JP3043799B2 - タイヤ成型ドラム - Google Patents

タイヤ成型ドラム

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JP3043799B2
JP3043799B2 JP2305979A JP30597990A JP3043799B2 JP 3043799 B2 JP3043799 B2 JP 3043799B2 JP 2305979 A JP2305979 A JP 2305979A JP 30597990 A JP30597990 A JP 30597990A JP 3043799 B2 JP3043799 B2 JP 3043799B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、バンドの嵌め合わせからグリーンケース
のシェーピングまでをドラム軸からの取外しないに行う
タイヤ成型ドラムに関するものである。
(従来の技術) 乗用車用タイヤ、トラック、バス用タイヤなどを製造
するに当り、いわゆる第1および第2成型を一台のドラ
ムにて行う従来のこの種のタイヤ成型ドラムとしては、
たとえば、特開昭57−208233号公報に開示されたものが
ある。
これは左右一対のビードロック・ターンアップ装置
と、それらの両装置の内側に配置されて、ビードロック
・ターンアップ装置とともに、相互に接近および離隔す
る方向に相対変位される左右一対のショルダーフォーマ
ーとを具え、ビードロックシールおよびターンアップブ
ラダーのそれぞれを、圧力空気の給排に基づいて、半径
方向に進退変位させるとともに、膨縮変形させ、また、
各ショルダーフォーマーの複数のショルダーセグメント
を、エアシリンダの作用によって拡縮変位させるもので
ある。
(発明が解決しようとする課題) ところが、かかる従来技術にあっては、成型ドラムそ
れ自体には、対をなすビードロック・ターンアップ装置
およびショルダーフォーマーのそれぞれを、左右同時に
正確に同期させて作動させるための特別の工夫が全くな
されておらず、これがため従来は、成型ドラムの設置時
の試験運転その他に際し、制御盤に設けられたそれぞれ
の手動減圧弁を操作することによって、成型ドラムのい
ずれか一方側から、比較的長い距離にわたって延在し、
しかも、長さの不揃いなそれぞれの分岐通路の通路内圧
を個々に選択して、左右のビードロックシール、ターン
アップブラダーおよびショルダーセグメントの同期作動
を実現することが一般的であった。
しかしながら、このようにして左右の各構成部材の同
期作動をもたらすときには、たとえば、空気通路の長さ
の違い、変曲部の数の違い、空気通路内への凝縮水の発
生、錆の発生、塵埃の侵入・付着などによって、空気通
路内での圧力空気の流動条件が部分的に変化した場合
に、前述した同期が損われることになり、それ故に、 第1には、左右のショルダーフォーマーのいずれかが
先に、バンドの内周面に接触してバンド折込み、いいか
えれば、バンドの拡径変形を開始することになって、そ
のバンドが、先に接触するショルダーフォーマー側に引
張られるため、バンドに左右方向の偏りが生じ、バンド
に対するビードリング打込位置に誤差を生じてタイヤの
ユニフォミティが低下するという問題があり、 第2には、左右のビードロックシールの作動開始に時
間差を生じ、その後に続くバンドターンアップ工程を直
ちに開始すると、作動が遅れた側のビードロックシール
によるビードロックが不十分となって、ビードリングの
位置ずれを生じ、このことによってもまたタイヤのユニ
フォミティの低下が余儀なくされ、この一方において、
バンドターンアップ工程の開始を、双方のビードロック
が完了するまで待機すると、タクトタイムが長くなって
作業能率が低下するという問題があった。
また第3には、左右のターンアップブラダーが膨張す
るに要する時間に差が生じ、一方のターンアップブラダ
ーが膨張した状態でバンドの両側端部分のターンアップ
を行った場合には、膨張が遅れた側のブラダーにてはビ
ード部を十分に締め付けることができず、接着不良、エ
ア押出不良などが発生するという問題があった。
