JP3041674B2 - 植物栽培用容器 - Google Patents

植物栽培用容器

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JP3041674B2
JP3041674B2 JP8127458A JP12745896A JP3041674B2 JP 3041674 B2 JP3041674 B2 JP 3041674B2 JP 8127458 A JP8127458 A JP 8127458A JP 12745896 A JP12745896 A JP 12745896A JP 3041674 B2 JP3041674 B2 JP 3041674B2
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俊治 長光
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三明電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、植物を栽培ある
いは観賞するために設けられる植物栽培用容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている植物栽培用容器を図
10に示す。
【0003】植物栽培用容器1は、植物を保護するため
の保護ケース3及び器台8からなり、該保護ケース3は
上ケース5と下ケース7とを備えた構成である。
【0004】ここで、前記上ケース5は、保護ケース3
内の植物Sが見えるように透明材料で形成されており、
下ケース7は外周部が上ケース5に連結されて内部を密
閉するとともに、中央部に植物Sが植えられている培地
9が収納されている構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の植物栽培用
容器に使用される培地は、一般的に植物で使用される栄
養分を、例えば寒天で固めたもので水分も含まれてい
る。
【0006】また、容器内は室温と同じ温度に保たれて
いるため、長期間使用していると水分が蒸発してくる。
この蒸発した水分は上昇して上ケースの内周壁に溜り、
結露となる。
【0007】この結露は、上ケースの内周壁全体に発生
し、外部より容器内の植物を観賞するときに、視覚的に
妨げとなる場合がある。
【0008】本発明は、上記にかんがみて、容器内に溜
った結露に妨げられることなく、外部から容器内の植物
を観賞することのできる植物栽培用容器を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の植物栽培用容器
は、上記課題を解決するため、下記構成であることとす
る。
【0010】培地に植え付けられる植物を栽培あるいは
観賞するために使用されるものであり、植物を覆うよう
に配設される保護ケースと、保護ケースを支持する器台
とを有し、かつ、保護ケースは、一部または全部が透明
材より形成される上ケースと、上ケースと連結され、培
地を収納する下ケースよりなる構成であることを前提的
要件とし、以下のうちいずれかの構成であることを特徴
とする植物栽培用容器である。
【0011】(1) 上ケースの上部または側面部のうち少
なくとも一部が、中間部に空間を有する二重のケースよ
りなる構成である。
【0012】なお、この空間には、液体を充填してもよ
い。
【0013】(2) 上ケースの上部または側面部のうち少
なくとも一部が他の部分に比して、厚肉状に形成されて
いる。
【0014】なお、厚肉状に形成されている部位の厚さ
は、前記上ケース他の部位に比して1.5〜5倍であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0016】(1) 本発明の第一実施形態である植物栽培
用容器11は、図1に示すように、上ケース15、下ケ
ース17及び上ケース15と下ケース17との間に介在
されるパッキン16からなる保護ケース13と、保護ケ
ース13を支持する器台18とを備えて構成されてい
る。保護ケース13内には、植物Sを培地9に植え、密
閉状態にして配置している。また、保護ケース13内は
雑菌の侵入を防止して無菌状態を保つとともに、適度な
温度と湿度を保つようにしている。
【0017】上ケース15は、透視できるように例えば
ポリカーボネート等の合成樹脂やガラス等の透明な材料
で形成され、上部外周が半球状で下部が上部に連接する
円筒状に形成され、下面が解放された状態で内部が中空
状に形成されている。
【0018】なお、上ケースは全部透視可能とする必要
はなく、例えば、培地表面に相当する部位以下を半透明
