JP3045689U - 食品保存袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐敗菌、その他の有害菌の繁殖を著しく有効
に抑制し得て、長期にわたる保存効果を確実に達成でき
る食品保存袋を提供すること。 【解決手段】 本考案に係る食品保存袋は、開口部５の
辺縁の内面に密閉用ファスナー２を一体的に形設したプ
ラスチックフィルム製の食品保存袋本体１と、この袋本
体１の開口部５以外の辺縁において、袋本体１内に一端
側を挿入すると共に、他端側を外部に突出させて接着装
設した少なくとも一つの袋本体１内の気体放出用のプラ
スチックフィルム製の扁平な逆止弁３とから構成された
食品保存袋であって、この食品保存袋と抗菌処理を施し
た抗菌性プラスチックフィルムから成る包装材４とを組
合わせて構成したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、食品保存袋に関し、さらに詳しくは、各種の生鮮食品の鮮度を落す ことなく、また、加工食品を腐敗させることなく、長く保存できるように工夫さ れた食品保存袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

生鮮食品や加工食品の保存手段としては、冷蔵庫や冷凍庫の機器類を利用した 冷蔵、冷凍手段が一般的に広く採用されており、また、最近では、食品保存容器 類の内部に抗菌剤を収容して腐敗菌、その他の有害菌の繁殖を抑制する手段も採 用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

而して、前者の場合は、冷蔵庫や冷凍庫が不可欠であるため、これらの機器が ない場所では適用できない問題があり、また、後者の場合は、抗菌剤を手軽に入 手できない問題があると共に、仮に入手できても食品保存容器内に抗菌剤を入れ ておくだけでは、腐敗菌、その他の有害菌の繁殖を抑制して或る程度の腐敗防止 に役立つことができても、その保存効果は数日間程度しか期待できない問題があ り、抗菌剤自体も容器内の空気に触れることによって、その抗菌性が低下するこ とと相俟って、食品の保存性を著しく向上できる域には到達し得ていないのが現 状である。

【０００４】 本考案は、上記の問題を解決することを課題として研究開発されたもので、腐 敗菌、その他の有害菌の繁殖を著しく有効に抑制し得て、長期にわたる保存効果 を確実に達成できる食品保存袋を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本考案は、開口部の辺 縁の内面に密閉用ファスナーを一体的に形設したプラスチックフィルム製の食品 保存袋本体と、この袋本体の開口部以外の辺縁において、袋本体内に一端側を挿 入すると共に、他端側を外部に突出させて接着装設した少なくとも一つの袋本体 内の気体放出用のプラスチックフィルム製の扁平な逆止弁とから構成された食品 保存袋であって、この食品保存袋と抗菌処理を施した抗菌性プラスチックフィル ムから成る包装材とを組合わせて構成したことを特徴とする食品保存袋を提供す るものである。

【０００６】 また、本考案は、上記のように構成した食品保存袋において、抗菌性プラスチ ックフィルムは袋本体内に収容されており、逆止弁は、その挿入端部の少なくと も片面が袋本体の内面に接着されている食品保存袋、及びプラスチック製のテー プ状基版面に拡大頭部を備えた突隆条を一体に突設して成る雄ファスナー部材と 、プラスチック製のテープ状基版面に、上記雄ファスナー部材の突隆条の拡大頭 部を係脱自在に密嵌係合するための条溝を一体に形設して成る雌ファスナー部材 とにより密閉用ファスナーを構成し、この密閉用ファスナーを袋本体の開口部の 辺縁の内面に少なくとも二条並設した食品保存袋をそれぞれ提供するものである 。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明すれば、本考案に係る 食品保存袋は、柔軟性と加熱接着性を有するプラスチックフィルム製の食品保存 袋本体１と、この食品保存袋本体１の開口部辺縁の内面に一体的に並列形設した 二条の密閉用ファスナー２、２と、食品保存袋本体１の開口部以外の辺縁におい て、該本体１内に一端側を挿入すると共に、他端側を外部に突出させて接着装設 した、本体１内の気体放出用の極く柔軟にして加熱接着性を有するプラスチック フィルム製の扁平管から成る逆止弁３と、抗菌処理を施した抗菌性プラスチック フィルムから成る包装材４とから構成されている。