この発明は、従来技術のかかる問題をことごとく解決
するもので、仮に、空気通路内への凝縮水の発生、錆の
発生、塵埃の侵入・付着などがあっても、成型ドラムの
各作動部分を、高い精度にて同期作動させることができ
るタイヤ成型ドラムを提供するものである。
(課題を解決するための手段) この発明のタイヤ成型ドラムは、中空軸とすることが
できるドラム軸上に、二本のスリーブを軸線方向に摺動
可能に嵌め合わせるとともに、それらの両スリーブを、
相互に接近する方向および離隔する方向へ同期作動させ
る往復駆動手段、たとえばボールねじを、これもたとえ
ば、中空ドラム軸の内周側に配設して設け、また、それ
ぞれのスリーブ上に、それらの軸線方向に摺動可能にシ
リンダを嵌め合わせとともに、これらの各シリンダの往
復作動をもたらすピストンを前記スリーブに固定し、そ
して、各シリンダに、それぞれのリンク機構を介して複
数のハードコアフランジを枢支するとともに、それらの
ハードコアフランジを、一端をそれぞれのリンク機構に
枢支し、他端をスリーブに枢支したそれぞれの駆動リン
クによって拡縮変位可能とし、さらに、各シリンダ内に
配設したビードロックピストンに、それぞれのリンク、
たとえば、彎曲リンクもしくは折曲リンクを介して連結
されて、そのビードロックピストンにより、半径方向に
進退変位されるそれぞれのビードロックセグメントを設
け、これらのビードロックセグメントの近傍位置で、各
シリンダにブラダーを取付けたところにおいて、 それそれのシリンダと固定ピストンとの間、それらの
シリンダとビードロックピストンとの間およびそれぞれ
のブラダーへの加圧流体の給排通路を、ドラム軸の壁内
に設けるとともに、この給排通路を、ドラム軸の長さ方
向の中央部分で、その外周に取付けた分岐用リングによ
ってドラム軸の壁外に導き、そこでその給排通路をドラ
ム軸の軸線方向に分岐させて、分岐通路の相互をともに
等しい長さにわたって延在させるともに、各分岐通路を
入子式構造とし、また、それぞれのシリンダをラックア
ンドピニオンを介して相互連結したものである。
なおここにおいて分岐通路というときは、一本の給排
通路から分岐してのびる通路の他、二本の給排通路をド
ラム軸の長さの中央部分まで一旦導いた後、それらの各
々を分岐させることなしに、相互に対応する所要位置ま
で直接的に延在させた場合の前記中央部分から所要位置
までの通路をも含むものとする。
(作 用) このタイヤ成型ドラムでは、たとえば、中空ドラム軸
の内側に配設されて、その中空ドラム軸の長さ方向の中
央部分を境にリードの向きが相互に逆向きとなるそれぞ
れのボール雄ねじを回転させて、それらの各ボール雄ね
じに螺合させたボール雌ねじを相互に接近する方向もし
くは離隔する方向に同期作動させることにより、それぞ
れのボール雌ねじに連結したそれぞれのスリーブ、ひい
ては、それぞれのスリーブ上に配設した各構成部材を、
中空ドラム軸の軸線方向に、同時に、かつ等量づつ移動
させることができ、この結果として、成型ドラムの各構
成部材を、そこに嵌め合わせるバンドに対して、適正位
置に位置決めすることができる。
それぞれのスリーブのこのような位置決めの終了後
は、バンドをドラム軸2の周りに搬送し、そこでシリン
ダと固定ピストンとの間への加圧流体の給排を行って、
それぞれのシリンダを、相互に近接する方向へ同期作動
させる。
ここでこの同期作動は、ドラム軸の長さ方向の中央部
分で、加圧流体給排通路をドラム軸の軸線方向に分岐さ
せて、相互に逆方向にのびる分岐通路の長さをともに等
しくし、これにより、加圧流体給排通路のその分岐点か
ら、ドラム軸の軸線方向に離隔して位置するそれぞれの
流体給排位置までの加圧流体の流動条件を相互に等しく
し、もって、それぞれの流体給排位置に対する流体給排
タイミング、到達圧力などを同一とすることと、それぞ
れのシリンダに連結したラックを、ドラム軸に取付けた
共用ピニオンにともに噛合させて、両シリンダを機械的
に連結することとによってもたらされ、かかる同期作動
によれば、それぞれのシリンダにリンク機構を介して枢
支したハードコアフランジのそれぞれは、一端をそのリ
