JP3045313B2 - Tag−72に結合できるヒトサブグループiv l鎖の複合抗体 - Google Patents

Tag−72に結合できるヒトサブグループiv l鎖の複合抗体

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JP3045313B2
JP3045313B2 JP04502011A JP50201192A JP3045313B2 JP 3045313 B2 JP3045313 B2 JP 3045313B2 JP 04502011 A JP04502011 A JP 04502011A JP 50201192 A JP50201192 A JP 50201192A JP 3045313 B2 JP3045313 B2 JP 3045313B2
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hum4
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エス. メゼス,ピーター
エー. リチャード,ラス
エス. ジョンソン,キム
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、免疫学及び遺伝子工学の分野に関する。
次の情報は、出願者により信じられる既知の情報を本
発明に関して可能なものにする目的のために提供され
る。次の情報のいづれかが本発明に対する従来技術を構
成するものとして必ずしも意図されないし又は解釈もさ
れるべきではない。
抗体は、外来性タンパク質、糖タンパク質、細胞又は
他の抗原性外来物質による挑戦に応答して脊椎動物の免
疫システムにより生成される特異的免疫グロブリン(I
g)ポリペプチドである。特定の抗原に対してのそのよ
うなポリペプチドの結合特異性はひじょうに精密であ
り、そして個々の抗体はそれを誘発した特定の抗原にほ
とんど独占的に向けられる。
脊椎動物の抗体を生成する2種の主要方法が現在使用
されている:哺乳類Bリンパ球による現場生成及びB−
細胞ハイブリッドによる細胞培養物での生成。抗体は血
漿細胞中への未分化Bリンパ球の分化の結果として現場
生成される〔Gough(1981),Trends in Biochem Sci.6:
203(1981)を参照のこと〕。単一の抗原が特定哺乳類
のために免疫システム中に導入される場合でさえ、一定
抗体集団は生ぜず、すなわちその応答はポリクローナル
的である。
ポリクローナル抗体の限定されないが、しかし固有の
異質性は、B細胞ハイブリドーマにより細胞培養物に
“モノクローナル”抗体を創造するようにハイブリドー
マ技法の使用により克服される(Kohler and Milstein
(1975),Nature,256:495〜497)。この方法において
は、哺乳類が抗原により注射され、そしてその比較的短
命の又は死すべき脾臓細胞又はリンパ球が不滅の腫瘍細
胞系により融合される。この融合物がハイブリッド細胞
又は不滅であり、そしてB細胞の遺伝的にコードされた
抗体を生成できる“ハイブリドーマ”を生成する。
多くの用途において、非ヒト動物に生成されるモノク
ローナル抗体の使用は厳しく制限され、すなわちモノク
ローナル抗体はヒトにおいて使用される予定であるから
である。“外来性”抗体、たとえばマウス抗体のヒトに
おける反復注射は、有害な過敏性反応、すなわち抗−イ
ディオタイプ又はヒト抗−マウス抗体(HAMA)応答を導
びく(Shawlerなど.(1985)、Journal of Immunolog
y,135:1530〜1535、及びSearなど.,J.Biol.Resp.Bodifi
ers,3:138〜150を参照のこと)。
種々の試みが、ヒトハイブリドーマを用いることによ
ってヒト由来のモノクローナル抗体を製造するためにす
でに行なわれて来た(Olssonなど.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A.,77:5429(1980)及びRoderなど.,(1986)、M
ethods in Enzymology,121:40〜167を参照のこと)。不
運なことには、ヒトハイブリドーマ細胞系からのモノク
ローナル抗体の生成は、マウスハイブリドーマに比較し
て、比較的低い。さらに、免疫グロブリンを発現するヒ
ト細胞系は、マウス細胞系に比較して比較的不安定であ
り、そしてそれらのヒト細胞系の能力を生成する抗体は
過渡的である。従って、ヒト免疫グロブリンがひじょう
に所望されるが、ヒトハイブリドーマ技法は、必要とさ
れる抗原特異性を有するヒトモノクローナル抗体が容易
に得られる段階にはまだ、達していない。
従って、非ヒト起源の抗体が遺伝子的に構築され、又
は“人体適応化されて来た(humanized)”。人体適応
化された抗体は、マウス抗体によるヒト患者への注射の
後に予測される応答に比較して、HAMA応答を減じる。た
とえば、非ヒトに由来する抗体の人体適応化は、2種の
主要形、すなわち免疫グロブリン一定配列の非ヒト領域
が対応するヒト領域により置換されているキメラ化(た
とえば、USP第4,816,567号、Cabillyなど.,Genentechを
参照のこと)及びヒト骨格領域(FR)中への相補的決定
領域(CDR)の移植(ヨーロッパ特許出願(EPO)第023
9,400、Winterを参照のこと)を採用して来た。何人か
の研究者は、FV抗体(USP第4,642,334号、Moore,DNAX)
及び単一鎖FV(SCFV)抗体(USP第4,946,778号、Ladne
r,Genex)を生成している。
上記特許出願は、可変ドメインのいくらかの部分が非
ヒトV遺伝子領域によりコードされている抗体フラグメ
ントの生成を単に示す。人体適応化された抗体は、非ヒ
ト起源のL及びH鎖可変領域の種々の部分を保持し、す
なわちキメラ性FV及び一本鎖FV抗体は非ヒト起源の全可
変部分を保持し、そしてCDR−グラフトされた抗体は非
ヒト起源のCDRを保持する。
そのような非ヒト由来の領域は、ヒト患者に投与され
る場合、免疫原性反応を誘発することが予測される(Br
ggemannなど.,(1989)、J.Exp.Med.,170:2153〜215
7;及びLo Buglio(1991),Six International Comferen
ce on Monoclonal Antibody Immunoconjugates for Can
cer,San Diego,Caを参照のこと)。従って、選択された
抗原に結合できるヒト可変領域を得ることが最とも所望
される。
1つの知られたヒト癌腫瘍抗原は、モノクローナル抗
原B72.3により定義されるような腫瘍関連糖タンパク質
−72(TAG−72)である(Thorなど、(1986)Cancer Re
a.,46:3118〜3124;及びJohnson,など、(1986)、Cance
r Res.,46:850〜857を参照のこと)。TAG−72は、ヒト
起源のある腫瘍細胞の表面、特にLS180(ATCC No.CL18
7)結腸腺癌系の変異体である、LS174T腫瘍細胞系(Ame
rican Type Culture Collection(ATCC)No.CL 188)に
関連している。
TAG−72に対しての結合特異性を有する多くのネズミ
モノクローナル抗体が開発されて来た。典型的なネズミ
モノクローナル抗体は、固定された抗−TAG−72抗体、B
72.3(ATCC HB−8108)を含む免疫親和性カラム上で精
製されたTAG−72を用いて開発されたネズミモノクロー
ナル抗体のライブラリィーである“CC"(結腸癌)モノ
クローナル抗体を包含する(EP第394277号、Schlomな
ど.,National Cancer Instituteを参照のこと)。いく
つかのCC抗体は、ATCC:CC49(ATCC No.HB9459);CC83
(ATCC No.HB9453);CC46(ATCC No.HB9458);CC92(AT
CC No.HB9454);CC30(ATCC No.HB9457);CC11(ATCC N
o.HB9455)及びCC15(ATCC No.HB9460)として寄託され
ている。CCシリーズの種々の抗体がキメラ化されて来た
(たとえば、EPO第0365997号、Mezesなど.,The Dow Che
mical Companyを参照のこと)。
従って、ヒト抗体に由来するL及び/又はH鎖可変領
域を含むTAG−72に対する抗体を開発することに高い興
味が存在する。しかしながら、従来技術は、L鎖及び/
又はH鎖可変領域がTAG−72に対する特異性及び親和性
を有し、そしてたぶん低い又は存在しないHAMA応答を誘
発するためにヒト配列に由来する;抗−TAG−72抗体を
通常生成できる組換え技法及び免疫学的技法を単純には
教授していない。免疫グロブリン分子の機能がその立体
機能に依存しており、これはその主要アミノ酸配列に依
存することは知られている。抗体の結合機能に強く影響
を及ぼすことができるいくつかの又はたった1個のアミ
ノ酸の変化が抗体のその結合親和性に強く影響を及ぼす
ことができ、すなわち得られた抗体は一般的に、非特異
的免疫グロブリン(NSI)、すなわち抗体特性を欠いて
いることが推定される(たとえばUSP第4,816,567号、Ca
billyなど.,Genentechを参照のこと)。
驚くべき事には、本発明はそれらの上記必要性の多く
の満たすことができ、そして所望する抗体の供給方法を
提供する。たとえば、1つの観点においては、本発明は
TAG−72に対する結合特異性を有する複合抗体を発現で
きる細胞を提供し、ここで前記細胞は、(a)ヒトサブ
グループIV生殖系遺伝子(Hum4 VL)に効果的に相同な
L鎖可変領域(VL)の少なくとも一部をコードするDNA
配列;及びTAG−72に結合する能力を有する立体構造中
にVLと結合できるH鎖可変領域(VH)の少なくとも一部
をコードするDNA配列セグメントにより形質転換され
る。
もう1つの観点において、本発明は、(a)ヒトサブ
グループIV生殖系遺伝子(Hum4 VL)に効果的に相同な
L鎖可変領域(VL)の少なくとも一部をコードするDNA
配列;及びTAG−72に結合する能力を有する立体構造中
にVLと結合できるH鎖可変領域(VH)の少なくとも一部
をコードするDNA配列セグメントを含んで成る、TAG−72
に対して結合特異性を有する複合抗体又は抗体を提供す
る。
本発明は、さらに前記抗体を単独で又はイメージング
マーカー又は治療剤に接合されて包含する。本発明はま
た、医薬的に許容できる非毒性無菌キャリヤーにおい
て、接合されていない又は接合された形で前記抗体を含
んで成る組成物を包含する。
本発明はまた、癌病変の現場検出のために前記組成物
の医薬的有効量を、TAG−72を発現する腫瘍を含む動物
に投与することを含んで成る、癌のインビボ診断のため
の方法にも向けられる。
本発明はまた、(a)前記組成物の医薬的有効量を、
TAG−72を発現する腫瘍を含む患者に投与し、それによ
って、腫瘍が局在化し、そして(b)その局在化された
腫瘍を刺激することを含んで成る、内部効果治療のため
の方法にも向けられる。
さらに、本発明はまた、複合抗体を調製し、そして発
現するための方法にも関する。それらの方法のいくつか
は次の通りである:ヒトサブグループIV生殖系遺伝子
(Hum4 VL)に効果的に相同なL鎖可変領域(VL)の少
なくとも一部をコードするDNA配列;及びTAG−72に結合
する能力を有する立体構造を形成するためにVLと結合で
きるH鎖可変領域(VH)の少なくとも一部をコードする
DNA配列セグメントにより細胞を形質転換することを含
んで成る方法。ヒトサブグループIV生殖系遺伝子(Hum4
VL)に効果的に相同なL鎖可変領域(VL)の少なくと
も一部をコードするDAN配列;及びTAG−72に結合する能
力を有する立体構造中にVLと結合できるH鎖可変領域
(VH)の少なくとも一部をコードするDNA配列セグメン
トを含む細胞を、免疫グロブリンL鎖及び免疫グロブリ
ンH鎖を発現するのに十分な条件下で培養することを含
んで成る、複合抗体又は抗体を調製するための方法。前
記抗体とイメージングマーカー又は治療剤とを接触せし
めることを含んで成る、抗体接合体を調製するための方
法。
図面の説明 第1図は、基本的な免疫グロブリン構造を示す。
第2図は、VHαTAG,CC46VH,CC49VH,CC83VH及びCC92VH
のヌクレオチド配列を示す。
第3図は、VHαTAG,CC46VH,CC49VH,CC83VH及びCC92VH
のアミノ酸配列を示す。
第4図は、抗体B17X2のVHヌクレオチド及びアミノ酸
配列を示す。
第5図は、pNP9からのマウス生殖系J−H遺伝子を示
す。
第6図は、p49 g1−2.3のプラスミド地図を示す。
第7図は、p83 g1−2.3のプラスミド地図を示す。
第8図は、HUMVL(+)及びHUMVL(−)の完全な配列
を示す。
第9図は、ヒトJ4(HJ4)ヌクレオチド配列及びアミ
ノ酸配列を示す。
第10図は、Hum4 VL,Cla I−Hind IIIセグメントのヌ
クレオチド配列及びアミノ酸配列を示す。
第11図は、PCRのための標的としてのヒト生殖系サブ
グループIV VL遺伝子(Hum4 VL)の図的な表示である。
第12図は、Hum4 VL遺伝子を得るためにPCR反応のア
ザロースゲル電気泳動の効果を示す。
第13図は、pRL1000の制限酵素地図、及び前駆体プラ
スミドpSV2neo、pSV2neo−101及びpSV2neo−102を示
す。“X"は、pSV2neoのHind III部位が破壊されている
部位を示す。
第14図は、2つのオリゴヌクレオチド:CH(+)及びC
H(−)を合成することによって製造されるポリリンカ
ーセグメントを示す。
第15図は、pSV2neo−102のいくつかのクローンからの
プラスミドDNAを配列決定するために使用されるプライ
マー、NEO102SEGを示す。
第16図は、pSV2neo−102におけるポリリンカー領域の
DNA配列を示すオートラジオグラムを示す。
第17図は、pRL1000の一部のヌクレオチド配列セグメ
ントを示す。
第18図は、pRL1001の制限酵素地図を示す。
第19図は、pRL1001クローンのめたのDNA配列のオート
ラジオグラムを示す。
第20図は、複合Hum4 VL,VHαTAG抗体を用いてのTAG
に結合するための競争アッセイを示す。
第21図は、一本鎖複合Hum4 VL,VHαTAGの一般的なDN
A構成を示す。
第22図は、SCFV1のヌクレオチド配列及びアミノ酸配
列を示す。
第23図は、プラスミドpCGS515/SCFV1の構成を示す。
第24図は、プラスミドpSCFV31の構成を示す。
第25図は、Hum4 VLを含むE.コリSCFV発現プラスミド
の構成を示す。
第26図は、pSCFVUHHに存在するHum4 VL−CC49VHSCFV
のDNA配列及びアミノ酸配列を示す。
第27図は、プラスミドpSCFVUHHの構成及びVH遺伝子と
Hum4 VLとの組合せライブラリーの図を示す。
第28図は、pATDFLAGにおけるFLAGペプチドアダプター
のヌクレオチド配列を示す。
第29図は、pATDFLAG,pHum VL−Hum VH(X)及びpSC4
9FLAGの構成を示す。
第30図は、pSC49FLAGのヌクレオチド及びアミノ酸配
列を示す。
発明の詳細な説明 略語化される場合、核酸、アミノ酸、ペプチド、保護
基、活性基及び同様のものは、IUPAC IUB(Commission
on Biological Nomenclature)又は関連分野の実施に従
って略語化される。
基本的な免疫グロブリン構造単位は第1図に示され
る。用語“不変”及び“可変”は、機能的に使用され
る。L鎖(VL)及びH鎖(VH)の両者の可変領域は、抗
原への結合認識及び特異性を決定する。L鎖(CL)及び
H鎖(CH)の不変領域ドメインは、重要な生物学的性
質、たとえば抗体鎖関連、分泌、トランス胎盤移動性、
補体結合、FCレセプターへの結合及び同様のものを付与
する。
本発明の免疫グロブリンは、従来技術の問題を克服す
るために開発されて来た。本発明の方法は複合抗体を生
成し、そして本発明はその複合抗体に関する。“複合抗
体”とは、天然においてお互いとは関連することがこれ
まで見出されていない可変領域を含んで成る免疫グロブ
リンを意味する。“複合Hum4 VL,VH抗体”とは、Hum4
VL生殖系遺伝子に由来するDNAによりコードされるVL
領域の少なくとも一部、及びTAG−72に結合する能力を
有する立体構造を形成するためにVLと結合できるVH領域
の少なくとも一部を有することによって特徴づけられる
抗体又はその免疫反応性フラグメントを意味する。
本発明の複合Hum4 VL,VH抗体は、標準のアッセイ技
法(たとえば酵素結合イムノソルベンド アッセイ(EL
ISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、又は蛍光活性化
された細胞ソーター分析(FACS)、免疫組織化学及び同
様の技法)を用いて単離され得る複合体を形成するため
に、TAG−72に特異的に且つ十分な強さで結合する抗原
結合部位を有する形態を想定する。好ましくは、本発明
の複合Hum4 VL,VH抗体は、105/M、より好ましくは106/
M以上及び最とも好ましくは108/M以上の抗原結合親和性
又は結合活性を有する。免疫グロブリン結合親和性を生
成するための技法のためには、Munson(1983)、Method
s Enzymol.,92:543〜577;及びScatchard(1949)、Ann.