または着色不透明としてもよい。
【0019】さらに、上部外周には、上ケース15と同
一材料より形成されている半球状の補助ケース部材20
が上ケース15の上面を覆い、かつ、上ケース15との
間に空間ができるように、接着剤等を用いて連結されて
いる。そして、補助ケース部材20の略中央部には、孔
部20aが形成されており、補助ケース部材20と上ケ
ース15との間には、水Wが充填されている。なお、孔
部20aは透明材よりなるシール材22で外側より閉塞
されている。
【0020】また、上ケース15の下端部には、図2で
示すように、保護ケース13内を密封強固にするため
に、全周にわたってパッキン16を押圧する突起部15
aが形成されている。さらに、上ケース15の下端部の
近傍上方には、図3に示すように、器台18と連結する
連結片24が下部の外周に4ケ所形成され、連結片24
の上面は、図4に示すように、平面視において、上ケー
ス15の回転する方向に対して後部側が高くなるように
傾斜面24aを有している。なお、連結片24の個数は
4個に限定されるものではなく、複数個あれば効果的で
ある。
【0021】下ケース17は、中央部が上方にむかって
開口された円筒状の収納部26が形成され、下部にフラ
ンジ面28が形成されている構成である。フランジ面2
8の外縁部には、パッキンを介して上ケース15の突起
部15aによって押圧されてケース内を密封するため
に、図2に示すように、外周にわたって凸部28aが形
成されている。
【0022】収納部26は培地9が収納される培地収納
部29と、保水材10が収納される給水手段収納部30
との2段に形成されている。
【0023】培地9としては、一般的に植物培養で使用
されるものが使用可能である。また、保水材10として
は、工業用プラスチックで構成される保水材、例えば、
水分を含んだアクリルアミドの共重合体で構成されるも
の等が使用可能である。また、農園芸用スポンジに水を
含ませたもの等も使用可能である。さらに、単に吸水手
段収納部内に水を入れるだけでもよい。
【0024】なお、下ケース17のフランジ面28に
は、上ケース15が曇らないように図示しない複数個の
通気穴が形成されており、同じく図示しないフィルタで
塞がれている。
【0025】上ケース15と下ケース17との間に介在
されるパッキン16は、弾力のあるゴム製でリング状に
形成されている。パッキン16の上面には、上ケース1
5の突起部15aに係合される凹部16aが形成され、
パッキン16の下面には下ケース17のフランジ面28
に形成された凸部28aに係合される凹部16bが形成
されている。さらに外周部は下ケース17のフランジ面
28の外周側面を囲うように全周にわたって下側に向か
って突起される突起部16cが形成されている。
【0026】器台18は、図5に示すように、お盆型に
形成されたものであり、側面部32が中空状に形成さ
れ、底面部34は下方が解放されている。側面部32の
下端面は底面部34の下端面より下方に延設されてお
り、側面部32の内周壁に上ケース15の連結片24に
係合される連結対片36が連結片24に対応して4ケ所
形成される。
【0027】連結対片36の下面には、連結片24の傾
斜面24aが係合できるように傾斜面36aと、連結片
24の端面が当接するストッパ片36bが傾斜面36a
より低い位置に配設されるように形成されている。そし
て、底面部34の上面には下ケース17が載置される構
成である。
【0028】本実施形態では、補助ケース部材20と上
ケース15との間に水Wが充填されているが、これに限
られるものではなく、何も充填しなくてもよい。また、
顔料等で着色された水を充填することも可能である。
【0029】上記のように構成される植物栽培用容器1
1は、培地9に植えられた植物Sが下ケース17に納め
られ、保護ケース13が器台18に連結されることによ
り、保護ケース13内が密封される。
【0030】保護ケース13の器台18への連結方法
は、以下のとおりである。まず、器台18上に、培地9
に植えられた植物Sを下ケース17の培地収納部29に
納める。培地9は微量栄養素等が寒天で固められた状態
にされていて、培地9の下方には、給水材収納部30に
保水材10が収納されている。下ケース17を器台18
に載置し、下ケース17のフランジ面28の凸部28a
とパッキン16の凹部16bを合わせてパッキン16を
下ケース17に係合させる。その後、上ケース15を、
上ケース15の連結片24と器台18の連結対片36と
が干渉しない位置において、上ケース15下面の突起部
15aをパッキン16の突起部16aに合わせながら、
