JP3045323U - 環状穿孔刃物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔課題〕本考案は環状穿孔刃物に関し、切削に対する切
屑分割を細分割して切削抵抗を軽減し手動穿孔で軽く安
全に穿孔出来、切れ味良く寿命を長くする。 〔解決手段〕円筒上の刃物本体下端部の切刃構成に於
て、切刃の切巾の範囲内に切巾よりせまい凹溝を半径方
向に偏心位置にズラせて構成し、切刃の刃数に比例して
分割を細分割出来ることを特徴とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は手動穿孔桟で行う環状穿孔刃物に関するもので、作業者に対して体力 消費の少ない切味の良さと、フリーハンドの状態で安定した姿勢を保ちにくい面 を刃物の特性でカバーして穿孔出来る桟能を保たせる為に、切巾に対する切屑の 生成巾を出来るだけ多く細分割する方法をとり、切味を良くして、１刃の切刃コ ーナーを出来るだけ多く被削材に働かせて切削衝撃を分散して安全に穿孔出来る 環状穿孔刃物に関するものである。

【０００２】 〔従来の技術〕 従来環状穿孔刃物の切刃は厚みを出来る限り薄くして切味を良くするか、切巾 を分割して切削力の分散をはかり切味を良くする方法がとられてきた。上記の切 刃の厚みを薄くすることには切刃の強度上限界もあり、極端に薄くは出来なかっ た。又切削力分散の為に切刃の工夫にしても限られた切刃巾を前後刃の組み合わ せによる傾斜刃などで、２分割はチドリ刃、３分割はトリプル刃などで大巾な切 れ味アップを実現してきた。更に超硬刃材片を使用した銀鑞付け刃物に於ては作 業上、構造上、銀鑞付けのスペース、切刃の背もたれ等の問題で形成出来る切刃 片（チップ）の数が限定され、切刃は目の荒い状態となり穿孔時には切刃数の数 が少ないことによる寿命の短かさ、手動穿孔による被削材へのひっかかり喰付き 等。安全性に問題があった。

【０００３】 〔考案で解決しようとする課題〕 前記、切味を良くする為に切巾を無数に分割して穿孔時のビビリ、振動、発熱 、寿命向上をめざし、切刃数の少ないことによる、ひっかかり、喰付きなどの危 険性を防ぎスムーズな穿孔を安全に行える様に無数の切刃数を形成して穿孔を行 える環状穿孔刃物を提供するものである。

【０００４】 〔課題を解決する為の手段〕 本考案は上記の目的を達成する為に超硬刃材片（チップ）の各刃の銀蝋付けを 超硬刃材輪（リング）にして無数の切刃を目切りして形成する方式である（従来 は超硬刃材片（チップ）の差し込み及び背面の支え部など必要上のスペースを必 要とし切刃は限られた数しか配置できなかった。）又切巾の分割は数多くの切刃 先端上の異なった位置を切削していく方式をとるものである。

【０００５】 〔考案の実施の形態〕 本考案は切刃数を多くして各切刃の切巾の巾範囲内に於いて半径方向に位置を ズラせた凹を形成させ前方切刃の切り残した凹溝部を後方切刃が削りとってりく ものである。

【０００６】 〔実施例〕 以下、本考案の環状穿孔刃物を実施例に基いて詳細に説明する。第１図は本考 案の環状穿孔刃物を示す斜視図である第１図を参照にする環状穿孔刃物１は概略 的には円筒状の刃物本体２とシヤンク部３センタードリル止めネジ穴４、刃部リ ング５と切刃群６で形成される第２図は従来環状穿孔刃物に採用されている切刃 先端部の切刃の組み合わせと、生成される切屑分割の本数を概略的に示したもの である。Ａは平刃のみの単一刃で組み合わせはなく１分割の切屑、Ｂは左右の傾 斜刃の組み合わせ刃で２分割、Ｃは平刃と剣刃の組み合わせ刃で３分割、Ｄは左 右傾斜刃で左右の傾斜角の異なる２刃１組の組み合わせ刃で４分割切屑分割例で ある。Ｅは本考案の多数刃組み合わせ分割タイプである。

