JP3045896U - ルートカッターのスプロケットカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 泥詰まりを防止し、安全性を確保できる根切
り用のルートカッターのスプロケットカバーを提供す
る。 【解決手段】 ルートカッター本体１の一側に設けたス
プロケット３に、前記本体１の前方に突出するガイドバ
ー５に支持したソーチエン７を噛み合わせ、本体１に設
けたエンジン２の駆動によってソーチエン７を回転さ
せ、土中に斜めにガイドバー５と共にソーチエン７を挿
入して根切りをする際に、粘土質の土が本体１の一側部
に固定したスプロケットカバー６内に送られても、この
カバー６の上下方向中央部６ａの後部および上部の外周
に設けた大部分が弧状の細長い開口部６ｉから外側に土
を十分に排出でき、また、開口部６ｉの外周側に設けた
弧状周壁６ｈの幅の中間部を前記中央部６ａと対向さ
せ、かつ弧状周壁６ｈの幅を前側に向かって徐々に広く
し、作業者が指を開口部６ｉ内に入れ負傷することを防
止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、ルートカッターのスプロケットカバー、とくに樹木の根切りに用 いるルートカッターのスプロケットカバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ルートカッターは、ルートカッター本体に設けたガソリンエンジンなど の駆動源によって前記本体の一側に設けたスプロケットを回転させることで、前 記本体の前方に突出させたガイドバーにソーチエンを係合支持させて、前記スプ ロケットに噛み合わせ、ソーチエンの外周に一定間隔で突出する切断刃によって 、樹木の枝切りや幹の伐採などを行っている。 そして、ルートカッターを使用する作業者の安全を確保するために、スプロケ ットの外側を覆うスプロケットカバーを前記本体の一側に着脱可能に固定してい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

近時、造園業者などが、樹木を活性化したり、植え替えたりするために、ルー トカッターのガイドバーおよびソーチエンを土中に挿入して樹木の根切りを行っ ているが、前述した樹木の枝切りなどに用いるルートカッターのスプロケットカ バーでは、使用時に土が前記カバー内に詰まる泥詰まりによって排土しにくく、 とくに湿った粘土質の土では泥詰まりしやすく、使用中のソーチエンが停止して しまう。 そこで、泥詰まりがないスプロケットカバーを用いることが考えられたが、こ のカバーは排土用の開口部が大きすぎて、横方向から作業者の指などが入って、 走行中ソーチエンによって負傷する事故を生じる恐れがあるという問題点があっ た。 この考案は、前述した問題点を解決して、泥詰まりがなく、しかも安全性を確 保できる根切り用のルートカッターのスプロケットカバーを提供することおよび 前記カバー内の土圧による悪影響を減少させて作業時間を短縮し、さらに、前記 カバーの清掃を容易にすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、ルートカッター本体に設けたエンジンなどの駆動源によっ て回転するスプロケットを前記本体の一側に設け、基端部を前記本体の一側に固 定して前記本体の前方に突出させたガイドバーに、ソーチエンを係合支持させて 前記スプロケットに噛み合わせたルートカッターのスプロケットカバーであって 、このカバーは、上下方向中央部を前記本体の一側に着脱可能に固定して前記ス プロケットを覆い、前記中央部の下方および後方に連なり外側下方に突出する下 側傾斜部を介しこの傾斜部の外側に下側垂直部を一体に形成し、前記中央部の上 側前部の外側に直角に突出させた突出片の外側縁から直角に上側垂直部を上方に 突出させ、前記中央部の後部および上部の外周側に、後部が前記下側傾斜部およ び下側垂直部に喰い込みかつ上部が前記突出片の後端に至る細長い弧状の開口部 を形成し、開口部の外側に下側垂直部の後端から上側垂直部の前端部に至る弧状 周壁を、下側垂直部および上側垂直部の外側縁と直角にして一体に形成し、弧状 周壁の幅の中間部を前記中央部と対向させ、弧状周壁の前部の幅を前側に向かっ て広くしたものである。

【０００５】 請求項２の考案は、請求項１に記載したルートカッターのスプロケットカバー において、全体を金属によって構成し、全面に四フッ化エチレンの重合などによ って得られるフッ素樹脂コーティングをしたものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

この考案の一実施形態に係るルートカッターのスプロケットカバーを図につい て説明する。 図１，図２に示すように、ルートカッター本体１に駆動源である小型のエンジ ン２などを設け、エンジン２によって回転するスプロケット３を前記本体１の一 側に設け、この本体１の一側面にねじ４ａによってスパイクドバンパ４を固定す る。さらに、カイドバー５の基端部および後述するスプロケットカバー６を重ね て着脱可能に固定し、カイドバー５を、前記本体１の前方に突出させ、ガイドバ ー５に無端状のソーチエン７を摺動可能に係合支持させて、前記スプロケット３ に噛み合わせ、ソーチエン７の外周に一定間隔で切断刃７ａを突出させてある。

