JP3044222U - ゴルフ練習具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイングを矯正するためのゴルフ練習具にお
いて、構造が簡単で、手軽に、かつより効果的にスイン
グチェックができるようにする。 【解決手段】 ゴルフ練習具１０は、主に、グリップ部
１１、振り子部１２、重り部１３、および後述するシャ
フト１４から構成されている。グリップ部１１には、例
えば通常のゴルフクラブに装着される合成ゴムからなる
グリップ材が用いられる。一方、振り子部１２は、胴体
に巻きつく程度に十分な可撓性を有する合成樹脂で構成
されている。ゴルフ練習具１０全体の長さは、例えばド
ライバと同じ程度（４３インチ〜４７インチ）に形成さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はスイングを矯正するためのゴルフ練習具に関し、特に素振りによって スイングを矯正するためのゴルフ練習具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ゴルフのスイング矯正を行うための練習具が多数考案されている。この ような練習具には、大きく分けて、素振り専用のタイプと、実際のクラブに取り 付けてスイングをチェックするタイプとがある。

【０００３】 素振り専用の練習具としては、例えば特開平９−１９５２４号公報に示される ものがある。これは、フレキシブルチューブの波形菅の根元にグリップ部を設け 、先端部にウエイト部を設けるようにしたものである。この練習具で素振りを行 うと、波形菅内の空気の通過によって音が発生するので、この音を聞き分けるこ とによりスイングの善し悪しをチェックすることができる。

【０００４】 一方、実際のクラブに取り付けるタイプでは、例えば特開平７−１５５４１６ 号公報に示されるものがある。これは、衝突を加えることにより電力を出力する 圧電素子と、圧電素子に取り付けられ、圧電素子からの電力によって発光する２ 個のＬＥＤとからなるものである。この練習具を、２個のＬＥＤがクラブフェー ス面と平行となるよようにクラブヘッドの上面に取り付ける。そして、このクラ ブでボールを打つと、インパクトの衝撃によりＬＥＤが発光するので、インパク ト時のフェースの向きや、その後のヘッドの軌道を確認することができる。

【０００５】 しかし、これらの練習具は、スイングの結果が確認できるだけなので、スイン グの善し悪しを判断することはできても、正しいスイング軌道を知ることはでき なかった。

【０００６】 そこで、特開平７−１４８２９８号公報の技術のように、ゴルフクラブのシャ フトの一部にヒンジ機構部を設け、スイング軌道が悪いときにはヒンジ機構部の 部分でシャフトが折れるようにしたものがある。また、この他にも、ゴルフクラ ブそのものを変形して、実際にボールも打てるように構成した練習具が多々ある 。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、特開平７−１４８２９８号公報などのゴルフクラブを変形させた練習 具では、構造が複雑になるため、耐久性に問題があったり、コスト高となってい た。また、室内では振ることができず、手軽にスイングチェックを行うことがで きなかった。

【０００８】 本考案はこのような点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、手軽に、 かつより効果的にスイングチェックを行うことのできるゴルフ練習具を提供する ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案では上記課題を解決するために、スイングを矯正するためのゴルフ練習 具において、グリップ部と、前記グリップの先端から所定の長さだけ延びるよう に形成されるシャフト部と、前記シャフト部の先端より先に延びるように形成さ れ、身体に巻きつく程度の可撓性および長さを有する振り子部と、を有すること を特徴とするゴルフ練習具が提供される。

【００１０】 このようなゴルフ練習具を使用する場合、使用者は、グリップ部を持ち、振り 子部をゴルフクラブのシャフトに見立ててスイングする。すると、スイング軌道 が正しい場合には、テイクバックのトップの位置で振り子部が胴体に巻きつこう とする。ただし、このとき、シャフト部がグリップの先端から所定の長さだけ延 びており、また、振り子部はそのシャフト部の先端より先に延びているため、振 り子部が手元から垂れ下がらないので、首に巻きついたりすることはない。

【００１１】 また、ダウンスイングの軌道が正しければ、フィニッシュをとったとき、振り 子部がテイクバックのときと左右対称の向きから胴体に巻きつこうとする。これ により、ダウンスイングの軌道が正しくとれていることが確認できる。また、こ のときシャフト部は首の付け根に当たるので、その感触によって、フィニッシュ の形が正確にとれていることが確認できる。さらに、振り子部はシャフト部の先 端より先に延びているので、シャフト部が首の付け根に当たっていれば、振り子 部が首に巻きついたりすることがない。

