JP3042572B2 - 車両用発電機の制御方法および制御システム - Google Patents

車両用発電機の制御方法および制御システム

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JP3042572B2
JP3042572B2 JP5181014A JP18101493A JP3042572B2 JP 3042572 B2 JP3042572 B2 JP 3042572B2 JP 5181014 A JP5181014 A JP 5181014A JP 18101493 A JP18101493 A JP 18101493A JP 3042572 B2 JP3042572 B2 JP 3042572B2
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隆之 海老澤
政克 藤下
正博 佐藤
征一 川崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載され、バッ
テリの充電制御に係る発電機の制御方法および制御シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の制御システムは、レギュレータに
より、発電機の界磁コイルに流れる界磁電流を制御する
ものである。すなわち、レギュレータは、充電されるバ
ッテリの電圧を検出し、この電圧が、所定値以下の場合
に界磁コイルに電流を供給し、所定値以上の場合に電流
を遮断して、発電機の発電を制御している。この代表的
なものとして、特開昭60−16195号公報に開示されてい
るものがある。これは、エンジンの運転状態やバッテリ
の電気負荷使用状態に応じて、マイクロコンピュータを
用いて、総合的かつ良好に、発電を制御する制御装置で
ある。この制御装置は、圧力センサ、回転数センサ、ヘ
ッドランプ投入センサなどの各種センサから信号を取り
込んで、運転状態または電気負荷使用状態を検出する。
そして、これらの状態に対応して、発電機に発電させる
目標発電電圧を設定し、充電制御を行っているものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術によれ
ば、充電制御は、運転状態や電気負荷使用状態に適した
目標発電電圧を設定し、必要に応じて単に切り替えるだ
けであった。確かに、目標発電電圧を切り替えることに
よって、無駄な発電が抑えられ、そのことが、内燃機関
の負荷低減に繋がり、動力性能の向上や低燃費化を実現
し、その効果はあった。しかし、実際は、制御装置から
発電機に送られる目標発電電圧に見合った制御信号が、
ハーネスによる減衰、発電機の発電ばらつきや制御装置
の出力ばらつきなどの影響により、意図したものからず
れてしまい、発電機のバッテリを充電する発電電圧が、
目標発電電圧に一致しないと云う場合があり、今一つ信
頼性に対する配慮不足の点があった。その結果として、
バッテリの過充電や充電不足が起り、バッテリの寿命を
縮めてしまうという問題点があった。
【0004】本発明は、上記の問題点を解消し、動力性
能や低燃費を確保しつつ、バッテリの寿命を延ばし信頼
性のある車両用発電機の制御方法および制御システムを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エンジンに
より駆動される発電機の発電電圧を調整するレギュレー
タに、エンジンの運転状態またはバッテリの電気負荷使
用状態を検出し、運転状態または電気負荷使用状態に応
じて設定する発電機の目標発電電圧に相当する制御信号
を発信して、車両用発電機を制御する制御方法におい
て、発電機の発電電圧を、設定された目標発電電圧に近
づけるように、一旦発信された制御信号に補正を付加
し、発電機の発電電圧と目標発電電圧との電圧差が所定
の値以下になるまで、制御信号を繰返し更新する以下の
ステップを用いることによって達成される。
【0006】運転状態または電気負荷使用状態の検出信
号から車両状態の安定度を判定し、更新開始を決定する
ステップ、発電機の発電電圧と目標発電電圧との電圧差
を求めるステップ、電圧差より更新実行と更新終了を判
定するステップ、電圧差を用いて、補正値を求めるステ
ップ、補正値を用いて、発信された制御信号に補正を付
加するステップ。
【0007】なお、二回目以降の更新実行の時期を計る
ステップを、追加しても良い。