【０００７】 また、ルートカッター本体１の後部には後ハンドル８を設け、前記本体１の上 部には上方に突出する前ハンドル９を設け、前記本体１の前ハンドル９前側には 前ハンドガード１０を固定してある。 なお、前記ルートカッターの構成は、スプロケットカバー６以外は従来公知で あるので、要部以外の説明を省略した。

【０００８】 前記スプロケットカバー６は、図１および図３〜図６の各図に示すように、鋼 板の曲げ加工品からなり、細長い上下方向中央部６ａの前部裏面に鋼板からなる 補強板６ｂを溶接によって固着し、ルートカッター本体１から突出した前，後ボ ルト１１をガイドバー５の基端部、前記カバー６の垂直な前記中央部６ａおよび 補強板６ｂにそれぞれ通し、前，後ボルト１１の先端突出部にナット１２を締め 付けることで、前記カバー６、ガイドバー５を前記本体１の前部一側に着脱可能 に位置決め固定してある。

【０００９】 前記カバー６は、前記中央部６ａの後部のスプロケット３と対向する部分に外 側膨出部６ｃを形成し、前記中央部６ａの下方および後方に、外側下方に突出す る下側傾斜部６ｄを一体に形成し、下側傾斜部６ｄの外側に下側垂直部６ｅを一 体に形成し、前記中央部６ａの上側前端部には外側に直角に突出する突出片６ｆ を一体に形成し、突出片６ｆの外側縁から直角に上側垂直部６ｇを上方に突出さ せてある。

【００１０】 また、前記カバー６は、下側垂直部６ｅの後端から上側垂直部６ｇの前端まで 緩やかな凸弧状の弧状周壁６ｈを形成し、弧状周壁６ｈが下側垂直部６ｅおよび 上側垂直部６ｇの外周縁と一体にこれらの外周縁から直角に折り曲げてある。 さらに、前記中央部６ａの上部の外周側に開口部６ｉの上部を細長い弧状に形 成し開口部６ｉの後部を下側傾斜部６ｄおよび下側垂直部６ｅに斜めＵ字状に喰 い込ませると共に、開口部６ｉの前端部が突出片６ｆおよび上側垂直部６ｇの後 端に至るまで形成し、弧状周壁６ｈの幅方向中間部に垂直な前記中央部６ａを対 向させてある。

【００１１】 そして、下側垂直部６ｅは、後部の下縁を上方に位置させ後端部の下部を凹弧 状に切り欠いてあり、また、弧状周壁６ｈは、前端を上側垂直部６ｇより後側に 位置させ、前部の幅を前端に向かって広くし外側の突出長さを徐々に長くし、突 出片６ｆは幅を前端に向かって徐々に広くし、下側垂直部６ｅより若干外側に突 出させ、前記上側垂直部６ｇは、後部の幅を狭くし、前部の幅を広くした凹弧状 に形成し、突出片６ｆは、前下がりに若干傾斜させてある。

【００１２】 前記開孔部６ｉは、前部から上方に立ち上がり、内外方向寸法に狭い部分を経 て、内外方向寸法が徐々に拡がりつつ前上がりに緩やかに傾斜し、前端部では前 下がりに傾斜している。なお、図４〜図６の各図において、６ｊはルートカッタ ー本体の突起部を収容するための切欠部である。 そして、前記形状および構成にしたスプロケットカバー６は、前端をルートカ ッター本体１の前面とほぼ一致させ、前記カバー６の下側垂直部６ｅの下縁を前 記本体１の下縁とほぼ一致させ、さらに弧状周壁６ｈを後端から前端に向かって 緩やかな凸弧状にして前端部を上方に位置させてある。 前記の形状、構成にしたスプロケットカバー６は、テフロン（商標名）などの 四フッ化エチレンの重合によって得られるフッ素樹脂コーティングを全面に施す ことが好ましい。

【００１３】 前記実施形態のスプロケットカバーがあるルートカッターを使用するには、図 ７に示すように、作業者が前，後ハンドル８，９をそれぞれの手に持って、エン ジン２の駆動によりスプロケット３を介してソーチエン７を時計方向に回転させ 、この状態で樹木から所要距離だけ離した位置にカイドバー５とソーチエン７と の先端側を土中に傾斜させて挿入し、前記樹木の根切りをする。