ンク機構に、他端をスリーブにそれぞれ枢支した駆動リ
ンクの作用下で、極めて正確に同期しつつ拡径変位され
ることになり、相互に離隔して位置するハードコアフラ
ンジのそれぞれは、まずは、バンドの内周面に同時に当
接してそれを内側から支持し、引き続いて、そのバンド
の同時の折込みを行うことになる。
従って、この折込み作業に当っては、バンドがいずれ
か一方側のハードコアフランジ側に引張られることに起
因する問題を十分に取除くことができる。
しかる後は、それぞれのシリンダ内に配設したビード
ロックピストンを、これもまた相互に同期作動させて、
ビードロックセグメントを、それぞれのシリンダから、
半径方向外方へ同時に進出変位させ、このことによっ
て、所定の位置に位置決め支持されたそれぞれのビード
リングを、ブラダーおよびバンドを介して同時にロック
する。
ここにおいて、それぞれのビードロックピストン、ひ
いては、それぞれのシリンダに対するビードロックセグ
メントの同期作動は、前述したように、シリンダとビー
ドロックピストンとの間への加圧流体の給排を、ドラム
軸の長さ方向の中央部分で分岐させた相互に等長の分岐
通路を介して行うことによってもたらすことができ、か
かる同期作動によれば、それぞれのビードリングのロッ
クタイミングが相違することに起因する問題を極めて有
効に取り除くことができる。
なお分岐通路は、前述した分岐通路も含めて、十分な
シール機能を具えた入子式構造とすることにより、加圧
流体の洩出のおそれなしに、それぞれのシリンダを接近
もしくは離隔方向へ相対移動させることができる。
次には、それぞれのブラダーを同時に膨張させること
によって、バンドの両端部分をブラダーの膨張表面に沿
わせて拡開変形させ、続いて、膨張したブラダーを、装
置外の、たとえば筒状押圧部材によって半径方向内側に
押圧することにより、バンド端部分の、ビードリングを
境とする完全な折返しをもたらすとともに、それらの両
側端部分のバンド本体部分への密着をもたらし、これら
のことによって、バンドの両端部分のターンアップを終
了する。
ここでの両ブラターの同期膨張もまた、前述したよう
に、ドラム軸の長さ方向の中央部分で分岐させた相互に
等長の分岐通路を介して行われ、それぞれの分岐通路を
通る加圧流体の流動条件は相互に等しくなるので、それ
ぞれのブラダーの膨張は十分な精度をもって同期される
ことになる。
従ってバンド折返し部分の締め付け不足に起因する、
接着不良、エア押出不良などの問題をほぼ完全に取り除
くことが可能となる。
そしてその後は、筒状押圧部材の後退移動およびブラ
ダーからの抜気を順次に行うとともに、バンド折返し部
分にステッチャーローラを押し当てて、その折返し部分
の、バンド本体部分への圧着およびそれらの間からのエ
アの完全なる押出しをもたらす。
さらには、クッション部材、サイド部材などの貼り付
けおよびステッチャーローラ掛けを施すとともに、ブラ
ダー内への加圧流体の再供給によって、そのブラダーを
ビード部内周面に密着させて、内部エアの、ビード部外
側への洩出を防止し、続いて、両スリーブを、前述した
ボールねじの作用下で相互に接近させる。
このことによれば、それぞれのハードコアフランジ、
ビードロックセグメントおよびブラダーも相互に接近す
るので、その接近作動に合わせてグリーンケース内へ加
圧流体を供給することにより、ブラダーのシール機能に
基づき、そのグリーンケースは、半径方向に膨出され
て、ほぼトロイダル状にシェーピングされる。
かくして、この成型ドラムによれば、軸線方向に離れ
て位置する構成部材のそれぞれを高い精度をもって、常
に、かつほぼ確実に同期作動させることができ、これが
ため、バンドに対するビードリングの打込位置を常に適
正ならしめ、また、それぞれのブラダーによるビード部
の締め付けを、ともに十分大きな力によって、行うこと
が可能となり、作業能率の低下なしに、タイヤのユニフ
ォミティを含むタイヤ品質を大きく向上させることがで
きる。
(実施例) 以下にこの発明の実施例を図示に基づいて説明する。
第1図はこの発明の実施例を示す縦断面図であり、左