下ケース17のフランジ面28上に載置する。上ケース
15を器台18に対して所定角度(連結片24が連結対
片36のストッパ片36bに当接するまで)回転する
と、上ケース15の連結片24と器台18の連結対片3
6がその傾斜面24a、36aにガイドされながら連結
される。上ケース15がパッキン16を介して下ケース
17を押圧することによって保護ケース13内が強固に
密封される。
【0031】培地9に植えられる植物Sは、昆虫や小動
物を捕らえて食虫作用をする食虫植物で、例えば、ハエ
トリグサや、コモウセンゴケ、ミミカキグサ等が栽培さ
れる。本発明の植物栽培用容器11は、光の照射する家
庭内窓際やあるいは庭先に置かれることによって適度な
温度が保たれる。この場合約20℃〜25℃が適温であ
る。
【0032】この状態でしばらくすると培地9に含まれ
る水分が蒸発し、上ケース15の上部の内周壁に結露と
なって溜ってくる。しかし、本実施形態においては、上
ケース15の上部が補助ケース部材20との二重構造と
され、外気に対して温度変化が少ない(温度が下がりに
くい)ため、結露は上ケース15の上部には溜らず、側
面部にのみ溜ってくる。従って、結露に妨げられること
なく、容器上部からの観賞が可能となる。
【0033】また、補助ケース部材と上ケースとの間
に、水等の液体が充填されている場合は、液体がレンズ
の役割をして内部の植物が大きく見えるという効果も発
生する。さらに、着色した液体を充填する場合は、植物
を着色された状態で観賞することができる。
【0034】また、図6に示すように、上ケース15の
内側に上ケース15と同一材料により形成された円筒体
38を、接着剤等を用いて連結させ、側面部を二重構造
としてもよい。この場合、結露は上ケース15の上部に
溜り、容器側部からの観賞が可能になる。
【0035】さらに、図7に示すように、上部全体を、
側面部に比して厚肉状に形成した上ケース25を用いた
保護ケース23を使用して、植物栽培用容器21とする
ことも可能である。
【0036】このとき、上部の厚さは、側面部の厚さの
1.5〜5倍(望ましくは、2〜4倍)とする。1.5
倍未満であると、差が十分でなく、上部にも結露が溜る
おそれがあり、また、5倍以上であると、厚過ぎて、観
賞に適さないためである。上ケースの上部を側面部に比
して厚肉状に形成した場合も、上ケースの上部は外気に
対して温度変化が少ないため、結露は側面部にのみ溜っ
てくる。従って、容器上部からの観賞が可能となる。
【0037】さらにまた、図8に示すように、側面部全
体を上部に比して厚肉状に形成した上ケース35を用い
た保護ケース33を使用して、植物栽培用容器31とし
てもよい。この場合、結露は上ケースの上部に溜り、容
器側部からの観賞が可能になる。
【0038】(2) 図9に、本発明の第二実施形態を示
す。
【0039】本実施形態の植物栽培用容器41は、図1
における植物栽培用容器11における下ケース17を変
更したものである。前述の実施形態と同一の部位は同一
の図符号を付して説明を省略する。
【0040】下ケース27は、収納部26とフランジ面
39とを備えて形成されている。収納部26は、前述の
第一実施形態と同様であり、上方が解放されるカップ状
に形成され、上方に培地収納部29と、下方に培地収納
部29より内周が小径の給水材収納部30とが配設され
ている。フランジ面39は外縁部がパッキン16を介し
て上ケース15に押圧される係合部39aを有し、係合
部39aの内側から収納部26の外周部にかけて、収納
部26側に向かって低くなるように全周にわたって傾斜
部39bが形成され、さらに、傾斜部39bの外周縁は
係合部39aより高く形成されている。そして、給水材
収納部30の傾斜部39bと連接する位置あたりには、
外周方向に横長のスリット状の穴40が複数個形成され
ている。培地収納部29には植物Sが植えられている培
地9が収納され、給水材収納部30には保水材10が収
納されている。
【0041】そして、培地9に含まれる水分が蒸発し
て、上ケース15の上部内周壁に溜った結露が下ケース
27のフランジ面39に落下すると、その水はフランジ
面39の傾斜部39bを伝わって、スリット状の穴40
を通り、保水材10に吸水される。そのため、培地9に
は常に水分が給水され寿命がさらに長くなる。
【0042】なお、本形態においては、給水材収納部に
保水材が収納されているが、給水材収納部をなくして培
地収納部だけにし、フランジ面の傾斜部に落下した水が
スリット状の穴を通り直接培地に給水するようにしても
よい。
【0043】また、図例では、上ケースとして、図1と
同様、上ケース15の上部が補助ケース部材20で覆わ