N.Y.Acad.Sci.,51:660〜672を参照のこと。
ヒト抗体カッパ鎖は、不変のアミノ酸配列に基づいて
4つのサブグループに分類されている(たとえば、Kaba
tなど.,(1991)、Sequences of Proteins of Immunolo
gical Interest(第4版)、U.S.Department of Health
and Human Servicesにより出版されている、を参照の
こと)。約80個のヒトVK遺伝子が現われたが、しかした
った1つのサブグループIV VK遺伝子がヒトゲノムに固
定されている(Klobeck,など、(1985)、Nucleic Acid
s Research,13:6516〜6528を参照のこと)。Hum4 VL
ヌクレオチド配列は、Kabatなど、(1991)、前記;及
びWangなど、(1973)、Nature,243:126〜127に示され
ている。
ひじょうに驚くべきことには、Hum4 VLに由来する遺
伝子によりコードされるVLの少なくとも一部と共にL鎖
を有する免疫グロブリンは、適切なVHと組合される場
合、TAG−72に対する結合特異性を有することが見出さ
れた。
選択されるJL遺伝子セグメントのタイプは本発明に対
して臨界ではなく、ここで、いづれかのJLは、存在する
なら、Hum4 VLに関連することができる。本発明は明ら
かに、ヒトJK配列と関連してのHum4 VLに向けられる。
5つのヒトJK配列が、Heiterなど.(1982)、The Jour
nal of Biological Chemistry,357:1516〜1522に示され
る。しかしながら、本発明はヒトJKに制限されるつもり
はない。本発明は、少なくとも6つのヒトJK遺伝子のい
づれかと関連してHum4 VLに特に向けられる(Hollisな
ど、(1982)、Nature,296:321〜325を参照のこと)。
選択されたJLセグメントよりHum4 VLを構築するため
の典型的な技法は、標的DNAとハイブリダイズしない、
いわゆる“揺れる尾(wagging tail)”を有するプライ
マーを合成することを包含し;この後、その配列はオー
バーラップ拡張により増幅され、そして一緒にスプライ
スされる(Hortonなど、(1989)、Gene,77:61〜68を参
照のこと)。
複合Hum4 VL,VH抗体のCLは本発明に臨界ではない。
今日まで、Hum4 VLは、一本のCK遺伝子により天然にお
いて再配列されたものとして単に報告されている(Heit
erなど、(1980)、Cell,22:197〜207を参照のこと)。
しかしながら、本発明は、CKL鎖不変ドメインに限定さ
れるつもりはない。すなわち、CL遺伝子セグメントはま
た、少なくとも6つのCλ遺伝子のいづれかであり得る
(Hollisなど.,前記を参照のこと)。
H鎖可変領域をコードするDNAは、おおまかには、H
鎖可変(VH)遺伝子配列、H鎖多様性(DH)遺伝子配列
及びH鎖連結(JH)遺伝子配列から成る。
本発明は、TAG−72に結合する能力を有する立体構造
を形成するために、ヒトサブグループIV生殖系遺伝子に
よりコードされるL鎖可変領域に対して効果的に相同で
あるL鎖可変領域と結合できるいづれかのVHに向けられ
る。
複合Hum4 VL,VH抗体のH鎖多様性(DH)セグメント
及びH鎖連結(JH)セグメントの選択は、本発明に臨界
ではない。明らかに、ヒト及びネズミDH及びJH遺伝子セ
グメントが企画され、但し、一定の組合せはTAG−72へ
の結合を有意に下げない。特に、CC46VH,CC49VH,CC83VH
及びCC92VHを用いる場合、複合Hum4 VL,VH抗体は、そ
れぞれのハイブリドーマのVHと天然において関連するDH
及びJHセグメントを利用するように企画されるであろう
(第2及び3図を参照のこと)。典型的なネズミ及びヒ
トDH及びJH配列は、Kabatなど、(1991)、前記に示さ
れる。選択されたVH配列と共にそのような選択されたDH
及びJHセグメントを構築するための典型的な技法は、ク
ローニング方法に従って、選択されたオリゴヌクレオチ
ドを合成し、アニールし、そして連結することを包含す
る(Hortonなど.,前記を参照のこと)。
特定の態様において、複合Hum4 VL,VH抗体は、Hum4
VL生殖系遺伝子に由来するDNAによりコードされるVL
領域の少なくとも一部、及びVHαTAG生殖系遺伝子に由
来するDNAにコードされるVH領域の少なくとも一部を有
することによって特徴づけられる抗体又はその免疫反応
性フラグメントを意味する“複合Hum4 VL,VHαTAG抗
体”であろう(たとえば、EPO第0365997号、Mezesな
ど.,the Dow Chemical Companyを参照のこと)。第2
図は、VHαTAGのヌクレオチド配列及びそれぞれCC46,CC
49,CC83及びCC92抗体のVHをコードするヌクレオチド配
列を示す。第3図は、VHαTAG,CC46VH,CC49VH,CC83VH
びCC92VHの対応するアミノ酸配列を示す。
VHαTAG,CC46VH,CC49VH,CC83VH及びCC92VHのヌクレオ
チド及びアミノ酸配列の比較は、それらのCC抗体がVHα
TAGに由来することを示す。B細胞におけるVHαTAGに由
来するVHの生産性再配列の間に生じる体細胞変異は、生
産性再配列化されたハイブリドーマ間での相同性アミノ
酸変化をもたらすことができるか又はできないいくつか
のヌクレオチド変化を生ぜしめた(EPO第0365997号を参
照のこと)。
VHαTAG及びHum4 VL生殖系遺伝子のヌクレオチド配
列が本明細書に供給されているので、本発明は、VHαTA
G生殖系遺伝子から生産性再配列される他の抗体遺伝子
を包含するように企画されている。VHαTAGに由来するD
NAによりコードされる他の抗体は、VHαTAG又は組換え
されたVHαTAGを含む再配列化された遺伝子のDNA又はRN
Aから製造されたハイブリダイゼーションプローブを用
いることによって同定され得る。特に、そのプローブ
は、VHαTAG生殖系遺伝子及びそのフランキング領域の
すべて又は一部を含むであろう。“フランキング領域”
とは、VHαTAGの5′端からその上流の遺伝子の3′
端、及びVHαTAGの3′端からその下流の遺伝子の5′
端のそれらのDNA配列を包含することを意味する。
VHαTAGに由来する抗体の可変領域からのCDRは、選択
されたVHのFR、すなわちヒト抗体のFR上に移植され得る
(EPO第0239400号、Winterを参照のこと)。たとえば細
胞系B17X2は、Hum4 VLに由来する遺伝子によりコード
される可変L鎖及び安定したVL及びVHの組合せを製造す
る可変H鎖を用いる抗体を発現する(Marshなど、(198
5)、Nucleic Acids Research,B:6531〜6544;及びPolke
など、(1982)、Immunobiol.163:95〜109を参照のこ
と)。B17X2のためのVH鎖のヌクレオチド配列が、第4
図に示される。B17X2細胞系は、Dr.Christine Palke,Un
iversitts−Kinderklinik,Josef−Schneider−Str.2,
8700 Wrzpurg,FRGから入手できる。B17X2はN−アセ
チル−D−グルコサミンに向けられ、そしてTAG−72に
対して特異的ではない。
しかしながら、VHαTAGのCDR1に由来する抗体のコン
センサス配列(第3図のアミノ酸残基31〜35)がB17X2
中に挿入され得(第4図のアミノ酸残基31〜37)、そし
てVHαTAGのCDR2(第3図のアミノ酸残基50〜65)はB17
X2中に挿入され得る(第4図のアミノ酸残基52〜67)。
CDR3は、TAG−72のための抗体の結合に影響を及ぼさな
いいづれかのDH及びJH配列により置換され得るが、しか
し特異的には、VHαTAGに由来るそのVHを有する抗体、
たとえばCC46,CC49,CC83及びCC92のCDR3により置換され
得る。そのような置換のための典型的な技法は、Horton
など.,前記に示されている。
たとえばVHαTAG遺伝子に由来する免疫グロブリンH
鎖のCHドメインは、既知の技法によりヒト配列に変えら
れ得る(USP第4,816,567号、Cabilly,Genentechを参照
のこと)。CHドメインは、種々の完全な又は短くされた
ヒトイソタイプ、すなわちIgG(たとえばIgG1,IgG2,IgG
3、及びIgG4)、IgA(たとえばIgA1及びIgA2)、IgD,Ig
E,IgM並びに個々のグループの種々のアロタイプのドメ
インであり得る(Kabatなど、(1991)、前記参照のこ
と)。
本発明の技法が付与される場合、ヒトVH遺伝子が、Hu
m4 VL遺伝子と共に抗−TAG−72免疫グロブリンの組合
せを生成するそれらの能力について試験され得ることは
当業者にとって明らかであるはずである。VLは、適切な
VHを選択するためにHum4 VL遺伝子を用いて組合せのラ
イブラリィーを生成することによって、天然においては
存在し得ないHum4 VL及びVHの無数の組合せを試験する
ためにTAG−72に結合する能力を有するVHをコードする
遺伝子を単離するために使用され得る。それらの可能な
技法の例は、fdファージの表面上に発現されるFab又は
一本鎖抗体(SCFV)型を用いて(Clackson,など、(199
1)、Nature,352:624〜628、又はFv's又はFabsの発現の
ためのλファージ系を用いて(Huse,など、(1989)、S
cience,246:1275〜1281)、VL−VHの組合せの組合せラ
イブラリーのスクリーニングを包含する。しかしなが
ら、本明細書に示される教授によれば、E.コリにSCFV抗
体をクローン化し、そしてそのSCFVを分泌された可溶性
タンパク質として発現することが可能である。Hum4 VL
遺伝子を含むE.コリに生成されるSCFVタンパク質は、た
とえば2膜フィルタースクリーニングシステムを用い
て、TAG−72への結合のためにスクリーンされ得る(Ske
rra,など、(1991)、Aralytical Biochemistry,196:15
1〜155)。
所望する遺伝子レパートリーは、いづれかの適切な
源、たとえばTAG−72を含む腫瘍を有する患者の末梢血
液リンパ球、脾臓細胞及びリンパ節から得られたヒト遺
伝子材料から単離され得る。多くの場合、たとえば年
齢、健康及び免疫応答の種々の段階のいづれか1つの段
階において脊椎動物からの細胞(細胞源)を、核酸源と
して用いることによって、予備選択された活性のための
レパートリーを一方に傾かせることが所望される。
所望する配列をコードする細胞が、単離され、そして
ゲノムDNAが1又は複数の制限酵素によりフラグメント
化され得る。TAG−72に暴露された動物からの組織(た
とえば一次及び二次リンパ器官、新生組織、末梢血液か
らの白血球細胞及びハイブリドーマ)は、選択された抗
体産生B細胞についてプローブされ得る。通常の生殖系
遺伝子に由来するB細胞間の変動性は、生産性再配列の
間に生じる体細胞変異に起因する。
一般的に、生殖系遺伝子又は再配列された遺伝子のゲ
ノムDNAから製造されたプローブは、未知の細胞からの
相同配列を見出すために当業者により使用され得る。た
とえば、Hum4 VL及びVHαTAGから得られる配列情報
は、5′及び3′非翻訳フランキング領域を包含する、
天然に存在する再配列されたV領域のためにハイブリダ
イゼーションプローブを生成するために使用され得る。
ゲノムDNAはその一部のために天然に存在するイントロ
ンを含むが、但し、機能的スプライス ドナー及びスプ
ライスアクセプター領域が哺乳類細胞源の場合に存在し
たという条件を伴う。
さらに、DNAはまた、cDNAライブラリィーからも得ら
れる。H又はL鎖可変ドメインをコードするmRNAが、単
離の標準技法を用いて、適切な源、たとえば成熟B細胞
又はハイブリドーマ培養物から単離され得る。DNA又は
アミノ酸はまた、フラグメントのアニーリング及び連結
の標準技法により合成的に合成され、そして構成され得
る(Jones,など、(1986)、Nature,321:522〜525;Reic
hmannなど、(1988)、Nature,332:323〜327;Sambrook,
など、(1989)、前記及びMerrifield,など、(196
3)、J.Amer.Chem.Soc.,85:2149〜2154を参照のこ
と)。H及びL鎖は、抗体活性を得るためにインビボで
組合され得る(Edelman,など、(1963)、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,50:753を参照のこと)。
本発明はまた、VHαTAG相同体、好ましくはVHαTAGの
ヒト相同体の遺伝子ライブラリィーにも向けられる。
“相同”とは、TAG−72に結合する能力を有する立体構
造を形成するために、ヒトサブグループIV生殖系遺伝子
によりコードされるL鎖可変領域に効果的に相同なL鎖
可変領域と結合できるVH領域(VHαTAG生殖系遺伝子に
必ずしも由来する必要はなく、又はそれに効果的に相同
である必要もない)をコードする遺伝子を意味する。
好ましくは、遺伝子ライブラリィーは、プライマー拡
張反応又は本明細書に記載されるようなプライマー拡張
反応の組合せにより生成される。VHαTAG相同体は好ま
しくは、単離された形で存在し、すなわち、たとえばプ
ライマー拡張反応剤及び/又は基質、ゲノムDNAセグメ
ント及び同様のもののような材料を実質的に有さない形
で存在する。従って、本発明は、核領域の転写体を表わ
すメッセンジャーRNA(mRNA)又は可変領域を発現する
遺伝子を含むゲノム材料のようなポリヌクレオチドコー
ド鎖から成るレパートリーからのVHαTAG−コードDNA相
同体をクローニングすることに向けられる。VHαTAGコ
ード相同体をコードする核酸は、IgA,IgD,IgE,IgG、又
はIgMを生成する細胞、最とも好ましくはIgM及びIgGを
生成する細胞に由来する。
VHαTAGコードDNA相同体は、プライマー拡張により生
成され得る。本明細書で使用される場合、用語“プライ
マー”とは、核酸鎖に相補的であるプライマー拡張生成
物の合成が、ヌクレオチド及び重合のための剤、たとえ
ばDNAポリメラーゼ、逆転写酵素及び同様のものの存在
下で及び適切な温度及びpHで誘発される条件下に置かれ
る場合、核酸制限消化物から精製されても又は合成的に
生成されても、合成の開始の点として作用することがで
きるポリヌクレオチドを言及する。
好ましくは、VHαTAGコードDNA相同体は、2種のプラ
イマーが指数的に増幅されるべき核酸の個々のコード鎖
のために使用される、二本鎖ゲノム又はcDNAのポリメラ
ーゼ鎖反応(PCR)増幅により生成され得る。最初のプ
ライマーは、ナンセンス(−又は相補的)鎖の一部にな
り、そしてレパートリー内のVH(+)鎖間で保存される
ヌクレオチド配列にハイブリダイズする。PCRは、Mulli
sなど、(1987)、Meth.Enz.,155:335〜350;及びPCR Te
chnology,Erlich(出版者)(1989)に記載されてい