【０００８】 而して、上記袋本体１は、２枚の長方形状の透明なプラスチックフィルムＦ₁ 、Ｆ₂を重ね合わせ、その一辺を開放したままにして開口部５を残存形成させた 状態で、長手側の両側辺縁ａ、ａを加熱接着すると共に、上記開口部５と対向す る辺縁側は、逆止弁３の加熱接着を確実に行なうために、この実施の形態では、 若干の間隔を保たせて二個所の辺縁ｂ₁、ｂ₂で加熱接着してある。 なお、この実施の形態では、上記辺縁ｂ₁、ｂ₂の加熱接着は前記逆止弁３の接 着装設時に同時に行なわれるものである。

【０００９】 次に、上記密閉用ファスナー２、２は、それぞれ適度の柔軟性と弾性を有する プラスチック製の細巾テープ状基版６の表面に拡大頭部７を備えた一つの突隆条 ８を一体に突設して成る雄ファスナー部材２ａと、該雄ファスナー部材２ａと同 一材質のプラスチック製の細巾テープ状基版６の表面に、上記雄ファスナー部材 ２ａの突隆条８の拡大頭部７を係脱自在に密嵌係合するための一つの条溝９を一 体に形設して成る雌ファスナー部材２ｂとから構成されており、これらの両ファ スナー部材２ａ、２ｂの突隆条８、条溝９を対向させた状態で、夫々の基版６、 ６を袋本体１の開口部５の辺縁の若干内側に寄った内面に一体に対設してあり、 且つこの実施の形態では、開口部５を確実に密閉するために、若干の間隔を保っ て二条並設してある。

【００１０】 また、上記逆止弁３は、略同一寸法の二枚の細巾長方形状の加熱接着性を有す るプラスチックフィルムＦ_3、Ｆ₄を重ね合わせ、その長手両側辺縁を加熱接着し て扁平な管状体に形成してあり、この逆止弁３を前記食品保存袋本体１を製作す る際に、二枚のプラスチックフィルムＦ₁、Ｆ₂の間に介在させ、その一端側を本 体１内に深く挿入させると共に、他端側を若干外部に突出させた状態で配設し、 本体１の辺縁ｂ₁、ｂ₂の加熱接着時に、逆止弁３の二枚のプラスチックフィルム Ｆ_3、Ｆ₄の外面を同時に本体１のプラスチックフィルムＦ₁、Ｆ₂の内面に二個所 で加熱接着Ｈ₁、Ｈ₂し、さらに、この実施の形態では、逆止弁３の挿入端部の両 外面を本体１の両内面に加熱接着Ｈ₃して、後述する脱気ポンプＰを逆止弁３か ら引抜く際に、逆止弁３の挿入端部が捲れ上るのを防止できるように構成してあ る。

【００１１】 また、図１及び図４において、符号Ｉａ、Ｉｂ、Ｉｃは本体１に逆止弁３を加 熱接着する際に、逆止弁３のプラスチックフィルムＦ_3、Ｆ₄の内面が加熱接着し て、逆止弁３の流路が閉塞されるのを防止するために、逆止弁３本体１への接着 部に対応させて逆止弁３の片側の内面又は両側の内面に印刷した加熱接着防止イ ンク層を示している。

【００１２】 また、上記抗菌性プラスチックフィルムから成る包装材４は、この実施の形態 では、わさび成分を抗菌ざい１０に用いて、プラスチックフィルムの押出し成形 時に、わさび成分を混練、塗布、圧着転写したり、或は既製のプラスチックフィ ルムにわさび成分を塗布又は圧着転写して抗菌性プラスチックフィルムを製造し 、この抗菌性プラスチックフィルムを適宜の大きさ、任意の形状に裁断して構成 してあり、この包装材４を折畳むなどして食品保存袋本体１内に収容してある。 なお、この実施の形態では、食品を保存する関係から、人体に最も安全な天然 のわさび成分を抗菌ざい１０に用いた場合を例示したが、食用しても人体に無害 のものであれば、銀系、銅系の金属系無機抗菌ざいなどを使用しても差支えない 。

【００１３】 また、この実施の形態では、抗菌性プラスチックフィルムを一枚ものとして裁 断し、包装材４として用いた場合を図示したが、一部を開口した袋状の包装材４ として使用してもよく、その形状乃至構造は何等限定されるものではない。