右の各半部を相互に異なった姿勢で示す。
図中1はドラム軸を示し、ここでは、中空軸としたこ
のドラム軸1の周りに、二本のスリーブ2を、そのドラ
ム軸1の軸線方向に摺動可能に配設し、これらの両スリ
ーブ2を、ドラム軸1の内側に配置したボールねじ3に
よって、相互に接近する方向および離隔する方向のそれ
ぞれに同期作動能ならしめる。
ここにおいて、ボールねじ3は、中空ドラム軸1に両
端部を軸受けした一本のロッド4に、そのドラム軸1の
長さ方向の中央部分を境としてリードの向きが相互に逆
となるそれぞれのボール雄ねじ5を設けるとともに、こ
れらのボール雄ねじ5に、それぞれのスリーブ2に、シ
フター6を介して連結したボール雌ねじ7のそれぞれを
螺合させることによって構成することができる。
そして各スリーブ上には、その軸線方向に摺動可能に
シリンダ8を配設し、このシリンダ8をスリーブ上に取
付けられて、シリンダ8に内接する固定ピストン9の各
側部への加圧流体、たとえば加圧空気の給排によって、
往復駆動可能らしめる。
また、それぞれのシリンダ8の、相互に近接する側の
端部分には、二本の平行リンクからなるリンク機構10を
介して複数枚のハードコアフランジ11のそれぞれを枢支
して、各シリンダ8につき、それぞれのリンク機構10の
起立姿勢で、隣接するハードコアフランジ11のそれぞれ
の外表面を、周方向に円弧状に連続可能ならしめる。
リンク機構10のこのような起立姿勢および倒状姿勢を
所要に応じてもたらすべく、ここでは、各駆動リンク12
の一端を各リンク機構10の一方のリンクに、またその他
端を、スリーブ2の、他方のスリーブとの近接端部にそ
れぞれ枢支し、このことにより、それぞれのシリンダ8
の接近方向の移動によって、リンク機構10の起立変位、
いいかえれば、それぞれのハードコアフランジ11の拡径
変位をもたらし、両シリンダ8の離隔方向の移動によっ
て、リンク機構10の倒状変位およびそれぞれのハードコ
アフランジ11の縮径変位をもたらす。
そしてまた、それぞれのシリンダ8の、相互に離隔す
る側の端部分に、全体としてほぼリング状をなし、固定
ピストン9の外周側に位置するビードロックピストン13
を配設して、このピストン13を、シリンダ8に対し、そ
れの軸線方向に摺動可能ならしめ、このようなビードロ
ックピストン13の、他方のピストン側の端部分に、この
例では、半径方向外方に曲がった彎曲リンク14を介して
ビードロックセグメント15を連結する。
これらのことにより、それぞれのビードロックセグメ
ント15は、ピストン13の往復運動に追従する、彎曲リン
ク14の変位に基づき、ハウジング8の案内下で、半径方
向外方へ進出し、そしてその内方へ後退することができ
る。
さらに、それぞれのシリンダ8の、ビードロックセグ
メント15の配設位置近傍部分に、それぞれのビードロッ
クセグメント15を内包する状態で、ブラダー16を、たと
えば気密に取付ける。
成型ドラムの各構成部品を以上のようにして中空ドラ
ム軸上に組付けした状態で、ここではまた、シリンダ8
と固定ピストン9との間、シリンダ8とビードロックピ
ストン13との間およびブラダー16ヘの加圧流体の給排を
司るべく、中空ドラム軸1の壁内に、周方向に所定の間
隔をおいて位置し、それぞれが装置外の加圧流体給排手
段に接続される六本の給排通路17を形成し、これらの給
排通路17のそれぞれを、ドラム軸1の長さ方向の中央部
分でその外周に取付けた分岐用リング18によって、中空
ドラム軸1の壁外に導き、そこで、各通路を、一方のシ
リンダ8に達するものと、他方のシリンダ8に達するも
のとに分岐させ、そして、一の通路からのそれぞれの分
岐通路19を、ドラム軸1の軸線方向に、相互に等しい長
さにわたって延在させるとともに、シリンダ内のそれぞ
れの所要の位置に開口させる。
ここで、各分岐通路19は、両シリンダ8の相互の接近
および離反方向の移動を許容すべく、その中間部に入子
式構造を有しており、また、その入子式構造部に、加圧
流体の洩出を防止するシール機構を有する。
このことを第2図に示す断面図をもとにより詳細に説
明する。
中空ドラム軸1に形成した六本の給排通路中で、図に