【0008】またさらに、エンジンにより駆動される発
電機と、発電機の発電電圧を調整するレギュレータと、
エンジンの運転状態またはバッテリの電気負荷使用状態
を検出する検出手段と、検出手段からの検出信号を用い
て、運転状態または電気負荷使用状態に応じた発電機の
目標発電電圧を設定し、レギュレータに、目標発電電圧
に見合った制御信号を発信する制御装置とからなる車両
用発電機の制御システムにおいて、検出信号から車両状
態の安定度を判定する手段と、安定度の判定に基づき、
発電機の発電電圧を設定された目標発電電圧に近づける
ように、一旦発信された制御信号に補正を付加し、制御
信号を更新する手段とを設けることによって達成され
る。
【0009】
【作用】本発明よる車両用発電機の制御方法および制御
システムは、ハーネスによる減衰、発電ばらつきや出力
ばらつきなどの影響により、一旦発信された制御信号
が、意図したものとずれてしまうので、正しい制御信号
に補って、再発信するものである。すなわち、ある時点
時点で、設定された目標発電電圧と発電機のバッテリを
充電する発電電圧(以下、バッテリ電圧と云う。)を比
較し、両者の電圧差を監視する。その電圧差を利用し
て、一旦発信された制御信号に補正を付加することによ
り、バッテリ電圧を当初の目標発電電圧に近づける、あ
るいは、一致させるように制御するものである。一回の
補正で、すぐにその電圧差が、縮まるとは限らないの
で、常に監視を続け、必要に応じ制御信号を更新し、補
正する。この時、車両状態が安定していることを、確認
してから、更新補正する。車両状態が安定していない状
態で、更新補正すると、逆に、その電圧差がますます拡
がることにもなり、結局補正したことにならないからで
ある。車両状態の安定度の判断は、バッテリ電圧に大き
く影響するエンジン回転数などの変動を監視して行うよ
うにする。また、過激な補正や急激な補正は、制御のオ
ーバシュートやハンチングとなるので、少しづつ補正す
る緩和補正や補正のタイミングをずらす遅延補正を用い
て、木目の細かい補正制御を行うようにする。
【0010】これによって、ばらつきなどの影響による
目標発電電圧とバッテリ電圧の不一致は、解消され、バ
ッテリの過充電や充電不足が、防止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明による一実施例の車両用発電機
の制御方法および制御システムについて、添付の図面を
参照し説明する。
【0012】図1は、本発明の車両用発電機の制御シス
テムに関する全体構成を示す図である。車両に搭載され
たエンジン7は、クランク軸に連結されたプーリ40と
ベルト41を介して発電機16を駆動する。発電機16
は、バッテリ14を充電する。この時、コントロールユ
ニット(以下、C/Uと云う。)9は、エンジン7の運
転状態などを検出し、その運転状態などに対応した目標
発電電圧を設定する。さらに、C/U9は、目標発電電
圧を電圧指令値に変換し、発電機16へ出力する。発電
機16は、その電圧指令値を発電機16内部のレギュレ
ータ17に取り込み、レギュレータ17の電圧調整のフ
ィードバック制御を受けて、発電する。
【0013】図2は、本発明の車両用発電機の制御シス
テム概要を示す図である。図において、C/U9は、各
種センサからエンジン回転数やバッテリ電圧などの情報
を取り込む。そして、これらの情報から、運転状態や電
気負荷使用状態を、運転状態検出手段20や電気負荷検
出手段21により判断する。判断された運転状態や電気
負荷使用状態に応じた最適なバッテリ電圧(発電機のバ
ッテリを充電する発電電圧)になるように目標電圧設定
手段22は、目標発電電圧を設定する。電圧指令手段2
3は、目標発電電圧に見合った電圧指令値、すなわち、
制御信号を、レギュレータ17へ発信する。
【0014】この時、C/U9から出力された電圧指令
値が、ハーネスによる減衰などの影響を受けて、バッテ
リ電圧を目標発電電圧に一致させるべく決められた電圧
指令値からずれてしまう場合がある。従って、設定した
目標発電電圧通りの発電が行われない場合がある。その
ため、補正値演算手段25が、必要に応じて、補正値を
演算し、一旦出力された電圧指令値に、補正を付加し、
この影響を解消するものである。
【0015】すなわち、この補正値演算手段25は、運
転状態または電気負荷使用状態が安定していると判定し
た時、電圧検出手段24にて検出されたバッテリ電圧
と、目標電圧設定手段22にて設定された目標発電電圧
