JP3042393B2 - 竪型炉への合成樹脂材の吹き込み方法 - Google Patents

竪型炉への合成樹脂材の吹き込み方法

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JP3042393B2
JP3042393B2 JP7329689A JP32968995A JP3042393B2 JP 3042393 B2 JP3042393 B2 JP 3042393B2 JP 7329689 A JP7329689 A JP 7329689A JP 32968995 A JP32968995 A JP 32968995A JP 3042393 B2 JP3042393 B2 JP 3042393B2
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道貴 佐藤
亮太 村井
達郎 有山
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    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21B5/00Making pig-iron in the blast furnace
    • C21B5/02Making special pig-iron, e.g. by applying additives, e.g. oxides of other metals
    • C21B5/023Injection of the additives into the melting part
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鉱石およびス
クラップ等の鉄源、並びに、コークス等を使用して溶銑
を製造する竪型炉に合成樹脂材を吹き込む方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】銑鉄を製造する高炉では、炉頂から鉄鉱
石、副原料および燃料となるコークスを装入し、炉下部
の羽口から高温(約1200℃)の空気を吹き込み、羽
口先に降下したコークスを燃焼させ、高温の還元性ガス
を発生させ溶銑を製造する。このコークスは、銑鉄1t
onの製造に対して約500kg使用される。コークス
を製造するためには原料炭を必要とするが、原料炭の産
地は限定されており、しかも、燃料用石炭よりも高価で
ある。そこで、高炉操業においては、高価なコークス使
用量を削減するために、羽口から、天然ガスおよびナフ
サ等の気体燃料、重油およびタール等の液体燃料、並び
に、微粉炭等の固体燃料を吹き込むことによって溶銑の
製造コストを低減する試みがなされている。
【0003】一方、近年、合成樹脂材の処理方法が、社
会的にもまた環境上でも問題となっている。合成樹脂材
の処理方法としては、埋立処理および焼却処理が主流と
なっている。埋立処理においては、埋立用地の不足が問
題となっており、また、焼却処理においては、合成樹脂
材が高い発熱量を有することから焼却炉内で局部的なホ
ットスポットが発生して炉壁耐火物を損傷することが問
題となっている。
【0004】例えば、特開昭51−33493号公報
は、合成樹脂材の粉砕物を重油と混合してスラリー状に
するか、または上記粉砕物を気体輸送して、高炉の羽口
から補助燃料として吹き込む方法(以下、「先行技術
1」という)を開示している。
【0005】また、EPC0622465A1号公報
は、溶銑を製造する竪型炉への合成樹脂材の吹き込み技
術に関して、合成樹脂材の粒子径を粉砕、裁断または熱
的細粒化により、主として1〜10mmの範囲内、特に
5mmにするのが望ましく、比表面積の大きな集結体の
形で吹き込む技術(以下、「先行技術2」という)を開
示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術には、下記問題がある。先行技術1は、合成
樹脂材を0.1mm以下の粒子径に粉砕することによ
り、合成樹脂材が燃焼帯を通過するときの燃焼性が良好
であるという利点を有する。しかしながら、先行技術1
では、合成樹脂材をスラリー状にし、または、気体輸送
して高炉羽口から吹き込むため、予め合成樹脂材を粉砕
する必要がある。水および/または重油と合成樹脂材等
の固体燃料とのスラリーを燃料として用いる場合、固体
燃料の沈降等スラリーの長期安定性の欠如が問題とな
る。そこで、より均一な燃料とするために、即ち、固体
燃料の分散性を高めるために、混合すべき固体燃料を細
かく粉砕する必要がある。ところが、合成樹脂材の粉砕
は石炭の粉砕に比べて難しく、ボールミル等を用いる粉
砕では、粉砕により発熱し合成樹脂材が溶融固化して、
粉砕機のトラブルの原因になる。特に、合成樹脂材粉粒
の平均粒子径を小さくしようとするほど溶融固化が顕著
になる。そのため、合成樹脂材を0.1mm以下の粒子
径に粉砕するためには、液体窒素等の高価な冷却剤を必
要とし、処理コストが嵩む。
【0007】先行技術2は、合成樹脂材の粒子径を1〜
10mm、特に、5mmとすることにより比表面積を大
きくすれば、合成樹脂材の粉砕に多額のコストをかける
ことなく、且つ、微粉炭吹込みの場合に起こり得るよう
な爆発の危険性が全くないので、流動層化ガスとして不
活性ガスの使用が不要で、圧縮空気を使用することがで
きるという利点を有する。しかしながら、先行技術2に
は、合成樹脂材の比表面積を具体的にいくらにすべきか
についての具体的実施例が開示されていず、また、粒径
を上記範囲に限定すべき根拠も記載されていない。
【0008】従って、この発明の目的は、上述した問題
に鑑みて、合成樹脂材混合物を羽口から補助燃料として
吹き込み、しかも、高燃焼率を得ることができる竪型炉
への合成樹脂材吹き込み方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記知見を得