17aで示す通路は、ビードロックセグメント15の進出変
位をもたらすための加圧流体供給通路であり、17bで示
す通路は、そのビードロックセグメント15の後退変位を
もたらすための流体供給通路である。
従って、ビードロックセグメント15の進出時には、一
方の通路17bが、そして、それの後退時には他方の通路1
7aがそれぞれ排出通路として機能することになる。
また、17cは、ハードコアフランジ11の拡径用の、17d
はそれの縮径用のそれぞれの流体供給通路であり、そし
て、17eはいずれか一方のブラダー16に専用の、17fは、
他方のブラダー16に専用のそれぞれの流体供給通路であ
る。
ここで、図示例では、これらのそれぞれの通路を、内
外二重の分岐用リング18によって、中空ドラム軸1の外
側に放射状に導くとともに、図の左半部に示すように、
各通路を、たとえば通路17cを例にとると、外側リング1
8aに取付けられて、紙面と直交する方向へ相互に逆向き
にのびるそれぞれの分岐通路19aに、ともに同一の条件
下で連通させ、そしてそれらの各分岐通路19aを、ハー
ドコアフランジ11の拡縮運動の妨げとならない位置に直
線状に延在させて、シリンダ8と固定ピストン9との間
の、ハードコアフランジ11の拡径側に開口させる。これ
らのことは他の流体供給通路についてもほぼ同様であ
り、従って、分岐用リング18から、一方のシリンダ側に
のびる分岐通路のそれぞれと、そこから他方のシリンダ
側にのびる、対応する分岐通路のそれぞれとは相互に等
しい長さを有することになり、対応する分岐通路への加
圧流体の流動条件は実質的に等しくなる。
なおブラダー16については、そこへの加圧流体の供給
と同時の既存流体の排出を行うことが不要であり、それ
らのいずれか一方のみを行い得れば足りるので、この例
では、前述したように、通路17e,17fのそれぞれを、い
ずれか一方のブラダー16に専用の通路としているも、こ
こではそれらの通路を、対応するそれぞれのブラダー16
に任意の位置で開口させることなく、両者をドラム軸中
央部分の分岐用リング18に一旦導いた後、そこから改め
て、相互に等長の専用通路を介してそれぞれのブラダー
16に連通させていることから、それぞれのブラダー16に
対する加圧流体の給排もまた、相互に等しい流動条件の
下にて行われることになる。
従って、ここにおいて分岐通路というときは、実質的
な分岐通路の他、上述のように、二本の給排通路を分岐
用リング18まで一旦導いた後、それらのそれぞれを、分
岐させることなしに、それぞれのブラダー16に連通する
所定位置まで延在させた場合における、その分岐用リン
グ18から所定位置までの通路部分をも含むものとする。
これがため、六本の流体給排通路のそれぞれからそれ
ぞれの分岐通路を経て所要の開口位置に達する加圧流体
の圧力および流量を、対応する分岐通路のそれぞれにお
いてともに等しくすることができ、それぞれのシリンダ
8に組付けたそれぞれのビードロックセグメント15、ハ
ードコアフランジ11およびブラダー16を、極めて高い精
度で、常にかつ確実に同期作動させることが可能とな
る。
そしてここではさらに、各シリンダ8に少なくとも一
本のラック20を連結し、それらの各ラック20を、シリン
ダ8の軸線方向に延在させて、他方のシリンダ側へ突出
させ、そして、各シリンダ8から突出するそれぞれのラ
ック20を、ドラム軸上に設けた共用ピニオン21に、二本
を一対として噛合させることによって、両シリンダ8の
機械的な連結をもたらす。
このことによれば、上述したところに加え、それぞれ
のシリンダ8の接近、離隔作動が、ラック20とピニオン
21によっても同期されるので、その同期精度がより一層
高められることになる。
なお図示はしないが、グリーンケースのシェーピング
を行うための加圧流体は、ロッド4に形成した通路を経
て供給され、ドラム軸に設けた、シフター移動用のガイ
ド孔を経てグリーンケース内へ供給される。
以上のように構成してなる成型ドラムによるタイヤ成
型は以下のようにして行う。
まずは、ボール雄ねじ5を回転させることによって、
