JP3043741U - 防寒用ソックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、使用の利便性を維持しつつ、人の
足、特にその指先又はその近傍部分を含む指部分におい
て、低温環境下の冷覚や凍傷等を従来より防止できる防
寒用ソックスを提供する。 【解決手段】 ソックス本体部１とそれに設けられた懐
炉収納用のポケット部２を備えた防寒用ソックスであ
り、ポケット部２はソックス本体部１の、少なくとも足
の親指、人差指、中指、薬指及び小指の挿入部の先端部
から指の付け根を覆う部分付近までをソックス甲部側で
覆っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、防寒用、保温用等の目的で人の足を覆う防寒用ソックスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

防寒用ソックスは、冬などの低温環境下において、人の足の皮膚の表層より低 い温度刺激によって生じる冷覚や酷寒時の凍傷等を防ぐために、その足を覆うた めに用いられる。 従来の防寒用ソックスは、布製、編物製、皮革製等の材質や様々な厚み、形状 のものがある。このような防寒用ソックスは、低温環下における外気の低い温度 に人の足が曝されることを防止するとともに、足からの放熱を防ぐ保温作用を有 している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の防寒用ソックスは、低温環境下の外気温の遮断が十分で なかったり、単に体温の放熱を防ぐために保温をしようとするだけで、それ自体 発熱性がないため、冷寒時の人体の体温調節作用による指先の血液循環機能の低 下等によって、防寒用ソックスを着用しているにもかかわらず、特に指先を含む 指部分の冷覚や凍傷等の防止が十分でないことがある。

【０００４】 また、低温環境下の外気温の遮断を十分にするために特殊な材質を使用した防 寒用ソックスは知られているが、コストが高く、厚みや形状の点で、使用の利便 性に欠け、専門業種向けに使用される場合が多く、一般使用者向けには適さない 。 そこで本考案は、安価で、使用の利便性を維持しつつ、人の足、特にその指先 又はその近傍部分を含む指部分において、低温環境下の冷覚や凍傷等を従来より 防止できる防寒用ソックスを提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決する本考案の防寒用ソックスは、ソックス本体部とそれに設け られた懐炉収納用のポケット部を備えた防寒用ソックスであり、該ポケット部は 該ソックス本体部の、少なくとも足の親指、人差指、中指、薬指及び小指の挿入 部の先端部から指の付け根を覆う部分付近までをソックス甲部側で覆っているこ とを特徴とする。

【０００６】 この本考案防寒用ソックスは、前記ソックス本体部に前記ポケット部が設けら れているだけなので、従来の特殊な材質を使用した防寒用ソックスにくらべ、安 価で使い勝手がよく、しかも前記ソックス本体部に設けられたポケット部に懐炉 （例えば使い捨て懐炉）を収納することによって、低温環境下の人の足、特にそ の指先又はその近傍部分を含む指部分が、懐炉の発熱によりあたためられ、冷覚 や凍傷等をそれだけ防止できる。

【０００７】 前記ポケット部は懐炉を収納することができ、ソックス本体部の、少なくとも 足の親指、人差指、中指、薬指及び小指の挿入部の先端部から指の付け根を覆う 部分付近までを覆う程度のものであれば各種形状のものを採用できる。 また、 前記ポケット部は、ソックス本体部の少なくとも足の５指の付け根を覆う部分付 近まで覆うものとするが、さらにソックス甲部の一部又は全部を覆うものでもよ い。

【０００８】 前記ポケット部は、ソックス本体部とは別途形成されて前記ソックス本体部に 縫い付けや接着等により固定されていてもよいし、該ソックス本体部へ取り付け 取り外しを可能にしてもよい。後者の場合、該ソックス本体部及び該ポケット部 の接合部には接合部材を設けることができ、その接合部材には例えば、ボタン状 のもの、フック状のもの、面状ファスナ等を採用できる。

【０００９】 面状ファスナとは、多数のフック状突起を突設した平坦状の雄部材と、該突起 が係脱できる多数のループまたはループ状の部分を突設した平坦状の雌部材で構 成されるもので、一般にマジックテープ等と称されている類のものである。 また、前記ポケット部はソックス本体部と一体的に形成されていてもよい。例 えば、前記ソックス本体部の、少なくとも足の親指、人差指、中指、薬指及び小 指を覆う甲部の一部と、該部分に被せ付けられたポケット用甲部材とで形成する ことができる。