とを比較し、両者の電圧差(あるいは、電圧差分比率で
も良い。)を用いて補正値を演算する。そして、この補
正値を電圧指令値手段23に送る。補正値を受け取った
電圧指令値手段23は、設定された目標発電電圧から一
旦変換した電圧指令値に、新たに補正値に基づく電圧指
令値を付加し、更新する。その更新された更新電圧指令
値、すなわち、更新制御信号を発電機16へ発信する。
発電機16は、その更新制御信号を発電機16内部のレ
ギュレータ17に取り込み、フィードバック制御を受け
て、バッテリ電圧と目標発電電圧を一致させるように発
電する。
【0016】図3と図4は、本発明による一実施例のフ
ローチャートを示すものである。
【0017】発電機の制御タスクが開始されると、10
0にて、初回電源投入時であるかどうかを判定する。初
回電源投入時であると判定された時は、101にて、記
憶されていた記憶補正値を消去して102へ移行する。
なお初回電源投入時とは、バッテリにバッテリ配線を接
続した時、すなわちバッテリの交換が行われた時など、
初めてC/Uに電源(バックアップ電源を含む)が供給
された状態を指す。102にて、各種のセンサからの運
転状態や電気負荷使用状態の検出情報に基づき、車両状
態を判別する。103にて、102の判別結果に基づ
き、車両状態に対応した目標発電電圧を設定する。10
4にて、設定された目標発電電圧を、発電機16へ出力
するための第1の電圧指令値に変換する。
【0018】105から110までは、車両状態の安定
度を判定し、更新開始を決定するステップである。
【0019】105にて、電気負荷使用状態を表すパラ
メータ、バッテリ電圧の変動△VBを検出する。106
にて、検出された△VBが所定の変動幅の範囲内に収ま
っているかを判定する。収まっていない時は、バッテリ
電圧が安定していないと判断されるので、更新開始を行
わない。107にて、運転状態を表すパラメータ、すな
わちエンジン回転数や車速などの変動△Neや△VSP
を検出する。108にて、△Neや△VSPが所定の変
動幅の範囲内に収まっているかを判定する。収まってい
ない時は、この変動の影響によりバッテリ電圧は安定し
ない、と判断されるので、更新開始を行わない。そし
て、収まっている時は、110にて、所定の変動幅の範
囲内に収まっている時間が、所定の時間以上継続してい
るかを判定する。たとえば、エンジン回転数が、1000か
ら1500rpmへ大きく変動する過渡状態は、勿論である
が、1500rpm近辺で、定常状態に入った後でも、当該収
まっている時間が、所定時間以上継続しない時は、まだ
車両状態が安定していない過渡期であると判断し、更新
開始を行わない。そして、制御を終了する。109は、
車両状態が、二回目以降の更新時には安定していると見
做されるので、更新タイミングを計らずに更新を素早く
行わせるためのステップである。車両状態が安定してい
ない状態で、更新補正しても、結局補正したことになら
ないから更新開始を行わないことが、本発明の特徴であ
る。
【0020】111から114までは、バッテリ電圧と
目標発電電圧との電圧差を求めるステップである。11
1にて、C/U9内部に取り込まれてA/D変換された
バッテリ電圧をN回サンプリングしている。このサンプ
リング回数Nは、発電機16のリップルノイズによる電
圧変動の影響を防止するため、エンジンの気筒数、エン
ジン回転数、発電機のプーリ比、A/D変換の周期など
によって設定される。112にて、サンプリングされた
バッテリ電圧を平均化する。平均化することにより、取
り込み誤差の少ない値とする。113にて、バッテリ電
圧と目標発電電圧の電圧差を求める。114は、電圧差
より更新実行か更新終了かを判定するステップである。
すなわち、電圧差が所定の範囲内にあるかを判定する。
【0021】 (マイナス所定値1)≦電圧差≦(プラス所定値2) 上記の式の所定値1と所定値2は、目標発電電圧に対し
ての更新終了を判定する−側と+側の電圧差である。電
圧差が範囲内にある場合は、更新補正する必要はないと
判断し、更新終了とする。
【0022】115から119までは、電圧差を用い
て、補正値を求めるステップである。
【0023】115にて、電圧差を用いて、補正値を演
算する。たとえば、次のような式で、演算する。
【0024】 補正値=記憶補正値+(電圧差×緩和補正係数) 上記の式の記憶補正値は、予め、過去に行われた更新補
正で使われた補正値を、記憶させて置いたものである。
