JP3046705B2 - 家具等の転倒防止具 - Google Patents

家具等の転倒防止具

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JP3046705B2
JP3046705B2 JP6022786A JP2278694A JP3046705B2 JP 3046705 B2 JP3046705 B2 JP 3046705B2 JP 6022786 A JP6022786 A JP 6022786A JP 2278694 A JP2278694 A JP 2278694A JP 3046705 B2 JP3046705 B2 JP 3046705B2
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勝司 奥田
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株式会社奥田製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たんす、書棚、食器棚
などの家具類、事務所などで使用される書庫、ロッカー
等の転倒防止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、たんす、書棚、食器棚などの家具
類が、地震によって転倒するのを防止するための手段と
して、図13に例示するように、L形鋼製の転倒防止金
具41をビス42等により、たんす43の天板と壁44
に固定する方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の前記
金具41は、壁44が土壁の場合には、化粧框又は柱を
利用するが、たんす等の高さとの関係で利用できない場
合があり、又、壁44が図13に示すパネル(或いはボ
ード)のときは、裏側に横棧45(又は縦棧)がたんす
43の高さと略同じ位置にあればよいが、同図13に2
点鎖線46で示すようにたんす43よりも高い位置にあ
ると前記金具41を使用できない等の問題があった。
【0004】本発明は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、家具等の高さと
壁、柱などの固定物側の状況に対応して、任意の位置に
取付けてその機能を確保できる家具等の転倒防止具を提
供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、ワイヤロープ等の転倒防止索体を巻装した巻胴を
備え、この巻胴から索体を引出し又は巻胴に索体を巻取
り可能となるように、該巻胴を本体に回転可能に収容
し、この本体に、索体が引出し方向に移動するのを阻止
する索体係止部材を取付け、引出された索体の先端又は
本体のいずれか一方を固定物に、他方を家具等に固定す
るようにした家具等の転倒防止具であって、索体係止部
材は、索体が引出し方向に移動するのを阻止するように
索体を係止すると共に、係止中でも、巻取り方向には
体が移動可能となるように構成され、且つ、索体が引出
し方向に移動可能となるように索体の前記係止を解除す
る索体係止解除手段を備えており、巻胴には、該巻胴を
手動回転させることで索体を巻取るべく回転工具嵌装部
が設けられていることを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明によれば、本体を家具等に固定すると共
に索体の先端を壁等の固定物に固定した後、巻胴を索体
が巻取られる方向に回転させることにより、索体が巻胴
に巻取られて緊張し、索体係止部材により索体が本体に
係止固定される。このとき、索体係止部材は、巻取り方
向がフリーであるため、殆ど抵抗なく索体が巻取られ、
巻胴の巻取方向への回転を停止すると、索体が前記係止
部材により係止され、索体が引出し方向に移動しなくな
る。
【0007】そして、索体は、前記係止部材の係止解除
手段を操作しない限り、引出し方向に移動することはな
く、家具等は壁などの固定物に連係固定され、地震等に
より倒れることはない。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図面において、1は家具等の金属製転倒防止具で、
ワイヤロープからなる転倒防止用の索体2と、該索体2
を巻装した巻胴3と、該巻胴3を回転可能に収容した本
体4と、本体4に取付けられた索体係止部材5と、カバ
ー6とから成り、索体2の先端には係止フック7が連結
され、固定物8の壁面8A等に取付けた係止金具9に、
前記フック7を引掛けて係止するようになっている。
【0009】前記巻胴3は、図1〜図3及び図5〜図7
に示すように、軸方向一端に外向鍔3Aを備えた円筒状
を呈し、内周の前記鍔3A側の孔は拡径されると共に半
径方向に切欠部を備えた回転工具嵌装孔3Bとされ、該
孔3Bを除く小径孔部には雌ねじ部3Cが設けられてお
り、該ねじ部3C側外端面に索体係止金具挿入凹部3D
及び索体案内溝3Eが設けられている。そして、前記工
具嵌装孔3Bには、図11及び図12に示す回転工具1
0の嵌合突部10Aが嵌入されるようになっている。
【0010】前記本体4は、板状取付ベース4Aと、該
ベース4Aの上面に長手方向一端寄に設けられた巻胴収
容筒状部4Bと、他端寄に設けられた索体係止部材取付
部4Cとからなり、前記ベース4Aには家具等11への
取付孔12及びカバー取付ねじ孔13が設けられ、前記
