JP3044381U - 長 靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で疲労が少なく且つ外装色感覚もあって
ファッション性にも優れる長靴の提供。 【解決手段】 未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒
部に対し上面層を高発泡ポリウレタン又はＥＶＡスポン
ジとなし、接地面層は低発泡ポリウレタン又は０．９０
〜０．９５の低比重硬質ゴムの異色で二層からなる外底
を貼着してなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は軽量化や衝撃吸収及び保温等の実用性とファッション性を同時に満足 させることができる長靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、日常使用される日用品は軽量そのものが機能の一部をなしているといっ てもよく、靴についてもスポーツシューズをはじめとして素材面、構造面におい て軽量化についての研究がなされ、用途に応じて夫々れ市場に提供されている。 ところが、長靴に関してはその防水性と加硫缶による加硫工程を経なければな らないという製造工程面での制約もあり、軽量化がほとんど進んでいないのが実 情である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

長靴の軽量化を図るには長靴を構成する部品のうち重量的にその大部分を占め る外底の軽量化を図る必要がある。もっとも効果的な方法として見掛比重の小さ い発泡体の使用が考えられるが、発泡体が加熱により収縮変形するため脚筒部を 加熱加硫した後二次加工の形で外底を貼着しなければならない。 この場合脚筒部の外底接着部はバッフィングが必要となり作業にかなり手間が かかり、また作業者の熟練度も無視することはできない。長靴について軽量化が 進んでいないのはこれらの問題もその原因の一つをなしており、また単一色の外 底で見栄えが劣り、履心地も決して満足できるものではなく、且つ長時間の履用 で疲れ易いというのが固定的観念となっている。 本考案はこれらの課題を解決するためになされたもので、実用性とファッショ ン性を同時に満足させることができる長靴を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒部に対し上面層を高発泡ポ リウレタン又はＥＶＡスポンジとなし、接地面層は低発泡ポリウレタン又は０． ９０〜０．９５の低比重硬質ゴムの異色で二層からなる外底を貼着してなること を特徴とする。 このさい、未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒部の外底接着部に対し、予 めプライマー及びＣＲ系接着剤を塗布して加硫缶加硫を行い、加硫後脚筒部の外 底接着部をバッフィングすることなく外底を貼着することができる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒部１の外底接着部１ａに対し、プライ マー及びＣＲ系接着剤を塗布して加硫缶加硫を行う。図１はこの状態を示す。 次に、高発泡ポリウレタン又はＥＶＡスポンジの上面層２ａと低発泡ポリウレ タン又は０．９０〜０．９５の低比重硬質ゴムの接地面層２ｂを貼着して図２の 如き外底２を成型する。 このさい、上面層２ａと接地面層２ｂを夫々れ異なる色にしたりするのである 。

【０００６】 先に成型加硫した脚筒部１の外底接着部１ａに塗布したＣＲ系接着剤で脚筒部 １のゴムに接している面は、化学反応によりゴムと結合しているが、ＣＲ系接着 剤表面は粘性を帯びた状態を保っている。 次に、この接着剤の上に更にＣＲ系接着剤を塗布し、一方外底２の接着面をプ ライマー処理したのち、同一のＣＲ系接着剤を塗布して両者を一体的に貼着する 。 しかして、貼着が終わると脚筒全面に対しスプレー塗装を施して製品とする。 図３は該製品斜視図である。

【０００７】 未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒部の外底接着部にプライマーを介して 塗布したＣＲ系接着剤のゴムに接する界面は、加硫缶加硫によって化学反応を起 こして強固な接着となる。 一方、ＣＲ系接着剤の表面は加硫後も粘性を帯びた状態を保っているため、そ の上に更にＣＲ系接着剤を塗布するだけでバッフィングと云う繁雑で熟練度を要 する工程を省略して外底の接着をなし得る。

【０００８】 本考案に於いて外底は高発泡ポリウレタン又はＥＶＡスポンジの上面層と低発 泡ポリウレタン又は低比重硬質ゴムの接地面層からなっており、上面層の高発泡 ウレタン又はＥＶＡスポンジの見掛比重は０．２３〜０．２５であり、接地面層 は硬質ゴムの場合でその比重は０．９０〜０．９５であり、従来一般に使用され ている外底と比較するとその重量は約５０％程度軽くなる。

【０００９】 しかも上面層が高発泡スポンジであるため、歩行時足に加わる衝撃を緩和し、 足の動きに適応して撓むため長時間の使用による疲労も軽減され、冬季の保温効 果も大となる。 加えて外底が上面層、接地面厚の二層からなっており、この二層の色に変化を もたせることにより従来の長靴に見られなかったファッション性を実現すること が可能である。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は以上の通り構成するものであって、本考案によれば繁雑で熟練度を要 するバッフィング工程を省略して発泡質の外底を貼着することにより従来品に比 べ、約２５〜５０％の軽量化を可能とすることができた。 一方、外底上面層の高発泡体による衝撃吸収性、保温性のほか、歩行時に足の 保足性が良いことから長時間の履用でも疲労が少ない等機能面の付加効果も大な るものである。 他方、従来に於ける外底の形状や色に目立つような変化を持った長靴は殆ど見 られないが、本考案によれば２色又はそれ以上の組合せも可能であり、且つ形状 についても変化をもたせることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒部斜視
図である。

【図２】本考案で使用する外底の斜視図である。

【図３】製品斜視図である。

【符号の説明】

１ 脚筒部 １ａ 外底接着部 ２ 外底 ２ａ 上面層 ２ｂ 接地面層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒
   部に対し上面層を高発泡ポリウレタン又はＥＶＡスポン
   ジとなし、接地面層は低発泡ポリウレタン又は０．９０
   〜０．９５の低比重硬質ゴムの異色で二層からなる外底
   を貼着してなることを特徴とする長靴。
2. 【請求項２】 未加硫ゴムシートをもって成型した脚筒
   部の外底接着部に対し、予めプライマー及びＣＲ系接着
   剤を塗布して加硫缶加硫を行い、加硫後脚筒部の外底接
   着部をバッフィングすることなく外底を貼着してなるこ
   とを特徴とする請求項１記載の長靴。