る。抗体産生細胞からのmRNAのPCR増幅は、Orlandiな
ど、(1989)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:3987〜3837
に示されている。
好ましい方法によれば、VHαTAGコードDNA相同体は、
TAG−72に結合できる立体構造を有するSCFVを形成する
ためにリンカーを通して結合される。そのSCFV構造体
は、VL−L−VH又はVH−L−VL形態で存在できる。SCFV
の論議のためには、Birdなど、(1988)、Science,242:
423〜426を参照のこと。適切なペプチドリンカー領域の
企画は、US特許第4,704,692号、Ladnerなど.,Genexに記
載されている。
プライマーのヌクレオチド配列は、機能的な(結合で
きる)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が得
られるように、VHαTAGコードDNA相同体に実質的に隣接
する部位で多くの免疫グロブリンH鎖遺伝子とハイブリ
ダイズするように選択される。プライマーのヌクレオチ
ド配列の選択は、種々の要因、たとえば所望するレセプ
ターをコードする領域からの核酸上での距離、使用され
るいづれかの第2プライマーに関しての核酸上でのその
ハイブリダイゼーション部位、ハイブリダイズするレパ
ートリーにおける遺伝子の数及び同様のものに依存す
る。VHαTAGコードDNA相同体の多くの異なった核酸鎖に
ハイブリダイズするためには、プライマーは、その異な
った鎖間に保存されるヌクレオチド配列の実質的な補体
であるべきである。
ペプチドリンカーは、種々の遺伝子ライブラリーを調
製するために使用されるポリヌクレオチドプライマーの
一部である核酸配列によりコードされ得る。ペプチドリ
ンカーをコードする核酸配列は、プライマーの1つに結
合される核酸から製造され得、又はペプチドリンカーを
コードする核酸配列は遺伝子ライブラリィーを創造する
ために使用されるいくつかのポリヌクレオチドプライマ
ーに結合される核酸配列に由来する。さらに、非相補的
塩基又はより長い配列は、プライマー中に点々と配置さ
れるが、但し次の条件下を満たすべきである。すなわ
ち、プライマー配列は、非ランダムハイブリダイズし、
そしてそれによって、ポリヌクレオチド合成条件下で拡
張生成物を形成するために合成され又は増幅される鎖の
配列との十分な相補性を有する(Hortonなど、(198
9)、Gene、77:61〜68)。
相補的プライマーが合成され得る典型的なヒトVH配列
は、Kabatなど、(1991)、前記;Humpnriesなど、(198
8)、Nature,331:446〜449;Schroederなど、(1990)、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6146〜6150;Bermanなど、
(1988)、EMBO Journal,7:727〜738;Leeなど、(198
7)、J.Mol.Biol.,195:761〜768;Marksなど(1991)、E
ur.J.Immunol.,21:985〜991;Willemsなど、(1991)、
J.Immunol.,146:3646〜3651;及びPersonなど、(199
1)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:2432〜2436に示され
る。VHコードDNA相同体を生成するためには、従って第
1プライマーが、免疫グロブリン遺伝子及び同様のもの
のJ領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域又はCH3領域
内の保存された領域にハイブリダイズするように(すな
わち前記領域に相補的である)選択される。従って、第
2プライマーが、リーダー又は第1骨格領域をコードす
るその部分においてVHαTAGコードDNA相同体の5′端
で、保存されたヌクレオチド配列とハイブリダイズする
ように選択される。
他方、ペプチドリンカーをコードする核酸配列は、適
切なベクターの一部として企画され得る。本明細書で使
用される場合、用語“発現ベクター”とは、それらが操
作的に結合される遺伝子の発現に向けられ得る核酸分子
を言及する。VHαTAGコードDNA相同体が操作的に連結さ
れるベクターの選択は、当業界において良く知られてい
るように、所望される機能的性質、たとえば複製又はタ
ンパク質発現、及び形質転換される宿主細胞(真核又は
原核細胞)に直接的に依存し、それらは組換えDNA分子
を構成する業界において固有の限界である。好ましい態
様においては、使用される真核細胞発現ベクターは、真
核細胞において効果的である選択マーカー、好ましくは
耐薬物性選択マーカーを包含する。
原核細胞と適合できる発現ベクターは当業界において
良く知られており、そしていくつかの市販源から入手で
きる。原核細胞のために適切な典型的ベクタープラスミ
ドは、BioRad Laboratories(Richmond,CA)から入手で
きるpUC8,pUC9,pBR322、及びpBR329、及びPharmacia(P
iscatawag,NJ)から入手できるpPL及びpKK223である。
真核細胞と適合できる発現ベクター、好ましくは脊椎
動物細胞と適合できる発現ベクターがまた使用され得
る。真核細胞発現ベクターは当業界において良く知られ
ており、そしていくつかの市販源から入手できる。典型
的には、所望するDNA相同体の挿入のための便利な制限
部位を含むそのようなベクターが供給される。真核細胞
のために適切な典型的ベクタープラスミドは、pSV2neo
及びpSV2gpt(ATCC)、pSVL及びpKSV−10(Pharmaci
a)、pBPV−1/PML2d(International Biotechnologies,
Inc.)、及びpTDT1(ATCC)である。
VHαTAGコードDNA相同体の遺伝子を発現するためにウ
ィルス発現ベクターの使用がまた、意図される。本明細
書で使用される場合、用語“ウィルス発現ベクター”と
は、ウィルスゲノムの長い末端反復(LTR)領域に由来
するプロモーター配列を含むDNA分子を言及する。典型
的なファージは、λファージ及びfdファージを包含する
(Sambrook,など、(1989)、Molecalar Cloning:A Lab
oratory Manual.(第2版)、及びMcCaffertyなど、(1
990)、Nature,6301:552〜554を参照のこと)。
次に、VHαTAGコードDNA相同体及びベクターの集団
が、共有制限部位でエンドヌクレアーゼにより切断され
る。種々の方法が、相補的付着末端を通してベクターに
DNAを操作的に連結するために開発されて来た。たとえ
ば、相補的付着末端が、前で論ぜられたように、適切に
企画されたポリヌクレオチド合成の使用により、プライ
マー拡張反応の間、VHαTAGコードDNA相同体中に構築さ
れ得る。次に、ベクター及びDNA相同体の相補的付着端
が、単位の二本鎖DNA分子を生成するために操作可能的
に結合(連結)される。
Hum4 VLコードDNA及びVHαTAGコードDNA相同体集団
の制限フラグメントが、切断されたベクターにランダム
に連結される。種々のランダム集団が、同じ読み取り枠
に及びベクターのプロモーターの制御下で位置する、VH
αTAGコードDNA相同体及びHum4 VLコードDNAを有する
個々のベクターにより生成される。
次に、得られた一本鎖構造体が、複合Hum4 VL,VHαT
AG相同体一本鎖抗体の増幅及び/又は発現を付与するた
めに適切な宿主中に導入される。本発明の組換えDNA分
子による適切な細胞宿主の形質転換が、使用されるベク
ターの型の典型的には依存する方法により達成される。
原核宿主細胞の形質転換に関しては、たとえばCohemな
ど、(1972)、Proceedings National Academy of Scie
nce,USA,69:2110;及びSambrookなど、(1989)、前記を
参照のこと。
rDNAを含むレトロウィルスベクターによる脊椎動物細
胞の形質転換に関しては、たとえばSorgeなど、(198
4)、Mol.Cell.Biol.,4:1730〜1737;Grahamなど、(197
3)、Virol.,52:456;及びWiglerなど、(1979)、Proce
edings National Academy of Sciences,USA,76:1373〜1
376を参照のこと。
宿主として使用され得る典型的な原核細胞株は、E.コ
リ、バシラス及び他の腸内細胞、たとえばサルモネラ
チフィムリウム(Salmonella typhimarium)及び種々の
プスイドモナス(Pseadomonas)を包含する。通常の真
核細胞微生物は、S.セレビシアエ(S.cerevisiae)及び
ピチア パストリス(Pichia pastoris)を包含する。
通常の高等真核宿主細胞は、Sp2/0,VERO及びHeLa細胞、
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系及びW138,BH
K,COS−7並びにMDCK細胞系を包含する。さらに、Hum4
VLを生成するいづれかの細胞系、たとえばB17X2ヒト
細胞系が、TAG−72への結合を可能にするHum4 VLに相
補的なVH遺伝子の導入のための受容体ヒト細胞系として
使用され得ることもまた明らかである。たとえば、B17X
2 H鎖は良く知られた方法により内因性H鎖を生成しな
いように遺伝的に変性され得:この場合、生成される抗
体のグリコシル化パターンはヒト由来のものであり、そ
して非ヒト由来のものではない。
都合良く形質転換された細胞、すなわちベクターに操
作可能的に連結される複合Hum4 VL,VHαTAG相体一本鎖
抗体をコードする遺伝子を含む細胞が、リガンドへのレ
セプターの結合を検出するためにいづれか適切な良く知
られた技法により同定され得る。好ましいスクリーニン
グアッセイは、TAG−72への複合Hum4 VL,VHαTAG相同
体一本鎖抗体の結合が検出可能なシグナルを、直接的に
又は間接的に生成するアッセイである。生成性Hum4 VL
及びVHαTAG相同体組合せのためのスクリーニング、又
は換言すれば、TAG−72への効果的抗原結合部位のため
の試験は、たとえば放射性ラベルされた又はビオチニル
化されたスクリーニング剤、たとえば抗原、抗体(たと
えばB72.3、CC49,CC83,CC46,CC92,CC30,CC11及びCC1
5)、又は抗−イジオタイプ抗体を用いることによって
(Huseなど.,前記、及びSambrookなど.,前記を参照のこ
と);又はSCFV構造体のNH2−又はCOOH−末端へのマー
カーペプチドの使用により(Hoppなど.,(1988)、Biot
echnology,6:1204〜1210を参照のこと)可能になる。
もちろん、Hum4 VL−コードDNA及びVHαTAG−コードD
NA相同体は、個々のポリペプチド鎖(たとえばFV)とし
て、又は完全な又はフラグメント化された不変領域(た
とえばFab及びF(ab′))により表わされ得る。従
って、Hum4 VL−コードDNA及びVHαTAG−コードDNA相
同体は、それぞれCL又はCH又はそのフラグメントを含む
ベクター中に個々に挿入され得る。いかに適切なベクタ
ーを調製するかについての教授については、EPO第03659
97号(Hezesなど.,The Dow Chemical Company)を参照
のこと。
複合Hum4 VL,VH抗体のL鎖及びH鎖をコードするDNA
配列は、別の発現ビークル又は同じ発現ビークル中に挿
入され得る。同じ生物内において、同じか又は異なった
ベクター上に同時発現される場合、官能的活性FVが生成
される。VHαTAG−コードDNA相同体及びHum4 VLポリペ
プチドが異なった生物に発現される場合、それぞれのポ
リペプチドが単離され、そして次に、FVを形成するため
に適切な培地において組合される。Greeneなど.,Method
s in Molecular Biology,第9巻、Wicknerなど.,;及び
Sambrookなど.,前記を参照のこと。
続く組換えは、Hum4 VL−コードDNA相同体を生成す
るためにVHαTAG−コードDNA相同体を使用してのHum4
VL−コードDNA配列の切断及び除去を通してもたらされ
得る。Hum4 VL−コードDNA相同体を生成するために
は、まず、免疫グロブリンL鎖遺伝子及び同様のものの
J領域又は不変領域内での保存された領域とハイブリダ
イズする(すなわちそれに相補的である)プライマーが
選択される。第2プライマーはコード(+)鎖の一部に
なり、そして(−)鎖間に保存されるヌクレオチド配列
にハイブリダイズする。Hum4 VL−コードDNA相同体
は、VHαTAG−コードDNA相同体を含むベクター中に連結
され、それによって発現ベクターの第2集団が創造され
る。従って、本発明は、ポリヌクレオチドコード鎖、た
とえば可変領域、又は可変領域の転写体を表わすmRNAを
発現する遺伝子を含むゲノム材料から成るレパートリー
からHum4 VL−コードDNA相同体をクローニングするこ
とに向けられる。従って、VHαTAG−コードDNA相同体及
びHum4 VL−コードDNA相同体を用いて、複合抗体をさ
らに定義するために他の方法を用いることが可能であ
る。
本発明は、効果的に相同の可変領域及び不変領域アミ
ノ酸配列を含むように抗体可変及び不変領域を遺伝子的
に変性することにも関する。一般的に、可変領域の変更
は、レセプターの抗原結合性質を改良し又は変性するた
めに行なわれるであろう。抗原レセプターの不変領域の
変更は、生物学的性質、たとえば補体固定、膜との相互
作用及び他のエフェクター機能を改良し又は変性するた
めに行なわれるであろう。
“効果的に相同”とは、可変領域の主要構造の差異が
抗原レセプターの結合特性を変更しない概念を意味す
る。通常、DNA配列は、少なくとも70%、好ましくは少
なくとも80%及び最とも好ましくは少なくとも90%のDN
A配列の活性部分が相同である場合、第2 DNA配列に対し
て効果的に相同である。そのような変更は、得られる抗
原レセプターがその所望する性質を保持する限り、効果
的に相同のアミノ酸配列において許され得る。
配列の相同位置間に保存性差異が存在する場合、それ
らは一定環境下で同等物として見なされ得る。潜在的に
同等のアミノ酸の一般的カテゴリーが下記に示され、こ
こでグループ内のアミノ酸は、次のグループにおいて他
のアミノ酸と置換され得る:(1)グルタミン酸及びア
スパラギン酸;(2)疎水性アミノ酸、たとえばアラニ
ン、バリン、ロイシン及びイソロイシン;(3)アスパ
ラジン及びグルタミン;(4)リシン及びアルギニン及
び(5)トレオニン及びセリン。
ヌクレオチド置換についての典型的な技法は、適切な
読み取り枠が維持される限り、種々のヌクレオチドの付
加、欠失、又は置換を包含する。典型的な技法は、ポリ
ヌクレオチド介在の部位特異的変異誘発の作用、すなわ
ち変異を含む鎖を生成するためのオリゴヌクレオチドの
拡張のための鋳型としての一本鎖の使用(Zollerなど.