【００１２】 一方、スイングの軌道が悪いと、テイクバックのトップとフィニッシュとで、 振り子部が左右対称の向きから胴体に巻きつこうとせず、さらに、振り子部の先 端部が、スイングの状態に応じて身体の様々な部分に当たる。これにより、使用 者は、スイング軌道が悪いことを容易に確認できる。

【００１３】 こうして、使用者は、振り子部が左右対称に胴体に巻きつくようにスイングを 行い、これを繰り返すことにより、自然に、かつ容易に正しいスイング軌道を身 につけることができる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一形態を図面を参照して説明する。 図１は本考案の一形態のゴルフ練習具の外観構成を示す図である。ゴルフ練習 具１０は、主に、グリップ部１１、振り子部１２、重り部１３、および後述する シャフト１４から構成されている。グリップ部１１には、例えば通常のゴルフク ラブに装着されるような、合成ゴムからなるグリップ材が用いられる。一方、振 り子部１２は、十分な可撓性を有する合成樹脂で構成されている。ゴルフ練習具 １０全体の長さは、例えばドライバと同じ程度（４３インチ〜４７インチ）に形 成されている。

【００１５】 次に、ゴルフ練習具１０の具体的な構造について説明する。 図２はゴルフ練習具１０のグリップ部１１側の構造を示す断面図である。図に 示すように、グリップ部１１の中には、シャフト１４が挿入されている。グリッ プ部１１とシャフト１４は、接着剤や粘着テープなどによって互いに固着されて いる。シャフト１４の材料には、例えば通常のゴルフクラブのシャフトに使用さ れているスチール材またはカーボン繊維材が使用されている。シャフト１４は、 グリップ部１１の先端１１ａよりも所定の長さだけ延びるように形成されている 。具体的には、シャフト１４は、その先端部１４ａとグリップエンド１１ｂとの 距離Ｌ１が、例えば人間の平均的な肩幅（４０ｃｍ〜５０ｃｍ）程度となるよう に形成されている。

【００１６】 なお、通常のゴルフクラブに装着されるグリップ材は、その内部がテーパ状に 形成され、先端部１１ａに向かうほど径が小さくなっている。このため、通常の ゴルフシャフトの外径もテーパ状に形成されている。そこで、あえて、グリップ 部１１内に挿入するシャフト１４に、外径が均一でテーパを持たないものを使用 すれば、先端部１１ａとシャフト１４との結合力が強くなり、グリップ部１１と シャフト１４との間をより強固に結合できる。

【００１７】 振り子部１２は、胴体に巻きつく程度に十分な可撓性を有する合成樹脂部材で 形成されている。ここでは、例えば内側部１２ａが中空のビニル製のホース（内 径１５ｍｍ、外径２０ｍｍ）が使用される。この振り子部１２のグリップ側端部 １２ｂ内には、シャフト１４およびグリップ１１の一部が挿入されている。振り 子部１２とグリップ部１１は、接着剤によって互いに固着されている。また、振 り子部１２とシャフト１４との間も接着剤などで固着することが好ましい。

【００１８】 さらに、シャフト１４の先端部１４ａの角を削ったり内側に屈曲させれば、振 り子部１２との摩擦を低減でき、耐久性を上げられる。 図３はゴルフ練習具１０の重り部１３側の構造を示す断面図である。重り部１ ３は、ほぼ球形の重り部材１３ａと、クッション材１３ｂとから構成されている 。重り部材１３ａは、例えば合成樹脂部材で形成されており、振り子部１２の先 端部１２ｃに接着剤などによって固着されている。重り部材１３ａの重量は、２ ５ｇ程度が好ましい。ただし、この重量は、振り子部１２などの重量との兼ね合 いにより適宜変更できる。重り部材１３ａの外側には、顔などに当たっても安全 なように、クッション材１３ｂが取り付けられている。クッション材１３ｂには 、合成樹脂のスポンジなどが用いられる。