れ、内部に水Wが充填されたものが示されているが、こ
れに限られるものではなく、前述の第一実施形態に例示
されている種々の態様も適用可能である。
【0044】本発明の各実施形態においては、保護ケー
スと器台との間に連結手段を設けているが、下ケースに
配設される培地に給水手段が配設できるものであれば、
前記連結手段がないものでも、本発明は適応可能であ
る。
【0045】また、本発明の各実施形態においては、培
地収納部と吸水手段収納部の内径が同じであるものが使
用されているが、これに限られるものではなく、培地収
納部の内径が、吸水手段収納部の内径より大きく形成さ
れているものでも、本発明は適用可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の植物栽培用容器は、上記構成で
あるため、下記のような効果を奏する。
【0047】上ケースの上部または側面部のうち少なく
とも一部が、中間部に空間を有する二重のケースよりな
る構造の植物栽培用容器の場合、二重ケース部分は外気
に対して温度変化が少ないため、結露が溜らず、二重ケ
ース部分から、容器内の観賞が可能となる。上ケースの
上部または側面部のうち少なくとも一部が他の部分に比
して、1.5〜5倍肉厚に形成されている場合も、同様
の効果が得られる。
【0048】次に、二重ケース間に、水等の液体を充填
する場合は、液体がレンズの役割をして内部の植物が大
きく見えるという効果も発生する。さらに、着色した液
体を充填する場合は、植物を着色された状態で観賞する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示す断面図
【図2】図1における上ケースと器台の連結部を示す部
分断面図
【図3】図1における上ケースの平面図
【図4】図1における連結片を示す図
【図5】図1における器台を示す斜視図
【図6】本発明の第一実施形態の他の例を示す断面図
【図7】本発明の第一実施形態のさらに他の例を示す断
面図
【図8】本発明の第一実施形態のさらにまた他の例を示
す断面図
【図9】本発明の第二実施形態を示す断面図
【図10】従来の植物栽培用容器を示す断面図
【符号の説明】
1、11、21、31、41 植物栽培用容器 3、13、23、33、43 保護ケース 5、15、25、35 上ケース 7、17、27 下ケース 8、18 器台 9 培地 10 保水材 16 パッキン S 植物

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培地に植え付けられる植物を栽培あるい
    は観賞するために使用される植物栽培用容器であって、 前記植物を覆うように配設される保護ケースと、前記保
    護ケースを支持する器台とを有し、 前記保護ケースは、一部または全部が透明材より形成さ
    れる上ケースと、前記上ケースと連結され、前記培地を
    収納する下ケースよりなる構成であり、 前記上ケースの上部または側面部のうち少なくとも一部
    が、中間部に空間を有する二重のケースよりなることを
    特徴とする植物栽培用容器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の植物栽培用容器であっ
    て、前記空間に液体が充填されていることを特徴とする
    植物栽培用容器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の植物栽培用容器であっ
    て、前記液体が着色されていることを特徴とする植物栽
    培用容器。
  4. 【請求項4】 培地に植え付けられる植物を栽培あるい
    は観賞するために使用される植物栽培用容器であって、 前記植物を覆うように配設される保護ケースと、前記保
    護ケースを支持する器台とを有し、 前記保護ケースは、一部または全部が透明材より形成さ
    れる上ケースと、前記上ケースと連結され、前記培地を
    収納する下ケースよりなる構成であり、 前記上ケースの上部または側面部のうち少なくとも一部
    が他の部分に比して、厚肉状に形成されていることを特
    徴とする植物栽培用容器。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の植物栽培用容器であっ
    て、厚肉状に形成されている部位の厚さは、前記上ケー
    ス他の部位に比して1.5〜5倍であることを特徴とす
    る植物栽培用容器。
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