(1982)、Nuc.Acids Res.,10:6487〜6500;Norrisな
ど.(1983)、Nuc.Acids Res.,11:5103〜5112;Zoller
など.(1984),DNA,3:479〜488;Kramerなど.(198
2)、Nuc.Acids Res.,10:6475〜6485を参照のこと)、
及びポリメラーゼ鎖反応、すなわち選択された変更を組
込むように配列特定化オリゴヌクレオチドを用いてイン
ビトロでDNAを指数的に増幅することの使用(PCR Techn
ology:Principles and Applications for DNA Amplific
ation,Erlich,(1989);及びHortonなど.前記を参照
のこと)を包含する。
さらに、抗体は、変性されたそれらの不変領域ドメイ
ンを有することができ、すなわち抗体ポリペプチド鎖の
CL,CH1,ヒンジ、CH2,CH3及び/又はCH4ドメインは欠失
され、挿入され又は変更され得る(EPO第327378号、Al,
Morrisonなど.,The Trustees of Columbia University;
USP第4,642,334号、Mooreなど.,DNAX;及びUSP第4,704,6
92号、Ladnerなど.,Genexを参照のこと)。
さらに、抗体は毒性されたそれらの不変領域ドメイン
を有し、すなわち抗体ポリペプチド鎖のCL,CH1,ヒン
ジ、CH2,CH3及び/又はCH4ドメインは欠失され、挿入さ
れ又は変更され得る(EPO第327,378号、Al,Morrisonな
ど.,the Trustees of Columbia University;USP第4,64
2,334号、Mooreなど.,DNAX;及びUSP第4,704,692号、Lad
nerなど.,Genexを参照のこと)。
最終DNA構造体が得られたならすぐに、複合Hum4 VL,
VH抗体がプリスタンドよりプライムされたマウスの腹腔
中に宿主細胞を注射し、そして適切な時間(約1〜2
週)の後、マウスから腹水を収穫し、ここでひじょうに
高い力価の均質複合Hum4 VL,VH抗体が生成され、そし
て当業界において良く知られた方法(Stramignoni.な
ど、(1983)、Intl.J.Cancer,31:543〜552を参照のこ
と)により複合Hum4 VL,VH抗体を単離することによっ
て、多量に生成され得る。宿主細胞は動物において腫瘍
としてインビボで増殖され、その血清又は腹水が約50mg
/mlまでの複合Hum4 VL,VH抗体を供給することができ
る。通常、マウス又はラット中への約106〜107個の組織
適合性宿主細胞の注射(好ましくは、腹腔内)は、数週
間後、腫瘍形成をもたらすであろう。原核及び真核細胞
の発酵細胞ブイヨンから、又はE.コリ細胞の封入体から
複合Hum4 VL,VH抗体を得ることが可能である(Buckhol
z and Gleeson(1991)、BIO/TECHNOLUGY,9;1067〜1072
を参照のこと)。次に、複合Hum4 VL,VH抗体が良く知
られた方法により採集され、そして処理され得る(一般
的には、Immunological Methods,第I及びII巻、Lefkov
its,I.and Pernis,B.,(1979 & 1981)Academic Pres
s,New York,N.Y.及びHandbook of Experimental Immuno
logy,Weir,D.,(1978)Blackwell Scientific Publicat
ions,St.Louis,MO.を参照のこと)。
次に、複合Hum4 VL,VH抗体は、一般的に追加の使用
のために安定した抗体溶液を付与する、種々の緩衝溶
液、たとえばリン酸緩衝溶液(PBS)に貯蔵され得る。
使用 複合Hum4 VL,VH抗体は、種々の癌処理に使用するた
めのユニークな利点を提供する。悪性細胞及び局在化さ
れた腫瘍に特異的に結合するが、しかし主要器官におけ
る正常な細胞、たとえば線維芽細胞、内皮細胞又は外皮
細胞には結合しない能力の他に、複合Hum4 VL,VH抗体
はANHA応答を最少にし又は排除するために使用され得
る。さらに、TAG−72は種々のエピトープを含み、そし
て従って、Hum4 VLとの組合せにより種々のVHを利用す
るいくつかの異なった複合Hum4 VL,VH抗体を投与する
ことが所望される。
特に、複合Hum4 VL,VH抗体は、診断、治療、イメー
ジング及びバイオセンサーへのインビボ及びインビトロ
使用に有用であるが、但し、これだけには限定されな
い。
複合Hum4 VL,VH抗体は医薬的に許容できる、非毒性
殺菌キャリヤー中に導入され得る。本発明の注射用組成
物は、懸濁形又は溶液形のいづれでも良い。溶液形にお
いては、複合体(又は別の成分を所望する場合)は、医
薬的に許容できるキャリヤーに溶解される。そのような
キャリヤーは、適切な溶媒、保存剤、たとえばベンジル
アルコール(必要とされる場合)及び緩衝液から成る。
有用な溶媒はたとえば、水、水性アルコール、グリコー
ル及びホスホネート又はカーボネートエステルを包含す
る。そのような水溶液は一般的に、50体積%よりも多く
ない有機溶媒を含む。
注射用懸濁液は、アジュバンドを含んでも又は含まな
くても良いが、キャリヤーとして液体懸濁媒を必要とす
る。その懸濁媒はたとえば、水性ポリビニル−ピロリド
ン、不活性オイル、たとえば植物油又は高く精製された
鉱油、又は水性カルボキシメチルセルロースであり得
る。適切な生理学的に許容できるアジュバント(複合体
を懸濁液に維持する必要がある場合)、増粘剤、たとえ
ばカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ゼラチン及びアルギネートから選択され得る。多く
の界面活性剤、たとえばレシチン、アルキルフェノー
ル、ポリエチレンオキシドアダクト、ナフタレンスルホ
ネート、アルオルベンゼンスルホネート、及びポリオキ
シエチレンソルビタンエステルが、懸濁媒として有用で
ある。液体懸濁媒の疎水性度、密度及び表面張力に影響
を及ぼす多くの物質が、個々の場合において注射用懸濁
液の製造において助けることができる。たとえば、シリ
コーン消泡剤、ソルビトール及び糖は有用な懸濁剤であ
る。
複合Hum4 VL,VH抗体及び治療剤の複合体の調製及び
投与法は良く知られており、又は容易に決定される。さ
らに、適切な投与量は、患者の年齢及び体重及び使用さ
れる治療剤に依存し、そしてよく知られており、又は容
易に決定される。
複合Hum4 VL,VH抗体及びイメージングマーカーの接
合体は、TAG−72を発現する腫瘍を有し、そして次に、
適切な検出手段によりイメージングマーカーの存在を検
出する患者において、ヒト癌又はその転移のインビボ診
断アッセイのために医薬的に有効な量で投与され得る。
複合Hum4 VL,VH抗体及びイメージングマーカーの接
合体の投与及び検出、並びにイメージングマーカーに複
合Hum4 VL,VH抗体を接合する方法は、知られている方
法により達成され又は容易に決定される。そのような接
合体の投与量は、患者の年齢及び体重に依存して変化す
る。一般的に、その投与量は、正常な組織から異なった
腫瘍部位を可視化し又は検出するために有効であるべき
である。好ましくは、一度での投与量は、複合Hum4 VL
抗体及びイメージングマーカーの接合体0.1mg〜200mg
(患者当たり)であろう。
複合Hum4 VL抗体に接合され得るイメージングマーカ
ーの例は良く知られており、そしてγスキャナー又は手
動性γプローブを用いて診断イメージングにより検出さ
れ得る物質、及び核磁気共鳴分光計を用いて核磁気共鳴
イメージングにより検出され得る物質を包含する。
γスキャナーを用いて検出され得る物質の適切な(但
し、制限されない)例は、125I,131I,123I,111In,150R
h,153Sm,67CU,67Ga,166Ho,177Lu,186Re,188Re及び99mTc
であり得る。核磁気共鳴分光計を用いて検出され得る物
質の例は、ガドリニウムである。
複合Hum4 VL,VH抗体及び治療剤の接合体は、TAG−72
を発現する腫瘍を有する患者において、ヒト癌又はその
転移のインビボ処理のために医薬的に有効な量で投与さ
れ得る。複合Hum4 VL抗体の“医薬的に有効な量”と
は、医薬組成物における前記抗体(治療剤に接合されて
いない、すなわち裸の抗体、又は接合された抗体のいづ
れか)の量が、TAG−72への効果的な結合を達成するの
に十分であるべきであることを意味する。
典型的な裸の抗体治療は、複合体が癌及びエフェクタ
ー細胞、たとえばキラー細胞、たとえばT細胞又は単球
の両者に結合するように、他の抗体により結合され又は
組合されるヘテロ二官能価複合Hum4 VL,VH抗体を投与
することを包含する。この方法においては、複合Hum4
VL抗体−治療剤接合体は、癌部位に投与され、それによ
って治療剤に癌組織が直接的に暴露される。他方、裸の
抗体治療も可能であり、ここで抗体依存性細胞毒性又は
補体依存性細胞毒性が複合Hum4 VL抗体により介在され
る。
治療に使用され得る抗体−治療剤複合体の例は、放射
性核種、たとえば131I,90Y,105Rh,47Sc,67Cu,212Bi,211
At,67Ga,125I,186Re,188Re,177Lu,99mTc,153Sm,123I及
111In;薬物、たとえばメトトレキセート、アドリアマ
イシン;生物学的応答変性体、たとえばインターフェロ
ン及びトキシン、たとえばリシンに結合される抗体を包
含する。
複合Hum4 VL,VH抗体及び治療剤の接合体の調製及び
投与法は良く知られており又は容易に決定される。医薬
組成物は、単一投与形又は複合投与形で投与され得る。
さらに、適切な投与量は、患者の年齢及び体重、及び使
用される治療剤に依存し、そして良く知られており又は
容易に決定される。
複合Hum4 VL,VH抗体及び特にその複合Hum4 VL,VH
本鎖抗体がラジオイムノガイジド手術(RIGS)のために
特に適切である。RIGSにおいては、イメージングマーカ
ーによりラベルされた抗体が、TAG−72を発現する腫瘍
を有する患者に注射される。抗体は、腫瘍に局在し、そ
して手動性γ検出プローブ(GDP)により検出される。
次に、腫瘍が切り出され(Martinなど.(1988)、Ame
r.J.Surg.,156:386〜392;及びMartinなど.(1986)、H
ybridoma,5:S97−S108を参照のこと)。典型的なGDP
は、Neoprobe Corporation,Columbus,OHから入手できる
Neoprobe(TM)スキャナーである。複合Hum4 VL,VH
本鎖抗体の比較的小さなサイズ及びヒト特徴は、完全な
身体クリアランスを促進し、そして従って、手術が効果
的に開始される前と注射の後との待ち時間を感じるであ
ろう。
複合Hum4 VL,VH抗体−イメージングマーカー接合体
の投与及び検出は、良く知られている方法により達成さ
れ得、又は容易に決定され得る。
投与量は患者の年齢及び体重に依存して変化するが、
しかし一般的には、一度での投与量は、患者当たり約0.
1〜200mgの抗体−マーカー接合体が投与される。
実施例 下記実施例は複合Hum4 VL,VH抗体の構築と発現を単
に例示するのを目的とするものであり本発明を限定する
ものではない。ことわらない限り温度の単位はすべて℃
である。ことわらない限り%の単位はすべて重量%であ
る。
実施例1 CC49とCC83を、プローブとしてpNP9を用いてそれぞれ
のハイブリドーマから単離した(図5参照)。ヨーロッ
パ特許第EPO 0365997号に記載されている方法にしたが
って、CC49VHはp49g1−2.3から入手し(図6参照)およ
びCC83VHはp83g1−2.3から得た(図7参照)。
抗体の軽鎖をコードするDNAは、いくらか改変したMad
isenら、Am.J.Med.Genet.,27巻、379〜390頁、1987年の
プロトコルにしたがってヒトの血液の試料から単離し
た。紫色キャップの5mlバキュテーナー管2本に(抗血
液凝固剤としてEDTAが入っている)、血液を満たし周囲
温度下で2時間保管した。これらの試料を2本の4.5ml
遠心分離管に移した。各管に、フィルター滅菌を行った
赤血球溶解液緩衝液(0.155M NH4Clおよび0.17Mトリスp
H7.65を9:1の容積比で含有)22.5mlを添加し37℃で6.5
分間インキュベートした。遠心分離管内容物は溶解した
赤血球のため暗赤色になった。これらの試料を、SS−34
のローターとSorVall遠心分離器を用い、5,300rpm(3,4
00 kg)で9℃にて10分間遠心分離した。得られた白血
球のペレットを0.15M NaCl水溶液25mL中に再懸濁させ
た。この白血球を上記と同様にして遠心分離した。得ら
れたペレットを、0.15M NaCl水溶液500μL中に再懸濁
させ、1.5mLの微量遠心分離管に移した。その白血球
を、こんどは微量遠心分離器で、3,000 rpmにて3分間
ふたたびペレット化した。ごくわずかの赤血球がペレッ
トに残った。上清%液を2本の微量遠心分離管からデカ
ントした後、高TE緩衝液(100mMトリス、pH8.0)0.6 ml
を添加した。これらの管を10分間および15分間まで振動
した。得られた粘稠溶液を、Sambrookらの前記文献に記
載されているのと同様に、フェノール、フェノール−ク
ロロホルムおよび最後にクロロホルムだけで抽出した。
抽出してプールしたDNA溶液3.9 mLにNaOAC(3M、pH5)
0.4 mLおよび100%エタノール10mLを添加した。白色曳
糸性の沈澱を黄色ピペットチップ(yellow pipette ti
p)で回収し、新しいエッペンドルフ管(Eppendorf tub
e)に移し70%エタノールで一回洗浄し最後に100%エタ
ノールで洗浄した。得られたDNAを減圧下で一分間乾燥
し、次いで脱イオン水0.75mLに溶解した。得られた溶液
の20μLを1.0 mLまで希釈し、D260nm値を測定し記録し
た。原溶液のDNAの濃度は0.30mg/mLと算出された。
オリゴヌクレオイド(オリゴ)を、0.2μM固体支持
体カラムで開始する380 A DNA合成器(米国、カリフォ
ルニア州、フォスターのApplied Biosystems社)でホス
ホルアミダイト化学反応を用いて合成した。最終生成物
の保護基は濃アンモニア溶液中で55℃にて12時間加熱す
ることによって除いた。オリゴヌクレオチドの粗製混合
物(約12 OD260nm単位)を、16%ポリアクリルアミド尿
素ゲルに加えて電気泳動に付した。ゲル中のDNAは短波
長の紫外光線で視覚化した。バンドを切取り、そのゲル
ピースを65℃に2時間加熱することによってDNAを溶出
させた。最終の精製は次のようにして行った。溶出され
たDNA溶液をC−18 Sep−Pac(登録商標)カラム(Mill
ipore社)に加え、捕捉されたオリゴヌクレオチドを60
%メタノール溶液で溶離した。得られた純品のDNAを脱
イオン蒸留水(ddH2O)に溶解し、次いで0D260 nmを測
定することによって定量した。
GeneAmp(登録商標)DNA増幅キット(米国、カリフォ
ルニア州、エメリービルのCetus Corp.社)を用いて、
メーカーの指示にしたがって組立てたPCRによってHum4
VL生殖系遺伝子をクローン化した。熱サイクラーを使
用して、変性(94℃)、アニーリング(45℃)および延
長(72℃)のステップを行った。1サイクル中のこれら
3ステップは各々4分間行い、合計30サイクル行った。
Hum4 VL生殖系遺伝子中の調節配列の上流に、ユニー
クCla I制限酵素部位がある。それ故に、PCR法に使用す
る5′末端のオリゴヌクレオチド〔HUMVL(+)と呼称
する、図8〕はこのCla I部位を含有するように設計し
た。
HUMVL(−1)と呼ばれる3′末端オリゴヌクレオチ
ド(図8)は:ユニークHind III部位;有効なスプライ
スドナー機能を行うことができる、スプライシング部位
の後の充分なマウスイントロン配列;Hum4 VLのVLエキ
ソンの3′末端に隣接し、VL領域のCDR3とFR4の配列を
完成するヒトJ4配列(図9と10参照);CDR3の94位のチ
ロシン残基をコードするためのヌクレオチド;およびHu