た。先ず、羽口覗き窓から燃焼帯を観察した結果、羽口
から吹き込まれた石炭即ち微粉炭は、直ぐに、揮発分の
逃散とともに熱割れを起こして小さく分粒され、燃焼帯
から飛散するのに対して、粒子径の大きな合成樹脂材
は、燃焼しつつ旋回状態で燃焼帯に長時間滞留し、ある
程度小さくなるまで旋回状態で滞留する。この滞留期間
中に合成樹脂材の燃焼を短時間に完了させることが高燃
焼率を得るためには必要であり、そのために合成樹脂材
は以下に述べる適正な比表面積を有すべきであることを
見い出した。
【0010】このように、合成樹脂材と石炭とでは羽口
から吹き込まれた場合の燃焼体内での挙動が異なってお
り、合成樹脂材の場合には、燃焼帯内で滞留し易い条件
を備えているので、吹き込み合成樹脂材の比表面積を適
正な範囲内にすることにより燃焼率を向上させ得ること
が知見された。
【0011】この発明は上述した知見に基づいてなされ
たものであって、羽口から合成樹脂材を吹き込むことに
より、竪型炉で銑鉄を製造する方法において、平均比表
面積が50m2 /kg以上である合成樹脂材を吹き込む
ことに特徴を有するものである。
【0012】上記合成樹脂材は、5 wt.%以上を粒径1
mm以下の粒子で構成し、且つ、平均比表面積を25m
2 /kg以上としてもよい。また、上記合成樹脂材は、
3 wt.%以上を発泡体粒子で構成し、且つ、平均比表面
積を20m2 /kg以上としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施態様を、図
面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施態
様の例を説明する系統図である。高炉1の炉頂2から、
鉄鉱石3およびスクラップ4等の鉄源、並びに、コーク
ス5等を装入し、下部の羽口6から、高温の酸素富化空
気7、および、所定の合成樹脂材8を吹き込んで、羽口
先に形成された燃焼帯9内で効率よく合成樹脂材8を燃
焼させる。合成樹脂材8は、酸素富化空気7の導入管1
0の途中に吹き込む。
【0014】合成樹脂材は、平均比表面積を大きくする
ことにより燃焼帯内における合成樹脂材の燃焼率を向上
させることができる。合成樹脂材の燃焼率を良好な水準
まで向上させるためには、平均の比表面積を50m2
kg以上とすればよい。ここで、合成樹脂材の比表面積
は形状によって異なる。例えば、加熱し半溶融状態のも
のを急冷して固化させる減容固化による合成樹脂材は、
微粒の合成樹脂材が集結した不定形状を呈し、比表面積
が大きくなり好適である。燃焼帯内に吹き込まれた合成
樹脂材の内、比表面積の大きいもの(微粒のものあるい
は不定形状のもの)が先に燃焼を開始(以下、「先行燃
焼」という)し、粗粒の合成樹脂材は熱分解を促進され
て燃焼する。このようにして、吹き込まれた合成樹脂材
の燃焼率は総合的に向上する。
【0015】上記の他に、粒径が1mm以下のものによ
る先行燃焼の効果が大きく、この時は、5 wt.%以上含
ませるべきである。この場合には、燃焼率を向上させる
ために、全合成樹脂材の平均比表面積を25m2 /kg
以上とすればよい。
【0016】また、微粒の合成樹脂材の代わりに発泡合
成樹脂材を混合することにより、先行燃焼の効果を一層
発揮させ、燃焼率を向上させることができる。これは、
合成樹脂材の表面がポーラスになっているためである。
この場合には、発泡合成樹脂材を3 wt.%以上含ませ、
全合成樹脂材の平均比表面積を20m2 /kg以上とす
ればよい。
【0017】合成樹脂材としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレンおよびポリスチレン等高分子系の炭化水素化
合物であればよく、その種類は限定されない。また、発
泡合成樹脂材としては、食品用または断熱材として使用
されている発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発
泡体であればよく、その種類は限定されない。また、竪
型炉へ吹込みを行なう場合は、合成樹脂材単独ないしは
微粉炭との混合のどちらで吹き込んでもよい。
【0018】
【実施例】次に、この発明を実施例により、更に詳細に
説明する。図2は、この発明の竪型炉への合成樹脂材の
吹き込み方法を実施するために用いた竪型炉燃焼試験装
置を示す概略縦断面図である。同図において、6は羽
口、9は燃焼帯、11はコークス充填層、12は熱風、
13は合成樹脂材ホッパー、14はコークスホッパー、
15は検尺棒、16は燃焼ガス、そして17は炉本体で
あり、実際の高炉を模擬したものである。表1に、この
燃焼試験装置による主な試験条件を示す。
【0019】
【表1】
【0020】炉の上部から粒子径20〜30mmのコー
クスをコークスホッパー14から装入し、検尺棒15で
その装入高さを空隙率0.6になるように調整し、一
方、羽口6から、1200℃の熱風12を350Nm3
/hrの送風量で吹込み、更に、合成樹脂材ホッパー13
から送気された合成樹脂材を羽口6から、炉内に吹き込
んだ。合成樹脂材の吹込み量は30kg/hrであり、
これは、高炉において銑鉄1tonを製造するのに要す
る吹込み燃料の量(吹込み燃料比)に換算すると、90
kg/tに相当する。また、羽口6先のガス流速は、1
45m/sec と算定される。その結果、コークス充填層
11のコークスおよび吹き込まれた合成樹脂材が激しく
燃焼して、羽口6の前方に燃焼帯9が形成された。な
お、合成樹脂材としては通常の廃合成樹脂材で比表面積
の小さいもの(種類A)および減容固化材の比表面積の
大きいもの(種類B)の二種類を適宜使用した。また、
合成樹脂材の比表面積はBET法等のガス吸着法で測定
した。
【0021】上記燃焼試験装置を使用し、合成樹脂材の
燃焼率を測定した。吹き込まれた合成樹脂材の燃焼率α