【００１０】 また、いずれにしても、前記ポケット部は、その中に収納した懐炉が落ちない ようにするため、その開口部を閉じておくための手段が設けられていることが望 ましい。すなわち、前記ポケット部の開口部において、その開口部を開閉するた めの開閉用ファスナが設けられていてもよいし、前記ポケット部の開口部を開閉 するポケット蓋及び前記ポケット部の開口部を開放可能に閉じておくためのポケ ット蓋ファスナが設けられていてもよい。後者の場合、ポケット蓋は前記ソック ス本体部側に設けられていてもよいし、前記ポケット部側に設けられていてもよ い。例えば、前記ポケット部の開口部を開閉するポケット蓋及び前記ポケット部 の開口部を開放可能に閉じておくためのポケット蓋ファスナが設けられており、 前記ポケット蓋は前記ソックス本体部に取り付けられ、前記ファスナは該ポケッ ト蓋と前記ポケット用甲部材とに対をなすように設けられているものが考えられ る。また、開閉用ファスナやポケット蓋ファスナは例えば、前記ボタン状のもの 、フック状のもの、面状ファスナ等、前記ポケット部内に収納した懐炉の脱落を 防止できるものであればよい。

【００１１】 さらに、いずれの場合でも、前記ポケット部は、その中に収納する懐炉のソッ クス外への放熱を防ぐため、前記ポケット用甲部材の内面に沿って放熱遮断用部 材を設けてもよい。 前記放熱遮断用部材の材質としては綿、羽毛、発泡樹脂、アルミ等の金属箔や 膜、或いはこれらの組合せ等で断熱性、或いは熱反射性のあるものを挙げること ができ、これらの中でも加工やポケット部へ設けるのに容易なものが望ましい。

【００１２】 放熱遮断用部材はシート状に形成したものなどを前記ポケット用甲部材の内側 に嵌め込む、縫い付ける、又は接着する等してもよいし、前記ポケット用甲部材 の内側に直接アルミ等を真空蒸着するなどして放熱遮断用膜として形成してもよ い。また、前者の場合のシート状に形成したものは、放熱遮断用材料自体から形 成したものでもよいし、シート状体に前記放熱遮断用膜や放熱遮断用部材を形成 したものでもよい。

【００１３】 そして、前記ソックス本体部はいずれの場合でも、本防寒用ソックスを履いて 歩いたときに滑らないように該ソックス本体部の底面部に滑り止め用部材が設け られていてもよい。 前記滑り止め用部材の材質には天然ゴム、合成ゴム、各種樹脂などで、摩擦抵 抗の大きいものが好ましく、さらには加工やソックス本体部へ設けるに容易なも のものがよい。該滑り止め用部材は、該ソックス本体部の底面部に全面的に又は 部分的に設けることができる。設け方としては、滑り止め用部材の材料の塗布や 成形による形成、予め形成したものの接着、逢着等による接合などを例示できる 。また、面状に、散点状に、或いはこれらを組み合わせる等して設けることがで きる。

【００１４】 前記ソックス本体部及びポケット部並びにポケット蓋の材質としては、各種の ものが採用でき、例えば天然繊維、合成繊維からなる布、毛糸または天然皮革、 合成皮革など従来の防寒用ソックスで採用されているものを例示できる。 なお、前記ポケット部は懐炉の収納と共に小物の収納も考えられ、この場合前 記ポケット部内に懐炉と前記小物を区切るための仕切りが設けられていてもよい 。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。 図１（Ａ）は本考案に係る防寒用ソックスの一例の左右共用の形状のものの分 解斜視図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＸ−Ｘ線に沿う切断端面図、図２（Ａ）は 本考案に係る防寒用ソックスの他の例の左右共用の形状のものの平面図、図２（ Ｂ）は図２（Ａ）のＹ−Ｙ線に沿う切断端面図である。

【００１６】 図１に示す防寒用ソックスはソックス本体部１とポケット部２を備えており、 ポケット部２がソックス本体部１へ取り外し可能に取着される。 ソックス本体部１はソックス布１ａと、足首布１ｂと、雌の面状ファスナ部分 ３ａ、３ｂを含んでいる。ソックス布１ａは足の親指、人差指、中指、薬指及び 小指を含む足を覆うソックス形状をしている。足首布１ｂはソックス本体部１の 足首部１ｃにあり、帯状の足首布１ｂを足首に巻き付ける位置でソックス布１ａ に縫い付けられており、伸縮性のある布が使用されている。雌の面状ファスナ部 分３ａはソックス本体部１の甲部において、親指（又は小指）の指先からその付 け根を通って甲の中央付近に、雌の面状ファスナ部分３ｂは小指（又は親指）の 指先からその付け根を通って甲の中央付近にそれぞれ縫い付けられ、ポケット部 ２の取り付け及び取り外しのために接合部材として用いられている。