m4 VLのVLエキソンの3′末端に近い29のヌクレオチド
(図3のオリゴヌクレオチドHUMVL(−1)に下線を引
いて示す。そしてこのヌクレオチドはヒトDNAでアニー
ルする)を含有していた。PCR用のこの3′末端オリゴ
ヌクレオチドは合計して、非アニーリングセグメント
〔ワギング・テール(Wagging tail)]の69個のヌクレ
オチドを含む98塩基の長さのものであった。Hum4 VL
伝子標的およびPCRに用いられるオリゴヌクレオチドの
概略図を図11に示す。
PCR反応は100 μlの反応容積で合計1μgのヒトDNA
で行った。プライマーのHUMVL(−)とHUMVL(+)の初
期濃度は各々100pmolであった。Tagポリメラーゼ(2.5
単位/反応)を添加する前に、鉱油100 μLを使用して
試料をおおった。対照の試料を以下に概略述べるように
して作製した。試料は95℃で3分間加熱した。PCRが完
了したならば、アガロースゲル電気泳動によって分析す
るため試料20μLを取出した。
クローン化すべきHum4 VL DNAフラグメントの公知の
大きさおよびその遺伝子を標的とするのに用いられるオ
リゴヌクレオチドの大きさに基づいて、1099bpの生成物
を予想した。この大きさに相当するバンドが反応で得ら
れた(図12のレーン7に示す)。
Hum4 VL遺伝子をクローン化し次いで発現するのに適
切なプラスミドを調製するため、プラスミドpSV2neoをA
TCCから入手し、次いで修飾した。pSV2neoは以下に述べ
るようにして修飾した(図13参照)。
pSV2neo−101を次のようにして製造した。精製pSV2ne
o 10μgをHind III40単位を用いて37℃で1時間消化し
た。線形化プラスミドDNAをエタノールで沈澱させ、洗
浄し、乾燥し水10μLに溶解した。10mMのdATP,dCTP,dG
TPおよびdTTPを各々2μLづつならびに10xリガーゼ緩
衝液2μLを添加した。DNAポリメラーゼI 5単位
(1μL)を添加してHind IIIの粘着末端を平滑にし
た。得られた反応混合物を室温で30分間インキュベート
した。反応混合物を65℃で15分間加熱することによって
酵素を不活性化した。反応混合物をフェノールで抽出
し、エタノールで沈澱させてペレットを得た。そのペレ
ットを脱イオン蒸留水20μlに溶解した。得られた溶液
の2μl(約μg)を標準の連結反応液20μLに添加
し、次いで4℃にて一夜インキュベートした。
イー・コリ(E.coli)DH1のコンピテント細胞を、メ
ーカーの指針にしたがって、連結ミックス(米国、カリ
フォルニア州、サンディエゴ、Invitrogen社)1μLお
よび10μLで形質転換した。アンピシリン耐性のコロニ
ーを、100 μg/mLのアンピシリンを含有するLBプレート
で得た。2.0 mL培養液で一夜培養して、選択されるクロ
ーンを調製した。プラスミドDNAの試料を、Hind IIIとB
amH Iで別個に消化し、正しい代表的クローンを選択し
た。
生成したたプラスミドpSV2neo−101を、サイズマッピ
ング(sizemaping)とHind IIIによって消化されないこ
とによって確認した。
pSV2neo−10のミニ−ライゼート(mini lysate)由来
のDNAの試料を、BamH I50単位を用い37℃で2時間消化
して調製した。線状化プラスミドを、4%DNAポリアク
リルアミドゲルから、電気溶出法で精製した。そのDNA
の両末端は、pSV2neo−101のHind III部位について先に
述べたようにして、dNTPとクレノーフラグメントを用い
てBamH I部位に充填することによって平滑にした。
多数のクローン化部位を含有するポリリンカーセグメ
ントをpSV2neo−101のBamH I部位に組込んでpSV2neo−1
02を創製した。等モル量の二つのオリゴヌクレオチドCH
(+)とHC(−)(図14に示す)を、90℃で3分間加熱
し次いで50℃まで冷却することによってアニールした。
アニールされたリンカーDNAと末端を平滑化されたpSV2n
eo−101とを、40:1のモル容積で標準の連結反応後20μ
Lに添加した。イー・コリDH1を、連結混合物(Invitro
gen社)0.5 μLと5μLで形質転換した。12個のアン
ピシリン耐性コロニーをプラスミドDNAの分析を行うた
めに選択し、リンカーが組込まれたか否かを確認した。
ミニ−ライゼートプラスミドDNAをHind IIIで消化し
たところ、上記クローンのうちの6個にリンカーが組込
まれていることが明らかになった。いくつかのクローン
由来のプラスミドDNAの配列を決定して、pSV2neo−101
に平滑末端で連結されたリンカー単位の数ならびにその
リンカーとの相対配向度を決定した。配列の決定を行う
クローンはHind IIIによる正の消化に基づいて選択し
た。
Sequenase(登録商標)配列決定キット(米国、オハ
イオ州、クリーブランドのUnited states Biochemical
Corp.社)を用いてそのDNAの配列を決定した。プライマ
ーのNEO 102SEQを、配列決定を行うために用いたがそれ
を図15に示す。それはベクターのBamH I部位から上流に
位置する配列に対して相補的である。イー・コリのミニ
−ライゼートから単離したプラスミドDNA3μg〜5μg
を配列決定に用いた。このDNAを、メーカーの指示にし
たがって変性し沈澱させてからアニールした。電気泳動
を1500ボルトで実施し、ゲルを乾燥してから、Kodak X
線フィルムに対して露出させた。データを、日立のDNAS
IS(登録商標)コンピュータプログラムを用いて処理し
た。
図14の予想配列に比べて、分析された四つのクローン
のDNA配列データから(図16のオートラジオグラムの写
真参照)、所望の配向を有する二つのクローンを得た。
代表的クローンを選択してpSV2neo−102と命名した。
ヒトCk遺伝子をpSV2neo−102に挿入しpRL1000を作製
した。このヒトCkDNAは5.0kbのHind III〜BamH Iフラグ
メントに含有されていた(Hieterら、Cell、22巻、197
〜207頁、1980年)。
pSV2neo−102のミニ−ライゼート由来のDNAの試料3
μgをBamH IおよびHind IIIで消化した。ベクターDNA
を、反応で生成した。BamH I−Hind IIIリンカーの小フ
ラグメントから、3.75%DNAポリアクリルアミドゲル上
での電気泳動によって分離した。所望のDNAフラグメン
トを電気溶出法で回収した。ヒトCk遺伝子の5.0kb Hind
III−BamH Iフラグメント(Hieterらの上記文献参照)
を含有するpBR322クローンをphumCkと命名した。この5.
0kbのHind III−BamH IフラグメントをpSV2neo−102と
連結し、次いでイー・コリDH1(Invitrogen社)に導入
した。アンピシリン耐性のコロニーをスクリーニング
し、ヒトCk遺伝子を含有するクローンをpRL1000と命名
した。
最後に、イー・コリ由来のミニ−ライゼートプラスミ
ドDNAをHind IIIとBamH Iで試験することによって、pRL
1000クローンをスクリーニングした。二つのバンドをす
なわち一方は5.8 kbの位置に(ベクターを示す)他方は
5.0 kbの位置に(ヒトCk挿入断片を示す)示すプラスミ
ドを産生するクローンを選択した。pRL1000のその外の
特性決定は、そのヒトCk挿入断片のイントロン領域のHi
nd III部位の下流の配列を決定することによって行っ
た。配列決定反応を開始するのに用いたオリゴヌクレオ
チドはNEO102SEQ(図5)であった。217個の塩基を決定
した(図17参照)。Hind III部位の近くの(−)ストラ
ンドに対応する新しいオリゴヌクレオイド(図17に示
す)を合成し、その結果pRL1000(図13参照)のCla Iと
Hind IIIの部位にクローン化された、Hum4 VL遺伝子含
有クローンの配列を決定することができた。
PCRによって得た、Hum4 VLを含有するCla I−Hind I
II DNAフラグメントをプラスミドベクターpRL1000中に
クローン化した。pRL1000とHum4 VLのDNAをCla IとHin
d IIIで処理し、生成したフラグメントを先に述べたの
と同様にして電気泳動法でゲルによる精製を行った。
pRL1000 DNAフラグメントおよびHum4 VL遺伝子を含
有するフラグメントを連結し、次いでその連結混合物を
用い、メーカーのプロトコルにしたがってイー・コリDH
1(Invitrogen)を形質転換した。アンピシリン耐性ク
ローンを、Hum4 VL遺伝子の存在について、制限酵素分
析法によってスクリーニングし、代表的なクローンをpR
L1001と命名した(図18に示す)。
正しいCla I−Hind III制限パターンを有する四つの
プラスミドを、挿入領域のDNA配列を決定することによ
ってさらに分析した(図19参照)。Hind III Ck(−
1)(図17に示す)、HUMLIN1(−)(図10に示す)、H
UMLIN2(−)(図10に示す)を配列決定プライマーとし
て用いた。分析した四つのプラスミドのうち二つは、コ
ーディング領域中に予想された配列をもっていた(図1
9、クローン2と9)。
細胞の形質転換と他の分析を行うのに充分なプラスミ
ドDNAを生成させるためクローン2を選択して使用し
た。このプラスミドはHum4 VLおよびCla I部位に対し
上流の領域を通じて配列を決定するために使用した。発
表されている配列(Klobackらの1985年の前記文献)と
比べて、CからGまでの83位のヌクレオチドに一つだけ
の変化(図10)がみとめられた。そのDNA配列のデータ
と、PCRに用いたオリゴヌクレオチドが標的配列に正し
く組込まれていたことを示している。
Biorad Gene Pulser(登録商標)装置を用いて、Sp21
0細胞を、軽鎖構造体または重鎖構造体を含有する線状
化プラスミドDNAでトランスフェクトした。Hum4 V
Lは、表1に示す共トランスフェクション(Co−transfe
ction)計画で、対応する重鎖とともにSp210細胞に導入
された。
合計8.0×106のSp210の細胞を滅菌PBS緩衝液(1×10
7生細胞1 mL、0.8 ml)で洗浄し、氷上に10分間置い
た。Cla I部位で線状化したpRL1001のDAN、ならびにそ
れぞれのNde I部位で線状化したp49g1−2.3またはp83g1
−2.3のDNAを含有する滅菌PBSを、細胞に添加し(プロ
トコール−表2参照)次いで0℃でさらに10分間保持し
た。20〜30ミリセカンド続く単一の200ボルト960 μF
の電気パルスを用いてエレクトロポレーションを行っ
た。摂動された細胞(perturbed cell)を氷上に5分間
保持した後、ウシ胎児血清を10%含有するRPMI培地25mL
を導入し、次いで24ウェルの組織培養プレートに10 mL
づつ試料を入れた。その細胞を5%CO2含有大気中で37
℃にてインキュベートした。48時間後、培地を、1mg/mL
のGeneticin(G418)(Dibco社)および0.3 μg/mlのマ
イコフェノール酸(mycophenolic acid)/gpt培地をと
もに含有する新しい選択培地で交換した。耐性細胞を7
〜10日間培養した。
医療耐性コロニーを有するウェルから得た上澄み液を
TAG−72に対する活性についてELISAパレートで試験し
た。LS147腫瘍異種移植細胞から調製した約10%の純粋T
AG−72溶液を1:40に希釈し、その希釈液を用いて可撓性
ポリ塩化ビニル微量滴定プレート(Dynatech Laborator
ies,Inc.社)をコートした。ウェルは一夜風乾し、翌日
1%BSAでブロックした。抗TAG−72抗体について試験す
べき上澄み液の試料を、洗浄したウェルに添加し、37℃
で1〜2時間インキュベートした。アルカリホスファタ
ーゼで標識を付けたヤギ抗ヒトIgG(1:250に希釈)(米
国、アラバマ州、バーミンガム、Southern Biotech Ass
ociates社)をプローブ抗体として使用した。インキュ
ベーションは1時間行った。使用した基質はp−ニトロ
フェニルホスフェートであった。発色は1.0 N NaOHを添
加することによって停止させた。プレートは、分光測光
法で405nmと450nmにて読取ったが得られた値は405nm〜4
50nmであった。
検定時に高い値を示す試料を、元の24ウェルプレート
から96ウェルのプレートにサブクローン化した。プレー
ティングは、純粋なモノクローナル細胞系を得るため、
1ウェル当り1/2細胞の細胞密度(公称50細胞)で行っ
た。抗体を産生する細胞系をDMSOを10%含有する培地中
で凍結させた。
名称がMP1−44HおよびMP1−84Hの二つの細胞系を入手
した。MP1−44Hは、CC49g1重鎖とHum4 VL軽鎖のキメラ
体を有し、MP1−84Hは、CC83g1重鎖とHumVKIV軽鎖のキ
メラ体をもっている。
細胞系MP1−44Hの撹拌培養物1.0Lを37℃で5日間培養
して抗体を産生させた。培養物を遠心分離し、0.22ミク
ロンフィルターの装置によって濾過することによって、
細胞を含有していない培養物上澄み液を得た。得られた
透明な上澄み液をプロテインAのカートリッジ(米国、
ニューヨークのNygene社)を通過させた。免疫グロブリ
ンを、0.1 Mクエン酸ナトリウム緩衝液pH30を用いて溶
離した。抗体を含有する溶出画分のpHは、トリス塩基pH
9.0を添加することによって中性まで上昇させた。抗体
を含有する画分を濃縮し、Pharmacia Superose 12HR 10
/30ゲル濾過カラムを通過させた。タンパク質は、SDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法によって均一であると
判定した。さらに等電点電気泳動法によって、MP1−44H
が純品であることが証明された。
ヒト複合抗体のMP1−44Hの生物学的性能を、免疫組織
化学の試験結果を、二つの他の抗−TAG−72抗体すなわ
ちCC49(ATCC番号HB9459)およびCh44(ATCC番号HB988
4)と比較することによって評価した。パラフィン中に
埋包したヒト結腸腫瘍の切片を、当該技術分野の当業者
に公知の方法で、三つの抗体を用いて試験した。これら
三つの抗体はすべて、腫瘍組織材料上に存在する腫瘍抗
原に対するほゞ等しい結合認識性を示した。
ヒト複合抗体MP1−44Hのアフィニティーおよび生物学
的完全性のその外の試験法は、抗体の放射性ヨウ素の標
識を付けたバージョン(version)と、CC49およびCh44
とをすべての組合わせで交差競合させることによる競合
検定法である。図20に示すデータから、三つのすべての
抗体のアフィニティーが同等で腫瘍の抗原に有効に結合
しうることは明らかである。
MP1−44H(ATCC HB 10426)およびMP1−84H(ATCC HB
10427)は、American Type Culcure Collection(ATC
C)に寄託されている。ATCCとの契約には、寄託を記載
し確認している米国特許もしくは刊行物の発行時または
米国特許願もしくは米国以外の国での特許願が公開され
るときの最初の場合に公衆にその細胞系が永久的に入手
できるようにし、かつ35CFR §122およびこれに準ずる
米国特許商標庁長官の規則(特に8860G638を参照する37
CFR §1.14を含む)にしたがって権限を与えられている
米国特許商標庁長官が決定した者がその細胞系を入手で
きることが規定されている。本願の譲渡人は、寄託され
た細胞系が、寄託後30年間または最新の請求を受領して
から5年間適切な条件下で培養されているときに万一死
ぬかまたは失われるかまた破壊された場合、通知によっ
て生存可能な代替の細胞系で速やかに取替えることに同
意している。
実施例2 一本鎖抗体はVL,VHおよびVLとVHの領域を結合してSCF
Vを生成するペプチドリンカーで構成されている。一本
鎖の抗体のSCFV1を、V領域1としてHum4 VLを有しか
つV領域2としてCC49VHを有するよう構築した(図21参
照)。
二つのV領域を結合するポリペプチドリンカーは、PC
R中、VL DNAの3′末端に導入されたDNAによってコード
されていた。オリゴヌクレオイドのSCFV1aとSCFV2は、