そして、後ほど説明するステップ119から呼び出した
ものである。また、電圧差分比率を用いて、補正値を演
算する場合は、次のような式で、演算する。
【0025】補正値=記憶補正値+(電圧差分比率×バ
ッテリ電圧×緩和補正係数) なお、補正値は、上記の如き式から求めずに、目標補正
値と云う常に一定の定数としても良い。ステップ101
にて、記憶補正値が、消去された場合は、この目標補正
値を、初期記憶補正値として用いる。
【0026】上記の式の緩和補正係数は、過激な補正
(オーバシュートなど)を防止するための定数で、たと
えば、4分の1〜32分の1くらいとし、補正を少しづ
つ行うようにしたものである。
【0027】116にて、補正値が、上下限の制限値を
越えているかを判定する。この限界把握の目的は、過補
正防止である。115にて、緩和補正を行い、徐々に補
正しているが、ある値を越えて補正すると、過補正にな
るからである。補正値が制限値を越えた場合、115に
て演算された補正値は、117にて所定の上下限の制限
値に置き換えられる。
【0028】118にて、102の状態判別結果に基づ
き、補正値の記憶領域を判定する。そして、119に
て、その判定された記憶領域別に、補正値を記憶する。
ここで、記憶された記憶補正値は、将来の更新補正に備
えられる。
【0029】120から122までは、補正を付加する
ステップである。120にて、決定された補正値を、第
2の電圧指令値に変換する。121にて、104にて設
定された第1の電圧指令値に、この第2の電圧指令値を
付加し、更新補正する。そして、122にて、補正され
た更新電圧指令値を発電機16へ出力して、一回目の補
正制御を終える。なお、第1の電圧指令値に第2の電圧
指令値が付加されて、発電機16へ出力される更新電圧
指令値は、その都度変わるが、ステップ103で設定さ
れた目標発電電圧は、一連の補正制御が終了するまで変
わらない。そして、上記の105から122までを繰返
し、114ステップにて、更新終了と判断された時、こ
の補正制御は、終了する。
【0030】本実施例では、123から125までのス
テップを採用している。これは、二回目以降の更新実行
を、タイミングを見計らって意図的に遅らせているもの
である。すなわち、急激な補正(ハンチングなど)を防
止するための遅延補正である。これは、制御装置の一回
当たりの補正制御時間が、0.1秒位であり、従って、
次から次と更新補正が実行された場合、エンジンの回転
数変動に繋がり、不愉快な振動となる場合があるからで
ある。必ずしも不愉快な振動が発生する訳ではない。こ
れを避けるために、123にて、更新実行の回数を判定
し、124にて、二回目以降の更新実行の場合、一つ前
の更新実行からの時間を計り、たとえば、3〜15秒位経
過したら次の更新実行に移らせるようにするものであ
る。
【0031】実験によれば、少なくともレギュレータの
フィーバック制御周期(約1秒位)よりも、長い時間で
あることが望ましく、5秒位で不愉快な振動が発生しな
くなることが判明している。125にて、更新実行回数
の番号を付ける。その後の105から125までの繰返
しは、前述と同じである。
【0032】また、図5に示した実施例は、106、1
08および110にて制御を終了しないで、200から
204までのサブルーチンSを採用しているものであ
る。
【0033】200にて、ステップ102の状態判別結
果に基づいて、ステップ119で記憶させた記憶補正値
を呼び出す。201にて、200にて呼び出された記憶
補正値を、第3の電圧指令値に変換する。202にて、
第1の電圧指令値に、その第3の電圧指令値を付加し、
203にて、補正後の電圧指令値を発電機16へ出力す
る。この場合のサブルーチンSでは、204にて、常に
更新実行回数の番号をn=0と付ける。そして、制御を
終了する。
【0034】図6は、本発明の制御システムの動作を示
す図である。図示の状態は、目標発電電圧が、運転状態
などにより既に設定されている状態であり、前述のばら
つきなどによりバッテリ電圧が目標発電電圧に対し、低
めとなっている場合である。
【0035】A領域は、エンジン回転数やバッテリ電圧
の変動が予め設定されている範囲以上に変動している状
態を示している。すなわち、この間、補正値演算手段2
5は、運転状態検出手段20、電気負荷検出手段21か
らの検出情報に基づき、エンジン回転数などの変動が、
所定の変動幅の範囲内に収まっているかを判定してい
