JP3042055B2 - 多極着磁永久磁石 - Google Patents

多極着磁永久磁石

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JP3042055B2
JP3042055B2 JP20846091A JP20846091A JP3042055B2 JP 3042055 B2 JP3042055 B2 JP 3042055B2 JP 20846091 A JP20846091 A JP 20846091A JP 20846091 A JP20846091 A JP 20846091A JP 3042055 B2 JP3042055 B2 JP 3042055B2
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直樹 堀
秀之 古山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多極着磁永久磁石に関
する。更に詳しくは、軸方向の隣合う磁極が互いに異極
である円筒状の多極着磁永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】軸方向の隣合う磁極が互いに異極である
円筒状の多極着磁永久磁石としては、従来から図4また
は図5に示されるようなものが知られている。
【0003】図4に示されたものは、内径側がN極、外
径側がS極になるように半径方向に着磁されたリング状
永久磁石3aとそれとは反対に内径側がS極、外径側が
N極になるように半径方向に着磁された同一寸法のリン
グ状永久磁石3bとを、交互に接着することにより、軸
方向の隣合う磁極が互いに異極となるように円筒状に形
成した多極着磁永久磁石3cである。
【0004】しかるに、このような円筒状多極着磁永久
磁石にあっては、着磁機の大きさの限界により、小さな
径のリング状永久磁石を得ることができないため、結局
は小さな径の円筒状永久磁石を得ることができないとい
う問題がある。
【0005】また、図5に示されたものは、内径側にN
極とS極とが交互に着磁され、それに対応する外径側に
はそれらの異極が交互に着磁されて、円周方向の隣合う
磁極が互いに異極となるようにされたリング状永久磁石
4aと軸方向の隣合う磁極が互いに異極となるように円
周方向の位置をずらした同じリング状永久磁石4bと
を、交互に接着することにより円筒状に形成した多極着
磁永久磁石4cである。
【0006】しかるに、このような円筒状多極着磁永久
磁石にあっては、強度上の限界により、リング状永久磁
石の厚みをあまり小さくすることができないため、常に
一定以上の厚みとなり、このことは円筒状永久磁石の軸
方向の長さを長くしない限り、リング状永久磁石の接着
枚数を増すことができず、換言すれば軸方向の極数を多
くすることができないという問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小型
にして軸方向の極数を増加せしめた円筒状の多極着磁永
久磁石を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
内径側がN極、外径側がS極になるように半径方向に着
磁された扇形状永久磁石とそれとは反対に着磁された扇
形状永久磁石とを軸方向に交互に接着させた扇形状永久
磁石群を、(1)円周方向に接着させ、軸方向の隣合う磁
極が互いに異極であるように円筒状に形成した多極着磁
永久磁石または(2)それとは反対に着磁された扇形状永
久磁石群と円周方向に交互に接着させ、軸方向および円
周方向の隣合う磁極が互いに異極であるように円筒状に
形成した多極着磁永久磁石によって達成される。
【0009】上記(1)の態様は、図1に示される。即
ち、内径側がN極、外径側がS極になるように半径方向
に着磁された扇形状永久磁石1aとそれとは反対に内径
側がS極、外径側がN極になるように半径方向に着磁さ
れた扇形状永久磁石1bとを、軸方向に交互に接着させ
て扇形状永久磁石群1cとする。この扇形状永久磁石群
1cは、軸方向の隣合う磁極が互いに異極となってい
る。それを、円周方向の隣合う磁極が互いに同極となる
ように複数個接着し、円筒状に形成させて、多極着磁永
久磁石1dとする。
【0010】また、上記(2)の態様は、(1)の場合と同様
の扇形状永久磁石2aと2bとを用い、軸方向に交互に
接着させて、扇形状永久磁石群2cと接着順序を変える
ことでそれとは反対に着磁された状態とした扇形状永久
磁石群2dとを形成させる。これらの扇形状永久磁石群
2c,2dは、いずれも軸方向の隣合う磁極が互いに異
極となっており、また扇形状永久磁石群が奇数個の扇形
状永久磁石から形成されている場合には、磁石群2cと
2dとでは磁石2aと2bとの個数が逆となる。それら
を、円周方向の隣合う磁極が互いに異極となるように交
互に接着し、円筒状に形成させて、多極着磁永久磁石2
eとする。
【0011】なお、扇形状永久磁石(群)同志の接着は、
非磁性材製のガイド治具を用い、接着剤塗布面同志を接
着させ、両側からプレスすることによって行われる。
【0012】上記(1)または(2)の態様で用いられる扇形
状永久磁石1a、1bおよび2a、2bは、例えば図3
に示されるような方法によって得られる。
【0013】まず、未着磁円筒状永久磁石1eを軸方向
に放射状に切断して複数個の扇形状物1f、1f´、1
f、・・・・に分割する。これらの扇形状物同志を、そ
れらの内周面側10と外周面側11とが互い違いになるよう
に切断面13同志を密接させて配列した後、これらをN極
およびS極を有する着磁装置14-15間に設置して半径方
向に着磁させる。
【0014】このようにして、内径側がN極、外径側が
S極になるように半径方向に着磁された扇形状物1h
と、これとは反対に内径側がS極、外径側がN極になる
ように半径方向に着磁された扇形状物1iとが得られ、
これらを更に半径方向に切断することにより、それぞれ
扇形状永久磁石1a(2a)および1b(2b)が得られ
る。
【0015】また、扇形状物1f、1f´、1f、・・
・・の半径方向の着磁は、上記の如く切断面同志を密
接、配列させて行わずに、個々に行うこともできる。
【0016】
【発明の効果】半径方向に着磁された扇形状永久磁石を
最小構成要素として用い、それは径および厚みを小さく
することが可能であり、それを軸方向に隣合う磁極が互
いに異極となるように接着して扇形状永久磁石群とな
し、それを円周方向に隣合う磁極が同極または異極にな
るように円筒状に接着して多極着磁永久磁石を形成させ
ているので、得られた円筒状の多極着磁永久磁石は、扇
形状永久磁石の径および厚みを小さくすることによって
小径のものとすることができ、また軸方向の極間の間隔
を小さくできるので、軸方向の極数を増加させても長さ
が長くならないなどの効果を奏する。
【0017】また、このような円筒状の多極着磁永久磁
石は、紡糸ノズル先端に取り付け、磁性中空糸などの製
造に有効に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の順序を追った説明図であ
る。
【図2】本発明の第2の態様の順序を追った説明図であ
る。
【図3】本発明の第1〜2の各態様で用いられる扇形状
永久磁石を得るための順序を追った説明図である。
【図4】公知技術の一態様の順序を追った説明図であ
る。
【図5】公知技術の他の態様の順序を追った説明図であ
る。
【符号の説明】
1a 扇形状永久磁石 1b 扇形状永久磁石 1c 扇形状永久磁石群 1d 円筒状多極着磁永久磁石 2a 扇形状永久磁石 2b 扇形状永久磁石 2c 扇形状永久磁石群 2d 扇形状永久磁石群 2e 円筒状多極着磁永久磁石