【００１４】 次に、上記のように構成した食品保存袋の使用状態の一列を作用、効果と共に 説明する。 まづ、図１に示すように、食品保存袋本体１内に収容されている抗菌性プラス チックフィルムから成る包装材４を開口部５から取出し、図６に示すように、例 えば食べ残した食品Ｆを発泡スチロール製のトレーＴ内に入れ、その上面開放部 を図５に示す抗菌性の包装材４により、その抗菌ざい１０の形成面を下向きにし て覆う。

【００１５】 然る後に、図７に示すように、食品保存袋本体１の開口部５から上記のトレー Ｔを収容して二条並設した密閉用ファスナー２、２の装設個所を本体１の表裏両 面から加圧し、それぞれの雄ファスナー２ａと雌ファスナー２ｂとを係合して開 口部５を密閉する。

【００１６】 次に、図７に示すように、逆止弁３の突出部から扁平な流路内に、例えば脱気 用手動ポンプＰの細管部分を挿入して脱気操作を行なうと、食品保存袋内の空気 は該ポンプＰにより吸引され、矢印方向に流れ、ポンプＰを経て袋の外部に放出 され、食品保存袋内は減圧されて無酸素に近い状態になり、食品保存袋の嵩も縮 小される。

【００１７】 脱気が終った後に、手動ポンプＰを逆止弁３から引抜くと、食品保存袋内は、 その開口部５が密閉され且つ逆止弁３の逆止機能が働いていることにより、外気 が食品保存袋内に不測に侵入することはなく、真空に近い減圧状態を保持し、腐 敗菌等の有害菌の繁殖を抑制すると共に、それに加えて、食品Ｆは抗菌性プラス チックフィルムから成る包装材４によって覆われているため、腐敗菌等の有害菌 の繁殖を積極的に抑制する。したがって食品の腐敗、変質、変味を有効に防止し 得て、食品を長期にわたって保存できるものである。

【００１８】 また、逆止弁３の挿入端部の外面は食品保存袋本体の内面に加熱接着されてい るので、脱気用ポンプＰを逆止弁３から引抜く際に、逆止弁３の挿入端部が捲れ る上がることがなく、逆止弁３の逆止作用に悪影響を及ぼすことがない。

【００１９】 以上、本考案の主要な実施の形態について説明したが、本考案は、この実施の 形態に限定されるものではなく、考案の目的を達成でき且つ考案の要旨を逸脱し ない範囲内で種々の設計変更が可能であって、例えば、抗菌性プラスチックフィ ルムから成る包装材４を食品保存袋本体１内に収容することなく、本体１の外面 に添設して組合わせ、使用時に本体１内に入れて食品を覆ってもよいものである 。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、開口部の辺縁の内面に密閉用ファスナーを一体的に形設したプラス チックフィルム製の食品保存袋本体と、この袋本体の開口部以外の辺縁において 、袋本体内に一端側を挿入すると共に、他端側を外部に突出させて接着装設した 少なくとも一つの袋本体内の気体放出用のプラスチックフィルム製の扁平な逆止 弁とから構成された食品保存袋であって、この食品保存袋と抗菌処理を施した抗 菌性プラスチックフィルムから成る包装材とを組合わせて構成したことを特徴と する食品保存袋に係り、前記のようにして使用するものであるから、次の優れた 効果を奏する。

【００２１】 （１） 逆止弁を介して食品保存袋内の空気は十分に脱気が可能であり、脱気 した後は、逆止弁の逆止作用と密閉用ファスナーによる食品保存袋の開口部の密 閉作用により、食品保存袋内に外気が侵入するのを確実に防止できるので、保存 袋内を真空に近い減圧状態に保ち得て、空気との接触に起因する収容食品の腐敗 、変質、変味を効果的に抑制できる。

【００２２】 （２） 上記の効果に加えて、収容食品は抗菌性プラスチックフィルムから成 る包装材により覆われているので、腐敗菌等の有害菌の繁殖を著しく効果的に抑 制し得て、収容食品の長期保存を一層向上できる。

【００２３】 （３） 脱気により食品保存袋の嵩を縮小できるので、冷蔵庫、戸棚内のスペ ースを有効に活用できる。

【００２４】 （４） 請求項２に記載の考案によれば、逆止弁の挿入端部の外面は食品保存 袋本体の内面に接着されているので、上記の効果に加えて、脱気用のポンプ等を 逆止弁から引抜く際に、逆止弁の挿入端部が捲れ上がることがなく、逆止弁の逆 止作用に支障を来たすことがない。