筒状部4Bの上端には巻胴3の外向鍔3Aを回転自在に
嵌合支持する巻胴受部14が、内向鍔状に設けられ、取
付ベース4A裏面側には同心状に巻胴装着円板嵌合部1
5が設けられ、巻胴3の前記雌ねじ部3Cにビス16に
より取付けられた巻胴装着円板17が回転可能に嵌合さ
れている。
【0011】即ち、本体4の巻胴収容筒状部4Bには、
これを巻胴3の前記鍔3Aと、前記円板17により軸方
向(上下方向)両側から挟むようにして巻胴3が取付け
られ、巻胴3を前記回転工具10により回転させると、
巻胴装着円板17が共に回転するようになっており、索
体2は巻胴3と前記筒状部4Bとの間に形成される空間
18内に収納される。そして、索体2の内端は、これに
固着した係止金具19を前記挿入凹部3Dに挿入するこ
とにより係止固定される。
【0012】また、前記筒状部4Bには、前記索体係止
部材取付部4C側の周壁に索体挿通孔20が設けられ、
該孔20から索体2が引き出され或いは引込められるよ
うになっている。そして、本体4の索体係止部取付部4
Cは、索体引出側端に向かって拡開されると共に端部で
開口する平面視切欠円状中空とされ、前記索体挿通孔2
0に対応して索体係止部材取付孔21が設けられてい
る。
【0013】前記索体係止部材5は金属製で、図10に
例示するように、筒状本体5Aと、該本体5A内に挿入
された索体挿通孔22を有しかつ内端にボール受リング
23及びボール嵌挿孔24を有する索体係止解除ロッド
25(索体係止解除手段)と、前記本体5A内において
前記嵌装孔24に嵌装された複数の係止ボール26と、
前記本体5A内に嵌されリング27を介して係止ボール
26を前記リング23方向に付勢するボール付勢スプリ
ング28と、スプリング係止座金29及び係止解除ロッ
ド25の外端に固着された索体係止解除操作リング30
とから成っており、前記本体5Aの一端(ボール受リン
グ23側端)に取付部31が形成され、本体内面は該取
付部31側が小径となるテーパー孔32とされている。
【0014】そして、前記ロッド25に設けたボール嵌
装孔24は、前記索体挿通孔22に貫通し、係止ボール
26が索体2を両側から挾着するようになっている。即
ち、係止ボール26は、前記スプリング28により図1
0に矢印(イ)で示す方向に付勢されると共に、テーパ
ー孔32によりロッド25中心に向かって付勢されるた
め、索体2を両側から挟みつける。
【0015】したがって、索体2に図10に矢印(イ)
で示す方向に引張力が作用すると、係止ボール26を前
記矢印(イ)方向に移動させようとし、テーパー孔32
によりさらに強力な挾着力が作用して、索体2が係止ボ
ール26及び前記部材本体5Aを介して前記取付部4C
に固定され、移動しなくなる。他方、索体2を図10に
矢印(ロ)方向(索体巻取方向)に引張力が作用する
と、係止ボール26にもスプリング28の付勢力に逆っ
て矢印(ロ)方向に力が働いてテーパー孔32による挾
着力が弱められ、索体2への係止力が不十分となり、索
体2が矢印(ロ)方向に移動し、索体2の巻取りが可能
となる。
【0016】また、索体係止解除操作リング30を、図
10中矢印(ロ)方向に引張ると、係止ボール26が付
勢スプリング28に抗して、矢印(ロ)方向に移動し、
索体2に係止ボール26の挾着力が作用しなくなり、索
体2を矢印(イ)及び(ロ)方向に任意に移動させるこ
とができ、したがって、索体2を巻胴3から巻き戻し引
き出すことができる。
【0017】なお、前記スプリング係止座金29は、テ
ーパー孔32に嵌入した後、部材本体5A端部をカシメ
て抜け止めされている。また、部材本体5Aの取付部3
1の内周には雌ねじ部33が設けられ、部材本体5Aの
外周に設けた鍔部34と、前記雌ねじ部33に螺入した
索体挿通孔35を有するねじ36により、前記取付部4
Cを挾着するように取付けられる。
【0018】前記カバー6は合成樹脂製で、図8、図9
に示すように、本体4の取付ベース4Aの前記索体係止
部材取付部4Bを除く形状と同じ形状及び大きさとされ
ており、取付ベース4Aの取付ねじ孔13に対応して取
付孔37が設けられると共に、その裏側に支持パイプ3
8が同心状に固着されている。前記係止フック7及び係
止金具9は、図1及び図2に示す形状のほか、市販の種
々のものを採用することができ、係止フック7を省略し
て係止金具9に索体2の先端を連結することもできるほ
か、係止金具9にフック状係止部を設けると共に索体2
の先端に環状部を形成するか或いは係止リングを連結す
ることができる。
【0019】さらに、索体係止部材5は、上記実施例の
ものに限定されることなく市販のものを採用でき、ま
た、本体4の取付部4Cに設けた索体挿通孔21に上方
から連通する固定ねじを設け、固定ねじにより索体2を
締付け固定することができる。上記実施例によれば、前
記本体4は家具11等の天板上に形成した上方及び後方
開放状の収納凹部39内にねじ39により取付けられて
いて、転倒防止具1の上面が家具11の天板上面と面一
状とされている。これは、家具11を移動させる際に転
倒防止具1が何かの物に当たらないようにするためであ
る。そして、係止金具9を壁8等の裏側に棧のある部分
の壁面8Aにねじ40により取付け、索体係止部材5の
係止解除操作リング30を、索体巻取り方向に引いて索
体2を係止解除した後、所望量だけ索体2を引き出して
係止フック7を係止金具9に引掛ける。
【0020】次いで、巻胴3の回転工具嵌装孔3Bに回