両スリーブ2、ひいては、それらの上に組付けた各構成
部材を、ボール雌ねじ7およびシフター6を介して、中
空ドラム軸上で所要の位置まで接近もしくは離隔させ、
そこで、そのドラム軸2の周りに、第3図(a)に略線
図で示すように配置したバンドBに対して、それぞれの
シリンダ8に配設したハードコアフランジ11のそれぞれ
を同期させて拡径変位させる。
ここでの同期拡径は、前述したように、シリンダ8と
固定ピストン9との間に、共通通路17cから、相互に等
長のそれぞれ分岐通路19aを経て加圧流体を供給して、
両シリンダ8を相互に接近する方向に移動させることに
よりもたらすことができ、両シリンダ8のこの相対移動
は、それぞれのシリンダ8に連結されて、共用ピニオン
21に噛合するラック20によってもまた同期されることに
なる。
従って、シリンダ8のこのような相対変位に基づく、
駆動リンク12の起立作動、ひいては、この起立作動に基
づくハードコアフランジ11の拡径変位は、相互に、極め
て高い同期精度の下にて行われることになる。
ハードコアフランジ11のこのような同期拡径に際し、
ハードコアフランジ11のそれぞれは、はじめに、バンド
Bの内周面にそれぞれ同時に当接してそれを内側から支
持し、そして、引き続く拡径変位によって、ついにはバ
ンドBを、第3図(b)に示すように、同時に折込む。
次いで、シリンダ8内に配設したそれぞれのビードロ
ックピストン13を、これもともに等しい長さを有する分
岐通路を経た加圧流体の供給によって、相互に接近する
方向に同期作動させ、このことに基づいて、各ビードロ
ックセグメント15を、彎曲リンク14を介して、半径方向
外方へ同時に進出作動させる。
これがため、それぞれのシリンダ8に組付けたビード
ロックセグメント15もまた、高い精度で同期して進出
し、所定位置に予め位置決めしたそれぞれのビードリン
グ13を、同時に、第3図(c)に示すようにロックす
る。
その後は、それぞれの専用流体供給通路17e,17fへの
加圧流体の供給に基づき、分岐用リング18からの長さが
相互に等しいそれぞれの分岐通路を経てそれぞれのブラ
ダー16へ加圧流体を供給することによって、両ブラダー
16の同期膨張をもたらし、このことにより、バンドBの
両端部分を、ビードリングRを境として、それぞれのブ
ラダー16の表面に沿って拡開変形させ、引き続いて、両
ブラダー16を、装置外の押圧部材Pによって、第3図
(d)に示すように半径方向内方に押圧することによ
り、バンドBの両端部分の完全なる折返しをもたらす。
ここにおける両ブラダー16の同期膨張もまた、前述し
たように、分岐用リング18からともに等しい長さを有す
るそれぞれの分岐通路への加圧流体の供給によってもた
らされることから、それぞれのブラダー16は、十分な精
度の下で同時に膨張を完了することになり、従って、バ
ンドBの、両折返し部分から、接着不良、エア押出不良
などの問題をほぼ完全に取り除くことができる。
このようにしてバンドBの折返し処理を終了した後
は、押圧部材Pの後退移動およびブラダー16からの加圧
流体の排出を行うとともに、バンドBの折返し部分への
ステッチャーローラ掛けを行い、また、クッション部
材、サイド部材などの貼り付けと、さらなるステッチャ
ーローラ掛けとを行って、第3図(e)に示すような状
態とする。
そしてさらには、それぞれのブラダー16への加圧流体
の再供給によって、各ブラダー16をビード部内周面に密
着させることにより、グリーンケースの内側から外側へ
の、たとえば加圧空気の洩出を防止し、そこで、両スリ
ーブ2を接近作動させるとともに、グリーンケース内へ
の加圧空気の吹込みを行ってそのグリーンケースGを、
ほぼトロイダル状にシェーピングし、しかる後、そのク
ラウン部に、ベルトおよびトレッドを第3図(f)に示
すようにセットし、これらのことによって、成型ドラム
上での一連の成型作業を終了する。
かくしてこの成型ドラムによれば、それぞれのスリー
ブ上の各構成部材のそれぞれを、相互に等しい条件の下
で作動させることにより、対応する各作動部分を高い精
度をもって同期させることができ、これがため、従来技
術の問題点をことごとく解決することができる。