【提出日】平成９年８月２５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１１】 また、図１及び図４において、符号Ｉａ、Ｉｂ、Ｉｃは本体１に逆止弁３を加 熱接着する際に、逆止弁３のプラスチックフィルムＦ_３、Ｆ_４の内面が加熱接着 して、逆止弁３の流路が閉塞されるのを防止するために、逆止弁３の本体１への 接着部に対応させて逆止弁３の片側の内面又は両側の内面に印刷した加熱接着防 止インク層を示している。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１４

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１４】 次に、上記のように構成した食品保存袋の使用状態の一例を作用、効果と共に 説明する。 まづ、図１に示すように、食品保存袋本体１内に収容されている抗菌性プラス チックフィルムから成る包装材４を開口部５から取出し、図６に示すように、例 えば食べ残した食品Ｆを発泡スチロール製のトレーＴ内に入れ、その上面開放部 を図５に示す抗菌性の包装材４により、その抗菌ざい１０の形成面を下向きにし て覆う。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】 また、逆止弁３の挿入端部の外面は食品保存袋本体１の内面に加熱接着されて いるので、脱気用ポンプＰを逆止弁３から引抜く際に、逆止弁３の挿入端部が捲れ上 がることがなく、逆止弁３の逆止作用に悪影響を及ぼすことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を示す平面図である。

【図２】図１のＡーＡ線に沿う拡大断面図である。

【図３】図１のＢーＢ線に沿う拡大断面図である。

【図４】図１のＣーＣ線に沿う拡大断面図である。

【図５】抗菌性プラスチックフィルムから成る包装材の
平面図である。

【図６】抗菌性プラスチックフィルムから成る包装材に
より食品を覆った状態の平面図である。

【図７】本考案の実施の形態に係る食品保存袋の使用状
態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 食品保存袋本体 ２ 密閉用ファスナー ２ａ 雄ファスナー ２ｂ 雌ファスナー ３ 逆止弁 ４ 抗菌性プラスチックフィルムから成る
包装材 ５ 開口部 ６ 細巾テープ状基版 ７ 拡大頭部 ８ 突隆条 ９ 条溝 Ｆ₁、Ｆ₂ 袋体形成用のプラスチックフィルム Ｆ₃、Ｆ₄ 逆止弁形成用のプラスチックフィルム ａ、ａ 両側辺縁 ｂ₁、ｂ₂ 二個所の辺縁 Ｈ₁、Ｈ₂、Ｈ₃ 加熱接着部 Ｉa、Ｉb、Ｉc 加熱接着防止インク層 １０ 抗菌ざい Ｐ 脱気用手動ポンプ Ｆ 食品 Ｔ トレー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部の辺縁の内面に密閉用ファスナー
   を一体的に形設したプラスチックフィルム製の食品保存
   袋本体と、この袋本体の開口部以外の辺縁において、袋
   本体内に一端側を挿入すると共に、他端側を外部に突出
   させて接着装設した少なくとも一つの袋本体内の気体放
   出用のプラスチックフィルム製の扁平な逆止弁とから構
   成された食品保存袋であって、この食品保存袋と抗菌処
   理を施した抗菌性プラスチックフィルムから成る包装材
   とを組合わせて構成したことを特徴とする食品保存袋。
2. 【請求項２】 抗菌性プラスチックフィルムは袋本体内
   に収容されており、逆止弁は、その挿入端部の少なくと
   も片面が袋本体の内面に接着されている請求項１に記載
   の食品保存袋。
3. 【請求項３】 プラスチック製のテープ状基版面に拡大
   頭部を備えた突隆条を一体に突設して成る雄ファスナー
   部材と、プラスチック製のテープ状基版面に、上記雄フ
   ァスナー部材の突隆条の拡大頭部を係脱自在に密嵌係合
   するための条溝を一体に形設して成る雌ファスナー部材
   とにより密閉用ファスナーを構成し、この密閉用ファス
   ナーを袋本体の開口部の辺縁の内面に少なくとも二条並
   設した請求項１又は２に記載の食品保存袋。