【０００７】 次に第３図−第５図に恒って本考案の多数分割刃先切刃部分について説明する 第３図は多数切刃のうち第１刃目１２から第２刃目１３第３刃目１０の切削進行 を軸方向断面図に示したものである。第３刃目１０の切刃が被削材７に接地して 切刃コーナ９が切削を始めた時点で第２刃目１１の切刃は被削材７の表面より（ ｈ−１１）の深さまで達しこの切刃凹溝８は（ｗ−１１）までの半径方向の位置 にある。その時の第１刃目１２の切刃は被削材７の表面より（ｈ−１２）の深さ まで達し、この切る刃凹溝８は（ｗ−１２）の位置にある。この動作は円筒上の 切刃の数だけ進行し切込量と凹溝位置は変化を繰り返しながら切巾Ｗを細かく分 割して切削する。

【０００８】 第４図は前記第３図の移動と変化の状態をラップさせた合成切刃断面図である 。切刃数に応じて刻々と切込量ｈ１ｈ２…ｈｎと凹溝位置ｗ１ｗ２…ｗｎが変化 移動してゆく状態を示したものである。

【０００９】 第５図を参照するにそれぞれの切刃、１２、１１、１０の回転方向前方には切 屑排出用のガレット、１２Ｇ，１１Ｇ，１０Ｇが設けてある。各切刃の切巾の範 囲内に凹溝８が軸心とズレた位置に偏心して形成してあり本体回転と凹溝８の芯 ズレによる作用で切屑１２Ｐ，１１Ｐ，１０Ｐと分割されて生成され連続回転・ 連続切込みによって切屑は細かく分割形成され、円筒上の刃数の多い程、切屑の 細分割化は多く為される。これにより切屑の衝撃負荷は軽くなり安全に穿孔出来 、尚かつ刃数の多さと凹溝のコーナーを含む多くの切刃コーナーによって切刃の 寿命も長くなる。

【００１０】 〔考案の効果〕 以上の如き実施例の説明から理解される様に本考案は請求の範囲に記載した構 成となっているから切刃数を多く具備して切屑に於けるひっかかり喰付きを防ぎ 異形材、薄物材に於いても安全に穿孔出来、切巾を更に細分割することによって ビビリ、振動、発熱をおさえ切る刃寿命をのばして軽く穿孔出るものである。又 超硬刃材片（チップ）ではスペース的に形成出来ない細かい多くの刃数の形成ま で可能となり穿孔の種類と用途を広げることが出来たのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の環状穿孔刃物を示す斜視図である

【図２】環状穿孔刃物先の切刃組み合わせによる切屑の
分割比較図である

【図３】本考案の切刃、切屑の進行図である

【図４】多数刃各刃の合成断面図である

【図５】各切刃の上面図と切屑の生成を表した図面

【符号の説明】

１．環状穿孔刃物 ２．刃物本体 ３．シャンク部 ４．センタードリル止めネジ穴 ５．超硬刃材 ６．切刃 ７．被削材 ８．凹溝 ９．切刃コーナー １０ｐ切刃の１０の切屑 １１ｐ切刃の１１の切屑 １２ｐ切刃の１２の切屑

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状の刃物本体側壁部の外周面に複数
   の溝を隔離して設けこの各溝の体下端部の切刃に関して
   半径方向の位置関係に於て円周方向に刃巾よりせまい巾
   の凹溝を偏心形状・隋円形状等に形成し溝形状は同芯溝
   巾ちがい、複数輪などに形成する環状穿孔刃物。
2. 【請求項２】 前記切刃の凹溝の配置位置関係は前方切
   刃の形成された溝と半径方向にズレた位置に後方切刃の
   溝を形成し、その後後方切刃は更に後方切刃溝よりズラ
   せて形成することを特徴とする実用新案登録請求範囲第
   １項に記載の環状穿孔刃物。