案で記述されるニードルフェルトの湿潤加圧30kg/cm2 下での実質 的なフェルト加圧下密度とは、例えば、JIS L1022 繊維製床敷物の荷 重による厚さ減少に関する試験方法で規格している、静的荷重試験機の標準圧力 を30kg/cm2 とし、予め、風乾坪量の分かっている試験片(ニードルフェ ルト)を一昼夜水中に浸漬しておき、試験片の中央に30kg/cm2 の荷重を 加えて5分後の厚さを測定し、次式をもってニードルフェルトの湿潤加圧30k g/cm2 下での実質的なフェルト加圧下密度とする。
【0037】 (式) 湿潤加圧30kg/cm2 下でのフェルト加圧下密度 =試験片の風乾坪量(g/cm2 )/加圧下厚み(cm)
【0038】
【実施例】
基布: ナイロン6モノフィラメント(繊径0.2mm)の3本撚糸を織機上の経糸と し、同じ撚糸を緯糸として製織した無端状の二重組織の織物である。基布は坪量 600g/m2 に設定した。
【0039】 ポリエラストマー弾性繊維: ポリウレタンエラストマー(日本ミラクトラン製のミラクトランE300、 比重1.16g/cm3 ) ポリエステルエラストマー(東洋紡製のペルプレンP−280、比重1.2 6g/cm3 ) ポリアミドエラストマー(大日本インキ製のグリラックスA−350、比重 1.01g/cm3
【0040】 バット: 上記〜の各々の樹脂を通常の乾式、湿式又は溶融紡糸方法で得られたポリ エラストマー弾性繊維(繊度=15デニール、捲縮数=10個/吋、繊維長=7 6mm)の1種又は複数種からなるポリエラストマー弾性繊維と、市販のナイロ ン6(繊度=15デニール、捲縮数=10個/吋、繊維長=76mm)とを所定 の混合割合で混紡してなる。
【0041】 しかして、前記基布をニードルマシンに仕掛け、該基布の上下にカーディング マシンから供給された前記バットを、目付けが表側400g/cm3 、裏側20 0g/cm3 になるまで載せ、ニードリングを行い、さらにバットを載せない状 態でニードリングを数周行って絡合性を高めて抄紙用ニードルフェルト(a〜e )を得た。このa〜eの区別はバットのポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維 との混紡率の違いによる。
【0042】 また、ポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維との混紡率が、15:85であ る抄紙用ニードルフェルト(上記c)の表側に外層として、低弾性繊維であるナ イロン6だけからなるバットを目付200g/m2 で積層し、ニードリングして 抄紙用ニードルフェルト(f)を得た。
【0043】 前記抄紙用ニードルフェルト(a〜f)を表1に示す。 (表1) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フェ 混紡比 湿潤加圧下密度 ルト 弾性繊維:低弾性繊維 (g/m2 ) 備 考 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− a 0:100 0.590 本考案の構成要件外 b 5:95 0.610 本考案の構成要件を充足 c 15:85 0.705 本考案の構成要件を充足 d 35:65 0.830 本考案の構成要件を充足 e 45:55 0.860 本考案の構成要件外 f 15:85:33* 0.655 本考案の構成要件を充足 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *基布に近いバットの混紡比と外層バットの混紡比であって、最終的な混紡比 率は11:89となる。
【0044】 得られたニードルフェルトについて、湿潤加圧下密度、抄紙シミュレーション 機械でのプレスロール振動値及び湿紙搾水試験を実施した処、下記表2の結果を 得た。
【0045】 (表2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フェ 混紡比 湿潤加圧下密 プレスロール 湿紙搾水試験(プレス後) ルト 度(g/m2 )振動値(G) 湿紙水分 基布マーク −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− a 0:100 0.590 0.30 55% 無(比較例) b 5:95 0.610 0.31 53% 無(実施例) c 15:85 0.705 0.32 52% 無(実施例) d 35:65 0.830 0.35 50% やや有(実施例) e 45:55 0.860 0.40 50% 有(比較例) f 11:89 0.655 0.31 52% 無(実施例) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *プレスロール振動値はロールの垂直方向の重力加速度で表す。
【0046】 ここで表2の結果に記載されたニードルフェルトの機能性評価方法について説 明すると、 (i)手漉き方法による湿紙の作成 パルプ減量LBKPをTAPPIスタンダード式ナイアガラ型ビーターにて、 パルプのフリーネスが400CSF(TAPPIスタンダードT227m−58 で規格するフリーネス)になるまで叩解し、叩解パルプをパルプ濃度0.4%に 希釈し、実験用配向性抄紙機(熊谷理機工業株式会社製)を用い、含水率60% (乾燥重量200g/m2 )の湿紙を作成した。
【0047】 (ii)湿紙のプレス搾水方法 a〜eのニードルフェルトを図4に示す湿紙プレス機械400に掛け入れ、上 記(i)で得た湿紙Pを入口から投じると、プレスロール403、404の圧に より湿紙Pの水分はニードルフェルト402に搾水される。該搾水紙P′を出口 で回収して水分を測定した。
【0048】 (iii)湿紙マーク 上記(ii)で得た湿紙P′の乾燥紙の裏面、即ち、ニードルフェルト402 に接する側の紙表面性を目視により判定した。