酵母インベルターゼリーダー配列の一部、Hum4 VLおよ
びSCFVリンカーを組入れているDNAセグメントが得られ
るように設計した。
SCFV1のポリペプチドリンカーはオリゴヌクレオチドS
CFV16(下記参照)にコードされていた。オリゴヌクレ
オチドSCFV1aとSCFV1bの下線をつけた部分はそれぞれHu
m4 VLとリンカーの配列に相補的である。SCFV1aとSCFV
1bの配列は下記のとおりで、ハイブリッド形成配列には
下線を付けてある。
PCRにおける標的DANはpRL1001であった(図18に示
す)。そのPCRはMullisらの前記文献の教示事項にした
がって実施した。SCFV1を構築するのに用いるHum4 VL
−リンカーDNA要素を含有するDNAフラグメントは、Samb
rookらの前記文献の教示事項にしたがってポリアクリル
アミドゲル電気泳動法によって入手精製した。
CC49VHを含有するp49g1−2.3はPCRにおける標的DNAで
あった。PCRはMullisらの前記文献の方法にしたがって
実施した。CC49VHのPCRに用いたオリゴヌクレオチドは
下記のとおりである。ハイブリッド形成配列には下線を
引いてある。
精製したHum4 VL−リンカーおよびVH DNAフラグメ
ントを、メーカーのプロトコルにしたがってAat II(米
国、マサチューセッツ州、ベバリーのNew England biol
abs社)で処理し、電気泳動法を行った後5%ポリアク
リルアミドゲルから精製した。Aat IIフラグメントの当
モル混合物を一夜連結した。連結反応混合物を65℃で10
分間加熱することによって、T4 DNAリガーゼを熱で不活
性化した。塩化ナトリウムを混合物に添加し、最終濃度
を50mMにし、その混合物をさらにHind IIIで処理した。
Hind III DNAフラグメントを単離し、4.5%ポリアクリ
ルアミドゲルから精製し、酵母発現ベクター中にクロー
ン化した(“DNA Cloning,A Practical Approach,"Glov
er編集、III巻、141〜161頁のCarterらの論文(1987年
参照)。隣接SCFV1構造を含有するフラグメントの配列
は図22に示す。
本願に記載の抗−TAG−72 SCFV1は、酵母インベルタ
ーゼリーダー配列(図22の−19位〜−1位として示
す)、Hum4 VL(図22の1位〜113位として示す)、18
アミノ酸リンカー(図22の114位〜132位として示す)、
およびCC49VH図22の133位〜248位として示す)を利用し
た。
SCFV1の完全なDNAとアミノ酸の配列を図22に示す。SC
FV1の配列を決定するに使用したオリゴヌクレオチドを
以下に示す。
実施例3 プロレニン遺伝子を含有するプラスミドpCGS517(図2
3)をHind IIIで消化し、6.5 kbのフラグメントを単離
した。プラスミドpCGS517は、トリオースリン酸イソメ
ラーゼプロモーター、インベルターゼ〔SVC2〕シグナル
配列、プロレニン遺伝子および〔SVC2〕ターミネーター
をもっている。先に得たHind IIIで消化したSCFV1挿入
断片(図23参照)を、T4 DNAリガーゼ(米国、カリフォ
ルニア州、ラ・ホーヤのStratagene社)を用いて、pCGS
517のHind IIIフラグメントと一夜連結した。
インベルターゼシグナル配列の一部分を含有する挿入
断片のHind III部位がベクターDNAに連結して隣接シグ
ナル配列を有する遺伝子を形成したとき、正しい配向が
存在していたのである。イー・コリDH1(Invitrogen
社)細胞を形質転換し、次いでコロニーを、フィルター
−マイクロ波法を用いてスクリーニングした(Buluwela
ら、Nueleic Acids Research,17巻、452頁、1989年参
照)。数百個のコロニーを有する形質転換プレートか
ら、3個の陽性コロニーを得た。候補的プラスミドをSa
l Iおよびkpn I(各々シングルカッターである)で消化
したところ、産生されるDNAフラグメントの大きさによ
って配向の差が識別された。単一クローンpDYSCFV1(図
23)は正しい配向を有し、その後の試験とクローン化に
用いた。使用されたプローブは、Kpn IとCal Iで消化し
たpRL1001から誘導した(図18参照)。そのプローブDNA
には、ランダムオルゴヌクレオチドプライマー標識付け
キット(米国、ニュージャージィー州、ピスカタウェ
イ、Pharmacia LKB Biotechnology社)を用いて32p α
−dCTPで標識をつけた。
次のステップは、pDYSCFV1由来のBgl II−Sal1フラグ
メントを、pCGS515(図23)から誘導された他のベクタ
ー(約9kb)の同じ制限部位に導入して、エス・セレビ
シェ(S.Cerevisiae)内で自律的に複製するプラスミド
を得るステップである。
上記のフラグメントを挿入されたベクター由来のDNA
を、10x緩衝液No.3(50MMトリス−HCl(pH8.0)、100mM
NaCl,BRL)を用いてBgl IIとSal Iで別個の反応で消化
した。pDYSCFV1由来のDNAフラグメントを、5%ポリア
クリルアミドゲル中を電気泳動させ次に電気溶出を行っ
た。そしてその挿入断片のDNAを、3.75%のポリアクリ
ルアミドゲル中を電気泳動させ次いで電気溶出を行っ
た。T4 DNAリガーゼ(Stratagene社)を用いて標準の連
結を行い、次いでイー・コリDH1(Invitrogen社)を用
いて形質転換を行った。Bgl IIとSal IIでスクリーニン
グを行うために選択した6個のクローンがすべて正しく
配向されていた。一つをpCGS515/SCFV1と命名した(図2
3)。
pCGS515/SCFV1 DNAのDNA配列決定を、pCGS515/SCFV1
DNAを用いるSequenase(登録商標)キット(米国、オハ
イオ州、クリーブランドのU.S.Biochemical社)を利用
して行った。試験結果を図22に示したが、リンカー、Hu
m4 VLおよびCC49VHに基づいて予想した配列を確認す
る。
自律的に複製するプラスミドpCGS515/SCFV1を使用す
る酵母細胞の形質転換を、Itoら、J.Bacteviol.,153
巻、163〜168頁、1983年;および“Current Protocols
in Molecular Biology"Ausebelら編集、2:13.71〜13.76
に記載されているTrecoの文献1987年に記載されている
酢酸リチウム法で実施した。エス・セレビシェの受容菌
株は、遺伝子型−MATα(交配菌株α)、ura3−52(ラ
ウシル栄養要求性)、SSC1−1〔超分泌性−1(supers
ecreting1)〕、およびPEP4+(ペプチダーゼ4陽性)を
有するCGY1284であった。
SCFVプラスミドを有するCGY1284の形質転換クローン
は、ウラシルなしの最少培地で増殖するそれらの性能に
よって選択した。形質転換されたコロニーは3〜5日以
内に出現した。これらのコロニーをYEPD培地に移し、増
殖させ次いでプレートした。振盪フラスコを用いて、発
現した産物を含有する培養上澄み液を得た。
ELISA法を用いてSCFV1の生物活性を検出した。この検
定はSCFVが、EL、ISAプレート上のTAG−72抗原との結合
についてビオチニル化CC49(ビオチン−CC49)と競合さ
せて行った。
SCFV1タンパク質は、Superose12ゲル濾過カラム(Pha
rmacia LKB Biotechnology社)を用いて、粗製の酵母培
養上澄み液から部分的に精製したが、ビオチニル化CC49
と競合することが競合ELISA法で見出された。これらの
試験結果は、SCFV1がTAG−72結合活性をもっていたこと
を示している。
SCFV1タンパク質は標準のウェスターンプロトコルに
よって検出さた(Towbinら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,
76巻、4350〜4354頁、1979年参照)。検出試薬はビオチ
ニル化FAID14(ATCC No.CRL 10256)であり、これはCC4
9で免疫化されたマウスから製造した抗イディオタイプ
モノクローナル抗体であった。見掛けの分子量が約26,0
00ダルトンのバンドが視覚化されたが、これはSCFV1の
予想された大きさであった。この試験結果は、SCFV1が
分泌されて適正にプロセスされたことを示している。
実施例4 以下の実施例は、Hum4 VLおよびUNIHOPEと呼ばれる2
5アミノ酸リンカーをコードする配列を有するSCFVプラ
スミド構造体へのヒトVH遺伝子のクローン化を示す。
ベクターは、クローン選択に用るクロラムフェニコー
ル耐性(Camr)遺伝子、およびpenPのプロモーターとタ
ーミネーターを有するpenP遺伝子(Mezerら、J.Biol.Ch
em.,258巻、11211〜11218頁、1983年)およびpe1Bシン
グル配列(Leiらの1987年の前記文献)を含有するプラ
スミドpRW83から製造した。このベクターはフラグメン
トAと命名した(図24参照)。penP遺伝子はHind III/S
al Iによる消化で除去した。
penPプロモーターとpel Bシグナル配列は、鋳型とし
てpRW83を用いおよびプライマーとしてオリゴヌクレオ
チドのpenP1とpenP2を用いてPCRによって得た。そのフ
ラグメントをフラグメントBと命名した(図24参照)。
Nco I酵素制限部位を、penP2オリゴヌクレオチドによっ
て、シグナル配列領域の3′末端に導入した。
Hum4 VL,CC49 VH及び18アミノ酸リンカー(Lys Glu
Sey Gly Ser Val Ser Ser Glu Glu Leu Ala Gln Phe Ar
g Ser Leu Asp)で構成されたSCFVは、オリゴヌクレオ
チドのpenP3とpenP6を用いPCRによってpCGS515/SCFV1か
ら得た。このフラグメントをフラグメントDと命名した
(図24参照)。Bel I部位を、penP6オリゴヌクレオチド
によって、VH領域の3′末端に導入した。
フラグメントBとDを、Hortonらの上記文献の方法に
したがって、オリゴヌクレオチドのpenP1とpenP6を用い
PCRで連結した。この新しいフラグメントをフラグメン
トEと命名した(図24参照)。
penP終止コドンを含有するフラグメントCは、pRW83
をBcl IとSal Iで消化することによって単離し、フラグ
メントCと命名した。pRW83は、イー・コリ菌株GM161か
ら単離した。なおこの菌株は、DNAメチラーゼマイナス
すなわちdam-である。
プラスミドpSCFV31(図24参照)は、三つの部分の連
結フラグメントA,CおよびEで創製した。
Camr遺伝子内のNco I制限酵素部位およびpSCFV31のpe
nPプロモーターの5′末端に配置されたHind III部は、
PCR DNA増幅によって破壊され、この増幅には、オリゴ
ヌクレオチドのNco1.1とNco1.3(−)を用いてEcoR I−
Nco Iフラグメントを生成させ、およびオリゴヌクレオ
チドのNco1.2とNco1.4c(−)を用いてNco I−NcoR Iフ
ラグメントを生成させた。これら二つのフラグメント
を、オリゴヌクレオチドNco1.1とNco1.4c(−)を用い
てPCR−SOEによって連結した。これらのオリゴヌクレオ
チドは下記のとおりである。
pSCFV31をEcoR Iで消化し、大きい方のフラグメント
をポリアクリルアミドゲル電気泳動で単離した。自己連
結を防止するため、DNAは、Sambrookらの上記文献の教
示にしたがって仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼを用
い脱リン酸化させた。pSCFV31を消化して得た大きいフ
ラグメントとPCR−SOEフラグメントの二つの部分を上記
のようにして連結しpSCFV31bを創製した(図25参照)。
pSCFV31bをNco IとSal Iで消化してCamr遺伝子を含有
するフラグメントを単離した。
Hum4 VLは、鋳型として、pCGS515/SCFV1を用い、プ
ライマーとしてオリゴヌクレオチドの104BH1と104BH2
(−)を用いてPCR DNA増幅法で得た。
CC49VHは、鋳型としてp49g1−2.3(図5)を用い、プ
ライマーとしてオリゴヌクレオチドの104B3と104B4
(−)を用いてPCRによって得た。Nhe I酵素制限部位
を、3′末端の終止コドンのすぐ後に(Bcl I部位の
前)、オリゴヌクレオチド104B4(−)によって導入し
た。
これら二つのフラグメントを、プライマーとしてオリ
ゴヌクレオチドの104BH1と104B4(−)を用いて連結す
るPCRにおいて、22アミノ酸リンカーのコーディング領
域が生成した。
penP終止コドンを含有するフラグメントC(先に述べ
たのと同じ)を、Bal IおよびSal Iで消化したpRW83か
ら単離した。
プラスミドpSCFV33H(図25参照)は、ベクター、フラ
グメントCおよび上記のSCFVフラグメントの三つの部分
を連結することによって創製した。
pSCFV33HをNco IとNhe Iで消化し、Camr遺伝子を含有
するDNAフラグメントをベクターとして単離した。
Hum4 VLは、鋳型としてpRL1001(図18参照)を用
い、プライマーとしてオリゴヌクレオチドUNIHIおよびU
NIH2(−)を用いPCR DNA増幅法によって得た。PCRに用
いたオリゴヌクレオチドは下記のとおりである。
Nco I部位は肉太文字で示し、ハイブリッド形成配列
には下線を引いてある。
Hind III部位は肉太文字で示す。
CC49VHは、鋳型としてp49g1−2.3(図6参照)を用
い、プライマーとしてオリゴヌクレオチドのUNI3および
UNI4(−)を用いてPCRによって得た。
Xho I部位は肉太文字で示し、ハイブリッド形成配列
には下線をひいてある。
Nhe I部位は肉太文字で示しハイブリッド形成配列に
は下線をひいてある。
オリゴヌクレオチドのUNIH1とUNI4(−)をPCR−SOE
増幅に用い、Hum4 VLとCC49VHフラグメントを連結させ
て負に帯電した15アミノ酸リンカーのコーディング領域
を形成させた。そのDNAをNhe IとNco Iで消化し、pSCFV
33HをNco I−Nhe Iで消化して得たベクターフラグメン
トに連結した。得られたプラスミドはpSCFV UNIHと命名
した(図25に示す)。
pSCFV UNIHを構築することによって、適正な位置にす
べての所望の制限酵素部位を有する、あらゆるSCFVに用
る普遍ベクターが創製された。
pSCFV UNIHをHind III/Xho Iで消化して、Camr遺伝
子、Hum4 VLおよびCC49VHを有する大きなDNAフラグメ
ントを単離した。
2Sアミノ酸リンカーをコードするフラグメントを、下
記の二つのオリゴヌクレオチドをアニールすることによ
って製造した。このリンカーUNIHOPEは20S SCA(登録商
標)リンカーに基づいているが〔Whitlow(1990年)“A
ntibody Engineering New Technology and Application
Implications",米国、マサチューセッツ州のIBC USA C
onference Inc.社を参照〕、最初のアミノ酸をセリンか
らロイシンに変えおよび25番目のアミノ酸をグリシンか
らロイシンに変えて、Hind IIIとXho Iの制限部位に適
応した。リンカーUNIHOPEをコードするヌクレオチド配
列は下記のとおりである。
得られたストランドをHind III/Xho Iで消化し次いで
ベクターに連結してプラスミドpSCFV UHH(図27に示
す)を生成させた。プラスミドpSCFV UHHは、Hum4 VL
とCC49VHで構成された生物学的に活性なTAG−72結合SCF
Vを発現する。この発現プラスミドは、β−ラクタマー
ゼpenPプロモーター、ペクチン酸リアーゼpelBシグナル
配列およびpenPターミネーター領域を利用する。異なる
免疫グロブリンの軽鎖の可変領域をNco I−Hind III制
限部位に挿入することができ、異なるSCFVリンカーをHi
nd III−Xho I部位に挿入することができおよび異なる