【００１７】 ポケット部２はポケット布２ａ、２ｂと、雄の面状ファスナ部分４ａ、４ｂと 、ポケット開閉用ファスナ５と、放熱遮断用部材としての熱反射シート６を備え ている。雄の面状ファスナ部分４ａ、４ｂはポケット部２の内面側において、ソ ックス本体部１の雌の面状ファスナ部分３ａ、３ｂと対をなす位置にそれぞれ縫 い付けられ、ソックス本体部１とポケット部２は、それら面状ファスナにより相 互に取り外し可能に接合することができる。ポケット布２ａ、２ｂはポケット部 ２の開口部８となるべき部分を残してポケット形状に周囲を縫い合わされており 、開口部８から使い捨て懐炉７を収納できる。

【００１８】 このように本防寒用ソックスは、ソックス本体部１とそれに設けられた懐炉収 納用のポケット部２を備えており、該ポケット部２は該ソックス本体部１の、少 なくとも親指、人差指、中指、薬指及び小指の挿入部の先端部から指の付け根を 若干越えた部分までを覆うことができる。 また、開口部８には、ポケット開閉用ファスナ５が縫い付けられており、開閉 用ファスナつまみ５ａを左右に移動させて開口部８を開閉できる。このファスナ ５を閉じておくことで使い捨て懐炉７の落下を防止することができる。

【００１９】 熱反射シート６はポケット甲部にあたる布２ａの内面の略全面に設けられ、図 １（Ｂ）に示すようにポケット布２ａの内面に沿って接着されている。この熱反 射シート６はシート状合成樹脂の上にアルミを真空蒸着させたもので、断熱性、 熱反射性に優れ、懐炉７からの熱を効率よくソックス本体部１に向けるとともに ソックス外部への放熱を抑制する。

【００２０】 次に、本考案に係る防寒用ソックスの他の例について図２を参照して説明する 。 図２に示す防寒用ソックスは、ソックス本体部１０とポケット部１１を備えて おり、ソックス本体部１０とポケット部１１が一体的に形成されている。 ソックス本体部１０はソックス布１０ａ、足首布１０ｂ及び滑り止め用ゴム部 材１６を含んでいる。ソックス布１０ａは親指、人差指、中指、薬指及び小指を 含む足を覆うソックス形状をしている。足首布１０ｂはソックス本体部１０の足 首部１０ｃにあり、帯状の足首布１０ｂを足首に巻き付ける位置でソックス布１ ０ａに縫い付けられており、伸縮性のある布が使用されている。滑り止め用ゴム 部材１６はソックス底面部１０ｄに全面的に、且つ、散点状に接着してあり、ソ ックス底面部１０ｄの床等に対する滑り抵抗を大きくすることで使用者が本防寒 用ソックスを履いて歩いたとき、滑り難くしている。

【００２１】 ポケット部１１はポケット布１２と、ポケット蓋１３と、ポケットボタン１４ と、熱反射シート６を備えている。 ポケット布１２はソックス本体部１０の親指、人差指、中指、薬指及び小指を 一緒に覆う甲部材の一部１０ａ−１の先端から甲の中央付近までにわたり被せら れ、ポケット部１１の開口部８となるべき部分を残して周囲をソックス本体部１ ０に縫い合わされている。すなわち、ポケット部１１はソックス本体部１０の甲 部材の一部１０ａ−１を利用して形成されている。そしてポケット部１１はその 開口部８から使い捨て懐炉７を収納できる。

【００２２】 また、ポケット蓋１３はポケット部１１の開口部８を開閉できるようにソック ス本体部１０に縫い付けられている。そして、そのポケット蓋１３によってポケ ット部１１の開口部８を開放可能に閉じておくためにポケット部１１のポケット 布１２側にポケットボタン１４が、そしてポケット蓋１３側にボタン孔１５が互 いに対をなすように設けられている。このポケット蓋１３のボタン孔１５とポケ ットボタン１４を互いに係合させることで、開口部８を閉じておくことができ、 これによって懐炉７の落下を防止することができる。

【００２３】 また、熱反射シート６はポケット甲部にあたる布１２の内面の略全面に設けら れ、図２（Ｂ）に示すようにポケット布１２の内面に沿って接着され、使い捨て 懐炉７からの熱をソックス本体部１０の方へ効率よく向けるとともにソックス外 部への放熱を抑制できる。 以上説明したいずれのソックスも、ソックス本体部１、１０にポケット部２、 １１が設けられているだけなので、従来の特殊な材質を使用した防寒用ソックス にくらべ、安価で使い勝手がよく、しかもソックス本体部１、１０に設けられた ポケット部２、１１に懐炉（例えば使い捨て懐炉７）を収納することによって、 低温環境下の人の足、特にその指先又はその近傍部分を含む指部分が、使い捨て 懐炉の発熱によりあたためられ、冷覚や凍傷等をそれだけ防止できる。