【００１９】 なお、重り部材１３ａと振り子部１２との接続に関しては、図３のやり方以外 にも、例えば、重り部材１３ａに振り子部１２が嵌入できる程度の円筒形の穴を 形成し、この穴に接着剤を塗布した振り子部１２を嵌入するようにしてもよい。 これにより、両者をより強固に結合できる。さらに、これとは別に、重り部材１ ３ａを、振り子部１２の内側部１２ａに挿入し、先端部１２ｃを接着剤等で塞ぐ ようにしてもよい。

【００２０】 次に、このような構成のゴルフ練習具１０の使用方法およびその効果について 説明する。 図４はゴルフ練習具１０を持ってアドレスした状態を示す正面図である。ゴル フ練習具１０を使用する場合、まず、使用者２０は、通常のゴルフクラブと同様 にゴルフ練習具１０のグリップ部１１を握り、スタンスなども通常のスイングと 同じようにとり、そしてバックスイングを行う。

【００２１】 図５はバックスイングの正しいトップの状態を示す図である。トップでの手の 高さやシャフトの角度は人により多少異なるが、正しいテイクバックができたと きには、両手２１，２２が顔と右肩２３との間に上がっていき、また、グリップ 部１１および内部のシャフト１４は地面とほぼ水平になる。このとき、ゴルフ練 習具１０の振り子部１２は、その可撓性によってしなり、先端側が左肩２４また は左腋２５付近に当たる。テイクバック動作で勢いがついた状態では、振り子部 １２は胴体部２６に巻きつこうとする。ただし、振り子部１２は、図２で示した シャフト１４のため、手元からでなく、シャフト１４の先端で支持される部分１ ２ｄから曲がる。これにより、テイクバック動作の勢いで振り子部１２が首に巻 きつくことがない。

【００２２】 こうして正しいトップが確認できたら、使用者２０はダウンスイングを開始し 、一気にフィニッシュまで持っていく。 図６は正しいフィニッシュの状態を示す図である。正しいフィニッシュでは、 顔と左肩２４との間に上がってゆくので、手２１，２２がテイクバックのときと 対称の位置、すなわち、右肩２３または左腋２７に振り子部１２が当たるととも に、振り子部１２が勢いよく胴体２６に巻きつく。また、正しいフィニッシュで は、左肘２８が畳み込まれ、かつ右腕の力を抜いた状態になるので、振り子部１ ２内部のシャフト１４が首の付け根２９に当たる。これらのことを身体で感じる ことにより、使用者２０は、正しいフィニッシュがとれたことが確認できる。

【００２３】 ところで、正しいフィニッシュをとるためには、ダウンスイングでのスイング 軌道が正しくなくてはならない。スイング軌道が正しくないときは、図６のよう なフィニッシュはとれず、振り子部１２の重り部１３が顔や肩などに当たってし まう。このとき、使用者２０は、スイング軌道に問題があることが分かる。

【００２４】 このスイング軌道を決めるのに特に重要なのが、インパクト時の手首の返しで ある。 図７はインパクト時の手の動きの例を示す図であり、（Ａ）は正しい動きを示 す図、（Ｂ）は間違った動きを示す図である。まず、正しい動きのときは、図（ Ａ）に示すように、インパクト時に右手２１が左手２２を追い抜いていく。この ように手首が返ったときには、左肘２８が折り畳まれてフォローでの腕の軌道や ボディーターンが正しくとれるので、フィニッシュも図６のように正しい形にな る。

【００２５】 一方、図（Ｂ）のように、インパクト時に左手２２が飛球線方向に突き出て手 首が正しく返らないと、左肘２８が折り畳まれずフォローで手が詰まった状態に なり、ボディーターンもうまくいかない。このため、スイング軌道が狂ってしま い、フィニッシュでは、図８に示すような不自然な姿勢になる。この場合、振り 子部１２は、胴体２６に巻きつかないでその重り部１３が顔などに当たる。さら に、振り子部１２内部のシャフト１４が、首の付け根２９に当たらない。これら のことを身体で感じることにより、使用者２０は、正しいスイングができていな いことが分かる。

【００２６】 また、ゴルフ練習具１０は、振り子部１２にホース状の部材を使用しているの で、軽量でかつ適度な空気抵抗を有する。このため、速いボディーターンで振れ れば、フィニッシュをとってから少し遅れて振り子部１２が胴体２６に巻きつく 。すなわち、振り子部１２が巻きつくタイミングができるだけ遅くなるように練 習すれば、自然にボディーターンも速くなり、ヘッドスピードも上げられるよう になる。本形態のゴルフ練習具１０を数人の被験者に使用させたところ、非力な 女性でも、わずかな練習量で２０〜３０ヤードの飛距離アップが見られた。