【００１４】 この際、ガイドバー５に係合支持したソーチエン７によって土がスプロケット ３側に送られるが、土質が軽く乾燥している表土などの土の場合には、スプロケ ットカバー６の下側傾斜部６ｄおよび下側垂直部６ｅとルートカッター本体１の 側面との間を通り、前記カバー６の弧状周壁６ｈの下端部に位置する後端部に当 たり、大部分が弧状周壁６ｈの下端を迂回し、残りが弧状周壁６ｈの上方に案内 されて開口部６ｉの後部などから、後方に飛散する。

【００１５】 また、粘土質で重く水分を多く含んで湿っている土の場合には、図８に示すよ うに、ソーチエン７を時計方向に回転させ、ガイドバー３とソーチエン７の大部 分を土中に傾斜させて挿入し、根切りを行うと、土がソーチエン７によってスプ ロケットカバー６の下側傾斜部６ｄおよび下側垂直部６ｅとルートカッター本体 １の側面との間を経て弧状周壁６ｈの後部からその内周面に沿って上方に移動し 、この間にソーチエン７とスプロケット３と噛み合いによって土がソーチエン７ から外れ、前記本体１の前記中央部６ａと弧状周壁６との間に形成した開口部６ ｉから前記土の大部分が断続的に前記カバー６外に排出され、残りの土も開口部 ６ｉの前端から上側垂直部６ｇおよび突出片６ｆと前記本体１の側面とで囲まれ た部分を通ってカバー６の前方に排出させる。

【００１６】 前述したように、前記実施形態のルートカッターによる根切り作業時に、ソー チエン７の回転によって土がスプロケットカバー６内に送られても、このカバー ６に細長い開口部６ｉを形成しているので、粘土質で湿っている土でも泥詰まり がなく、開口部６ｉから土を排出させることができ、とくに、全体を鋼板によっ て構成したカバー６の全面に前記フッ素樹脂をコーティングしたことで、土がス ムーズにカバー６内から開口部６ｉを通って外側に排出しやすくなる。

【００１７】 また、開口部６ｉが細長くその長手方向と直角方向の幅が変化するなど横断面 の形状、面積が変化することもあって、前記のような粘土質の土でも排出が十分 にできる。 さらに、開口部６ｉの外周側に設けた弧状周壁６ｈの幅の中間部を前記中央部 ６ａと対向させ、かつ弧状周壁６ｈの幅を前側に向かって徐々に広くしたので、 作業中に作業者の指などを開口部６ｉ内に誤って挿入し、ソーチエン７に接触し て負傷することを防止でき、安全性を確保できる。 そして、スプロケットカバー６の全面にフッ素樹脂のコーティングをしたこと で、前記カバー６に泥土がこびり付くのを防止でき、カバー６の清掃が布などで 軽く拭き取るだけで容易にできる。

【００１８】 この考案において、スプロケットカバーは、鋼板に限定されることなく、アル ミニウムまたはこれとマグネシウとの一体成形品としてもよく、これらのカバー でも前記のように全面にフッ素樹脂のコーティングを施すことが好ましい。

【００１９】 また、この考案において、駆動源は、ガソリンエンジン以外のエンジンや、電 動機にしてもよい。 さらに、この考案は、前述した根切りのみではなく、樹木の枝や幹の切断に使 用することができ、この場合には従来公知の小型軽量のスプロケットカバーに交 換して使用することもできる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の考案に係るルートカッターのスプロケットカ バーは、上下方向中央部をルートカッター本体の一側に着脱可能に固定してスプ ロケットを覆い、、前記中央部の下方および後方に連なり外側下方に突出する下 側傾斜部を介し、この傾斜部の外側に下側垂直部を一体に形成し、前記中央部の 上側前部の外側に直角に突出させた突出部の外側縁から直角に上側垂直部を上方 に突出させ、前記中央部の後部および上部の外周側に、後部が前記下側傾斜部お よび下側垂直部に喰い込みかつ上部が前記突出片の後端に至る細長い弧状の開口 部を形成し、開口部の外側に下側垂直部の後端から上側垂直部の前端部に至る弧 状周壁を、下側垂直部および上側垂直部の外側縁と直角にして一体に形成し、弧 状周壁の幅の中間部を前記中央部と対向させ、弧状周壁の前部の幅を前側に向か って広くしたので、次の効果がある。

【００２１】 すなわち、作業者がルートカッターの前，後ハンドルをそれぞれの手に持ち、 駆動源の駆動により、ルートカッター本体の一側に設けたスプロケットを回転さ せ、前記本体に固定してその前方に突出するガイドバーおよびガイドバーに係合 支持して前記スプロケットに噛み合わせたソーチエンを土中に傾斜させて挿入し 、樹木の根切りを行う際に、土がソーチエンによってスプロケット側に送られる 。