(発明の効果) 以上に述べたところから明らかなように、この発明に
よれば、とくには、それぞれのシリンダと固定ピストン
との間、それらのシリンダーとビードロックピストンと
の間およびそれぞれのブラダーへの加圧流体の給排通路
を、ドラム軸の長さ方向の中央部分で、ドラム軸の軸線
方向に分岐させるとともに、各分岐通路を入子式構造と
し、また、それぞれのシリンダを、ラックアンドピニオ
ンを介して機械的に相互連結することにより、それぞれ
のシリンダと関連するハードコアフランジのそれぞれを
正確に同期拡径させて、バンドの折込みを、そのバンド
の偏りなしに適正に行うことができ、また、ビードロッ
クセグメントのそれぞれによる二本のビードリングのロ
ックタイミング、および、それぞれのブラダーの膨張完
了タイミングをも正確に周期させて、ビードリング位置
およびバンド折返し部の締め付けを十分適正ならしめる
ことができ、この結果として、タイヤの、ユニフォミテ
ィを含む品質を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す断面図、 第2図は、給排通路および分岐通路を例示する断面図、 第3図は、成型工程を例示する説明図である。 1……ドラム軸、2……スリーブ 3……ボールねじ、4……ロッド 5……ボール雄ねじ、6……シフター 7……ボール雌ねじ、8……シリンダ 9……固定ピストン、10……リンク機構 11……ハードコアフランジ、12……駆動リンク 13……ビードロックピストン 14……彎曲リンク 15……ビードロックセグメント 16……ブラダー、17……給排通路 17a〜17f……加圧流体供給通路 18……分岐用リング、18a……外側リング 19……分岐通路、19a……分岐通路 20……ラック、21……ピニオン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム軸(1)と、このドラム軸(1)上
    に摺動可能に嵌め合わせた二本のスリーブ(2)と、そ
    れらの両スリーブ(2)を相互に接近する方向および離
    隔する方向へ同期作動させる往復駆動手段(3)と、そ
    れぞれのスリーブ(2)上に摺動可能に嵌め合わせたシ
    リンダ(8)と、各スリーブ(2)上に取付けられてシ
    リンダ(8)の往復作動をもたらす固定ピストン(9)
    と、各シリンダ(8)にそれぞれのリンク機構(10)を
    介して枢支した複数のハードコアフランジ(11)と、一
    端をそれぞれのリンク機構(10)に、他端を前記スリー
    ブ(2)に枢支されて、それぞれのハードコアフランジ
    (11)の拡縮変位をもたらすそれぞれの駆動リンク(1
    2)と、前記各シリンダ(8)内に配設されたビードロ
    ックピストン(13)に、それぞれのリンク(14)を介し
    て連結されて、半径方向に進退変位されるそれぞれのビ
    ードロックセグメント(15)と、これらのビードロック
    セグメント(15)の近傍位置で、前記各シリンダ(8)
    に取付けたブラダー(16)とを具え、 前記それぞれのシリンダ(8)と固定ピストン(9)と
    の間、それらのシリンダ(8)とビードロックピストン
    (13)との間およびそれぞれのブラダー(16)への加圧
    流体の給排通路(17)を、ドラム軸(1)の壁内に設け
    るとともに、この給排通路(17)を、ドラム軸(1)の
    長さ方向の中央部分で、その外周に取付けた分岐用リン
    グ(18)によってドラム軸(1)の壁外に導き、そこで
    その給排通路(17)をドラム軸(1)の軸線方向に分岐
    させて、分岐通路(19)の相互をともに等しい長さにわ
    たって延在させるともに、各分岐通路(19)を入子式構
    造とし、前記それぞれのシリンダ(8)を、ラックアン
    ドピニオン(20),(21)を介して相互連結してなるタ
    イヤ成型ドラム。
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