る。
【0036】B領域は、エンジン回転数などの変動が、
範囲内に収まっている状態を示している。変動が収まっ
ていると判定された場合、次に補正値演算手段25は、
この状態が、予め設定されているt1時間以上継続して
いるかを、判定する。このAからB領域で、車両状態の
安定度を判定する。E点は、車両状態が安定状態である
と判定した点である。E点で、更新補正の実行が開始さ
れる。なお、t1時間を決めることは、なかなか難し
く、ある条件の実験によれば、およそ2秒前後が望まし
いことが判明している。
【0037】C領域は、更新補正の行われている状態を
示している。更新補正が、数回行われて、階段状にバッ
テリ電圧が目標発電電圧に近づく状態を示している。こ
の実施例では、一回目の更新周期t2時間と二回目以降
の更新周期t3時間を、変えた場合を示している。たと
えば、一回目の更新周期t2時間は、制御装置の一回目
の補正制御時間に相当する、0.1秒位とし、二回目以
降の更新周期t3時間は、3〜15秒位とした例を、示し
ている。
【0038】D領域は、バッテリ電圧が、目標発電電圧
に近づいて、電位差が、かなり小さくなった状態を示し
ている。すなわち、更新補正が適正に行われて、更新終
了範囲に入った状態である。更新終了範囲は、目標発電
電圧±数Vに設定されている。これは、制御装置の演算
処理上の分解能不足から生じる制御不安定によるエンジ
ン回転数などの変動を防止するためである。なお、次の
t3時間経過後に、バッテリ電圧が、更新終了範囲外に
なれば、再び更新補正が実行される。
【0039】次に、図7は、二回目以降の更新周期t3
時間の長さによって発生するエンジン回転数の変動を示
す図である。図7(a)は、更新周期が短か過ぎて、補
正された電圧指令値の切り換わりが早いため、これに応
じて発電機16の駆動トルクが上下し、その影響が、エ
ンジン回転数の変動という現象に現れている場合を示し
ている。図7(b)は、更新周期が適当に長いため、電
圧指令値の切り換わりも長く、エンジン回転数の変動
が、小さくなっている場合(W1>W2)を示してい
る。
【0040】この更新周期t3時間は、少なくともレギ
ュレータのフィードバック制御周期より、長い周期に設
定することが、制御系の二重ループ化による制御の発散
を防止し、エンジン回転数の変動を防止するので、望ま
しい。
【0041】図8は、運転区分と補正値を記憶する記憶
領域の関係を示す図である。運転区分は、図8(a)、
(b)に示すように、車両状態とエンジン回転数、ある
いは、目標発電電圧とエンジン回転数などの関係によっ
て、複数に分けられたものである。そして、補正値は、
更新補正の制御が開始された時のこれらの運転区分に対
応して、その記憶領域別に記憶される。発電機の理想
は、車両状態が変動しても発電電圧は変化しないことで
あるが、実際は、過渡特性や経時的な発電特性などによ
り変化し、バッテリ電圧と目標発電電圧に差が生じてい
る。そして、その差は、幅広く変化している。従って、
補正値を運転区分に対応して記憶し、適切に補正を行う
ものである。たとえば、電圧差が大きい運転区分の場合
は、バッテリ電圧が、早く目標発電電圧に達するよう
に、大きな補正値を一回目の更新補正から与え、電圧差
が小さい運転区分の場合は、過補正とならないように、
小さな補正値を一回目の更新補正から与えるようにする
ものである。特に、エンジン始動時や目標発電電圧が切
り替わった時、変化に素早く対応し、電圧差の発生して
いる時間を最小に抑え、バッテリの負担(過充電や充電
不足)を軽減するようにするものである。この対応は、
有効である。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、車両の運転状態や電気
負荷使用状態に応じて、適切に更新補正し、発電機のバ
ッテリを充電する発電電圧を制御するので、ハーネスに
よる減衰、制御装置の出力ばらつきや発電機の発電ばら
つきなどの影響による、目標発電電圧と当該発電電圧の
不一致が解消され、過充電や充電不足を防ぎ、内燃機関
の動力性能や低燃費を確保しつつ、バッテリの寿命を延
ばすとともに過補正、補正不足の無い高信頼性の車両用
発電機の制御方法および制御システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用発電機の制御システムに関する
全体構成を示す図である。
【図2】本発明の車両用発電機の制御システム概要を示