は、下記(1)式: α={(A−C)β/C}×100 ------------------------- (1) 但し、A:合成樹脂材を吹き込まない場合のコークス消
費量(kg/hr) B:合成樹脂材を吹き込んだ場合のコークス消費量(k
g/hr) β:コークス中の炭素含有量 C:吹き込んだ合成樹脂材中の炭素量(kg/hr) で定義し、これに基づいて燃焼率αを算出した。上述し
た方法により下記試験〜を行なった。
【0022】(試験)合成樹脂材の平均比表面積を種
々変化させた場合の合成樹脂材の燃焼率を試験した。試
験結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2の結果から、合成樹脂材が本発明の範
囲内である実施例1〜4の燃焼率は、それが本発明の範
囲外である比較例1〜5の燃焼率よりも大幅に優れてい
ることがわかる。
【0025】(試験)合成樹脂材中の微粒子径、微粒
子径のものの含有量、および、合成樹脂材全体の平均比
表面積を種々変化させた場合の合成樹脂材の燃焼率を試
験した。試験結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3の結果から、下記事項がわかる。合成
樹脂材の微粒子径、微粒子径のものの含有量、および、
合成樹脂材全体の平均比表面積の内、少なくとも一つが
請求項2記載の発明の範囲外であると、合成樹脂材の燃
焼率は75%以下と低い。これに対して、それらが請求
項2記載の発明の範囲内であれば、合成樹脂材の燃焼率
は88%以上と良好である。
【0028】(試験)合成樹脂材中の発泡合成樹脂材
の含有量、および、合成樹脂材全体の平均比表面積を種
々変化させた場合の合成樹脂材の燃焼率を試験した。試
験結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表4の結果から、下記事項がわかる。合成
樹脂材中に占める発泡合成樹脂材の含有量、および合成
樹脂材全体の平均比表面積の内、少なくとも一方が請求
項3記載の発明の範囲外であると、合成樹脂材の燃焼率
は72%以下と低い。これに対して、それらが請求項3
記載の発明の範囲内であれば、合成樹脂材の燃焼率は9
0%以上と良好である。
【0031】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成したの
で、銑鉄を製造するための竪型炉の熱源として合成樹脂
材を使用する場合に、燃焼に最適な比表面積条件を明確
にしたので、燃焼率を大幅に向上させることが可能とな
り、石炭およびコークスを節約することができる。ま
た、焼却および埋立てにより処理されている廃合成樹脂
材を竪型炉の補助燃料として利用することが可能とな
り、環境問題の解決に寄与する。このように、工業上有
用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施態様の例を説明する系統図であ
る。
【図2】この発明の燃焼試験を実施するために用いる竪
型炉燃焼試験装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 高炉 2 炉頂 3 鉄鉱石 4 スクラップ 5 コークス 6 羽口 7 酸素富化空気 8 合成樹脂材 9 燃焼帯 10 導入管 11 コークス充填層 12 熱風 13 合成樹脂材ホッパー 14 コークスホッパー 15 検尺棒 16 燃焼ガス 17 炉本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有山 達郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 大河内 巌 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特表 平8−507105(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 11/00 - 13/14 C21B 5/00 319 F27D 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羽口から合成樹脂材を吹き込むことによ
    り、竪型炉で銑鉄を製造する方法において、平均比表面
    積が50m2 /kg以上である前記合成樹脂材を吹き込
    むことを特徴とする、竪型炉への合成樹脂材の吹き込み
    方法。
  2. 【請求項2】 羽口から合成樹脂材を吹き込むことによ
    り、竪型炉で銑鉄を製造する方法において、粒径1mm
    以下の粒子が5 wt.%以上含まれ、且つ、平均比表面積
    が25m2 /kg以上である前記合成樹脂材を吹き込む
    ことを特徴とする、竪型炉への合成樹脂材の吹き込み方
    法。
  3. 【請求項3】 羽口から合成樹脂材を吹き込むことによ
    り、竪型炉で銑鉄を製造する方法において、発泡体粒子
    が3 wt.%以上含まれ、且つ、平均比表面積が20m2
    /kg以上である前記合成樹脂材を吹き込むことを特徴
    とする、竪型炉への合成樹脂材の吹き込み方法。
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KR100368140B1 (ko) 1999-09-01 2003-01-15 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 선철제조용 합성수지재연료 및 선철제조방법
EP3438290B1 (en) * 2016-03-29 2020-09-30 JFE Steel Corporation Method for operating blast furnace

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