免疫グロブリンの重鎖の可変領域をXho I−Nhe I部位に
挿入できる。
イー・コリAG1(Stratagene社)を連結ミックス(lig
ation mix)で形質転換し、スクリーニングを行った
後、正しい制限地図のDNAを有する単一クロラムフェニ
コール耐性クローンをその後の試験に使用した。
得られたプラスミド中のSCFV遺伝子のDNA配列と演繹
アミノ酸配列を図26に示す。
pSCFV UHHを含有するイー・コリAGlを、20μg/mLのク
ロラムフェニコール(CAM 20)を含有するLBブロス2ml
中で増殖させた。その培養物を音波処理し、競合ELISA
法を用いて検定した。その細胞は抗−TAG−72結合物質
を産生することが見出された。上記の競合検定法は以下
のようにして実施した。96ウェルプレートを、LS174T細
胞由来のTAG−72の製剤で誘導体化した。そのプレート
を、PBS中1%BSAで31℃で1時間ブロックし、次に3回
洗浄し、ビオチニル化CC49(1mg/mL溶液の1/20,000希釈
液)200 μLを上記ウェルに加えて、プレートを31℃に
て30分間インキュベートした。プレートに結合したTAG
−72の相対量、ビオチニル化CC49、ストレプタビジン−
アルカリ性ホスファターゼならびに着色回数は、抗原ま
たはビオチニル化CC49が過剰ではなく、しかもSCFVによ
る競合を検出する充分なシグナルをもつように経験的に
決定した。正の対照は5μg/mLのCC49と10μL/mLのCC49
Fabであった。負の対称は、PBS中の1%BSAおよび/ま
たは濃縮LBであった。捕捉されなかったタンパク質は洗
い流した。
アルカリ性ホスファターゼを接合させたストレプタビ
ジン(米国、アラバマ州、バーミンガムのSouthern Bio
technology Associates,Inc.社)の1:1000希釈液50μL
を添加し、そのプレートを31℃で30分間インキュベート
した。そのプレートをさらに3回洗浄した。p−ニトロ
フェニルホスフェート溶液50μL(米国、メリーランド
州、ガイサーズバーグのKirkegaard & Perry Laborato
ries,Inc.社)を添加し、発色反応を最少限度の20分間
起こさせた。SCFV結合の相対量はマイクロプレートリー
ダー(microplate reader)(米国、カリフォルニア
州、メンローパークのMolecular Devices Corporation
社)を用いて405〜450nmを走査し、光学濃度によって測
定した。SCFVの結合は、ビオチニル化CC49の結合の減少
および同時に起こる発色の減少を生成した。3個づつの
試験試料の平均値を以下の表に示す。
上記のデータは、イー・コリAG1/pSCFVUHHクローンの
音波処理物に抗−TAG−72活性があったことを示してい
る。
実施例7 プラスミドpSCFVUHHは、以下に述べる方法にしたがっ
て、Xho I〜Nhe Iフラグメント上に他のVH遺伝子を配置
させてSCFVの構成を試験するのに利用できる。このプロ
セスの概略図を以下に示す。
末梢血リンパ球からの全てのRNAの分離: 正常な健康なドナーからの血液を3本の5mL入りの紫
色フタ付きVacutainer管にひき込む。7mLの血液を2本
の15mL入りポリプロピレン管に付加する。同量のリンパ
球調製物(Lymphoprep)(Cat # AN5501,Accurate)を
付加し、逆転して溶液を混合する。20分間18℃1000rpm
で両方の管を遠心分離する。液体の上部近くに結果とし
て得られた白色部域(赤血球を含まない部域)を各試料
から取出し、2本の無菌ポリプロピレン遠心分離管内に
入れる。無菌PBS10 mLを付加し、管を逆転して混合す
る。試料を1500rpm、18℃で20分間遠心分離する。RNAゾ
ーンB方法(Chomezynski及びSacchi(1987)、分析生
化学、162:152−159)に従って結果として得られたペレ
ットから全てのRNAを分離する。簡単に言うと、細胞ペ
レットを0.4mLのRNAゾーン溶液(Cat # CS−105,Cinna
/Biotecx)の中で溶解させる。RNAを、1mLのピペットの
先端を通して細胞ペレットを通過させることによって可
溶化させる。60μlのクロロホルムを付加し、15秒間溶
液を振とうする。次にRNA溶液を5分間氷上に置く。15
分間4℃で12000xgの遠心分離により相分離する。上部
(水)相を、RNアーゼを含まない新鮮なマイクロ遠心分
離管に移す。1体積のイソプロパノールを付加し、試料
を一時間−20℃に置く。次に試料を5分間ドライアイス
上に置き、最終的に、14000 xg、4℃で40秒間遠心分離
する。結果として得られた上清を各試料から除去し、14
4μLの無菌でRNアーゼを含まない水の中にペレットを
溶解させる。最終的モル濃度を0.2 MのNaCLにする。2
体積の100%エタノールを付加し10分間ドライアイス上
に放置し、15分間4℃、14000 rpmで遠心分離すること
により、DNAを再度沈降させる。次に上清を除去し、75
%エタノールでペレットを正常し、12000 xg、4℃で8
分間遠心分離する。次にエタノールを除去し、真空下で
ペレットを乾燥させる。次に結果として得られたRNA
を、1μlのRNアジン(Cat # N2511,Promega)を含む
20の無菌水の中に溶解させる。
cDNA合成: Gene A mpTMPCRキット(Cat #:N808−0017 Perkin E
lmer Cetus)、RNアジンTM(Cat #:N2511,Promega)、
及びAMV逆転写酵素(Cat #:M9004,Promega)を用いてc
DNA合成を行なう。各々の試料について以下のプロトコ
ールが使用される:成 分 MgCl2溶液 4μl 10μlのPCR緩衝液II 2μl dATP 2μl dCTP 2μl dGTP 2μl dTTP 2μl 3′プライマ(ランダムヘキサマー) 1μl RNA試料 2μl RNアジン 1μl AMVRT 1.5μl 試料を3分間80℃に加熱し、次に48℃までゆっくりと
冷却する。次に試料を10秒間遠心分離する。AMV逆転写
酵素を試料に付加し、その後この酵素を37℃で30分間イ
ンキュベートする。インキュベーションの後、各々のdN
TPを0.5μlずっと、0.75の逆転写酵素(Cat #:10911
8,Boehringer,Manheim)を付加する。37℃でさらに15分
間試料をインキュベートする。
PCR反応: ポリメラーゼ連鎖反応によりヒトのVH遺伝子を増幅さ
せるようオリゴヌクレオチドを設計する。5′のオリゴ
ヌクレオチドは、以下のように規定される: 3′のオリゴヌクレオチドは、以下のように規定され
る: PCR反応はGeneAmpTMPCRキット(Cat #:N808−0017,P
rekin Elmer Cetus)で行なわれる。成分は以下に列挙
される通りである。成 分 ddH2O 75μl 10x緩衝液 10μl dATP 2μl dCTP 2μl dGTP 2μl dTTP 2μl 1標的DNA 1μl 25′プライマー 2.5μl 3′プライマー 2.0μl 3AmpliTagTM 1.3μl ポリメラーゼ 1.3μl * 成分は、第1サイクルの92℃で順番に付加されたも
の。
PCRプログラム: 第1段階:94℃で30秒 第2段階:60℃で1分間 第3段階:72℃で45秒間 各反応について約35サイクルを完遂する。全てのPCR
反応はPerkin Elmer Cetus RCRシステム9600サーマルサ
イクラーを用いて行なわれる。
Xho I及びNhe Iを用いたヒトVHインサートの処理: ヒトVH遺伝子をHho I(Cat #:131L,New England Bio
labs)及びNhe I(Cat #:146L,New England Biolabs)
を用いて消化する。各試料について以下のプロトコルを
用いる:物 質 DNA 20μl NEB,緩衝液12 4.5μl Nhe I 2μl Xho I 2μl ddH2O 16.5μl 37℃で1時間試料をインキュベートする。このインキ
ュベーションの後、付加的に1.5 μlのNhe Iを加え、
試料をさらに2時間37℃でインキュベートする。
DNAの精製: 制限酵素消化の後、DNAを5パーセントのポリアクリ
ルアミドゲル(Sambrook et al.,(1989)、前出)上に
走らせる。サイズが390〜420bpのバンドをゲルから切除
する。DNAを電気溶出し、標準的な手順に従いエタノー
ル沈降させる。
オリゴヌクレオチドの組合わせの結果として得られる
PCR産物を合わせてプールする:すなわちJH1245とHVH13
5,HVHZAとHVH46;JH3とHVH135,HVH2AとHVH46;JH6とHVH13
5,HVH2AとHVH46、結果として得られるプールの量を真空
下で50マイクロリットルまで減少させる。次にプールを
4パーセントのポリアクリルアミド(Sambrook et al.,
(1989)、前出)から精製してDNAフラグメントを分離
する。390〜420bpでの結果として得たバンドをゲルから
切除する。切除したゲル切片からのDNAをSambrook(前
出)が規定している標準的プロトコルに従って電気溶出
する。
pSCFVUHH Xho I/Nhe Iベクターフラグメントの分離 15μL中約5μgのpSCFVUHHプラスミドを、Magic Mi
ni−prepTMシステム(Promega)を用いて分離する、こ
れに5.4μLの10×緩衝液#2(New England Biolab
s)、45ユニットのXho I(New England Biolabs)、15
ユニットのNhe I及び24μLのddH2Oを付加する。反応を
37℃で1時間進行させる。4%のポリアクリルアミドゲ
ル上に試料を装てんし、電気泳動させ、前述のとおり電
気溶出により精製する。20μLのddH2O中でDNAペレット
を溶解させる。
Xho I/Nhe Iで消化したpSCFVUHH 100ナノグラムを、T
4 DNAリガーゼ(Stratagene)を用いてXho I及びNhe I
で消化された1対1のモル比の精製ヒトVHインサートと
連結させる。供給業者の指示に従って、コンピーテント
E.coli AG1細胞(Stratagene)を形質転換するのにアリ
コートを用いる。
GvwP親水性膜(Cat # GVWP14250,Millipore)をCAM2
0LB寒天平板上に置く(Sambrook et al.,1989)。各々
の平板に1枚の膜を加える。以上からのE.coli AG1形質
転換懸濁液を400マイクロリットル、各膜の表面全体に
わたり均等に伸展させる。平板を16時間37℃の周囲温度
でインキュベートする。
TAG−72でコーティングされた膜の調製: LS174T−細胞内で再生された部分的に精製された1%
希釈の腫瘍関連糖タンパク質−72(TAU−72)をTBS(Ca
t # 28376,Pierce)内で調製する。TAG希釈物10ミリリ
ットルを今後の使用のためのペトリ皿(Cat # 8−757
−14 Fisher)の中に置く。Immobilon−P PVDFトランス
ファ膜(Cat # SE151103,Millipore)をメタノール内
に浸漬する。次に膜を3回無菌2重精製水の中で洗う。
最終洗浄の後、余分な水を排出させる。各々の膜を10ミ
リリットルの希釈TAG−72内に入れる。穏やかに振とう
させながら一時間周囲温度で膜をインキュベートさせ
る。インキュベーションの後、膜を約1時間周囲温度
で、ウェスタン遮断溶液(25mMのトリス、0.15MのNaCl,
pH7.6;1%のBSA)を用いて遮断する。
遮断溶液をTAG膜から排出させる。TAG−72にさらされ
た側面が上に向いている状態で、膜を新鮮なCAM20平板
上に置く。結果として発生したエアポケットを除去す
る。次に細菌膜を、コロニー側を上にしてTAG膜に付加
する。寒天平板を24〜96時間周囲温度でインキュベート
する。
TAG−72及び細胞膜の方向性は、不変色インキで印づ
けされている。寒天表面から両方の膜を取り出す。0.2
ngのCC49−ビオチンプローブ抗体を含む20mlのウェスタ
ン抗体緩衝液(0.05%のTween−20中のTBS,Cat # p−1
379,Sigma Chemical Co.,1%のBSA,Cat # 3203,Biocel
l Laboratories)の中にTAG−72膜を置く。細胞膜をそ
の当初の方向性で寒天表面上に再度置き、取り置きして
おく。CC49−ビオチンを、穏やかに振とうさせながら31
℃で1時間TAG膜に結合させる。次に膜を3回TTBS(TB
S,0.05%のTween−20)を用いて300 rpmで軌道振とう装
置上で5分間洗浄する。ウェスタン抗体緩衝液にストレ
プトアビジンアルカリホスファターゼ(Cat # 7100−0
4,Southern Biotechnology Associates)を付加して0.1
%の溶液を生成する。TAG−72膜を各々15ミリリットル
のストレプトアビジン溶液の中に浸漬させ、穏やかに振
とうしながら37℃で30分間インキュベートさせる。
インキュベーションの後、膜を前述のとおりに洗浄す
る。ウェスタンアルカリ性リン酸緩衝液(8.4g、NaC
O3、0.203 gのMgCl2−H2O,pH9.8)を用いて周囲温度、2
00 rpmで2分間、最終的洗浄を行なう。膜を発達させる
ため、各膜表面にウェスタンブルー安定化基質(Cat #
S384 B,Promega)を付加する。周囲温度で30分間、ddH
2Oで3回膜をすすぐことにより、膜の発達を停止させ
る。次に膜を写真撮影する。次に膜を写真撮影し、透明
なゾーンを、以前に取り置きした親水性膜上のコロニー
と相関させる。培養中の成長のためコロニー(単数又は
複数)を分離し、特異性及び親和力を評価するためのタ
ンパク質の調製及び配列決定のためプラスミドDNAを調
製するのに使用する。
pATDFLAGを用いたHum4 VL−ヒトVHの組合せの同定 第2の検定システムにおいては、検定段階でTAG−72
でコーティングした疎水膜に結合したあらゆるHum4 VL
−VH SCFV組合せを検出するためのプローブとしてIBI M
II抗体が使用されるという点を除いて、前出の概要に従
ってTAG−72に結合するHum4 VL−ヒトVH組合せが発見
される。
Hum4 VLと隣接して発現されるべきあらゆるヒトVH
伝子の3′にフラグコーティング配列を内含するため、
pSCFVUHH(図29参照)からプラスミドpATDFLAGを生成し
た。Xho I及びNhe Iで消化され精製された時点で、プラ
スミドpATDFLAGは、このSCFVフォーマット中にHum4 VL
を含むヒトCH発見プラスミドとなる。プラスミドpATDFL
AGは以下のように生成された。アニールされたFLAG及び
FLAGNCオリゴヌクレオチドとの連結反応においては、Xh
o I及びNhe Iで処理されたプラスミドpSCFUVHH(分離し
た上述のとおりのもの)を使用した。
連結緩衝液(Stratagene)を用いて等モル量(各々1
×10-10モル)のオリゴヌクレオチドFLAGCとFLAGNCを混
合した。試料を94℃に加熱し、以下の連結反応において
使用する前に35℃以下にまで冷却させる。
pATDFLAGを得るための連結反応成 分 pSCFVUHH Xho I/Nhe Iベクター 1.5μl アニールされたFLAGC/FLAGNC 0.85μl 10x連結緩衝液 2μl T4 DNAリガーゼ 1μl 10MM ATP 2μl ddH2O 12.65μl 以上で開示した連結プロトコルに従って以下の成分及
び量を用いて反応を実施する。3μlの上述の連結反応
を用いてE.coli AG1細胞(Stratagene)を形質転換し、
CAM20プレートを用いてコロニーを選択する。適切なNhe
I,Xho I及びNhe I/Xho I制限パターンをもつクローン
を、DNA配列決定のために選択する。
PATDFLAG中のフラグリンカーの配列を確認するために
用いられるオリゴヌクレオチド(図28参照)はPENPTSE
Q:5′−CTTTATGTAAGAAGATGATGTTTTG−3と呼ばれる。こ
のオリゴヌクレオチドはpenPターミネーター領域の非コ
ーティング鎖から誘導される。DNA配列決定は、メーカ
ーの指示事項に従ってSequenaseTM配列決定キット(U.