【００２２】 そして、土質が軽く水分が少ない土の場合には、ソーチエンよってスプロケッ トカバー内の下部に入るが、弧状周壁の下端を迂回したり、開口部の後部を通っ たりして、土が前記カバーの後方に飛散する。また、粘度質など土質が重く水分 を多く含み湿った土の場合には、ソーチエンによって前記カバー内の下部に入っ た土がソーチエンとスプロケットとの噛み合いによってソーチエンから外れ、前 記カバーの前記中央部と弧状周壁との間に形成した細長い開口部から土の大部分 を前記カバー外に掛出され、残りの土が開口部の前端から上側垂直部、突出部と 前記本体の側面とで囲まれた部分を通ってカバーの前方に排出されて、このカバ ー内で泥詰まりしない。 また、開口部の外周側に設けた弧状周壁の幅の中間部を前記中央部と対向させ 、かつ弧状周壁の前部の幅を前側に向かって広くしたので、作業中に作業者の指 などを開口部内に挿入し、ソーチエンに接触して負傷することを防止でき、安全 性を確保できる。

【００２３】 請求項２の考案は、請求項１に記載したルートカッターのスプロケットカバー において、このカバーの全体を金属によって構成し、前記カバーの全面に四フッ 化エチレンの重合などによって得られるフッ素樹脂をコーティングしたので、粘 土質などの土が前記カバー内から開口部を通ってスムーズにカバー外に排出でき 、また前記カバーに泥土がこびり付くのを防止でき、カバー内の土圧による悪影 響を減少させて作業時間を短縮でき、さらにカバーの清掃が布などで軽く拭き取 るだけで容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施形態に係るルートカッターの
スプロケットカバーをルートカッターと共に示した側面
図。

【図２】図１に示したルートカッターのスプロケットカ
バーを取り外した部分拡大側面図。

【図３】図１に示したルートカッターのスプロケットカ
バーの拡大側面図。

【図４】図３に示したスプロケットカバーの正面図。

【図５】図３に示したスプロケットカバーの背面図。

【図６】図３に示したスプロケットカバーの平面図。

【図７】図１に示したルートカッターのスプロケットカ
バーを粘りがない土に用いた根切り作業の説明図。

【図８】図１に示したルートカッターのスプロケットカ
バーを粘りが強い土に用いた根切り作業の説明図。

【符号の説明】

１ ルートカッター本体 ２ エンジン（駆動源） ３ スプロケット ４ スパイクドバンパ ５ ガイドバー ６ スプロケットカバー ６ａ 上下方向中央部 ６ｂ 補強板 ６ｃ 外側膨出部 ６ｄ 下側傾斜部 ６ｅ 下側垂直部 ６ｆ 突出片 ６ｇ 上側垂直部 ６ｈ 弧状周壁 ６ｉ 開口部 ７ ソーチエン ８ 後ハンドル ９ 前ハンドル １０ プロテクタ １１ ボルト １２ ナット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ルートカッター本体に設けたエンジンな
   どの駆動源によって回転するスプロケットを前記本体の
   一側に設け、基端部を前記本体の一側に固定して前記本
   体の前方に突出させたガイドバーに、ソーチエンを係合
   支持させて前記スプロケットに噛み合わせたルートカッ
   ターのスプロケットカバーであって、このカバーは、上
   下方向中央部を前記本体の一側に着脱可能に固定して前
   記スプロケットを覆い、前記中央部の下方および後方に
   連なり外側下方に突出する下側傾斜部を介しこの傾斜部
   の外側に下側垂直部を一体に形成し、前記中央部の上側
   前部の外側に直角に突出させた突出片の外側縁から直角
   に上側垂直部を上方に突出させ、前記中央部の後部およ
   び上部の外周側に、後部が前記下側傾斜部および下側垂
   直部に喰い込みかつ上部が前記突出片の後端に至る細長
   い弧状の開口部を形成し、開口部の外側に下側垂直部の
   後端から上側垂直部の前端部に至る弧状周壁を、下側垂
   直部および上側垂直部の外側縁と直角にして一体に形成
   し、弧状周壁の幅の中間部を前記中央部と対向させ、弧
   状周壁の前部の幅を前側に向かって広くしたことを特徴
   とするルートカッターのスプロケットカバー。
2. 【請求項２】 全体を金属によって構成し、全面に四フ
   ッ化エチレンの重合などによって得られるフッ素樹脂コ
   ーティングをしたことを特徴とする請求項１に記載した
   ルートカッターのスプロケットカバー。