【００２４】 以上の各例で説明した本考案に係る防寒用ソックスは、親指、人差指、中指、 薬指及び小指の５つの指の挿入部が一緒になった形状をしているが、親指、人差 指、中指、薬指及び小指のいずれか１又は２以上が分かれるように形成さていて もよい。さらに、各例で説明した本防寒用ソックスの形状は左右共用の形状であ るが、左右それぞれ専用の形状になっていてもよい。

【００２５】

【考案の効果】

本考案によると、安価で、使用の利便性を維持しつつ、人の足、特にその指先 又はその近傍部分を含む指部分において、低温環境下の冷覚や凍傷等を従来より 防止できる防寒用ソックスを提供することができる。 また、ポケット部に放熱遮断用部材を設けるときは、ポケット部に収納した懐 炉からの熱を効率よくソックス本体部へ向けるとともにソックス外部への放熱を 抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図（Ａ）は本考案に係る防寒用ソックスの１例
の左右共用の形状のものの分解斜視図、図（Ｂ）は図
（Ａ）のＸ−Ｘ線に沿う切断端面図である。

【図２】図（Ａ）は本考案に係る防寒用ソックスの他の
例の左右共用の形状のものの平面図、図（Ｂ）は図
（Ａ）のＹ−Ｙ線に沿う切断端面図である。

【符号の説明】

１ ソックス本体部 １ａ ソックス布 １ｂ 足首布 １ｃ 足首部 ２ ポケット部 ２ａ、２ｂ ポケット布 ３ａ、３ｂ 雌の面状ファスナ部分 ４ａ、４ｂ 雄の面状ファスナ部分 ５ ポケット開閉用ファスナ ６ 熱反射シート ７ 使い捨て懐炉 ８ 開口部 １０ ソックス本体部 １０ａ ソックス布 １０ａ−１ ソックス本体部の甲部材の一部 １０ｂ 足首布 １０ｃ ソックス底面部 １１ ポケット部 １２ ポケット布 １３ ポケット蓋 １４ ポケットボタン １５ ボタン孔 １６ 滑り止め用ゴム部材

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソックス本体部とそれに設けられた懐炉
   収納用のポケット部を備えた防寒用ソックスであり、該
   ポケット部は該ソックス本体部の、少なくとも足の親
   指、人差指、中指、薬指及び小指の挿入部の先端部から
   指の付け根を覆う部分付近までをソックス甲部側で覆っ
   ていることを特徴とする防寒用ソックス。
2. 【請求項２】 前記ポケット部の開口部を開閉するポケ
   ット蓋及び前記ポケット部の開口部を開放可能に閉じて
   おくためのポケット蓋ファスナが設けられている請求項
   １記載の防寒用ソックス。
3. 【請求項３】 前記ポケット部の開口部において、その
   開口部を開閉するための開閉用ファスナが設けられてい
   る請求項１記載の防寒用ソックス。
4. 【請求項４】 前記ポケット部がポケット用甲部材を有
   しており、該ポケット用甲部材の内面に沿って放熱遮断
   用部材が設けられている請求項１記載の防寒用ソック
   ス。
5. 【請求項５】 前記ソックス本体部の底面部に滑り止め
   用部材が設けられている請求項１記載の防寒用ソック
   ス。
6. 【請求項６】 前記ポケット部が、前記ソックス本体部
   の、少なくとも足の親指、人差指、中指、薬指及び小指
   を覆う甲部の一部と、該部分に被せ付けられたポケット
   用甲部材とで形成されている請求項１記載の防寒用ソッ
   クス。
7. 【請求項７】 前記ポケット部の開口部を開閉するポケ
   ット蓋及び前記ポケット部の開口部を開放可能に閉じて
   おくためのポケット蓋ファスナが設けられており、前記
   ポケット蓋は前記ソックス本体部に取り付けられ、前記
   ファスナは該ポケット蓋と前記ポケット用甲部材とに対
   をなすように設けられている請求項６記載の防寒用ソッ
   クス。
8. 【請求項８】 前記ポケット用甲部材の内面に沿って放
   熱遮断用部材が設けられている請求項７記載の防寒用ソ
   ックス。
9. 【請求項９】 前記ソックス本体部の底面部に滑り止め
   用部材が設けられてる請求項７記載の防寒用ソックス。
10. 【請求項１０】 前記ポケット部の開口部において、そ
    の開口部を開閉するための開閉用ファスナが設けられて
    いる請求項６記載の防寒用ソックス。