S.Biochemical,Cleveland,OH)を用いて行なわれる。Hu
m4 VL−UNIHOPEリンカー−FLAGペプチドのDNA及び演繹
されたアミノ酸配列は、図28に示されている。
pSC49FLAGの生成 CC49 VHをXho I−Nhe I pATDFLAGの部位内に挿入し
(図29参照)、TAG−72に対する結合を検出するためのF
LAG検定システムのための正の対照として用いる目的で
生物学的活性について評価する。pSC49FLAG(図29参
照)と呼ばれる新しいプラスミドを次のように生成す
る。Xho I及びNhe Iを用いてプラスミドpATDFLAG(Magi
c MiniprepTMシステム(Promega)により2.5 mlの培養
から精製されたもの、5mg)を処理し、pSCFVUHHについ
て上述したように大きいベクターフラグメントを精製す
る。オリゴヌクレオチドUNI3を5′末端オリゴヌクレオ
チドとしてSC49FAGを3′末端オリゴヌクレオチドとし
て、pSCFVUHHからPCR増幅によりCC49VHインサートDNAフ
ラグメントを得る。C末端にFLAGペプチドを伴う、結果
として得られたこのSCFV抗体のDNA及びアミノ酸配列は
図30に示されている。100pmolの各々のオリゴヌクレオ
チド、0.1ngのpscFVUHH標的DNA(未切断)及びPerkin E
lmer Cetusから提供された標準プロトコルの末端試薬を
用いてPCR反応を行なう。DNAをまずゲル精製し、次にXh
o I及びNhe Iで処理して付着末端を生成し、4%のポリ
アクリルアミドゲルから精製して、前述のとおり電気溶
出する。メーカーの指示事項に従って、100 ngのベクタ
ーDNA(Stratageneキット)を用いて1:1のモル比でDNA
ベクター(Xho I及びNhe Iで処理されたpATDFLAG)及び
インサート(Xho I及びNhe Iで処理されたpSCFVUHHから
のCC49VHPCR産物、を連結し、E.coli AG1コンピーテン
ト細胞を形質転換するのに用いる。pSC49FLAGクローン
として、適切なプラスミドDNAを伴うコロニーを選びと
る。
PCR増殖されたHum4 VHインサートの連結 連結反応のためのプロトコルは以下のとおりである。成 分 DNAベクター:pATDFLAGXho I/Nhe I 2.5μL Hum4 VH(X)DNAインサート: 6μL Xho I/Nhe I 10mMのATP(Stratagene) 2μL 10x緩衝液(Stratagene) 2μL T4 DNAリガーゼ(Stratagene) 1μL ddH2O 6.5μL DNAベクター、ATP、10x緩衝液及びddH2Oを組合わせ
る。DNAインサート及びT4 DNAリガーゼを次に付加す
る。連結反応を次に、18℃でH2Oを含む4のビーカー
内に置く。4℃で一晩冷蔵することによって水の温度を
漸進的に降下させる。この連結反応は、pHum4 VL−Hum
VH(x)を生成する。
pHum4 VL−Hum VH(x)連結混合物でのE.coli AG1の形
質転換 コンピーテントE.coli AG1細胞(Stratagene,La Joll
a)内へのpATDFLAGの形質転換は、以下の供給業者のプ
ロトコルに従って達成される。
IBI MII抗−FLAG抗体平板検定 最初の3つの段階すなわち、TAGコーティングされた
膜の調製、細菌膜の平板培養、及びTAG及び細胞膜の組
立ては、CC49−ビオチン競合平板検定に記述されている
ものと同じである。
周囲温度で24時間のインキュベーションの後、4分間
250 rpmでTTBSを用いて三回膜を洗う。MII抗体(Cat #
IBI3010,International Biotechnologies Inc)を次に
TBSで希釈して、10.85μg/mlから0.03μg/mlの濃度にす
る。各々の膜に希釈した抗体を10ミリリットル加える。
その後、膜を1時間周囲温度でインキュベートし、70rp
mで回転振とう装置上で振とうさせる。インキュベーシ
ョンの後、MII抗体を除去し、5分間周囲温度で250 rpm
で三回膜を洗う。最終洗液を除去し、ヒツジ抗マウスペ
ルオキシダーゼ結合した全抗体(Cat # NA 931,Amersh
am)の1:2000希釈を20ミリリットル、TBSを用いて調製
し、各々の膜に加える。膜を1時間周囲温度、70rpmで
再びインキュベートする。インキュベーションに続い
て、膜を3回、各々250 rpm、周囲温度で5分間洗浄す
る。メーカーの指示事項に従って膜を発達させるのに、
Enzygraphic webs(Cat # IB8217051,International B
iotechnologies,Inc.)を使用する。
次に膜を写真撮影する。
TAG−72に結合するSCFVを産生する陽性Hum4 VL−VH
(x)クローンについて、発達した膜上の透明なゾーン
を見る代りに(競合スクリーニング検定で見られるよう
に)、この直接FLAG検出検定では、青−紫色のスポット
が、TAG−72でコーティングされた膜に結合したSCFVを
産生するコロニーを表わしている。FLAGシステムを用い
ることの利点は、TAG−72に結合したあらゆるHum4 VL
−VH SCFV組合せが検出されることになるという点にあ
る。親和力は、Scatchard分析(Scatchard(1949)、前
出)により測定でき、又特異性は免疫組織化学により測
定できる。次にこれらの候補を、競合検定(前出)を用
いて特異的エピトープに、及び望ましくは競合抗体又は
擬態に対する結合についてチェックする。
寄託された実施態様は本発明の1態様の(2つの)例
示として意図されたものであることから、本発明は、寄
託された細胞系統によってその範囲が限定れるべきもの
ではなく、機能的に等価な全ての細胞系統が本発明の範
囲内に入る。実際、本発明はその特定の実施態様を基準
にして詳述されてきたものの、当業者にとっては、添付
のクレームの精神及び範囲から逸脱することなくさまざ
まな変更及び修正を行なうことができるということは明
白であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 16/30 C07K 16/30 C12N 1/21 C12N 1/21 G01N 33/53 G01N 33/53 V 33/531 33/531 A 33/574 33/574 B // A61K 51/00 C12N 15/00 ZNAA C12N 15/09 ZNA A61K 43/00 (C12N 1/21 49/02 B C12R 1:19) C (C12P 21/08 C12R 1:19) (72)発明者 ジョンソン,キム エス. アメリカ合衆国,ミシガン 49642,ミ ッドランド,フリーダム コート 3765 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/08 A61K 39/395 A61K 47/48 C07K 16/18 C07K 16/30 A61K 51/00 C12N 15/09 ZNA BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TAG−72のための結合親和性を有する複合H
    um4 VL,VH抗体又は該抗体のTAG−72のための結合親和
    性を有する免疫反応性フラグメントであって: A.ヒトサブグループIV生殖細胞系遺伝子の発現生成物に
    対して少なくとも70%相同であり且つヒトのみの相補性
    決定領域を含有する、ヒトカッパーサブグループIVの軽
    鎖可変領域(Hum4 VL);及び B.VHαTAG生殖細胞系遺伝子の発現生成物に対して少な
    くとも70%相同である重鎖可変領域(VH); を含んで成り、前記VLとVHとの組合せが、TAG−72に結
    合する能力を有する三次元構造を形成することを特徴と
    する抗体又はそのフラグメント。
  2. 【請求項2】VLが、ヒトJ遺伝子セグメントによりさら
    にコードされる請求項1に記載の複合Hum4 VL,VH抗体
    又はその免疫反応性フラグメント。
  3. 【請求項3】VHが、動物D遺伝子セグメント及び動物J
    遺伝子セグメントによりさらにコードされる、請求項1
    に記載の複合Hum4 VL,VH抗体又はその免疫反応性フラ
    グメント。
  4. 【請求項4】可変領域が、CC46、CC49、CC83又はCC92の
    可変領域に由来する、請求項1に記載の複合Hum4 VL,V
    H抗体又はその免疫反応性フラグメント。
  5. 【請求項5】VHが、(1)VHαTAGに由来する遺伝子に
    よりコードされる相補性決定領域(CDR)及び(2)ヒ
    ト遺伝子によりコードされる、上記CDRセグメントに隣
    接するフレーム・ワーク・セグメントを、含んで成る請
    求項1に記載の複合Hum4 VL,VH抗体又はその免疫反応
    性フラグメント。
  6. 【請求項6】軽鎖が、ヒトの軽鎖(CL)の少なくとも一
    部をさらに含み、そして重鎖が、動物の不変領域(CH
    の少なくとも一部をさらに含む、請求項1に記載の複合
    Hum4 VL,VH抗体又はその免疫反応性フラグメント。
  7. 【請求項7】CHが、IgG1-4、IgM、IgA1、IgA2、IgD又は
    IgEである、請求項5に記載の複合Hum4 VL,VH抗体又は
    その免疫反応性フラグメント。
  8. 【請求項8】CLが、カッパ又はラムダである、請求項6
    に記載の複合Hum4 VL,VH抗体又はその免疫反応性フラ
    グメント。
  9. 【請求項9】複合Hum4 VL,VH1本鎖抗体又はその免疫反
    応性断片であって、 a)請求項1に記載の軽鎖可変領域(VL)、 b)請求項1に記載の重鎖可変領域(VH)、及び c)前記VHとVLとを連結するポリペプチドリンカー、 を含んで成り、前記リンカーが、前記VH及びVLを適切に
    折りたたんで、TAG−72に結合する能力を有する1本鎖
    抗体を形成することができる、ことを特徴とする抗体。
  10. 【請求項10】イメージング・マーカー又は治療剤に接
    合される請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合Hum4
    VL,VH抗体又はその免疫反応性フラグメントを含む複
    合Hum4 VL,VH抗体接合体。
  11. 【請求項11】イメージング・マーカーが、125I、
    131I、123I、111In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166H
    o、177Lu、186Re、188Re及び99mTcから成る群から選ば
    れる、請求項10に記載の複合Hum4 VL,VH抗体接合体。
  12. 【請求項12】治療剤が、薬物又は生物学的応答調節
    剤、放射性核種又は毒素である、請求項10に記載の複合
    Hum4 VL,VH抗体接合体。
  13. 【請求項13】薬物が、メトトレキセート、アドリアマ
    イシン又はインターフェロンである、請求項12に記載の
    複合Hum4 VL,VH抗体接合体。
  14. 【請求項14】放射性核種が、131I、90Y、105Rh、47S
    c、67Cu、212Bi、211At、67Ga、125I、186Re、188Re、
    177Lu、99mTc、153Sm、123I又は111Inである請求項12に
    記載の複合Hum4 VL,VH抗体接合体。
  15. 【請求項15】癌のインビボ診断、インビボ処置、及び
    /又は外科手術中の処置における使用のための医薬的と
    して許容される非毒性無菌担体中に、請求項1に記載の
    複合Hum4 VL,VH抗体を含む組成物。
  16. 【請求項16】癌のインビボ診断、インビボ処置、及び
    /又は外科手術中の処置における使用のための医薬的と
    して許容される非毒性無菌担体中に、請求項11に記載の
    複合Hum4 VL,VH抗体接合体を含む組成物。
  17. 【請求項17】癌のインビボ診断、インビボ処置、及び
    /又は外科手術中の処置における使用のための医薬的と
    して許容される非毒性無菌担体中に、請求項12に記載の
    複合Hum4 VL,VH抗体接合体を含む組成物。
  18. 【請求項18】請求項1〜9のいずれか1項に記載の複
    合Hum4 VL,VH抗体又はその免疫反応性フラグメントを
    発現することができる細胞であって、 (A)少なくとも請求項1に記載の軽鎖可変領域(VL
    をコードする第1 DNA配列;及び (B)少なくとも請求項1に記載の重鎖可変領域(VH
    をコードし、VLとの組合せによりTAG−72に結合する能
    力を有する三次構造を形成することができる第2 DNA配
    列により、形質転換されている細胞。
  19. 【請求項19】第1及び第2 DNA配列が、少なくとも1
    の生物学的に機能する発現ベクター内に含まれる、請求
    項18に記載の細胞。
  20. 【請求項20】単一宿主細胞内で、抗体重及び軽鎖の可
    変ドメインを少なくとも含む複合Hum4 VL,VH抗体又は
    その免疫反応性フラグメントを製造する方法であって: A.i)少なくとも請求項1に記載の軽鎖可変領域(VL
    をコードする第1 DNA配列、及び ii)少なくとも請求項1に記載の重鎖可変領域(VH)を
    コードし、VLとの組合せによりTAG−72に結合する能力
    を有する三次構造を形成することができる第2 DNA配列
    により、少なくとも1の宿主細胞を形質転換し、そして B.上記の形質転換された単一宿主細胞内で、上記第1 DN
    A配列と上記第2 DNA配列を独立して発現させる、 の段階を含む方法。
  21. 【請求項21】前記第1及び第2 DNA配列が、少なくと
    も1のベクター内に存在する、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】複合Hum4 VL,VH抗体の抗体重鎖及び軽
    鎖が、宿主細胞内で発現され、そして免疫学的に機能す
    る抗体分子又は抗体フラグメントとしてそれから分泌さ
    れる、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】第2 DNA配列が、CC46、CC49、CC83又はC
    C92のVHをコードする、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】抗体又は抗体フラグメント接合体の製造
    方法であって:イメージング・マーカー又は治療剤と請
    求項1に記載の複合Hum4 VL,VH抗体又はその免疫反応
    性フラグメントとを接触させることを含む方法。
  25. 【請求項25】イメージング・マーカーが、125I、
    131I、123I、111In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166H
    o、177Lu、186Re、188Re又は99mTcである、請求項24に
    記載の方法。
  26. 【請求項26】治療剤が、放射性核種、薬物又は生物学
    的応答調節剤、毒素又は他の抗体である、請求項25に記
    載の方法。
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