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径側がN極、外径側がS極になるよう
    に半径方向に着磁された扇形状永久磁石とそれとは反対
    に着磁された扇形状永久磁石とを軸方向に交互に接着さ
    せた扇形状永久磁石群を、円周方向に接着させ、軸方向
    の隣合う磁極が互いに異極であるように円筒状に形成し
    た多極着磁永久磁石。
  2. 【請求項2】 内径側がN極、外径側がS極になるよう
    に半径方向に着磁された扇形状永久磁石とそれとは反対
    に着磁された扇形状永久磁石とを軸方向に交互に接着さ
    せた扇形状永久磁石群を、それらとは反対に着磁された
    扇形状永久磁石群と円周方向に交互に接着させ、軸方向
    および円周方向の隣合う磁極が互いに異極であるように
    円筒状に形成した多極着磁永久磁石。
  3. 【請求項3】 未着磁円筒状永久磁石を軸方向に放射状
    に切断して複数個の扇形状物に分割し、これらを内径側
    がN極、外径側がS極またはこれとは反対になるように
    半径方向に着磁し、更に半径方向に切断して得られた内
    径側がN極、外径側がS極およびそれとは反対に着磁さ
    れた扇形状永久磁石が用いられた請求項1または2記載
    の多極着磁永久磁石。
  4. 【請求項4】 未着磁円筒状永久磁石を軸方向に放射状
    に切断して分割された複数個の扇形状物同志を、それら
    の内周面側と外周面側とが互い違いになるように切断面
    同志を密接させて配列した後、半径方向に着磁し、更に
    半径方向に切断された扇形状永久磁石が用いられた請求
    項3記載の多極着磁永久磁石。
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