す図である。
【図3】本発明による一実施例のフローチャートを示す
ものである。
【図4】本発明による一実施例のフローチャートを示す
ものである。
【図5】本発明による他の実施例のフローチャートを示
すものである。
【図6】本発明の制御システムの動作を示す図である。
【図7】更新周期の長さによって発生するエンジン回転
数の変動を示す図である。
【図8】運転区分と補正値を記憶する記憶領域の関係を
示す図である。
【符号の説明】
7・・エンジン 9・・コントロールユニット 14・
・バッテリ 16・・発電機 17・・レギュレータ 20・・運転
状態検出手段 21・・電気負荷検出手段 22・・目標電圧設定手段 23・・電圧指令手段 24・・電圧検出手段 25・
・補正値演算手段 40・・プーリ 41・・ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正博 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番 地3 日立オートモティブエンジニアリ ング株式会社内 (72)発明者 川崎 征一 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番 地3 日立オートモティブエンジニアリ ング株式会社内 審査官 吉村 伊佐雄 (56)参考文献 特開 昭56−3539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 7/14 - 7/24 H02P 9/00 - 9/48

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンにより駆動される発電機の発電電
    圧を調整するレギュレータに、前記エンジンの運転状態
    またはバッテリの電気負荷使用状態を検出し、前記運転
    状態または電気負荷使用状態に応じて設定する前記発電
    機の目標発電電圧に相当する制御信号を発信して、車両
    用発電機を制御する制御方法において、前記発電機の発
    電電圧を、設定された前記目標発電電圧に近づけるよう
    に、一旦発信された前記制御信号に補正を付加し、前記
    発電機の発電電圧と前記目標発電電圧との電圧差が所定
    の値以下になるまで、前記制御信号を繰返し更新する以
    下のステップを有することを特徴とする車両用発電機の
    制御方法。前記運転状態または電気負荷使用状態の検出
    信号から車両状態の安定度を判定し、更新開始を決定す
    るステップ、 前記発電機の発電電圧と前記目標発電電圧との電圧差を
    求めるステップ、 前記電圧差より更新実行と更新終了を判定するステッ
    プ、 前記電圧差を用いて、補正値を求めるステップ、 前記補正値を用いて、発信された前記制御信号に補正を
    付加するステップ。
  2. 【請求項2】エンジンにより駆動される発電機の発電電
    圧を調整するレギュレータに、前記エンジンの運転状態
    またはバッテリの電気負荷使用状態を検出し、前記運転
    状態または電気負荷使用状態に応じて設定する前記発電
    機の目標発電電圧に相当する制御信号を発信して、車両
    用発電機を制御する制御方法において、前記発電機の発
    電電圧を、設定された前記目標発電電圧に近づけるよう
    に、一旦発信された前記制御信号に補正を付加し、前記
    発電機の発電電圧と前記目標発電電圧との電圧差が所定
    の値以下になるまで、前記制御信号を繰返し更新する以
    下のステップを有することを特徴とする車両用発電機の
    制御方法。前記運転状態または電気負荷使用状態の検出
    信号から車両状態の安定度を判定し、更新開始を決定す
    るステップ、 前記発電機の発電電圧と前記目標発電電圧との電圧差を
    求めるステップ、 前記電圧差より更新実行と更新終了を判定するステッ
    プ、 前記電圧差を用いて、補正値を求めるステップ、 前記補正値を用いて、発信された前記制御信号に補正を
    付加するステップ、 二回目以降の前記更新実行の時期を計るステップ。
  3. 【請求項3】請求項1あるいは請求項2において、前記
    車両状態の安定度を判定し、更新開始を決定するステッ
    プは、エンジン回転数、あるいは、車速などのようなエ
    ンジンの運転状態を現す物理量の変動が、所定の変動幅