転工具10の嵌合部10Aを挿入し、巻胴3を図2に矢
印(ハ)方向に回転させることにより、索体係止部材5
の拘束が解かれて索体2が巻き取られ、索体2が緊張し
て巻取り不能になった状態で回転工具10の操作を停止
すると、索体係止部材5の係止ボール26の挾着力が作
用し、索体2が索体係止部材5を介して本体4に固定さ
れる。したがって、索体2はその係止部材5の係止解除
操作リング30を操作しない限り、その緊張が緩むこと
がなく、家具等の転倒防止機能を保持する。
【0021】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、適宜設計変更することができ、例えば、ワイヤ
ロープに代えて針金や合成樹脂等のロープを採用し、一
部又は全部の材料を合成樹脂製とすることができ、又係
止金具9を家具等11に、本体4を壁8側に取付けるこ
とができる。また、回転工具としては市販のドライバー
であるのがこのましく、この場合工具嵌装孔はドライバ
ーの先端部形状に合致した形状に形成される。
【0022】
【発明の効果】本発明は、上述のように、ワイヤロープ
等の転倒防止索体と、該索体を巻装した巻胴と、巻胴を
回転可能に収容した本体と、本体に取付けられかつ前記
索体が少なくとも引出し方向に移動するのを阻止する係
脱可能な索体係止部材とから成り、前記索体の先端又は
本体のいずれか一方を固定物に他方を家具等に固定する
ようにしたことを特徴とするものであるから、家具等の
高さと壁などの固定物側の状況に対応して任意の位置に
取付けて転倒防止機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す中央縦断側面図である。
【図2】図1のカバーを除去した状態の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1のA−A線矢視図である。
【図5】同実施例における巻胴の平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図6の下面図である。
【図8】同実施例のカバーの平面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】同実施例における索体係止部材の中央縦断面
図である。
【図11】巻胴回転工具の一例を示す正面図である。
【図12】図11の下面図である。
【図13】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 転倒防止具 2 索体 3 巻胴 3A 外向鍔 3B 回転工具嵌装部 3C 雌ねじ部 4 本体 4A 取付ベース 4B 巻胴収容筒状部 4C 索体係止部材取付部 5 索体係止部材 6 カバー 7 係止フック 10 回転工具 11 家具 16 ビス 17 巻胴装着円板 20 索体挿通孔 21 索体係止部材取付孔 25 索体係止解除ロッド(索体係止解除手段) 26 係止ボール 28 付勢スプリング 30 索体係止解除操作リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 97/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤロープ等の転倒防止索体を巻装し
    た巻胴を備え、この巻胴から索体を引出し又は巻胴に索
    体を巻取り可能となるように、該巻胴を本体に回転可能
    に収容し、この本体に、索体が引出し方向に移動するの
    を阻止する索体係止部材を取付け、引出された索体の先
    端又は本体のいずれか一方を固定物に、他方を家具等に
    固定するようにした家具等の転倒防止具であって、 索体係止部材は、索体が引出し方向に移動するのを阻止
    するように索体を係止すると共に、係止中でも、巻取り
    方向には索体が移動可能となるように構成され、且つ、
    索体が引出し方向に移動可能となるように索体の前記係
    止を解除する索体係止解除手段を備えており、巻胴に
    は、該巻胴を手動回転させることで索体を巻取るべく回
    転工具嵌装部が設けられていることを特徴とする家具等
    の転倒防止具。
  2. 【請求項2】 索体の先端に係止フックが連結されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の家具等の転倒防止
    具。
  3. 【請求項3】 巻胴は円筒状で回転工具嵌装部側に外向
    鍔が形成されその反対側に雌ねじ部が設けられ、前記鍔
    とその反対側に前記ねじ部を利用してビスにより取付け
    られた巻胴装着円板により本体の巻胴収容筒状部にこれ
    を軸線方向両側から挟むようにかつ回転可能に装着され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の家具等
    の転倒防止具。
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CN107440353A (zh) * 2017-03-27 2017-12-08 南宁市博腾安防科技有限公司 一种防倾倒中药柜
CN107440354A (zh) * 2017-03-27 2017-12-08 南宁市博腾安防科技有限公司 一种中药柜
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