【００２７】 このように、本形態のゴルフ練習具１０で繰り返し素振りを行えば、自然に、 かつ容易に正しいスイングを身につけることができ、飛距離アップも望める。 また、構造が簡単なので、コストを低くできる。

【００２８】 さらに、振り子部１２などが十分に可撓性のある部材で形成されているので、 安全性も問題がない。特に、重り部１３にはクッション材１３ｂが取り付けられ ているので、安全性が確保される。

【００２９】 なお、本形態では、グリップ部１１と振り子部１２とを別部材とし、接着剤な どで互いを固着するようにしたが、両者を同一部材で形成し、一体構造としても い。

【００３０】 また、本形態では、振り子部１２をグリップ部１１に固着するようにしたが、 シャフト１４の先端部１４ａに固着するようにしてもよい。 さらに、本形態では、グリップ部１１とシャフト１４を別部材にしたが、両者 をプラスチック等の固い部材で一体形成するようにしてもよい。

【００３１】 さらにまた、本形態では、振り子部１２として中空の部材を用いたが、中身の 詰まった部材でもよい。また、材料も合成樹脂以外のもの、例えば、太めの紐な どを用いてもよい。

【００３２】 また、本形態では、振り子部１２の先端に重り部１３を取り付けたが、スイン グ感覚が十分に得られるのであれば、あえて取り付ける必要はない。ただし、こ の場合でも、振り子部１２の先端にはクッション材等の保護用の部材を取り付け ることが好ましい。

【００３３】 さらに加えて、図１の説明では、ゴルフ練習具１０全体の長さを、例えばドラ イバと同じ程度（４３インチ〜４７インチ）としたが、室内でも十分にスイング できるように、これよりも短くしてもかまわない。

【００３４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案では、グリップの先端から所定の長さだけ延びるよ うにシャフト部を形成し、身体に巻きつく程度の可撓性および長さを有する振り 子部をシャフト部の先端より先に延びるように形成したので、正しいスイングと 悪いスイングの区別が感覚的に分かるようになり、自然に、かつ容易に正しいス イング軌道を身につけることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一形態のゴルフ練習具の外観構成を示
す図である。

【図２】ゴルフ練習具のグリップ部側の構造を示す断面
図である。

【図３】ゴルフ練習具の重り部側の構造を示す断面図で
ある。

【図４】ゴルフ練習具を持ってアドレスした状態を示す
正面図である。

【図５】バックスイングの正しいトップの状態を示す図
である。

【図６】正しいフィニッシュの状態を示す図である。

【図７】インパクト時の手の動きの例を示す図であり、
（Ａ）は正しい動きを示す図、（Ｂ）は間違った動きを
示す図である。

【図８】悪いフィニッシュの例を示す図である。

【符号の説明】

１０・・・ゴルフ練習具 １１・・・グリップ部 １２・・・振り子部 １３・・・重り部 １４・・・シャフト ２０・・・使用者

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイングを矯正するためのゴルフ練習具
   において、 グリップ部と、 前記グリップ部の先端から所定の長さだけ延びるように
   形成されるシャフト部と、 前記シャフト部の先端より先に延びるように形成され、
   身体に巻きつく程度の可撓性および長さを有する振り子
   部と、 を有することを特徴とするゴルフ練習具。
2. 【請求項２】 前記振り子部の先端には、重り部材が固
   着されていることを特徴とする請求項１記載のゴルフ練
   習具。
3. 【請求項３】 前記重り部材の外側にはクッション材が
   取り付けられていることを特徴とする請求項２記載のゴ
   ルフ練習具。
4. 【請求項４】 前記グリップ部のエンドから前記シャフ
   ト部の先端までの長さが、人間の平均的な肩幅とほぼ同
   じになるように形成されていることを特徴とする請求項
   １記載のゴルフ練習具。
5. 【請求項５】 前記グリップ部とシャフト部は、同一部
   材で一体に形成されていることを特徴とする請求項１記
   載のゴルフ練習具。
6. 【請求項６】 前記グリップ部と振り子部は、同一部材
   で一体に形成されていることを特徴とする請求項１記載
   のゴルフ練習具。