    の範囲内に収まっている時に、車両状態が安定している
    と判定するものであることを特徴とする車両用発電機の
    制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1あるいは請求項2において、前記
    車両状態の安定度を判定し、更新開始を決定するステッ
    プは、前記バッテリの電圧のような電気負荷使用状態を
    現す物理量の変動が、所定の変動幅の範囲内に収まって
    いる時に、車両状態が安定していると判定するものであ
    ることを特徴とする車両用発電機の制御方法。
  5. 【請求項5】請求項1あるいは請求項2において、前記
    車両状態の安定度を判定し、更新開始を決定するステッ
    プは、前記物理量の変動が所定の変動幅の範囲内に収ま
    っている時間が、所定の時間以上継続した時に、車両状
    態が安定していると判定するものであることを特徴とす
    る車両用発電機の制御方法。
  6. 【請求項6】請求項1あるいは請求項2において、前記
    電圧差を求めるステップは、前記バッテリの電圧を所定
    の回数繰返し測定し、当該測定された電圧の均した値を
    前記発電機の発電電圧とし、前記電圧差を求めるもので
    あることを特徴とする車両用発電機の制御方法。
  7. 【請求項7】請求項1あるいは請求項2において、前記
    補正値を求めるステップは、前記電圧差と緩和補正係数
    を用いて、前記補正値を求めるものであることを特徴と
    する車両用発電機の制御方法。
  8. 【請求項8】請求項1あるいは請求項2において、前記
    補正値を求めるステップは、前記補正値が、所定の下限
    値あるいは上限値の範囲から外れた場合、当該補正値を
    それぞれの所定値に置換するものであることを特徴とす
    る車両用発電機の制御方法。
  9. 【請求項9】請求項1あるいは請求項2において、前記
    補正値を求めるステップは、予め記憶手段に記憶させて
    置いた初期記憶補正値、あるいは、過去の更新時に用い
    た当該補正値を記憶手段に記憶させて置いた記憶補正値
    を用いて、前記補正値を求めるものであることを特徴と
    する車両用発電機の制御方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記記憶補正値は、
    初回電源投入時であることが判定された時、前記記憶手
    段から消去されるものであることを特徴とする車両用発
    電機の制御方法。
  11. 【請求項11】請求項9において、前記記憶補正値は、
    更新が実行された時点のエンジンの運転状態またはバッ
    テリの電気負荷使用状態または前記目標発電電圧を、所
    定の条件で区分し、当該区分に対応した記憶領域別に、
    記憶されたものであることを特徴とする車両用発電機の
    制御方法。
  12. 【請求項12】請求項2において、二回目以降の前記更
    新実行の時期を計るステップは、少なくとも、前記レギ
    ュレータの前記発電機の発電電圧を調整するフィードバ
    ック制御周期より、長い時期を計るものであることを特
    徴とする車両用発電機の制御方法。
  13. 【請求項13】エンジンにより駆動される発電機と、前
    記発電機の発電電圧を調整するレギュレータと、前記エ
    ンジンの運転状態またはバッテリの電気負荷使用状態を
    検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を用
    いて、前記運転状態または電気負荷使用状態に応じた前
    記発電機の目標発電電圧を設定し、前記レギュレータ
    に、前記目標発電電圧に見合った制御信号を発信する制
    御装置とからなる車両用発電機の制御システムにおい
    て、 前記検出信号から車両状態の安定度を判定する手段と、
    前記安定度の判定に基づき、前記発電機の発電電圧を設
    定された前記目標発電電圧に近づけるように、一旦発信
    された前記制御信号に補正を付加し、前記制御信号を更
    新する手段とを設けたことを特徴とする車両用発電機の
    制御システム。
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