【0049】 上記の結果、本考案の構成要件を充足しているb〜dでは、適性な加圧下密度 を維持しているため、プレスロールでの振動は小さく、しかも湿紙水分も少なく 基布マークも見られないと言った評価を得ている。もっとも、本考案の構成要件 外のaでは基布マークは見られないが、湿紙水分が高く、同じくeではプレスロ ールの振動が大きく、しかも基布マークも強く、抄紙用ニードルフェルトとして は適当ではない。逆に、本考案のfでは湿紙水分、プレスロールの振動及び基布 マークの何れの面でも優れていた。
【0050】
【考案の効果】
以上の如く、本考案は、基布にポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維とを混 紡したバットを積層し、ニードリングにより絡合一体化してなるニードルフェル トであって、該ニードルフェルトは湿潤加圧30kg/cm2 下での実質的なフ ェルト加圧下密度が0.600〜0.850g/m2 の範囲内にあることを特徴 としているから、如何なるタイプの抄紙機性能を有する抄紙機であっても、操業 状態、即ち、プレスロールの振動、搾水性(湿紙水分)及び基布マークの何れの 面でも優れた効果を奏する。
【0051】 また、請求項2に記載の考案は、前記ポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維 との混紡率が、ポリエラストマー弾性繊維の重量比で40%以下であることを特 徴としているから、主として低弾性繊維の強靱性にポリエラストマー弾性繊維は 高度な圧縮回復性を付与し、加圧下密度に過不足が生じず、紙質に直接タッチす るニードルフェルトの表面側の基布マークの確実な消去と、摩擦摩滅の軽減が期 待できるという効果を奏する。
【0052】 さらに、請求項3に記載の考案は、前記ポリエラストマー弾性繊維が、ポリア ミド系エラストマー弾性繊維、ポリエステル系エラストマー弾性繊維、ポリウレ タン系エラストマー弾性繊維の1種又は複数種からなるものであることを特徴と しているから、繰り返し受ける圧縮疲労に対して効果的な回復機能を有効かつ最 大限に発揮させ得るという効果を奏する。
【0053】 さらにまた、請求項4に記載の考案は、前記ポリエラストマー弾性繊維と低弾 性繊維との混紡バット層の外層に、低弾性繊維のみからなるバットを積層し、ニ ードリングにより絡合一体化してなることを特徴としているから、バットのうち 基布に近い層には高度な圧縮回復性を付与し、表層には低弾性繊維の強靱性を付 与でき、湿紙水分、プレスロールの振動及び基布マークの何れの面でも優れた効 果を奏する。
【0054】 さらにまた、請求項5に記載の考案は、前記基布が、柔軟で圧縮回復性の高い 組織を有することを特徴としているから、繰り返し受ける圧縮疲労に対して効果 的な回復機能を基布自身が担えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のニードルフェルトの片面タイプの断面
図である。
【図2】本考案のニードルフェルトの外層を付加したタ
イプの断面図である。
【図3】本考案のニードルフェルトの両面タイプの断面
図である。
【図4】湿紙プレス機械の側面を示す略示的説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ニードルフェルト 2 基布 3 ポリエラストマー弾性繊維と低弾性繊維との混紡バ
ット 4 低弾性繊維のみのバット 400 湿紙プレス機械 401 フェルトロール 402 ニードルフェルト 403 上プレスロール 404 下プレスロール P 湿紙 P′搾水後の湿紙

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布に、ポリエラストマー弾性繊維と低
    弾性繊維とを混紡したバットを積層してニードリングに
    より絡合一体化してなるニードルフェルトであって、該
    ニードルフェルトは湿潤加圧30kg/cm2 下での実
    質的なフェルト加圧下密度が0.600〜0.850g
    /cm3 の範囲内にあることを特徴とする抄紙用ニード
    ルフェルト。
  2. 【請求項2】 前記ポリエラストマー弾性繊維と低弾性
    繊維との混紡率が、ポリエラストマー弾性繊維の重量比
    で40%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    抄紙用ニードルフェルト。
  3. 【請求項3】 前記ポリエラストマー弾性繊維が、ポリ
    アミド系エラストマー弾性繊維、ポリエステル系エラス
    トマー弾性繊維、ポリウレタン系エラストマー弾性繊維
    の1種又は複数種を混紡してなるものであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の抄紙用ニードルフェル
    ト。
  4. 【請求項4】 前記ポリエラストマー弾性繊維と低弾性
    繊維との混紡バットの外層に、低弾性繊維のみからなる
    バットを積層し、ニードリングにより絡合一体化してな
    ることを特徴とする請求項1〜3のうちの1に記載の抄
    紙用ニードルフェルト。
  5. 【請求項5】 前記基布が、柔軟で圧縮回復性の高い組
    織を有することを特徴とする請求項1〜4のうちの1に
    記載の抄紙用ニードルフェルト。
JP1997008452U 1997-09-06 1997-09-06 抄紙用ニードルフェルト Expired - Lifetime JP3046953U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001040595A (ja) * 1999-07-09 2001-02-13 Albany Internatl Corp 成型糸を有している多軸プレス布

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